JP2004302783A - カード型通信端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ＵＳＩＭカード等のメモリカードが搭載される、例えばＰＣカード等のカード型通信端末に関し、メモリカードを容易に固定しメモリカードのカード型通信端末への挿入操作を容易にする。
【解決手段】メモリカード２０が載置され、メモリカードを載せた状態で引出し自在にスライド挿入されるトレイ１００と、そのトレイのスライド挿入を案内するとともに挿入されてきたトレイを収容するガイド２００とを備え、メモリカードをトレイに載せてトレイをガイドにスライド挿入する操作によりメモリカードが搭載されるカード型通信端末１０であって、トレイ１００が、メモリカード２０の、トレイの挿入方向前端中央部をトレイに固定する保持部１０３と、トレイの挿入方向後端中央部をトレイに固定する弾性係止片１０４とを備えた。
【選択図】 図１
【解決手段】メモリカード２０が載置され、メモリカードを載せた状態で引出し自在にスライド挿入されるトレイ１００と、そのトレイのスライド挿入を案内するとともに挿入されてきたトレイを収容するガイド２００とを備え、メモリカードをトレイに載せてトレイをガイドにスライド挿入する操作によりメモリカードが搭載されるカード型通信端末１０であって、トレイ１００が、メモリカード２０の、トレイの挿入方向前端中央部をトレイに固定する保持部１０３と、トレイの挿入方向後端中央部をトレイに固定する弾性係止片１０４とを備えた。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ＵＳＩＭカード等のメモリカードが搭載される、例えばＰＣカード等のカード型通信端末に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、ＰＣカード等、無線通信機能を備えたカード型通信端末が使われている。例えばＰＣカードを例に挙げて説明すると、このＰＣカードは、インターネットをアクセスする無通信機能を備えたもので、ノート型パーソナルコンピュータ等のスロットルに挿入されて使用される。このＰＣカードには、ＵＳＩＭカードと呼ばれるメモリカードが取出し自在に挿入され、インターネットアクセスに関する個人的な情報が記憶される。
【０００３】
従来、メモリカードが装着されるカード型通信端末として、メモリカードをトレイの上に載せ、メモリカードを載せたトレイをカード型通信端末本体の挿入口から挿入するタイプのカード型通信端末が存在する。
【０００４】
しかし、このタイプのカード型通信端末の場合、メモリカードはトレイの上に単に載置されるだけであってトレイには固定されず、トレイを挿入しようとしているときにそのトレイからメモリカードが容易に落下したり位置がずれてしまい、正しい挿入に手間取る場合がある。
【０００５】
また、従来の別のタイプのカード型通信端末としてメモリカードのみを直接にカード型通信端末本体の挿入口から挿入するタイプのものも知られている。この場合、メモリカードは小さくかつ薄いためメモリカード挿抜の操作性が悪く、また、このカード型通信端末は、その挿入口に、そのカード型通信端末を構成する金属カバーの鋭利部分が露出しており、メモリカード挿入時にメモリカードを傷つけるおそれもある。
【０００６】
これらのタイプのカード型通信端末の、メモリカード挿抜に伴う問題点を解消するために、メモリカードをトレイに載せてそのトレイをカード型通信端末本体に挿入する構成とし、さらに、メモリカードをトレイに載せた際にそのメモリカードをトレイ上に固定する構成とすることが提案されている（特許文献１参照）。
【０００７】
【特許文献１】
特開昭１０−１５４２１０号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その特許文献１にて提案された、メモリカードをトレイ上に固定する構造は、トレイの挿入方向両側から中央に向かって突起したフックを設けた構造であるため、メモリカードをトレイに載せるに当っては、トレイの挿入方向とは異なる横方向から載せることになり、操作性が悪いという問題がある。また、この特許文献１に開示された技術は、カード型通信端末本体の挿入口はそのフックの厚み分だけ上に広く開口しており、その分カード型通信端末本体を厚くする必要がある。
【０００９】
本発明は、上記事情に鑑み、メモリカードがトレイ上に容易に固定され、メモリカードのカード型通信端末への挿抜の操作が容易な構造を持ったカード型通信端末を提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のカード型通信端末は、
メモリカードが載置され、そのメモリカードを載せた状態で引出し自在にスライド挿入されるトレイと、
上記トレイのスライド挿入を案内するとともに挿入されてきたトレイを収容するガイドとを備え、
メモリカードをトレイに載せてトレイをガイドにスライド挿入する操作によりメモリカードが搭載されるカード型通信端末において、
上記トレイが、トレイに載置されるメモリカードの、トレイの挿入方向前端中央部をトレイに固定する保持部を備えたことを特徴とする。
【００１１】
本発明のカード型通信端末は、トレイに載置されるメモリカードをトレイに固定する保持部を、トレイをカード型通信端末に挿入する挿入方向前端に備えたため、メモリカードをトレイに載置するにあたっては、メモリカードの前端をその保持部にあてがってそのままメモリカードを上からトレイ上に載置すればよく、メモリカードをトレイ上に容易に載置することができる。また、トレイ上に載置されたメモリカードはその保持部によりトレイ上に固定されるため、メモリカードを載置した状態のトレイをカード型通信端末に容易に挿入することができる。
【００１２】
ここで、上記本発明のカード型通信端末において、上記トレイが、トレイに載置されるメモリカードの、トレイの挿入方向後端中央部をトレイに固定する弾性係止片を備えることが好ましい。
【００１３】
メモリカードをトレイに載置するにあたり、上記のとおり、メモリカード前端を保持部にあてがってメモリカード後端をトレイ上に下ろす。このとき、そのメモリカード後端に対応する位置に弾性係止片が設けられているため、メモリカードがトレイ上に載置された段階ではその弾性係止片がそのメモリカード後端で弾性的に少し変形しメモリカードがトレイ上に載置された段階ではその弾性係止片がメモリカード後端を係止し、これにより、メモリカードが容易に、かつ一層強固にトレイ上に固定される。
【００１４】
また、この場合に、上記ガイドを覆う金属カバーを備え、上記ガイドが、その金属カバーの縁よりも食み出してトレイ挿入口を画定する、トレイの挿入方向に直交する幅方向両側からその幅方向中央に向かって、相互間に、上記保持部が通過し上記弾性係止片が入り込むだけの間隔を空けて、片持ち梁形状に延在した一対のガード部を備えたものであることが好ましい。
【００１５】
カード型通信端末には、ノイズ防止等の観点から金属カバーが用いられている。上記のガード部を備えると、その金属カバーによりメモリカードやトレイが傷つくのが防止される。また、そのガード部は、中央に上記の保持部や弾性係止片が通過できるだけの間隔を空けてあるので、その分、カード型通信端末全体を薄型に構成することができる。
【００１６】
また、上記本発明のカード型通信端末において、上記トレイのガイドへの上下を逆にした誤挿入を防止する誤挿入防止機構を備えることが好ましい。この誤挿入防止機構は、トレイとガイドとのうちの一方に設けられた凸形状と、他方に設けられたその凸形状に嵌合する凹形状とで構成することができる。
【００１７】
また、上記本発明のカード型通信端末において、上記ガイドから引き出されたトレイの、ガイドからの抜き取りを防止する抜け止め機構を備えることも好ましい。この抜け止め機構は、例えば、トレイとガイドとのうちの一方に設けられた凸形状と、他方に設けられた、トレイの挿入方向に延び上記凸形状がスライド自在に嵌入してトレイをガイドから引き出したときにその凸形状が当接する端壁を有する凹形状とから構成することができる。
【００１８】
さらに上記本発明のカード型通信端末において、上記トレイが、トレイがガイドに挿入された状態で係止されるトレイ側係止部を備え、上記ガイドが、ガイドに挿入された状態のトレイの上記トレイ側係止部に係止するガイド側係止部を有し操作端を露出させその操作端の操作に応じてガイド側係止部のトレイ側係止部との係止を解除する操作レバーを備えることも好ましい形態である。この場合、例えば、上記トレイ側係止部を、トレイの外側壁に形成された凹形状として構成し、上記ガイド側係止部は、ガイドに挿入された状態にあるトレイの上記凹形状に対応する位置に形成されてその凹形状に嵌入する凸形状として構成することができる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【００２０】
図１は、本発明の一実施形態のカード型通信端末の本発明に関する特徴部分を示す斜視図である。
【００２１】
ここには、トレイ１００とガイド２００とを備えたカード型通信端末１０と、そのカード型通信端末に搭載されるメモリカード２０が示されている。
【００２２】
メモリカード２０をカード型通信端末１０に搭載するにあたっては、メモリカード２０がトレイ１００に載置され（矢印Ａ）、そのメモリカード２０を載置した状態のトレイ１００が、ガイド２００に矢印Ｂ方向にスライド挿入される。
【００２３】
図２は、カード型通信端末の外観斜視図（メモリカード挿入口側）、図３は、同じカード型通信端末の図２に示す面に対する裏面を示す外観斜視図である。
【００２４】
また、図４，図５，図６は、それぞれ、カード型通信端末本体にトレイが完全に挿入されている状態、途中まで引き出されている状態、および完全に引き抜かれた状態を示す斜視図、図７，図８，図９は、カード型通信端末本体の金属カバーを取り外してその本体内部のガイドを示した、やはり図４〜図６と同様の、それぞれ、カード型通信端末本体にトレイが完全に挿入されている状態、途中まで引き出されている状態、および完全に引き抜かれた状態を示す斜視図である。
【００２５】
以下では、図１とともにこれらの図２〜図９を合わせて参照しながら説明を続ける。
【００２６】
トレイ１００には、メモリカード２０の外形に合わせた窪み部分１０１が形成されており、その一部に、メモリカード２０が通り抜けることのない寸法の開口１０２が形成されている。メモリカード２０は、トレイ１００の、この窪み部分１０１に嵌め込まれるようにして、トレイ１００上に載置される。また、トレイ１００には、その窪み部分１０１の、トレイ挿入方向（図１の矢印Ｂ方向）前端中央部に、保持部１０３が設けられている。この保持部１０３は、トレイ１００の窪み部分１０１に載置されるメモリカード２０の挿入方向前端中央部を上から押さえ、そのメモリカード２０をトレイ１００に固定する機能を有する。
【００２７】
また、そのトレイ１００の窪み部分１０１の挿入方向後端部には、弾性係止片１０４が設けられている。この弾性係止片にはテーパ部１０４ａが形成されており、メモリカード２０の後端がそのテーパ部１０４ａの上に載るとその弾性係止片が下方に弾性的に撓みながらメモリカード２０を前方に誘導し、その撓みにより弾性係止片１０４とメモリカード２０との重なりが外れ、メモリカード２０が窪み部分１０１に嵌め込まれると同時にその弾性係止片１０４が撓み分だけ元の形状に戻り、窪み部分１０１に嵌め込まれたメモリカード２０の後端中央部を下から押える機能を有する。
【００２８】
したがってメモリカード２０をトレイ１００に載置するにあたっては、先ずメモリカード２０の挿入方向前方を下げ、そのメモリカード２０を挿入方向前方にスライドさせるようにしてその前端縁を保持部１０３の下に潜り込ませて窪み部分１０１の前端に押し当てる。
【００２９】
次いで、そのメモリカード２０の後ろ側を上から下げていき、窪み部分１０１に載置する。このメモリカード２０の後ろ側を上から下げていくと、その途中で、そのメモリカード２０の後端縁中央部が弾性係止片１０４のテーパ部１０４ａの上に載るが、少し力を加えてそのまま押し下げる。こうすることにより上記のように弾性係止片１０４が下方に少し撓んでメモリカード２０の通路を開け、メモリカード２０は窪み部分１０１に嵌め込まれるように載置されるとともにそのメモリカード２０の後端中央部が弾性係止片１０４により上から保持される。
【００３０】
このようにして、この実施形態では、トレイ１００上に載置されたメモリカード２０は、保持部１０３と弾性係止片１０４とにより、挿入方向前端と後端が保持される。
【００３１】
メモリカード２０はトレイ１００に載置するに当たって挿入方向前方を下げ挿入方向にスライドさせるようにしてトレイ１００上に載置される。この載置の操作方向はトレイをカード型通信端末本体に挿入するときの挿入方向と同一の方向であり、感覚的に分かりやすく操作性が良い。
【００３２】
トレイ１００に載置されているメモリカード２０をトレイ１００から取り外すには、開口１０２の裏側からメモリカード２０を押す。すると、そのメモリカード２０やトレイ１００のわずかな撓みによりメモリカード２０をトレイ１００から取り外すことができる。
【００３３】
トレイ１００には、さらに、そのトレイ１００がガイド２００にスライド挿入されたときにガイド２００の挿入口２０１の入口を塞ぐ蓋部１０５が形成され、さらに、トレイ１００をガイド２００にスライド挿入したときのガイド２００の挿入口２０１の外側に位置する、トレイ１００をガイド２００から引き出すときに爪を掛ける爪掛り凹部１０６が形成されている。
【００３４】
さらに、トレイ１００の両側面には、係合凹部１０７（図１では片側のみ図示されている）が形成されている。この係合凹部１０７は、このトレイ１００がガイド２００にスライド挿入されたときに、ガイド２００の、この係合凹部１０７に対応した位置に設けられた係合凸部２０５（図１ではトレイ１００の片側のみ示す係合凹部１０７とは反対側の片側のみ図示されている。）に係合して、トレイ１００がガイド２００に完全に挿入されたタイミングでのクリック感を与えるとともに、爪掛り部１０６に爪を掛けて引き出すという意図的な引き出し以外に不容易に抜け出ることのないように構成されている。
【００３５】
一方、ガイド２００は、トレイ１００のスライド挿入を案内するとともに挿入されてきたトレイ１００を収容する機能を有する。
【００３６】
ガイド２００には、挿入口２０１からスライド挿入されてきたトレイ１００を収容する収容部２０２が設けられており、その収容部２０２の下面には、その収容部２０２に収容された状態のトレイ１００の開口１０２と同じ位置に開口２０３が形成されている。この開口２０３からは、図示しない電気信号伝達用の弾性接片が入り込んでいる。メモリカード２０裏面にはその弾性接片に対応する位置にメモリカード２０の接点が設けられており、そのメモリカード２０がトレイ１００に載置されてそのトレイ１００とともにガイド２００にスライド挿入されると、そのメモリカード２０の接点が開口２０３から入り込んでいる弾性接片に電気的に接続され、カード型通信端末本体からメモリカード２０がアクセスされる。
【００３７】
また、このガイド２００には、このガイド２００にスライド挿入されたトレイ１００の両脇を上から押さえてガイド１００の浮き上がりを防止する一対の押え部２０４が形成されており、この押え部２０４によりメモリカード裏面の接点と図示しない弾性接片との接続を確実にしている。
【００３８】
さらに、ガイド２００の側面には、収容部２０２内に突出した係合凸部２０５が設けられている。この係合凸部２０５は、前述したように、ガイド２００にスライド挿入されたトレイ１００の係合凹部１０７に嵌入し、完全に挿入されたときのクリック感をあたえるとともにトレイ１００のガイド２００からの不容易な抜け出しを防止している。
【００３９】
さらに、ガイド２００の挿入口２０１には、その挿入口２０１を画定する一対のガード部２０６が形成されている。これら一対のガード部２０６は、ガイド２００の、トレイ１００の挿入方向に直交する幅方向両側からその幅方向中央に向かって片持ち梁形状に延在しており、それらの相互間には、トレイ１００の保持部１０３が通過し弾性係止片１０４が入り込むだけの間隔が空けられている。
【００４０】
これら一対のガード部２０６は、図５等に示されているように、ガイド部２００を覆うカード型通信端末本体の金属カバー３０１の縁３０１ａよりも食み出してトレイ挿入口２０１を画定している。この金属カバー３０１はノイズ防止などの観点から用いられているものである。ガイド部２００に、上記のように一対のガード部２０６ａが金属カバー３０１の縁３０１ａよりも食み出して設けられているため、メモリカード２０やトレイ１００がその金属カバー３０１の縁３０１ａに当たって傷がつくのが防止される。
【００４１】
この中央部分の空きが形成されていない場合は、トレイ１００の保持部１０３や弾性係止片３０４がそのトレイ挿入口２０６を通過できるように、そのトレイ挿入口２０６の開口を上方向にさらに広げた形状にしておく必要があるが、一対のガード部２０６の中央が空けられているため、トレイの保持部１０３や弾性係止片１０４とガード部２０６との干渉を避けつつ、トレイ挿入口２０６の上下方向の寸法を狭めることができ、カード型通信端末１０の全体を薄型化することができる。
【００４２】
図１０は、トレイがスライド挿入された状態のガイドの平面図、図１１は図１０に示す矢印Ａ−Ａ′に沿う断面図である。
【００４３】
図１に示すように、トレイ１００には、その側面に挿入方向に延在する凸形状１０８が形成されており、一方ガイド部２００には、収容部２０２（図１参照）の側面に、挿入方向に延在しトレイ１００の凸形状１０８がスライド自在に嵌入する凹形状２０７が形成されている。
【００４４】
本実施形態では、トレイ１００の側面の凸形状１０８とガイド２００の収容部２０２の側面の凹形状２０７とにより、トレイ１００の、ガイド２００への上下を逆にした誤挿入を防止する誤挿入防止機構が構成されている。
【００４５】
以上で、本発明の第１実施形態のカード型通信端末の説明を終了し、以下では、本発明の第２実施形態以降の各実施形態について説明する。尚、以下では、上記の第１実施形態と共通する部分の図示および説明は省略し、上記の第１実施形態との相違点を端的に表わす図面のみを掲示し、その相違点のみについて説明する。また、上記の第１実施形態の各構成要素に対応する構成要素には、分かりやすさのために、多少の形状、構造等の相違にかかわらず第１実施形態の各図において付した符号と同一の符号を付して示す。
【００４６】
図１２は、本発明の第２実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドを示す平面図、図１３は、図１２に示す矢印Ｂ−Ｂ′に沿う断面図である。
【００４７】
図１３に示すように、トレイ１００には、その側面に挿入方向に延在する凹形状１１８が形成されており、一方ガイド部２００には、収容部２０２（図１参照）の側面に、挿入方向に延在しトレイ１００の凹形状１１８がスライド自在に嵌入する凸形状２１７が形成されている。
【００４８】
この第２実施形態では、トレイ１００の側面の凹形状１１８とガイド２００の収容部２０２の側面の凸形状２１７とにより、トレイ１００の、ガイド２００への上下を逆にした誤挿入を防止する誤挿入防止機構が構成されている。
【００４９】
このように、凹形状とその凹形状に嵌合する凸形状は、トレイとガイドのいずれにそれぞれ備えられていてもよい。
【００５０】
図１４は、本発明の第３実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドを示す平面図、図１５は、図１４に示す矢印Ｃ−Ｃ′に沿う断面図である。
【００５１】
図１４に示すように、トレイ１００には、挿入方向に延在する凹形状１２１が形成され、ガイド２００には、その凹形状１２１に嵌入する凸形状２２１が形成されている。この凸形状２２１は、挿入方向に延在した形状のものではなく、ガード部２０６から下方に突出した、例えば円柱形状のボス等である。トレイ１００をガイド２００から引き出すと、その引き出した最終に近いところでその凸形状２２１が凹形状１２１の挿入方向前端の壁１２１ａに当接し、トレイ１００がガイド２００からそれ以上引き抜くことができない状態となる。
【００５２】
図１０〜図１３を参照して説明したトレイの上下逆にしての誤挿入防止機構を設けることに代わり、この第３実施形態に示すような、トレイ１００がガイド２００から完全には引き抜くことができないようにする抜け止め防止機構を設けてもよい。
【００５３】
尚、この第３実施形態において、トレイ１００を最初にガイド２００に挿入するにあたっては、ガード部２０６を少し強く持ち上げて弾性変形させ、その状態でトレイ１００がガイド２００に挿入される。
【００５４】
図１６は、本発明の第４実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドの平面図、図１７は図１６に示す円Ｒの部分の拡大図である。
【００５５】
トレイ１００の外側壁には、図示のような、トレイ側係止部を構成する凹形状１３１が形成され、その凹形状１３１には、ガイド２００に設けられた操作レバー２３１の一部からなる、ガイド側係止部を構成する凸形状２３１ａが嵌入している。この凹形状１３１と凸形状２３１ａとの嵌合は、このままでは、トレイ１００をガイド２００から引き出そうとしても引き出すことができない程度の係止状態となっている。ここで、操作レバー２３１は、その先端の操作端２３１ｂがガイド挿入口２０１の横に、ガイド１００の爪掛り部凹部１０６とほぼ並ぶ位置まで突出しており、この操作端２３１ｂを、指または爪で、図１６の右側（矢印Ｃ方向）に動かすと、トレイ１００の凹形状１３１と操作レバー２３１の凸形状２３１ａとの係合が外れ、その状態で爪掛り凹部１０６に爪を掛けてトレイ１００をガイド２００から引き出すことができる。
【００５６】
このようなロック機構を設けると、トレイ１００の、ガイド２００からの不容易な抜け出しをほぼ確実に防止することができる。
【００５７】
以下、本発明の各種態様を付記する。
【００５８】
（付記１） メモリカードが載置され、該メモリカードを載せた状態で引出し自在にスライド挿入されるトレイと、
前記トレイのスライド挿入を案内するとともに挿入されてきたトレイを収容するガイドとを備え、
メモリカードを該トレイに載せて該トレイを該ガイドにスライド挿入する操作によりメモリカードが搭載されるカード型通信端末において、
前記トレイが、該トレイに載置されるメモリカードの、該トレイの挿入方向前端中央部を該トレイに固定する保持部を備えたことを特徴とするカード型通信端末。
【００５９】
（付記２） 前記トレイが、該トレイに載置されるメモリカードの、該トレイの挿入方向後端中央部を該トレイに固定する弾性係止片を備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６０】
（付記３） 前記ガイドを覆う金属カバーを備え、
前記ガイドが、前記金属カバーの縁よりも食み出して前記トレイ挿入口を画定する、該トレイの挿入方向に直交する幅方向両側から該幅方向中央に向かって、相互間に、前記保持部が通過し前記弾性係止片が入り込むだけの間隔を空けて、片持ち梁形状に延在した一対のガード部を備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６１】
（付記４） 前記トレイの前記ガイドへの上下を逆にした誤挿入を防止する誤挿入防止機構を備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６２】
（付記５） 前記誤挿入防止機構は、前記トレイと前記ガイドとのうちの一方に設けられた凸形状と、他方に設けられた、該凸形状に嵌合する凹形状とからなることを特徴とする付記４記載のカード型通信端末。
【００６３】
（付記６） 前記ガイドから引き出された前記トレイの該ガイドからの抜き取りを防止する抜け止め機構を備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６４】
（付記７） 前記抜け止め機構は、前記トレイと前記ガイドとのうちの一方に設けられた凸形状と、他方に設けられた、前記トレイの挿入方向に延び、前記凸形状がスライド自在に嵌入して前記トレイを前記ガイドから引き出したときに該凸形状が当接する端壁を有する凹形状とからなることを特徴とする付記６記載のカード型通信端末。
【００６５】
（付記８） 前記トレイが、該トレイが該ガイドに挿入された状態で係止されるトレイ側係止部を備え、
前記ガイドが、該ガイドに挿入された状態のトレイの前記トレイ側係止部に係止するガイド側係止部を有し操作端を露出させ該操作端の操作に応じて該ガイド側係止部の前記トレイ側係止部との係止を解除する操作レバーを備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６６】
（付記９） 前記トレイ側係止部は、トレイの外側壁に形成された凹形状であり、前記ガイド側係止部は、前記ガイドに挿入された状態にあるトレイの前記凹形状に対応する位置に形成されて該凹形状に嵌入する凸形状であることを特徴とする付記８記載のカード型通信端末。
【００６７】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、メモリカードをトレイ上に容易に固定し、そのメモリカードを、カード型通信端末に容易にスライド挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態のカード型通信端末の、本発明に関する特徴部分を示す斜視図である。
【図２】カード型通信端末の外観斜視図（メモリカード挿入口側）である。
【図３】同じカード型通信端末の図２に示す面に対する裏面を示す外観斜視図である。
【図４】カード型通信端末本体にトレイが完全に挿入されている状態を示す斜視図である。
【図５】カード型通信端末本体にトレイが途中まで引き出されている状態を示す斜視図である。
【図６】カード型通信端末本体からトレイが完全に引き抜かれた状態を示す斜視図である。
【図７】カード型通信端末本体の金属カバーを取り外してその本体内部のガイドを示す図である。
【図８】カード型通信端末本体の金属カバーを取り外してその本体内部のガイドを示す図である。
【図９】カード型通信端末本体の金属カバーを取り外してその本体内部のガイドを示す図である。
【図１０】トレイがスライド挿入された状態のガイドの平面図である。
【図１１】図１０に示す矢印Ａ−Ａ′に沿う断面図である。
【図１２】本発明の第２実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドを示す平面図である。
【図１３】図１２に示す矢印Ｂ−Ｂ′に沿う断面図である。
【図１４】本発明の第３実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドを示す平面図である。
【図１５】図１４に示す矢印Ｃ−Ｃ′に沿う断面図である。
【図１６】本発明の第４実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドの平面図である。
【図１７】図１６に示す円Ｒの部分の拡大図である。
【符号の説明】
１０ カード型通信端末
２０ メモリカード
１００ トレイ
１０１ 窪み部分
１０２ 開口
１０３ 保持部
１０４ 弾性係止片
１０４ａ テーパ部
１０５ 蓋部
１０６ 凹部
１０７ 係合凹部
１０８ 凸形状
１１８ 凹形状
１２１ 凹形状
１３１ 凹形状
２００ ガイド
２０１ 挿入口
２０２ 収容部
２０３ 開口
２０４ 押え部
２０５ 係合凸部
２０６ 一対のガード部
２０７ 凹形状
２１７ 凸形状
２２１ 凸形状
２３１ 操作レバー
２３１ａ 凸形状
２３１ｂ 操作端
【発明の属する技術分野】
本発明は、ＵＳＩＭカード等のメモリカードが搭載される、例えばＰＣカード等のカード型通信端末に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、ＰＣカード等、無線通信機能を備えたカード型通信端末が使われている。例えばＰＣカードを例に挙げて説明すると、このＰＣカードは、インターネットをアクセスする無通信機能を備えたもので、ノート型パーソナルコンピュータ等のスロットルに挿入されて使用される。このＰＣカードには、ＵＳＩＭカードと呼ばれるメモリカードが取出し自在に挿入され、インターネットアクセスに関する個人的な情報が記憶される。
【０００３】
従来、メモリカードが装着されるカード型通信端末として、メモリカードをトレイの上に載せ、メモリカードを載せたトレイをカード型通信端末本体の挿入口から挿入するタイプのカード型通信端末が存在する。
【０００４】
しかし、このタイプのカード型通信端末の場合、メモリカードはトレイの上に単に載置されるだけであってトレイには固定されず、トレイを挿入しようとしているときにそのトレイからメモリカードが容易に落下したり位置がずれてしまい、正しい挿入に手間取る場合がある。
【０００５】
また、従来の別のタイプのカード型通信端末としてメモリカードのみを直接にカード型通信端末本体の挿入口から挿入するタイプのものも知られている。この場合、メモリカードは小さくかつ薄いためメモリカード挿抜の操作性が悪く、また、このカード型通信端末は、その挿入口に、そのカード型通信端末を構成する金属カバーの鋭利部分が露出しており、メモリカード挿入時にメモリカードを傷つけるおそれもある。
【０００６】
これらのタイプのカード型通信端末の、メモリカード挿抜に伴う問題点を解消するために、メモリカードをトレイに載せてそのトレイをカード型通信端末本体に挿入する構成とし、さらに、メモリカードをトレイに載せた際にそのメモリカードをトレイ上に固定する構成とすることが提案されている（特許文献１参照）。
【０００７】
【特許文献１】
特開昭１０−１５４２１０号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その特許文献１にて提案された、メモリカードをトレイ上に固定する構造は、トレイの挿入方向両側から中央に向かって突起したフックを設けた構造であるため、メモリカードをトレイに載せるに当っては、トレイの挿入方向とは異なる横方向から載せることになり、操作性が悪いという問題がある。また、この特許文献１に開示された技術は、カード型通信端末本体の挿入口はそのフックの厚み分だけ上に広く開口しており、その分カード型通信端末本体を厚くする必要がある。
【０００９】
本発明は、上記事情に鑑み、メモリカードがトレイ上に容易に固定され、メモリカードのカード型通信端末への挿抜の操作が容易な構造を持ったカード型通信端末を提供することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のカード型通信端末は、
メモリカードが載置され、そのメモリカードを載せた状態で引出し自在にスライド挿入されるトレイと、
上記トレイのスライド挿入を案内するとともに挿入されてきたトレイを収容するガイドとを備え、
メモリカードをトレイに載せてトレイをガイドにスライド挿入する操作によりメモリカードが搭載されるカード型通信端末において、
上記トレイが、トレイに載置されるメモリカードの、トレイの挿入方向前端中央部をトレイに固定する保持部を備えたことを特徴とする。
【００１１】
本発明のカード型通信端末は、トレイに載置されるメモリカードをトレイに固定する保持部を、トレイをカード型通信端末に挿入する挿入方向前端に備えたため、メモリカードをトレイに載置するにあたっては、メモリカードの前端をその保持部にあてがってそのままメモリカードを上からトレイ上に載置すればよく、メモリカードをトレイ上に容易に載置することができる。また、トレイ上に載置されたメモリカードはその保持部によりトレイ上に固定されるため、メモリカードを載置した状態のトレイをカード型通信端末に容易に挿入することができる。
【００１２】
ここで、上記本発明のカード型通信端末において、上記トレイが、トレイに載置されるメモリカードの、トレイの挿入方向後端中央部をトレイに固定する弾性係止片を備えることが好ましい。
【００１３】
メモリカードをトレイに載置するにあたり、上記のとおり、メモリカード前端を保持部にあてがってメモリカード後端をトレイ上に下ろす。このとき、そのメモリカード後端に対応する位置に弾性係止片が設けられているため、メモリカードがトレイ上に載置された段階ではその弾性係止片がそのメモリカード後端で弾性的に少し変形しメモリカードがトレイ上に載置された段階ではその弾性係止片がメモリカード後端を係止し、これにより、メモリカードが容易に、かつ一層強固にトレイ上に固定される。
【００１４】
また、この場合に、上記ガイドを覆う金属カバーを備え、上記ガイドが、その金属カバーの縁よりも食み出してトレイ挿入口を画定する、トレイの挿入方向に直交する幅方向両側からその幅方向中央に向かって、相互間に、上記保持部が通過し上記弾性係止片が入り込むだけの間隔を空けて、片持ち梁形状に延在した一対のガード部を備えたものであることが好ましい。
【００１５】
カード型通信端末には、ノイズ防止等の観点から金属カバーが用いられている。上記のガード部を備えると、その金属カバーによりメモリカードやトレイが傷つくのが防止される。また、そのガード部は、中央に上記の保持部や弾性係止片が通過できるだけの間隔を空けてあるので、その分、カード型通信端末全体を薄型に構成することができる。
【００１６】
また、上記本発明のカード型通信端末において、上記トレイのガイドへの上下を逆にした誤挿入を防止する誤挿入防止機構を備えることが好ましい。この誤挿入防止機構は、トレイとガイドとのうちの一方に設けられた凸形状と、他方に設けられたその凸形状に嵌合する凹形状とで構成することができる。
【００１７】
また、上記本発明のカード型通信端末において、上記ガイドから引き出されたトレイの、ガイドからの抜き取りを防止する抜け止め機構を備えることも好ましい。この抜け止め機構は、例えば、トレイとガイドとのうちの一方に設けられた凸形状と、他方に設けられた、トレイの挿入方向に延び上記凸形状がスライド自在に嵌入してトレイをガイドから引き出したときにその凸形状が当接する端壁を有する凹形状とから構成することができる。
【００１８】
さらに上記本発明のカード型通信端末において、上記トレイが、トレイがガイドに挿入された状態で係止されるトレイ側係止部を備え、上記ガイドが、ガイドに挿入された状態のトレイの上記トレイ側係止部に係止するガイド側係止部を有し操作端を露出させその操作端の操作に応じてガイド側係止部のトレイ側係止部との係止を解除する操作レバーを備えることも好ましい形態である。この場合、例えば、上記トレイ側係止部を、トレイの外側壁に形成された凹形状として構成し、上記ガイド側係止部は、ガイドに挿入された状態にあるトレイの上記凹形状に対応する位置に形成されてその凹形状に嵌入する凸形状として構成することができる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【００２０】
図１は、本発明の一実施形態のカード型通信端末の本発明に関する特徴部分を示す斜視図である。
【００２１】
ここには、トレイ１００とガイド２００とを備えたカード型通信端末１０と、そのカード型通信端末に搭載されるメモリカード２０が示されている。
【００２２】
メモリカード２０をカード型通信端末１０に搭載するにあたっては、メモリカード２０がトレイ１００に載置され（矢印Ａ）、そのメモリカード２０を載置した状態のトレイ１００が、ガイド２００に矢印Ｂ方向にスライド挿入される。
【００２３】
図２は、カード型通信端末の外観斜視図（メモリカード挿入口側）、図３は、同じカード型通信端末の図２に示す面に対する裏面を示す外観斜視図である。
【００２４】
また、図４，図５，図６は、それぞれ、カード型通信端末本体にトレイが完全に挿入されている状態、途中まで引き出されている状態、および完全に引き抜かれた状態を示す斜視図、図７，図８，図９は、カード型通信端末本体の金属カバーを取り外してその本体内部のガイドを示した、やはり図４〜図６と同様の、それぞれ、カード型通信端末本体にトレイが完全に挿入されている状態、途中まで引き出されている状態、および完全に引き抜かれた状態を示す斜視図である。
【００２５】
以下では、図１とともにこれらの図２〜図９を合わせて参照しながら説明を続ける。
【００２６】
トレイ１００には、メモリカード２０の外形に合わせた窪み部分１０１が形成されており、その一部に、メモリカード２０が通り抜けることのない寸法の開口１０２が形成されている。メモリカード２０は、トレイ１００の、この窪み部分１０１に嵌め込まれるようにして、トレイ１００上に載置される。また、トレイ１００には、その窪み部分１０１の、トレイ挿入方向（図１の矢印Ｂ方向）前端中央部に、保持部１０３が設けられている。この保持部１０３は、トレイ１００の窪み部分１０１に載置されるメモリカード２０の挿入方向前端中央部を上から押さえ、そのメモリカード２０をトレイ１００に固定する機能を有する。
【００２７】
また、そのトレイ１００の窪み部分１０１の挿入方向後端部には、弾性係止片１０４が設けられている。この弾性係止片にはテーパ部１０４ａが形成されており、メモリカード２０の後端がそのテーパ部１０４ａの上に載るとその弾性係止片が下方に弾性的に撓みながらメモリカード２０を前方に誘導し、その撓みにより弾性係止片１０４とメモリカード２０との重なりが外れ、メモリカード２０が窪み部分１０１に嵌め込まれると同時にその弾性係止片１０４が撓み分だけ元の形状に戻り、窪み部分１０１に嵌め込まれたメモリカード２０の後端中央部を下から押える機能を有する。
【００２８】
したがってメモリカード２０をトレイ１００に載置するにあたっては、先ずメモリカード２０の挿入方向前方を下げ、そのメモリカード２０を挿入方向前方にスライドさせるようにしてその前端縁を保持部１０３の下に潜り込ませて窪み部分１０１の前端に押し当てる。
【００２９】
次いで、そのメモリカード２０の後ろ側を上から下げていき、窪み部分１０１に載置する。このメモリカード２０の後ろ側を上から下げていくと、その途中で、そのメモリカード２０の後端縁中央部が弾性係止片１０４のテーパ部１０４ａの上に載るが、少し力を加えてそのまま押し下げる。こうすることにより上記のように弾性係止片１０４が下方に少し撓んでメモリカード２０の通路を開け、メモリカード２０は窪み部分１０１に嵌め込まれるように載置されるとともにそのメモリカード２０の後端中央部が弾性係止片１０４により上から保持される。
【００３０】
このようにして、この実施形態では、トレイ１００上に載置されたメモリカード２０は、保持部１０３と弾性係止片１０４とにより、挿入方向前端と後端が保持される。
【００３１】
メモリカード２０はトレイ１００に載置するに当たって挿入方向前方を下げ挿入方向にスライドさせるようにしてトレイ１００上に載置される。この載置の操作方向はトレイをカード型通信端末本体に挿入するときの挿入方向と同一の方向であり、感覚的に分かりやすく操作性が良い。
【００３２】
トレイ１００に載置されているメモリカード２０をトレイ１００から取り外すには、開口１０２の裏側からメモリカード２０を押す。すると、そのメモリカード２０やトレイ１００のわずかな撓みによりメモリカード２０をトレイ１００から取り外すことができる。
【００３３】
トレイ１００には、さらに、そのトレイ１００がガイド２００にスライド挿入されたときにガイド２００の挿入口２０１の入口を塞ぐ蓋部１０５が形成され、さらに、トレイ１００をガイド２００にスライド挿入したときのガイド２００の挿入口２０１の外側に位置する、トレイ１００をガイド２００から引き出すときに爪を掛ける爪掛り凹部１０６が形成されている。
【００３４】
さらに、トレイ１００の両側面には、係合凹部１０７（図１では片側のみ図示されている）が形成されている。この係合凹部１０７は、このトレイ１００がガイド２００にスライド挿入されたときに、ガイド２００の、この係合凹部１０７に対応した位置に設けられた係合凸部２０５（図１ではトレイ１００の片側のみ示す係合凹部１０７とは反対側の片側のみ図示されている。）に係合して、トレイ１００がガイド２００に完全に挿入されたタイミングでのクリック感を与えるとともに、爪掛り部１０６に爪を掛けて引き出すという意図的な引き出し以外に不容易に抜け出ることのないように構成されている。
【００３５】
一方、ガイド２００は、トレイ１００のスライド挿入を案内するとともに挿入されてきたトレイ１００を収容する機能を有する。
【００３６】
ガイド２００には、挿入口２０１からスライド挿入されてきたトレイ１００を収容する収容部２０２が設けられており、その収容部２０２の下面には、その収容部２０２に収容された状態のトレイ１００の開口１０２と同じ位置に開口２０３が形成されている。この開口２０３からは、図示しない電気信号伝達用の弾性接片が入り込んでいる。メモリカード２０裏面にはその弾性接片に対応する位置にメモリカード２０の接点が設けられており、そのメモリカード２０がトレイ１００に載置されてそのトレイ１００とともにガイド２００にスライド挿入されると、そのメモリカード２０の接点が開口２０３から入り込んでいる弾性接片に電気的に接続され、カード型通信端末本体からメモリカード２０がアクセスされる。
【００３７】
また、このガイド２００には、このガイド２００にスライド挿入されたトレイ１００の両脇を上から押さえてガイド１００の浮き上がりを防止する一対の押え部２０４が形成されており、この押え部２０４によりメモリカード裏面の接点と図示しない弾性接片との接続を確実にしている。
【００３８】
さらに、ガイド２００の側面には、収容部２０２内に突出した係合凸部２０５が設けられている。この係合凸部２０５は、前述したように、ガイド２００にスライド挿入されたトレイ１００の係合凹部１０７に嵌入し、完全に挿入されたときのクリック感をあたえるとともにトレイ１００のガイド２００からの不容易な抜け出しを防止している。
【００３９】
さらに、ガイド２００の挿入口２０１には、その挿入口２０１を画定する一対のガード部２０６が形成されている。これら一対のガード部２０６は、ガイド２００の、トレイ１００の挿入方向に直交する幅方向両側からその幅方向中央に向かって片持ち梁形状に延在しており、それらの相互間には、トレイ１００の保持部１０３が通過し弾性係止片１０４が入り込むだけの間隔が空けられている。
【００４０】
これら一対のガード部２０６は、図５等に示されているように、ガイド部２００を覆うカード型通信端末本体の金属カバー３０１の縁３０１ａよりも食み出してトレイ挿入口２０１を画定している。この金属カバー３０１はノイズ防止などの観点から用いられているものである。ガイド部２００に、上記のように一対のガード部２０６ａが金属カバー３０１の縁３０１ａよりも食み出して設けられているため、メモリカード２０やトレイ１００がその金属カバー３０１の縁３０１ａに当たって傷がつくのが防止される。
【００４１】
この中央部分の空きが形成されていない場合は、トレイ１００の保持部１０３や弾性係止片３０４がそのトレイ挿入口２０６を通過できるように、そのトレイ挿入口２０６の開口を上方向にさらに広げた形状にしておく必要があるが、一対のガード部２０６の中央が空けられているため、トレイの保持部１０３や弾性係止片１０４とガード部２０６との干渉を避けつつ、トレイ挿入口２０６の上下方向の寸法を狭めることができ、カード型通信端末１０の全体を薄型化することができる。
【００４２】
図１０は、トレイがスライド挿入された状態のガイドの平面図、図１１は図１０に示す矢印Ａ−Ａ′に沿う断面図である。
【００４３】
図１に示すように、トレイ１００には、その側面に挿入方向に延在する凸形状１０８が形成されており、一方ガイド部２００には、収容部２０２（図１参照）の側面に、挿入方向に延在しトレイ１００の凸形状１０８がスライド自在に嵌入する凹形状２０７が形成されている。
【００４４】
本実施形態では、トレイ１００の側面の凸形状１０８とガイド２００の収容部２０２の側面の凹形状２０７とにより、トレイ１００の、ガイド２００への上下を逆にした誤挿入を防止する誤挿入防止機構が構成されている。
【００４５】
以上で、本発明の第１実施形態のカード型通信端末の説明を終了し、以下では、本発明の第２実施形態以降の各実施形態について説明する。尚、以下では、上記の第１実施形態と共通する部分の図示および説明は省略し、上記の第１実施形態との相違点を端的に表わす図面のみを掲示し、その相違点のみについて説明する。また、上記の第１実施形態の各構成要素に対応する構成要素には、分かりやすさのために、多少の形状、構造等の相違にかかわらず第１実施形態の各図において付した符号と同一の符号を付して示す。
【００４６】
図１２は、本発明の第２実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドを示す平面図、図１３は、図１２に示す矢印Ｂ−Ｂ′に沿う断面図である。
【００４７】
図１３に示すように、トレイ１００には、その側面に挿入方向に延在する凹形状１１８が形成されており、一方ガイド部２００には、収容部２０２（図１参照）の側面に、挿入方向に延在しトレイ１００の凹形状１１８がスライド自在に嵌入する凸形状２１７が形成されている。
【００４８】
この第２実施形態では、トレイ１００の側面の凹形状１１８とガイド２００の収容部２０２の側面の凸形状２１７とにより、トレイ１００の、ガイド２００への上下を逆にした誤挿入を防止する誤挿入防止機構が構成されている。
【００４９】
このように、凹形状とその凹形状に嵌合する凸形状は、トレイとガイドのいずれにそれぞれ備えられていてもよい。
【００５０】
図１４は、本発明の第３実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドを示す平面図、図１５は、図１４に示す矢印Ｃ−Ｃ′に沿う断面図である。
【００５１】
図１４に示すように、トレイ１００には、挿入方向に延在する凹形状１２１が形成され、ガイド２００には、その凹形状１２１に嵌入する凸形状２２１が形成されている。この凸形状２２１は、挿入方向に延在した形状のものではなく、ガード部２０６から下方に突出した、例えば円柱形状のボス等である。トレイ１００をガイド２００から引き出すと、その引き出した最終に近いところでその凸形状２２１が凹形状１２１の挿入方向前端の壁１２１ａに当接し、トレイ１００がガイド２００からそれ以上引き抜くことができない状態となる。
【００５２】
図１０〜図１３を参照して説明したトレイの上下逆にしての誤挿入防止機構を設けることに代わり、この第３実施形態に示すような、トレイ１００がガイド２００から完全には引き抜くことができないようにする抜け止め防止機構を設けてもよい。
【００５３】
尚、この第３実施形態において、トレイ１００を最初にガイド２００に挿入するにあたっては、ガード部２０６を少し強く持ち上げて弾性変形させ、その状態でトレイ１００がガイド２００に挿入される。
【００５４】
図１６は、本発明の第４実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドの平面図、図１７は図１６に示す円Ｒの部分の拡大図である。
【００５５】
トレイ１００の外側壁には、図示のような、トレイ側係止部を構成する凹形状１３１が形成され、その凹形状１３１には、ガイド２００に設けられた操作レバー２３１の一部からなる、ガイド側係止部を構成する凸形状２３１ａが嵌入している。この凹形状１３１と凸形状２３１ａとの嵌合は、このままでは、トレイ１００をガイド２００から引き出そうとしても引き出すことができない程度の係止状態となっている。ここで、操作レバー２３１は、その先端の操作端２３１ｂがガイド挿入口２０１の横に、ガイド１００の爪掛り部凹部１０６とほぼ並ぶ位置まで突出しており、この操作端２３１ｂを、指または爪で、図１６の右側（矢印Ｃ方向）に動かすと、トレイ１００の凹形状１３１と操作レバー２３１の凸形状２３１ａとの係合が外れ、その状態で爪掛り凹部１０６に爪を掛けてトレイ１００をガイド２００から引き出すことができる。
【００５６】
このようなロック機構を設けると、トレイ１００の、ガイド２００からの不容易な抜け出しをほぼ確実に防止することができる。
【００５７】
以下、本発明の各種態様を付記する。
【００５８】
（付記１） メモリカードが載置され、該メモリカードを載せた状態で引出し自在にスライド挿入されるトレイと、
前記トレイのスライド挿入を案内するとともに挿入されてきたトレイを収容するガイドとを備え、
メモリカードを該トレイに載せて該トレイを該ガイドにスライド挿入する操作によりメモリカードが搭載されるカード型通信端末において、
前記トレイが、該トレイに載置されるメモリカードの、該トレイの挿入方向前端中央部を該トレイに固定する保持部を備えたことを特徴とするカード型通信端末。
【００５９】
（付記２） 前記トレイが、該トレイに載置されるメモリカードの、該トレイの挿入方向後端中央部を該トレイに固定する弾性係止片を備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６０】
（付記３） 前記ガイドを覆う金属カバーを備え、
前記ガイドが、前記金属カバーの縁よりも食み出して前記トレイ挿入口を画定する、該トレイの挿入方向に直交する幅方向両側から該幅方向中央に向かって、相互間に、前記保持部が通過し前記弾性係止片が入り込むだけの間隔を空けて、片持ち梁形状に延在した一対のガード部を備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６１】
（付記４） 前記トレイの前記ガイドへの上下を逆にした誤挿入を防止する誤挿入防止機構を備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６２】
（付記５） 前記誤挿入防止機構は、前記トレイと前記ガイドとのうちの一方に設けられた凸形状と、他方に設けられた、該凸形状に嵌合する凹形状とからなることを特徴とする付記４記載のカード型通信端末。
【００６３】
（付記６） 前記ガイドから引き出された前記トレイの該ガイドからの抜き取りを防止する抜け止め機構を備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６４】
（付記７） 前記抜け止め機構は、前記トレイと前記ガイドとのうちの一方に設けられた凸形状と、他方に設けられた、前記トレイの挿入方向に延び、前記凸形状がスライド自在に嵌入して前記トレイを前記ガイドから引き出したときに該凸形状が当接する端壁を有する凹形状とからなることを特徴とする付記６記載のカード型通信端末。
【００６５】
（付記８） 前記トレイが、該トレイが該ガイドに挿入された状態で係止されるトレイ側係止部を備え、
前記ガイドが、該ガイドに挿入された状態のトレイの前記トレイ側係止部に係止するガイド側係止部を有し操作端を露出させ該操作端の操作に応じて該ガイド側係止部の前記トレイ側係止部との係止を解除する操作レバーを備えたことを特徴とする付記１記載のカード型通信端末。
【００６６】
（付記９） 前記トレイ側係止部は、トレイの外側壁に形成された凹形状であり、前記ガイド側係止部は、前記ガイドに挿入された状態にあるトレイの前記凹形状に対応する位置に形成されて該凹形状に嵌入する凸形状であることを特徴とする付記８記載のカード型通信端末。
【００６７】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、メモリカードをトレイ上に容易に固定し、そのメモリカードを、カード型通信端末に容易にスライド挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態のカード型通信端末の、本発明に関する特徴部分を示す斜視図である。
【図２】カード型通信端末の外観斜視図（メモリカード挿入口側）である。
【図３】同じカード型通信端末の図２に示す面に対する裏面を示す外観斜視図である。
【図４】カード型通信端末本体にトレイが完全に挿入されている状態を示す斜視図である。
【図５】カード型通信端末本体にトレイが途中まで引き出されている状態を示す斜視図である。
【図６】カード型通信端末本体からトレイが完全に引き抜かれた状態を示す斜視図である。
【図７】カード型通信端末本体の金属カバーを取り外してその本体内部のガイドを示す図である。
【図８】カード型通信端末本体の金属カバーを取り外してその本体内部のガイドを示す図である。
【図９】カード型通信端末本体の金属カバーを取り外してその本体内部のガイドを示す図である。
【図１０】トレイがスライド挿入された状態のガイドの平面図である。
【図１１】図１０に示す矢印Ａ−Ａ′に沿う断面図である。
【図１２】本発明の第２実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドを示す平面図である。
【図１３】図１２に示す矢印Ｂ−Ｂ′に沿う断面図である。
【図１４】本発明の第３実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドを示す平面図である。
【図１５】図１４に示す矢印Ｃ−Ｃ′に沿う断面図である。
【図１６】本発明の第４実施形態のカード型通信端末の、トレイが挿入された状態のガイドの平面図である。
【図１７】図１６に示す円Ｒの部分の拡大図である。
【符号の説明】
１０ カード型通信端末
２０ メモリカード
１００ トレイ
１０１ 窪み部分
１０２ 開口
１０３ 保持部
１０４ 弾性係止片
１０４ａ テーパ部
１０５ 蓋部
１０６ 凹部
１０７ 係合凹部
１０８ 凸形状
１１８ 凹形状
１２１ 凹形状
１３１ 凹形状
２００ ガイド
２０１ 挿入口
２０２ 収容部
２０３ 開口
２０４ 押え部
２０５ 係合凸部
２０６ 一対のガード部
２０７ 凹形状
２１７ 凸形状
２２１ 凸形状
２３１ 操作レバー
２３１ａ 凸形状
２３１ｂ 操作端
Claims (5)
- メモリカードが載置され、該メモリカードを載せた状態で引出し自在にスライド挿入されるトレイと、
前記トレイのスライド挿入を案内するとともに挿入されてきたトレイを収容するガイドとを備え、
メモリカードを該トレイに載せて該トレイを該ガイドにスライド挿入する操作によりメモリカードが搭載されるカード型通信端末において、
前記トレイが、該トレイに載置されるメモリカードの、該トレイの挿入方向前端中央部を該トレイに固定する保持部を備えたことを特徴とするカード型通信端末。 - 前記トレイが、該トレイに載置されるメモリカードの、該トレイの挿入方向後端中央部を該トレイに固定する弾性係止片を備えたことを特徴とする請求項１記載のカード型通信端末。
- 前記ガイドを覆う金属カバーを備え、
前記ガイドが、前記金属カバーの縁よりも食み出して前記トレイ挿入口を画定する、該トレイの挿入方向に直交する幅方向両側から該幅方向中央に向かって、相互間に、前記保持部が通過し前記弾性係止片が入り込むだけの間隔を空けて、片持ち梁形状に延在した一対のガード部を備えたことを特徴とする請求項１記載のカード型通信端末。 - 前記トレイの前記ガイドへの上下を逆にした誤挿入を防止する誤挿入防止機構を備えたことを特徴とする請求項１記載のカード型通信端末。
- 前記ガイドから引き出された前記トレイの該ガイドからの抜き取りを防止する抜け止め機構を備えたことを特徴とする請求項１記載のカード型通信端末。
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