JP2004305023A - 携帯用食料品 - Google Patents
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Abstract
【課題】食事量を微調整することができ、多様な味の組み合わせを楽しみながら、手軽に携帯して一口サイズで食べやすい携帯用食料品を提供すること。
【解決手段】主材として米1に対して餅米を0.2〜0.5の割合で混合して炊きあげたものを用い、副材として肉類、野菜類、果実類、魚介類、豆類、穀類、乳製品のうちから任意に選択した1種以上を細片状にして用いて、これら主材と副材とを調味料とともに合わせて、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成した。できあがった携帯用食料品は、例えばカレー風味であれば、表面側がカリッとしているのにお米の部分はモチモチとしており、口の中で噛みつぶすとカレーがトロリと溶け出すものとなる。
【選択図】 なし
【解決手段】主材として米1に対して餅米を0.2〜0.5の割合で混合して炊きあげたものを用い、副材として肉類、野菜類、果実類、魚介類、豆類、穀類、乳製品のうちから任意に選択した1種以上を細片状にして用いて、これら主材と副材とを調味料とともに合わせて、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成した。できあがった携帯用食料品は、例えばカレー風味であれば、表面側がカリッとしているのにお米の部分はモチモチとしており、口の中で噛みつぶすとカレーがトロリと溶け出すものとなる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手軽に携帯することができ、一口サイズで食べやすく、様々な味や量を選択する楽しさが得られる携帯用食料品に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるファーストフードとしてテイクアウトされる携帯用食料品としてはハンバーガーやサンドイッチなどが代表的であったが、近年では日本の伝統的ファーストフードであるおにぎりが見直されている。梅干しをはじめ、昆布、たらこ、鮭、焼き肉、キムチなど様々な具を入れたり、混ぜご飯で握ったり、焼き海苔で表面を覆ったり、表面を焼成して焼きおにぎりとしたりと、おにぎりは個人の多様な嗜好に合うように自由なアレンジができるので、人気を博している。
【0003】
そこで、例えば、特許第2967347号(特許文献1)では、米に1割〜4割程度の餅米を混ぜて炊きあげ、チリメン山椒等を混合した混ぜご飯を薄三角形状に成形し焼成した焼きおにぎりが提案されている。この焼きおにぎりは、三角形の1辺の長さに対して厚さが1/8〜1/4程度の薄さに成形しているので、1個当たりのご飯の量を減らして数個を組み合わせる楽しさを提供しながら、焼き面を確保して焼きおにぎり特有の香ばしさを損なわいものとしつつ、平面的で持ちやすく食べやすいものとしている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2967347号公報(第1−2頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、若い女性を中心として一回当たりの食事量が極端に少ない少食化が進んでいる現在では、さらに少量から提供でき、必要に応じて量を自由に選択できることが望ましい。また、前記のような厚みが薄いものであっても、おにぎり1個を食べ終えるまでには片手がふさがってしまう不自由さもあった。さらに、嗜好の多様化に合わせて、より一層のバリエーション展開が求められている。
【0006】
しかるに、本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、食事量を微調整することができ、多様な味の組み合わせを楽しみながら、手軽に携帯して一口サイズで食べやすい携帯用食料品の提供を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記所期の課題解決のため、本発明に係る携帯用食料品では、主材として米1に対して餅米を0.2〜0.5の割合で混合して炊きあげたものを用い、副材として肉類、野菜類、果実類、魚介類、豆類、穀類、乳製品のうちから任意に選択した1種以上を細片状にして用いて、これら主材と副材とを調味料とともに合わせて、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成した。
【0008】
主材中に餅米を混合することで、餅米が繋ぎ材となって成形状態を維持しやすくなるほか、弾力性に富む餅米が混合されることにより食感が豊かになる効果も得られる。場合によっては、麦や粟などの雑穀類を添加してもよい。米1に対して餅米の混合割合が0.2以下となると、小球形状に形を整えることが困難となるし、焼成した携帯用食料品が冷めた際、表面がパサパサして固くなってしまい、味・食感ともに損なわれる傾向がある。他方、米1に対して餅米の混合割合が0.5を超えると、できあがった携帯用食料品は餅団子といった食感が強くなってしまい、親子丼や牛丼・カレーといった本発明に係る携帯用食料品独特の風味が損なわれる傾向がある。
【0009】
副材としては、肉類、野菜類、果実類、魚介類、豆類、穀類、乳製品のうちから任意に選択した1種以上を細片状にしたものが用いられるが、具体的に何を用いるかは調味料を含めて味付けとの関係で決定される。
【0010】
例えば、すき焼き風味とする場合には、牛肉、たまねぎ、こんにゃく、紅ショウガ、椎茸などが副材として用いられ、醤油や砂糖等の調味料が用いられる。また、チキンライス風味とする場合には、鶏肉、グリーンピース、にんじん、たまねぎ等が副材として用いられ、ケチャップ、塩、コショウ、砂糖等が調味料として用いられる。主材と副材とは完全に混ぜ合わせてもよいし、主材によって副材を包み込むように合わせてもよい。例えば、チキンライス風味とする場合には完全に混ぜ合わせた状態とするが、すき焼き風味とする場合には、おにぎりの具よろしく主材で副材を包み込むようにする。調味料についても、主材と副材とを完全に混ぜ合わす際に一緒に混合してもよいし、主材に混合してから副材を包み込むこととしたり、予め副材に調味料を合わせて味付けしたものを味付けしない主材によって包み込むようにしてもよい。全ての材料を合わせた後、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成する。成形・焼成には、汎用のたこ焼き器を用いると、保形性に劣る場合であっても成形しながら焼成するため小球状にしやすい。
【0011】
繋ぎ材としては、溶いた卵も用いられる。溶き卵は、味付けを親子丼や他人丼、すき焼き、カレー、チキンライス風味とする場合には副材の一つとしても機能することになるものであるが、小球状に成形した後に周囲にからめてもよい。溶き卵を繋ぎ材に用いた場合には、焼成した際には携帯用食料品の表面がカリッとする一方、冷めたり、あるいは冷凍品を解凍した際においても風味を損なうことなくしっとり感を保つことができる。
【0012】
主材には、前記の米と餅米の組み合わせに代えて調理済み惣菜のみを用いることができる。米と餅米の組み合わせを主材とする携帯用食料品を主食とするならば、調理済み惣菜を主材とする携帯用食料品はおかず的に食されるものであると言える。調理済み惣菜としては、すき焼き、カレー、ハヤシ、キムチ等の漬け物類、お好み焼き、佃煮など味付けされた惣菜が例示される。小球形状に成形することを考慮して、これら惣菜の具は細片状に破砕しておくとよい。こうした調理済み惣菜に山芋を繋ぎ材として用いるべく混合し、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成することにより携帯用食料品とする。繋ぎ材として混合した山芋は、焼成された携帯用食料品の表面に皮膜を形成し、中はねっとりとした汁状態を保つことに役立つのである。
【0013】
これら完成した携帯用食料品は、冷凍状態で提供することができ、その場合には従来の冷凍食品と同様に地域を問わず流通供給することができるほか、適宜必要なときに必要な量だけ解凍して食することができる利点が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施例1(カレー風味の携帯用食料品)
白米と餅米を5対1の割合で混合したもの計3合に市販のカレールー1かけ約50gとサフラン少々を加え、通常の白米を炊飯する場合より水を100ccほど少なめにして、電気炊飯器で固めに炊きあげた。副材及び調味料としては、合い挽きミンチと細かく刻んだジャガイモ、たまねぎ、にんじんを具材に用いたカレーを、濃いめに、かつ、粘性があるように作った。炊きあがった主材(ご飯)約30gをとり、薄く広げて中心に先のカレーを5g程度入れ、カレーを包み込むように球形に成形し、たこ焼き器で焼成した。できあがった携帯用食料品は、表面側がカリッとしているのにお米の部分はモチモチとしており、口の中で噛みつぶすとカレーがトロリと溶け出して、口いっぱいにカレー味が広がるものであった。
【0015】
実施例2(おにぎり風味の携帯用食料品)
白米と餅米を2対1の割合で混合したもの計3合を、通常の白米を炊飯する場合より水を50ccほど少なめにし、食塩を1%添加して電気炊飯器でやや固めに炊きあげた。炊きあがった主材(ご飯)約30gをとり、薄く広げて中心に梅干しを入れ、包み込むように球形に成形し、たこ焼き器で焼成した。同時に、梅干しに代えて昆布を入れたもの、チーズを入れたものも焼成した。いずれも一口サイズで表面に焦げ目がつき、お焦げ状の主材(ご飯)が香ばしかった。
【0016】
実施例3(親子丼風味の携帯用食料品)
白米と餅米を5対1の割合で混合したもの計3合を、通常の水加減より100ccほど水を少なめにして、電気炊飯器で固めに炊きあげた。一方、たまねぎ、鶏肉を細かく刻み、昆布だしに醤油と本みりんを加え、やや濃いめに味付けして煮た。炊きあがった主材(ご飯)約30gをとり、少し煮汁をかけて味付けしながら、中心に前記たまねぎと鶏肉を入れ、小球形状に丸めた後、全周に溶き卵をからめてから、たこ焼き器で軽く焼成した。できあがった携帯用食料品は、焼けた外周面がカリッと香ばしく、中はしっとりとした食感が保たれていた。
【0017】
実施例4(すき焼き風味の携帯用食料品)
濃いめの味付けで、通常より小さめに切った牛肉とネギ、にんじん、椎茸、糸こんにゃくを煮てすき焼きを作り、煮汁と具材を取り分ける。すり下ろした山芋に煮汁を加えて味を調えた。約30gの味付け山芋を1個分として、別途取り分けておいた具材を入れ、たこ焼き器で回転させながら、中心がトロリとしている程度に約160°Cの低温で表面のみを焼き上げた。できあがった携帯用食料品は、直径約3cmの小球形状をしており、焼成された表面側がカリッと皮状になる一方、口の中で噛みつぶすとトロリとした山芋とともにすき焼き味の具材がトロリと溶け出して、美味であった。
【0018】
実施例5(煮こごり風味の携帯用食料品)
魚の煮こごりを鍋内で熱して溶かし、葛1カップを水2カップで溶いたものを適量加えて更に加熱した後、冷却して固化させた。先の実施例2で炊き上げた主材(ご飯)約30gをとり、薄く広げて中心に固化した煮こごりを入れ、包み込むように球形に成形し、たこ焼き器で軽く焼成した。表面のお焦げが香ばしく、口に含むと煮こごりが滲み出てきて美味であった。
【0019】
実施例6(中華丼風味の携帯用食料品)
豚肉、エビ、たまねぎ、にんじん、たけのこ、ピーマン、アスパラ、干し椎茸、白菜、ニンニクを細かく刻み、塩、コショウ、うまみ調味料で下味を整えながら炒めた。その後、スープ、醤油、オイスターソース、日本酒、椎茸の戻し汁を合わせて、仕上げにごま油を入れ、水に溶いた片栗粉でとろみを付けた。先の実施例2で炊き上げた主材(ご飯)約30gをとり、薄く広げた中心に前記副材を適量入れ、包み込むように球形に成形し、たこ焼き器で軽く焼成した。表面のお焦げが香ばしく、口に含むと中華あんのように副材が滲み出てきて美味であった。
【0020】
実施例7(スナック風の携帯用食料品)
白米と餅米を1対1の割合で配合したもの約3合に、昆布茶のもと少々と食塩少々を加え、通常の水加減で電気炊飯器で炊きあげた。副材として、芋、豆、南京、栗、果物(リンゴ、桃、ぶどう)を甘く味付けして柔らかめに煮たものを用意した。炊きあがった主材(ご飯)を1個当たり約30gとして広げ、中心に前記副材をそれぞれ入れて球形に包み込み、たこ焼き器に入れ、高温で表面を焼き上げた。バリエーションとして、さらに油で揚げた。いずれも表面がカリッとして歯触りがよく、甘めのスナック菓子となった。これら携帯用食料品をチーズフォンデュとして食べても美味であった。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る携帯用食料品は、直径2cm〜5cmの一口サイズの小球形状に成形されているので、携帯し易いことはもちろん、食べやすく、また、個数を自由に選択することでお腹具合に応じた食事量の調整を図ることができる。そして、丼物やカレー、チキンライスなど、従来のおにぎりでは考えられなかった味付けがなされた主食的なものや、調理済み惣菜のみからなるおかず的なものも手軽に提供することができるので、これら主食的な携帯用食料品とおかず的な携帯用食料品を組み合わせたり、あるいは菓子的なものをデザートとして選択したりと、高い栄養価の食事を時間や場所を選ぶことなく楽しむことができる。
【0022】
また、できあがった携帯用食料品は、いずれも外側がカリッとして歯触りがよく、餅米ご飯を用いた場合にはモチモチとした食感が得られるほか、副材の選択によって中身が口の中でトロリと溶け出したり、歯ごたえがあったりするので、組み合わせによって様々な食感を楽しむことができる。
【0023】
さらに、これら携帯用食料品を冷凍状態で提供すれば、長期にわたって商品流通経路に載せやすく、家庭で手軽に解凍して用いることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、手軽に携帯することができ、一口サイズで食べやすく、様々な味や量を選択する楽しさが得られる携帯用食料品に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるファーストフードとしてテイクアウトされる携帯用食料品としてはハンバーガーやサンドイッチなどが代表的であったが、近年では日本の伝統的ファーストフードであるおにぎりが見直されている。梅干しをはじめ、昆布、たらこ、鮭、焼き肉、キムチなど様々な具を入れたり、混ぜご飯で握ったり、焼き海苔で表面を覆ったり、表面を焼成して焼きおにぎりとしたりと、おにぎりは個人の多様な嗜好に合うように自由なアレンジができるので、人気を博している。
【0003】
そこで、例えば、特許第2967347号(特許文献1)では、米に1割〜4割程度の餅米を混ぜて炊きあげ、チリメン山椒等を混合した混ぜご飯を薄三角形状に成形し焼成した焼きおにぎりが提案されている。この焼きおにぎりは、三角形の1辺の長さに対して厚さが1/8〜1/4程度の薄さに成形しているので、1個当たりのご飯の量を減らして数個を組み合わせる楽しさを提供しながら、焼き面を確保して焼きおにぎり特有の香ばしさを損なわいものとしつつ、平面的で持ちやすく食べやすいものとしている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2967347号公報(第1−2頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、若い女性を中心として一回当たりの食事量が極端に少ない少食化が進んでいる現在では、さらに少量から提供でき、必要に応じて量を自由に選択できることが望ましい。また、前記のような厚みが薄いものであっても、おにぎり1個を食べ終えるまでには片手がふさがってしまう不自由さもあった。さらに、嗜好の多様化に合わせて、より一層のバリエーション展開が求められている。
【0006】
しかるに、本発明は、こうした事情に鑑みてなされたものであり、食事量を微調整することができ、多様な味の組み合わせを楽しみながら、手軽に携帯して一口サイズで食べやすい携帯用食料品の提供を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記所期の課題解決のため、本発明に係る携帯用食料品では、主材として米1に対して餅米を0.2〜0.5の割合で混合して炊きあげたものを用い、副材として肉類、野菜類、果実類、魚介類、豆類、穀類、乳製品のうちから任意に選択した1種以上を細片状にして用いて、これら主材と副材とを調味料とともに合わせて、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成した。
【0008】
主材中に餅米を混合することで、餅米が繋ぎ材となって成形状態を維持しやすくなるほか、弾力性に富む餅米が混合されることにより食感が豊かになる効果も得られる。場合によっては、麦や粟などの雑穀類を添加してもよい。米1に対して餅米の混合割合が0.2以下となると、小球形状に形を整えることが困難となるし、焼成した携帯用食料品が冷めた際、表面がパサパサして固くなってしまい、味・食感ともに損なわれる傾向がある。他方、米1に対して餅米の混合割合が0.5を超えると、できあがった携帯用食料品は餅団子といった食感が強くなってしまい、親子丼や牛丼・カレーといった本発明に係る携帯用食料品独特の風味が損なわれる傾向がある。
【0009】
副材としては、肉類、野菜類、果実類、魚介類、豆類、穀類、乳製品のうちから任意に選択した1種以上を細片状にしたものが用いられるが、具体的に何を用いるかは調味料を含めて味付けとの関係で決定される。
【0010】
例えば、すき焼き風味とする場合には、牛肉、たまねぎ、こんにゃく、紅ショウガ、椎茸などが副材として用いられ、醤油や砂糖等の調味料が用いられる。また、チキンライス風味とする場合には、鶏肉、グリーンピース、にんじん、たまねぎ等が副材として用いられ、ケチャップ、塩、コショウ、砂糖等が調味料として用いられる。主材と副材とは完全に混ぜ合わせてもよいし、主材によって副材を包み込むように合わせてもよい。例えば、チキンライス風味とする場合には完全に混ぜ合わせた状態とするが、すき焼き風味とする場合には、おにぎりの具よろしく主材で副材を包み込むようにする。調味料についても、主材と副材とを完全に混ぜ合わす際に一緒に混合してもよいし、主材に混合してから副材を包み込むこととしたり、予め副材に調味料を合わせて味付けしたものを味付けしない主材によって包み込むようにしてもよい。全ての材料を合わせた後、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成する。成形・焼成には、汎用のたこ焼き器を用いると、保形性に劣る場合であっても成形しながら焼成するため小球状にしやすい。
【0011】
繋ぎ材としては、溶いた卵も用いられる。溶き卵は、味付けを親子丼や他人丼、すき焼き、カレー、チキンライス風味とする場合には副材の一つとしても機能することになるものであるが、小球状に成形した後に周囲にからめてもよい。溶き卵を繋ぎ材に用いた場合には、焼成した際には携帯用食料品の表面がカリッとする一方、冷めたり、あるいは冷凍品を解凍した際においても風味を損なうことなくしっとり感を保つことができる。
【0012】
主材には、前記の米と餅米の組み合わせに代えて調理済み惣菜のみを用いることができる。米と餅米の組み合わせを主材とする携帯用食料品を主食とするならば、調理済み惣菜を主材とする携帯用食料品はおかず的に食されるものであると言える。調理済み惣菜としては、すき焼き、カレー、ハヤシ、キムチ等の漬け物類、お好み焼き、佃煮など味付けされた惣菜が例示される。小球形状に成形することを考慮して、これら惣菜の具は細片状に破砕しておくとよい。こうした調理済み惣菜に山芋を繋ぎ材として用いるべく混合し、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成することにより携帯用食料品とする。繋ぎ材として混合した山芋は、焼成された携帯用食料品の表面に皮膜を形成し、中はねっとりとした汁状態を保つことに役立つのである。
【0013】
これら完成した携帯用食料品は、冷凍状態で提供することができ、その場合には従来の冷凍食品と同様に地域を問わず流通供給することができるほか、適宜必要なときに必要な量だけ解凍して食することができる利点が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施例1(カレー風味の携帯用食料品)
白米と餅米を5対1の割合で混合したもの計3合に市販のカレールー1かけ約50gとサフラン少々を加え、通常の白米を炊飯する場合より水を100ccほど少なめにして、電気炊飯器で固めに炊きあげた。副材及び調味料としては、合い挽きミンチと細かく刻んだジャガイモ、たまねぎ、にんじんを具材に用いたカレーを、濃いめに、かつ、粘性があるように作った。炊きあがった主材(ご飯)約30gをとり、薄く広げて中心に先のカレーを5g程度入れ、カレーを包み込むように球形に成形し、たこ焼き器で焼成した。できあがった携帯用食料品は、表面側がカリッとしているのにお米の部分はモチモチとしており、口の中で噛みつぶすとカレーがトロリと溶け出して、口いっぱいにカレー味が広がるものであった。
【0015】
実施例2(おにぎり風味の携帯用食料品)
白米と餅米を2対1の割合で混合したもの計3合を、通常の白米を炊飯する場合より水を50ccほど少なめにし、食塩を1%添加して電気炊飯器でやや固めに炊きあげた。炊きあがった主材(ご飯)約30gをとり、薄く広げて中心に梅干しを入れ、包み込むように球形に成形し、たこ焼き器で焼成した。同時に、梅干しに代えて昆布を入れたもの、チーズを入れたものも焼成した。いずれも一口サイズで表面に焦げ目がつき、お焦げ状の主材(ご飯)が香ばしかった。
【0016】
実施例3(親子丼風味の携帯用食料品)
白米と餅米を5対1の割合で混合したもの計3合を、通常の水加減より100ccほど水を少なめにして、電気炊飯器で固めに炊きあげた。一方、たまねぎ、鶏肉を細かく刻み、昆布だしに醤油と本みりんを加え、やや濃いめに味付けして煮た。炊きあがった主材(ご飯)約30gをとり、少し煮汁をかけて味付けしながら、中心に前記たまねぎと鶏肉を入れ、小球形状に丸めた後、全周に溶き卵をからめてから、たこ焼き器で軽く焼成した。できあがった携帯用食料品は、焼けた外周面がカリッと香ばしく、中はしっとりとした食感が保たれていた。
【0017】
実施例4(すき焼き風味の携帯用食料品)
濃いめの味付けで、通常より小さめに切った牛肉とネギ、にんじん、椎茸、糸こんにゃくを煮てすき焼きを作り、煮汁と具材を取り分ける。すり下ろした山芋に煮汁を加えて味を調えた。約30gの味付け山芋を1個分として、別途取り分けておいた具材を入れ、たこ焼き器で回転させながら、中心がトロリとしている程度に約160°Cの低温で表面のみを焼き上げた。できあがった携帯用食料品は、直径約3cmの小球形状をしており、焼成された表面側がカリッと皮状になる一方、口の中で噛みつぶすとトロリとした山芋とともにすき焼き味の具材がトロリと溶け出して、美味であった。
【0018】
実施例5(煮こごり風味の携帯用食料品)
魚の煮こごりを鍋内で熱して溶かし、葛1カップを水2カップで溶いたものを適量加えて更に加熱した後、冷却して固化させた。先の実施例2で炊き上げた主材(ご飯)約30gをとり、薄く広げて中心に固化した煮こごりを入れ、包み込むように球形に成形し、たこ焼き器で軽く焼成した。表面のお焦げが香ばしく、口に含むと煮こごりが滲み出てきて美味であった。
【0019】
実施例6(中華丼風味の携帯用食料品)
豚肉、エビ、たまねぎ、にんじん、たけのこ、ピーマン、アスパラ、干し椎茸、白菜、ニンニクを細かく刻み、塩、コショウ、うまみ調味料で下味を整えながら炒めた。その後、スープ、醤油、オイスターソース、日本酒、椎茸の戻し汁を合わせて、仕上げにごま油を入れ、水に溶いた片栗粉でとろみを付けた。先の実施例2で炊き上げた主材(ご飯)約30gをとり、薄く広げた中心に前記副材を適量入れ、包み込むように球形に成形し、たこ焼き器で軽く焼成した。表面のお焦げが香ばしく、口に含むと中華あんのように副材が滲み出てきて美味であった。
【0020】
実施例7(スナック風の携帯用食料品)
白米と餅米を1対1の割合で配合したもの約3合に、昆布茶のもと少々と食塩少々を加え、通常の水加減で電気炊飯器で炊きあげた。副材として、芋、豆、南京、栗、果物(リンゴ、桃、ぶどう)を甘く味付けして柔らかめに煮たものを用意した。炊きあがった主材(ご飯)を1個当たり約30gとして広げ、中心に前記副材をそれぞれ入れて球形に包み込み、たこ焼き器に入れ、高温で表面を焼き上げた。バリエーションとして、さらに油で揚げた。いずれも表面がカリッとして歯触りがよく、甘めのスナック菓子となった。これら携帯用食料品をチーズフォンデュとして食べても美味であった。
【0021】
【発明の効果】
本発明に係る携帯用食料品は、直径2cm〜5cmの一口サイズの小球形状に成形されているので、携帯し易いことはもちろん、食べやすく、また、個数を自由に選択することでお腹具合に応じた食事量の調整を図ることができる。そして、丼物やカレー、チキンライスなど、従来のおにぎりでは考えられなかった味付けがなされた主食的なものや、調理済み惣菜のみからなるおかず的なものも手軽に提供することができるので、これら主食的な携帯用食料品とおかず的な携帯用食料品を組み合わせたり、あるいは菓子的なものをデザートとして選択したりと、高い栄養価の食事を時間や場所を選ぶことなく楽しむことができる。
【0022】
また、できあがった携帯用食料品は、いずれも外側がカリッとして歯触りがよく、餅米ご飯を用いた場合にはモチモチとした食感が得られるほか、副材の選択によって中身が口の中でトロリと溶け出したり、歯ごたえがあったりするので、組み合わせによって様々な食感を楽しむことができる。
【0023】
さらに、これら携帯用食料品を冷凍状態で提供すれば、長期にわたって商品流通経路に載せやすく、家庭で手軽に解凍して用いることができる。
Claims (4)
- 主材として米1に対して餅米を0.2〜0.5の割合で混合して炊きあげたものを用い、副材として肉類、野菜類、果実類、魚介類、豆類、穀類、乳製品のうちから任意に選択した1種以上を細片状にして用いて、これら主材と副材とを調味料とともに合わせて、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成してなる携帯用食料品。
- 主材と副材と調味料とともに、さらに繋ぎ材として溶いた卵を用いることを特徴とする請求項1記載の携帯用食料品。
- 主材として調理済み惣菜を用い、繋ぎ材として山芋を用いて、主材と繋ぎ材とを混合し、直径2cm〜5cmの小球形状に成形しつつ表面を焼成してなる携帯用食料品。
- 冷凍状態で提供されることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか記載の携帯用食料品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003099231A JP2004305023A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 携帯用食料品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003099231A JP2004305023A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 携帯用食料品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004305023A true JP2004305023A (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=33463755
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003099231A Pending JP2004305023A (ja) | 2003-04-02 | 2003-04-02 | 携帯用食料品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004305023A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007000117A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Yoshiro Nakamatsu | ミニ具大寿司 |
JP2011188838A (ja) * | 2010-03-16 | 2011-09-29 | Chizuko Watanabe | お米団子およびその製造方法 |
CN103815257A (zh) * | 2014-01-24 | 2014-05-28 | 五河童师傅食品有限公司 | 一种鸡骨风味糯米粉及其制备方法 |
CN108523033A (zh) * | 2018-04-16 | 2018-09-14 | 恩施土家族苗族自治州农业科学院 | 富硒大鲵营养咀嚼片及其制备方法 |
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2003
- 2003-04-02 JP JP2003099231A patent/JP2004305023A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007000117A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Yoshiro Nakamatsu | ミニ具大寿司 |
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