JP2004301477A - 室外機用電装箱および室外機ユニットおよび空気調和機 - Google Patents

室外機用電装箱および室外機ユニットおよび空気調和機 Download PDF

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Kunihiro Kobayashi
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Abstract

【課題】電子部品をムラなく冷却することができるとともに、水の浸入を防ぐことができる室外機用電装箱および室外機ユニットおよび空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機の室外機ユニット内部に設けられ、筐体内に室外機ユニットの運転を制御する電子部品が収納される室外機用電装箱であって、筐体の側壁部に電子部品の冷却用の空気の吸入口54を設けるとともに、吸入口54に対向する筐体の側壁部に電子部品の冷却用の空気の排出口55を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室外機用電装箱および室外機ユニットおよび空気調和機に関し、特に、室外機用電装箱内の冷却および防水技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機の室外機には、商用交流電源をコンバータ部で一旦直流に整流し、再度インバータ部で可変電圧、可変電流の交流に変換して誘導電動機や直流ブラシレスモータなどによる圧縮機モータの駆動を制御するインバータ制御回路装置が設けられている。
このインバータ制御回路装置は、ノイズフィルタ、ダイオードスタック、各種のコンデンサ等の電子部品から構成され、これら電子部品は基板に実装され、電子部品が実装された基板は室外機内の電装箱に収納されている。
【0003】
インバータ制御回路に電流が流されると、各電子部品から熱が放出され電装箱内は高温となり、さまざまな不具合を起こす恐れがあった。そのため、室外機外部の空気を電装箱内に導入する吸入口および室外機用電装箱外へ排出する排出口を設け、室外ファンによる吸引効果を用いて室外機外部の空気を電装箱内に導入し、各電子部品を冷却する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−205830号公報 (第5頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の室外機用電装箱においては、電装箱内に流入した空気は、吸気口に隣接した側壁と底面とにわたって設けられた連通開口を通って排気孔から流出しているので、空気の流路が電装箱内で蛇行していた。そのため、空気の流れがよどむ領域が発生し、よどんだ領域では、電子部品が十分に冷却されていなかった。つまり、電子部品の冷却効果にムラがあるという問題があった。
【0006】
また、室外ファンに付いた水滴などの水分が、室外ファンが回転すると遠心力により半径方向外側へ飛び散り、上記コ室外機用電装箱の排気孔に飛び込み、室外機用電装箱内が濡れて錆びたり電子部品が短絡したりする不具合を起こす可能性があるという問題があった。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、電子部品をムラなく冷却することができるとともに、水の浸入を防ぐことができる室外機用電装箱および室外機ユニットおよび空気調和機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の室外機用電装箱および室外機ユニットおよび空気調和機では、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1にかかる発明は、空気調和機の室外機ユニット内部に設けられ、筐体内に室外機ユニットの運転を制御する電子部品が収納される室外機用電装箱であって、前記筐体の側壁部に前記電子部品の冷却用の空気の吸入口を設けるとともに、前記吸入口に対向する前記筐体の側壁部に前記電子部品の冷却用の空気の排出口を設けたことを特徴とする。
【0009】
この発明にかかる室外機用電装箱によれば、電子部品の冷却用の空気の吸入口に対向した側壁部に上記空気の排出口を設けているので、吸入口から室外機用電装箱内に流入した空気は、室外機用電装箱内を一様に流れ、電子部品からムラなく熱を奪い排出口から流出する。
【0010】
請求項1記載の室外機用電装箱において、前記排出口が、該排出口の設けられた壁部の幅方向に全体にわたって形成されていることを特徴とする。
【0011】
この発明にかかる室外機用電装箱によれば、上記排出口が、排出口の設けられた側壁部の幅方向全体にわたって形成されているので、室外機用電装箱内の幅方向における空気の流れは、排出口まで一様な状態が保たれている。そのため、吸入口から室外機用電装箱内に流入した空気が、室外機用電装箱内を一様に流れる領域が広がり、電子部品からよりムラなく熱を奪い排出口から流出する。
【0012】
請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の室外機用電装箱において、前記排出口の外側に、該排出口に対向する面に位置して該排出口から導入される空気を下方に導く誘導壁部を設け、該誘導壁部の下端には、下方に誘導された空気を前記下部筐体の下方を回り込ませ吸入口方向へ誘導するツバ部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
この発明にかかる室外機用電装箱によれば、排出口の外側に、排出口に対向する面に誘導壁部が設けられるとともに、誘導壁部の下端にはツバ部が設けられている。そのため、水滴等が室外機用電装箱の外側から内側へ浸入するには、外部からツバ部と下部筐体との間を吸入口から排出口方向へ浸入し、誘導壁部と下部筐体との間を上方へ浸入して、排出口から内部へ侵入しなければならず、浸入しにくくなる。それと同時に冷却用の空気の流れは逆方向になるので、水滴等は押し戻されさらに浸入しにくくなる。
【0014】
請求項4にかかる発明は、請求項3記載の室外機用電装箱において、前記筐体は、上部筐体と、この上部筐体の下側に取付けられる下部筐体とを備えてなり、前記上部筐体の下側に、この上部筐体に沿って中間筐体が配置されるとともに、この中間筐体の下面側に、前記排出口に対向して下方に延在するように前記誘導壁部が備えられるとともに、この下端部にツバ部が設けられ、前記中間筐体と前記下部筐体との組み立て時において、前記中間筐体筐体の前記誘導壁部と反対側の端部に、上方に向かって前記誘導壁部に近づく方向に傾斜した、前記下部筐体を案内する傾斜面を設けたことを特徴とする。
【0015】
この発明にかかる室外機用電装箱によれば、傾斜面が設けられているので、下部筐体と中間筐体とを係合させやすくなる。つまり係合させる時に、まず、中間筐体の誘導壁部下端にはツバ部が設けられているので、下部筐体をガイド部側の斜め下方から近づける。下部筐体の下端がツバ部の上方まできたら、吸入口の設けられた壁部の上端を傾斜面に当接させながら、下部筐体と中間筐体とを近づける。下部筐体は、傾斜面により誘導壁部側へ押圧され、下部筐体と中間筐体とが正しい係合位置関係に誘導される。
【0016】
請求項5にかかる発明は、屋外の空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器と、該室外熱交換器に屋外の空気を送風する室外ファンと、該室外熱交換器または屋内の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器に高温高圧の冷媒を送出する圧縮機と、前記室外熱交換器および前記圧縮機の動作制御を行う電子部品と、該電子部品を収納する室外機用電装箱と、からなる室外機ユニットであって、前記室外機用電装箱が、請求項1から4のいずれかに記載の室外機用電装箱であり、前記室外ファンが前記室外機用電装箱の対向壁部側の斜め下方に配置されるとともに、前記室外ファンの上方に位置する羽根が前記室外機用電装箱側へ回るように回転駆動されることを特徴とする。
【0017】
請求項6にかかる発明は、屋外の空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器と、該室外熱交換器に屋外の空気を送風する室外ファンと、該室外熱交換器または屋内の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器に高温高圧の冷媒を送出する圧縮機と、前記室外熱交換器および前記圧縮機の動作制御を行う電子部品と、該電子部品を収納する室外機用電装箱とを備えた室外機ユニットと、前記室内熱交換器と、屋内の空気を循環させる室内ファンと、からなる空気調和機であって、前記室外機ユニットが、請求項5記載の室外機ユニットであることを特徴とする。
【0018】
この発明にかかる室外機ユニットまたは空気調和機によれば、室外機用電装箱の吸入口が室外機ユニットの外部と連通し、誘導壁部が室外ファンに面するように配置されている。そのため、室外機ユニット外部の空気は、室外ファンの吸引効果により、吸入口から室外機用電装箱内に流入して電子部品を冷却して排出口から流出する。
また、室外ファンに付着して室外ファンの回転により周囲に飛ばされた水滴等は、誘導壁部およびツバ部に衝突し下方に落下するので、排出口から室外機用電装箱内に浸入することができない。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
以下、この発明の第1の実施の形態について図1から図5を参照しながら説明する。
空気調和機10は、図1に示すように、室内機ユニット20および室外機ユニット30から構成されている。これら室内機ユニット20および室外機ユニット30は、冷媒が導通する冷媒配管25や図示しない電気配線などにより接続されている。冷媒配管25は2本備えられており、冷媒は、一方において室内機ユニット20から室外機ユニット30へ、また他方において室外機ユニット30から室内機ユニット20へと流れることになる。
【0020】
室内機ユニット20は、背面のベース(図示せず)と前面パネル21とが一体に構成されたものになっている。ベースには、プレートフィンチューブ型の室内熱交換器22、略円筒形状のクロスフローファン(室内ファン)23、室内機ユニット20の動作制御などを行う各種電気回路素子から構成されたコントロール部24などの各種機器が備えられている。
【0021】
全面パネル21には吸込グリル部21bが前面および上面のそれぞれに形成されている.室内の空気は、これら吸込グリル部21bにより多方向から室内機ユニット20内に吸い込まれるようになっている。ちなみに、吸込グリル部21bの背後にはエアフィルタ21cが備えられており、吸い込まれた空気などの粉塵を取り除く働きをしている。また、前面パネル21には、その下方に吹出口21dが形成されており、ここから暖められた空気あるいは冷やされた空気が吹き出されるようになっている。なお、この空気吸込みおよび空気吹出しはクロスフローファン23が回転することによって行われる。
【0022】
室外機ユニット30は、図1および図2に示すように、筐体31内に室外熱交換器32、プロペラファン(室外ファン)33、圧縮機34、電装箱(室外機用電装箱)50などが備えられている。室外機ユニット30には、略中央に室外機ユニット30内の空間を2つに分けるバッフルプレート35が設けられている。室外機ユニット30の正面視における左側の空間にはプロペラファン33が配置され、右側の空間には圧縮機34が配置されている。圧縮機34の上方には電装箱50が配置されるとともに、電装箱50の左端はバッフルプレート35を越えてプロペラファン33が配置されている空間に突出するように配置されている。
【0023】
室外熱交換器32は、周囲に多数のコルゲートフィンを備えた冷媒配管により構成されており、冷媒と室外気との熱交換を実現させるものである。プロペラファン33は、室外機ユニット30を正面から見て右回りに回転して、筐体31内に前面から背面へと抜ける風を生じさせることにより、新たな空気を常に筐体31内に取り込んで、熱交換効率の向上を図るために設けられている。
【0024】
なお、筐体31には、室外機ユニット30の外部の空気を電装箱50に取り込むための開口部31aが設けられている。前記室外熱交換器32およびプロペラファン33が外部と向き合う筐体31面には、それぞれフィンガード35およびファンガード36が設けられている。フィンガード35は前記コルゲートフィンが外部からの不意の衝撃により破損することがないように設けられているものである。ファンガード36も、これと同様にプロペラファン33を外部衝撃から保護することを一つの目的とするとともに、外気に含まれる粉塵などを筐体31内に取り込ませないことを目的として備えられているものである。
【0025】
圧縮機34は、低温低圧の気体冷媒を高温高圧の気体冷媒に変換して吐出するものであり、冷媒回路を構成する部品の中では最も中心的な働きを担うものである。ちなみに、冷媒回路とは、この圧縮機34に加えて、室内熱交換器22、室外熱交換器32、冷媒配管25、膨張弁および冷媒の流れ方向を規定する四方弁(膨張弁および四方弁は図示せず)などから概略構成され、冷媒を室内機ユニット20と室外機ユニット30との間で循環させる回路である。
【0026】
次に本発明の特徴部である電装箱の構成について説明する。
電装箱50は、図2、図3および図6に示すように、圧縮機34を駆動制御する電子部品(例えば電解コンデンサCなど)を実装した基板Pを納める板金製の収納箱(下部筐体)51と、同じく板金製のフタ(上部筐体)52と、フタ51および収納箱52の間に配置され、基板Pを支持するプラスチック製の防水筐体(中間筐体)53とから概略構成されている。
【0027】
収納箱51には、その正面視において右側壁面に電装箱50内に流入する空気の吸入口54が設けられ、吸入口54に対向する側壁面には流入した空気の排出口55が設けられている。
吸入口54は、吸入口54の設けられた側壁の略中央よりも室外機ユニット30の背面側、かつ略中央よりも上方に設けられ、凹形状に形成されている。排出口55は、横方向寸法が排出口55の設けられた側壁の横方向寸法と略一致して形成され、かつこの側壁の略中央よりも上方に設けられ、この側壁の高さが低くなっているように形成されている。これら吸入口54および排出口55は、収納箱51および防水筐体53が係合されると、周囲を部材で囲われた孔の形状となる。
吸入口54が設けられた側壁の外側には、吸入口54の下端から斜め下外方向に延在し、室外機ユニット30の開口部31aの下端と係合する傾斜板56が設けられている。傾斜板56は、開口部31aから電装箱50に流入する空気を吸入口54へ誘導するものである。さらに吸入口54が設けられた側壁に隣接する両側壁には、防水筐体53と係合する係合孔57aが片側に2ヶ所ずつ、合計4ヶ所に設けられている。
【0028】
防水筐体53は、図3および図4に示すように、横方向の寸法が収納箱51よりも長い口字形状の枠体58と、排出口55が設けられた側壁に対向するように設けられ、枠体58から下方へ延在する誘導壁(誘導壁部)59と、誘導壁59の下端に設けられた下方ツバ部(ツバ部)60aと、誘導壁59の両側端に設けられた側方ツバ部60bとを備えている。
誘導壁59は、図6に示すように、防水筐体53と収納箱51とを係合させたときに、排出口55が設けられた側壁と空気が流れるクリアランスを形成するように配置されている。下方ツバ部60aは、図5に示すように、同様に収納箱51の底面と空気が流れるクリアランスを形成するように配置されている。
【0029】
枠体58の内周面には、図3、図4および図6に示すように、内方に向かって凸なる段差部61が形成され、段差部61の上面は、基板Pが配置されるようになっている。
誘導壁59に対向する段差部61のうち正面視において右側の段差部61下面には、リム62が形成され、リム62は、上方に向けて誘導壁59方向に傾斜する傾斜面62aを有する逆三角形形状に形成されている。
枠体58には、収納箱51の係合孔57aと係合するように係合爪57bが、下方に向けて片側に2ヶ所ずつ、合計4ヶ所に設けられている。同様に、フタ52と係合する係合爪63bが、上方に向けて片側に2ヶ所ずつ、合計4ヶ所に設けられている。
枠体58の左側には、後述する基板Pの冷却フィンFが電装箱50外部に突出するためのフィン開口部64が設けられている。
【0030】
フタ51には、防水筐体53と係合するための係合孔63aが片側の側壁に2ヶ所ずつ、合計4ヶ所設けられている。
また、基板Pには、図6に示すように、圧縮機34の運転を制御するための電子部品が実装され、熱を発生する電子部品(例えば、電解コンデンサCなど)の熱を電装箱50外部へ放出する放熱板を有した冷却フィンFが設けられている。
【0031】
次に、上記の構成からなる空気調和機10の作用について、暖房運転時および冷房運転時の場合に分けながら説明する。
まず、暖房運転時には、圧縮機34で高温高圧のせされた気体冷媒は、図1に示すように、冷媒配管25を通り室内機ユニット20の室内熱交換器22に圧送される。室内機ユニット20内では、クロスフローファン23により吸込グリル部21bから取り込まれた室内気に対して、室内熱交換器22を流過する高温高圧の冷媒から熱が与えられる。このことにより、吹出口21dから温風が吹き出されることになる。また同時に、高温高圧の気体冷媒は、室内熱交換器22において凝縮液化して高温高圧の液冷媒となる。
【0032】
この高温高圧の液冷媒は、室外機ユニット30の室外熱交換器32に送られる途中で、膨張弁により減圧され低温低圧の液冷媒となる。室外機ユニット30では、プロペラファン33により筐体31内に取り込まれた新しい室外気から、室外熱交換器32を流過する低温低圧の液冷媒が熱を奪うことになる。低温低圧の液冷媒は、熱を奪うことにより蒸発気化して低温低圧の気体冷媒となる。これが再び圧縮機34に送出され、上記過程を繰り返すことになる。
【0033】
冷房運転時には、冷媒は上記とは逆方向に冷媒回路中を流れる。すなわち、圧縮機34で高温高圧とされた気体冷媒が、冷媒配管25を通過して室外熱交換器32に圧送され、ここで室外気に熱を奪われて凝縮液化し高温高圧の液冷媒となる。この高温高圧の液冷媒は、膨張弁により減圧されて低温低圧の液冷媒となり、再び冷媒配管25を通って室内熱交換器22に送られる。低温低圧の液冷媒は、ここで室内機から熱を奪って吹出口21dから冷風を吹出すとともに、冷媒自身は蒸発気化して低温低圧の気体冷媒となる。これが再び圧縮機34に送出され、上記過程を繰り返すことになる。
【0034】
上記の暖房運転、冷房運転のいずれの場合においても、図1、図2および図6に示すように、室外機ユニット30内ではプロペラファン33が回転し、室外機ユニット30の前面から背面へ空気を流している。プロペラファン33が配置されている筐体31とバッフルプレート35で囲われた空間内には、電装箱50の放熱フィンFが露出していて、放熱フィンFの周りにもプロペラファン33により空気が流れている。放熱フィンFはこの空気の流れにより熱を奪われ、電解コンデンサCからの熱を放出する。
プロペラファン33が配置されている空間内には空気が流れているので、その空間内における空気の圧力は、室外機ユニット30外側周りの空気の圧力よりも低くなる。この圧力の差により、室外機ユニット30外側の空気は、開口部31aから吸入口54を経て電装箱50内に流入され、排出口55から流出される。
【0035】
吸入口54から電装箱50内に流入された空気は、図6および図7に示すように、電装箱50内を一様に広がりながら吸入口54に対向した排出口55に向かって流れる。排出口55に向かって流れる空気は、電装箱50内に収められた電解コンデンサC等の電子部品から熱を奪って冷却し、排出口55に流入する。排出口55に流入した空気は、誘導壁59により、流れる方向を下向きに変えられ誘導壁59と収納箱51との間の空間を下方に流れる。下方に流れた空気は、下方ツバ部60aにより流れの向きを変えられ、下方ツバ部60aと収納箱51との間の空間を排出口55から吸入口54に向かう方向に流れ、プロペラファン33が配置された空間に流出する。
【0036】
また、プロペラファン33に水滴が付着した状態(例えば、雨天時)で、空気調和機10が運転されプロペラファン33が回転すると、図6に示すように、プロペラファン33に付着した水滴は、遠心力によりプロペラファン33の半径方向外側からプロペラファン33の回転方向に傾いた方向に飛ばされる。
遠心力により飛ばされた水滴の一部は、プロペラファン33の斜め右上方に位置する電装箱50の誘導壁59に衝突し、誘導壁59をつたって下方へ落下する。
【0037】
次に、上記構成の電装箱50の組立てについて説明する。
まず、収納箱51と防水筐体53とを係合させる。図3および図4に示すように、収納箱51を略下方から防水筐体53に近づけると、下方ツバ部60aが干渉して係合できないので、正面視において、斜め右下方から防水筐体53に近づける。収納箱51と防水筐体53とが近づき、収納箱51の下面が下方ツバ部60aの上方にまで移動したら、収納箱51を略下方から防水筐体53に近づける。
【0038】
収納箱51の側壁上端が枠体58の内周に入り込むと、吸入口54が設けられた側壁が、リム62の傾斜面62aに当接する。この状態でさらに収納箱51と防水筐体53とを近づけると、収納箱51は、傾斜面62aに沿って誘導壁59側へ移動しながら防水筐体53に接近する。最終的には、収納箱51の係合孔57aと防水筐体53の係合爪57bとが係合して、収納箱51と防水筐体53との係合が完了する。
【0039】
収納箱51と防水筐体53とが係合されると、図3、図4および図6に示すように、電解コンデンサCや冷却フィンFを備えた基板Pが、防水筐体53の段差部61上に、冷却フィンFがフィン開口部64に挿通するように配置される。基板Pが配置されると、略上方からフタ52が防水筐体53に近づけられ、フタ52の係合孔63aと防水筐体53の係合爪63bとが係合されてフタ52と防水筐体53とが係合される。
【0040】
上記の構成によれば、吸入口54に対向した側壁に排出口55を設け、排出口55の横方向寸法を排出口55が設けられた側壁の横方向寸法と略一致させて形成しているので、電装箱51に流入した空気は、排出口55にいたるまで電装箱51内をよどみなく一様に流れ電解コンデンサCからムラなく熱を奪うことができる。
また、電装箱51内の空気流れが一様になるので、従来のように回路設計に際して、特に上述したコンデンサ等の大型電子部品を配置する位置を電装箱内の空気流生成箇所にあわせる必要はなく、電子部品を自由に配置しても同様な冷却効果が得られる。その結果、冷却という観点からの制約を大きく受けることなく電子部品の配置設計をコンパクトなものにすることができるので、電装箱51を小型化することができ、ひいては室外機ユニット30を小型化することもできる。
【0041】
排出口55の外側に、排出口55に対向する誘導壁59が設けられ、誘導壁59の下端には、収納箱51の底面の下方に回りこむように下方ツバ部60aがもうけられているので、水滴が排出口55から電装箱50内に浸入するのを防ぐことができる。また、排出口55から流出する空気の流れと水滴の浸入方向とは逆方向になるので、水滴は押し戻されさらに電装箱50内に浸入しにくくなる。
【0042】
また、プロペラファン33の回転により飛ばされた水滴の一部が電装箱50にかかるが、水滴がかかる部分は誘導壁59、下部ツバ部60a、側方ツバ部60b等のプラスチック製部品である防水筐体53である。そのため、例えば板金部品のように合わせ面から水分が内部に浸入することを防ぐことができ、防水性能を向上させることができる。
【0043】
防水筐体51をプラスチックで形成することにより、板金で製作するよりも寸法精度が良くなり、基板Pをより確実に保持することができるようになった。また、プラスチックは電気を通さないため、電子部品との間に絶縁距離をとる必要がなく、電装箱50をよりコンパクトにすることができる。
【0044】
収納箱51とフタ52とを伝熱性のよい板金で形成することにより、内部の電子部品で発生した熱により暖められた周囲の空気の熱を、電装箱50の外側に逃がし、冷却することができる。
【0045】
〔第2の実施の形態〕
次に、この発明の第2の実施の形態について図8および図9を参照しながら説明する。本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは電装箱の形状が異なっているため、本実施の形態においては、図8および図9を用いて電装箱周辺のみを説明し、室外機ユニット等の説明を省略する。
【0046】
電装箱90は、図8に示すように、圧縮機34を駆動制御する電子部品(例えば電解コンデンサCなど)を実装した基板Pを納める板金製の収納箱(下部筐体)91と、同じく板金製のフタ52と、フタ51および収納箱52の間に配置され、基板Pを支持するプラスチック製の防水筐体53とから概略構成されている。
収納箱51には、図8に示すように、吸入口54が設けられた側壁に隣接した側壁に、スリット92が設けられている。
【0047】
次に、上記の構成からなる電装箱90における作用について説明する。
吸入口54から電装箱90内に流入された空気は、図9に示すように、電装箱90内を一様に広がりながら吸入口54に対向した排出口55とスリット92とに向かって流れる。排出口55とスリット92とに向かって流れる空気は、電装箱90内に収められた電解コンデンサC等の電子部品から熱を奪って冷却し、排出口55に流入する。排出口55に流入した空気は、誘導壁59と収納箱51との間の空間を下方に流れ、下方ツバ部60aと収納箱51との間の空間を排出口55から吸入口54に向かう方向に流出する。
【0048】
上記の構成によれば、吸入口54に隣接した側壁にスリット92が設けられたので、電装箱50から流出する空気の流れが2つに分かれた。空気の流れが2つに分かれたので、電子部品に当たる空気の流れが変わり、例えば図9に示すような配置にしても全ての電子部品に同じように空気が流れ冷却される。つまり、電子部品の配置の自由度がさらに増し、コンパクトに配置することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、電装部品冷却用の空気の吸入口に対向した壁部に冷却用空気の排出口を設けているので、室外機用電装箱内の電子部品から一様に熱を奪い排出口から流出する。つまり、室外機用電装箱内の電子部品をムラなく冷却することができるという効果を奏する。
【0050】
請求項2に係る発明によれば、上記排出口が、排出口の設けられた壁部の幅方向全体にわたって形成されているので、室外機用電装箱内の電子部品から一様に熱を奪える範囲が空気流れ下流方向に広がり、室外機用電装箱内の電子部品をムラなく冷却できる範囲が広がるという効果を奏する。
【0051】
請求項3に係る発明によれば、排出口の外側に、排出口に対向する面に誘導壁部が設けられるとともに、誘導壁部の下端にはツバ部が設けられているため、水滴等が外部から排出口を通って室外機電装箱内に浸入し難くなり、室外機電装箱内の防水性を向上させることができる。
【0052】
請求項4に係る発明によれば、楔形状のガイド部が設けられているので、下部筐体と中間筐体とを容易に正しい係合位置関係で係合させることができる。そのため、下部筐体と中間筐体との位置関係のズレによる水の浸入を防ぐことができ、防水性を向上させることができる。
【0053】
請求項5および6に係る発明によれば、請求項1から4のいずれかに記載の室外機用電装箱を備え、室外機用電装箱の吸入口が室外機ユニットの外部と連通し、誘導壁部が室外ファンに面するように配置されているため、吸入口から室外機ユニット外の空気を流入させ、電子部品をムラなく冷却することができる。排出口から流出する。また、室外ファンの回転により周囲に飛ばされた水滴等を室外機用電装箱内部に浸入するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和機の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明による室外機ユニットの第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図3】本発明による電装箱の第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図4】本発明による電装箱の第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図5】本発明による電装箱の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】本発明による電装箱の第1の実施の形態を示す部分断面図である。
【図7】本発明による電装箱の第1の実施の形態を示す部分断面図である。
【図8】本発明による電装箱の第2の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図9】本発明による電装箱の第2の実施の形態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
10 空気調和機
22 室内熱交換器
23 クロスフローファン(室内ファン)
30 室外機ユニット
32 室外熱交換器
33 プロペラファン(室外ファン)
34 圧縮機
50 電装箱(室外機用電装箱)
51、90 収納箱(下部筐体)
52 フタ(上部筐体)
53 防水筐体(中間筐体)
54 吸入口
55 排出口
59 誘導壁(誘導壁部)
60a 下部ツバ部(ツバ部)
62a 傾斜面

Claims (6)

  1. 空気調和機の室外機ユニット内部に設けられ、筐体内に室外機ユニットの運転を制御する電子部品が収納される室外機用電装箱であって、
    前記筐体の側壁部に前記電子部品の冷却用の空気の吸入口を設けるとともに、
    前記吸入口に対向する前記筐体の側壁部に前記電子部品の冷却用の空気の排出口を設けたことを特徴とする室外機用電装箱。
  2. 請求項1記載の室外機用電装箱において、
    前記排出口の横方向寸法が、該排出口の設けられた側壁部の横方向寸法と略一致するように形成されていることを特徴とする室外機用電装箱。
  3. 請求項1または2に記載の室外機用電装箱において、
    前記排出口の外側に、該排出口に対向する面に位置して、該導出口から導入される空気を下方に導く誘導壁部を設け、
    該誘導壁部の下端には、下方に誘導された空気を前記下部筐体の下方を回り込ませ側方へ誘導するツバ部が設けられていることを特徴とする室外機用電装箱。
  4. 請求項3記載の室外機用電装箱において、
    前記筐体は、上部筐体と、この上部筐体の下側に取付けられる下部筐体とを備えてなり、
    前記上部筐体の下側に、この上部筐体に沿って中間筐体が配置されるとともに、この中間筐体の下面側に、前記排出口に対向して下方に延在するように前記誘導壁部が備えられるとともに、この下端部にツバ部が設けられ、
    前記中間筐体と前記下部筐体との組み立て時において、
    前記中間筐体筐体の前記誘導壁部と反対側の端部に、上方に向かって前記誘導壁部に近づく方向に傾斜した、前記下部筐体を案内する傾斜面を設けたことを特徴とする室外機用電装箱。
  5. 屋外の空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器と、該室外熱交換器に屋外の空気を送風する室外ファンと、該室外熱交換器または屋内の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器に高温高圧の冷媒を送出する圧縮機と、前記室外熱交換器および前記圧縮機の動作制御を行う電子部品と、該電子部品を収納する室外機用電装箱と、からなる室外機ユニットであって、
    前記室外機用電装箱が、請求項1から4のいずれかに記載の室外機用電装箱であり、
    前記室外ファンが前記室外機用電装箱の対向壁部側の斜め下方に配置されるとともに、前記室外ファンの上方に位置する羽根が前記室外機用電装箱側へ回るように回転駆動されることを特徴とする室外機ユニット。
  6. 屋外の空気と冷媒との間で熱交換を行う室外熱交換器と、該室外熱交換器に屋外の空気を送風する室外ファンと、該室外熱交換器または屋内の空気と冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器に高温高圧の冷媒を送出する圧縮機と、前記室外熱交換器および前記圧縮機の動作制御を行う電子部品と、該電子部品を収納する室外機用電装箱とを備えた室外機ユニットと、
    前記室内熱交換器と、屋内の空気を循環させる室内ファンと、
    からなる空気調和機であって、
    前記室外機ユニットが、請求項5記載の室外機ユニットであることを特徴とする空気調和機。
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