JP2004302087A - 平面型画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数個の単位平面表示素子を配列した平面型画像表示装置において、単位平面表示素子間における画像の切れ目等を認識しない表示品質が優れた画像を表示することが可能な装置を提供する。
【解決手段】四辺形の表示面を備えた単位平面表示素子の複数個を配置した平面型画像表示装置において、隣接する単位平面表示素子間には空間が形成されており、該空間は画像表示状態において200μm以下の大きさが保持されている平面型画像表示装置。
【選択図】 図1
【解決手段】四辺形の表示面を備えた単位平面表示素子の複数個を配置した平面型画像表示装置において、隣接する単位平面表示素子間には空間が形成されており、該空間は画像表示状態において200μm以下の大きさが保持されている平面型画像表示装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単位プズマ表示装置などの単位平面表示素子の複数個を配置して大型の表示画面を形成した平面型画像表示装置に関するものであり、特に隣接する単位平面表示素子間での画像の切れ目等を認識しない画質的に優れた大型の平面型画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テレビ、コンピュータなどの画像を表示する手段としてCRT表示装置に代えて、液晶表示装置、プラズマ表示装置、電界放射型表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置などの平面型表示装置が提案されている。
これらの表示装置はCRT型に比べて、薄型─軽量で消費電力が小さいと言う特徴を有しており、CRT表示装置に代わり利用が進められている。
これら平面型表示装置は各種情報表示用途の拡大から大型化が進められているが、表示画面の大型化には大面積の部材とそれを製造することが可能な各種大型の製造装置を必要とするため平面型表示装置の大型化には限界があった。
【0003】
そこで、複数個の単位表示素子を並列配置し、それぞれの単位表示装置に、画像を分割した電気信号を送出し全体として大型の画像表示が可能な大型の平面型表示装置が提案されている。この単位表示素子を多数配置した大型の平面型表示装置としては、CRTやプロジェクション型の単位表示装置を用いたもの等が用いられているが、各単位表示装置の間には、画像が表示されない領域や画像が不連続な領域が生じ、不自然な画像となり表示品位を低下させると言う問題点があった。また、大型表示装置とは言え単位表示素子にCRTやプロジェクション型の表示装置を用いると、面積に比較しても厚さが大きなものとなり平面型画像表示装置としては問題があった。
【0004】
また、複数個の単位表示素子として平面型表示素子を用い、それを並列配置する大型の平面型表示装置が提案されるようになった。平面型画像表示装置は、一般には画像表示装置の周辺部の幅がCRT型表示装置に比べて小さいことを特徴としている。ところが大型の平面型表示装置を形成するために単に平面型表示素子をそのまま配置したのみでは、表示素子間の画像が表示されない領域をなくすと言う点ではまだ不十分であった。そこで周辺部の非表示領域が狭い平面表示素子の複数個を配置する各種の方法が提案されている。
【0005】
例えば、画像表示装置に不可欠な信号等の給電用の端子を一方の端部に集めるとともに、他方の端部側で側面を突き合わせて配列することにより、単位表示素子相互の境界の非表示領域を小さくする技術が提案されている。しかしながら、このような表示装置においても単位表示素子の少なくとも一辺には端子部分を備える必要がある。そのため端子部が形成される部分には、他の単位表示素子を接して配置することが出来ないために、単位表示素子の多数個を縦横に配置した大型の平面型表示装置を形成することはできなかった(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、図8は、従来の平面型表示装置を構成する単位平面表示素子を説明する図である。
図8に断面図を示すように、電界放射型表示装置(FED)についての接続端子の形成について記載されている。スペーサの位置、前面板陽極の引き出し方法、封着材の配置の工夫によって表示装置の周辺部の側面の非表示領域の幅寸法を1mm程度以下にし、複数枚の表示装置を縦横に配列した場合でも相互の境界によって形成される非表示領域の幅寸法を2mm程度以下にし大型表示装置としては無視し得る程度にする方法が提案されている(例えば特許文献2)。
【0007】
しかしながら、この提案は前面板の電極が側面でむき出しになっているため単位表示装置を相互に突き合わせた場合には側面配線間が電気的に接触する危険があり、現実的な手段と言えない。また、側面配線を絶縁層で電気的に絶縁した場合でも、その部分は側面が厚くなるため、側面配線の有無により単位平面表示素子を複数個並べた大型平面表示装置とした場合、非表示領域間の間隔が大きく、しかも不均一となり画像表示特性を低下させる問題が生じる。
【0008】
また、このような単位平面表示素子を作製する場合、最外周領域の非表示部を小さくしたものを製作しても、各単位平面表示素子を大型平面型表示装置として配列組合せするときに各単位平面表示素子がずれたり、それらの間に隙間が生じてしまうと大幅な画質低下になり問題となっていた。パネルの辺を合わせるだけでなく画素の位置ずれ防止が求められている。これらのことからパネル間の配列を精密にする方法が幾つか提案されている。
【0009】
また、パネルユニットを組合せし大画面を形成する場合、筐体強度向上の必要性から溶接加工が必要となりフレームなど保持部材に歪みが発生しやすくなるためパネルの配列寸法精度が低下する対策が提案されている(例えば、特許文献3)。 そして、互いのユニット外径部にネジとナットからなる隣接ユニットとの調整手段を設け、規定寸法に調整する方法である。この方法は隣接ユニット間を調整し、それを積み上げて行くため精度よい大画面が得られるが、使用中個々のユニットに問題が起こり交換する場合、画面全体のユニットの再調整が必要となり、メンテナンス上は大きな手間がかかり問題となる。
【0010】
また、隣り合うパネル間の画素を合わせ複数のパネルを配列したユニットを組み上げる方法が提案されている(例えば、特許文献4)。配列調整装置台の上に縦横にピアノ線のような細線をはり複数区画に区分し、その区分内にパネルを設置し、隣接パネル間の画素が合うよう拡大鏡で見ながら細線を上下あるいは左右に移動してパネルを細線で微動させ、隣接画素合わせし配列する方法である。この方法は拡大鏡で見ながら調整するため精密な画素合わせはできるが、パネル間の間隔は使用する細線の太さによって左右される問題点がある。また、調整装置が大がかりなため大型画像装置組み立ての現場での作業が難しいなどの問題がある。
【0011】
これら従来の方法は、全て配列するパネル間の物理的配列精度を上げるための方法であり、精度を高めるほど、製造に手数を要するとともに、配列─調整にも手数を要するという問題点があった。また、大型の平面型表示装置は、設置場所において組み立てる必要があるが、施工現場では適用することが困難であり、実用的でなかった。
また、大画面の画像を実現するために、隣接する単位平面表示素子を接続する際に体積収縮を伴う接着剤に接続することが提案されている(例えば、特許文献5)。ところが、このような方法は、多数の単位平面表示素子を接続して大型の平面型表示装置を形成する目的には使用することはできなかった。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−314066号公報
【特許文献2】
特開2000−122571号公報
【特許文献3】
特開2000−338899号公報
【特許文献4】
特開2001−22302号公報
【特許文献5】
特開2002−72928号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記したように単位平面表示素子を配列して大型の平面表示装置を構成する場合の従来の問題点に鑑みてなされたものであり、単位平面表示素子を配置した際に各単位平面表示素子間での画像の表示品質を高めた平面表示装置を提供することを課題とするものであり、特に隣接する単位平面表示素子間での継ぎ目に起因する画像品質の低下が生じない平面表示装置を提供することを課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、四辺形の表示面を備えた単位平面表示素子の複数個を配置した平面型画像表示装置において、隣接する単位平面表示素子間には空間が形成されており、該空間は画像表示状態において200μm以下の大きさが保持されている平面型画像表示装置によって解決することができる。
多数の単位平面表示素子を配置した大型の平面型画像表示装置においては、各単位平面表示素子間に表示される画像に対して視認者が違和感を感じる要因には各種のものがあるが、単位平面表示素子の放射光が前面ガラスにあたり、屈折およびガラス内を伝達し、表示素子間の継ぎ目のガラス端面から放射される斜視光と散乱伝達する光によって大きく影響を受けるものであって、各単位平面表示素子間に設ける間隔を所定の範囲に規制することにより低減することが可能であることを見出したものであり、画像の表示状態において熱膨張等によって膨張した場合であっても、画像の表示状態における単位平面表示素子の間隔を所定の大きさとすることによって、画像の観察者からは認識できない程度に低減することが可能となる。
【0015】
また、画像表示状態の隣接する2つの単位平面表示素子は、単位平面表示素子の画素間隔:a、単位平面表示素子の外周部の非表示領域の最外周部の表示画素との間の幅:b,c、および隣接する単位平面表示素子の間の空間dには、
0.6a≦b+c+d≦1.3a
の関係がある前記の平面型画像表示装置である。
単位平面表示素子の画素間隔、隣接する単位平面表示素子の外周部の非表示領域の大きさ、および単位平面表示素子間の間隔を所定の関係に設定することによって、画素間隔が400μm以上の大型の画像表示用の単位平面表示素子を使用した平面型画像表示装置においても視認特性が良好な平面型画像表示装置を提供することができる。
【0016】
また、単位平面表示素子の外周部の側面は、単位平面表示素子の切断基準面に対して±50μm以内に位置している前記の平面型画像表示装置である。
単位平面表示素子の外周部の側面は、設定値に対して±25μm以内の平坦精度であり、隣接する単位平面表示素子間には空間が形成されており、該空間は画像表示状態において100μm以下の大きさが保持されている前記の平面型画像表示装置である。
単位平面表示素子が、プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、無機EL表示装置、電界効果型表示装置のいずれかである平面型画像表示装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数の単位平面表示素子を配列した大型の平面表示装置における表示画像の品質の向上が、単に寸法精度の追求だけで求められるものでなく、継ぎ目が画像品質として違和感を与えるかどうかの画像の視認性評価から最適な数値関係があることを見いだしたものである。
それによって、単位平面表示素子の製造工程においていたずらに寸法精度等を高めることを追求するあまり、製造工程を複雑化したり、極めて高度な技術を要する等の価格面を含めて平面型表示装置の普及に障害となるような事態を招くことがない平面表示装置を提供することを可能とするものである。
【0018】
以下、本発明の単位平面表示素子を複数配列した大型の平面表示装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の平面表示装置の一実施例を説明する図であり、図1(A)は、平面表示装置の全体を示し、図1(B)は、隣接して配列された2枚の単位平面表示素子を図1(A)とは異なる縮尺で示したものである。
本発明の大型映像表示装置101は、複数の単位平面表示素子102の所定個数を隣接して配置したものである。図1(A)には、横方向に6個、縦方向に4個の単位平面表示素子102を配置した例を示し、図1(B)には、隣接して配列された2枚の単位平面表示素子102A、102Bを示している。
【0019】
単位平面表示素子102A、102Bは、いずれも赤色(R)画素103,緑色(G)画素104,青色(B)画素105の3色の表示画素から構成された表示画素106を多数有し、各表示画素106は一定の表示画素間隔aで配置されている。
また、単位平面表示素子102A,102Bは、周辺部に位置する表示画素106と単位平面表示素子の端面との間の周辺部の非表示領域部の間隔としてそれぞれb、cを有し、2個の単位平面表示素子は間隔dで配列されている。
この配列条件を変えて大型の平面型画像表示装置を組み立てその画質を評価すると、単位平面表示素子の周辺部の非表示領域の間隔b、cを表示面内の画素間隔aの半分以下にし、b+c+dの間隔をaに近づけても画質が改善される場合と改善されない場合があることが判明した。
この点をそれぞれの長さを変えて検討したところ、画質が間隔b、cの値より配列間隔dに大きく依存していることが分かった。この画質低下要因は配列部の非表示領域の視認より表示素子間の間隔の視認が強く影響するものと推定された。
【0020】
【実施例】
実施例1
視認特性と隣接する単位平面表示素子間の間隔についての検討結果を実施例1として説明する。
視認性評価は、128画素×128画素を有し、画素ピッチが縦横それぞれ3mm、大きさ400mm×400mm、周辺部の非表示領域、すなわち先に説明したb、およびcの大きさが500μmの2枚の単位平面表示素子を黒色背面板上に並べて300cd/cm2 の全白表示条件で表示して、正面5mの位置から観察を行った。
観察は、視覚正常者10人で行い、両単位平面表示素子間の間隔すなわちdを変化させて、視認特性を4段階で実施し、悪い方から、1点:間隙があることを感じる、2点:間隙があることをやや感じる、3点:間隙をほとんど感じない、4点:間隙を感じないで評価し、その結果を図2に示す。
【0021】
図2は、単位平面表示素子の間隔を変化させた場合の視認性の変化を示す図である。
単位平面表示素子の周辺部の非表示領域b、cの長さを500μmと一定にし、単位平面表示素子間の間隔dをいろいろと変化させた場合の視認性の評価点を縦軸に示したものである。
その結果、単位平面表示素子の配列間隔200μm以下で視認性評価が良いことが判明した。これは表示素子の発光の一部が前面ガラス面内で反射あるいは屈折とガラス内の伝達を起こしギャップ端面部から放出され、それが間隙の大きい200μm以上では表示素子の前面から強く視認され、間隔が小さい場合は対面のガラスに再入射や吸収するなとして結果的に表示面前方からの視認が弱くなると推定される。
したがって、配列間隔の空隙を200μm以下の条件で配列し大型映像表示装置を作製すれば空隙をほとんど感じない良好な画質を持つ大型の平面型画像表示装置が得られることがわかった。
【0022】
実施例2
隣接する単位平面表示素子間の間隔を一定にして周辺部の非表示領域の大きさを変えた場合の視認性の変化を調べた。
視認性評価は、64画素×64画素を有し、画素ピッチが縦横それぞれ3mm、、表示画素間隔1000μm、大きさ200mm×200mmの単位平面表示素子の4枚を、実施例1で得られた間隙、すなわちdをほとんど感じられない量である10μmに設定して、各単位平面表示素子の周辺部の非表示領域の大きさをb=cとし、すなわちbを等しく変化させて黒色背面板上に並べて300cd/cm2 の全白表示条件で表示して、正面5mの位置から観察を行った。
観察は、実施例1と同様に視覚正常者10人で行い、視認者に違和感を与えるか否かの評価を行った。
【0023】
違和感がある場合は、単位表示素子形状が升目状のノイズとして視認され表示品質を落とすことになる。
視認評価は違和感を4段階評価で実施し、悪い方から1点:強く感じる、2点:やや感じる、3点:ほとんど感じない、4点:感じないで評価した。
得られた評価結果を図3に示す。
図3は、単位平面表示素子間の間隔と違和感との関係を説明する図である。
図3において、横軸に外周部非表示領域の大きさ(b+c+d)を画素間隔aに対する倍数で示し、縦軸に違和感の評価結果を示す。
外周部非表示領域の間隔(b+c+d)が画素間隔aの1.3倍より小さく、0.6倍より大きい範囲で違和感が感じにくいことが判明した。画素間隔aに比較し、外部非表示領域の間隔(b+c+d)がこの範囲を超えると太く、あるいは細く視認され画質の均質度を乱すノイズになり違和感を感じるものと推定される。
【0024】
なお、家庭用テレビなどの画素間隔aが小さいもので外周部非表示領域の狭い方の評価が異なる傾向があるが、大型の平面型画像表示装置に利用される表示画素間隔が400μm以上の大きな単位平面表示素子において、表示素子間の非表示領域の間隔(b+c+d)の値を表示画素間隔aの0.6倍から1.3倍の範囲となるように設計して配列することにより表示領域内の画素間隔aと違和感が無い表示が可能な大型の平面型画像表示装置を得ることができる。
【0025】
実施例3
以下に、単位平面表示素子の外周部の平坦度と視認性の関係についての評価結果を説明する。
図4は、単位平面表示素子としてカラープラズマディスプレイを例に挙げて説明する図である。図4(A)は単位平面表示素子の構成を説明する図であり、その構造とガラスの切断製作過程を説明するため、その表示素子のX−X’線で切断した断面図を図4(B)に示す。
背面板107には、アドレス電極108を形成した後に、白色顔料を含んだガラスフリットからなり反射層の役目を果たす誘電層109が形成され、誘電層109上には、表示画素を区画する隔壁体110が形成され、その表示画素内には蛍光体111が塗布され、単位表示素子の周辺部に位置する周辺部凸条体112が形成されている。
一方、前面板113には、ITO等の透明電極122,銀等のバス電極123が形成され、また誘電体114,ブラックマトリックス115,間隔保持材117が形成されており、これらは全面にわたり酸化マグネシウムからなる保護膜125によって被覆されている。
【0026】
前面板と背面板は、背面板107上に形成された周辺部凸条体112部でこれに対向する間隔保持部材117との間でガラスフリットで接合される。周辺部凸条体112は、周辺部の非表示部bをできるだけ狭くするため細く形成されており、真空封着の信頼性を向上させるため周辺ガラスフリット124が塗布され封着補強されている。その後この封着体は単位平面表示素子の規定寸法Lで垂直な切断線Y−Y’に沿って切断され切断面135が形成される。
【0027】
図5は、表示素子封着体の切断を説明する図である。
図4(B)に示すように封着体の切断面Y−Y’は前面板113とガラスフリット124が一体となっているため、前面ガラスの表面に切削溝を設け応力や振動を加えて切断する液晶パネルなどの平面表示パネルの切断に広く適用されているスクライブブレーク法では正確に切断することができない。
そのため、回転刃、あるいは切削ブレードを高速回転させ切断するダイシング法等の回転式の切断手段を用いて切断を行う必要がある。
表示素子封着体130の4辺を規定寸法に設定された切断線131に沿って高速回転ブレード132を走行させて切断し、規定寸法Lの単位表示素子102Aを作ることが出来る。
【0028】
図6は、単位平面表示素子の切断面の状態を説明する図である。
単位平面表示素子102Aの側面、すなわち切断によって形成される切断端面の仕上がり精度を説明するため単位平面表示素子の角部を拡大して説明する図である。
表示素子封着体130は切断面135を切断線131に沿って切断し表示素子切断端面136を得る。ダイシング法による切断はスクライブブレーク法に比べ切断スピードが遅いためある程度高速回転させ送り速度を上昇させることが量産工程では必要となる。
【0029】
この場合切削ブレードのぶれが起因して切断精度が低下する。この切断工程では基準寸法に基づく切断線131に沿って切断しても基準線131を中心に切断面136は長短のぶれが生ずる。このぶれを見込み、ぶれの最大値131Lと最小値131Sの中央に基準切断線131が位置するように調整し、切断精度eを小さくなるよう条件設定される。一般に量産的切断精度eは基準線に対して±65μmが限界である。
しかし本発明では、実施例1あるいは2の表示条件である配列間隔dを200μm以下を満足させるためには切断精度eは基準線に対して±50μm以下に高めて切断することが必要となる。
【0030】
そのために、図7に示すように、回転式切断手段の高速回転ブレード132と表示素子封着体130の端面とが交わる面の高速回転ブレードの入口側には、単位平面表示素子の切断部と同じ材質の幅3.5mmの疑似切断部材133Aを配置し、また回転式切断手段の出口側面には、幅5mmの疑似切断部材133Bを配置して、回転式切断手段を切断基準線に沿って移動させて切断した。
【0031】
このような切断手段によって切断精度eを基準線に対して±25μm以下にすることができた。
この高精度な切断法によって作られた単位平面表示素子を使用すれば、表示素子の温度上昇変動30℃、幅が400mmの単位平面表示素子が熱膨張によって50μmの変動幅が発生しても、容易に実施の形態2の配列条件を満足させることによってタイル型の大型の平面型画像表示装置を作製できる。
【0032】
また、以上の説明においては、本発明の平面型単位平面表示素子としてプラズマディスプレによって形成するタイル型の大型の画像表示装置について説明したが、プラズマディスプレイのみではなく、液晶表示素子、有機EL表示素子、無機EL表示素子、電界効果型表示素子などの様々な平面型表示素子を用いてタイル型の大型の平面型画像表示装置を作る場合にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、多数の単位平面表示素子を並列配置して大画面を形成した大型の平面型画像表示装置において、配列された各単位平面表示素子の間の表示中における間隙を所定の範囲に設定したので、タイル型の大型の平面型画像表示装置に特有の単位表示素子間の継ぎ目に起因する画質低下要因が取り除かれ、高画質の大型映像表示装置とすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の平面表示装置の一実施例を説明する図である。
【図2】図2は、単位平面表示素子間の間隔と視認性との関係を説明する図である。
【図3】図3は、単位平面表示素子間の間隔と違和感との関係を説明する図である。
【図4】図4は、単位平面表示素子としてカラープラズマディスプレイを例に挙げて説明する図である。
【図5】図5は、表示素子封着体の切断を説明する図である。
【図6】図6は、単位平面表示素子の切断面の状態を説明する図である。
【図7】図7は、回転式切断手段による切断方法を説明する図である。
【図8】図8は、従来の平面型表示装置を構成する単位平面表示素子を説明する図である。
【符号の説明】
101…平面型画像表示装置、102,102A,102B…単位平面表示素子、103…赤色(R)画素,104…緑色(G)画素,105…青色(B)画素、106…表示画素、107…背面板、108…アドレス電極、109…誘電層、110…隔壁体、111…蛍光体、112…周辺部凸条体、113…前面板、122…透明電極,123…バス電極、114…誘電体、115…ブラックマトリックス、117…間隔保持材、125…保護膜、124…周辺ガラスフリット、130…表示素子封着体、131…切断線、131L…最大値、131S…最小値、132…高速回転ブレード、133a…入口側疑似切断部材、133b…出口側疑似切断部材、135…切断面、136…表示素子切断端面
【発明の属する技術分野】
本発明は、単位プズマ表示装置などの単位平面表示素子の複数個を配置して大型の表示画面を形成した平面型画像表示装置に関するものであり、特に隣接する単位平面表示素子間での画像の切れ目等を認識しない画質的に優れた大型の平面型画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テレビ、コンピュータなどの画像を表示する手段としてCRT表示装置に代えて、液晶表示装置、プラズマ表示装置、電界放射型表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置などの平面型表示装置が提案されている。
これらの表示装置はCRT型に比べて、薄型─軽量で消費電力が小さいと言う特徴を有しており、CRT表示装置に代わり利用が進められている。
これら平面型表示装置は各種情報表示用途の拡大から大型化が進められているが、表示画面の大型化には大面積の部材とそれを製造することが可能な各種大型の製造装置を必要とするため平面型表示装置の大型化には限界があった。
【0003】
そこで、複数個の単位表示素子を並列配置し、それぞれの単位表示装置に、画像を分割した電気信号を送出し全体として大型の画像表示が可能な大型の平面型表示装置が提案されている。この単位表示素子を多数配置した大型の平面型表示装置としては、CRTやプロジェクション型の単位表示装置を用いたもの等が用いられているが、各単位表示装置の間には、画像が表示されない領域や画像が不連続な領域が生じ、不自然な画像となり表示品位を低下させると言う問題点があった。また、大型表示装置とは言え単位表示素子にCRTやプロジェクション型の表示装置を用いると、面積に比較しても厚さが大きなものとなり平面型画像表示装置としては問題があった。
【0004】
また、複数個の単位表示素子として平面型表示素子を用い、それを並列配置する大型の平面型表示装置が提案されるようになった。平面型画像表示装置は、一般には画像表示装置の周辺部の幅がCRT型表示装置に比べて小さいことを特徴としている。ところが大型の平面型表示装置を形成するために単に平面型表示素子をそのまま配置したのみでは、表示素子間の画像が表示されない領域をなくすと言う点ではまだ不十分であった。そこで周辺部の非表示領域が狭い平面表示素子の複数個を配置する各種の方法が提案されている。
【0005】
例えば、画像表示装置に不可欠な信号等の給電用の端子を一方の端部に集めるとともに、他方の端部側で側面を突き合わせて配列することにより、単位表示素子相互の境界の非表示領域を小さくする技術が提案されている。しかしながら、このような表示装置においても単位表示素子の少なくとも一辺には端子部分を備える必要がある。そのため端子部が形成される部分には、他の単位表示素子を接して配置することが出来ないために、単位表示素子の多数個を縦横に配置した大型の平面型表示装置を形成することはできなかった(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、図8は、従来の平面型表示装置を構成する単位平面表示素子を説明する図である。
図8に断面図を示すように、電界放射型表示装置(FED)についての接続端子の形成について記載されている。スペーサの位置、前面板陽極の引き出し方法、封着材の配置の工夫によって表示装置の周辺部の側面の非表示領域の幅寸法を1mm程度以下にし、複数枚の表示装置を縦横に配列した場合でも相互の境界によって形成される非表示領域の幅寸法を2mm程度以下にし大型表示装置としては無視し得る程度にする方法が提案されている(例えば特許文献2)。
【0007】
しかしながら、この提案は前面板の電極が側面でむき出しになっているため単位表示装置を相互に突き合わせた場合には側面配線間が電気的に接触する危険があり、現実的な手段と言えない。また、側面配線を絶縁層で電気的に絶縁した場合でも、その部分は側面が厚くなるため、側面配線の有無により単位平面表示素子を複数個並べた大型平面表示装置とした場合、非表示領域間の間隔が大きく、しかも不均一となり画像表示特性を低下させる問題が生じる。
【0008】
また、このような単位平面表示素子を作製する場合、最外周領域の非表示部を小さくしたものを製作しても、各単位平面表示素子を大型平面型表示装置として配列組合せするときに各単位平面表示素子がずれたり、それらの間に隙間が生じてしまうと大幅な画質低下になり問題となっていた。パネルの辺を合わせるだけでなく画素の位置ずれ防止が求められている。これらのことからパネル間の配列を精密にする方法が幾つか提案されている。
【0009】
また、パネルユニットを組合せし大画面を形成する場合、筐体強度向上の必要性から溶接加工が必要となりフレームなど保持部材に歪みが発生しやすくなるためパネルの配列寸法精度が低下する対策が提案されている(例えば、特許文献3)。 そして、互いのユニット外径部にネジとナットからなる隣接ユニットとの調整手段を設け、規定寸法に調整する方法である。この方法は隣接ユニット間を調整し、それを積み上げて行くため精度よい大画面が得られるが、使用中個々のユニットに問題が起こり交換する場合、画面全体のユニットの再調整が必要となり、メンテナンス上は大きな手間がかかり問題となる。
【0010】
また、隣り合うパネル間の画素を合わせ複数のパネルを配列したユニットを組み上げる方法が提案されている(例えば、特許文献4)。配列調整装置台の上に縦横にピアノ線のような細線をはり複数区画に区分し、その区分内にパネルを設置し、隣接パネル間の画素が合うよう拡大鏡で見ながら細線を上下あるいは左右に移動してパネルを細線で微動させ、隣接画素合わせし配列する方法である。この方法は拡大鏡で見ながら調整するため精密な画素合わせはできるが、パネル間の間隔は使用する細線の太さによって左右される問題点がある。また、調整装置が大がかりなため大型画像装置組み立ての現場での作業が難しいなどの問題がある。
【0011】
これら従来の方法は、全て配列するパネル間の物理的配列精度を上げるための方法であり、精度を高めるほど、製造に手数を要するとともに、配列─調整にも手数を要するという問題点があった。また、大型の平面型表示装置は、設置場所において組み立てる必要があるが、施工現場では適用することが困難であり、実用的でなかった。
また、大画面の画像を実現するために、隣接する単位平面表示素子を接続する際に体積収縮を伴う接着剤に接続することが提案されている(例えば、特許文献5)。ところが、このような方法は、多数の単位平面表示素子を接続して大型の平面型表示装置を形成する目的には使用することはできなかった。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−314066号公報
【特許文献2】
特開2000−122571号公報
【特許文献3】
特開2000−338899号公報
【特許文献4】
特開2001−22302号公報
【特許文献5】
特開2002−72928号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記したように単位平面表示素子を配列して大型の平面表示装置を構成する場合の従来の問題点に鑑みてなされたものであり、単位平面表示素子を配置した際に各単位平面表示素子間での画像の表示品質を高めた平面表示装置を提供することを課題とするものであり、特に隣接する単位平面表示素子間での継ぎ目に起因する画像品質の低下が生じない平面表示装置を提供することを課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、四辺形の表示面を備えた単位平面表示素子の複数個を配置した平面型画像表示装置において、隣接する単位平面表示素子間には空間が形成されており、該空間は画像表示状態において200μm以下の大きさが保持されている平面型画像表示装置によって解決することができる。
多数の単位平面表示素子を配置した大型の平面型画像表示装置においては、各単位平面表示素子間に表示される画像に対して視認者が違和感を感じる要因には各種のものがあるが、単位平面表示素子の放射光が前面ガラスにあたり、屈折およびガラス内を伝達し、表示素子間の継ぎ目のガラス端面から放射される斜視光と散乱伝達する光によって大きく影響を受けるものであって、各単位平面表示素子間に設ける間隔を所定の範囲に規制することにより低減することが可能であることを見出したものであり、画像の表示状態において熱膨張等によって膨張した場合であっても、画像の表示状態における単位平面表示素子の間隔を所定の大きさとすることによって、画像の観察者からは認識できない程度に低減することが可能となる。
【0015】
また、画像表示状態の隣接する2つの単位平面表示素子は、単位平面表示素子の画素間隔:a、単位平面表示素子の外周部の非表示領域の最外周部の表示画素との間の幅:b,c、および隣接する単位平面表示素子の間の空間dには、
0.6a≦b+c+d≦1.3a
の関係がある前記の平面型画像表示装置である。
単位平面表示素子の画素間隔、隣接する単位平面表示素子の外周部の非表示領域の大きさ、および単位平面表示素子間の間隔を所定の関係に設定することによって、画素間隔が400μm以上の大型の画像表示用の単位平面表示素子を使用した平面型画像表示装置においても視認特性が良好な平面型画像表示装置を提供することができる。
【0016】
また、単位平面表示素子の外周部の側面は、単位平面表示素子の切断基準面に対して±50μm以内に位置している前記の平面型画像表示装置である。
単位平面表示素子の外周部の側面は、設定値に対して±25μm以内の平坦精度であり、隣接する単位平面表示素子間には空間が形成されており、該空間は画像表示状態において100μm以下の大きさが保持されている前記の平面型画像表示装置である。
単位平面表示素子が、プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、無機EL表示装置、電界効果型表示装置のいずれかである平面型画像表示装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、複数の単位平面表示素子を配列した大型の平面表示装置における表示画像の品質の向上が、単に寸法精度の追求だけで求められるものでなく、継ぎ目が画像品質として違和感を与えるかどうかの画像の視認性評価から最適な数値関係があることを見いだしたものである。
それによって、単位平面表示素子の製造工程においていたずらに寸法精度等を高めることを追求するあまり、製造工程を複雑化したり、極めて高度な技術を要する等の価格面を含めて平面型表示装置の普及に障害となるような事態を招くことがない平面表示装置を提供することを可能とするものである。
【0018】
以下、本発明の単位平面表示素子を複数配列した大型の平面表示装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の平面表示装置の一実施例を説明する図であり、図1(A)は、平面表示装置の全体を示し、図1(B)は、隣接して配列された2枚の単位平面表示素子を図1(A)とは異なる縮尺で示したものである。
本発明の大型映像表示装置101は、複数の単位平面表示素子102の所定個数を隣接して配置したものである。図1(A)には、横方向に6個、縦方向に4個の単位平面表示素子102を配置した例を示し、図1(B)には、隣接して配列された2枚の単位平面表示素子102A、102Bを示している。
【0019】
単位平面表示素子102A、102Bは、いずれも赤色(R)画素103,緑色(G)画素104,青色(B)画素105の3色の表示画素から構成された表示画素106を多数有し、各表示画素106は一定の表示画素間隔aで配置されている。
また、単位平面表示素子102A,102Bは、周辺部に位置する表示画素106と単位平面表示素子の端面との間の周辺部の非表示領域部の間隔としてそれぞれb、cを有し、2個の単位平面表示素子は間隔dで配列されている。
この配列条件を変えて大型の平面型画像表示装置を組み立てその画質を評価すると、単位平面表示素子の周辺部の非表示領域の間隔b、cを表示面内の画素間隔aの半分以下にし、b+c+dの間隔をaに近づけても画質が改善される場合と改善されない場合があることが判明した。
この点をそれぞれの長さを変えて検討したところ、画質が間隔b、cの値より配列間隔dに大きく依存していることが分かった。この画質低下要因は配列部の非表示領域の視認より表示素子間の間隔の視認が強く影響するものと推定された。
【0020】
【実施例】
実施例1
視認特性と隣接する単位平面表示素子間の間隔についての検討結果を実施例1として説明する。
視認性評価は、128画素×128画素を有し、画素ピッチが縦横それぞれ3mm、大きさ400mm×400mm、周辺部の非表示領域、すなわち先に説明したb、およびcの大きさが500μmの2枚の単位平面表示素子を黒色背面板上に並べて300cd/cm2 の全白表示条件で表示して、正面5mの位置から観察を行った。
観察は、視覚正常者10人で行い、両単位平面表示素子間の間隔すなわちdを変化させて、視認特性を4段階で実施し、悪い方から、1点:間隙があることを感じる、2点:間隙があることをやや感じる、3点:間隙をほとんど感じない、4点:間隙を感じないで評価し、その結果を図2に示す。
【0021】
図2は、単位平面表示素子の間隔を変化させた場合の視認性の変化を示す図である。
単位平面表示素子の周辺部の非表示領域b、cの長さを500μmと一定にし、単位平面表示素子間の間隔dをいろいろと変化させた場合の視認性の評価点を縦軸に示したものである。
その結果、単位平面表示素子の配列間隔200μm以下で視認性評価が良いことが判明した。これは表示素子の発光の一部が前面ガラス面内で反射あるいは屈折とガラス内の伝達を起こしギャップ端面部から放出され、それが間隙の大きい200μm以上では表示素子の前面から強く視認され、間隔が小さい場合は対面のガラスに再入射や吸収するなとして結果的に表示面前方からの視認が弱くなると推定される。
したがって、配列間隔の空隙を200μm以下の条件で配列し大型映像表示装置を作製すれば空隙をほとんど感じない良好な画質を持つ大型の平面型画像表示装置が得られることがわかった。
【0022】
実施例2
隣接する単位平面表示素子間の間隔を一定にして周辺部の非表示領域の大きさを変えた場合の視認性の変化を調べた。
視認性評価は、64画素×64画素を有し、画素ピッチが縦横それぞれ3mm、、表示画素間隔1000μm、大きさ200mm×200mmの単位平面表示素子の4枚を、実施例1で得られた間隙、すなわちdをほとんど感じられない量である10μmに設定して、各単位平面表示素子の周辺部の非表示領域の大きさをb=cとし、すなわちbを等しく変化させて黒色背面板上に並べて300cd/cm2 の全白表示条件で表示して、正面5mの位置から観察を行った。
観察は、実施例1と同様に視覚正常者10人で行い、視認者に違和感を与えるか否かの評価を行った。
【0023】
違和感がある場合は、単位表示素子形状が升目状のノイズとして視認され表示品質を落とすことになる。
視認評価は違和感を4段階評価で実施し、悪い方から1点:強く感じる、2点:やや感じる、3点:ほとんど感じない、4点:感じないで評価した。
得られた評価結果を図3に示す。
図3は、単位平面表示素子間の間隔と違和感との関係を説明する図である。
図3において、横軸に外周部非表示領域の大きさ(b+c+d)を画素間隔aに対する倍数で示し、縦軸に違和感の評価結果を示す。
外周部非表示領域の間隔(b+c+d)が画素間隔aの1.3倍より小さく、0.6倍より大きい範囲で違和感が感じにくいことが判明した。画素間隔aに比較し、外部非表示領域の間隔(b+c+d)がこの範囲を超えると太く、あるいは細く視認され画質の均質度を乱すノイズになり違和感を感じるものと推定される。
【0024】
なお、家庭用テレビなどの画素間隔aが小さいもので外周部非表示領域の狭い方の評価が異なる傾向があるが、大型の平面型画像表示装置に利用される表示画素間隔が400μm以上の大きな単位平面表示素子において、表示素子間の非表示領域の間隔(b+c+d)の値を表示画素間隔aの0.6倍から1.3倍の範囲となるように設計して配列することにより表示領域内の画素間隔aと違和感が無い表示が可能な大型の平面型画像表示装置を得ることができる。
【0025】
実施例3
以下に、単位平面表示素子の外周部の平坦度と視認性の関係についての評価結果を説明する。
図4は、単位平面表示素子としてカラープラズマディスプレイを例に挙げて説明する図である。図4(A)は単位平面表示素子の構成を説明する図であり、その構造とガラスの切断製作過程を説明するため、その表示素子のX−X’線で切断した断面図を図4(B)に示す。
背面板107には、アドレス電極108を形成した後に、白色顔料を含んだガラスフリットからなり反射層の役目を果たす誘電層109が形成され、誘電層109上には、表示画素を区画する隔壁体110が形成され、その表示画素内には蛍光体111が塗布され、単位表示素子の周辺部に位置する周辺部凸条体112が形成されている。
一方、前面板113には、ITO等の透明電極122,銀等のバス電極123が形成され、また誘電体114,ブラックマトリックス115,間隔保持材117が形成されており、これらは全面にわたり酸化マグネシウムからなる保護膜125によって被覆されている。
【0026】
前面板と背面板は、背面板107上に形成された周辺部凸条体112部でこれに対向する間隔保持部材117との間でガラスフリットで接合される。周辺部凸条体112は、周辺部の非表示部bをできるだけ狭くするため細く形成されており、真空封着の信頼性を向上させるため周辺ガラスフリット124が塗布され封着補強されている。その後この封着体は単位平面表示素子の規定寸法Lで垂直な切断線Y−Y’に沿って切断され切断面135が形成される。
【0027】
図5は、表示素子封着体の切断を説明する図である。
図4(B)に示すように封着体の切断面Y−Y’は前面板113とガラスフリット124が一体となっているため、前面ガラスの表面に切削溝を設け応力や振動を加えて切断する液晶パネルなどの平面表示パネルの切断に広く適用されているスクライブブレーク法では正確に切断することができない。
そのため、回転刃、あるいは切削ブレードを高速回転させ切断するダイシング法等の回転式の切断手段を用いて切断を行う必要がある。
表示素子封着体130の4辺を規定寸法に設定された切断線131に沿って高速回転ブレード132を走行させて切断し、規定寸法Lの単位表示素子102Aを作ることが出来る。
【0028】
図6は、単位平面表示素子の切断面の状態を説明する図である。
単位平面表示素子102Aの側面、すなわち切断によって形成される切断端面の仕上がり精度を説明するため単位平面表示素子の角部を拡大して説明する図である。
表示素子封着体130は切断面135を切断線131に沿って切断し表示素子切断端面136を得る。ダイシング法による切断はスクライブブレーク法に比べ切断スピードが遅いためある程度高速回転させ送り速度を上昇させることが量産工程では必要となる。
【0029】
この場合切削ブレードのぶれが起因して切断精度が低下する。この切断工程では基準寸法に基づく切断線131に沿って切断しても基準線131を中心に切断面136は長短のぶれが生ずる。このぶれを見込み、ぶれの最大値131Lと最小値131Sの中央に基準切断線131が位置するように調整し、切断精度eを小さくなるよう条件設定される。一般に量産的切断精度eは基準線に対して±65μmが限界である。
しかし本発明では、実施例1あるいは2の表示条件である配列間隔dを200μm以下を満足させるためには切断精度eは基準線に対して±50μm以下に高めて切断することが必要となる。
【0030】
そのために、図7に示すように、回転式切断手段の高速回転ブレード132と表示素子封着体130の端面とが交わる面の高速回転ブレードの入口側には、単位平面表示素子の切断部と同じ材質の幅3.5mmの疑似切断部材133Aを配置し、また回転式切断手段の出口側面には、幅5mmの疑似切断部材133Bを配置して、回転式切断手段を切断基準線に沿って移動させて切断した。
【0031】
このような切断手段によって切断精度eを基準線に対して±25μm以下にすることができた。
この高精度な切断法によって作られた単位平面表示素子を使用すれば、表示素子の温度上昇変動30℃、幅が400mmの単位平面表示素子が熱膨張によって50μmの変動幅が発生しても、容易に実施の形態2の配列条件を満足させることによってタイル型の大型の平面型画像表示装置を作製できる。
【0032】
また、以上の説明においては、本発明の平面型単位平面表示素子としてプラズマディスプレによって形成するタイル型の大型の画像表示装置について説明したが、プラズマディスプレイのみではなく、液晶表示素子、有機EL表示素子、無機EL表示素子、電界効果型表示素子などの様々な平面型表示素子を用いてタイル型の大型の平面型画像表示装置を作る場合にも適用できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、多数の単位平面表示素子を並列配置して大画面を形成した大型の平面型画像表示装置において、配列された各単位平面表示素子の間の表示中における間隙を所定の範囲に設定したので、タイル型の大型の平面型画像表示装置に特有の単位表示素子間の継ぎ目に起因する画質低下要因が取り除かれ、高画質の大型映像表示装置とすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の平面表示装置の一実施例を説明する図である。
【図2】図2は、単位平面表示素子間の間隔と視認性との関係を説明する図である。
【図3】図3は、単位平面表示素子間の間隔と違和感との関係を説明する図である。
【図4】図4は、単位平面表示素子としてカラープラズマディスプレイを例に挙げて説明する図である。
【図5】図5は、表示素子封着体の切断を説明する図である。
【図6】図6は、単位平面表示素子の切断面の状態を説明する図である。
【図7】図7は、回転式切断手段による切断方法を説明する図である。
【図8】図8は、従来の平面型表示装置を構成する単位平面表示素子を説明する図である。
【符号の説明】
101…平面型画像表示装置、102,102A,102B…単位平面表示素子、103…赤色(R)画素,104…緑色(G)画素,105…青色(B)画素、106…表示画素、107…背面板、108…アドレス電極、109…誘電層、110…隔壁体、111…蛍光体、112…周辺部凸条体、113…前面板、122…透明電極,123…バス電極、114…誘電体、115…ブラックマトリックス、117…間隔保持材、125…保護膜、124…周辺ガラスフリット、130…表示素子封着体、131…切断線、131L…最大値、131S…最小値、132…高速回転ブレード、133a…入口側疑似切断部材、133b…出口側疑似切断部材、135…切断面、136…表示素子切断端面
Claims (5)
- 四辺形の表示面を備えた単位平面表示素子の複数個を配置した平面型画像表示装置において、隣接する単位平面表示素子間には空間が形成されており、該空間は画像表示状態において200μm以下の大きさが保持されていることを特徴とする平面型画像表示装置。
- 画像表示状態の隣接する2つの単位平面表示素子は、単位平面表示素子の画素間隔:a、単位平面表示素子の外周部の非表示領域の最外周部の表示画素との間の幅:b,c、隣接する単位平面表示素子の間の空間dには、
0.6a≦b+c+d≦1.3a
の関係があることを特徴とする請求項1記載の平面型画像表示装置。 - 単位平面表示素子の外周部の側面は、設定値に対して±50μm以内の平坦精度であることを特徴とする請求項1または2に記載の平面型画像表示装置。
- 単位平面表示素子の外周部の側面は、設定値に対して±25μm以内の平坦精度であり、隣接する単位平面表示素子間には空間が形成されており、該空間は画像表示状態において100μm以下の大きさが保持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の平面型画像表示装置。
- 単位平面表示素子が、プラズマ表示装置、液晶表示装置、有機EL表示装置、無機EL表示装置、電界効果型表示装置のいずれかである請求項1ないし4のいずれかに記載の平面型画像表示装置。
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JP2003094414A JP2004302087A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 平面型画像表示装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011070697A1 (ja) * | 2009-12-07 | 2011-06-16 | パナソニック株式会社 | 発光モジュールおよびその製造方法 |
US8390532B2 (en) | 2007-03-26 | 2013-03-05 | Mitsubishi Electric Corporation | Video display apparatus and video display method |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003094414A patent/JP2004302087A/ja active Pending
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