JP2004304861A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Kazuki Morita
一樹 森田
Yoshio Mizutani
喜夫 水谷
Junji Takemoto
順治 竹本
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Abstract

【課題】出力電流検出抵抗による電力損失をなくして、高精度な過電流保護機能を有した高効率なスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【解決手段】誤差増幅器16と、スイッチング素子4に流れる電流を検出する入力電流検出回路3と、基本波発振器21が発生する周波数を用いて前記誤差増幅器16の出力と前記入力電流検出回路3の出力とに基づき前記スイッチング素子4のオンオフ比を決めるパルス幅変調回路24からなるスイッチング電源装置において、入力電圧補正回路36と出力電圧補正回路31で誤差増幅器出力20を調整する構成にすることにより、出力電流検出抵抗を用いていないので電力損失がなく高精度な過電流保護機能を実現でき、高効率なスイッチング電源装置を提供するものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスイッチング電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は電流モードで制御する従来の非絶縁型降圧のチョッパ方式のスイッチング電源装置の構成例を示す。同図において直流電源1から電源電圧の脈動低減用のコンデンサ2を介して入力電流を検出する入力電流検出回路3に接続され、その後段のスイッチング素子4で直流電源1をオンオフし、スイッチング素子4の出力電圧をその後段に接続したリアクトル5とコンデンサ6において平滑化し、スイッチング素子4のオフ時にはダイオード7を介してリアクトル5の電流を維持する。平滑化された出力電圧は外部の負荷8に供給され、このとき負荷8に流れる出力電流は出力電流検出抵抗9に発生する電圧によって検出し、抵抗10,11によって分圧され基準電圧15との差を検出する誤差増幅器17の反転入力端子に接続される。
【0003】
また出力電圧は抵抗12,13によって分圧され、基準電圧14との差を検出する誤差増幅器16の反転入力端子に接続される。このとき基準電圧14は基準電圧15より大きい電圧とする。誤差増幅器16の出力である誤差増幅器出力20はある一定の上限値を持つように設定し、比較器25とダイオード18を介して誤差増幅器17に接続される。比較器25は入力電流検出回路3の電流検出信号19と誤差増幅器出力20の電圧を比較し、その出力はパルス幅変調回路24に接続される。パルス幅変調回路24は基本波発振器21、フリップフロップ回路22、AND回路23で構成されている。
【0004】
パルス幅変調回路24は基本波発振器21の周期と比較器25の出力に基づきスイッチング素子4をオンオフする。通常時は出力電圧を一定とするようにスイッチング素子4のオンオフ比を制御する。また、負荷8に流れる出力電流が過大となり出力電流検出抵抗9の両端電圧が増え、誤差増幅器17の反転入力端子電圧が基準電圧15を越えるような電圧に達すると、誤差増幅器出力20の電圧を小さくするように動作してスイッチング素子4のオン比率を絞り、いわゆる垂下特性の形で出力電圧を降下させて過電流保護を行うものである。
【0005】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−174427号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、図4に示す出力電流検出抵抗9における電力損失が大きいということが問題となる。出力電流検出抵抗9には負荷8に供給する出力電流が流れるので、出力電流の大きいものでは出力電流検出抵抗9での電力損失が数W程度にも達するものもある。
【0008】
本発明はこの課題を解決するものであり、出力電流検出抵抗による電力損失をなくして、高精度な過電流保護機能を有する高効率なスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものであり、その特徴部分について列挙する。
【0010】
本発明の請求項1に記載の発明は、直流電力を受けスイッチング素子と平滑回路を通して出力される出力電圧を前記スイッチング素子のオンオフ比によって制御し前記出力電圧と基準電圧との差を検出する誤差増幅器と、前記スイッチング素子に流れる電流を検出する入力電流検出回路と、基本波発振器が発生する周波数を用いて前記誤差増幅器の出力と前記入力電流検出回路の出力とに基づき前記スイッチング素子のオンオフ比を決めるパルス幅変調回路からなるスイッチング電源装置において、入力電圧補正回路と出力電圧補正回路で誤差増幅器の出力を調整する構成とすることにより、出力電流検出抵抗を用いていないので電力損失がなく高精度な過電流保護機能を実現でき、高効率なスイッチング電源装置を提供できるという効果が得られる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明は、入力電圧補正回路は検出した入力電圧の増減とは反対の向きに、また出力電圧補正回路は検出した出力電圧の増減と同じ向きに誤差増幅器の出力を調整することにより、請求項1に記載のスイッチング電源装置と同様の効果が得られる。
【0012】
本発明の請求項3に記載の発明は、温度補正回路を付加し、検出した温度の増減により誤差増幅器の出力を調整する構成としたもので、温度補正を行うことにより、さらに高精度な過電流保護機能を実現できるという効果が得られる。
【0013】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチング電源装置を2個以上並列に接続し、誤差増幅器とその出力を調整する入力電圧補正回路と出力電圧補正回路を共通化したもので、同じスイッチング電源装置を並列に接続することに較べて、部品点数を少なくすることができ、低コストで同じ機能を実現できるという効果が得られる。
【0014】
本発明の請求項5に記載の発明は、基本波発振器が発生する周波数に位相差をつけてスイッチング素子を制御させる構成とすることにより、複数個並列に接続したスイッチング電源装置の入力段および出力段のコンデンサに流れるリップル電流を小さくすることができるので、小型のコンデンサを用いることが可能となり低コスト化が図れるという効果が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1から図4において同一符号は同一の機能を有する部品を示す。
【0016】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1におけるスイッチング電源装置の構成図である。図1は従来例を示す図4における出力電流検出抵抗9、抵抗10,11、基準電圧15、誤差増幅器17、ダイオード18をとり除き、これらの代わりに誤差増幅器出力20に、抵抗26,27,28とトランジスタ29,30によって構成される入力電圧補正回路36と、さらに抵抗32,33,34とトランジスタ35によって構成される出力電圧補正回路31を新たに接続したものである。
【0017】
図1の回路において、負荷8に過電流が流れた場合、誤差増幅器出力20の電圧がある一定の上限値となり、この上限値と入力電流検出回路3の電流検出信号19との比較によって、基本波発振器21によって決まる周期ごとにスイッチング素子4のオン比率を絞り出力電圧を低下させる。このとき、入力電圧が高いほど出力電圧が垂下を開始するときの出力電流値が大きくなるので、入力電圧補正回路36により入力電圧が高くなれば誤差増幅器出力20の電圧を下げる動作をさせて、入力電圧によって出力電圧が垂下を開始するときの出力電流値の変動を抑える。
【0018】
また出力電圧補正回路31では、出力電圧を抵抗32と抵抗33により分圧しているので、トランジスタ35のベースとコレクタ間の電圧は下がり、抵抗34を介して誤差増幅器出力20の電圧を下げる動作をする。これによりスイッチング素子4のオン比率をさらに絞ることにより出力電圧がさらに垂下し、その結果として出力電流を抑制できる。
【0019】
以上の構成により、出力電流検出抵抗9を用いることなく、高精度な過電流保護機能を備えた高効率なスイッチング電源装置を実現することができる。
【0020】
ここでは説明の便宜上、非絶縁型降圧チョッパ方式のスイッチング電源装置を例に挙げて説明したが、電流モード制御をする電源装置であれば、トランスを用いた絶縁型の電源装置や昇圧する電源装置などにおいても同様の効果が得られるのはいうまでもない。
【0021】
(実施の形態2)
図2は実施の形態2におけるスイッチング電源装置の構成図である。図2は実施の形態1で示した図1に温度補正回路42を付加したものである。温度補正回路42は、基準電圧41と温度によって抵抗値の変化する抵抗39と、抵抗37,38と、トランジスタ40とによって構成され、この温度補正回路42は差動増幅器出力20に接続されている。
【0022】
温度によって抵抗値が変化する抵抗39について、たとえば温度に対して抵抗値が減少するサーミスタを使用すると、基準電圧41からトランジスタ40のベースに流れる電流は温度の増減と同じ向きに増減する。温度が上がればトランジスタ20のベース電流が増えるので、抵抗37を介して誤差増幅器出力20の電圧を下げる動作となり、出力電圧が垂下を開始するときの出力電流値を下げるように働く。また、温度が下がれば、この反対の動作で出力電圧が垂下を開始するときの出力電流値を上げるように働くことになるので、温度によって出力電圧が垂下を開始するときの出力電流値が変動することを抑制することができる。このことにより、温度変化に依存することなく、さらに高精度な過電流保護機能を実現することができる。
【0023】
ここでは説明の便宜上、サーミスタを用いた回路を例に挙げて説明したが、温度の増減と同じ向きにその抵抗値が変化する素子を用いても、同様の効果が実現できることは言うまでもない。
【0024】
(実施の形態3)
図3は実施の形態3におけるスイッチング電源装置の構成図である。図3は図1に示したスイッチング電源を2個並列に接続したものであり、入力電流を検出する入力電流検出回路43、直流電源1をオンオフするスイッチング素子44、スイッチング素子44の出力電圧を平滑化するためのリアクトル45、スイッチング素子44のオフ時にリアクトル45の電流を維持するためのダイオード46を図1の電源装置に並列に接続し、さらにスイッチング素子44のオンオフ比を制御するパルス幅変調回路50と、誤差増幅器出力20と入力電流検出回路43の電流検出信号52を比較する比較器51を備えたもので、パルス幅変調回路50は基本波発振器47、フリップフロップ回路48、AND回路49から構成されている。
【0025】
動作については、実施の形態1に示した通りであるが、それぞれのスイッチング素子4とスイッチング素子44のオンオフ制御を、共通化した誤差増幅器出力20で行うことで、入力電圧補正回路36と出力電圧補正回路31を共通化することができ、同じ電源装置を並列に接続するよりは少ない部品点数で同じ機能を実現できる効果を有するものである。
【0026】
また、スイッチング素子4とスイッチング素子44のオンオフ制御を行うにあたり、例えば2個のスイッチング電源を並列とした場合、基本波発振器21が発生する周波数と基本波発振器47が発生する周波数との間に180度の位相差をつけてスイッチング制御を行う構成とすることにより、入力段および出力段のコンデンサに流れるリップル電流を最も小さくすることができるので、小型のコンデンサを用いることが可能となり低コスト化が図れるという効果を有するものである。
【0027】
【発明の効果】
以上のように本発明は、入力電圧補正回路と出力電圧補正回路で誤差増幅器の出力を調整する構成にすることにより、出力電流検出抵抗を用いていないので電力損失がなく高精度な過電流保護機能を実現でき、高効率なスイッチング電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるスイッチング電源装置の回路図
【図2】本発明の実施の形態2におけるスイッチング電源装置の回路図
【図3】本発明の実施の形態3におけるスイッチング電源装置の回路図
【図4】従来のスイッチング電源装置の回路図
【符号の説明】
1 直流電源
2 コンデンサ
3 入力電流検出回路
4 スイッチング素子
5 リアクトル
6 コンデンサ
7 ダイオード
8 負荷
9 出力電流検出抵抗
10〜13 抵抗
14,15 基準電圧
16,17 誤差増幅器
18 ダイオード
19 電流検出信号
20 誤差増幅器出力
21 基本波発振器
22 フリップフロップ回路
23 AND回路
24 パルス幅変調回路
25 比較器
26〜28 抵抗
29,30 トランジスタ
31 出力電圧補正回路
32〜34 抵抗
35 トランジスタ
36 入力電圧補正回路
37,38 抵抗
39 抵抗(サーミスタ)
40 トランジスタ
41 基準電圧
42 温度補正回路
43 入力電流検出回路
44 スイッチング素子
45 リアクトル
46 ダイオード
47 基本波発振器
48 フリップフロップ回路
49 AND回路
50 パルス幅変調回路
51 比較器
52 電流検出信号

Claims (5)

  1. 直流電力を受けスイッチング素子と平滑回路を通して出力される出力電圧を前記スイッチング素子のオンオフ比によって制御し前記出力電圧と基準電圧との差を検出する誤差増幅器と、前記スイッチング素子に流れる電流を検出する入力電流検出回路と、基本波発振器が発生する周波数を用いて前記誤差増幅器の出力と前記入力電流検出回路の出力とに基づき前記スイッチング素子のオンオフ比を決めるパルス幅変調回路からなるスイッチング電源装置において、前記誤差増幅器の出力を調整するために入力電圧補正回路と出力電圧補正回路を設けたスイッチング電源装置。
  2. 入力電圧補正回路は検出した入力電圧の増減とは反対の向きに、また出力電圧補正回路は検出した出力電圧の増減と同じ向きに誤差増幅器の出力を調整する請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 温度補正回路を付加し、検出した温度の増減により誤差増幅器の出力を調整する構成とした請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  4. 請求項1に記載のスイッチング電源装置を2個以上並列に接続し、誤差増幅器とその出力を調整する入力電圧補正回路と出力電圧補正回路を共通化した構成のスイッチング電源装置。
  5. 基本波発振器が発生する周波数に位相差をつけてスイッチング素子を制御させる請求項4に記載のスイッチング電源装置。
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