JP2004305598A - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】左右のウエストバンド部10の何れかにバンド止着部11が設けられていると共に、背側部Bにおむつ止着部21が設けられており、バンド止着部11により、左右のウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において止着し、おむつ止着部21により、背側部Bをウエストバンド部10に止着して着用するようになしてある展開型の使い捨ておむつ1であって、ウエストバンド部の肌当接面に摩擦低減用の油剤が塗布されている。おむつ回動操作用の把持部が設けられていると回動操作を一層容易に行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエストバンド部を着用者の胴回りに止着した状態のまま、おむつを回動してその前後を容易に逆転することのできる使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、展開型の使い捨ておむつとして、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在する液保持性の吸収体を具備し、使用時に着用者の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部を有するおむつが広く用いられており、展開型の使い捨ておむつの中でも大人が立ったまま装着可能なものとして、上記背側部の左右両側縁にそれぞれウェストバンド部が連設され、左右の該ウェストバンド部の少なくとも何れか一方における先端部にバンド止着部が設けられていると共に上記腹側部の両側部におむつ止着部が設けられており、前記バンド止着部により、左右の該ウエストバンド部を着用者の腹側において止着した後、前記おむつ止着部により、前記腹側部を前記ウエストバンド部に止着して着用するようになしてあるものが知られている(特許文献1,2参照)。
【0003】
このようなウエストバンド部を有する使い捨ておむつは、着用者が立位で自分で装着することができるという利点を有するものである。
しかし、介護施設等の介護の現場等においては、被介護者、特に自分で装着できない老人等に対して介護者が装着する場合があり、そのような場合、特に背中が曲がっている老人に対して装着する場合の操作は容易ではない。更に、装着の際に介護者に陰部を見られることに対して抵抗を感じる人もいる。
【0004】
本発明者らは、このような事情に鑑み、おむつを装着する向きを従来とは逆にして装着することを検討したが、逆向きに装着した場合、立位でのおむつ交換は可能であるが、寝ている状態におけるおむつ交換は、おむつの取り外しが困難であるのに加えて便がおむつから落下する恐れもあり、現実的ではないことが判った。
このため、例えばウエストバンド部を背側で装着する方法で装着した状態で日中を過ごし、就寝の際等に、おむつを完全に取り外して前後を入れ替えることを考えたが、おむつを完全に取り外して再度装着するという一連の操作に手間が掛かるため、おむつを逆向きに装着することによる利益と、前後入れ替え操作の不便さという不利益とを比較し、最初からおむつを逆向きに選択しない人が多いことが予想される。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−5278号公報
【特許文献2】
特開平09−285489号公報
【0006】
本発明は、斯かる事情に基づきなされたものであり、本発明の目的は、ウエストバンド部を着用者の胴回りに止着した状態のまま、おむつを回動してその前後を容易に逆転することのできる使い捨ておむつを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、長手方向の一方の部位における両側縁部に、それぞれウエストバンド部が連設され、左右の該ウエストバンド部の少なくとも何れか一方における先端部にバンド止着部が設けられていると共に、長手方向の他方の部位に、おむつ止着部が設けられており、前記バンド止着部により、左右の前記ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において止着した後、前記おむつ止着部により、前記他方の部位を、前記ウエストバンド部又はその隣接部位に止着して着用することができるようになしてある展開型の使い捨ておむつであって、前記ウエストバンド部の肌当接面に、摩擦低減用の油剤が塗布されている使い捨ておむつを提供することにより、前記目的を達成したものである(以下、第1発明というときは、この発明をいう)。
【0008】
また、本発明は、長手方向の一方の部位における両側縁部に、それぞれウエストバンド部が連設され、左右の該ウエストバンド部の少なくとも何れか一方における先端部にバンド止着部が設けられていると共に、長手方向の他方の部位に、おむつ止着部が設けられており、前記バンド止着部により、左右の前記ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において止着した後、前記おむつ止着部により、前記他方の部位を、前記ウエストバンド部又はその隣接部位に止着して着用することができるようになしてある展開型の使い捨ておむつであって、左右の前記ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側に止着した状態で且つ該ウエストバンド部又はその隣接部位に前記他方の部位を止着していない状態において着用者の胴回りに位置する部位に、おむつ回動操作用の把持部が設けられている使い捨ておむつを提供することにより前記目的を達成したものである(以下、第2発明というときは、この発明をいう)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
第1発明の一実施形態としての使い捨ておむつ1は、立ったままでも装着可能な成人用のおむつであり、図1に示されるように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在する液保持性の吸収体4を有しており、実質的に縦長に形成されている。実質的に縦長とは、ウエストバンド部を除く部分が縦長であれば良い。おむつの長手方向とは、ウエストバンド部を除く部分の長手方向と同方向である。
【0010】
吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3により挟持・固定されており、吸収体4の周縁部におけるウエスト部5とレッグ部6には、おむつ着用者に各部位をフィットさせるためのウエスト部弾性部材51及びレッグ弾性部材61が配設されている。
また、使い捨ておむつ1の長手方向左右両側には、それぞれ立体ガード7が形成されている。立体ガード7の自由端には立体ガード弾性部材71が配されて、ギャザーが形成されている。
【0011】
表面シート2は、吸収体4の全幅よりやや幅広の矩形状をなし、砂時計状に形成された裏面シート3の幅方向中央部上に配されている。裏面シート3における表面シート2の左右両側縁より外方に延出する部分は、立体ガード7形成用のシート材72に被覆されている。
表面シート2、裏面シート3、吸収体4及び立体ガード7形成用のシート材72は、おむつ本体部分8を構成している。
【0012】
使い捨ておむつ1の長手方向の一方の部位Aの左右両側縁部(より具体的には、おむつ本体部分8の両側縁部)には、それぞれウェストバンド部10,10が連設されており、左右のウェストバンド部10,10の少なくとも何れか一方における先端部には、バンド止着部11が設けられている(以下、左右にウエストバンド部を有する、前記長手方向の一方の部位Aを、便宜的に腹側部という)。また、長手方向の他方の部位(以下、便宜的に背側部という)Bにおける両側部には、各々2つのおむつ止着部21がおむつ長手方向に離間させて設けられたフラップ部20が形成されている。
そして、バンド止着部11により、図2に示されるように、左右のウェストバンド部10a,10bを着用者の背側において止着した後、おむつ止着部21,21により、背側部Bを、相互に連結された状態のウエストバンド部10に止着して着用することができるようになしてある。
おむつの長手方向の一方の部位及び他方の部位は、概ね、おむつ長手方向の端縁それぞれからおむつ全長の1/3位迄の領域であり、こららの間の領域が股下部Cである。
【0013】
本実施形態のおむつ1における各ウェストバンド部10には、おむつ幅方向に伸縮する弾性伸縮部12が形成されている。
各ウエストバンド部10は、弾性伸縮部12を構成する伸縮性シート及び弾性伸縮性を有しない領域13を構成する非伸縮性シートが連結された構成の複合シートを、腹側部Aの本体部分8における、裏面シート3及び前記シート材72からなる左右両側縁部に、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合方法により接合して形成されている。ウエストバンド部形成用のシート材10Aは、裏面シート側に接合固定されている(図5参照)。
ウエストバンド部10は、少なくともその基端側に弾性伸縮部12を有していることが好ましく、そのような形態としては、図1に示すように、ウエストバンド部の基端近傍の一部を弾性伸縮部にするのに代えて、ウエストバンド部の延出方向の中央より基端側の半分を弾性伸縮部12としたり、ウエストバンド部の全体を弾性伸縮部12とすることもできる。
【0014】
弾性伸縮部12は、おむつ幅方向の伸張率が5〜200%の伸縮性シートを用いて形成されており、自然状態の幅から少なくとも20mm伸張可能であることが、おむつのフィット性を維持しつつ、おむつの回動操作が一層容易になる点から好ましい。
【0015】
ここで、伸縮性シートのおむつ幅方向の伸張率は、以下のようにして測定される。
〔伸縮性シートの伸張率の測定〕
ウエストバンド部10から、弾性伸縮部を含む、幅25mm、バンド長手方向(おむつ幅方向)の長さ50mm以上の試験片を切り出す。試験片の自然状態下における、該試験片の長手方向と同方向の前記弾性伸縮部の長さを初期長Lとする。
テンシロン引張試験器〔(株)オリエンテック社製〕を用い、初期チャック間距離を50mm、クロスヘッド移動速度300mm/min 、ロードセルの定格出力5kgの条件下で試験片を伸長させ、S−S曲線を得る。S−S曲線は、弾性変形領域から塑性変形領域に移行する途中に角度が急激に増加する箇所を有するが、該箇所における曲線の曲率半径Rが最小となる点における前記弾性伸縮部の長さをL1とする。伸張率を下記式により算出する。
伸張率(%)=〔(L1−L)/L〕×100
【0016】
弾性伸縮部12を構成する伸縮性シートとしては、例えば、エラストマー材料からなるシートの片面又は両面に、おむつ幅方向に伸張可能な繊維集合体を積層して一体化してなる積層シートを用いることができる。
エラストマー材料としては、天然ゴム、ブタジエン、イソプレン等の合成ゴム等が好ましく用いられる。エラストマー材料からなるシートとしては、エラストマー材料をフィルム化して得られる弾性フィルム、エラストマー材料からなる弾性繊維を、ネット状に成形したり不織布化したシート等が好ましく用いられる。
おむつ幅方向に伸張可能な繊維集合体としては、スリットの形成等の2次的な加工を施さなくてもそれ自体伸張性を有する不織布、例えばスパンデックスからなる不織布等や、それ自体は伸張性を有しないものにスリットの形成等の2次的な加工により伸張性を付与したもの等を用いることができる。
【0017】
ウエストバンド部の全体又は一部を弾性伸縮部とするための伸縮性シートとしては、各種公知の伸縮性シートを用いることができ、特許文献1,2、特開平9−290002号公報、特開平9−299404号の各公報記載のもの等を用いることもできる。但し、伸張率は上記の範囲とすることが好ましい。
【0018】
本実施形態におけるフラップ部20は、おむつ幅方向に伸縮する弾性伸縮部22と、おむつ止着部21が設けられた弾性伸縮性を有しない領域24とからなる。各フラップ部20は、弾性伸縮部22及び該領域24が連結された構成の複合シートを、背側部Bの本体部分における、裏面シート3及び立体ガード7形成用のシート材からなる左右両側縁部に、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合方法により接合して形成されている。弾性伸縮部22及び前記領域24は、それぞれ前記弾性伸縮部12及び前記領域13と同様のシート材を用いて形成することができる。
【0019】
弾性伸縮部12を含めてウエストバンド部10は、少なくとも裏面シート側の面が、機械的ファスナーの凸部材が直接係合可能な材料からなることが好ましい。尚、バンド止着部11及びおむつ止着部21,21は、その表面に多数の錨形や鉤形のオス型係合部材が配された機械的ファスナーの凸部材により形成されていることが好ましく、機械的ファスナーの凸部材としては、例えば「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等の市販品を用いることができる。
【0020】
本実施形態のおむつ1においては、ウエストバンド部10の肌当接面に、摩擦低減用の油剤が塗布されている。
図3は、本実施形態のおむつ1における油剤が塗布されている領域を示す図で、ドットが施されている部分Pに油剤が塗布されている。
油剤の塗布領域Pは、実質的に、ウエストバンド部10の肌当接面のみ、或いはウエストバンド部10の肌当接面及び両ウエストバンド部同士間に位置する立体ガード7の肌当接面のみであることが好ましい。左右のウエストバンド部を着用者の腹側又は背側に止着した状態で且つ該ウエストバンド部又はその隣接部位に他方の部位を止着していない状態において着用者の肌に接触しない部位に油剤を塗布するのは、スムーズなおむつの回動に寄与しないため無駄であり、また、ウエストバンド部間の領域であっても表面シート2の肌当接面に塗布すれば、油剤の種類や塗布量にもよるが、吸収性能が低下する恐れがある。
【0021】
ウエストバンド部の肌当接面とは、図2に示すように、一方のウエストバンド部10aを、他方のウエストバンド部10bに重ねるようにして、両ウエストバンド部を着用者の胴回りに止着した状態において着用者の肌に当接する領域を意味する。したがって、本実施形態のおむつ1においては、バンド止着部を設けた部分を除く両ウエストバンド部10それぞれの全域に油剤を塗布してあるが、着用時に他方のウエストバンド部10bに重なり確実に肌に接触しないような部分への塗布は省略することができる。
ウエストバンド部に油剤を塗布することで、ウエストバンド部を着用者の胴回りに止着した状態のまま、おむつをスムーズに回動させることができ、おむつの前後の簡単な回動操作で短時間に逆転することができる。
【0022】
油剤を塗布する領域や塗布量は、左右のウエストバンド部で異ならせても良い。例えば、着用者の胴回りに両バンド部をその一方を他方に重ねるように止着する場合には、着用者の肌側に位置する方のバンド部はその全域を塗布領域とし、他方のバンド部は、基端側に偏倚した部位のみを塗布領域とすることもできる。着用者の胴回りに重ねて止着した状態において、着用者の肌側に位置する方のバンド部は、その全面積の20〜100%の領域に油剤が塗布されていることが好ましく、他方のバンド部は、その全面積の30〜100%の領域に油剤が塗布されていることが好ましい。
【0023】
ウエストバンド部10の肌当接面に塗布する油剤の成分としては、ウエストバンド部10と着用者の肌との間の摩擦を低減し得る各種の成分を用いることができ、例えば、流動パラフィン、シリコーンオイル、動植物油(オリーブ油、ホホバ油、ベニバナ油、スクワラン及びスクワレン等)、モノ、ジ、トリグリセライド、脂肪族エーテル(ミリスチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パルミチル−1,3−ジメチルビチルエーテル、ステアリル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パルミチル−1,3−メチルプロピルエーテル及びステアリル−1,3−メチルプロピルエーテル等)、イソステアリル−コレステロールエステルなどが挙げられ、特にシリコーンオイルが摩擦低減、肌への低刺激の点から好ましい。
【0024】
油剤の塗布方法としては、スロットコーティング、ダイコーティング、ビード状コーティング、スパイラルコーティング、グラビアコーティング等の公知の塗布方法を用いることができる。油剤は、油剤又は油剤を含有する塗布液として塗布することができる。
油剤の塗布量(乾燥後の塗布量)は0.001〜2.0g/m2、特に0.01〜0.1g/m2程度であることが、ウエストバンド部と肌との間の摩擦を充分に低減しておむつの回動作を容易にする観点から好ましい。
【0025】
ウエストバンド部の肌当接面には、前記摩擦低減用の油剤と共に皮膚を保護する成分が塗布されていることが好ましい。
ここで、皮膚を保護する成分とは、皮膚のかぶれを防止する効果、或いは消炎、収斂、抗菌等の皮膚の状態を正常に戻す効果を有する成分をいう。
皮膚を保護する成分を用いることで、おむつの回動による皮膚への悪影響を一層防止することができ、特に皮膚の弱い人や日常的におむつの回動を行う場合等においても皮膚への悪影響を最小限に抑制することができる。
皮膚を保護する成分は、油剤又は油剤を含有する塗布液に含有させ、該油剤と共に塗布することができ、また、油剤の塗布前又は塗布後に塗布することもできる。
【0026】
皮膚を保護する成分としては、各種植物エキス、セリシン、キトサン、セラミド類、コラーゲン、保湿剤(1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン及びプロピレングリコール等)などが挙げられる。また、以下の一般式(1)で表されるジアミド誘導体を用いることもできる。このジアミド誘導体の詳細は本出願人の先の出願に係る特開2002−47261号公報に記載されている。このジアミド誘導体として好ましいものは、例えば同公報の記載の式(1a)、(1b)及び(1c)で表される化合物である。
【0027】
【化1】
【0028】
植物エキスとしては、オーツ麦エキス、海藻エキス(ヒバマタ)、柚子エキス、ハマメリスエキス、ワレモコウエキス、アスナロエキス、アロエエキス、オウバクエキス、スギナエキス、カミツレエキス、ユーカリエキス、モモ葉エキスなどが用いられる。特に、柚子エキス、ハマメリスエキス、アスナロエキス、アロエエキス、オウバクエキス、もも葉エキスを用いることが好ましい。
【0029】
尚、表面シート2、裏面シート3、吸収体4及び立体ガード7等の構成材料としては、使い捨ておむつに従来用いられている各種公知のものを特に制限なく用いることができる。
【0030】
以下、本実施形態のおむつ1の好ましい使用方法について説明する。
本実施形態のおむつ1は、左右のウエストバンド部を、着用者の腹側において止着して装着する方法(以下、腹側装着ともいう)及び着用者の背側において止着して装着する方法(以下、背側装着ともいう)の何れの方法でも装着することができるが、背側装着で装着する場合に本発明の効果がより顕著であるため、背側装着する場合を例にして説明する。
使い捨ておむつ1を装着するには、先ず、図2に示すように、着用者30の腹側に腹側部Aを当接させ、両ウエストバンド部10a,10bを着用者30の背側にもってくる。そして、一方のウエストバンド部10aを、他方のウエストバンド部10bに重ねるようにして、一方のウエストバンド部10aの先端部に設けられたバンド止着部11を、他方のウエストバンド部10bの裏面シート側に係合止着する。そして、背側部Bを着用者30の股間に沿って背側に引き上げ、おむつ止着部21を、互いに連結された状態の両ウエストバンド部10,10に係合止着する。この状態〔図4(a)参照〕においては、通常のおむつと同様に吸収性能、漏れ防止性能が発揮される。
【0031】
そして、就寝等、横になる場合には、ウエストバンド部10,10から背側部Bを引き剥がし、図4(b)に示すように、そのウエストバンド部を着用者の胴回りに止着した状態を維持したまま、おむつを180°回転させる。そして、図4(c)に示すように、再度、背側部Bをウエストバンド部10,10に止着する。
【0032】
本実施形態のおむつ1においては、ウエストバンド部10の肌当接面に、摩擦低減用の油剤が塗布されているため、このようなおむつの回転をスムーズに行うことができる。更に、上記の弾性伸縮部12を有するため、このようなおむつの回転を一層スムーズに行うことができる。しかも、油剤による摩擦の低減により皮膚への刺激も減少するため、かぶれ等、皮膚への悪影響も防止することができる。特に油剤と共に皮膚を保護する成分を塗布した場合には、上述したように、皮膚への悪影響を一層防止することができる。
【0033】
本実施形態のおむつ1によれば、おむつの前後を、このように簡単な操作で容易に逆転することができるため、背側装着で装着することによる利益を享受しつつ、寝ている状態でのおむつ交換の問題も解消することができる。これにより、介護者及び被介護者双方の精神的、労力的な負担を大きく軽減することができる。
【0034】
第2発明の使い捨ておむつは、上述したような、おむつの回動操作を容易に行うことができるように、左右の前記ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側に止着した状態で且つ該ウエストバンド部又はその隣接部位に前記他方の部位を止着していない状態において着用者の胴回りに位置する部位に、おむつ回動操作用の把持部を設けたものである。把持部を設ける部位は、図3における両ウエストバンド部又はその間に位置するおむつ本体部分である。第2発明における把持部には、指を挿入できる部分、指で摘める部分等が含まれる。
【0035】
以下、第2発明の第1〜第3実施形態について説明するが、特に説明しない点については、上述した使い捨ておむつ1と同様であり、上述した説明が適宜適用される。
【0036】
第2発明の第1実施形態においては、図5(a)に示すように、ウエストバンド部形成用のシート材10Aを、おむつ本体部分8に所定幅重ねた状態で接合固定してウエストバンド部10を設けてあり、該シート材10Aは、固定される側の長手方向の一端縁から所定幅の部分16を残してその隣接部位15をおむつ本体部分8に接合してある。そのおむつ本体部分8に接合されていない前記一端縁から所定幅の部分16により、把持部としての摘み部40が形成されている。前記一端縁から所定幅の部分16は、二つ折りしてその内面同士を接着することにより剛性が高められており、一層摘み易くなっている。摘み部40の突出幅W〔図5(a)参照〕は20mm以上であることが摘み易さの点から好ましく、100mm以下であることが見栄え等の点から好ましい。尚、シート材10Aの一端縁から所定幅の部分16に代えて、該一端縁から所定幅離間して存在する領域により同様の摘み部40を形成することもできる。
【0037】
第2発明の第2実施形態においては、図5(b)に示すように、ウエストバンド部形成用のシート材10Aを、おむつ本体部分8に所定幅重ねた状態で接合固定してウエストバンド部10を設けてあり、該シート材10Aにおける、固定される側の長手方向の一端縁の近傍に、おむつ本体部分8に接合された接合領域と接合していない非接合領域とを所定のパターンで形成することにより、把持部としての指挿入部40を形成してある。尚、第1,第2実施形態の把持部40は、シート材10Aに代えて別のシート材を、接合領域と非接合領域とが生じるように接合することによって形成することもできる。
【0038】
第2発明の第3実施形態においては、図5(c)に示すように、ウエストバンド部形成用のシート材10Aを、おむつ本体部分8に所定幅重ねた状態で接合固定してウエストバンド部10を設けてあり、その接合領域上に、別材である帯状のシート材19を固設して、把持部としての指挿入部40を形成してある。
【0039】
第1〜第3実施形態のおむつによれば、把持部40を把持しておむつの回動させることにより、おむつの回動操作を極めて容易に行うことができる。このように、おむつの前後を簡単な操作で容易に逆転することができるため、背側装着で装着することによる利益を享受しつつ、寝ている状態でのおむつ交換の問題も解消することができる。これにより、介護者及び被介護者双方の精神的、労力的な負担を大きく軽減することができる。
第2発明における把持部は、おむつの両側部のそれぞれに設けられていることが好ましいが、何れか一方のみに設けられていても良く、更には、おむつの側部以外の部位、例えば本体部分8の幅方向中央部等に設けることもできる。
【0040】
本発明(第1,第2発明)の使い捨ておむつは、上述した各実施形態に制限されず、各発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、上記実施形態のおむつ1における、ウエスト部弾性伸縮部材51、レッグ弾性伸縮部材61、立体ガード7、ウエストバンド部10の弾性伸縮部12及びフラップ部20の弾性伸縮部22は、それぞれ一部又は全部を省略することができる。
また、おむつ止着部21は、腹側部におけるおむつ本体部分(ウエストバンド部を除く部分)の、ウエストバンド部の隣接部位に止着されるように設計されていても良く、あるいは、胴囲が特に小さい場合等、特定の着用者に装着する場合に限って、ウエストバンド部の隣接部位に止着されるようなものであっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、ウエストバンド部を着用者の胴回りに止着した状態のまま、おむつを回動してその前後を容易に逆転することのできるものであり、介護者及び被介護者双方の精神的、労力的な負担を大きく軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態である使い捨ておむつを平面状に拡げた状態を示す平面図である。
【図2】図2は、図1の使い捨ておむつを装着する途中の状態を着用者の背側から見た状態を示す図である。
【図3】図3は、図1の使い捨ておむつにおける油剤の塗布領域を示す図(図1に対応する平面図)である。
【図4】図4は、本発明の使い捨ておむつの使用方法の一例を示す図であり、(a)は、おむつを背側装着した状態、(b)は、ウエストバンド部からおむつの一部を引き剥がした状態、(c)は、おむつの前後を逆転して再度装着した状態を示す図である。
【図5】図5(a)〜(c)は、第2発明の好ましい実施形態としての使い捨ておむつを示す要部拡大図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
10 ウエストバンド部
11 バンド止着部
A 腹側部(長手方向の一方の部位)
B 背側部(長手方向の他方の部位)
P 油剤が塗布された領域
Claims (4)
- 長手方向の一方の部位における両側縁部に、それぞれウエストバンド部が連設され、左右の該ウエストバンド部の少なくとも何れか一方における先端部にバンド止着部が設けられていると共に、長手方向の他方の部位に、おむつ止着部が設けられており、前記バンド止着部により、左右の前記ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において止着した後、前記おむつ止着部により、前記他方の部位を、前記ウエストバンド部又はその隣接部位に止着して着用することができるようになしてある展開型の使い捨ておむつであって、
前記ウエストバンド部の肌当接面に、摩擦低減用の油剤が塗布されている使い捨ておむつ。 - 前記油剤と共に皮膚を保護する成分が塗布されている請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 左右の前記ウエストバンド部に、おむつ幅方向に伸縮する弾性伸縮部が形成されている請求項1記載の使い捨ておむつ。
- 長手方向の一方の部位における両側縁部に、それぞれウエストバンド部が連設され、左右の該ウエストバンド部の少なくとも何れか一方における先端部にバンド止着部が設けられていると共に、長手方向の他方の部位に、おむつ止着部が設けられており、前記バンド止着部により、左右の前記ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側において止着した後、前記おむつ止着部により、前記他方の部位を、前記ウエストバンド部又はその隣接部位に止着して着用することができるようになしてある展開型の使い捨ておむつであって、
左右の前記ウエストバンド部を着用者の腹側又は背側に止着した状態で且つ該ウエストバンド部又はその隣接部位に前記他方の部位を止着していない状態において着用者の胴回りに位置する部位に、おむつ回動操作用の把持部が設けられている使い捨ておむつ。
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