JP2004301636A - 時計構造体および時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転錘の軸線方向振動をエネルギ源として活用し得る時計構造体を提供すること
【解決手段】時計構造体1は、支持体2と、回転中心軸線Cのまわりで支持体2に対して回転可能で且つ回転中心軸線Cの延在方向F1,F2に沿って支持体2に近接離間可能な回転錘20と、支持体2と回転錘20との間に形成された回転錘回転駆動機構50,60であって、回転錘20の支持体2に対するF1,F2方向の近接離間運動を回転錘20のC1方向の回転運動に変換するものとを有する。回転錘回転駆動機構50,60は、回転錘20及び支持体2のうちの一方の部材2に回転錘20の回転中心軸線Cに関して周方向に形成され且つ該周方向に傾斜した斜面63を備えた多数の凹凸部60と、回転錘20及び支持体2のうちの他方の部材20に設けられ他方の部材20から一方の部材2に向かって延びた板バネの如き延設部50とを有する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は時計構造体及び時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転中心軸線のまわりで地板に対して往復回動可能な回転錘を備え、時計を装着した腕の動きに伴う加速度運動によって往復回動される回転錘の運動エネルギを利用してぜんまいをまく自動巻時計は、知られている。
【0003】
このような自動巻時計において、回転錘が軸線方向に振動する可能性を考慮することは、提案されている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−311161号公報(第6−7頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1における提案は、回転錘の軸線方向の振動を極力減衰させるべく、回転錘が軸線方向に振動した際に回転錘を緩衝材で受けるようにすることにとどまり、回転錘の軸線方向振動を活用しようとするものではない。
【0006】
本発明は、前記した点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、回転錘の軸線方向運動をエネルギ源として活用し得るようにした時計構造体及び時計を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の時計構造体は、前記目的を達成すべく、回転中心軸線のまわりで該支持体に対して回転可能で且つ少なくとも一部が回転中心軸線の延在方向に沿って該支持体に近接離間可能な回転錘と、支持体と回転錘との間に形成された回転錘回転駆動機構であって、回転錘の支持体に対する近接離間運動を回転錘の回転運動に変換するものとを有する。
【0008】
本発明の時計構造体では、回転錘が少なくとも一部において支持体に対して近接離間可能であるから、時計構造体を腕などに装着して腕などを例えば不規則に振ると、回転錘の前記少なくとも一部が支持体に対して近接離間され得る。また、本発明の時計構造体では、回転錘の前記少なくとも一部の支持体に対する近接離間運動を回転錘の回転運動に変換する回転錘回転駆動機構が設けられているので、回転錘の前記少なくとも一部の支持体に対する近接離間運動が回転錘の回転運動に変換され得るから、時計構造体を腕などに装着して腕などを例えば不規則に振るだけで、回転錘の回転運動を生起させ得る。
【0009】
なお、回転錘が偏心錘であるときには、回転錘の実際上どのような運動も回転錘の回転運動を生じさせ得ることになるから、時計構造体を腕などに装着して腕などを振ると、その振り方に係らず、回転錘には回転運動がせいきせしめられ得ることになる。
【0010】
支持体に対して回転可能な回転錘の回転運動は、時計構造体では、典型的には、ぜんまいの巻上げに用いられて、時計の駆動エネルギとして用いられ得る。このぜんまいに蓄えられた機械的なエネルギは直接的に時計の針の駆動エネルギとして用いられても(狭義の自動巻時計)、この機械的エネルギが発電機の発電エネルギとして用いられてもよい。なお、所望ならば、回転錘の回転運動は、二次電池の充電など他のエネルギ源として利用してもよい。
【0011】
いずれの場合でも、回転錘の少なくとも一部の近接離間運動のエネルギが仕事として利用されるから、近接離間運動によって回転錘の中心のベアリング部に過度な軸線方向力がかかる虞れが低減され、ベアリング部の損傷の虞れも低減され得る。
【0012】
回転錘は、典型的には、その慣性モーメントが高くなるように、回転中心軸線から遠い外周部に回転重錘として働く錘部分を備える。また、回転錘は、典型的には、回転中心軸線に垂直な面内での加速度運動が回転錘の回転運動に変換されやすいように、回転中心軸線に関して偏心した形状・構造を有する。但し、回転錘の回転中心軸線の延在方向に沿う(平行な)方向への運動ないし速度変化を回転錘の回転運動として取出すことに限れば、所望ならば、回転中心軸線のまわりにおいて回転錘が偏心していなかったり偏心の程度が低くてもよい。
【0013】
本発明の時計構造体では、典型的には、回転錘及び支持体のうちの一方の部材に回転錘の回転中心軸線に関して周方向に形成され且つ該周方向に傾斜した斜面を備えた多数の凹凸部と、回転錘及び支持体のうちの他方の部材に設けられ回転錘の前記少なくとも一部が支持体に近接せしめられる際に前記一方部材の斜面に押付けられるように該他方の部材から前記一方の部材に向かって延びた延設部とを有する。
【0014】
この場合、回転錘の前記少なくとも一部が支持体に対して軸線方向に近接せしめられる毎に、延設部の延在端が対向位置にある周方向に傾いた斜面に押付けられるので、回転錘が回転され得る。
【0015】
ここで、凹凸部の斜面は、典型的には、周方向の一方の向きに向いている。これにより、回転錘の前記少なくとも一部の近接運動が常に回転錘の一方の向きへの回転に変換され得る。但し、回転錘の回転(回動)の向きに係らずぜんまいを一方の向きにまくような動力伝達機構を備えるような場合には、斜面が、一方のみに向く代わりに、ある範囲の領域では一方の向きを向き別の範囲の領域では他方の向きを向いていてもよい。例えば、回転錘の往復回動範囲が限られている場合であって延設部が回転錘に設けられている場合、回転錘が回動範囲のうちの一方の側に偏している領域では回動範囲の中央に回転錘を戻すように周方向の一方の向きに傾斜した斜面を支持体が備え、回転錘が回動範囲のうちの他方の側に偏している領域では回動範囲の中央に回転錘を戻すように周方向の反対の向きに傾斜した斜面を支持体が備えていていもよい。
【0016】
本発明の時計構造体では、典型的には、延設部が弾性手段からなる。この場合、弾性手段が軸線方向の衝撃力を緩和し得るので、関連部材が損傷を受ける虞れを最小限にするのにも、役立ち得る。
【0017】
本発明の時計構造体では、斜面が一方の向きに傾斜している場合、延設部が、典型的には、「く」の字状の折曲部を備えた板バネからなる。この場合、「く」の字状の板バネ部が、凹凸部の凸部を乗り越える際の案内としても働き得る。
【0018】
以上において、凹凸部は、典型的には、回転中心軸線から出来るだけ離れたところに形成される。これによって、大きな回転駆動力ないしトルクを発生し易くなるだけでなく、回転錘がその慣性モーメントが高くなるように回転中心軸線から離れた外周部に質量の大きい部分を備え該大質量部分が中心部分と比較して軸方向に変位し易いような場合に、その軸線方向変位を最大限に回転駆動力として取出すことが可能になる。
【0019】
但し、所望ならば、本発明の時計構造体において、回転錘回転駆動機構が、他の構造を有していてもよく、回転錘回転駆動機構が、例えば、回転錘及び支持体のうちの一方の取付けられ該一方から他方に向かって延びた螺旋状弾性手段であって螺旋のピッチが変動する際に回転力を付与するものと、回転錘及び支持体のうちの他方に対して一方向に回転自在に該他方に一端側で装着されたピン状駆動手段であって他端部が螺旋状弾性手段の延在端部に取付けられたものとを有していてもよい。このような場合でも、回転錘が支持体に対して近接又は離間される毎に、回転錘及び支持体のうちの一方の取付けられた螺旋状弾性手段の螺旋のピッチが変動することに伴い螺旋状弾性手段が延在端部においてピン状駆動手段に回転力を及ぼし、該ピン状駆動手段を介して回転錘及び支持体のうちの他方を相対回転させるから、回転錘が支持体に対して回転され得る。
【0020】
本発明の時計は、これらの時計構造体と、前記時計構造体を内部に包みこむ胴と、前記胴の上面側に配置して前記胴に固定するガラスと、前記前記胴の下面側に配置して前記胴に着脱可能に固定する裏蓋とからなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい一実施の形態を添付図面に示した好ましい一実施例に基づいて説明する。
図1から図3には、本発明による好ましい一実施例の時計構造体としての機械式自動巻時計1が示されている。
【0022】
自動巻時計1は、地板2及び一番受11を備え、地板2には、香箱3及び一番巻上車10の下側軸部13の下端部14が、夫々、軸受部4及び15を介して回転中心軸線A,Bのまわりで回転自在に支持され、一番受11には、香箱3の香箱真の上端部5及び一番巻上車10の下側軸部13の上端部16が、夫々、軸受部6及び17を介して回転中心軸線A,Bのまわりで回転自在に支持されている。
【0023】
一番受11には、また、ボールベアリング21を含む回転錘20及び二番巻上車40が、夫々、回転中心軸線回転C及びDのまわりで回転自在に支持されている。回転錘20は、ボールベアリング21に加えて、ボールベアリング21の外側軸受部22を支える半円形ないし扇形の薄板状の回転錐体23と、回転錐20に十分な大きさの慣性モーメントを付与するように回転錐体23の半円形の外周部に沿って該回転錐体23に固定された回転重錘24と、回転錐体23の下面側において外側軸受部22に嵌着された歯車部25とを有し、歯車部25は、一番巻上車10の歯車部18に噛合している。従って、回転錘20が、中心軸線CのまわりでC1,C2方向に往復回動されると、一番巻上車10が中心軸線BのまわりでB1,B2方向に往復回動される。
【0024】
また、回転錘24の回転重錘24は、質量が最大限大きくなり且つ質量の割には中心軸線Cのまわりの慣性モーメントが大きくなるように、軸線Cの延在方向F1の厚さが半径方向の外側ほど厚くなっており、最外周部では地板2の面61に比較的近接して対面する半円状の対面部51を有する。回転錘20は、その外周部の回転重錘24に質量の大半が配置されていることから、外部衝撃が加わると、回転重錘24のところが地板2に対して多少なりともF1,F2方向に近接離間されるように変位し易い。従って、このF1,F2方向の近接離間運動は、回転錘20自体のF1,F2方向の軸線方向移動だけでなく、比較的薄い板状部材からなる回転錐体23の湾曲により多少なりとも生じる。なお、回転錘20の軸線方向F1,F2の往復並進(振動)が実際上生じ難いように、回転中心となるボールベアリング部21のところで回転錘20の軸線方向位置が実質的に規定されていても、その逆に、回転錘20のF1,F2方向の往復並進運動が、ボールベアリング部21のところで、ある程度の範囲内で自由に行われ得るようになっていてもよい。
【0025】
一番巻上車10は、更に、偏心した大径ボス部19を備え、該ボス部19には、つめレバー30が基端側のリング状部31で嵌着されている。つめレバー30の二つの爪部32,33は、二番巻上車40の歯部ないし突起部41に係合し、一番巻上車10が中心軸線BのまわりでB1,B2方向に往復回動されると、つめレバ−30が二番巻上車40を中心軸線Dのまわりで巻上方向D1に回動させる。
【0026】
二番巻上車40には、中心軸線Dのまわりで回転自在な小歯車43が一体的に形成され、この小歯車43は、ぜんまい9の内終端が取付けられた香箱真と一体化されるように香箱3の上側軸部5に固定された角穴車7のラチェット歯8に噛合している。従って、二番巻上車40のD1方向回転に伴う小歯車43のD1方向回転に応じて、角穴車7が中心軸線AのまわりでA1方向に回転され、軸部5を介して、香箱3内のぜんまい9をA1方向に巻き上げる。5aは角穴ネジである。
【0027】
なお、ここでは、回転錘20のC1方向運動のみが香箱3のぜんまい9を巻き上げる例について説明しているけれども、例えば、相互に噛合された一対の切換車のうちの一方が回転錘20の歯車に噛合され該二つの切換車の両方が一方向クラッチとして働く伝え車に係合されることにより、回転錘20の回動方向C1,C2に応じて一方又は他方の切換車を介して伝え車が一方の向きに回転されて角穴車を巻上方向に回転させる等の手段により、回転錘20の回動方向C1,C2にかかわらず角穴車が巻上方向に回転されるようになっていてもよい。
【0028】
回転錘20の回転重錘24のうち地板2に対面する外周縁部分51には、板バネ50が取付けられており、地板2のうち板バネ50に対面する環状表面61には、多数の凹凸部からなるカム60が形成されている。
【0029】
カム60は、図3及び図2からわかるように、地板2のうち回転重錘24の該周縁部の面51にあるバネ50に対向ないし対面する環状面61に形成された多数の実質的に同一形状の凹凸部、換言すれば凹部に挟まれた凸部即ち突起部62からなる。ここで、各突起部62は、傾斜が小さく長い単位カム面63と、隣接する単位カム面63をつなぐべく実質的に軸線方向に延びた接続面64とからなる(面63,64は、凸部の両側を規定する面とみなしても、凹部の両側を規定する面とみなしてもよいから、ここでは、凸部すなわち突起部として説明するけれども、そのまま凹部について説明しているものと読み替え得、一般的には、凹凸部ともみなし得る)。接続面は、バネ50のC1方向移動を妨げない限り、どのように傾斜していてもよいけれども、バネ50の先端が確実に単位カム面63に当接し得るようにするためには、実際上軸線方向に延びていることが好ましい。
【0030】
回転錘20のC1,C2方向の回動範囲が限られていて、回転錘20に取付けられた板バネ50のC1,C2方向の回動範囲が限られている場合には、カム60は、地板2の全周に形成される代わりに、カム60に対向する可能性がある範囲に形成されていてもよい。
【0031】
板バネ50は、回転重錘24の面51に取付けられた基部52と、該基部52からカム60のほうへ延びたほぼ「く」の字状の板バネ本体部53とからなり、板バネ本体部53は、湾曲端部54で基部52につながった基部側バネ部55と、基部側バネ部55の反対側の端部に湾極部56を介してつながった先端側バネ部57とを有し、回転錘20の回転重錘24の面51が地板2の環状面61に近接されるようにV1方向に変位される際、板バネ50のうちの先端側バネ部57の先端部58がカム60の単位カム面ないし主カム面63に押し付けられ得る。
【0032】
板バネ50の本体部53の先端側バネ部57が先端部58で地板2のカム60の主カム面63に押付けられると、板バネ50が「く」の字状湾曲部56の周辺で折り曲げられる。このとき、回転錘20には、カム面63から該板バネ50を介してC1方向の回転力が加えられ、回転錘20がC1方向に回転されることになる。以上において、回転錘回転駆動機構は、板バネ50と凹凸部60とからなる。
【0033】
以上の如く構成された自動巻時計1では、時計1がF1,F2方向に振られたり時計1にF2方向の衝撃ないしF1方向の慣性力がかかった場合、回転錘20の回転重錘24が地板2の対向表面61に近接せしめられるようにF1方向に変位されるので、回転錘20に取付けられた板バネ50が地板2のカム60のカム面63に当接し更に湾曲されつつ該カム面63にF1方向に押し付けられる。従って、バネ50が実質的に緩衝材になることから、回転錘20が最大限の慣性モーメントを有するように回転重錘24が半径方向外側程極力厚く形成されても、回転錘20の回転重錘24が地板2にぶつかったりする虞れがないだけでなく、回転錘20に軸線方向F1の過度な力がかかる虞れも少なく、ボールベアリング部21が損傷を受けたり、ベアリング部21や該ベアリング部21と回転錘体23との接合部ないし連結部や薄板状の回転錐体23自体が損傷を受けたりする虞れが少ない。
【0034】
なお、板バネ50がカム面63にF1方向に押し付けられる際、板バネ50は、カム面63から傾斜カム面63にほぼ垂直なG1方向の反作用を受けて、C1方向に回転駆動される。また、板バネ50がF1方向に押付けられる際に、基部側バネ部53がC1方向に逃げる向きに湾曲されるから、板バネ50にはC1方向の力がかかり易い。このC1方向の回転駆動力により、回転錘20がC1方向に回転駆動され、該回転錘20のC1方向回転が、一番巻上車10及び二番巻上車40の回転を介して香箱3に伝達されて、香箱3のぜんまい9がA1方向に巻き上げられる。なお、板バネ50は、その先端側バネ部57がカム60の突起部62の先端65に対して斜めに当たるから、板バネ部50が回転錘20と共にC1方向に地板2に対して回転変位される際に、板バネ部50がカム60の突起先端65に接触しても、先端側バネ部57が突起部62の先端65に斜めに接触するから、該先端側バネ部57がC2方向に逃げるように撓むことにより、そのC1方向変位が妨げられるのを避け得る。但し、回転錘20の地板2に対する近接方向F1の変位に伴ってカム60に押し付けられることによりC1方向の力を受けて回転錘20に回転力を付与し得る限り、板バネ50はどのような形状でもよく、板バネの代わりに他の種類の弾性部材でもよい。また、カム面63からのC1方向の力を回転錘20に伝え得る限り、場合によっては、弾性部材の代わりに、他のカムフォロワでもよい。
【0035】
更に、カム60は、傾斜面63を備える限り、滑らかな湾曲面でつながっていてもよい。また、単位となるカム面が単一の面である代わりに、複数の傾斜面からなっていてもよい。加えて、カム60は、典型的には、多数個の同一の単位カム面63からなるけれども、傾斜面63と同効の面を備える限り、各面が同一でなくてもよい。例えば、回転錘20の往復回動範囲が限られ且つ該往復回動範囲内の位置に応じて往復回動のし易さが変動することが好ましい場合には、単位となるカム面63の傾斜や長さ(場合によっては高さも)は、C1,C2方向の位置によって異なっていてもよい。更に、前述のように回転錘20がC1,C2方向のいずれに回動された場合にも、ぜんまい9を巻き上げるように中間の動力伝達機構が形成されているような場合には、例えば、カム面63が、往復回動範囲を規定する円弧の一方の側では該円弧の中央に向かうように一方の向きに傾斜し、円弧の他方の側では該円弧の中央に向かうように他方の向きに傾斜していてもよい。また、凹凸部60は、回転錘20に対面し時計の枠体に対して静置された部材である限り、地板2の代わりに、他の部材でもよく、場合によっては複数の部材にまたがって形成されていてもよい。
【0036】
更に、ここでは、バネ50が一つだけ設けられた例について説明したけれども、場合によっては、複数の同様なバネが間隔をおいて設けられていてもよい。その場合、回転錘20に対する力を回転錘20の軸に対して斜めにかかるのを最低限に抑え回転トルクとして取出し易い。
【0037】
以上のようにして、自動巻時計1に加わるF1,F2方向の振動や衝撃が、時計1のぜんまい9の巻上に活用され得、時計1の駆動時間が長くされ得る。
【0038】
なお、この自動巻時計1では、時計1の延在面内での揺動や振動は、通常の自動巻時計と同様に、回転錘20をC1,C2方向に回動させ、回転錘20のC1方向の回動をぜんまい9の巻上げ力として働かせ得る。従って、この自動巻時計1では、該時計1がどの方向に振動されたり揺動されたり衝撃力を受けても、それらの動きが、実際上全て、ぜんまい9の巻上に活用され得る。
【0039】
以上においては、板バネ50が回転錘20に取付けられ凹凸部60が地板2に形成される例について説明したけれども、板バネ50の如き延設部が地板2に取付けられ凹凸部60が回転錘20に形成されてもよい。
【0040】
以上においては、回転錘20のC1,C2方向の往復回動がぜんまい9の巻上に利用される例について説明したけれども、巻上げられたぜんまい9の機械的エネルギを直接機械的な回転駆動に用いる代わりに、発電などにより電気エネルギなどの他のエネルギに変換しても、回転錘20の回転エネルギを直接的に他のエネルギとして利用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一実施例の時計構造体としての自動巻時計の自動巻機構部分の断面説明図。
【図2】図1の時計のうち回転錘回転駆動機構の部分を示したもので、(a)は側面説明図、(b)はカムに対する板バネの動きを示した拡大説明図。
【図3】図1の時計の自動巻機構の部分を説明するためのもので、(a)は斜め下から見た斜視説明図、(b)は(a)の部分の分解斜視説明図。
【符号の説明】
1 自動巻時計
2 地板
3 香箱
20 回転錘
21 ボールベアリング
23 回転錐体
24 回転重錘
50 板バネ
53 板バネ本体部
55 基部側バネ部
57 先端側バネ部
58 先端部
60 カム(凹凸部)
62 突起部
63 カム面
A1 巻上方向
C1,C2 回転方向
F1,F2 衝撃方向

Claims (7)

  1. 支持体と、
    回転中心軸線のまわりで該支持体に対して回転可能で且つ少なくとも一部が前記回転中心軸線の延在方向に沿って該支持体に近接離間可能な回転錘と、
    前記支持体と前記回転錘との間に形成された回転錘回転駆動機構であって、前記回転錘の前記少なくとも一部の支持体に対する近接離間運動を回転錘の回転運動に変換するものと、
    を有してなる時計構造体。
  2. 前記回転錘回転駆動機構が、前記回転錘及び前記支持体のうちの一方の部材に前記回転錘の回転中心軸線に関して周方向に形成され且つ該周方向に傾斜した斜面を備えた多数の凹凸部と、前記回転錘及び前記支持体のうちの他方の部材に設けられ前記回転錘の前記少なくとも一部が前記支持体に近接せしめられる際に前記一方部材の斜面に押付けられるように該他方の部材から前記一方の部材に向かって延びた延設部とを有する請求項1に記載の時計構造体。
  3. 多数の斜面が前記周方向のうちの一方の方向に向いている請求項2に記載の時計構造体。
  4. 延設部が弾性手段からなる請求項2又は3に記載の時計構造体。
  5. 延設部が「く」の字状の折曲部を備えた板バネからなる請求項2又は3に記載の時計構造体。
  6. 前記回転錘が自動巻機構の回転錘である請求項1から5までのいずれか一つの項に記載の時計構造体。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の時計構造体と、
    前記時計構造体を内部に包みこむ胴と、
    前記胴の上面側に配置して前記胴に固定するガラスと、
    前記前記胴の下面側に配置して前記胴に着脱可能に固定する裏蓋と、
    を有する時計。
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