JP2004302652A - 設置場所決定装置及び設置場所決定プログラム並びに設置場所決定方法、共用機器及びプリンタ - Google Patents
設置場所決定装置及び設置場所決定プログラム並びに設置場所決定方法、共用機器及びプリンタ Download PDFInfo
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Abstract
【課題】多数の利用者で共用される共用機器を設置するに際して、最適な設置場所が容易に得られる新規な設置場所決定装置及び方法・プログラム等の提供。
【解決手段】各利用者毎の座席位置と、共用機器Pの設置候補場所とをそれぞれ特定した後、それらの移動距離をそれぞれ算出し、その後、それら各移動距離と過去の各利用者毎の共用機器の利用回数とを乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を共用機器の設置場所として決定する。これによって、共用機器の最適な設置場所を容易に求めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】各利用者毎の座席位置と、共用機器Pの設置候補場所とをそれぞれ特定した後、それらの移動距離をそれぞれ算出し、その後、それら各移動距離と過去の各利用者毎の共用機器の利用回数とを乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を共用機器の設置場所として決定する。これによって、共用機器の最適な設置場所を容易に求めることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタや複写機等といったオフィスで多数の利用者に共用される機器の設置場所を決定するための設置場所決定システム及び設置場所決定プログラム並びに設置場所決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のオフィス環境等においては、一台あるいは数台のプリンタをLAN等の通信ネットワークで接続して複数の利用者で共用するような形態が一般的になってきている。
このような形態では、各プリンタはオフィス内の空きスペースや邪魔にならない場所に設置される場合が多いが、一般に各利用者の間でプリンタの利用頻度にばらつきがあり、頻繁にプリンタを使用するにも拘わらず、プリンタの設置場所が座席から遠いため、印刷物を取りに行く手間が掛かってしまい、業務効率の悪化を招いていることがある。
【0003】
従って、頻繁にプリンタを使用する利用者の近くにプリンタを移動し直すことが望ましいが、利用者が多数存在する場合には、各利用者の利用頻度を正確に把握するのは困難である。
このため、従来では、例えば以下の特許文献1等に示すように、利用者毎の印刷枚数をプリンタ内の記憶装置に保持することにより、利用者毎のプリンタ利用状況を把握する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−324074号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来方法を利用すれば、利用者毎のプリンタ利用状況を正確かつ容易に把握することが可能となるが、実際にプリンタを設置する場合、どの場所に設置すれば、最も効率的な環境が得られるかまでは把握することは困難である。
【0006】
すなわち、プリンタの利用者が多数存在する場合、単に最も利用頻度の多い利用者の近くにプリンタを移動してしまうと、その次に利用頻度の多い利用者からのプリンタまでの距離が極端に長くなったり、また、利用頻度の少ない利用者の近くに設置されてしまったりして、全体の事務効率がさらに悪化してしまうことが考えられる。
【0007】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、多数の利用者で共用される共用機器を設置するに際して、最適な設置場所を容易に求めることができる新規な設置場所決定装置及び設置場所決定プログラム並びに設置場所決定方法、共用機器及びプリンタを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔発明1〕
上記課題を解決するために発明1の設置場所決定装置は、
複数の利用者に共用される共用機器の設置場所を所定のエリア内で決定するための設置場所決定装置であって、
上記所定のエリア内における各利用者毎の座席位置を特定する利用者位置特定手段と、
上記所定のエリア内における共用機器の設置候補場所を特定する候補決定手段と、
所定期間内における上記各利用者毎の共用機器の利用回数を算出する利用回数算出手段と、
上記利用者位置特定手段で特定された各利用者の座席位置と上記候補決定手段で特定された各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する移動距離算出手段と、
この移動距離算出手段で算出された各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する設置場所選択手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
すなわち、利用者位置特定手段によって所定のエリア内における各利用者毎の座席位置を特定すると共に、候補決定手段によってそのエリア内における共用機器の設置候補場所を特定した後、移動距離算出手段によってこれら各利用者の座席位置と各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する。
その後、設置場所選択手段によって、各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する。
【0010】
これによって、従来困難であった、共用機器のエリア内における最適な設置場所を容易かつ的確に決定することが可能となり、事務・業務効率の向上に大きく貢献することができる。
〔発明2〕
発明2の設置場所決定装置は、発明1の設置場所決定装置において、共用機器がプリンタであることを特徴とするものである。
【0011】
これによって、共用機器として代表的なプリンタの最適な設置場所を容易かつ的確に決定することができる。
〔発明3〕
発明3の共用機器は、発明1の設置場所決定装置を組み込んだことを特徴とするものである。
【0012】
これによって、共用機器がその本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、入力装置や表示装置等といったその共用機器に備え付けの機能の一部を設置場所決定装置として利用することが可能となるため、製作コストの削減が可能となる。さらに、別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0013】
〔発明4〕
発明4のプリンタは、発明1の設置場所決定装置を組み込んだことを特徴とするものである。
これによって、発明3と同様に、共用機器として代表的なプリンタ自身が、その本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、製作コストの削減や、別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0014】
〔発明5〕
発明5の設置場所決定プログラムは、
コンピュータを、
所定のエリア内における各利用者毎の座席位置を特定する利用者位置特定手段と、
上記所定のエリア内における共用機器の設置候補場所を特定する候補決定手段と、
所定期間内における上記各利用者毎の共用機器の利用回数を算出する利用回数算出手段と、
上記利用者位置特定手段で特定された各利用者の座席位置と上記候補決定手段で特定された各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する移動距離算出手段と、
この移動距離算出手段で算出された各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求めると共に、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する設置場所選択手段として機能させることを特徴とするものである。
【0015】
これによって、発明1と同様な効果が得られると共に、汎用のパソコンや共用機器に本来から備わっているコンピュータシステムを利用してソフトウェア上で実現することができるため、専用のハードウェアや別個新たなコンピュータシステムを用いて実現する場合に比べて容易に実現することが可能となり、かつ優れた経済性を発揮することができる。
【0016】
〔発明6〕
発明6の設置場所決定プログラムは、発明5の設置場所決定プログラムにおいて、
上記共用機器がプリンタであることを特徴とするものである。
これによって、発明2と同様に共用機器として代表的なプリンタの最適な設置場所を容易かつ的確に決定することができると共に、多くのプリンタに本来から備わっているコンピュータシステムを利用してその機能を実現することができるため、発明5と同様に優れた経済性等を発揮することができる。
【0017】
〔発明7〕
発明7の共用機器は、発明5の設置場所決定プログラムによって動作するコンピュータを組み込んだことを特徴とするものである。
これによって、発明3と同様に、共用機器がその本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、製作コストの削減や別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0018】
〔発明8〕
発明8のプリンタは、発明5の設置場所決定プログラムによって動作するコンピュータを組み込んだことを特徴とするものである。
これによって、発明4と同様に、共用機器として代表的なプリンタ自身が、その本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、製作コストの削減や、別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0019】
〔発明9〕
発明9の設置場所決定方法は、
複数の利用者に共用される共用機器の設置場所を所定のエリア内で決定するための設置場所決定方法であって、
上記所定のエリア内における各利用者毎の座席位置と、そのエリア内における共用機器の設置候補場所とをそれぞれ特定した後、特定された各利用者の座席位置と各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出し、その後、それら各移動距離と過去の各利用者毎の共用機器の利用回数とを乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を共用機器の設置場所として決定することを特徴とするものである。
【0020】
これによって、発明1と同様に従来困難であった、共用機器のエリア内における最適な設置場所を容易かつ的確に決定することが可能となり、事務・業務効率の向上に大きく貢献することができる。
〔発明10〕
発明10の設置場所決定方法は、発明9に記載の設置場所決定方法において、
上記共用機器がプリンタであることを特徴とするものである。
【0021】
これによって、発明4と同様に、共用機器として代表的なプリンタ自身が、その本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、製作コストの削減や、別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明に係る共用機器の設置場所決定装置Sの実施の一形態を示したものである。
この設置場所決定装置Sは、プリンタP等の多数の利用者によって共用される共用機器P、及び各利用者個人で利用しているパソコン等の印刷指示端末T1、T2、T3…TNとLAN等のネットワークNを介して情報通信可能に接続されており、図示するように、その内部にはCPU10と、利用者位置特定部11と、候補決定部12と、利用回数算出部13と、移動距離算出部14と、設置場所選択部15と、データ入力部16と、表示部17と、記憶部18と、通信部19とが備えられた構造となっている。
【0023】
そして、これらCPU10、利用者位置特定部11、候補決定部12、利用回数算出部13、移動距離算出部14、設置場所選択部15、データ入力部16、表示部17、記憶部18、通信部19は、データバス20によって相互に情報通信可能となっている。
先ず、この利用者位置特定部11は、共用機器(プリンタ)Pを共用する各利用者が存在するエリア(オフィスなど)内における各利用者の位置(座席)を特定する機能を提供するものであり、例えば、そのエリアの地図データを縦横の細かいマス目に分割し、各利用者の座席に相当するマス目の位置を数値化等することで容易に特定することができる。
【0024】
候補決定部12は、このようにして各利用者の位置が特定されたエリア内において、実際に共用機器Pの設置候補場所となる位置を少なくとも2カ所以上特定する機能を提供するようになっており、上記利用者位置特定部11と同様に具体的な位置は相当するマス目の位置を数値化することで容易に特定することができる。
【0025】
ここで、共用機器Pの設置候補場所の決定方法としては、設置場所を決定するユーザ(ネットワーク管理者等)、すなわち、本発明装置Sを利用するユーザ自身がそのエリア内で任意に設定しても良いが、例えば、そのエリアが一般的なオフィスの場合にあっては、利用者の座席や机、棚、通路等といった場所は一般に共用機器Pの設置が不適当な場合が多いため、上記地図データに基づいてそれら以外の場所が設置候補場所として自動的に選択されるようなソフトウェアを用いて決定するようにしても良い。
【0026】
利用回数取得部13は、過去のある期間における各利用者毎の共用機器Pの利用回数に関するデータ、例えば、以下の表1に示すように、プリンタPのID((Printer1等)、プリンタIPアドレス(192.168.10.10等)、プリンタポート番号(80等)、ユーザID(Seiko等)、印刷枚数(10枚等)、日時(2002/12/17/16:20:30等)等のデータを取得・記憶する機能を提供するものである。
【0027】
【表1】
【0028】
ここで、その利用回数に関するデータの取得方法としては、本発明装置Sを利用する管理者自身がデータ入力部16等を用いて直接入力することで取得するようにしても良いが、図示するように本発明装置Sを共用機器Pに接続し、本発明装置SがそのネットワークNを介して共用機器Pから直接、あるいは各利用者が利用している印刷指示端末T、または図示しないプリンタサーバ等から自動的に取得するようにすれば、煩わしい手間が省けると同時に不用意な入力ミスを防止することが可能となる。尚、この利用回数算出部13は、過去の利用回数のみならず、共用機器Pを常時監視して将来の利用回数も算出し、必要に応じて取得・記憶可能となっている。
【0029】
移動距離算出部14は、上記利用者位置特定部11及び候補決定手段12でそれぞれ特定された各利用者の座席位置と各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する機能を提供するようになっている。例えば、共用機器Pの利用者がA、B、Cの三人であってその共用機器Pの設置候補場所がa、bの2カ所存在する場合には、それら全ての組み合わせである6種類(A⇔a、A⇔b、B⇔a、B⇔b、C⇔a、C⇔b)の移動距離がそれぞれ算出されることになる。
【0030】
設置場所選択部15は、この移動距離算出手段14で算出された各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段13で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する機能を提供するようになっており、その具体例は後に詳述する。
【0031】
そして、これら利用者位置特定部11、候補決定部12、利用回数算出部13、移動距離算出部14、設置場所選択部15の各機能は、CPU10や図示しない主記憶装置等からなるコンピュータシステム及びハードディスク装置等からなる記憶部18に記憶された各種制御プログラムによってソフトウェア上で実現されるようになっている。
【0032】
一方、データ入力部16は、本発明装置Sを利用する管理者等がエリアの地図データや各利用者の座席データ、あるいは利用回数データ等を入力するための機能を提供するものであり、例えば従来から広く用いられている入力装置である、キーボードやマウス、スキャナ、タッチパネル等からなっている。
また、表示部17は、地図データや設置場所選択結果等の表示や入出力インタフェースを提供するものであり、CRTや液晶ディスプレイ、LED等から構成されている。
【0033】
通信部19は、ネットワークNで接続された共用機器Pや印刷指示端末Tとの通信インタフェースを提供するものであり、上述したように、共用機器Pの利用回数に関するデータ等をネットワークNを介して取得する機能を発揮するようになっている。
次に、本発明装置Sの作用及び設置場所特定方法の一例を図2及び図3を参照しながら説明する。
【0034】
尚、図2のフローチャート図は、各種データの取得から具体的な設置場所を特定するまでの流れを示したものであり、図3は、ある設置エリアE内における利用者A、Bの座席位置と共用機器Pの設置候補場所a、bをそれぞれ示したものである。
先ず、図2に示すように、本発明装置Sを利用するユーザは、共用機器Pの設置を検討するエリアEの大きさや形状等の地図データを取得し、その地図データをデータ入力部16等によって装置S内に取り込む(ステップS100)。
【0035】
次に、ユーザは利用者A、Bの位置データと、共用機器Pの設置候補場所a、bの位置データとを取得し、これらをそのエリアEの該当する位置にそれぞれ順に入力する。
図3の例では、エリアEは横長の矩形状をしており、そのエリアEの右上付近に利用者Aの位置が、左上付近に利用者Bの位置が、右下付近に設置候補場所aの位置が、左下付近に設置候補場所bの位置がそれぞれ特定された状態を示したものである。
【0036】
また、これらの位置の特定方法としては、前述したようにそのエリアEを細かいマス目に分割すると共に、各マス目に番号を付すなどして特定することも可能であるが、エリアEの縦方向をX軸とし、横方向をY軸としてその好転座標でそれぞれの位置を特定するようにしても良い。
次に、このようにしてそのエリアE内における利用者A、Bの座席位置と、共用機器Pの設置候補場所a、bとが特定されたならは、移動距離算出部14によって、それら各組み合わせ毎の移動距離を算出する(ステップS106)と共に、利用者A、Bそれぞれの過去のある一定期間内における共用機器Pの利用回数を取得する(ステップS108)。
【0037】
図3の例では、利用者Aから設置候補場所a、bまでの移動距離はそれぞれ約3m、約12m、利用者Bから設置候補場所a、bまでの移動距離はそれぞれ約8m、約2mとなっており、利用者A、Bそれぞれの過去の共用機器Pの利用回数は、それぞれ10回及び50回であったとする。尚、これら各移動距離は、両者間の直線距離であっても良いが、実際の机や通路の配置等の関係によってそのエリアE内で利用者が実際に移動する経路の長さを用いることが好ましい。
【0038】
そして、このようにして各移動距離とそれぞれの利用回数が得られたならば、設置場所選択部15が、各移動距離に各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所a、b毎の総移動距離を求める(ステップS110)。
その後、このようにして各設置候補場所a、b毎の総移動距離が得られたならば、次の判断ステップS112において、それらの総移動距離を比較し、設置候補場所aへの総移動距離のほうが短い場合には、設置候補場所aが共用機器Pの設置場所として決定され(ステップS114)、反対に、設置候補場所bへの総移動距離のほうが短い場合には、設置候補場所bが共用機器Pの設置場所として最終的に決定されて(ステップS116)、処理が終了することになる。
【0039】
図3の例では、各利用者A、B各移動距離が約3m、約12m、約8m、約2mであり、過去の利用回数がそれぞれ10回、50回であったことから、
設置候補場所aに共用機器Pを設置した場合の各利用者A、Bの総移動距離は、
利用者A=10(回)×3(m)×2(往復)=60(m)
利用者B=50(回)×8(m)×2(往復)=800(m)
60(m)+800(m)=860mとなる。
【0040】
一方、設置候補場所bに共用機器Pを設置した場合の各利用者A、Bの総移動距離は、
利用者A=10(回)×12(m)×2(往復)=240(m)
利用者B=50(回)×2(m)×2(往復)=200(m)
240(m)+200(m)=440mとなる。
【0041】
従って、これらの総移動距離を比較すると、設置候補場所bへの総移動距離(440m)が、設置候補場所bへの総移動距離(860m)の約半分で済むことから図3のケースでは、設置候補場所bが共用機器Pの設置場所として決定されることになる。
このように本発明の設置場所決定装置S及び方法によれば、各利用者と各設置候補場所への距離と各利用者の利用回数を取得するだけで、従来困難であった、所定のエリア内における共用機器Pの最適な設置場所を容易かつ的確に決定し・共用機器Pを配置することができるため、事務・業務効率の向上に大きく貢献することが可能となる。
【0042】
尚、利用者の数や設置候補場所の数が増えた場合には、その分だけ同様の計算を繰り返すことで最も総移動距離が短い設置候補場所を容易に特定することができる。
また、上記のように最適な設置場所が決定し、その位置に共用機器Pを配置した後でも、本発明装置Sの利用回数算出部13によってその後も利用者毎の利用回数を常時取得しておけば、その後、各利用者の共用機器Pの利用回数が大きく変動した場合でも直ちに最適な設置場所を決定し直すことができる。
【0043】
また、上記実施の形態では本発明装置Sが独立した状態で存在した例で説明したが、この本発明装置Sは、予め上記共用機器Pや印刷指示端末T内等に一体的に組み込まれた状態で用いられるような形態であっても良く、さらにその共用機器Pや印刷指示端末Tに本来的に備わっているコンピュータシステムの機能の一部を利用してその機能を発揮するようにしても良い。さらにネットワークNで繋がれていなくて完全に独立した形態であっても良い。
【0044】
さらに、この共用機器Pとしては、多くの利用者に共用されるものであれば特に限定されるものでなく、上述したようなプリンタ以外に複写機、ファクシミリ、公衆電話等の情報通信機器、冷蔵庫や掃除機、コーヒーメーカー等の家電製品、文房具、工具、書籍、自動販売機など、多種多様のものが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】設置場所決定装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】設置場所決定方法の流れを示すフローチャート図である。
【図3】各利用者及び設置場所候補の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10…CPU、11…利用者位置特定部、12…候補決定部、13…利用回数算出部、14…移動距離算出部、15…設置場所選択部、16…データ入力部、17…表示部、18…記憶部、19…通信部、20…データバス、A.B…利用者、a.b…設置候補場所、E…エリア、S…設置場所決定装置、P…共用機器(プリンタ)、T…印刷指示端末。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタや複写機等といったオフィスで多数の利用者に共用される機器の設置場所を決定するための設置場所決定システム及び設置場所決定プログラム並びに設置場所決定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のオフィス環境等においては、一台あるいは数台のプリンタをLAN等の通信ネットワークで接続して複数の利用者で共用するような形態が一般的になってきている。
このような形態では、各プリンタはオフィス内の空きスペースや邪魔にならない場所に設置される場合が多いが、一般に各利用者の間でプリンタの利用頻度にばらつきがあり、頻繁にプリンタを使用するにも拘わらず、プリンタの設置場所が座席から遠いため、印刷物を取りに行く手間が掛かってしまい、業務効率の悪化を招いていることがある。
【0003】
従って、頻繁にプリンタを使用する利用者の近くにプリンタを移動し直すことが望ましいが、利用者が多数存在する場合には、各利用者の利用頻度を正確に把握するのは困難である。
このため、従来では、例えば以下の特許文献1等に示すように、利用者毎の印刷枚数をプリンタ内の記憶装置に保持することにより、利用者毎のプリンタ利用状況を把握する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−324074号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来方法を利用すれば、利用者毎のプリンタ利用状況を正確かつ容易に把握することが可能となるが、実際にプリンタを設置する場合、どの場所に設置すれば、最も効率的な環境が得られるかまでは把握することは困難である。
【0006】
すなわち、プリンタの利用者が多数存在する場合、単に最も利用頻度の多い利用者の近くにプリンタを移動してしまうと、その次に利用頻度の多い利用者からのプリンタまでの距離が極端に長くなったり、また、利用頻度の少ない利用者の近くに設置されてしまったりして、全体の事務効率がさらに悪化してしまうことが考えられる。
【0007】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、多数の利用者で共用される共用機器を設置するに際して、最適な設置場所を容易に求めることができる新規な設置場所決定装置及び設置場所決定プログラム並びに設置場所決定方法、共用機器及びプリンタを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔発明1〕
上記課題を解決するために発明1の設置場所決定装置は、
複数の利用者に共用される共用機器の設置場所を所定のエリア内で決定するための設置場所決定装置であって、
上記所定のエリア内における各利用者毎の座席位置を特定する利用者位置特定手段と、
上記所定のエリア内における共用機器の設置候補場所を特定する候補決定手段と、
所定期間内における上記各利用者毎の共用機器の利用回数を算出する利用回数算出手段と、
上記利用者位置特定手段で特定された各利用者の座席位置と上記候補決定手段で特定された各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する移動距離算出手段と、
この移動距離算出手段で算出された各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する設置場所選択手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0009】
すなわち、利用者位置特定手段によって所定のエリア内における各利用者毎の座席位置を特定すると共に、候補決定手段によってそのエリア内における共用機器の設置候補場所を特定した後、移動距離算出手段によってこれら各利用者の座席位置と各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する。
その後、設置場所選択手段によって、各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する。
【0010】
これによって、従来困難であった、共用機器のエリア内における最適な設置場所を容易かつ的確に決定することが可能となり、事務・業務効率の向上に大きく貢献することができる。
〔発明2〕
発明2の設置場所決定装置は、発明1の設置場所決定装置において、共用機器がプリンタであることを特徴とするものである。
【0011】
これによって、共用機器として代表的なプリンタの最適な設置場所を容易かつ的確に決定することができる。
〔発明3〕
発明3の共用機器は、発明1の設置場所決定装置を組み込んだことを特徴とするものである。
【0012】
これによって、共用機器がその本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、入力装置や表示装置等といったその共用機器に備え付けの機能の一部を設置場所決定装置として利用することが可能となるため、製作コストの削減が可能となる。さらに、別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0013】
〔発明4〕
発明4のプリンタは、発明1の設置場所決定装置を組み込んだことを特徴とするものである。
これによって、発明3と同様に、共用機器として代表的なプリンタ自身が、その本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、製作コストの削減や、別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0014】
〔発明5〕
発明5の設置場所決定プログラムは、
コンピュータを、
所定のエリア内における各利用者毎の座席位置を特定する利用者位置特定手段と、
上記所定のエリア内における共用機器の設置候補場所を特定する候補決定手段と、
所定期間内における上記各利用者毎の共用機器の利用回数を算出する利用回数算出手段と、
上記利用者位置特定手段で特定された各利用者の座席位置と上記候補決定手段で特定された各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する移動距離算出手段と、
この移動距離算出手段で算出された各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求めると共に、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する設置場所選択手段として機能させることを特徴とするものである。
【0015】
これによって、発明1と同様な効果が得られると共に、汎用のパソコンや共用機器に本来から備わっているコンピュータシステムを利用してソフトウェア上で実現することができるため、専用のハードウェアや別個新たなコンピュータシステムを用いて実現する場合に比べて容易に実現することが可能となり、かつ優れた経済性を発揮することができる。
【0016】
〔発明6〕
発明6の設置場所決定プログラムは、発明5の設置場所決定プログラムにおいて、
上記共用機器がプリンタであることを特徴とするものである。
これによって、発明2と同様に共用機器として代表的なプリンタの最適な設置場所を容易かつ的確に決定することができると共に、多くのプリンタに本来から備わっているコンピュータシステムを利用してその機能を実現することができるため、発明5と同様に優れた経済性等を発揮することができる。
【0017】
〔発明7〕
発明7の共用機器は、発明5の設置場所決定プログラムによって動作するコンピュータを組み込んだことを特徴とするものである。
これによって、発明3と同様に、共用機器がその本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、製作コストの削減や別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0018】
〔発明8〕
発明8のプリンタは、発明5の設置場所決定プログラムによって動作するコンピュータを組み込んだことを特徴とするものである。
これによって、発明4と同様に、共用機器として代表的なプリンタ自身が、その本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、製作コストの削減や、別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0019】
〔発明9〕
発明9の設置場所決定方法は、
複数の利用者に共用される共用機器の設置場所を所定のエリア内で決定するための設置場所決定方法であって、
上記所定のエリア内における各利用者毎の座席位置と、そのエリア内における共用機器の設置候補場所とをそれぞれ特定した後、特定された各利用者の座席位置と各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出し、その後、それら各移動距離と過去の各利用者毎の共用機器の利用回数とを乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を共用機器の設置場所として決定することを特徴とするものである。
【0020】
これによって、発明1と同様に従来困難であった、共用機器のエリア内における最適な設置場所を容易かつ的確に決定することが可能となり、事務・業務効率の向上に大きく貢献することができる。
〔発明10〕
発明10の設置場所決定方法は、発明9に記載の設置場所決定方法において、
上記共用機器がプリンタであることを特徴とするものである。
【0021】
これによって、発明4と同様に、共用機器として代表的なプリンタ自身が、その本来の機能の他に設置場所決定装置として機能するため、使い勝手がより向上すると共に、製作コストの削減や、別個独立して製作した場合の設置場所も不要となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明に係る共用機器の設置場所決定装置Sの実施の一形態を示したものである。
この設置場所決定装置Sは、プリンタP等の多数の利用者によって共用される共用機器P、及び各利用者個人で利用しているパソコン等の印刷指示端末T1、T2、T3…TNとLAN等のネットワークNを介して情報通信可能に接続されており、図示するように、その内部にはCPU10と、利用者位置特定部11と、候補決定部12と、利用回数算出部13と、移動距離算出部14と、設置場所選択部15と、データ入力部16と、表示部17と、記憶部18と、通信部19とが備えられた構造となっている。
【0023】
そして、これらCPU10、利用者位置特定部11、候補決定部12、利用回数算出部13、移動距離算出部14、設置場所選択部15、データ入力部16、表示部17、記憶部18、通信部19は、データバス20によって相互に情報通信可能となっている。
先ず、この利用者位置特定部11は、共用機器(プリンタ)Pを共用する各利用者が存在するエリア(オフィスなど)内における各利用者の位置(座席)を特定する機能を提供するものであり、例えば、そのエリアの地図データを縦横の細かいマス目に分割し、各利用者の座席に相当するマス目の位置を数値化等することで容易に特定することができる。
【0024】
候補決定部12は、このようにして各利用者の位置が特定されたエリア内において、実際に共用機器Pの設置候補場所となる位置を少なくとも2カ所以上特定する機能を提供するようになっており、上記利用者位置特定部11と同様に具体的な位置は相当するマス目の位置を数値化することで容易に特定することができる。
【0025】
ここで、共用機器Pの設置候補場所の決定方法としては、設置場所を決定するユーザ(ネットワーク管理者等)、すなわち、本発明装置Sを利用するユーザ自身がそのエリア内で任意に設定しても良いが、例えば、そのエリアが一般的なオフィスの場合にあっては、利用者の座席や机、棚、通路等といった場所は一般に共用機器Pの設置が不適当な場合が多いため、上記地図データに基づいてそれら以外の場所が設置候補場所として自動的に選択されるようなソフトウェアを用いて決定するようにしても良い。
【0026】
利用回数取得部13は、過去のある期間における各利用者毎の共用機器Pの利用回数に関するデータ、例えば、以下の表1に示すように、プリンタPのID((Printer1等)、プリンタIPアドレス(192.168.10.10等)、プリンタポート番号(80等)、ユーザID(Seiko等)、印刷枚数(10枚等)、日時(2002/12/17/16:20:30等)等のデータを取得・記憶する機能を提供するものである。
【0027】
【表1】
【0028】
ここで、その利用回数に関するデータの取得方法としては、本発明装置Sを利用する管理者自身がデータ入力部16等を用いて直接入力することで取得するようにしても良いが、図示するように本発明装置Sを共用機器Pに接続し、本発明装置SがそのネットワークNを介して共用機器Pから直接、あるいは各利用者が利用している印刷指示端末T、または図示しないプリンタサーバ等から自動的に取得するようにすれば、煩わしい手間が省けると同時に不用意な入力ミスを防止することが可能となる。尚、この利用回数算出部13は、過去の利用回数のみならず、共用機器Pを常時監視して将来の利用回数も算出し、必要に応じて取得・記憶可能となっている。
【0029】
移動距離算出部14は、上記利用者位置特定部11及び候補決定手段12でそれぞれ特定された各利用者の座席位置と各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する機能を提供するようになっている。例えば、共用機器Pの利用者がA、B、Cの三人であってその共用機器Pの設置候補場所がa、bの2カ所存在する場合には、それら全ての組み合わせである6種類(A⇔a、A⇔b、B⇔a、B⇔b、C⇔a、C⇔b)の移動距離がそれぞれ算出されることになる。
【0030】
設置場所選択部15は、この移動距離算出手段14で算出された各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段13で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する機能を提供するようになっており、その具体例は後に詳述する。
【0031】
そして、これら利用者位置特定部11、候補決定部12、利用回数算出部13、移動距離算出部14、設置場所選択部15の各機能は、CPU10や図示しない主記憶装置等からなるコンピュータシステム及びハードディスク装置等からなる記憶部18に記憶された各種制御プログラムによってソフトウェア上で実現されるようになっている。
【0032】
一方、データ入力部16は、本発明装置Sを利用する管理者等がエリアの地図データや各利用者の座席データ、あるいは利用回数データ等を入力するための機能を提供するものであり、例えば従来から広く用いられている入力装置である、キーボードやマウス、スキャナ、タッチパネル等からなっている。
また、表示部17は、地図データや設置場所選択結果等の表示や入出力インタフェースを提供するものであり、CRTや液晶ディスプレイ、LED等から構成されている。
【0033】
通信部19は、ネットワークNで接続された共用機器Pや印刷指示端末Tとの通信インタフェースを提供するものであり、上述したように、共用機器Pの利用回数に関するデータ等をネットワークNを介して取得する機能を発揮するようになっている。
次に、本発明装置Sの作用及び設置場所特定方法の一例を図2及び図3を参照しながら説明する。
【0034】
尚、図2のフローチャート図は、各種データの取得から具体的な設置場所を特定するまでの流れを示したものであり、図3は、ある設置エリアE内における利用者A、Bの座席位置と共用機器Pの設置候補場所a、bをそれぞれ示したものである。
先ず、図2に示すように、本発明装置Sを利用するユーザは、共用機器Pの設置を検討するエリアEの大きさや形状等の地図データを取得し、その地図データをデータ入力部16等によって装置S内に取り込む(ステップS100)。
【0035】
次に、ユーザは利用者A、Bの位置データと、共用機器Pの設置候補場所a、bの位置データとを取得し、これらをそのエリアEの該当する位置にそれぞれ順に入力する。
図3の例では、エリアEは横長の矩形状をしており、そのエリアEの右上付近に利用者Aの位置が、左上付近に利用者Bの位置が、右下付近に設置候補場所aの位置が、左下付近に設置候補場所bの位置がそれぞれ特定された状態を示したものである。
【0036】
また、これらの位置の特定方法としては、前述したようにそのエリアEを細かいマス目に分割すると共に、各マス目に番号を付すなどして特定することも可能であるが、エリアEの縦方向をX軸とし、横方向をY軸としてその好転座標でそれぞれの位置を特定するようにしても良い。
次に、このようにしてそのエリアE内における利用者A、Bの座席位置と、共用機器Pの設置候補場所a、bとが特定されたならは、移動距離算出部14によって、それら各組み合わせ毎の移動距離を算出する(ステップS106)と共に、利用者A、Bそれぞれの過去のある一定期間内における共用機器Pの利用回数を取得する(ステップS108)。
【0037】
図3の例では、利用者Aから設置候補場所a、bまでの移動距離はそれぞれ約3m、約12m、利用者Bから設置候補場所a、bまでの移動距離はそれぞれ約8m、約2mとなっており、利用者A、Bそれぞれの過去の共用機器Pの利用回数は、それぞれ10回及び50回であったとする。尚、これら各移動距離は、両者間の直線距離であっても良いが、実際の机や通路の配置等の関係によってそのエリアE内で利用者が実際に移動する経路の長さを用いることが好ましい。
【0038】
そして、このようにして各移動距離とそれぞれの利用回数が得られたならば、設置場所選択部15が、各移動距離に各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所a、b毎の総移動距離を求める(ステップS110)。
その後、このようにして各設置候補場所a、b毎の総移動距離が得られたならば、次の判断ステップS112において、それらの総移動距離を比較し、設置候補場所aへの総移動距離のほうが短い場合には、設置候補場所aが共用機器Pの設置場所として決定され(ステップS114)、反対に、設置候補場所bへの総移動距離のほうが短い場合には、設置候補場所bが共用機器Pの設置場所として最終的に決定されて(ステップS116)、処理が終了することになる。
【0039】
図3の例では、各利用者A、B各移動距離が約3m、約12m、約8m、約2mであり、過去の利用回数がそれぞれ10回、50回であったことから、
設置候補場所aに共用機器Pを設置した場合の各利用者A、Bの総移動距離は、
利用者A=10(回)×3(m)×2(往復)=60(m)
利用者B=50(回)×8(m)×2(往復)=800(m)
60(m)+800(m)=860mとなる。
【0040】
一方、設置候補場所bに共用機器Pを設置した場合の各利用者A、Bの総移動距離は、
利用者A=10(回)×12(m)×2(往復)=240(m)
利用者B=50(回)×2(m)×2(往復)=200(m)
240(m)+200(m)=440mとなる。
【0041】
従って、これらの総移動距離を比較すると、設置候補場所bへの総移動距離(440m)が、設置候補場所bへの総移動距離(860m)の約半分で済むことから図3のケースでは、設置候補場所bが共用機器Pの設置場所として決定されることになる。
このように本発明の設置場所決定装置S及び方法によれば、各利用者と各設置候補場所への距離と各利用者の利用回数を取得するだけで、従来困難であった、所定のエリア内における共用機器Pの最適な設置場所を容易かつ的確に決定し・共用機器Pを配置することができるため、事務・業務効率の向上に大きく貢献することが可能となる。
【0042】
尚、利用者の数や設置候補場所の数が増えた場合には、その分だけ同様の計算を繰り返すことで最も総移動距離が短い設置候補場所を容易に特定することができる。
また、上記のように最適な設置場所が決定し、その位置に共用機器Pを配置した後でも、本発明装置Sの利用回数算出部13によってその後も利用者毎の利用回数を常時取得しておけば、その後、各利用者の共用機器Pの利用回数が大きく変動した場合でも直ちに最適な設置場所を決定し直すことができる。
【0043】
また、上記実施の形態では本発明装置Sが独立した状態で存在した例で説明したが、この本発明装置Sは、予め上記共用機器Pや印刷指示端末T内等に一体的に組み込まれた状態で用いられるような形態であっても良く、さらにその共用機器Pや印刷指示端末Tに本来的に備わっているコンピュータシステムの機能の一部を利用してその機能を発揮するようにしても良い。さらにネットワークNで繋がれていなくて完全に独立した形態であっても良い。
【0044】
さらに、この共用機器Pとしては、多くの利用者に共用されるものであれば特に限定されるものでなく、上述したようなプリンタ以外に複写機、ファクシミリ、公衆電話等の情報通信機器、冷蔵庫や掃除機、コーヒーメーカー等の家電製品、文房具、工具、書籍、自動販売機など、多種多様のものが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】設置場所決定装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】設置場所決定方法の流れを示すフローチャート図である。
【図3】各利用者及び設置場所候補の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10…CPU、11…利用者位置特定部、12…候補決定部、13…利用回数算出部、14…移動距離算出部、15…設置場所選択部、16…データ入力部、17…表示部、18…記憶部、19…通信部、20…データバス、A.B…利用者、a.b…設置候補場所、E…エリア、S…設置場所決定装置、P…共用機器(プリンタ)、T…印刷指示端末。
Claims (10)
- 複数の利用者に共用される共用機器の設置場所を所定のエリア内で決定するための設置場所決定装置であって、
上記所定のエリア内における各利用者毎の座席位置を特定する利用者位置特定手段と、
上記所定のエリア内における共用機器の設置候補場所を特定する候補決定手段と、
所定期間内における上記各利用者毎の共用機器の利用回数を算出する利用回数算出手段と、
上記利用者位置特定手段で特定された各利用者の座席位置と上記候補決定手段で特定された各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する移動距離算出手段と、
この移動距離算出手段で算出された各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する設置場所選択手段と、
を備えたことを特徴とする設置場所決定装置。 - 請求項1に記載の設置場所決定装置において、
上記共用機器がプリンタであることを特徴とする設置場所決定装置。 - 請求項1に記載の設置場所決定装置を組み込んだことを特徴とする共用機器。
- 請求項1に記載の設置場所決定装置を組み込んだことを特徴とするプリンタ。
- コンピュータを、
所定のエリア内における各利用者毎の座席位置を特定する利用者位置特定手段と、
上記所定のエリア内における共用機器の設置候補場所を特定する候補決定手段と、
所定期間内における上記各利用者毎の共用機器の利用回数を算出する利用回数算出手段と、
上記利用者位置特定手段で特定された各利用者の座席位置と上記候補決定手段で特定された各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出する移動距離算出手段と、
この移動距離算出手段で算出された各利用者の各設置候補場所毎の移動距離に、上記利用回数算出手段で算出された各利用者毎の利用回数をそれぞれ乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を選択する設置場所選択手段と、
して機能させることを特徴とする設置場所決定プログラム。 - 請求項5に記載の設置場所決定プログラムにおいて、
上記共用機器がプリンタであることを特徴とする設置場所決定プログラム。 - 請求項5の設置場所決定プログラムによって動作するコンピュータを組み込んだことを特徴とする共用機器。
- 請求項5の設置場所決定プログラムによって動作するコンピュータを組み込んだことを特徴とするプリンタ。
- 複数の利用者に共用される共用機器の設置場所を所定のエリア内で決定するための設置場所決定方法であって、
上記所定のエリア内における各利用者毎の座席位置と、そのエリア内における共用機器の設置候補場所とをそれぞれ特定した後、特定された各利用者の座席位置と各設置候補場所との移動距離をそれぞれ算出し、その後、それら各移動距離と過去の各利用者毎の共用機器の利用回数とを乗算して各設置候補場所毎の総移動距離を求め、その総移動距離が最も小さくなる設置候補場所を共用機器の設置場所として決定することを特徴とする設置場所決定方法。 - 請求項9に記載の設置場所決定方法において、
上記共用機器がプリンタであることを特徴とする設置場所決定方法。
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