JP2004303764A - 電子部品用パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】パッケージの外部に絶縁基板と蓋との位置合わせを行う機能を設けなくてはならず、その位置合わせも絶縁基板と蓋との直接的な位置合わせではなく、絶縁基板及び蓋を保持配給する装置での間接的な位置合わせとなり、精度の向上には限界がある。
【解決方法】蓋のフランジの封止側面に凸状の固着材を形成し、絶縁基板の周縁部にはこの固着材が嵌め合い且つ固着材の厚みよりも浅い第1の溝部が形成され、第1の溝部及び第1の溝部の縁部にメタライズ層及びメッキ層が形成されていること特徴とする電子部品用パッケージ。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電振動子や圧電発振器などに使用する電子部品用パッケージに関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器に搭載される圧電振動子や圧電発振器等の電子部品における小型化の要求が強く、それに伴い各種電子部品用パッケージが発明考案されている。
【0003】
図3は、従来技術として圧電振動子に使用される電子部品用パッケージの一例を示す断面図である。即ち、下面に外部接続端子32が形成され、且つ上面に外部接続端子32に導通した接続パッド33を形成した絶縁基板31と、この絶縁基板31上に配置した圧電振動板34を気密封止し、絶縁基板31とシーム封止されるフランジ35を有する金属製の蓋36とからなる電子部品用パッケージ30である。
【0004】
フランジ35の封止側面上には、固着材の一つであるろう材37が形成されており、絶縁基板31の周縁部に形成された平板状のメタライズ部(メッキ層を含む)38に、ろう材37が接するように蓋36を絶縁基板31に被せ、フランジ35上から電極ローラなどによりろう材37を溶融し、蓋26と絶縁基板31とを気密封止することで電子部品用のパッケージ30を形成している。
【0005】
前記のような電子部品用パッケージについては、以下のような文献が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−198452号公報
【0007】
尚、出願人は前記した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を、本件出願時までに発見するに至らなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電子部品用パッケージの小型化が進み、長さ寸法が数mmとなるにつれ、パッケージを作成する際の製造精度を向上させる必要がある。特に絶縁基板と蓋との封止位置あわせは、誤差がほとんど許されない精度が必要とされる。しかし、従来技術のような構造のパッケージでは、パッケージの外部に絶縁基板と蓋との位置合わせを行う機能を設けなくてはならず、その位置合わせも絶縁基板と蓋との直接的な位置合わせではなく、絶縁基板及び蓋を保持配給する装置での間接的な位置合わせとなり、精度の向上には限界がある。
【0009】
又、小型化に伴い、金属蓋のフランジ部分が小さくなることで、固着材とメッキ層を含むメタライズ部分との封止面積が小さくなり、気密封止の信頼性が低下する問題が生じる。更に、シーム封止では、ローラによりフランジ上部より荷重を加えながら固着材を溶融し封止をすること及びフランジ部分が小さいために、溶融した固着材がパッケージ内部に流入する可能性が高くなり、流入した固着材が内部の電子素子類の特性に悪影響を与える可能性が高くなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は前記従来技術の課題を鑑みて成されたものであり、下面に外部接続端子が形成され、且つ上面に外部接続端子に導通した接続パッドを形成した絶縁基板と、この絶縁基板上に配置した電子素子を気密封止し、絶縁基板とシーム封止されるフランジを有する金属製の蓋とからなる電子部品用パッケージにおいて、この蓋のフランジの封止側面に凸状の固着材を形成し、絶縁基板の周縁部にはこの固着材が嵌め合い且つ固着材の厚みよりも浅い第1の溝部が形成され、第1の溝部及び第1の溝部の縁部にメタライズ層及びメッキ層が形成されていること特徴とする電子部品用パッケージである。
【0011】
又、この第1の溝部の底部に第1の溝部より幅が狭い第2の溝部を形成し、この第2の溝部にもメタライズ層及びメッキ層が形成されていること特徴とする前記記載の電子部品用パッケージでもある。
【0012】
このような電子部品用パッケージを使用することにより、絶縁基板と蓋とを直接的にほぼ誤差なく位置合わせできる。又、固着材とメッキ層を含むメタライズ部分との封止面積を広くすることができ、気密封止の信頼性が向上し、更に、溶融した固着材がパッケージ内部に流入する可能性が低くなり、流入した固着材が内部の電子素子類の特性に悪影響を与える可能性がなくなる作用を成す。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、この発明における表面実装型の電子部品用パッケージを使用した、電子部品の一つである水晶振動子の断面構成図である。図2は、図1の線円A部分を拡大表示した断面構成図である。尚、図1乃至2において、説明を明りょうにするため構造体の一部を図示せず、また寸法も一部誇張して図示している。
【0014】
即ち、図1に例示した水晶振動子を構成する電子部品用パッケージ10は、下面にマザー基板に固着導通する外部接続端子12が形成され、且つ上面には外部接続端子12に導通した接続パッド13を形成した絶縁基板11と、この絶縁基板11上に配置した水晶振動板14を気密封止し、絶縁基板11とシーム封止されるフランジ15を有する金属製の蓋16とから構成されている。
【0015】
ここで、フランジ15の封止側の全周面上に、下に凸状の三角形状の断面を有する固着材としてろう材17を形成されている。絶縁基板11の周縁部には、ろう材17が嵌め合い且つろう材17の厚み寸法S1よりも浅い寸法S2で第1の溝部18が形成されている。この第1の溝部18の底部には、第1の溝部18より幅が狭い第2の溝部19が形成され、第1の溝部18、第2の溝部19及び第1の溝部18の縁部にメタライズ層及びメッキ層20が形成されている。
【0016】
前述した構造の電子部品用パッケージを使用することにより、絶縁基板11に蓋16を被せた際に、ろう材17と第1の溝部18が填り合うことで、簡易に絶縁基板11と蓋16とを正確な位置に配置できる。
【0017】
填り合った状態の絶縁基板11と蓋16とをシーム封止を行う。この際フランジ15の上部から電極ローラなどにより荷重を加えながら通電により熱を発生させろう材17を溶融する。この際、第1の溝部の深さ寸法よりろう材17の高さ寸法が高いので、溶融したろう材17の一部は加圧により第1の溝部18の縁部に形成したメタライズ層及びメッキ層20側にも付着し、絶縁基板11と蓋16とのより強い密着性及び気密性を得ている。
【0018】
又、溶融したろう材17のうち第1の溝部18の容積分より余ったろう材は、第1の溝部18の底部に形成した第2の溝部19へ流れ込こむことで、ろう材がフランジ15より内側の水晶振動板14方向へ流入することを防止し、流入したろう材が引き起こす水晶振動板の諸特性の不具合発生をなくすことができる。更に、第2の溝部19へもろう材が入り込むことで、絶縁基板11と蓋16との更に強度の高い密着性を得ることができる。
【0019】
尚、本発明では金属蓋16のフランジ15に形成したろう材の形状を下に凸状の三角形状としたが、他にも四角形状又は半円形状でも良く、絶縁基板に形成した第一の溝部と嵌め合うことができ、本発明の作用を成すことができるのであれば、本発明は開示した形状に限定されるものではない。
【0020】
【発明の効果】本発明の電子部品用パッケージにより、小型化が進んだ電子部品においても電子部品をマザー基板に固着する際に固着材の這い上がりに起因する不具合の発生を防止でき、因って信頼性の高い電子部品を提供できる効果を成す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における電子部品用パッケージの一実施例を示した断面構成図である。
【図2】図2は、図1に示した線円A部分を拡大した断面構成図である。
【図3】図3は、従来の電子部品用パッケージの断面構成図である。
【符号の説明】
10,電子部品用パッケージ
11,絶縁基板
12,外部接続端子
15,フランジ
16,蓋
17,固着材
18,第1の溝部
19,第2の溝部
20,メタライズ層及びメッキ層

Claims (2)

  1. 下面に外部接続端子が形成され、且つ上面に外部接続端子に導通した接続パッドを形成した絶縁基板と、該絶縁基板上に配置した電子素子を気密封止し、該絶縁基板とシーム封止されるフランジを有する金属製の蓋とからなる電子部品用パッケージにおいて、該蓋の該フランジの封止側面に凸状の固着材を形成し、該絶縁基板の周縁部には該固着材が嵌め合い且つ該固着材の厚みよりも浅い第1の溝部が形成され、該第1の溝部及び該第1の溝部の縁部にメタライズ層及びメッキ層が形成されていること特徴とする電子部品用パッケージ。
  2. 該第1の溝部の底部に該第1の溝部より幅が狭い第2の溝部を形成し、該第2の溝部にもメタライズ層及びメッキ層が形成されていること特徴とする請求項1記載の電子部品用パッケージ。
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