JP2004304891A - 回転電機の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機を構成する回転電機構成部品の塗装品質を向上させることである。
【解決手段】ヨークの表面に静電塗装により塗布された粉体塗料は、高周波誘導加熱装置によりヨークが誘導加熱されることにより、溶融・乾燥される。高周波誘導加熱装置は、所定の間隔を空けて並んで配置された第1の加熱コイルと第2の加熱コイルとを有しており、ヨークはこれらの加熱コイルの中を一定速度で移動することにより加熱処理される。また、ヨークは、加熱処理の間において、第1の加熱コイルと第2の加熱コイルの間を加熱されずに移動することにより、その温度がを略一定に保たれるとともに各部の温度が均一化されて温度均一化処理が行われる。これにより、ヨークは均一に加熱されて、その表面に形成される塗膜を均一に乾燥させることができる。
【選択図】 図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性材料により形成されるヨーク等の回転電機構成部材を有する回転電機の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転電機は磁気エネルギを介して電気エネルギと機械エネルギの相互変換を行う電磁形の電気・機械変換器機であり、このような回転電機は、例えば鋼板等の導電性材料により底付き円筒状に形成されたヨークや、鋼材等により形成されてヨーク内に回転自在に収容されるアマチュアコア等の回転電機構成部材を有している。
【0003】
これらの回転電機構成部材は、例えば錆の発生防止や外部との電気的な絶縁等のために、その表面に塗装が施される場合があり、この場合、塗装工程によりその表面に塗料が塗布された後、乾燥工程により乾燥されて塗膜が形成されることになる。
【0004】
従来から、塗装を乾燥させる乾燥工程としては、高周波誘導加熱コイルを用いて回転電機構成部材を誘導加熱して塗膜を乾燥させる方法が知られている。この場合、塗料が塗布された回転電機構成部材は、高周波誘導加熱コイルにより誘導加熱されて所定の時間で乾燥に適した温度にまで一気に誘導加熱されるようになっており、これにより回転電機構成部材自体が加熱して、これに塗布された塗料が乾燥されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10―145988号公報(第4―5頁、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような乾燥工程では、回転電機構成部材は誘導加熱により所定の温度に達するまで一気に加熱されるので、各部位に温度差が生じて塗装に乾燥むらが生じることがある。例えば、ヨークにあっては、軸受け部が形成された底壁部など肉厚が厚く複雑な形状となっている部位は十分に加熱されずに塗装の乾燥が不十分な状態となり、これに対して、内周にマグネットが固定される円筒部など肉厚が薄くて形状が単純な部位は必要以上に加熱され、場合によっては塗装が焦げ付く恐れがあった。
【0007】
本発明の目的は、回転電機を構成する回転電機構成部品の塗装品質を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転電機の製造方法は、導電性材料により形成されるヨーク等の回転電機構成部材を有する回転電機の製造方法であって、前記回転電機構成部材の表面に塗膜を形成する塗装工程と、前記回転電機構成部材を誘導加熱する複数の加熱処理と前記加熱処理の間において前記回転電機構成部材を略一定温度に保って各部の温度を均一化させる少なくとも1回の温度均一化処理とにより、前記回転電機構成部材を所定の温度まで加熱して前記塗膜を乾燥させる乾燥工程とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の回転電機の製造方法は、前記回転電機構成部材を前記ヨークとしたことを特徴とする。
【0010】
本発明の回転電機の製造方法は、前記塗装工程の前に前記ヨークの内面にマグネットを接着するマグネット接着工程を設けたことを特徴とする。
【0011】
本発明の回転電機の製造方法は、前記塗装工程が粉体塗装により行われることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、回転電機構成部材の各部位を均一に加熱することができるので、塗膜を均一に乾燥させて、この回転電機の塗装品質を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施の形態である製造方法により製造されたブラシ付き直流モータの概略を示す断面図であり、図2は図1に示すヨーク組立体の詳細を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、回転電機としてのブラシ付き直流モータ11はヨーク組立体12とアマチュア13を有している。
【0016】
図2に示すように、ヨーク組立体12は導電性材料である鋼板により底付き円筒状に形成された継鉄とも呼ばれる回転電機構成部材としてのヨーク14を有しており、ヨーク14の内面にはそれぞれセグメント形に形成された一対のマグネット15,16が互いに異なる磁極を向かい合わせて固定されている。そして、これらのマグネット15,16とヨーク14とで形成される磁気回路により、ヨーク14の内部に磁界が形成されるようになっている。また、ヨーク14の表面には塗装による塗膜17が形成されており、錆による腐食が防止されるとともに外部と電気的に絶縁されている。そして、ヨーク14の開口端はフロントブラケット18により閉塞されている。
【0017】
一方、電機子とも呼ばれるアマチュア13は、マグネット15,16による磁界中に位置してヨーク14の内部に収容されており、シャフト21がヨーク14の底部14aとフロントブラケット18に形成された貫通孔18aとに設けられた自動調心形の軸受22,23に支持されることによりヨーク14の内部で回転自在となっている。このシャフト21の先端は貫通孔18aから外部に突出しており、この先端に図示しない被駆動部材を接続することにより、シャフト21の出力トルクを被駆動部材に伝達することができる。
【0018】
アマチュア13には、それぞれアマチュアコア24に形成された複数のティース25に巻装された複数のアマチュアコイル26が設けられており、これらのアマチュアコイル26は、ぞれぞれシャフト21に固定された整流子つまりコミュテータ27の対応する整流子片27aに電気的に接続されている。また、フロントブラケット18には一対のブラシホルダ28が設けられており、これらのブラシホルダ28には、それぞれスプリング31により整流子片27aに付勢された状態で摺接する一対のブラシ32が組み込まれている。これらのブラシ32は図示しない接続端子に電気的に接続されており、接続端子に電流を供給すると、それぞれのブラシ32とコミュテータ27とを介して整流された電流がアマチュアコイル26に流れるようになっている。そして、アマチュアコイル26に電流が流れると、マグネット15,16の磁界とによりアマチュアコイル26に電磁力が生じて、アマチュア13が回転するようになっている。
【0019】
このような構成のブラシ付き直流モータ11は、ヨーク組立体12を製造するヨーク製造工程と、アマチュア13を製造するアマチュア製造工程、およびヨーク組立体12にアマチュア13を組み付ける組付け工程とを経て製造される。
【0020】
図3は図2に示すヨーク製造工程を示す工程図であり、このヨーク組立体12は、前処理工程、マグネット接着工程、塗装工程および乾燥工程を経て製造されるようになっている。以下に、ヨーク組立体12の製造方法の一例について、図3に示す工程図に沿って詳細に説明する。
【0021】
まず、前処理工程が行われて、ヨーク14の表面に付着した防錆油、埃など、塗装の密着性や安定性を損なう付着物が除去される。
【0022】
次に、前処理されたヨーク14の内面にマグネット15,16を接着するマグネット接着工程が行われる。この場合、マグネット接着工程は、ヨーク14の表面に塗膜17を形成する塗装工程より前に行われる。
【0023】
図4は図3に示すマグネット接着工程で用いられる接着剤塗布機の概略を示す断面図であり、図5は図3に示すマグネット接着工程におけるマグネットの接着状態を示す断面図である。
【0024】
マグネット接着工程においては、まず、図4に示す接着剤塗布機33によりヨーク14の内面に接着剤34が塗布される。この接着剤塗布機33はヨーク14の内面に対向して配置されるノズル35を有しており、このノズル35には接着剤ポンプ36と吐出ギヤポンプ37とを介して接着剤が供給されるようになっている。ノズル35は揺動軸35aを中心としてヨーク14の内面に接近・離反する方向に揺動自在となっており、押さえスプリング38によりヨーク14の内面に向けて付勢されて自動的にヨーク14の内面に追従するようになっている。また、ノズル35には複数の吐出孔35bが設けられており、ノズル35に供給された接着剤34はこれらの吐出孔35bからヨーク14の内面に向けて吐出される。さらに、ノズル35にはヒータ41が設けられており、このヒータ41によりノズル35内の接着剤34が所定の温度に加熱されて接着剤34の粘度が所定の値に保たれるようになっている。
【0025】
このような接着剤塗布機33にヨーク14をセットして各ポンプ36,37を作動させると、ノズル35の吐出孔35bから接着剤34が吐出されるととともにヨーク14がノズル35に対してその軸心を中心として回転して、図4に便宜上ハッチングを付して示す範囲においてヨーク14の内面に均一に接着剤34が塗布される。
【0026】
この接着剤塗布機33では、接着剤34を供給するポンプとして吐出ギヤポンプ37が用いられ、また、ヒータ41により接着剤34の粘度を安定させることができるので、吐出孔35bから吐出される接着剤34の吐出量を0.1mg単位で調整することができる。また、これに加えて、ノズル35がヨーク14の内面に自動的に追従するので、ヨーク14に塗布される接着剤34の塗布厚さは均一となり、マグネット15,16のヨーク14に対する接着強度を安定させることができる。
【0027】
ヨーク14の内面に接着剤34が塗布されると、図5に示すようにヨーク14の内部にマグネット15,16が圧入される。このとき、接着剤34は十分に乾燥していないので、次工程までの間、マグネット15,16は保持スプリング42によりヨーク14の内面に仮固定される。
【0028】
次に、マグネット15,16が接着されたヨーク14の表面に塗膜17を形成する塗装工程が行われる。
【0029】
図6は図3に示す塗装工程で用いられる粉体塗装機の概略を示す正面図であり、図7は図6に示す粉体塗装機の詳細を示す一部切り欠き断面図である。
【0030】
この塗装工程は、所謂粉体塗装により行われるようになっており、ヨークの表面には図6、図7に示す静電粉体塗装機44により、粉体塗料が塗布されて塗膜17が形成される。
【0031】
静電粉体塗装機44は、粉体塗料43を負の電荷に帯電させるとともにヨーク14を正の電荷に帯電させて、ヨーク14の表面に静電気により粉体塗料43を均一に付着させるものである。
【0032】
ヨーク14は、このヨーク14に正の電荷を帯電させる帯電装置45とともに搬送治具46によって搬送されて、正の電荷に帯電された状態でこの静電粉体塗装機44の架台47に固定された粉体室48の内部を通過するようになっている。粉体室48の下方には、粉体塗料43を収容する収容皿51が設けられており、この収容皿51に収容された粉体塗料43は図示しない帯電装置により負の電荷に帯電されている。収容皿51の下方には布52により収容皿51と隔離された空気室53が設けられており、この空気室53には架台47に固定された送風装置54から送風が行われるようになっている。そして、送風装置54により空気室53に対する送風が行われると、空気室53から布52を介して収容皿51側に空気が流れて、粉体塗料43が粉体室48内に舞い上がるようになっている。また、粉体室48には、それぞれヨーク14の移動経路の両脇に位置する一対の吹き付けノズル55,56が設けられており、これらの吹き付けノズル55,56から吐出される空気により、粉体室48内に舞い上がった粉体塗料43がヨーク14に向けて吹き付けられるようになっている。これにより、正の電荷に帯電されたヨーク14の表面には負の電荷が帯電された粉体塗料43が均一に塗布されてヨーク14の表面に塗膜17が形成されることになる。このとき、マグネット15,16は導電性が低いので、その表面には粉体塗料43は塗布されない。
【0033】
この粉体塗料43としては有機溶剤や水等の触媒を用いずに塗膜形成成分のみが配合されてなる個体の塗料が用いられており、これは、合成樹脂や顔料を中心として必要に応じて硬化剤や添加剤を配合して均一に加熱混練された分散体を冷却後、所定の粒度に微粉砕することにより形成されている。
【0034】
本実施の形態においては、静電粉体塗装機44によりヨーク14に粉体塗料43を塗布するようにしているが、これに限らず、他の形式の装置による静電粉体塗装や、予め加熱されたヨーク14を粉体塗料43の中に浸漬する流動浸漬法により粉体塗料43を塗布するようにしてもよい。また、粉体塗料43を用いた塗装に限らず、液体状の塗料を塗布して塗装を行うようにしてもよい。
【0035】
次に、粉体塗料43が塗布されたヨーク14を所定の温度まで加熱して塗膜17を乾燥させる乾燥工程が行われる。
【0036】
図8は図3に示す乾燥工程で用いられる高周波誘導加熱装置の詳細を示す説明図であり、図9は図8におけるA−A線に沿う断面図である。さらに、図10は図8に示す高周波誘導加熱装置により加熱されるヨークの温度変化を示す特性線図であり、図11は図8に示す高周波誘導加熱装置により乾燥される塗膜の状態を示す断面図である。
【0037】
図8に示すように、高周波誘導加熱装置61は、所定の間隔を空けて並んで配置された第1の高周波誘導加熱コイル62(以下、第1の加熱コイル62とする)と第2の高周波誘導加熱コイル63(以下、第2の加熱コイル63とする)とを有している。粉体塗料43が塗布されたヨーク14は搬送治具46に搬送されて、第1の加熱コイル62の中を約45秒かけて移動し、次いで約15秒かけて第1の加熱コイル62と第2の加熱コイル63との間を移動し、さらに第2の加熱コイル63の中を約45秒かけて移動するようになっている。このとき、ヨーク14は、その移動速度が常に一定とされるとともに軸心を中心として回転されるようになっている。
【0038】
これらの加熱コイル62,63は、図9に示すように、それぞれ移動するヨーク14との間隔が略一定となるように巻かれており、図示しない交流電源から所定の電圧、周波数の交流電流が供給されることにより内部に交番する磁界つまり交流磁界を生じるようになっている。したがって、これらの加熱コイル62,63の中を移動するヨーク14には電磁誘導作用による渦電流が発生し、この渦電流とヨーク14の内部抵抗とにより生じるジュール熱によりヨーク14は自己発熱することになる。
【0039】
これにより、ヨーク14は、図10に示すように、第1の加熱コイル62と第2の加熱コイル63とによる2回の加熱処理が行われて、乾燥に適した温度である約260度まで誘導加熱されるようになっている。
【0040】
ヨーク14が誘導加熱されると、ヨーク14の表面に塗布された粉体塗料43は溶融し、その後乾燥されてヨーク14の表面に焼き付けられることになる。これにより、ヨーク14の表面には乾燥された塗膜17が形成される。このとき、図11に示すように、ヨーク14は誘導加熱によりヨーク14自体が加熱されることになるので、溶融した粉体塗料43はヨーク14の表面側から外部に向けて溶融・乾燥されることになる。そのため、塗膜17はヨーク14の表面と強く密着することになり、また、溶融した粉体塗料43内から発生する空気が順次外側に押し出されて、塗膜17にピンホールなどが発生するのを防止することができる。
【0041】
また、この乾燥工程では、ヨーク14が誘導加熱されることにより、マグネット接着工程においてマグネット15,16を接着するために塗布された接着剤34も乾燥されることになる。つまり、この製造方法では、マグネット接着工程は塗装工程の前に行われるので、マグネット接着工程において塗布された接着剤34は、塗膜17を乾燥させる乾燥工程において同時に乾燥されて硬化することになる。したがって、この製造方法では、マグネット接着工程の後にマグネット15,16を乾燥させるための別の乾燥工程は設けられていない。
【0042】
このように、このブラシ付き直流モータ11の製造方法では、マグネット15,16を接着する接着剤34は、塗膜17を乾燥させる乾燥工程において乾燥されることになるので、別途、接着剤34を乾燥させる工程を設ける必要が無く、このヨーク組立体12つまりブラシ付き直流モータ11の製造工数を低減することができる。
【0043】
また、この乾燥工程では、第1の加熱コイル62による加熱処理と第2の加熱コイル63による加熱処理との間に温度均一化処理が行われるようになっている。この温度均一化処理においては、ヨーク14は第1の加熱コイル62から第2の加熱コイル63に移動する間、これらの加熱コイル62,63に加熱されない状態となるので、図10に示すように、加熱処理の間におけるヨーク14は第1の加熱コイル62により加熱処理された後の温度で略一定に保たれる。そして、この間にヨーク14の各部で熱伝導が進んで、ヨーク14の各部の温度が均一化される。つまり、第1の加熱コイル62により誘導加熱されたヨーク14は、通常、その形状や板圧の相違等を原因として各部で温度差が生じるが、この温度均一化工程を設けたことにより、熱伝導が進んで、その温度差が均一化されるのである。
【0044】
したがって、第2の加熱コイル63により加熱処理される際には、ヨーク14は各部の温度が均一化された状態となっており、第2の加熱コイル63により加熱処理された後におけるヨーク14の各部の温度差は減少する。つまり、ヨーク14は各部位が均一に加熱されることになり、塗膜17を均一に乾燥させて、このヨーク14の塗装品質を向上させることができる。
【0045】
このように、この乾燥工程では、第1の加熱コイル62による加熱処理と第2の加熱コイル63による加熱処理の間においてヨーク14を一定温度に保って各部の温度を均一化させる温度均一化処理を行うようにしたので、ヨーク14を均一に誘導加熱することができ、これによりヨーク14の表面に形成された塗膜17を均一に乾燥させて、ヨーク14つまりこのブラシ付き直流モータ11の塗装の品質を向上させることができる。
【0046】
そして、ヨーク14に塗膜17が形成されると、その後必要に応じて冷却されてヨーク組立体12が完成する。
【0047】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、前記実施の形態においては、ブラシ付き直流モータ11のヨーク組立体12の製造に本発明を適用しているが、これに限らず、例えば、アマチュアコア24の表面にアマチュアコイル26との絶縁のために塗装を施す場合に本発明を適用したり、直流発電器など他の回転電機のヨーク組立体やアマチュアコアに本発明の製造方法を適用するようにしてもよい。
【0048】
また、前記実施の形態においては、乾燥工程において2回の加熱処理と1度の温度均一化処理とが行われるようになっているが、これに限らず、複数回の温度均一化処理を行うようにしてもよい。この場合、それぞれの温度均一化処理の前後に加熱処理が行われることになる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、回転電機構成部材の各部位を均一に加熱することができるので、塗膜を均一に乾燥させて、この回転電機の塗装品質を向上させることができる。
【0050】
また、本発明によれば、マグネットを接着する接着剤は、塗膜を乾燥させる乾燥工程において乾燥されることになるので、別途、接着剤を乾燥させる工程を設ける必要が無く、この回転電機の製造工数を低減することができる。さらに、乾燥工程を2回行う必要がないので、工程間の仕掛かり品を低減させたり乾燥装置を1台として、この回転電機の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である製造方法により製造されたブラシ付き直流モータの概略を示す断面図である。
【図2】図1に示すヨーク組立体の詳細を示す斜視図である。
【図3】図2に示すヨーク製造工程を示す工程図である。
【図4】図3に示すマグネット接着工程で用いられる接着剤塗布機の概略を示す断面図である。
【図5】図3に示すマグネット接着工程におけるマグネットの接着状態を示す断面図である。
【図6】図3に示す粉体塗料塗布工程で用いられる粉体塗装機の概略を示す正面図である。
【図7】図6に示す粉体塗装機の詳細を示す一部切り欠き断面図である。
【図8】図3に示す乾燥工程で用いられる高周波誘導加熱装置の詳細を示す説明図である。
【図9】図8におけるA−A線に沿う断面図である。
【図10】図8に示す高周波誘導加熱装置により加熱されるヨークの温度変化を示す特性線図である。
【図11】図8に示す高周波誘導加熱装置により乾燥される塗膜の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
11 ブラシ付き直流モータ
12 ヨーク組立体
13 アマチュア
14 ヨーク
14a 底部
15,16 マグネット
17 塗膜
18 フロントブラケット
18a 貫通孔
21 シャフト
22,23 軸受
24 アマチュアコア
25 ティース
26 アマチュアコイル
27 コミュテータ
27a 整流子片
28 ブラシホルダ
31 スプリング
32 ブラシ
33 接着剤塗布機
34 接着剤
35 ノズル
35a 揺動軸
35b 吐出孔
36 接着剤ポンプ
37 吐出ギヤポンプ
38 押さえスプリング
41 ヒータ
42 保持スプリング
43 粉体塗料
44 静電粉体塗装機
45 帯電装置
46 搬送治具
47 架台
48 粉体室
51 収容皿
52 布
53 空気室
54 送風装置
55,56 吹き付けノズル
61 高周波誘導加熱装置
62 第1の高周波誘導加熱コイル
63 第2の高周波誘導加熱コイル

Claims (4)

  1. 導電性材料により形成されるヨーク等の回転電機構成部材を有する回転電機の製造方法であって、
    前記回転電機構成部材の表面に塗膜を形成する塗装工程と、
    前記回転電機構成部材を誘導加熱する複数の加熱処理と前記加熱処理の間において前記回転電機構成部材を略一定温度に保って各部の温度を均一化させる少なくとも1回の温度均一化処理とにより、前記回転電機構成部材を所定の温度まで加熱して前記塗膜を乾燥させる乾燥工程とを有することを特徴とする回転電機の製造方法。
  2. 請求項1記載の回転電機の製造方法において、前記回転電機構成部材を前記ヨークとしたことを特徴とする回転電機の製造方法。
  3. 請求項2記載の回転電機の製造方法において、前記塗装工程の前に前記ヨークの内面にマグネットを接着するマグネット接着工程を設けたことを特徴とする回転電機の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機の製造方法において、前記塗装工程が粉体塗装により行われることを特徴とする回転電機の製造方法。
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