JP2004305635A - カプセル超音波内視鏡 - Google Patents

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JP2004305635A JP2003106858A JP2003106858A JP2004305635A JP 2004305635 A JP2004305635 A JP 2004305635A JP 2003106858 A JP2003106858 A JP 2003106858A JP 2003106858 A JP2003106858 A JP 2003106858A JP 2004305635 A JP2004305635 A JP 2004305635A
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Shinichi Miyamoto
眞一 宮本
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Abstract

【課題】カプセル部が通過する管腔の内径の大きさの変化に応じて超音波診断を行えるカプセル超音波内視鏡を提供すること。
【解決手段】カプセル超音波内視鏡1は、カプセル本体部2と、キャップ部3とで構成され、キャップ部3とカプセル本体部2とを一体にしたカプセル部外周面にはバルーン6が配置される。カプセル本体部2の端部には貫通孔2aが形成されている。カプセル本体部2には第1凹部16a及び超音波伝達媒体を一時的に貯留する第2凹部16bを有するユニット配置部材16が配置される。配置部材16には流体管路18が設けられ、中途部にはポンプ20及び圧力センサ21が配置される。ポンプ20は流体管路18を介してバルーン6内に媒体を注入したり、排出する動作を行う。圧力センサ21は、バルーン6内の内圧を検出し、その検出値を制御部19aに出力する。制御部19aは、圧力センサ21の検出値を基にポンプ20を駆動制御する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を送受信する超音波振動子をカプセル部内に備え、このカプセル部を体腔内に導入して超音波診断を行えるカプセル超音波内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療用に構成したカプセル部を体腔内に導入して、体腔内の病変部の情報を収集したり、薬液を投与したりする医療方法が知られている。そして、近年では、医療用に構成したカプセル部を体腔内に送り込んで、体腔内の画像を得るカプセル型の内視鏡が実用化されつつある。
【0003】
また、観測用超音波信号を生体組織へ送受波し、この生体組織から反射するエコー信号によって、診断用の超音波断層画像を得る超音波診断装置においても、超音波プローブでは診断が困難な部位の超音波診断を可能にする医療用カプセルが特開2002−306491号公報に提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−306491号公報(第2−5頁、図1−5)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記2002−306491号公報の医療用カプセルにおいては超音波振動子が設けられている部分の外周囲を水を封入したバルーンで覆っていた。このため、前記医療用カプセルが通過する食道、胃、十二指腸、小腸、大腸等、内径の大きさの違う管腔を通過するとき、それぞれの管腔の内径の大きさに合わせてバルーンの膨張状態を変化させることができないという不具合があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、カプセル部が通過する管腔の内径の大きさの変化に対応して超音波診断を行えるカプセル超音波内視鏡を提供することを目的にしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のカプセル超音波内視鏡は、超音波を送受信する超音波振動子及びこの超音波振動子を回転させる駆動モータ等をカプセル部内に備え、このカプセル部を体腔内に導入して体腔内の超音波断層画像を得るカプセル超音波内視鏡であって、
前記カプセル部の外周面に管腔壁に密着する変形自在な超音波伝達手段を配置する一方、前記カプセル部内に前記超音波伝達手段の変形状態を所定状態に設定する変形状態設定手段を設けている。
【0007】
また、前記超音波伝達手段が、超音波伝達媒体の注入量の変化によって膨縮するバルーンであるとき、
前記変形状態設定手段は、前記超音波伝達媒体が移動される流体管路と、この流体管路中に配置される前記バルーン内に超音波伝達媒体の供給或いは前記バルーン内の超音波伝達媒体をカプセル部外に排出するポンプと、前記流体管路中に配置される前記バルーン内の圧力を検出する圧力検知部とを具備している。
【0008】
一方、前記超音波伝達手段が温度の変化によって熱変形する形状記憶高分子であるとき、
前記バルーン膨縮状態調整手段は、前記形状記憶高分子を加熱 ・冷却しての温度を変化させて熱変形させる温度調整手段と、前記カプセル部から管腔壁までの距離を計測する測距装置と、この測距装置の測定結果を基に、前記温度調整手段を所定温度に設定する温度制御部とを具備している。
【0009】
この構成によれば、管腔の大きさの変化に伴って、カプセル部内に設けた変形状態設定手段によって、このカプセル部の外周面に配置された超音波伝達手段が所定形状に変形されて、この超音波伝達手段が管腔壁に密着した状態になる。
【0010】
また、カプセル部に超音波伝達媒体が注入されるバルーンを設けたときには、バルーン内の圧力を圧力検知部で検出し、この検出結果に基づいてバルーン内に注入されている超音波伝達媒体の注入量が適宜変化されて、バルーンが管腔壁に対して所定の密着状態になる。
【0011】
一方、カプセル部に熱変形する形状記憶高分子を設けたときには、カプセル部と管腔壁との距離を計測して、この計測結果に基づいて温度制御部の設定温度を変化させて、温度調整手段を加熱或いは冷却する。このことによって、形状記憶高分子が所定形状に変形して、この形状記憶高分子が管腔壁に対して所定の密着状態になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態に係り、図1はカプセル超音波内視鏡を説明する図、図2はカプセル超音波内視鏡のバルーンが管腔壁に密着している状態を説明する図、図3はカプセル超音波内視鏡のバルーンが膨張した状態から縮小して管腔壁に密着している状態を説明する図である。
【0013】
図1に示すように本実施形態のカプセル超音波内視鏡(以下、超音波カプセルと略記する)1は、略円筒状で端部を略半球形状に形成したカプセル本体部2と、このカプセル本体部2の開口側に一体的に固定される端部を略半球形状に形成したキャップ部3とで主に構成されている。このキャップ部3と前記カプセル本体部2とを一体にして構成されるカプセル部4内には後述する超音波ユニット5が配置され、外周面所定位置には膨縮自在な超音波伝達手段である超音波透過性を有する弾性部材で形成したバルーン6が配置されている。
【0014】
前記超音波ユニット5は、超音波信号を出射するとともに、超音波診断断層画像を構築するためのエコーデータを取得する超音波振動子11と、この超音波振動子11を機械的に回転させる駆動モータ12と、前記超音波振動子11の回転角を検出するエンコーダ13と、前記超音波振動子11と図示しない超音波観測装置との間の信号授受を行うスリップリング14とで主に構成されている。
【0015】
前記超音波振動子11は例えば振動子保持部材15の一面側に固定配置されている。この振動子保持部材15から突出する軸部15aは、前記駆動モータ12から突出する駆動軸12aに一体的に固定されている。したがって、前記駆動モータ12が駆動されることによって、前記超音波振動子11が回転状態になる。
【0016】
前記カプセル本体部2は、生体適合性を有する硬質な樹脂部材で形成されている。このカプセル本体部2の半球状の端部にはカプセル部4の内部と外部とを連通する貫通孔2aが形成されている。この貫通孔2aは、水等の超音波伝達媒体を通過させるメッシュ部材等で形成された膜部材7によって塞がれた状態になっている。
【0017】
前記カプセル本体部2には、略中央部に前記超音波ユニット5が配置される第1凹部16a及び前記超音波伝達媒体を一時的に貯留する第2凹部16bを形成したユニット配置部材16が配置されるようになっている。
【0018】
前記ユニット配置部材16の凹部16aには、前記超音波ユニット5を構成する駆動モータ12、エンコーダ13及びスリップリング14が底面側から順に配置されている。この第1凹部16aの開口側には前記軸部15aを保持するとともに、この軸部15aと第1凹部16aとの間の水密を保持するOリング17が配置されている。
【0019】
前記ユニット配置部材16の所定位置には後述する1つ以上の流体管路18が設けられるとともに、制御部19aや通信部19bを備えた制御装置19や例えば外部装置からの電磁波などで充電の行える蓄電池或いは乾電池等を配置した電源部(不図示)が配置されている。
【0020】
前記流体管路18の一開口は前記第2凹部16bに連通して形成され、他開口は前記バルーン6に連通して形成されている。また、この流体管路18の中途部にはポンプ20及び圧力検知部である圧力センサ21が配置されている。
【0021】
前記ポンプ20は前記膜部材7を通過して第2凹部16bに溜められた超音波伝達媒体を流体管路18を介してバルーン6内に注入したり、或いは、このバルーン6内に注入されている超音波伝達媒体を流体管路18を介して前記第2凹部16b、貫通孔2aを介して排出する動作を行う。
前記圧力センサ21は、前記バルーン6内の内圧を検出し、その検出値を前記制御装置19の制御部19aに出力する。
【0022】
前記制御装置19の制御部19aは、例えば前記圧力センサ21の検出値を基に前記ポンプ20を駆動制御したり、前記駆動モータ12を駆動制御する。また、前記通信部19bは、図示しない外部装置である超音波観測装置から前記駆動モータ12を駆動するための駆動信号を受信したり、前記エンコーダ13の検出値等を前記超音波観測装置に向けて送信する。
【0023】
なお、前記制御装置19に超音波カプセル1の体腔内でのカプセル位置を告知するカプセル位置告知手段を設けるようにしてもよい。
【0024】
一方、前記キャップ部3はポリメチルペンテンやポリエチレン、ポリエーテルブロックアミド等の超音波透過性に優れた材質で形成されている。このキャップ部3は、前記カプセル本体部2の所定位置に例えば接着剤によって一体的に固定される。そして、このキャップ部3と前記ユニット配置部材16及びOリング17とで構成される内部空間には前記超音波振動子11が配置されるとともに、例えば流動パラフィン、水、カルボキシメチルセルロース水溶液等の超音波伝達媒体22が充填されている。
【0025】
上述のように構成した超音波カプセル1の作用を説明する。
前記超音波カプセル1で例えば、食道及び小腸付近の超音波観察を行う場合、まず、被験者は、バルーン6内に超音波伝達媒体22を予め所定量注入した超音波カプセル1を嚥下する。すると、嚥下された超音波カプセル1が、蠕動運動によって食道を移動していく。
【0026】
このとき、図示しない超音波観測装置のモータ駆動スイッチを操作して、この超音波観測装置の送信部(不図示)から前記超音波カプセル1に向けて駆動モータ12の駆動を指示する駆動信号及び超音波振動子11の駆動を指示する駆動信号を出力する。すると、これら駆動信号が前記通信部19bで受信されて、前記超音波振動子11が回転を開始するとともに超音波信号が出射されてラジアル方向の超音波走査が可能な状態になる。また、前記超音波カプセル1に設けられている圧力センサ21で検出した検出値が前記制御装置19の制御部19aに向けて出力される。
【0027】
前記制御装置19の制御部19aでは、前記圧力センサ21から出力される検出値が適正圧力範囲内であるか否かの判定を行う。このとき、前記制御部19aで前記検出値が適正圧力範囲内であると判定したときには、前記バルーン6が食道の壁に所定の密着状態になっているので、前記超音波観測装置の画面(不図示)上に食道の超音波画像が表示される。
【0028】
これに対して、前記圧力センサ21から出力される検出値が適正圧力範囲以下、即ち、バルーン6が食道の壁に所定の密着状態でないと判定したときには、前記ポンプ20を超音波伝達媒体をバルーン6内に供給する動作状態にする一方、前記通信部19bから前記超音波観測装置に向けて告知信号を出力する。
【0029】
ここで、前記告知信号を観察者が確認したなら、観察者は、被検者に超音波伝達媒体である水を所定量飲んでもらう。すると、図2に示すように被検者が飲んだ超音波伝達媒体22が膜部材7を通過して第2凹部16b内に溜まり、この超音波伝達媒体22が動作状態であるポンプ20によって流体管路18を介してバルーン6内に注入されていく。このことによって、前記圧力センサ21から出力される検出値が刻々と変化していく。
【0030】
そして、前記圧力センサ21から出力される検出値が適正圧力範囲に到達したと判定したなら、前記ポンプ20の動作が停止状態になって、超音波伝達媒体22のバルーン6内への注入も停止される。このとき、バルーン6が破線に示す状態から実線に示す状態まで膨張して管腔壁に所定状態で密着する。このことによって、管腔壁の超音波画像が前記超音波観測装置の画面(不図示)上に表示される。
【0031】
一方、図3に示すように前記バルーン6が膨張した状態の超音波カプセル1が管腔の内径が小さくなる方向に蠕動運動によって移動していくと、前記圧力センサ21から出力される検出値が適正圧力範囲を越えることがある。そして、前記制御部19aで検出値が適正圧力範囲以上であると判定した場合には、前記ポンプ20を所定の駆動状態にしてバルーン6内の超音波伝達媒体22を第2凹部16b、膜部材7を介して排出していく。
【0032】
そして、前記圧力センサ21から出力される検出値が適正圧力範囲になったと判定したなら、前記ポンプ20の駆動を停止させて、超音波伝達媒体22のバルーン6からの排出も停止させる。このとき、バルーン6が縮小して管腔壁に対して所定の密着状態になる。
【0033】
なお、前記超音波カプセル1が例えば食道から胃などの大きな管腔に到達したときには前記圧力センサ21から出力される検出値が大幅に適正圧力範囲以下になる。このような場合には制御部19aからの指示信号によって、バルーン6を膨張させるようにポンプ20を動作させても検出値が変化しない。このため、前記ポンプ20が胃を通過する際には前記ポンプ20が駆動状態にならないように予め制御プログラムが設定しておくようにしてもよい。また、前記超音波カプセル1の体腔内の位置をカプセル位置告知手段によって確認して、適宜、被検者に水を飲んでもらうようにしてもよい。
【0034】
このように、超音波カプセルを構成するカプセル本体部に超音波伝達媒体を導入する開口部及び第2凹部を設ける一方、このカプセル本体部に配置されるユニット配置部材に第2凹部とカプセル部の外周側に配置されているバルーンにそれぞれ連通する開口を有する流体管路を形成し、この流体管路の中途部に超音波伝達媒体を移動させるポンプを設けたことによって、このポンプを適宜所定の駆動状態に切り換えて、超音波伝達媒体のバルーンへの注入或いはバルーンに注入されている超音波伝達媒体のカプセル部の外への排出を行って、バルーンの膨縮状態を調整することができる。
【0035】
また、ユニット配置部材に形成した流体管路の中途部に、バルーン内の圧力を検出する圧力センサを設ける一方、このユニット配置部材に設けた制御装置に前記ポンプを圧力センサから出力される検出値に基づいて動作制御する制御部を設けたことによって、圧力センサの検出する検出値に基づいてポンプの動作状態を超音波伝達媒体をバルーンへ注入する状態或いはバルーンに注入されている超音波伝達媒体を排出する状態に切り換えて、バルーン内の圧力を適正圧力範囲内に調整して、バルーンを所定状態で管腔壁に対して密着させて超音波観測装置の画面上に超音波画像を表示させることができる。
【0036】
さらに、カプセル本体部に形成した開口部に水を通過させる膜部材を設けたことによって、バルーン内に体腔内のゴミが混入することを防止して、超音波観測装置の画面上にノイズのない良好な超音波画像を表示させることができる。
【0037】
(第2実施形態)
図4は本発明の第2実施形態にかかるカプセル超音波内視鏡の他の構成を説明する図である。
本実施形態の超音波カプセル1Aにおいては、前記第1実施形態のユニット配置部材16に第2凹部16bを設け、カプセル本体部2の端部に超音波伝達媒体22を導入するための貫通孔2aを設けた構成の代わりに、カプセル部4内に超音波伝達媒体を所定量貯留するための媒体用タンク41を設け、この媒体用タンク41と前記流体管路18の一開口とを連通状態にしている。その他の構成は前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0038】
上述のように構成した本実施形態の超音波カプセル1Aでは、前記第1実施形態で述べたように、前記圧力センサ21から出力される検出値を基に、前記ポンプ20の動作を所定状態に切り換えて、超音波伝達媒体をバルーン6へ注入したり、バルーン6に注入されている超音波伝達媒体を排出して、このバルーン6内の圧力を適正圧力範囲内に調整して、バルーン6を管腔壁に所定状態で密着させている。
【0039】
このように、カプセル部に媒体用タンクを設け、この媒体用タンクに貯留されている超音波伝達媒体を圧力センサから出力される検出値を基にポンプを所定状態に動作させることによって、バルーンの膨縮状態を適宜調整して、このバルーンを所定状態で管腔壁に対して密着させて超音波観測装置の画面上に超音波画像を表示させることができる。
【0040】
このことによって、検査途中に、バルーンを膨張させるために被検者に水等の超音波伝達媒体を飲んでもらうことなく、バルーンの膨縮を行える。その他の作用及び効果は前記第1実施形態と同様である。
【0041】
(第3実施形態)
図5は本発明の第3実施形態にかかるカプセル超音波内視鏡の別の構成を説明する図である。なお、図5(a)はカプセル部の外周面に形状記憶高分子を配置したカプセル超音波内視鏡を説明する図、図5(b)は、形状記憶高分子とペルチェ素子のカプセル部周方向に対する配置位置を説明する図5(c)は形状記憶高分子が変形した状態のカプセル超音波内視鏡を説明する図である。
本実施形態の超音波カプセル1Bでは、前記第1実施形態のようにカプセル部4の外周面所定位置に配置させたバルーン6を、このバルーン6内に注入される超音波伝達媒体の注入量をポンプ20で調整して膨縮させる構成の代わりに、図5(a)及び図5(b)に示すようにカプセル部4の外周面全周に渡って、変形自在な超音波伝達手段として超音波透過性を有し温度変化によって所定形状に変形する所定厚み寸法の形状記憶高分子51及び、この形状記憶高分子51を熱変形させるために加熱 ・冷却する温度調整手段として例えばペルチェ素子52を配置している。
【0042】
具体的に、ユニット配置部材16の所定位置外周に前記ペルチェ素子52を配置するとともに、このユニット配置部材16には前記ペルチェ素子52に対する設定温度を制御する温度制御部53が設けている。一方、前記形状記憶高分子51は、カプセル部4を形成後に所定位置に配置される。
【0043】
前記カプセル部4の基端側にはこのカプセル部4と管腔壁までの距離を計測する測距装置54が設けられている。この測距装置54は、超音波をカプセル部4の長手軸方向に対して直交する方向に超音波を出射して、管腔壁から反射したエコー信号を受信する少なくとも1つの超音波プローブ54aと、この超音波プローブ54aから管腔壁までの距離を演算するとともに、その演算結果に基づいて前記温度制御部53に対して前記形状記憶高分子51を最適形状にする設定温度を指示する温度制御信号を出力する演算制御部54bとで構成されている。
なお、本実施形態においては前記ユニット配置部材16に制御部55、通信部56、図示しない電源部をそれぞれ設けている。その他の構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0044】
上述のように構成した超音波カプセル1Bの作用を説明する。
前記超音波カプセル1Bが被検者に嚥下されると、蠕動運動によって食道を移動していく。そして、図示しない超音波観測装置のモータ駆動スイッチを操作して、前記超音波振動子11を回転させて超音波信号を出射させるとともに、前記測距装置54の超音波プローブ54aから超音波を出射させて管腔壁までの距離の測定を行う。
【0045】
前記演算制御部54bでは、管腔壁までの距離を算出し、この算出結果を基に前記カプセル部4の外周面に配置してある形状記憶高分子51が管腔壁に所定状態で密着するか否かを判定し、その判定結果に基づいて前記温度制御部53に対して温度制御信号を出力する。
【0046】
つまり、前記形状記憶高分子51が管腔壁に所定状態で密着していると判定したときには、前記温度制御部53に対して温度制御信号を出力することなく、前記形状記憶高分子51の形状を変化させることなく超音波観測が行われる。
【0047】
これに対して、前記形状記憶高分子51が管腔壁に密着していないと判定したときには、この形状記憶高分子51の厚みを増大させる方向に変形させる必要が生じるので、前記演算制御部54bから前記温度制御部53に対してペルチェ素子52を所定温度に上昇させるための温度制御信号を出力する。
【0048】
このことによって、前記形状記憶高分子51が破線に示す状態から実線に示す状態に熱変形されて、この形状記憶高分子51の変形部分が管腔壁に対して密着した状態になって前記超音波観測装置の画面(不図示)上に管腔壁の良好な超音波画像が表示される。
【0049】
なお、前記形状記憶高分子51が変形した状態で超音波カプセル1Bが管腔の内径が小さくなる方向に蠕動運動によって移動していくと、前記測距装置54によって前記形状記憶高分子51の厚みを減少させる方向に変形させる必要が生じる。このときには、前記演算制御部54bから前記温度制御部53に対してペルチェ素子52を所定温度に下降させるための温度制御信号を出力する。すると、前記形状記憶高分子51が最適形状に変形する。
【0050】
このように、カプセル部の外周面に温度変化によって形状が変化する形状記憶高分子を設け、この形状記憶高分子をカプセル部から管腔壁までの距離に基づいて温度制御部によってペルチェ素子を加熱・冷却することによって、形状記憶高分子が管腔壁までの距離に応じて熱変形させて管腔壁に対して所定の密着状態にすることができる。
【0051】
また、温度制御部でペルチェ素子の温度を部分的に制御することによって、形状記憶高分子を部分的に熱変形させることができる。このことによって、超音波カプセルの姿勢制御を行えるので、例えば、カプセル部の位置制御、或いは、超音波走査面の変更を行って、所望の部位の超音波観測を行える。その他の作用及び効果は上述した実施形態と同様である。
【0052】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0053】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0054】
(1)超音波を送受信する超音波振動子及びこの超音波振動子を回転させる駆動モータ等をカプセル部内に備え、このカプセル部を体腔内に導入して体腔内の超音波断層画像を得るカプセル超音波内視鏡において、
前記カプセル部の外周面に管腔壁に密着する変形自在な超音波伝達手段を配置する一方、前記カプセル部内に前記超音波伝達手段の変形状態を所定状態に設定する変形状態設定手段を設けたカプセル超音波内視鏡。
【0055】
(2)前記超音波伝達手段が、超音波伝達媒体の注入量の変化によって膨縮するバルーンであるとき、
前記変形状態設定手段は、
前記超音波伝達媒体が移動される流体管路と、
この流体管路中に配置される前記バルーン内に超音波伝達媒体の供給或いは前記バルーン内の超音波伝達媒体をカプセル部外に排出するポンプと、
前記流体管路中に配置される前記バルーン内の圧力を検出する圧力検知部と、
を具備する付記1に記載のカプセル超音波内視鏡。
【0056】
(3)前記バルーン内に供給される超音波伝達媒体を、被検者が溜飲することによって供給する付記2に記載のカプセル超音波内視鏡。
【0057】
(4)前記カプセル部にカプセル部の内部と外部とを連通する貫通孔を形成し、この貫通孔を介して被検者が溜飲した超音波伝達媒体を取り入れる付記3に記載のカプセル超音波内視鏡。
【0058】
(5)前記カプセル部に、前記バルーン内に供給される超音波伝達媒体を貯留する媒体用タンクを設けた付記2に記載のカプセル超音波内視鏡。
【0059】
(6)前記超音波伝達手段が温度の変化によって外形形状を変化させる形状記憶高分子であるとき、
前記バルーン膨縮状態調整手段は、
前記形状記憶高分子を加熱 ・冷却しての温度を変化させて熱変形させる温度調整手段と、
前記カプセル部から管腔壁までの距離を計測する測距装置と、
この測距装置の測定結果を基に、前記温度調整手段を所定温度に設定する温度制御部と、
を具備する付記1に記載のカプセル超音波内視鏡。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、カプセル部が通過する管腔の内径の大きさの変化に対応して超音波診断を行えるカプセル超音波内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態に係り、図1はカプセル超音波内視鏡を説明する図
【図2】カプセル超音波内視鏡のバルーンが管腔壁に密着している状態を説明する図
【図3】カプセル超音波内視鏡のバルーンが膨張した状態から縮小して管腔壁に密着している状態を説明する図
【図4】本発明の第2実施形態にかかるカプセル超音波内視鏡の他の構成を説明する図
【図5】本発明の第3実施形態にかかるカプセル超音波内視鏡の別の構成を説明する図
【符号の説明】
1…カプセル超音波内視鏡
2…カプセル本体部
2a…貫通孔
3…キャップ部
4…カプセル部
6…バルーン
18…流体管路
19a…制御部
20…ポンプ
21…圧力センサ

Claims (3)

  1. 超音波を送受信する超音波振動子及びこの超音波振動子を回転させる駆動モータ等をカプセル部内に備え、このカプセル部を体腔内に導入して体腔内の超音波断層画像を得るカプセル超音波内視鏡において、
    前記カプセル部の外周面に管腔壁に密着する変形自在な超音波伝達手段を配置する一方、前記カプセル部内に前記超音波伝達手段の変形状態を所定状態に設定する変形状態設定手段を設けたことを特徴とするカプセル超音波内視鏡。
  2. 前記超音波伝達手段が、超音波伝達媒体の注入量の変化によって膨縮するバルーンであるとき、
    前記変形状態設定手段は、
    前記超音波伝達媒体が移動される流体管路と、
    この流体管路中に配置される前記バルーン内に超音波伝達媒体の供給或いは前記バルーン内の超音波伝達媒体をカプセル部外に排出するポンプと、
    前記流体管路中に配置される前記バルーン内の圧力を検出する圧力検知部と、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載のカプセル超音波内視鏡。
  3. 前記超音波伝達手段が温度の変化によって熱変形する形状記憶高分子であるとき、
    前記バルーン膨縮状態調整手段は、
    前記形状記憶高分子を加熱 ・冷却しての温度を変化させて熱変形させる温度調整手段と、
    前記カプセル部から管腔壁までの距離を計測する測距装置と、
    この測距装置の測定結果を基に、前記温度調整手段を所定温度に設定する温度制御部と、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載のカプセル超音波内視鏡。
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