JP2004304024A - 電子部品被覆用ポリイミドフィルム - Google Patents

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Kazunobu Hayata
和宣 早田
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Abstract

【課題】電子装置の誤作動を防止し、部品へのレーザーマーキングを可能とする電子部品材料の提供。
【解決手段】芳香族テトラカルボン酸二無水物と、ビス(アミノフェノキシ)アルカン等の芳香族ジアミン及びシロキサンジアミンからなるジアミンとを反応させて得られるポリイミド樹脂を主成分とする樹脂成分に対して、カーボンブラックなどの着色顔料を1.5〜11重量%含有させ、厚み範囲が10〜200μmの範囲の着色ポリイミドフィルムとする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の電子部品の被覆に用いられる着色ポリイミドフィルムに関するものであり、詳しくは、WLP(ウェハーレベルパッケージ)や半導体素子等の電子部品の一面を被覆することで、電子装置の誤作動を防止し、部品へのレーザーマーキングを可能とする電子部品被覆用ポリイミドフィルム(以下、単にポリイミドフィルムと略することもある)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ICおよびLSI等の封止にはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化触媒、無機充填物および添加剤等を混合、混練を行い、ペレット状に加工したものをトランスファー成型して封止を行っている。これら封止用材料としては、エポキシ樹脂材料が多く用いられてきたが、成形品に対する使用条件が近年ますます過酷になってきた結果、従来のエポキシ樹脂では、耐熱性等に関する要求水準を満足することができなくなってきている。例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、カーボンブラックなどを原料とする半導体封止用樹脂組成物について、YAGレーザーマーキング性が優れていることが示されている。しかしながら、ここに示された樹脂組成物は、一旦成型材料とした後、タブレット化してトランスファー成型して使われるもので、煩雑な工程を必要とするものであった。
【0003】
ところで、従来、樹脂封止された半導体デバイスは、熱硬化又はUV硬化タイプの特殊なインクでマーキングされていたが、マーキングやその硬化に時間が掛かり、更にインクの取り扱いも容易でないため、最近はレーザーによるマーキングが好んで行われている。このYAG、グリーンおよびCOのレーザー光の短時間照射による印字は、インクによるマーキングよりも作業性に優れ、しかも短時間で終わる方法であるからである。
【0004】
半導体デバイス等の電子部品の被覆に使用される樹脂材料に要求される特性としては、マーキング部分とマーキングをしていない部分とのコントラストが鮮明であるという上記レーザーマーキング性の他に、ICおよびLSI等の誤作動防止のためには樹脂材料自体が赤外域、紫外域、すなわち350〜3000nmの範囲で透過性がないことが必要である。更に、耐熱性や電子部品との接着性も優れていることが望ましい。ポリイミド樹脂は、耐熱性が高く、また、可とう性を有する材料でもありハンドリング性にも優れることから、これら耐熱性ポリイミド樹脂を構成材料とする新たな電子部品被覆用ポリイミドフィルムが求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−165875号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱特性に優れたポリイミド樹脂を用い、それをフィルム化したポリイミドフィルムであって、ICおよびLSI等の誤作動防止に役立ち、レーザーマーキング性にも優れた、電子部品の保護のみならず視認性にも寄与する電子部品の被覆材料として好適に用いられるポリイミドフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明者等は鋭意検討した結果、電子部品の被覆に用いられる樹脂に特定のポリイミド樹脂を用い、これに着色顔料を配合し、適当な厚み範囲でフィルム化したポリイミド樹脂フィルムが上記課題を解決し得ることを見出し本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、芳香族テトラカルボン酸二無水物並びに下記一般式(1)で表される脂肪族直鎖を有する芳香族ジアミン及び下記一般式(2)で表されるシロキサンジアミンから得られるポリイミド樹脂を主成分とする樹脂成分に対して、着色顔料が1.5〜11重量%含有され、厚み範囲が10〜200μmの範囲にあることを特徴とする電子部品被覆用着色ポリイミドフィルムである。
一般式(1): HN−Ar−O−(CH)n−O−Ar−NH
(式中、Ar 及びArは炭素数1〜12の2価の芳香族基を、nは平均繰り返し数であり3〜10である。)
一般式(2):
【化2】
Figure 2004304024
(式中、R及びRは2価の炭化水素基を、R〜Rは炭素数1〜6の炭化水素基を示し、mは平均繰り返し数であり1〜10である。)である。ここで、着色顔料としては、平均粒径50〜500nmの範囲にあるカーボンブラックを用いることで好ましい電子部品被覆用着色ポリイミドフィルムとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
本発明で用いられるポリイミド樹脂は、芳香族テトラカルボン酸二無水物(A)とジアミン(B)から得られるポリイミド樹脂であって、前記ジアミン(B)が、上記一般式(1)で表される脂肪族直鎖を有する芳香族ジアミン(B1)と上記一般式(2)で表されるシロキサンジアミン(B2)を必須成分として含有し、ジアミン(B)中の(B1)成分の含有量が30〜95モル%であり、(B2)成分の含有量が5〜70モル%の範囲とすることで得ることができる。
【0010】
ポリイミド樹脂の製造で用いられる芳香族テトラカルボン酸二無水物(A)は、特に限定されるものではないが、例を挙げると、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’ −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’ −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2、4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8 テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’’,3,3’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’’,4’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,10,11−テトラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,12−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。また、これらは単独で又は2種類以上混合して用いる事ができる。
【0011】
これらの中でも、ピロメリット酸二無水物およびO(CO)Ar−X−Ar(CO)Oで示される酸二無水物から選ばれるものが望ましい。ここで、式中Xは不存在か、CO、OまたはSOのいずれかを示す。Arはベンゼン環または置換基を有するベンゼン環を示すが、置換基としては炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、1つのAr中の置換基の数は0〜2が好ましい。より好ましくは、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)がポリイミド樹脂とした際の有機溶媒に対する溶解性に優れているので好適である。
【0012】
ポリイミド樹脂の製造で用いられるジアミン(B)には、一般式(1)で表される脂肪族直鎖を有する芳香族ジアミン(B1)と一般式(2)で表されるシロキサンジアミン(B2)を必須成分として含有させる事が接着性と耐熱性の点から望ましい。
【0013】
ここで、一般式(1)で表される脂肪族直鎖を有する芳香族ジアミン(B1)において、Ar 及びArは炭素数6〜12の2価の芳香族基を示す。また、一般式(1)におけるメチレン基の平均繰り返し数nは3〜10の範囲にあることが必要である。nの値が3に満たないと、製膜性やラミネ−ト性などの加工性が悪くなる恐れがあり、また、10を超えると、弾性率が低くなりすぎる恐れがある。(B1)成分のより好ましいものとしては、下記一般式(3)に示される芳香族ジアミンである。具体例を挙げると1,5−ビス(p−アミノフェノキシ)ペンタン、1,4−ビス(アミノフェノキシ)ブタン等が挙げられる。
一般式(3):
【化3】
Figure 2004304024
【0014】
一般式(2)で表されるシロキサンジアミン(B2)はRおよびRは、独立に2価の炭化水素基を示し、炭素数が2〜6、より好ましくは3〜5のアルキレンまたはフェニレンが好ましい。R〜Rは、独立に炭素数1〜6の炭化水素基を示し、メチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基から選ばれるものが好ましい。また、mは平均繰り返し単位で、1〜10の数を示す。
【0015】
シロキサンジアミン(B2)の具体的化合物の例としては、ω,ω’−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、ω,ω’−ビス(2−アミノプロピル)ポリジメチルフェニルシロキサンなどが挙げられる。
【0016】
ジアミン(B)中、芳香族ジアミン(B1)は、30〜95モル%の範囲、好ましくは40〜70モル%の範囲で使用する。この割合が30モル%未満の場合は耐熱性の低いものとなり、95モル%を超えると接着性の低いものとなる。また、シロキサンジアミン(B2)は、5〜70モル%の範囲、好ましくは30〜60モル%の範囲で使用する。この割合が5モル%に満たないと接着性の低いものとなり、70モル%を超えると耐熱性の低いものとなる。ただし、これら以外のほかのジアミン(B3)も少量であれば用いることができる。
【0017】
前記他のジアミン(B3)としては、特に限定されるものではないが、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシフェニル]プロパンが、有機溶媒に対する溶解性などに優れているので反応に用いやすく好適である。
【0018】
ポリイミド樹脂は、公知の重合方法を用いる事ができる。以下、本発明で用いられるシロキサンポリイミド前駆体樹脂は、芳香族ポリイミド前駆体樹脂に比較して加水分解性が高く、溶液中での保存安定性に劣るため、脂肪族直鎖を有する芳香族ジアミンを重合する前に、芳香族テトラカルボン酸二無水物とシロキサンジアミンを反応させたアミック酸部位をあらかじめイミド化しておくことが望ましい。
【0019】
具体的には、まずあらかじめ芳香族テトラカルボン酸二無水物を有機溶媒中に溶解あるいは懸濁させておき、シロキサンジアミンを徐々に添加する。その後、150〜210℃の温度で、縮合水を除去しながら10〜24時間重合およびイミド化を行い、末端に酸無水物基を有するシロキサンポリイミドオリゴマーを得る。次に、一旦、反応混合物を室温まで冷却した後、酸無水物と全ジアミン成分が等モルになるように、脂肪族直鎖を有する芳香族ジアミン又はそれとその他のジアミン(B3)からなるジアミン混合物を添加し10〜80℃で、1〜3時間反応させて、ポリイミド前駆体樹脂溶液を得る。
【0020】
なお、反応に用いられる有機溶媒は特に限定されるものではないが、樹脂組成物の主成分を均一溶解可能なものならば、一種類あるいは二種類以上を併用した混合溶媒であっても差し支えない。例えば、フェノール系溶媒、アミド系溶媒(ピロリドン系溶媒、アセトアミド系溶媒など)、オキサン系溶媒(ジオキサン、トリオキサンなど)、ケトン系溶媒(シクロヘキサノンなど)、グライム系溶媒(メチルグライム、メチルトリグライムなど)などがある。また、必要に応じて、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒を、均一に溶解できる範囲で混合し使用することもできる。反応時間の短縮、溶媒散逸の問題により、沸点150℃以上のものがよく、特に200℃以上である有機極性溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、メチルトリグライムなど)が最も好ましい。
【0021】
本発明で使用する着色顔料は特に制限されず使用することができるが、レーザーマーキングによる視認性向上のためには、印字等した場合にそのマーキング部と非マーキング部とのコントラストが鮮明であることが好ましく、また、誤作動防止の光の遮光性の観点からも黒色、赤色、紫色、青色、緑色などの濃色系の顔料が好ましい。特に好ましい顔料はカーボンブラックである。顔料の好ましい平均粒径の範囲は、50〜500nmであり、特に好ましくは200〜350nmの範囲である。樹脂成分に対する、着色顔料の配合方法は特に制限されず、樹脂合成直後の樹脂溶液に直接分散させることもできる。この場合には、溶剤中へ十分に分散させた顔料をポリイミド前駆体樹脂溶液中に配合する方法が適している。ポリイミドフィルム材料における樹脂成分に対する着色材の含有割合は1.5〜11重量%の範囲であることが必要である。着色剤の量が全樹脂成分に対して1.5未満であると着色力が弱く、350〜3000nmの波長の光を遮断することができない。また、着色剤の量が全樹脂に対して11重量%より多くなると、フィルム中の顔料の占める体積が大きくなり、フィルムの表面状態が粗くなる。特に、上記粒径範囲のカーボンブラックを樹脂成分に対して2〜8重量%の範囲で含有させることが好ましい。
【0022】
上記ポリイミド前駆体樹脂溶液中への顔料の分散にはプラネタリーミキサー等の撹拌装置を使用し、一定時間以上撹拌させることが好ましい。また使用する顔料には表面に樹脂コーティング層を持つもの、例えば、絶縁性カーボンブラックを使用することもできる。
【0023】
本発明のポリイミドフィルムは、任意の基材上にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布後、熱処理して製造することができる。樹脂溶液が塗布される基材(支持基材)は、特に限定されるものではないが、その表面が剥離しやすくするために離型処理されている金属箔又はPETフィルムがよい。好ましい基材の厚さは10〜200μm以下、さらに好ましくは25〜100μmの範囲である。フィルムの厚さは、10〜200μm、好ましくは20〜100μm 、特に好ましくは20〜60μmの範囲とすることが電子部品被覆用途に適している。この状態においては、数%の溶媒を含んでいてもよい。また、本発明のポリイミドフィルムはPETフィルムなどを基材としてこれとポリイミドフィルムとからなる積層体を形成して、積層フィルムとして製品化することができる。
【0024】
本発明のポリイミドフィルムは、熱可塑性であり電子部品製造工程で熱履歴を受けた後においても加熱圧着による接着性を有する。また、高弾性で特に高温で高い弾性率を示すことから優れたリフロー耐熱性を有する。その特性値として、ガラス転移温度が30〜200℃、250℃におけるヤング率(貯蔵弾性率)が、10Pa以上にあることが望ましい。ガラス転移温度とヤング率は、フィルムをDMAにて0〜350℃まで5℃/分で昇温させたときの動的年弾性を測定し、ガラス転移温度(tanδ極大値)及び250℃のヤング率(貯蔵弾性率)から求められる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
実施例1
撹拌器、窒素導入管を備えたディーンスターク型の反応器に、3,3’,4,4’−オキシジフタル酸二無水物 ODPA 61.62g(0.1986 mol)とトリグライム200gを仕込み、窒素雰囲気下において、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン PSX(一般式(2)においてmの平均値が7.98、平均分子量766)52.5g(0.0733 mol)を滴下ロ−トを用いて添加し、室温で約2時間撹拌した。続いて、この反応溶液を窒素雰囲気下において190℃に加熱して、縮合水を除去しながら15時間過熱撹拌した。ついで、この反応溶液を室温まで冷却し、1,5−ビス(p−アミノフェノキシ)ペンタン DA5MG(一般式(3)においてnの平均値が5のもの)35.92g(0.1253mol)及びジメチルアセトアミドDMAC60gを加え、この反応溶液を窒素雰囲気下で約2時間撹拌し、さらに固形分濃度30重量%になるようにジグライムを添加し、ポリイミド前駆体溶液1を得た。ポリイミド前駆体溶液1に、カーボンブラック(平均粒径:270nm)をジグライム溶剤中へ固形分濃度20重量%で分散させた顔料分散体1を15.00g投入し、プラネタリミキサ−で約30分撹拌する。得られた混合樹脂を厚さ100μmの離型処理されたPETフィルム上に塗布後、120℃/10分熱風乾燥させ、全樹脂に対してカーボンブラックが2.0重量%含有された厚さ50μmのポリイミドフィルムを得た。
ポリイミドフィルムのガラス転移温度は70℃、250℃におけるヤング率(貯蔵弾性率)は、30MPaであった。フィルムの赤外リフロー炉耐熱性試験を行ったところ吸湿後の260℃、60秒間の加熱後も膨れ等なく良好な状態を維持するものであった。
【0027】
得られたポリイミドフィルムについて、下記項目について評価を行った。
[レーザーマーキング性]
COレーザー、YAGレーザー、グリ−ンレーザーを用いて、マーキングを行いその視認性を◎、○で評価した。コントラストも鮮明であったものを◎、ややコントラストの鮮明度が劣るものを〇とした。
[透過率]
50μm厚のポリイミドフィルムについて、350〜3000nmの範囲での透過率の測定を行った。表中の値は、この測定領域での最も高い透過率を示した値である。
[表面状態]
ポリイミドフィルムの表面状態を目視により評価した。表面が粗さがほとんど認められないものを◎、多少の粗さが認められたものを〇、顔料の凝集があり表面に目立った粗さが認められたものを×とした。
【0028】
実施例2
ポリイミド前駆体溶液1に顔料分散体1を22.50g投入した他は実施例1と同様に行い、全樹脂に対してカーボンブラックが3.0重量%含有されたポリイミドフィルムを製造し、これを評価した。
【0029】
実施例3
ポリイミド前駆体溶液1に顔料分散体1を37.50g投入した他は実施例1と同様に行い、全樹脂に対してカーボンブラックが5.0重量%含有されたポリイミドフィルムを製造し、これを評価した。
【0030】
実施例4
ポリイミド前駆体溶液1に顔料分散体1を75.00g投入した他は実施例1と同様に行い、全樹脂に対してカーボンブラックが10.0重量%含有されたポリイミドフィルムを製造し、これを評価した。
【0031】
比較例1
ポリイミド前駆体溶液1に顔料分散体1を3.75g投入した他は実施例1と同様に行い、全樹脂に対してカーボンブラックが0.5重量%含有されたポリイミドフィルムを製造し、これを評価した。
【0032】
比較例2
ポリイミド前駆体溶液1に顔料分散体1を7.50g投入した他は実施例1と同様に行い、全樹脂に対してカーボンブラックが1.0重量%含有されたポリイミドフィルムを製造し、これを評価した。
【0033】
比較例3
ポリイミド前駆体溶液1に顔料分散体1を90.00g投入した他は実施例1と同様に行い、全樹脂に対してカーボンブラックが12.0重量%含有されたポリイミドフィルムを製造し、これを評価した。
【0034】
実施例1〜4及び比較例1〜3の評価結果を表1に示す。
【表1】
Figure 2004304024
【0035】
実施例のポリイミドフィルムは、CO、YAGおよびグリーンレーザーのいずれのレーザーマーキング性も良好であった。特にYAGレーザー、グリーンレーザーにおいては出力等の条件の幅が広く、認識性も優れていた。
【0036】
【発明の効果】
本発明のポリイミドフィルムは、電子部品に対して一括被覆が可能なフィルム材としてハンドリング性に優れており、保護フィルムとしての役割の他、レーザーマーキングによる印字が可能であり、視認性にも優れたものであることから電子部品の被覆材料として好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. 芳香族テトラカルボン酸二無水物並びに下記一般式(1)で表される脂肪族直鎖を有する芳香族ジアミン及び下記一般式(2)で表されるシロキサンジアミンから得られるポリイミド樹脂を主成分とする樹脂成分に対して、着色顔料が1.5〜11重量%含有され、厚み範囲が10〜200μmの範囲にあることを特徴とする電子部品被覆用着色ポリイミドフィルム。
    一般式(1): HN−Ar−O−(CH)n−O−Ar−NH
    (式中、Ar 及びArは炭素数1〜12の2価の芳香族基を、nは平均繰り返し数であり3〜10である。)
    一般式(2):
    Figure 2004304024
    (式中、R及びRは2価の炭化水素基を、R〜Rは炭素数1〜6の炭化水素基を示し、mは平均繰り返し数であり1〜10である。)
  2. 着色顔料が平均粒径50〜500nmの範囲にあるカーボンブラックである請求項1記載の電子部品被覆用着色ポリイミドフィルム。
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