JP2004301745A - 磁気探査方法 - Google Patents

磁気探査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004301745A
JP2004301745A JP2003096384A JP2003096384A JP2004301745A JP 2004301745 A JP2004301745 A JP 2004301745A JP 2003096384 A JP2003096384 A JP 2003096384A JP 2003096384 A JP2003096384 A JP 2003096384A JP 2004301745 A JP2004301745 A JP 2004301745A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
axis direction
axis
magnetic field
geomagnetism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003096384A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4164747B2 (ja
Inventor
Hidetoshi Nishioka
英俊 西岡
Hiroshi Haneya
洋 羽矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2003096384A priority Critical patent/JP4164747B2/ja
Publication of JP2004301745A publication Critical patent/JP2004301745A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4164747B2 publication Critical patent/JP4164747B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、場所打ち杭等のように鉄筋量が少ない杭や、フーチングによって探査孔を杭から離れたところに配置しなければならない場合にも、杭長を正確に検出することができる磁気探査方法を提供することを課題とする。
【解決手段】水平磁界算出部94によって深さ毎のx軸方向の磁界の強さBXとy軸方向の磁界の強さBYとから水平成分の磁界の強さBHを算出し、地磁気除去部93によって地磁気を除去した水平成分の磁界の強さBhと地磁気を除去した鉛直方向の磁界の強さBzを算出し、探査結果算出部95によって地磁気を除去した水平成分の磁界の強さBhと、地磁気を除去した鉛直方向の磁界の強さBzとからtanθ=Bh/Bzを算出し、データ出力部96によって深さ毎のtanθ=Bh/Bzグラフや表として出力する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気探査方法に関し、特に基礎杭の先端位置を検出する磁気探査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
施行年度の古い構造物の耐震性判定のためや、老朽化した構造物の更新のためには、基礎杭の杭長を確認しておく必要があるが、図面等が存在しない場合には、基礎杭の杭長を調査しなければならない。
【0003】
従来、基礎杭の杭長の調査には、両コイル型磁気傾度計を用いた磁気探査方法が行われている。磁気探査方法は、基礎杭の残留磁気や地球磁場による感応磁気を測定することによって杭長を特定するもので、ロータリーボーリング等によって測定対象の基礎杭の近傍に探査孔を掘削し、当該探査孔に両コイル型磁気傾度計を挿入して一定速度で移動させることによって磁気傾度、すなわち磁場の強さの変化率を測定し、杭長を特定する(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
「磁気探査を用いた橋梁基礎の形状調査法マニュアル」建設省土木研究所、平成11年3月
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術の両コイル型磁気傾度計のような磁場強さの勾配を測定する手法では、コイルを一定速度で移動させて生じる起電圧の変化から磁気傾度、すなわち磁場の強さの変化率を測定しているため、H型鋼杭等の比較的鋼材量が多く、残留磁気量が大きい物に対しては実績が得られているものの、場所打ち杭等のように鉄筋量が少ない杭や、フーチングによって探査孔を杭から離れたところに配置しなければならない場合には、高い検知精度が期待できないという問題点があった。
【0006】
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、場所打ち杭等のように鉄筋量が少ない杭や、フーチングによって探査孔を杭から離れたところに配置しなければならない場合にも、杭長を正確に検出することができる磁気探査方法を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、鋼材を含む地中構造物および埋設物の近傍の磁気探査を行って、前記地中構造物および埋設物の先端位置を非接触で検出する磁気探査方法であって、互いに直交するx軸、y軸およびz軸の磁気量を測定可能な3次元磁気センサをz軸が前記地中構造物および埋設物と平行になるように位置決めした状態でz軸方向に移動させ、前記3次元磁気センサによってz軸方向の複数の箇所でそれぞれx軸方向の磁気量BX、y軸方向の磁気量BYおよびz軸方向の磁気量BZを測定し、前記磁気量BXと前記磁気量BYとから前記地中構造物および埋設物に対して垂直な面上の磁気量BHを算出し、当該磁気量BHと前記磁気量BZとから予め測定しておいた地磁気をそれぞれ除去して地磁気を除去した前記地中構造物および埋設物に対して垂直な面上の磁気量Bhと地磁気を除去したz軸方向の磁気量Bzとをそれぞれ算出し、前記磁気量Bhと前記磁気量Bzとに基づく形状解析結果を前記z軸方向の複数の箇所毎に出力することを特徴とする磁気探査方法に存する。
また請求項2記載の発明の要旨は、鋼材を含む地中構造物および埋設物の近傍の磁気探査を行って、前記地中構造物および埋設物の先端位置を非接触で検出する磁気探査方法であって、互いに直交するx軸、y軸およびz軸の磁気量を測定可能な3次元磁気センサをz軸が前記地中構造物および埋設物と平行になると共にx軸およびy軸が変位しないように位置決めした状態でz軸方向に移動させ、前記3次元磁気センサによってz軸方向の複数の箇所でそれぞれx軸方向の磁気量BX、y軸方向の磁気量BYおよびz軸方向の磁気量BZを測定し、前記磁気量BX、前記磁気量BYおよび前記磁気量BZとから予め測定しておいた地磁気をそれぞれ除去して地磁気を除去したx軸方向の磁気量Bx、地磁気を除去したy軸方向の磁気量Byおよび地磁気を除去したz軸方向の磁気量Bzをそれぞれ算出し、前記磁気量Bxと前記磁気量Byとから前記地中構造物および埋設物に対して垂直な面上の磁気量Bhを算出し、前記磁気量Bhと前記磁気量Bzとに基づく形状解析結果を前記z軸方向の複数の箇所毎に出力することを特徴とする磁気探査方法に存する。
また請求項3記載の発明の要旨は、前記形状解析結果は、前記磁気量Bhと前記磁気量Bzとの比を表す情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気探査方法に存する。
また請求項4記載の発明の要旨は、前記3次元磁気センサは、互いに直交する向きに配置された3つのホール素子からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気探査方法に存する。
また請求項5記載の発明の要旨は、鋼材を含む地中構造物および埋設物の近傍の磁気探査を行って、前記地中構造物および埋設物の先端位置を非接触で検出する磁気探査方法であって、互いに直交するx軸およびz軸の磁気量を測定可能な2次元磁気センサをz軸が前記地中構造物および埋設物と平行になると共にx軸が変位しないように位置決めした状態でz軸方向に移動させ、前記2次元磁気センサによってz軸方向の複数の箇所でそれぞれx軸方向の磁気量BXおよびz軸方向の磁気量BZを測定し、前記磁気量BXと前記磁気量BZとから予め測定しておいた地磁気をそれぞれ除去して地磁気を除去したx軸方向の磁気量Bxと地磁気を除去したz軸方向の磁気量Bzとをそれぞれ算出し、前記磁気量Bxと前記磁気量Bzとに基づく形状解析結果を前記z軸方向の複数の箇所毎に出力することを特徴とする磁気探査方法に存する。
また請求項6記載の発明の要旨は、前記形状解析結果は、前記磁気量Bxと前記磁気量Bzとの比を表す情報であることを特徴とする請求項5記載の磁気探査方法に存する。
また請求項7記載の発明の要旨は、前記2次元磁気センサは、互いに直交する向きに配置された2つのホール素子からなることを特徴とする請求項5又は6記載の磁気探査方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明に係る磁気探査方法の実施の形態で使用する機器構成を示す図であり、図2は、図1に示す形状解析装置の構成を示すブロック図であり、図3は、図2に示す水平磁界算出部における水平磁界の算出方法を説明するための図であり、図4は、図2に示す探査結果算出部において算出された探査結果を説明するための図である。
【0010】
本実施の形態では、互いに直交する向き(x軸、y軸、z軸)の磁界の強さを測定可能な3次元磁気センサ4を使用して磁場の分布を測定する。本実施の形態で使用する3次元磁気センサ4は、例えば互いに直交する向きに配置された3つのホール素子からなるもので、静止状態で互いに直交する向きの磁界の強さを測定することが可能な構成となっている。なお、ホール素子の替わりにフラックスゲート型センサやSQUID型センサ等を用いることもできる。
【0011】
図1を参照すると、測定対象の基礎杭1の近傍に基礎杭1と平行(鉛直)な探査孔2を掘削し、探査孔2の全長にわたってアルミや塩化ビニール等の非磁性ガイド管3を挿入する。次に非磁性ガイド管3に3次元磁気センサ4を挿入し、基礎杭1の軸方向に深さを変えながらx軸方向、y軸方向、z軸方向の磁界の強さをそれぞれ測定していく。なお、測定対象の基礎杭1としては、具体的には、杭(鋼杭,場所打ち杭)の他、ケーソン(鋼製,鉄筋コンクリート製)、井筒(鉄筋コンクリート製)等が考えられる。
【0012】
3次元磁気センサ4は、図1に示すようにz軸が基礎杭1に平行(鉛直)になるように位置決めされ、x軸およびy軸がz軸と垂直な平面(水平面)上に位置する。なお、3次元磁気センサ4は、吊り下げることによって鉛直方向がz軸になるように構成されており、図1に示すように吊り下げるだけでも各軸の位置決めが可能であるが、より精度良く位置決めする場合には、探査孔2内に基礎杭1と平行なガイド棒を設置し、当該ガイド棒でガイドしながらz軸方向を移動させるようにすれば良い。
【0013】
3次元磁気センサ4からの出力は、増幅器6で増幅され、プーリー5に接続されたカウンタ7からの深さ情報と共にデータ収集器8に入力される。従って、データ収集器8には、深さ毎のx軸方向、y軸方向およびz軸方向の磁界の強さが探査データとして収集されることになる。
【0014】
形状解析装置9は、図2を参照すると、データ収集器8からの探査データが入力される探査データ入力部91と、予め測定しておいた地磁気データが記憶される地磁気記憶部92と、地磁気記憶部92に記憶されている地磁気データに基づいて探査データから地磁気を除去する地磁気除去部93と、水平磁界算出部94と、探査結果算出部95と、データ出力部96とからなる。
【0015】
探査データ入力部91には、データ収集器8から探査データとして深さ毎のx軸方向の磁界の強さBXと、y軸方向の磁界の強さBYと、z軸方向の磁界の強さBZとが入力される。
【0016】
地磁気記憶部92に記憶される地磁気は、周囲の磁性体から十分離れた位置に3次元磁気センサ4を置き、z軸が鉛直方向になるように調整し、x軸方向、y軸方向、z軸方向の3方向成分の磁界の強さ(μT)をそれぞれ測定し、当該測定結果をそれぞれ地磁気Bx、By、Bzとして記憶させておく。
【0017】
水平磁界算出部94は、以下に示す式によって水平成分の磁界の強さBHを算出する。すなわち、図3に示すように、3次元磁気センサ4が回転してx軸およびy軸が変化しても、x軸方向の磁界の強さBXと、y軸方向の磁界の強さBYとから正確な水平成分の磁界の強さBHを算出する。
【0018】
Figure 2004301745
【0019】
地磁気除去部93は、以下に示す式によって水平成分の地磁気Bhを算出し、地磁気を除去した水平成分の磁界の強さBh=BH−Bhと、地磁気を除去した鉛直方向の磁界の強さBz=BZ−Bzを算出する。
【0020】
Figure 2004301745
【0021】
探査結果算出部95は、地磁気を除去した水平成分の磁界の強さBhと、地磁気を除去した鉛直方向の磁界の強さBzとからtanθ=Bh/Bzを算出する。
このようにして深さ毎のtanθ=Bh/Bzを算出してプリンタ等のデータ出力部96にグラフや表として出力する。
【0022】
基礎杭1を磁石してみなすと、基礎杭1からは、図4に示すような磁力線がでていることになり、tanθ=Bh/Bzを算出して水平成分の磁界の強さBhと鉛直方向の磁界の強さBzとの比として捉えることにより、磁力線の角度の変化を検出できるため、データ出力部96から出力されるグラフや表には、基礎杭1の先端位置を中心とした明らかな変動が確認でき、基礎杭1の杭長を検出することが可能になる。
【0023】
また、鉛直方向の磁界の強さBzのみでは、基礎杭1と3次元磁気センサ4との離隔が大きいときに誤差が大きくなるが、水平成分の磁界の強さBh、鉛直方向の磁界の強さBzとも同じレベルで磁気量が低下するため、tanθ=Bh/Bzとすれば、磁気量が小さくても精度が良く基礎杭1の先端位置を検出することが可能になる。さらに、tanθ=Bh/Bzとすることで、θ=0で正負が入れ替わり、検出の信頼性が向上する。
【0024】
なお、本実施の形態では、3次元磁気センサ4の回転を考慮して水平成分の磁界の強さBHを、x軸方向の磁界の強さBXと、y軸方向の磁界の強さBYとから算出するように構成したが、z軸(鉛直方向)の移動に際して3次元磁気センサ4が回転しないように、すなわちx軸およびy軸が動かないように位置決めすると、地磁気の除去をより正確に行うことができる。
【0025】
この場合には、地磁気除去部93によって、成分毎に地磁気を除去し、地磁気を除去したx軸方向の磁界の強さBx=BX−Bxと、地磁気を除去したy軸方向の磁界の強さBy=BY−Byと、地磁気を除去したz軸方向(鉛直方向)の磁界の強さBz=BZ−Bzをそれぞれ算出し、水平磁界算出部94によって、地磁気を除去したx軸方向の磁界の強さBxと、地磁気を除去したy軸方向の磁界の強さByとから以下に示す式によって水平成分の磁界の強さBhを算出するようにすれば良い。
【0026】
Figure 2004301745
【0027】
また、x軸およびy軸が動かないように位置決めした場合には、水平成分の磁界の強さBhを算出することなく、探査結果算出部95において、地磁気を除去したx軸方向の磁界の強さBxもしくは地磁気を除去したy軸方向の磁界の強さByを用いてtanθ=Bx/Bzもしくはtanθ=By/Bzを算出するようにしても良く、この場合には、3次元磁気センサ4の替わりに互いに直交する向き(x軸もしくはy軸、z軸)の磁界の強さを測定可能な2次元磁気センサを用いることができる。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態によれば、互いに直交する向き(x軸、y軸、z軸)の磁界の強さを測定可能な3次元磁気センサ4を使用して磁場の分布を測定し、測定結果を水平成分の磁界の強さBhと鉛直方向の磁界の強さBzとの比として捉えることにより、場所打ち杭等のように、鋼杭と比べて鋼材量が少ない杭や、フーチングによって探査孔を杭から離れたところに配置しなければならない場合にも、杭長を正確に検出することができるという効果を奏する。
【0029】
さらに、本実施の形態によれば、x軸方向の磁界の強さBxと、y軸方向の磁界の強さByとから水平成分の磁界の強さBhを算出することにより、3次元磁気センサ4の複雑な位置決めを必要とせず、簡易な装備で磁気探査を行うことができるという効果を奏する。
【0030】
【実施例】
(実施例1)
図5は、本発明に係る磁気探査方法の実施例1の測定条件を示す図であり、(a)は、側面図であり、(b)は、正面図であり、(c)は、上面図である。図6および図7は、本発明に係る磁気探査方法の実施例1の探査結果を示すグラフである。
【0031】
図5に示すように、横に寝かせた鉄筋篭10から距離Lを離して、3次元磁気センサ4(ホール素子)を固定するセンサ固定用治具11を設置し、当該センサ固定用治具11上を50mmピッチで3次元磁気センサ4を移動させながら、各位置での磁界強さを測定した。この測定を鉄筋篭10から3次元磁気センサ4までの距離LがL=10cm、L=50cm、L=100cmに3ケースについてそれぞれ行った。3次元磁気センサ4によって測定する磁界の座標は、3次元磁気センサ4の移動軸をz軸、鉛直方向をx軸、水平方向がy軸となるようにし、各位置でx軸方向、y軸方向、z軸方向の3方向成分をそれぞれ測定し、各測定結果から地磁気を除去した結果をBx、By、Bz(μT)とした。地磁気としては、鉄筋篭10がない状態でx軸方向、y軸方向、z軸方向の3方向成分(μT)の磁界の強さ(μT)をそれぞれ測定し、当該測定結果をそれぞれ地磁気Bx、By、Bzとして地磁気の除去を行った。なお、同一位置では、2回以上計測を行い、磁場の定常性を確認した。
【0032】
このようにして測定したBx、Byに基づいて、
処理A:鉄筋篭軸方向(z軸方向)の磁気量分布勾配(dBz/dz)、
処理B:鉄筋篭軸方向(z軸方向)の磁界の強さ/鉄筋篭直角軸方向水平成分(y軸方向)の磁界の強さ、の2通りの形状解析処理を行い、両者を比較した。ここで処理Aは、鉄筋篭軸方向成分の一階微分であり、磁気傾度計を用いた従来方式の計測で得られる値と同等のものとなり、処理Bは、本実施の形態において、3次元磁気センサ4のx軸およびy軸を位置決めして測定し、水平成分中のy軸成分に基づいて探査結果を算出した場合に相当する。
【0033】
その結果、図6(a)に示すようにL=10cmでは、処理Aおよび処理Bのいずれにおいても鉄筋篭10の先端位置を中心とした明らかな変動が確認できるが、L=50cmおよびL=100cmでは、図6(b)および図7にそれぞれ示すように、処理Bのみ鉄筋篭10の先端位置を中心とした明らかな変動が確認できる。
【0034】
(実施例2)
図8は、本発明に係る磁気探査方法の実施例2の測定条件を示す図であり、(a)は、側面図であり、(b)は、上面図である。図9は、本発明に係る磁気探査方法の実施例2の測定結果を示すグラフである。
【0035】
図8に示すように、土中に鉄筋12(D32)と計測用パイプ13(アルミ製)とを埋設し、計測用パイプ13内に3次元磁気センサ4(ホール素子)を固定するセンサ固定用治具11を設置し、当該センサ固定用治具上で3次元磁気センサ4を移動させながら、各位置での磁界強さを測定した。鉄筋12から3次元磁気センサ4までの距離Lは、L=12cmに設定した。3次元磁気センサ4によつて測定する磁界の座標は、3次元磁気センサ4の移動軸(鉛直方向)をz軸に、水平面は、南北方向がy軸、東西方向がx軸になるようにし、各位置でx軸方向、y軸方向、z軸方向の3方向成分をそれぞれ測定し、各測定結果から地磁気を除去した結果をBx、By、Bz(μT)とした。地磁気としては、鉄筋篭がない状態でx軸方向、y軸方向、z軸方向の3方向成分(μT)でそれぞれ測定し、当該測定結果をそれぞれ地磁気Bx、By、Bzとして地磁気の除去を行った。なお、同一位置では、2回以上計測を行い、磁場の定常性を確認した。
【0036】
このようにして測定したBx、By、Bzに基づいて、
処理A:鉄筋軸方向(z軸方向)の磁気量分布勾配(dBz/dz)、
処理B:鉄筋直角軸方向水平成分の磁界の強さBh/鉄筋軸方向(z軸方向)の磁界の強さBz、の2通りの形状解析処理を行い、両者を比較した。
ここで処理Aは、鉄筋軸方向成分の一階微分であり、磁気傾度計を用いた従来方式の計測で得られる値と同等のものとなり、処理Bは、本実施の形態において、3次元磁気センサ4のx軸およびy軸を位置決めして測定し、水平成分中のx軸成分およびy軸成分に基づいて探査結果を算出した場合に相当する。
【0037】
その結果、図9に示すように、処理Bでは、鉄筋12の先端位置を中心とした明らかな変動が確認できるが、処理Aでは、明確な違いは得られなかった。
【0038】
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付している。
【0039】
【発明の効果】
本発明の磁気探査方法は、互いに直交する向き(x軸、y軸、z軸)の磁界の強さを測定可能な3次元磁気センサを使用して磁場の分布を測定し、測定結果を水平成分の磁界の強さと鉛直方向の磁界の強さとの比として捉えることにより、場所打ち杭等のように、鋼杭と比べて鋼材量が少ない杭や、フーチングによって探査孔を杭から離れたところに配置しなければならない場合にも、杭長を正確に検出することができるという効果を奏する。
【0040】
さらに、本発明の磁気探査方法は、x軸方向の磁界の強さと、y軸方向の磁界の強さとから水平成分の磁界の強さを算出することにより、3次元磁気センサの複雑な位置決めを必要とせず、簡易な装備で磁気探査を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気探査方法の実施の形態で使用する機器構成を示す図である。
【図2】図1に示す形状解析装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す水平磁界算出部における水平磁界の算出方法を説明するための図である。
【図4】図2に示す探査結果算出部において算出された探査結果を説明するための図である。
【図5】本発明に係る磁気探査方法の実施例1の測定条件を示す図であり、(a)は、側面図であり、(b)は、正面図であり、(c)は、上面図である。
【図6】本発明に係る磁気探査方法の実施例1の探査結果を示すグラフである。
【図7】本発明に係る磁気探査方法の実施例1の探査結果を示すグラフである。
【図8】本発明に係る磁気探査方法の実施例2の測定条件を示す図であり、(a)は、側面図であり、(b)は、上面図である。
【図9】本発明に係る磁気探査方法の実施例2の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基礎杭
2 探査孔
3 非磁性ガイド管
4 3次元磁気センサ
5 プーリー
6 増幅器
7 カウンタ
8 データ収集器
9 形状解析装置
10 鉄筋篭
11 センサ固定用治具
12 鉄筋
13 計測用パイプ
91 探査データ入力部
92 地磁気記憶部
93 地磁気除去部
94 水平磁界算出部
95 探査結果算出部
96 データ出力部

Claims (7)

  1. 鋼材を含む地中構造物および埋設物の近傍の磁気探査を行って、前記地中構造物および埋設物の先端位置を非接触で検出する磁気探査方法であって、
    互いに直交するx軸、y軸およびz軸の磁気量を測定可能な3次元磁気センサをz軸が前記地中構造物および埋設物と平行になるように位置決めした状態でz軸方向に移動させ、
    前記3次元磁気センサによってz軸方向の複数の箇所でそれぞれx軸方向の磁気量BX、y軸方向の磁気量BYおよびz軸方向の磁気量BZを測定し、
    前記磁気量BXと前記磁気量BYとから前記地中構造物および埋設物に対して垂直な面上の磁気量BHを算出し、
    当該磁気量BHと前記磁気量BZとから予め測定しておいた地磁気をそれぞれ除去して地磁気を除去した前記地中構造物および埋設物に対して垂直な面上の磁気量Bhと地磁気を除去したz軸方向の磁気量Bzとをそれぞれ算出し、
    前記磁気量Bhと前記磁気量Bzとに基づく形状解析結果を前記z軸方向の複数の箇所毎に出力することを特徴とする磁気探査方法。
  2. 鋼材を含む地中構造物および埋設物の近傍の磁気探査を行って、前記地中構造物および埋設物の先端位置を非接触で検出する磁気探査方法であって、
    互いに直交するx軸、y軸およびz軸の磁気量を測定可能な3次元磁気センサをz軸が前記地中構造物および埋設物と平行になると共にx軸およびy軸が変位しないように位置決めした状態でz軸方向に移動させ、
    前記3次元磁気センサによってz軸方向の複数の箇所でそれぞれx軸方向の磁気量BX、y軸方向の磁気量BYおよびz軸方向の磁気量BZを測定し、
    前記磁気量BX、前記磁気量BYおよび前記磁気量BZとから予め測定しておいた地磁気をそれぞれ除去して地磁気を除去したx軸方向の磁気量Bx、地磁気を除去したy軸方向の磁気量Byおよび地磁気を除去したz軸方向の磁気量Bzをそれぞれ算出し、
    前記磁気量Bxと前記磁気量Byとから前記地中構造物および埋設物に対して垂直な面上の磁気量Bhを算出し、
    前記磁気量Bhと前記磁気量Bzとに基づく形状解析結果を前記z軸方向の複数の箇所毎に出力することを特徴とする磁気探査方法。
  3. 前記形状解析結果は、前記磁気量Bhと前記磁気量Bzとの比を表す情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気探査方法。
  4. 前記3次元磁気センサは、互いに直交する向きに配置された3つのホール素子からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気探査方法。
  5. 鋼材を含む地中構造物および埋設物の近傍の磁気探査を行って、前記地中構造物および埋設物の先端位置を非接触で検出する磁気探査方法であって、
    互いに直交するx軸およびz軸の磁気量を測定可能な2次元磁気センサをz軸が前記地中構造物および埋設物と平行になると共にx軸が変位しないように位置決めした状態でz軸方向に移動させ、
    前記2次元磁気センサによってz軸方向の複数の箇所でそれぞれx軸方向の磁気量BXおよびz軸方向の磁気量BZを測定し、
    前記磁気量BXと前記磁気量BZとから予め測定しておいた地磁気をそれぞれ除去して地磁気を除去したx軸方向の磁気量Bxと地磁気を除去したz軸方向の磁気量Bzとをそれぞれ算出し、
    前記磁気量Bxと前記磁気量Bzとに基づく形状解析結果を前記z軸方向の複数の箇所毎に出力することを特徴とする磁気探査方法。
  6. 前記形状解析結果は、前記磁気量Bxと前記磁気量Bzとの比を表す情報であることを特徴とする請求項5記載の磁気探査方法。
  7. 前記2次元磁気センサは、互いに直交する向きに配置された2つのホール素子からなることを特徴とする請求項5又は6記載の磁気探査方法。
JP2003096384A 2003-03-31 2003-03-31 磁気探査方法 Expired - Fee Related JP4164747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003096384A JP4164747B2 (ja) 2003-03-31 2003-03-31 磁気探査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003096384A JP4164747B2 (ja) 2003-03-31 2003-03-31 磁気探査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004301745A true JP2004301745A (ja) 2004-10-28
JP4164747B2 JP4164747B2 (ja) 2008-10-15

Family

ID=33408467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003096384A Expired - Fee Related JP4164747B2 (ja) 2003-03-31 2003-03-31 磁気探査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4164747B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101322243B1 (ko) 2013-07-09 2013-10-28 대한민국 플라스틱 원통을 이용하여 지구 자기장 센서를 매설하는 방법
JP2015014526A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 電磁探査方法
JP2016188839A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 株式会社島津製作所 非破壊検査装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015014526A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 電磁探査方法
KR101322243B1 (ko) 2013-07-09 2013-10-28 대한민국 플라스틱 원통을 이용하여 지구 자기장 센서를 매설하는 방법
JP2016188839A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 株式会社島津製作所 非破壊検査装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4164747B2 (ja) 2008-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2752618C (en) Multi-station analysis of magnetic surveys
Gibson Application of resistivity and magnetometry geophysical techniques for near-surface investigations in karstic terranes in Ireland
CN109883450A (zh) 埋地钢质管道内检测器磁标的定位方法
AU2005220213B2 (en) Method and apparatus for mapping the trajectory in the subsurface of a borehole
Wu et al. An investigation of electromagnetic anti-collision real-time measurement for drilling cluster wells
US11299979B2 (en) Magnetic distance and direction measurements from a first borehole to a second borehole
Bevan et al. Magnetic exploration of archaeological sites
JP4164747B2 (ja) 磁気探査方法
KR100264630B1 (ko) 시추공 내 3-축 자기장 측정에 의한 콘크리트 기초 파일 내의 철근 탐지 장치와 탐지 방법
CN113050182B (zh) 一种水域地磁场观测方法及系统
CN106052507B (zh) 综合管廊内管线普查测量工具及方法
JP2005291802A (ja) 磁気探査方法
JP4164746B2 (ja) 磁気探査に用いる貫入具および磁気探査方法
JP2010078585A (ja) 磁性材料埋設物の位置探査方法
JP2005291812A (ja) 磁気探査方法
KR101496084B1 (ko) 자속 밀도의 편차 분포에 의한 파쇄대 확인 방법 및 그 장치
JP2014044114A (ja) 差動式磁気探査システム
JP2005291818A (ja) 磁気探査に用いる貫入具および磁気探査方法
JPS62266484A (ja) 磁気センサ−を用いた掘進管先端位置探査方法
JPH05281366A (ja) コンクリート内埋設金属体の位置表示装置
JPH0777581A (ja) 地層の残留磁場を測定する装置と方法
RU2152059C1 (ru) Система позиционирования трассы подземного трубопровода
Kristjánsson Notes on paleomagnetic sampling in Iceland
JP2004347533A (ja) 磁気探査方法およびその装置
Scarano Hemsi et al. Borehole magnetometry test for evaluating a Caisson’s reinforced depth: Experimental results and theoretical modeling

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080708

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080716

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees