JP2004305061A - 液体調味料の製造方法 - Google Patents

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Isato Tamenori
勇人 為則
Harumi Okamoto
春実 岡本
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Abstract

【課題】プレート式熱交換器などの装置や液体窒素などの加工助剤を用いなくともアミノカルボニル反応(メイラード反応)による褐変が抑制され、さらには製品の品質安定性及び微生物的安全性が確保された液体調味料及び液体調味料の製造方法を提供すること。
【解決手段】液体調味料を構成する原料を微生物の菌数の多少により分類し、菌数の多い原料を85℃以上に炊き上げた後に、低温の菌数の少ない原料を投入・撹拌する。これらの工程により、液体調味料炊き上げ工程後の冷却工程時間を短くし、総炊き上げ時間を短縮することでアミノカルボニル反応が抑制され、さらには製品の品質安定性及び微生物的安全性が確保された液体調味料及び液体調味料の製造方法を得る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体調味料及び液体調味料の製造方法に関し、さらに詳しくはアミノカルボニル反応による褐変を抑制することを特徴とする液体調味料及び液体調味料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の食文化の多様化や調理時間の短縮化により、古くから常用されている醤油、砂糖、食塩等を基礎調味料として、これらを配合した用途別製品や嗜好性を高めるために前記配合物にさらに魚介エキスや畜肉エキス、旨み調味料などを一種又は数種配合した加工調味料が開発され、年々その種類、数量とも増加している。
【0003】
これら新しく開発された液体調味料のうち多くは、その配合物中に遊離アミノ酸と還元末端を有する糖質を含む。遊離アミノ酸と還元末端を有する糖質は、醤油の褐変反応として知られるアミノカルボニル反応の原因物質と考えられており、アミノカルボニル反応は製造工程中の炊き上げ工程及び冷却工程において急速に進行する。さらに自然冷却や常温水を用いたジャケット冷却を行った場合、冷却工程が長時間となり褐変の進行は著しい。
【0004】
アミノカルボニル反応による褐変の進行は、液体調味料の鮮やかな色彩の消失の要因の一つであり、アミノカルボニル反応の抑制は品質向上のための課題とされてきた。
【0005】
一方、液体調味料の微生物静菌方法については多様な方法が知られているが、一般的には塩分濃度、水分活性、アルコール濃度により微生物の静菌が行われる。これらの静菌方法により液体調味料の風味を良好なものとするためには、多くの場合、塩分濃度:1.0〜15重量%又は水分活性:0.70〜0.94又はアルコール分:0.1〜7.0重量%のいずれか又は、これらの組み合わせとなるが、水分活性0.65程度でも生育が可能である耐塩性かび・酵母(Saccharomyces rouxii他)の静菌を目的として、通常、アルコール分の添加が行われる。なお、アルコール(エタノール)の沸点が78℃であることから、アルコールが添加されるのは、通常、炊き上げ工程後50℃程度まで冷却した後である。
【0006】
しかしながら、これらの微生物静菌方法では、微生物の栄養細胞の増殖抑制、芽胞の出芽抑制は可能であっても、微生物の生産する酵素活性を失活させることは出来ない。つまり、前述のごとく食塩濃度・水分活性・アルコール分により微生物を静菌した場合においても、加熱・炊き上げ工程が充分でなく、微生物の栄養細胞又はリパーゼ、アミラーゼ等の食品成分と反応する酵素の酵素活性が液体調味料中に残存すると、それら酵素の働きにより液体調味料の品質が変化する可能性が残ることになる。また、衛生指標菌である大腸菌群は東京都
衛生局長通知 衛公食発第228号にあるように、陰性でなければならない。従って、アミノカルボニル反応による褐変の進行抑制を目的として、炊き上げ工程の加熱殺菌を低温短時間とした場合には、製品の品質安定性と微生物的安全性を確保出来ないこととなる。
【0007】
従来、この問題の解決手段として、充分な殺菌価を保持した上での加熱・冷却時間の短縮が行われてきたが、その方法としては、特開昭62−87069に記載のある ▲1▼熱交換器等を用いて冷媒と原液とを並流もしくは向流に通して冷却する方法、▲2▼原液中に蛇管状もしくはホース状などの冷媒を通流できる冷却管を挿入して、その冷却管内に冷媒を通して原液を冷却する方法、▲3▼冷媒中に蛇管状もしくはホース状の通液管を挿入して、原液をその通液管に通液して原液を冷却する方法、▲4▼原液をジャケット付きタンク等に入れ、ジャケット内に冷媒を通して原液を冷却する方法、▲5▼一定温度に調節した冷却室または冷蔵室等に原液を貯蔵し冷却する方法、▲6▼原液中に液体窒素等の低温かつ無害な冷媒を原液と直接接触させ冷却する方法、▲7▼ドライアイス等の固体状の冷媒と原液を直接もしくは間接に接触させて冷却する方法などが挙げられる。
【0008】
これらのうち、▲1▼〜▲3▼及び▲5▼についてはプレート式熱交換器や通流菅、冷却室などの設備が必要であり、また、▲4▼においてはジャケットにチラー水などの冷媒を供給する必要がある。さらに、▲6▼、▲7▼では液体窒素やドライアイスなどの加工助剤を要し、効率的な冷却方法であるとは言えない。
【0009】
【特許文献1】特開昭62−87069
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、プレート式熱交換器のような装置や加工助剤を用いなくとも、液体調味料炊き上げ工程後の冷却時間を短くし、炊き上げ工程時間を短縮することでアミノカルボニル反応が抑制され、さらには製品の品質安定性及び微生物的安全性が確保された液体調味料及び液体調味料の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
液体調味料を構成する原料を、大腸菌群の場合は陽性と陰性、一般生菌数の場合は1.0×10/g以上と以下、耐塩性かび・酵母の菌数の場合は1.0×10/g以上と以下により分類し、菌数の多い原料を85℃以上で15秒以上炊き上げた後に、低温の菌数の少ない原料を投入・撹拌する。これらの工程により、液体調味料炊き上げ工程後の冷却工程時間を短くし、総炊き上げ時間を短縮することでアミノカルボニル反応が抑制され、さらには製品の品質安定性及び微生物的安全性が確保された液体調味料及び液体調味料の製造方法を見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において液体調味料とは醤油、みりん、食酢、酒類などの醸造調味料の他、砂糖、水あめなどの糖質、油脂類、食塩、アミノ酸類を含み、遊離アミノ酸と還元末端を有する糖質を含む加工調味料たとえばつゆ類、たれ類、ソース類、だし類、ドレッシング類、スープ類などを意味する。
【0013】
これら液体調味料の一般的な製造工程の概要は、原料投入工程、炊き上げ工程、冷却工程の順序となるか、もしくはこれら工程の組み合わせであるが、本発明においては、85℃以上の炊き上げ工程があることを特徴とする。この工程は原料の加熱融解分散と微生物栄養細胞の殺滅及び酵素失活を兼ねており、85℃以上の殺菌により大腸菌群をはじめとして、耐塩性かび・酵母等の微生物の栄養細胞の殺滅と食品成分と反応する酵素の失活が可能である。
【0014】
一方、85℃の炊き上げ工程で殺滅出来ないような耐熱性微生物群は、通常芽胞を形成することで強い耐熱性を有する。微生物が芽胞から発芽し、栄養細胞となって増殖していくためには比較的生育に適した環境が必要であり、前述のごとく塩分濃度、水分活性、アルコール分の添加・含有単独若しくは組み合わせにより静菌することが可能である。
【0015】
本発明の液体調味料製造工程において、まず初めに水と共に85℃以上に炊き上げる原料は、食塩、砂糖、アミノ酸類の他、粉体原料をはじめとして、大腸菌群陽性の原料や一般生菌数が1.0×10/gを超えるような原料である。特に、生揚げ醤油や畜肉エキスなど、耐塩性かび・酵母菌数が1.0×10/gを超えうる原料は85℃以上に炊き上げるのが望ましい。なお、耐塩性かび・酵母菌数の測定は、10倍希釈した原料を次の組成の培地に混釈し、5日間25℃で培養後コロニー数より計数した。
[YMアガー(Difco) 3.6%、食塩 8.8%、生揚げ醤油8.8%、クロラムフェニコール0.09%、水78.8%]
【0016】
次にアミノカルボニル反応による褐変の抑制を目的として冷却時間を短縮する工程を行う。具体的には、微生物菌数が少ないことをあらかじめ確認しておいた原料を、85℃以上に炊き上げた後に投入・撹拌する。ここで投入する原料は大腸菌群陰性の原料であり、その他の微生物菌数は出来るだけ少ないほうが良く、好ましくは一般生菌数1.0×10/g以下、耐塩性かび・酵母の菌数1.0×10/g以下であることが望ましい。また、レトルト殺菌等によりあらかじめ無菌化した原料を投入しても良い。
【0017】
炊き上げ工程後に加える原料の温度は好ましくは10℃以下、さらに好ましくは5℃以下に冷やしておくことが望ましい。均一に分散出来るならば凍結状態でも良い。さらに炊き上げ工程後に加える原料の量は多いほうが良く、好ましくは10重量%以上である。
【0018】
本発明を以下の実施例・比較例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
(実施例1)
醤油30重量部(以下部と略称する)、畜肉エキスA 5部、畜肉エキスB(レトルト殺菌品) 5部、砂糖5部、食塩5部、水あめ4部、みりん3部、アミノ酸類3部、水35部、アルコール5部からなる液体だしを400kg調整する。まず、微生物検査により水あめ、みりん及び水の一般生菌数1.0×10/g以下、大腸菌群陰性、耐塩性かび・酵母の菌数1.0×10/g以下であることの確認を行い、畜肉エキスB(レトルト殺菌品) 5部、水あめ4部、みりん3部、水3部を冷却倉庫で3日間保管し4℃とした。なお、3日間の保管中にも菌数の増加はなかった。
【0020】
炊き上げ工程には、2槽式撹拌釜(サンr3号型煮練機:Ar3−01−500S)を用い、加熱蒸気圧1.8kg/cm、撹拌速度20rpmの条件とした。
【0021】
醤油30重量部、畜肉エキスA 5部、砂糖5部、食塩5部、アミノ酸類3部、水32部を95℃まで炊き上げた後に、冷却しておいた畜肉エキスB(レトルト殺菌品) 5部、水あめ4部、みりん3部と水3部を投入・撹拌した。なお、95℃達温と同時に常温水(27℃)によるジャケット冷却を開始し50℃まで品温を下げ、その後に通常の液体調味料の製法通りにアルコール5部を投入・撹拌した。
【0022】
(比較例1)
実施例1と同じ原料と同じ配合により液体だし400kgを調整した。比較例1では、畜肉エキスB(レトルト殺菌品)5部、水あめ4部、みりん3部、水3部をあらかじめ冷却することなく、醤油30重量部、畜肉エキスA 5部、砂糖5部、食塩5部、アミノ酸類3部、水32部と共に95℃まで炊き上げた。なお、95℃達温と同時に常温水(27℃)によるジャケット冷却を開始し50℃まで品温を下げ、その後に通常の液体調味料の製法通りにアルコール5部を投入・撹拌した。
【0023】
実施例1、比較例1での炊き上げ工程時間と色調・風味の違い、保存テスト、微生物検査の結果を表1に示す。その結果、実施例1では比較例1に対して加熱工程時間、冷却工程時間が共に短縮された。実施例1において、加熱工程時間が短縮された理由は、95℃まで炊き上げる原料が比較例1に対して少ないためである。また、実施例1の液体だしの色調が赤褐色であったのに対し、比較例1では暗褐色となり、実施例1では有意にアミノカルボキシル反応を抑制出来た。
【0024】
さらに、実施例1、比較例1の液体だしをそれぞれ20mlずつ小分け包装したものを、常温で3週間保存した後に、各300パウチについては解体して変敗の有無の確認を行い、各10パウチについては、一般生菌数、大腸菌群、耐塩性かび・酵母菌数の測定と風味の変化の有無の確認を行った。いずれの液体だしにおいても変敗サンプル、風味の変化は認められず、一般生菌数3.0×10/g以下、大腸菌群陰性、耐塩性かび・酵母菌数1.0×10/g以下であり、実施例1において製品の品質安定性と微生物的安全性が確保出来た。
【0025】
【表1】
Figure 2004305061

Claims (3)

  1. 糖質、食塩、アミノ酸を含み、製造工程中に炊き上げ工程を有する液体調味料の製造方法において、大腸菌群陽性および/または一般生菌数1.0×10/g以上および/または耐塩性かび・酵母の菌数1.0×10/g以上の原料および加熱溶解が必要な原料を85℃以上で15秒以上炊き上げる工程の後に、微生物菌数として、一般生菌数1.0×10/g以下且つ大腸菌群陰性且つ耐塩性かび・酵母の菌数1.0×10/g以下の原料を投入・撹拌する工程を持つことを特徴とする液体調味料及び液体調味料の製造方法。
  2. 炊き上げ工程後に投入する原料が10重量%以上である請求項1記載の液体調味料及び液体調味料の製造方法
  3. 炊き上げ工程後に投入する原料が10℃以下である請求項1および2記載の液体調味料及び液体調味料の製造方法
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006141209A (ja) * 2004-11-16 2006-06-08 Mayekawa Mfg Co Ltd 納豆の殺菌方法および殺菌された納豆

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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