JP2004304370A - アンテナコイル及び通信機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信距離の更なる向上を図ることができるアンテナコイルを提供すること。
【解決手段】空芯コイル部14が形成されたアンテナ基板11と平行に平板状の磁芯部材12を積層した状態で、アンテナ基板11及び磁芯部材12を封止部17で被覆する。磁芯部材12は焼結フェライトで構成する。この構成により、高周波帯域における通信特性の優れたアンテナコイル10が得られるとともに、割れ易く取り扱い性の悪い焼結フェライトを容易に磁芯部材12として適用することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】空芯コイル部14が形成されたアンテナ基板11と平行に平板状の磁芯部材12を積層した状態で、アンテナ基板11及び磁芯部材12を封止部17で被覆する。磁芯部材12は焼結フェライトで構成する。この構成により、高周波帯域における通信特性の優れたアンテナコイル10が得られるとともに、割れ易く取り扱い性の悪い焼結フェライトを容易に磁芯部材12として適用することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、RFID(無線周波数識別:Radio Frequency Identification)技術を用いたICカード及び識別タグに用いられるアンテナコイル及び通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、RFID技術を用いたICカード及び識別タグとして、情報を記録したICチップ及び共振用のコンデンサをアンテナコイルに電気的に接続したものが知られている。これらは、リーダーライタの送受信アンテナからアンテナコイルへ所定の周波数の電波を発信することにより、ICカード及びタグを活性化し、電波のデータ通信による読出しコマンドに応じてICチップに記憶された情報を読み取ることにより、又は特定周波数の電波に対して共振するか否かにより識別又は監視するように構成されている。これに加えて、ICカードの多くは読み取った情報を更新したり、履歴情報などを書込み可能に構成されている。
【0003】
主に識別タグに用いられる従来のアンテナコイルとして、平面内に渦巻き状に巻回された空芯コイル部に、この空芯コイル部の平面と略平行となるように磁芯部材を挿入したアンテナコイルがある(下記特許文献1参照)。このアンテナコイルにおける磁芯部材はアモルファスシート又は電磁鋼板からなり、空芯コイル部の平面と略平行となるように磁芯部材を挿入することにより、アンテナコイル全体の薄厚化を図っている。
【0004】
しかし、上述した構成のアンテナコイルでは、磁芯部材がアモルファスシート又は電磁鋼板で作られているため周波数が100kHz程度の場合に使用可能なQ値は得られるが、電波の周波数が数MHz〜数十MHzと高周波である場合には、磁芯部材におけるアモルファスシート又は電磁鋼板に渦電流が発生してQ値が低下する不具合があった。特に近年では、13.56MHzの周波数により動作するRFID技術を用いたタグが実用化されており、このような高周波の電波で動作するタグに特許文献1に記載のアンテナコイルは使用できない。
【0005】
一方、この高周波に使用できる磁芯部材として従来から焼結フェライトが知られているが、焼結フェライトは比較的もろい性質を有し、特に薄いアンテナコイルを得るためにその焼結フェライト板を薄く形成して磁芯部材とすると、その磁芯部材は割れ易いものとなり、実際の使用環境が狭められるという取り扱い品質上の問題がある。このため、磁芯部材を軟磁性金属、アモルファス又はフェライトの粉末又はフレークと、プラスチック又はゴムとの複合材で形成することにより、比較的剛性が高くかつ比較的高い周波数において使用し得るようにしたアンテナコイルが提案されている(下記特許文献2参照)。
【0006】
なお、下記特許文献3には、平面内で渦巻き状に巻回された空芯コイル部と、この空芯コイル部の平面と平行となるように平板状の磁芯部材とを積層した構成のアンテナコイルが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−48152号公報
【特許文献2】
特開2002−325013号公報
【特許文献3】
特開2000−113142号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、13.56MHzの周波数により動作するRFIDを用いたタグにおいて、確実な動作環境が求められており、例えば通信特性においても、できるだけ長い通信距離や、リーダーライタとタグとが相対する場合の平面状の広い通信エリアが求められている。
【0009】
このような中、上記特許文献2に記載のアンテナコイルでは、焼結フェライトを磁芯部材とした同構成のアンテナコイルと比較すると、通信特性が劣ることがわかっている。したがって、取り扱い品質上の問題を克服して焼結フェライトを磁芯部材に適用できれば、通信特性の優れたアンテナコイルを提供することができるようになる。
【0010】
次に、例えば識別タグとして用いられるアンテナコイルは、識別する物品が金属製の場合、これによる影響を受けることを回避するため、アンテナコイルと物品との間に電気絶縁性を有するスペーサを挿入した状態で物品に固定している。また、アンテナコイルは様々な通信機器内に組み込まれる場合があるので、識別する物品以外であっても金属製の部品が周辺にあれば、その影響を受けやすくなる。
【0011】
このような問題を解消するために、通信面の裏面(被着面)に金属製のシールド板を貼り付けて、金属物による通信特性の変動を抑えるようにしたものがある(上記特許文献2参照)。しかし、シールド板によって通信性能の変動は防止できるものの、逆にこれは、シールド板によってアンテナコイルの通信特性を一定レベルに低下させていることにもなる。このため、通信特性の向上という観点から見ると、シールド板の介装は大きなマイナス要因にもなりかねない。
【0012】
その一方で、このアンテナコイルが組み込まれる物品が通信機器であるような場合、アンテナコイルと被着面との間にシールド板を設けることが強く望まれている。アンテナコイルが通信することにより発生するノイズが通信機器の動作に悪影響を与えるため、当該シールド板によってノイズ漏れを防止するためである。
【0013】
このように、シールド板は、アンテナコイルの通信特性の安定化と通信機器側へのノイズカットという両面の効果があるために、省略することができない場合が多い。このような状況下で、いかに通信距離を向上させるかが今後の大きな課題となっている。
【0014】
特に、RFID及びICカードのビジネス分野は今後更なる拡大が見込まれるため、多種多様な使われ方が予想される。使われる環境も厳しくなるため、周辺の環境に対して電波障害がないという要望は強くなり、アンテナコイルの通信特性の向上は益々難しい課題となっている。
【0015】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、通信距離の更なる向上を図ることができ、また、シールド板を使用した場合には通信特性のレベル低下を抑制できるアンテナコイルを提供することを課題とする。
【0016】
また、本発明は、IC記録媒体との通信用アンテナコイルが通信機本体に内蔵された通信機器において、当該アンテナコイルの通信特性の劣化を防止することができる通信機器を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のアンテナコイルは、磁芯部材が焼結フェライトでなるとともに、空芯コイル部と磁芯部材とが封止材により一体的に封止されていることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、磁芯部材として透磁率の非常に高い焼結フェライトを用いているので、通信距離の更なる向上を図ることができる。そして、封止材により空芯コイル部と磁芯部材とを一体的に封止するようにしているので、封止しない場合と比較して焼結フェライト材の抗折強度や衝撃強度が高まり、取り扱い性を改善することができる。
【0019】
また、焼結フェライトが割れたとしても、封止材により外形が被覆されているのでバラバラになることはない。したがって、磁芯部材全体として透磁率はほとんど劣化することはなく、これにより通信特性の劣化も抑えられる。
【0020】
次に、本発明の他のアンテナコイルは、空芯コイル部と磁芯部材とが封止材により一体的に被覆されており、磁芯部材と被取付体との間に介在する封止材層によって、空芯コイル部を被取付体から遠ざける間隙を形成していることを特徴とする。
【0021】
この構成により、被取付体の被着面が金属物を有する場合でも、当該被着面から空芯コイル部が遠ざかることになるのでコイルのインダクタンスの低下を防止でき、これによりアンテナコイルの通信特性の劣化を抑制できる。なお、空芯コイル部と被取付体との間の間隙は、磁芯部材と被取付体との間に介在する封止樹脂層の層厚で任意に調整することができる。
【0022】
また、この構成において、金属製のシールド部材を設ける場合には、上記樹脂層を介して磁芯部材と対向するようにシールド部材を配置する。これにより、アンテナコイルの通信距離の向上及び動作特性の安定化を図ることができる。更に、被取付体が通信機器等の電子機器であるような場合、アンテナコイルから当該通信機器へノイズの侵入を抑制し、通信機器の誤動作を回避できるようになる。
【0023】
次に、本発明の更に他のアンテナコイルは、磁芯部材と被取付体との間に間隙を形成する第1の間隙形成手段と、空芯コイル部と磁芯部材との間に間隙を形成する第2の間隙形成手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、第1の間隙形成手段により、被取付体の被着面が金属物を有する場合でも、当該被着面から空芯コイル部が遠ざかることになるのでコイルのインダクタンスの低下を防止でき、これによりアンテナコイルの通信特性の劣化を抑制できる。
【0025】
一方、第2の間隙形成手段により、空芯コイル部と磁芯部材との間に形成された間隙が磁路を形成することによりアンテナコイルの通信距離の向上を図ることが可能となるとともに、磁芯部材を薄厚化しても通信特性の劣化を抑制することができる。また、通信面以外からの磁場障害を緩和することが可能となり、アンテナコイルの通信性能の向上を図ることが可能となる。
【0026】
そして、本発明の更に又他のアンテナコイルは、空芯コイル部と磁芯部材との間に間隙を形成するスペーサ部材を備えたことを特徴とする。
【0027】
この構成により、空芯コイル部と磁芯部材との間に介装されたスペーサ部材を介して外部へ通信電波を放射できるようになり、これによりアンテナコイルの通信距離の向上を図ることが可能となるとともに、磁芯部材を薄厚化しても通信特性の劣化を抑制することができる。また、通信面以外からの磁場障害を緩和することが可能となり、アンテナコイルの通信性能の向上を図ることが可能となる。
【0028】
一方、本発明の通信機器は、IC記録媒体との通信用アンテナコイルが通信機本体に内蔵され、アンテナコイルの取付部周辺に金属構成物が配置されている通信機器であって、アンテナコイルが取付部に対して間隙形成手段を介して対向配置されていることを特徴とする。
【0029】
この構成により、取付部周辺に存在する金属構成物によってアンテナコイルが受ける影響を少なくして、当該アンテナコイルの通信特性の劣化を防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
【0031】
(第1の実施の形態)
図1A及び図1Bは本発明の第1の実施の形態によるアンテナコイル10を示している。本実施の形態のアンテナコイル10は、アンテナ基板11と、平板状の磁芯部材12とを備えている。そして、アンテナ基板11と磁芯部材12とが互いに平行となるように積層された状態で封止部17により被覆されている。
【0032】
アンテナ基板11は、例えばポリイミド等の絶縁材料でなるベースフィルム13と、このベースフィルム13の上に形成された銅又はアルミニウム等でなる渦巻き状の空芯コイル部14と、この空芯コイル部14の両端部に接続された外部接続端子15とで構成されている。
【0033】
ベースフィルム13は、図1Aに示すように、空芯コイル部14が展開される大面積のコイル形成部13aと、外部接続端子15が形成される小面積の連結部13bとを有している。外部接続端子15は図示しないICチップの端子に接続される。なお、図中符号16は、ベースフィルム13の表裏を電気的に接続するためのスルーホールである。また、ベースフィルム13の表裏面には絶縁材料でなるオーバーコート材が設けられているものとする。
【0034】
磁芯部材12は、ベースフィルム13のコイル形成部13aと同等な形状を有しており、ベースフィルム13の裏面側に積層されている。一方のベースフィルム13の表面側は、アンテナコイル10の通信面CSを構成する。
【0035】
磁芯部材12は軟磁性材料(高透磁率材料)で構成されている。本実施の形態では、磁芯部材12は焼結フェライトで構成されている。この磁芯部材12は、外部から与えられる磁界が微弱であっても強く磁化する性質を有するため、アンテナコイル10の周囲に金属材が存在しても、当該金属材に磁界が漏れることなく吸収することができる。
【0036】
アンテナ基板11及び磁芯部材12は、それぞれ積層された状態で封止部17によって封止されている。本実施の形態では、アンテナ基板11にあってはそのベースフィルム13のコイル形成部13aが、また、磁芯部材12にあってはその全体が、封止部17によって被覆されている。
【0037】
封止部17を形成する封止材は、電磁波の透過損失が少ない材料で構成される。本実施の形態では、例えば2液性エポキシ系接着剤あるいは1液性エポキシ系接着剤で構成され、その他、紫外線硬化型接着剤等の硬化メカニズムの異なる接着剤を用いてもよい。
【0038】
封止部17の層厚は特に限定されないが、本実施の形態では、例えばアンテナモジュール10の全厚が例えば0.2mm程度となるように構成されている。特に、本実施の形態のように封止部17にはICチップが内包されていないので、封止部17全体を薄く構成することができる。
【0039】
以上のように構成される本実施の形態のアンテナコイル10は、例えば、非接触型の商品識別用タグとして用いることができる。この場合、アンテナコイル10の外部接続端子15に接続されるICチップには、当該商品に関する所定の識別データが記録(格納)されている。
【0040】
このような構成のアンテナコイル10を使用する際、磁芯部材12側の表面に例えば感圧性接着フィルム等を介して識別対象商品に取り付けられる。そして、当該商品の物流過程及び在庫管理等の際の搬送過程で、アンテナコイル10は図示しないデータ読取装置(リーダーライタ)からの通信電波を受信し、ICチップから該当する情報が読み出され、その情報がアンテナコイル10を介して上記データ読取装置へ送信される。
【0041】
以上の構成によれば、商品に取り付けられたアンテナコイル10は、商品と空芯コイル部14との間に磁芯部材12が介装されているので、商品の被着面が金属材で構成されている場合でも、アンテナコイル10のインダクタンスの低下を防ぐことができる。これにより、空芯コイル部14にて所定の誘導電圧を発生させることができ、これをICチップへ与えることによって確実に識別データを読み取ることができる。
【0042】
また、磁芯部材12が焼結フェライトで構成されているので、13.56MHzという高い動作周波数において、アモルファスシートや電磁鋼板、あるいは磁性粉末と合成樹脂材料等との複合体で構成される従来の磁芯部材に比べて高いQ値が得られ、これによりアンテナコイル10の通信特性の向上が図られる。
【0043】
更に、本実施の形態のアンテナコイル10は、アンテナ基板11と磁芯部材12とが封止部17により被覆された構成であるので、アンテナコイル10の取り扱い時に磁芯部材12が割れてもそれがバラバラになることはない。また、割れたフェライトの各小片の間に大きな隙間が生じないので、透磁率の劣化が問題となることもない。
【0044】
以上のように、本実施の形態によれば、割れ易く取り扱い性の悪い焼結フェライト材を容易に磁芯部材12として適用することができ、更に、これによってアンテナコイル10の通信距離の向上及び通信特性の安定化を図ることができる。
【0045】
また、本実施の形態によれば、磁芯部材12を封止部17で被覆しているので、商品の被着面と磁芯部材12との間に封止厚に相当する間隙(樹脂層)を介在させることができるようになり、この間隙の大きさだけアンテナ基板11を商品の被着面から遠ざけて、通信特性の安定化を図ることも可能となる。
【0046】
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態のアンテナコイル20は、アンテナ基板21と、磁芯部材22と、これらアンテナ基板21及び磁芯部材22を封止する封止部23とで構成されている。
【0047】
アンテナ基板21は、絶縁フィルムの上に銅又はアルミニウム等でなる渦巻き状の空芯コイル部(図示略)が形成されてなる。磁芯部材22は、アンテナ基板21上の空芯コイル部の形成領域と同等の面積を有する平板状に形成されている。磁芯部材22の構成材料としては高透磁率材料、特に、焼結フェライトが好ましいが、アモルファスシートや、磁性粉末と合成樹脂材料との複合材等も適用可能である。
【0048】
封止部23は、アンテナ基板21と磁芯部材22とを互いに平行に積層した状態で被覆している。封止部23を形成する封止材は、電磁波の透過損失の少ない材料で構成され、本実施の形態では、例えば2液性エポキシ系接着剤あるいは1液性エポキシ接着剤で構成され、その他、紫外線硬化型接着剤等の硬化メカニズムの異なる接着剤を用いてもよい。
【0049】
本実施の形態では、アンテナ基板21側と磁芯部材22側とで封止部23による封止厚を異ならせている。すなわち、通信面CSであるアンテナ基板(空芯コイル部)21側の封止厚23Aよりも、被取付体の被着面に対向する磁芯部材22側の封止厚23Bが大きく(厚く)なるように構成されている。封止厚23Bの大きさは特に限定されないが、被取付体側からのノイズがアンテナ基板21に大きな影響を与えない程度の大きさとするのが好ましい。
【0050】
以上のように構成されるアンテナコイル20は、被取付体として例えば通信機器1の所定位置に組み込まれる。この例でいう通信機器1としては、ICカードやICタグ等のIC記録媒体の読取ユニットを具備した携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯無線通信端末等が対応する。アンテナコイル20は、ICカード等の読取(又は書込み)通信ユニットの一構成要素として通信機器1に組み込まれている。
【0051】
図2に示すように、アンテナコイル20は通信機器1の所定の取付部3に取り付けられている。取付部3の周辺及び取付部3の上面には筐体部品や配線部品等の金属物2が設けられている。すなわち、アンテナコイル20はこれら金属物2に囲まれて通信機器1に組み込まれることになる。
【0052】
以上のように構成されるアンテナコイル20においては、通信機器1の取付部3とアンテナコイル20との間に金属物2が存在していても、アンテナコイル20へ向けて放射される通信電波を磁芯部材22で吸収して金属物2側への磁界の漏れを抑制できる。これにより、金属物2における上記漏れ磁界に起因する渦電流の発生を抑えて、アンテナコイル20の通信特性の劣化を防止することができる。
【0053】
特に、本実施の形態においては、磁芯部材22と金属物2との間に介在する封止部23の樹脂層によって所定の大きさの間隙23Bが形成されているので、たとえ金属物2に渦電流が生じたとしても間隙23Bがアンテナ基板21を金属物2から遠ざける働きをして、アンテナコイル20の通信特性の劣化を防止する作用を行う。
【0054】
(第3の実施の形態)
図3A及び図3Bは本発明の第3の実施の形態を示している。なお、図において上述の第2の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0055】
本実施の形態のアンテナコイル30は、空芯コイル部が形成されるアンテナ基板21と、平板状の磁芯部材22と、これらアンテナ基板21と磁芯部材22とを互いに平行となるように積層した状態で被覆する封止部23とを有している。
【0056】
本実施の形態において、封止部23内には、磁芯部材22と対向するようにアルミニウム、銅、鉄、ステンレス、マグネシウム合金等の金属製シールド板31が配置されている。磁芯部材22とシールド板31との間には一定の間隙23Bが形成されており、この間隙23Bは封止部23の樹脂層で構成されている。なお、シールド板31の裏面側(通信機器1側の面)は同じ封止樹脂で被覆されていてもよい。
【0057】
以上のように構成されるアンテナコイル30においては、上述の第2の実施の形態と同様な作用を行うと同時に、アンテナコイル30の動作時に発生する電波の通信機器1への侵入をシールド板31によって阻止し、通信機器1の誤動作を防止することができる。
【0058】
また、シールド板31を設けることによって、図3A及び図3Bに示すように通信機器1の取付部3内における金属物2の量や配置が異なる場合においても、アンテナコイル30が受ける影響のバラツキを排除して一定の通信特性を確保することができる。つまり、シールド板31を設けることによって、アンテナコイル30の設置環境に関係なく所望の通信特性を発揮させることが可能となる。
【0059】
(第4の実施の形態)
続いて、図4は本発明の第4の実施の形態を示している。なお、図において上述の第2の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0060】
本実施の形態のアンテナコイル40は、空芯コイル部が形成されるアンテナ基板21と、平板状の磁芯部材22と、これらアンテナ基板21と磁芯部材22とを互いに平行となるように対向配置した状態で被覆する封止部23とを有している。
【0061】
本実施の形態においては、封止部23の内部において、アンテナ基板21と磁芯部材22とが互いに一定の間隙23Cを介して対向するように配置されている。この間隙23Cは、封止部23を構成する封止材層で構成されている。
【0062】
間隙23Cの大きさは特に限定されないが、例えば、アンテナ基板21上の空芯コイル部にて発生する通信電波がアンテナ基板21と磁芯部材22との間から外方へ放射できるような大きさとされている。
【0063】
なお、間隙23B及び間隙23Cを構成する各々の封止材層が、本発明に係る「第1の間隙形成手段」及び「第2の間隙形成手段」に対応することになる。
【0064】
以上の構成のアンテナコイル40によれば、通信機器1の取付部3上に存在する金属物2と磁芯部材22との間に形成される間隙23Bにより、金属物2からアンテナ基板21を遠ざける作用が行われ、金属物2で生じた渦電流に起因するノイズのアンテナ基板21への侵入を抑えることができ、アンテナコイル40の通信特性の安定化を図ることができる。
【0065】
また、アンテナ基板21と磁芯部材22との間に形成される間隙23Cにより、アンテナ基板21で発生した通信電波を当該間隙23Cを介して外部へ放射することが可能となり、これが通信エネルギーの増大につながって通信距離の向上が図られることになる。また、磁芯部材22を薄厚化しても上記間隙23Cによってアンテナ基板21と金属物2との間の間隙を確保できるようになる
【0066】
なお、上述した構成のアンテナコイル40において、間隙23Bを構成する封止材層を介して金属製のシールド板を磁芯部材22と対向配置するようにしてもよい。これにより、アンテナコイル40の動作時に発生する電波の通信機器1への侵入を当該シールド板によって阻止でき、通信機器1の誤動作を防止することが可能となる。
【0067】
(第5の実施の形態)
図5は本発明の第5の実施の形態を示している。なお、図において上述の第2の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0068】
本実施の形態のアンテナコイル50は、空芯コイル部が形成されるアンテナ基板21と、平板状の磁芯部材22と、これらアンテナ基板21と磁芯部材22との間に介装されるスペーサ51とで構成されている。
【0069】
スペーサ51は、アンテナ基板21と磁芯部材22との間に所定の大きさの間隙を形成するためのもので、電波の透過損失の少ない材料、例えばホットメルト等の熱可塑性接着シートや厚手の粘着テープ、あるいは粘着テープの積層体等で構成されている。スペーサ51は、アンテナ基板21と磁芯部材22とを単に貼り合わせるだけのものではなく、アンテナ基板21と磁芯部材22との間に一定の間隙を意図的に形成する目的を有している。
【0070】
すなわち、スペーサ51は、アンテナ基板21と磁芯部材22との間に積極的に間隙を形成し、それを通信電波の磁路として活用することにより通信距離の増大を図るようにしたものである。このような設計意図は、上述した第4の実施の形態における間隙23Cにも同様に適用されている。
【0071】
また、本実施の形態においては、アンテナ基板21と磁芯部材22とを封止材で被覆しないでアンテナコイル50を構成するようにしているので、封止材で封止されている場合に比べて通信距離の向上が図られることになる。
【0072】
【実施例】
(実施例1)
第1の実施の形態として図1を参照して説明したアンテナコイル10を実際に試作し、その抗折強度と通信特性の測定を行った。試作したアンテナコイル10の詳細は以下の通りである。
【0073】
(アンテナ基板11の詳細)
・外形サイズ(コイル形成部13aの面積):24mm×38mm
・全厚:1.56mm(磁芯部材(焼結フェライト)1mm+空芯コイル0.16mm+封止厚(アンテナ基板側及び磁芯部材側ともに)0.2mm×2)
・コイル材:銅箔
・コイル断面:厚さ32μm×幅0.5mm
・コイルターン数:4ターン
・コイル間ピッチ:0.8mm(コイル間ギャップ:0.3mm)
・ベースフィルム13(及びオーバーコート材):PI(ポリイミド)
【0074】
封止材は、2液性エポキシ系接着剤を用いた。主剤と硬化剤の比率50:50、主剤樹脂には熱収縮時の応力分散を目的として無機系酸化物(SiO2)を含有し、硬化条件は50℃×20分とした。
【0075】
(抗折強度測定)
抗折強度の測定には、今田製作所製デジタルフォースゲージ(DPS−20、0〜196N)及び、今田製作所製プッシュプルスタンド(SV−5−L、5〜50mm/min)を用いた。測定方法は、図6に示すように焼結フェライト(磁芯部材)の2点をφ5mmの球で支持し、上部から2点間のセンターの1点をφ5mmの球で押圧し、磁芯部材の破断時の荷重の大きさを求めた。測定速度は10mm/minとした。
【0076】
実験の結果、封止前の磁芯部材(焼結フェライト単体)の測定値の平均(サンプル数5)は42Nであり、封止後の磁芯部材の測定値の平均(サンプル数5)は67Nであった。この結果、封止により、磁芯部材の抗折強度が1.5倍以上に向上したことが確認された。
【0077】
(通信特性の測定)
封止前のアンテナコイル10A(図7)と封止後のアンテナコイル10(図1)の各々の通信特性を比較するために、通信距離の測定を行った。なお、図7に示したアンテナコイル10Aにおいて、図1と対応する部分については同一の符号を付している。
【0078】
<封止前後の通信距離比較>
アンテナ基板の詳細は上述の通りであり、通信距離測定機としてのリーダーライタユニットはタイプA(近距離用)とタイプB(遠距離用)の2機を使用した。実験結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
実験の結果、封止前後による通信距離の変動はほとんど無いことが確認できる。特に、遠距離仕様の通信測定では近距離仕様の通信測定に比べて通信距離の低下は少ないことが確認された。
【0081】
<封止後のクラック有無による通信距離比較>
次に、封止した焼結フェライト(磁芯部材)のクラックの有無による通信距離比較を行った。リーダーライタユニットは上記タイプAを使用した。実験結果を表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
実験の結果、クラックの有無による通信距離の変動はほとんど無いことが確認された。
【0084】
(実施例2)
<シールド板の有無による通信距離比較>
図7に示した構成のアンテナコイル10Aを用いてシールド板の有無による通信距離の比較を行った。シールド板は厚さ0.1mmで磁芯部材(厚さ0.5mm)12と同サイズのものを準備し、シールド板有りのアンテナコイルは、アンテナコイル10Aの通信面とは反対側の面(磁芯部材12の下面)に貼り付けたものを用い、シールド板無しのアンテナコイルは図7のアンテナコイル10Aを用いた。リーダーライタユニットは上記タイプBを使用した。実験の結果を図8及び表3に示す。図8は動作周波数と通信距離との関係を示している。なお、表3は図8における各条件での最大通信距離を示している。
【0085】
【表3】
【0086】
実験の結果、シールド板有りに比べて、シールド板無しの方が通信距離が大きいことが確認された。これは、アンテナ基板11から放射される通信電波がシールド板によってカットされ、通信距離の劣化につながっていると考えられる。また、シールド板無しの状態は、アンテナコイル10Aからシールド板が無限大に遠ざかった状態と考えることができるので、図3を参照して説明したアンテナコイル30において、磁芯部材22とシールド板31との間の間隙23Cの大きさを大きくするほど、アンテナコイル30の通信距離の向上が図れることになる。
【0087】
(実施例3)
<空芯コイル部と磁芯部材との間のスペーサの有無による通信距離比較1>
スペーサ有りの場合は、図5を参照して説明したアンテナコイル50において、金属物2に見立てたシールド板を通信面CSの反対側に貼り付けて使用した。一方、スペーサ無しの場合は、このアンテナコイル50からスペーサ51を除いて使用した。リーダーライタユニットは上記タイプBを用いた。実験の結果を図9及び表4に示す。図9は動作周波数と通信距離との関係を示している。なお、表4は図9における各条件での最大通信距離を示している。
【0088】
【表4】
【0089】
実験の結果、スペーサ無しの場合に比べてスペーサ有りの場合の方が一様に通信距離が大きいことが確認された。また、スペーサ有りの場合、スペーサの厚さが大きくなるほど通信距離が向上することも確認できた。
【0090】
(実施例4)
<空芯コイル部と磁芯部材との間のスペーサの有無による通信距離比較2>
スペーサ有りの場合は、図5を参照して説明したアンテナコイル50を使用した。一方、スペーサ無しの場合は、このアンテナコイル50からスペーサ51を除いて使用した。リーダーライタユニットは上記タイプBを用いた。実験の結果を図10及び表5に示す。図10は動作周波数と通信距離との関係を示している。なお、表5は図10における各条件での最大通信距離を示している。
【0091】
【表5】
【0092】
実験の結果、スペーサ無しの場合に比べてスペーサ有りの場合の方が通信距離が大きいことが確認された。また、図9及び表4におけるスペーサ0.8mmの条件に比べて通信距離が大きいのは、アンテナコイル50にシールド板が貼り付けられていないからである。
【0093】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0094】
例えば以上の第1の実施の形態で説明したアンテナコイル10を通信機器1に内蔵するICカード等の読取ユニットの一構成要素として適用することも可能である。この場合、図11Aに示すように通信機器1の取付部3上にシールド板61を配置し、更にその上にアンテナコイル10の磁芯部材12と同一の機能材(軟磁性材料)の薄膜又は磁性シート62を施すようにすれば、シールド板61がノイズカット機能の役割を果たし、通信機器1及びアンテナコイル10間の電磁波障害を緩和することができる。また、磁性薄膜62の介装によってシールド板61とアンテナコイル10との間の間隙を見かけ上大きく構成でき、これによりアンテナコイル10の通信特性の劣化を防止できる。
【0095】
ここで、上記磁性シート(62)としては、例えばフェライト(Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライト)、センダスト箔体針状粒子、アモルファス箔体等の軟磁性材料を含有した樹脂シート(電磁波吸収シート)が適用できる。このような磁性シートは、焼結フェライトに比べて柔軟性に富み、外的機械衝撃に強いという特徴がある。磁性シートの製造方法としては、磁性塗料を塗布するコート方式、押し出し成形方式、射出成形方式等があり、軟磁性材料と樹脂の比率や、軟磁性材料の形状、密度、組成及び組成比等によってその磁気的特性が決まる。このような構成の磁性シートは、アンテナ基板とともに封止される磁芯部材として用いることも可能である。
【0096】
なお、アンテナコイル10と金属物2との間に形成される間隙には、上述のようにシールド板61及び磁性薄膜62の双方を設ける構成だけでなく、何れか一方のみとすることも勿論可能である。また、上記間隙を金属材料層(シールド板)及び/又は軟磁性材料層(磁性薄膜)で充填することも可能であるが、図11Aのように磁性薄膜62とアンテナコイル10との間に空気層を形成してもよい。この空気層を形成する間隙は、例えば、アンテナコイル10の下面に突起17Pを設けることによって容易に得ることができる。なお、この例では、突起17Pが本発明の「間隙形成手段」の一具体例に対応する。
【0097】
また、例えば図11Bに示すように、アンテナ基板11のみを封止部17で被覆してなるアンテナコイル70を準備し、磁性薄膜62に対して枠状のフレーム部材71を介して取り付けるようにしてもよい。この場合、フレーム部材71が磁性薄膜62とアンテナ基板11との間に一定間隙の空気層を形成するスペーサ部材あるいは間隙形成手段として機能することになる。
【0098】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のアンテナコイルによれば、通信距離の更なる向上を図ることができると共に、シールド板を使用した場合の通信特性のレベル低下を抑制することができる。
【0099】
また、本発明の通信機器によれば、アンテナコイルが通信機本体の取付部に対して間隙形成手段を介して対向配置されているので、取付部周辺に存在する金属構成物によってアンテナコイルが受ける影響を少なくでき、当該アンテナコイルの通信特性の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるアンテナコイル10の全体構成図であり、A部分破断平面図、Bは側断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるアンテナコイル20と、その被取付体への適用例を示す側断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態によるアンテナコイル30と、その被取付体への適用例を示す側断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態によるアンテナコイル40と、その被取付体への適用例を示す側断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態によるアンテナコイル50と、その被取付体への適用例を示す側断面図である。
【図6】本発明の実施例における磁芯部材の抗折試験方法を説明する図である。
【図7】本発明の実施例における1サンプルの全体構成図である。
【図8】本発明の実施例における実験結果を示す図である。
【図9】本発明の実施例における実験結果を示す図である。
【図10】本発明の実施例における実験結果を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例を説明するアンテナコイルと、その被取付体への適用例を説明する側断面図である。
【符号の説明】
1…被取付体(通信機器)、2…金属物、3…取付部、10,20,30,40,50…アンテナコイル、11,21…アンテナ基板、12,22…磁芯部材、14…空芯コイル部、17,23…封止部、23B,23C…間隙、31…シールド板、51,71…スペーサ、CS…通信面。
【発明の属する技術分野】
本発明は、RFID(無線周波数識別:Radio Frequency Identification)技術を用いたICカード及び識別タグに用いられるアンテナコイル及び通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、RFID技術を用いたICカード及び識別タグとして、情報を記録したICチップ及び共振用のコンデンサをアンテナコイルに電気的に接続したものが知られている。これらは、リーダーライタの送受信アンテナからアンテナコイルへ所定の周波数の電波を発信することにより、ICカード及びタグを活性化し、電波のデータ通信による読出しコマンドに応じてICチップに記憶された情報を読み取ることにより、又は特定周波数の電波に対して共振するか否かにより識別又は監視するように構成されている。これに加えて、ICカードの多くは読み取った情報を更新したり、履歴情報などを書込み可能に構成されている。
【0003】
主に識別タグに用いられる従来のアンテナコイルとして、平面内に渦巻き状に巻回された空芯コイル部に、この空芯コイル部の平面と略平行となるように磁芯部材を挿入したアンテナコイルがある(下記特許文献1参照)。このアンテナコイルにおける磁芯部材はアモルファスシート又は電磁鋼板からなり、空芯コイル部の平面と略平行となるように磁芯部材を挿入することにより、アンテナコイル全体の薄厚化を図っている。
【0004】
しかし、上述した構成のアンテナコイルでは、磁芯部材がアモルファスシート又は電磁鋼板で作られているため周波数が100kHz程度の場合に使用可能なQ値は得られるが、電波の周波数が数MHz〜数十MHzと高周波である場合には、磁芯部材におけるアモルファスシート又は電磁鋼板に渦電流が発生してQ値が低下する不具合があった。特に近年では、13.56MHzの周波数により動作するRFID技術を用いたタグが実用化されており、このような高周波の電波で動作するタグに特許文献1に記載のアンテナコイルは使用できない。
【0005】
一方、この高周波に使用できる磁芯部材として従来から焼結フェライトが知られているが、焼結フェライトは比較的もろい性質を有し、特に薄いアンテナコイルを得るためにその焼結フェライト板を薄く形成して磁芯部材とすると、その磁芯部材は割れ易いものとなり、実際の使用環境が狭められるという取り扱い品質上の問題がある。このため、磁芯部材を軟磁性金属、アモルファス又はフェライトの粉末又はフレークと、プラスチック又はゴムとの複合材で形成することにより、比較的剛性が高くかつ比較的高い周波数において使用し得るようにしたアンテナコイルが提案されている(下記特許文献2参照)。
【0006】
なお、下記特許文献3には、平面内で渦巻き状に巻回された空芯コイル部と、この空芯コイル部の平面と平行となるように平板状の磁芯部材とを積層した構成のアンテナコイルが開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−48152号公報
【特許文献2】
特開2002−325013号公報
【特許文献3】
特開2000−113142号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、13.56MHzの周波数により動作するRFIDを用いたタグにおいて、確実な動作環境が求められており、例えば通信特性においても、できるだけ長い通信距離や、リーダーライタとタグとが相対する場合の平面状の広い通信エリアが求められている。
【0009】
このような中、上記特許文献2に記載のアンテナコイルでは、焼結フェライトを磁芯部材とした同構成のアンテナコイルと比較すると、通信特性が劣ることがわかっている。したがって、取り扱い品質上の問題を克服して焼結フェライトを磁芯部材に適用できれば、通信特性の優れたアンテナコイルを提供することができるようになる。
【0010】
次に、例えば識別タグとして用いられるアンテナコイルは、識別する物品が金属製の場合、これによる影響を受けることを回避するため、アンテナコイルと物品との間に電気絶縁性を有するスペーサを挿入した状態で物品に固定している。また、アンテナコイルは様々な通信機器内に組み込まれる場合があるので、識別する物品以外であっても金属製の部品が周辺にあれば、その影響を受けやすくなる。
【0011】
このような問題を解消するために、通信面の裏面(被着面)に金属製のシールド板を貼り付けて、金属物による通信特性の変動を抑えるようにしたものがある(上記特許文献2参照)。しかし、シールド板によって通信性能の変動は防止できるものの、逆にこれは、シールド板によってアンテナコイルの通信特性を一定レベルに低下させていることにもなる。このため、通信特性の向上という観点から見ると、シールド板の介装は大きなマイナス要因にもなりかねない。
【0012】
その一方で、このアンテナコイルが組み込まれる物品が通信機器であるような場合、アンテナコイルと被着面との間にシールド板を設けることが強く望まれている。アンテナコイルが通信することにより発生するノイズが通信機器の動作に悪影響を与えるため、当該シールド板によってノイズ漏れを防止するためである。
【0013】
このように、シールド板は、アンテナコイルの通信特性の安定化と通信機器側へのノイズカットという両面の効果があるために、省略することができない場合が多い。このような状況下で、いかに通信距離を向上させるかが今後の大きな課題となっている。
【0014】
特に、RFID及びICカードのビジネス分野は今後更なる拡大が見込まれるため、多種多様な使われ方が予想される。使われる環境も厳しくなるため、周辺の環境に対して電波障害がないという要望は強くなり、アンテナコイルの通信特性の向上は益々難しい課題となっている。
【0015】
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、通信距離の更なる向上を図ることができ、また、シールド板を使用した場合には通信特性のレベル低下を抑制できるアンテナコイルを提供することを課題とする。
【0016】
また、本発明は、IC記録媒体との通信用アンテナコイルが通信機本体に内蔵された通信機器において、当該アンテナコイルの通信特性の劣化を防止することができる通信機器を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するに当たり、本発明のアンテナコイルは、磁芯部材が焼結フェライトでなるとともに、空芯コイル部と磁芯部材とが封止材により一体的に封止されていることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、磁芯部材として透磁率の非常に高い焼結フェライトを用いているので、通信距離の更なる向上を図ることができる。そして、封止材により空芯コイル部と磁芯部材とを一体的に封止するようにしているので、封止しない場合と比較して焼結フェライト材の抗折強度や衝撃強度が高まり、取り扱い性を改善することができる。
【0019】
また、焼結フェライトが割れたとしても、封止材により外形が被覆されているのでバラバラになることはない。したがって、磁芯部材全体として透磁率はほとんど劣化することはなく、これにより通信特性の劣化も抑えられる。
【0020】
次に、本発明の他のアンテナコイルは、空芯コイル部と磁芯部材とが封止材により一体的に被覆されており、磁芯部材と被取付体との間に介在する封止材層によって、空芯コイル部を被取付体から遠ざける間隙を形成していることを特徴とする。
【0021】
この構成により、被取付体の被着面が金属物を有する場合でも、当該被着面から空芯コイル部が遠ざかることになるのでコイルのインダクタンスの低下を防止でき、これによりアンテナコイルの通信特性の劣化を抑制できる。なお、空芯コイル部と被取付体との間の間隙は、磁芯部材と被取付体との間に介在する封止樹脂層の層厚で任意に調整することができる。
【0022】
また、この構成において、金属製のシールド部材を設ける場合には、上記樹脂層を介して磁芯部材と対向するようにシールド部材を配置する。これにより、アンテナコイルの通信距離の向上及び動作特性の安定化を図ることができる。更に、被取付体が通信機器等の電子機器であるような場合、アンテナコイルから当該通信機器へノイズの侵入を抑制し、通信機器の誤動作を回避できるようになる。
【0023】
次に、本発明の更に他のアンテナコイルは、磁芯部材と被取付体との間に間隙を形成する第1の間隙形成手段と、空芯コイル部と磁芯部材との間に間隙を形成する第2の間隙形成手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、第1の間隙形成手段により、被取付体の被着面が金属物を有する場合でも、当該被着面から空芯コイル部が遠ざかることになるのでコイルのインダクタンスの低下を防止でき、これによりアンテナコイルの通信特性の劣化を抑制できる。
【0025】
一方、第2の間隙形成手段により、空芯コイル部と磁芯部材との間に形成された間隙が磁路を形成することによりアンテナコイルの通信距離の向上を図ることが可能となるとともに、磁芯部材を薄厚化しても通信特性の劣化を抑制することができる。また、通信面以外からの磁場障害を緩和することが可能となり、アンテナコイルの通信性能の向上を図ることが可能となる。
【0026】
そして、本発明の更に又他のアンテナコイルは、空芯コイル部と磁芯部材との間に間隙を形成するスペーサ部材を備えたことを特徴とする。
【0027】
この構成により、空芯コイル部と磁芯部材との間に介装されたスペーサ部材を介して外部へ通信電波を放射できるようになり、これによりアンテナコイルの通信距離の向上を図ることが可能となるとともに、磁芯部材を薄厚化しても通信特性の劣化を抑制することができる。また、通信面以外からの磁場障害を緩和することが可能となり、アンテナコイルの通信性能の向上を図ることが可能となる。
【0028】
一方、本発明の通信機器は、IC記録媒体との通信用アンテナコイルが通信機本体に内蔵され、アンテナコイルの取付部周辺に金属構成物が配置されている通信機器であって、アンテナコイルが取付部に対して間隙形成手段を介して対向配置されていることを特徴とする。
【0029】
この構成により、取付部周辺に存在する金属構成物によってアンテナコイルが受ける影響を少なくして、当該アンテナコイルの通信特性の劣化を防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
【0031】
(第1の実施の形態)
図1A及び図1Bは本発明の第1の実施の形態によるアンテナコイル10を示している。本実施の形態のアンテナコイル10は、アンテナ基板11と、平板状の磁芯部材12とを備えている。そして、アンテナ基板11と磁芯部材12とが互いに平行となるように積層された状態で封止部17により被覆されている。
【0032】
アンテナ基板11は、例えばポリイミド等の絶縁材料でなるベースフィルム13と、このベースフィルム13の上に形成された銅又はアルミニウム等でなる渦巻き状の空芯コイル部14と、この空芯コイル部14の両端部に接続された外部接続端子15とで構成されている。
【0033】
ベースフィルム13は、図1Aに示すように、空芯コイル部14が展開される大面積のコイル形成部13aと、外部接続端子15が形成される小面積の連結部13bとを有している。外部接続端子15は図示しないICチップの端子に接続される。なお、図中符号16は、ベースフィルム13の表裏を電気的に接続するためのスルーホールである。また、ベースフィルム13の表裏面には絶縁材料でなるオーバーコート材が設けられているものとする。
【0034】
磁芯部材12は、ベースフィルム13のコイル形成部13aと同等な形状を有しており、ベースフィルム13の裏面側に積層されている。一方のベースフィルム13の表面側は、アンテナコイル10の通信面CSを構成する。
【0035】
磁芯部材12は軟磁性材料(高透磁率材料)で構成されている。本実施の形態では、磁芯部材12は焼結フェライトで構成されている。この磁芯部材12は、外部から与えられる磁界が微弱であっても強く磁化する性質を有するため、アンテナコイル10の周囲に金属材が存在しても、当該金属材に磁界が漏れることなく吸収することができる。
【0036】
アンテナ基板11及び磁芯部材12は、それぞれ積層された状態で封止部17によって封止されている。本実施の形態では、アンテナ基板11にあってはそのベースフィルム13のコイル形成部13aが、また、磁芯部材12にあってはその全体が、封止部17によって被覆されている。
【0037】
封止部17を形成する封止材は、電磁波の透過損失が少ない材料で構成される。本実施の形態では、例えば2液性エポキシ系接着剤あるいは1液性エポキシ系接着剤で構成され、その他、紫外線硬化型接着剤等の硬化メカニズムの異なる接着剤を用いてもよい。
【0038】
封止部17の層厚は特に限定されないが、本実施の形態では、例えばアンテナモジュール10の全厚が例えば0.2mm程度となるように構成されている。特に、本実施の形態のように封止部17にはICチップが内包されていないので、封止部17全体を薄く構成することができる。
【0039】
以上のように構成される本実施の形態のアンテナコイル10は、例えば、非接触型の商品識別用タグとして用いることができる。この場合、アンテナコイル10の外部接続端子15に接続されるICチップには、当該商品に関する所定の識別データが記録(格納)されている。
【0040】
このような構成のアンテナコイル10を使用する際、磁芯部材12側の表面に例えば感圧性接着フィルム等を介して識別対象商品に取り付けられる。そして、当該商品の物流過程及び在庫管理等の際の搬送過程で、アンテナコイル10は図示しないデータ読取装置(リーダーライタ)からの通信電波を受信し、ICチップから該当する情報が読み出され、その情報がアンテナコイル10を介して上記データ読取装置へ送信される。
【0041】
以上の構成によれば、商品に取り付けられたアンテナコイル10は、商品と空芯コイル部14との間に磁芯部材12が介装されているので、商品の被着面が金属材で構成されている場合でも、アンテナコイル10のインダクタンスの低下を防ぐことができる。これにより、空芯コイル部14にて所定の誘導電圧を発生させることができ、これをICチップへ与えることによって確実に識別データを読み取ることができる。
【0042】
また、磁芯部材12が焼結フェライトで構成されているので、13.56MHzという高い動作周波数において、アモルファスシートや電磁鋼板、あるいは磁性粉末と合成樹脂材料等との複合体で構成される従来の磁芯部材に比べて高いQ値が得られ、これによりアンテナコイル10の通信特性の向上が図られる。
【0043】
更に、本実施の形態のアンテナコイル10は、アンテナ基板11と磁芯部材12とが封止部17により被覆された構成であるので、アンテナコイル10の取り扱い時に磁芯部材12が割れてもそれがバラバラになることはない。また、割れたフェライトの各小片の間に大きな隙間が生じないので、透磁率の劣化が問題となることもない。
【0044】
以上のように、本実施の形態によれば、割れ易く取り扱い性の悪い焼結フェライト材を容易に磁芯部材12として適用することができ、更に、これによってアンテナコイル10の通信距離の向上及び通信特性の安定化を図ることができる。
【0045】
また、本実施の形態によれば、磁芯部材12を封止部17で被覆しているので、商品の被着面と磁芯部材12との間に封止厚に相当する間隙(樹脂層)を介在させることができるようになり、この間隙の大きさだけアンテナ基板11を商品の被着面から遠ざけて、通信特性の安定化を図ることも可能となる。
【0046】
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態のアンテナコイル20は、アンテナ基板21と、磁芯部材22と、これらアンテナ基板21及び磁芯部材22を封止する封止部23とで構成されている。
【0047】
アンテナ基板21は、絶縁フィルムの上に銅又はアルミニウム等でなる渦巻き状の空芯コイル部(図示略)が形成されてなる。磁芯部材22は、アンテナ基板21上の空芯コイル部の形成領域と同等の面積を有する平板状に形成されている。磁芯部材22の構成材料としては高透磁率材料、特に、焼結フェライトが好ましいが、アモルファスシートや、磁性粉末と合成樹脂材料との複合材等も適用可能である。
【0048】
封止部23は、アンテナ基板21と磁芯部材22とを互いに平行に積層した状態で被覆している。封止部23を形成する封止材は、電磁波の透過損失の少ない材料で構成され、本実施の形態では、例えば2液性エポキシ系接着剤あるいは1液性エポキシ接着剤で構成され、その他、紫外線硬化型接着剤等の硬化メカニズムの異なる接着剤を用いてもよい。
【0049】
本実施の形態では、アンテナ基板21側と磁芯部材22側とで封止部23による封止厚を異ならせている。すなわち、通信面CSであるアンテナ基板(空芯コイル部)21側の封止厚23Aよりも、被取付体の被着面に対向する磁芯部材22側の封止厚23Bが大きく(厚く)なるように構成されている。封止厚23Bの大きさは特に限定されないが、被取付体側からのノイズがアンテナ基板21に大きな影響を与えない程度の大きさとするのが好ましい。
【0050】
以上のように構成されるアンテナコイル20は、被取付体として例えば通信機器1の所定位置に組み込まれる。この例でいう通信機器1としては、ICカードやICタグ等のIC記録媒体の読取ユニットを具備した携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯無線通信端末等が対応する。アンテナコイル20は、ICカード等の読取(又は書込み)通信ユニットの一構成要素として通信機器1に組み込まれている。
【0051】
図2に示すように、アンテナコイル20は通信機器1の所定の取付部3に取り付けられている。取付部3の周辺及び取付部3の上面には筐体部品や配線部品等の金属物2が設けられている。すなわち、アンテナコイル20はこれら金属物2に囲まれて通信機器1に組み込まれることになる。
【0052】
以上のように構成されるアンテナコイル20においては、通信機器1の取付部3とアンテナコイル20との間に金属物2が存在していても、アンテナコイル20へ向けて放射される通信電波を磁芯部材22で吸収して金属物2側への磁界の漏れを抑制できる。これにより、金属物2における上記漏れ磁界に起因する渦電流の発生を抑えて、アンテナコイル20の通信特性の劣化を防止することができる。
【0053】
特に、本実施の形態においては、磁芯部材22と金属物2との間に介在する封止部23の樹脂層によって所定の大きさの間隙23Bが形成されているので、たとえ金属物2に渦電流が生じたとしても間隙23Bがアンテナ基板21を金属物2から遠ざける働きをして、アンテナコイル20の通信特性の劣化を防止する作用を行う。
【0054】
(第3の実施の形態)
図3A及び図3Bは本発明の第3の実施の形態を示している。なお、図において上述の第2の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0055】
本実施の形態のアンテナコイル30は、空芯コイル部が形成されるアンテナ基板21と、平板状の磁芯部材22と、これらアンテナ基板21と磁芯部材22とを互いに平行となるように積層した状態で被覆する封止部23とを有している。
【0056】
本実施の形態において、封止部23内には、磁芯部材22と対向するようにアルミニウム、銅、鉄、ステンレス、マグネシウム合金等の金属製シールド板31が配置されている。磁芯部材22とシールド板31との間には一定の間隙23Bが形成されており、この間隙23Bは封止部23の樹脂層で構成されている。なお、シールド板31の裏面側(通信機器1側の面)は同じ封止樹脂で被覆されていてもよい。
【0057】
以上のように構成されるアンテナコイル30においては、上述の第2の実施の形態と同様な作用を行うと同時に、アンテナコイル30の動作時に発生する電波の通信機器1への侵入をシールド板31によって阻止し、通信機器1の誤動作を防止することができる。
【0058】
また、シールド板31を設けることによって、図3A及び図3Bに示すように通信機器1の取付部3内における金属物2の量や配置が異なる場合においても、アンテナコイル30が受ける影響のバラツキを排除して一定の通信特性を確保することができる。つまり、シールド板31を設けることによって、アンテナコイル30の設置環境に関係なく所望の通信特性を発揮させることが可能となる。
【0059】
(第4の実施の形態)
続いて、図4は本発明の第4の実施の形態を示している。なお、図において上述の第2の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0060】
本実施の形態のアンテナコイル40は、空芯コイル部が形成されるアンテナ基板21と、平板状の磁芯部材22と、これらアンテナ基板21と磁芯部材22とを互いに平行となるように対向配置した状態で被覆する封止部23とを有している。
【0061】
本実施の形態においては、封止部23の内部において、アンテナ基板21と磁芯部材22とが互いに一定の間隙23Cを介して対向するように配置されている。この間隙23Cは、封止部23を構成する封止材層で構成されている。
【0062】
間隙23Cの大きさは特に限定されないが、例えば、アンテナ基板21上の空芯コイル部にて発生する通信電波がアンテナ基板21と磁芯部材22との間から外方へ放射できるような大きさとされている。
【0063】
なお、間隙23B及び間隙23Cを構成する各々の封止材層が、本発明に係る「第1の間隙形成手段」及び「第2の間隙形成手段」に対応することになる。
【0064】
以上の構成のアンテナコイル40によれば、通信機器1の取付部3上に存在する金属物2と磁芯部材22との間に形成される間隙23Bにより、金属物2からアンテナ基板21を遠ざける作用が行われ、金属物2で生じた渦電流に起因するノイズのアンテナ基板21への侵入を抑えることができ、アンテナコイル40の通信特性の安定化を図ることができる。
【0065】
また、アンテナ基板21と磁芯部材22との間に形成される間隙23Cにより、アンテナ基板21で発生した通信電波を当該間隙23Cを介して外部へ放射することが可能となり、これが通信エネルギーの増大につながって通信距離の向上が図られることになる。また、磁芯部材22を薄厚化しても上記間隙23Cによってアンテナ基板21と金属物2との間の間隙を確保できるようになる
【0066】
なお、上述した構成のアンテナコイル40において、間隙23Bを構成する封止材層を介して金属製のシールド板を磁芯部材22と対向配置するようにしてもよい。これにより、アンテナコイル40の動作時に発生する電波の通信機器1への侵入を当該シールド板によって阻止でき、通信機器1の誤動作を防止することが可能となる。
【0067】
(第5の実施の形態)
図5は本発明の第5の実施の形態を示している。なお、図において上述の第2の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
【0068】
本実施の形態のアンテナコイル50は、空芯コイル部が形成されるアンテナ基板21と、平板状の磁芯部材22と、これらアンテナ基板21と磁芯部材22との間に介装されるスペーサ51とで構成されている。
【0069】
スペーサ51は、アンテナ基板21と磁芯部材22との間に所定の大きさの間隙を形成するためのもので、電波の透過損失の少ない材料、例えばホットメルト等の熱可塑性接着シートや厚手の粘着テープ、あるいは粘着テープの積層体等で構成されている。スペーサ51は、アンテナ基板21と磁芯部材22とを単に貼り合わせるだけのものではなく、アンテナ基板21と磁芯部材22との間に一定の間隙を意図的に形成する目的を有している。
【0070】
すなわち、スペーサ51は、アンテナ基板21と磁芯部材22との間に積極的に間隙を形成し、それを通信電波の磁路として活用することにより通信距離の増大を図るようにしたものである。このような設計意図は、上述した第4の実施の形態における間隙23Cにも同様に適用されている。
【0071】
また、本実施の形態においては、アンテナ基板21と磁芯部材22とを封止材で被覆しないでアンテナコイル50を構成するようにしているので、封止材で封止されている場合に比べて通信距離の向上が図られることになる。
【0072】
【実施例】
(実施例1)
第1の実施の形態として図1を参照して説明したアンテナコイル10を実際に試作し、その抗折強度と通信特性の測定を行った。試作したアンテナコイル10の詳細は以下の通りである。
【0073】
(アンテナ基板11の詳細)
・外形サイズ(コイル形成部13aの面積):24mm×38mm
・全厚:1.56mm(磁芯部材(焼結フェライト)1mm+空芯コイル0.16mm+封止厚(アンテナ基板側及び磁芯部材側ともに)0.2mm×2)
・コイル材:銅箔
・コイル断面:厚さ32μm×幅0.5mm
・コイルターン数:4ターン
・コイル間ピッチ:0.8mm(コイル間ギャップ:0.3mm)
・ベースフィルム13(及びオーバーコート材):PI(ポリイミド)
【0074】
封止材は、2液性エポキシ系接着剤を用いた。主剤と硬化剤の比率50:50、主剤樹脂には熱収縮時の応力分散を目的として無機系酸化物(SiO2)を含有し、硬化条件は50℃×20分とした。
【0075】
(抗折強度測定)
抗折強度の測定には、今田製作所製デジタルフォースゲージ(DPS−20、0〜196N)及び、今田製作所製プッシュプルスタンド(SV−5−L、5〜50mm/min)を用いた。測定方法は、図6に示すように焼結フェライト(磁芯部材)の2点をφ5mmの球で支持し、上部から2点間のセンターの1点をφ5mmの球で押圧し、磁芯部材の破断時の荷重の大きさを求めた。測定速度は10mm/minとした。
【0076】
実験の結果、封止前の磁芯部材(焼結フェライト単体)の測定値の平均(サンプル数5)は42Nであり、封止後の磁芯部材の測定値の平均(サンプル数5)は67Nであった。この結果、封止により、磁芯部材の抗折強度が1.5倍以上に向上したことが確認された。
【0077】
(通信特性の測定)
封止前のアンテナコイル10A(図7)と封止後のアンテナコイル10(図1)の各々の通信特性を比較するために、通信距離の測定を行った。なお、図7に示したアンテナコイル10Aにおいて、図1と対応する部分については同一の符号を付している。
【0078】
<封止前後の通信距離比較>
アンテナ基板の詳細は上述の通りであり、通信距離測定機としてのリーダーライタユニットはタイプA(近距離用)とタイプB(遠距離用)の2機を使用した。実験結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
実験の結果、封止前後による通信距離の変動はほとんど無いことが確認できる。特に、遠距離仕様の通信測定では近距離仕様の通信測定に比べて通信距離の低下は少ないことが確認された。
【0081】
<封止後のクラック有無による通信距離比較>
次に、封止した焼結フェライト(磁芯部材)のクラックの有無による通信距離比較を行った。リーダーライタユニットは上記タイプAを使用した。実験結果を表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
実験の結果、クラックの有無による通信距離の変動はほとんど無いことが確認された。
【0084】
(実施例2)
<シールド板の有無による通信距離比較>
図7に示した構成のアンテナコイル10Aを用いてシールド板の有無による通信距離の比較を行った。シールド板は厚さ0.1mmで磁芯部材(厚さ0.5mm)12と同サイズのものを準備し、シールド板有りのアンテナコイルは、アンテナコイル10Aの通信面とは反対側の面(磁芯部材12の下面)に貼り付けたものを用い、シールド板無しのアンテナコイルは図7のアンテナコイル10Aを用いた。リーダーライタユニットは上記タイプBを使用した。実験の結果を図8及び表3に示す。図8は動作周波数と通信距離との関係を示している。なお、表3は図8における各条件での最大通信距離を示している。
【0085】
【表3】
【0086】
実験の結果、シールド板有りに比べて、シールド板無しの方が通信距離が大きいことが確認された。これは、アンテナ基板11から放射される通信電波がシールド板によってカットされ、通信距離の劣化につながっていると考えられる。また、シールド板無しの状態は、アンテナコイル10Aからシールド板が無限大に遠ざかった状態と考えることができるので、図3を参照して説明したアンテナコイル30において、磁芯部材22とシールド板31との間の間隙23Cの大きさを大きくするほど、アンテナコイル30の通信距離の向上が図れることになる。
【0087】
(実施例3)
<空芯コイル部と磁芯部材との間のスペーサの有無による通信距離比較1>
スペーサ有りの場合は、図5を参照して説明したアンテナコイル50において、金属物2に見立てたシールド板を通信面CSの反対側に貼り付けて使用した。一方、スペーサ無しの場合は、このアンテナコイル50からスペーサ51を除いて使用した。リーダーライタユニットは上記タイプBを用いた。実験の結果を図9及び表4に示す。図9は動作周波数と通信距離との関係を示している。なお、表4は図9における各条件での最大通信距離を示している。
【0088】
【表4】
【0089】
実験の結果、スペーサ無しの場合に比べてスペーサ有りの場合の方が一様に通信距離が大きいことが確認された。また、スペーサ有りの場合、スペーサの厚さが大きくなるほど通信距離が向上することも確認できた。
【0090】
(実施例4)
<空芯コイル部と磁芯部材との間のスペーサの有無による通信距離比較2>
スペーサ有りの場合は、図5を参照して説明したアンテナコイル50を使用した。一方、スペーサ無しの場合は、このアンテナコイル50からスペーサ51を除いて使用した。リーダーライタユニットは上記タイプBを用いた。実験の結果を図10及び表5に示す。図10は動作周波数と通信距離との関係を示している。なお、表5は図10における各条件での最大通信距離を示している。
【0091】
【表5】
【0092】
実験の結果、スペーサ無しの場合に比べてスペーサ有りの場合の方が通信距離が大きいことが確認された。また、図9及び表4におけるスペーサ0.8mmの条件に比べて通信距離が大きいのは、アンテナコイル50にシールド板が貼り付けられていないからである。
【0093】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0094】
例えば以上の第1の実施の形態で説明したアンテナコイル10を通信機器1に内蔵するICカード等の読取ユニットの一構成要素として適用することも可能である。この場合、図11Aに示すように通信機器1の取付部3上にシールド板61を配置し、更にその上にアンテナコイル10の磁芯部材12と同一の機能材(軟磁性材料)の薄膜又は磁性シート62を施すようにすれば、シールド板61がノイズカット機能の役割を果たし、通信機器1及びアンテナコイル10間の電磁波障害を緩和することができる。また、磁性薄膜62の介装によってシールド板61とアンテナコイル10との間の間隙を見かけ上大きく構成でき、これによりアンテナコイル10の通信特性の劣化を防止できる。
【0095】
ここで、上記磁性シート(62)としては、例えばフェライト(Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライト)、センダスト箔体針状粒子、アモルファス箔体等の軟磁性材料を含有した樹脂シート(電磁波吸収シート)が適用できる。このような磁性シートは、焼結フェライトに比べて柔軟性に富み、外的機械衝撃に強いという特徴がある。磁性シートの製造方法としては、磁性塗料を塗布するコート方式、押し出し成形方式、射出成形方式等があり、軟磁性材料と樹脂の比率や、軟磁性材料の形状、密度、組成及び組成比等によってその磁気的特性が決まる。このような構成の磁性シートは、アンテナ基板とともに封止される磁芯部材として用いることも可能である。
【0096】
なお、アンテナコイル10と金属物2との間に形成される間隙には、上述のようにシールド板61及び磁性薄膜62の双方を設ける構成だけでなく、何れか一方のみとすることも勿論可能である。また、上記間隙を金属材料層(シールド板)及び/又は軟磁性材料層(磁性薄膜)で充填することも可能であるが、図11Aのように磁性薄膜62とアンテナコイル10との間に空気層を形成してもよい。この空気層を形成する間隙は、例えば、アンテナコイル10の下面に突起17Pを設けることによって容易に得ることができる。なお、この例では、突起17Pが本発明の「間隙形成手段」の一具体例に対応する。
【0097】
また、例えば図11Bに示すように、アンテナ基板11のみを封止部17で被覆してなるアンテナコイル70を準備し、磁性薄膜62に対して枠状のフレーム部材71を介して取り付けるようにしてもよい。この場合、フレーム部材71が磁性薄膜62とアンテナ基板11との間に一定間隙の空気層を形成するスペーサ部材あるいは間隙形成手段として機能することになる。
【0098】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のアンテナコイルによれば、通信距離の更なる向上を図ることができると共に、シールド板を使用した場合の通信特性のレベル低下を抑制することができる。
【0099】
また、本発明の通信機器によれば、アンテナコイルが通信機本体の取付部に対して間隙形成手段を介して対向配置されているので、取付部周辺に存在する金属構成物によってアンテナコイルが受ける影響を少なくでき、当該アンテナコイルの通信特性の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるアンテナコイル10の全体構成図であり、A部分破断平面図、Bは側断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるアンテナコイル20と、その被取付体への適用例を示す側断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態によるアンテナコイル30と、その被取付体への適用例を示す側断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態によるアンテナコイル40と、その被取付体への適用例を示す側断面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態によるアンテナコイル50と、その被取付体への適用例を示す側断面図である。
【図6】本発明の実施例における磁芯部材の抗折試験方法を説明する図である。
【図7】本発明の実施例における1サンプルの全体構成図である。
【図8】本発明の実施例における実験結果を示す図である。
【図9】本発明の実施例における実験結果を示す図である。
【図10】本発明の実施例における実験結果を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例を説明するアンテナコイルと、その被取付体への適用例を説明する側断面図である。
【符号の説明】
1…被取付体(通信機器)、2…金属物、3…取付部、10,20,30,40,50…アンテナコイル、11,21…アンテナ基板、12,22…磁芯部材、14…空芯コイル部、17,23…封止部、23B,23C…間隙、31…シールド板、51,71…スペーサ、CS…通信面。
Claims (17)
- 平面内で渦巻き状に巻回された空芯コイル部と、平板状の磁芯部材とを備えたアンテナコイルにおいて、
前記磁芯部材が焼結フェライトでなり、
前記磁芯部材が、前記空芯コイル部とともに封止材により被覆されている
ことを特徴とするアンテナコイル。 - 被取付体に取り付けられ、平面内で渦巻き状に巻回された空芯コイル部と、平板状の磁芯部材とを備えたアンテナコイルにおいて、
前記空芯コイル部と前記磁芯部材とが封止材により一体的に被覆されており、
前記磁芯部材と前記被取付体との間に介在する封止材層によって、前記空芯コイル部を前記被取付体から遠ざける間隙を形成している
ことを特徴とするアンテナコイル。 - 前記空芯コイル部の封止厚よりも、前記磁芯部材の封止厚が大きく形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナコイル。 - 前記磁芯部材には、前記封止材層を介して金属製のシールド部材が対向配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナコイル。 - 前記空芯コイル部と前記磁芯部材とが互いに平行となるように積層されている
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナコイル。 - 前記被取付体が、通信機器である
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナコイル。 - 被取付体に取り付けられ、平面内で渦巻き状に巻回された空芯コイル部と、平板状の磁芯部材とを備えたアンテナコイルにおいて、
前記磁芯部材と前記被取付体との間に間隙を形成する第1の間隙形成手段と、
前記空芯コイル部と前記磁芯部材との間に間隙を形成する第2の間隙形成手段とを備えた
ことを特徴とするアンテナコイル。 - 前記空芯コイル部と前記磁芯部材とが封止材により一体的に被覆されており、
前記第1の間隙形成手段が、前記磁芯部材と前記被取付体との間に介在する封止材層とされる
ことを特徴とする請求項7に記載のアンテナコイル。 - 前記空芯コイル部と前記磁芯部材とが封止材により一体的に封止されており、
前記第2の間隙形成手段が、前記空芯コイル部と前記磁芯部材との間に介在する封止材層とされる
ことを特徴とする請求項7に記載のアンテナコイル。 - 前記磁芯部材には、前記第1の間隙形成手段を介して金属製のシールド部材が対向配置されている
ことを特徴とする請求項7に記載のアンテナコイル。 - 前記空芯コイル部と前記磁芯部材とが互いに平行となるように対向配置されている
ことを特徴とする請求項7に記載のアンテナコイル。 - 前記被取付体が、通信機器である
ことを特徴とする請求項7に記載のアンテナコイル。 - 平面内で渦巻き状に巻回された空芯コイル部と、平板状の磁芯部材とを備えたアンテナコイルにおいて、
前記空芯コイル部と前記磁芯部材との間に間隙を形成するスペーサ部材を備えた
ことを特徴とするアンテナコイル。 - IC記録媒体との通信用アンテナコイルが通信機本体に内蔵され、前記アンテナコイルの取付部周辺に金属構成物が配置されている通信機器であって、
前記アンテナコイルが前記取付部に対して間隙形成手段を介して対向配置されている
ことを特徴とする通信機器。 - 前記アンテナコイルと前記取付部との間に形成された間隙内には、金属材料層及び/又は軟磁性材料層が介装されている
ことを特徴とする請求項14に記載の通信機器。 - 前記アンテナコイルが封止材により封止されている
ことを特徴とする請求項14に記載の通信機器。 - 前記アンテナコイルがこれと平行に積層される磁芯部材と一体的に封止材により被覆されている
ことを特徴とする請求項14に記載の通信機器。
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