JP2004301446A - 凝縮器用伝熱管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】管本体の外面に管軸方向に直交又は傾斜する方向に延びるフィン1が設けられ、内面にリブ7が設けられている。フィン1には、その山頂をフィンに平行な方向に沿って分割することにより形成される複数個の第1溝5と、フィンをその長手方向に分割する複数個の第2溝2とが形成されている。第2溝2の側面のなす角度(θ1)は55゜以下であり、リブ7の管軸方向断面から見たリブの開き角度θ4は64乃至98°である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はターボ冷凍機又はスクリュー冷凍機等の蒸気圧縮式冷凍機の凝縮器に組み込まれ、特に冷媒蒸気中に外表面が接触され、冷媒蒸気を凝縮させるために使用される凝縮器用伝熱管に関し、特に、伝熱性能の向上と管内圧力損失の低減を図った凝縮器用伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷凍機等においては、外面にフィンが設けられた伝熱管が使用されており、特に、フィンの形状を規定することにより、伝熱性能の向上を図った伝熱管が考案されている(実開昭59−42477号公報(特許文献1))。図14は従来の伝熱管の形状を示す斜視図である。図14に示すように、管本体23の外面には、複数本のフィン21が形成されている。このフィン21には、その山頂をフィンに平行な方向に沿って分割する2本の溝25が設けられている。従って、フィン21はその頭部に三方向に分岐した枝部24を有している。また、フィン21には、これを長手方向に分割する複数個の切欠き22が設けられている。
【0003】
このように構成された伝熱管26においては、伝熱管26の表面で凝縮された冷媒が枝部24間の溝25に流れ、その後、冷媒は溝25から切欠き22を通過してフィン21間に落ちる。このように、フィン21の上部で冷媒が滞留することがないので、良好な伝熱性能を得ることができる。
【0004】
また、伝熱性能の向上を図った伝熱管として、切欠き(ノッチ)の形成方向、深さ及び密度等が規定された伝熱管が提案されている(特開平8−219675号公報(特許文献2))。
【0005】
ところで、近時のフロン規制に伴って、伝熱管の表面側で凝縮される冷媒として、塩素を含有するクロロジフルオロメタン等を使用したものから、塩素を全く含有しない冷媒、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン等を使用したものへの移管が進められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の伝熱管において、表面で凝縮される冷媒としてフロン規制に対応した冷媒を使用すると、例えば、クロロジフルオロメタンを冷媒として使用した場合と比較して、伝熱性能が低下するという問題点が発生する。また、図4に示す従来の伝熱管においては、フィンの頭部に切欠きを設けることにより、フィンの頭部における液切れ性は向上するが、この切欠きは、フィン間の溝に滞留した凝縮冷媒の排出には寄与しない。特に、密度が小さい冷媒(例えば、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等)では、この傾向が顕著に現れる。
【0007】
また、管内側の性能を向上させるための、特開平8−219675号公報等のようにリブを設けたものがあるが、管内側性能を向上させた分、圧力損失が増加し、管内側の性能向上率と圧力損失の増加率から比較すると、十分満足できるものでは無い。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、フロン規制に対応した冷媒を使用した場合であっても、良好な伝熱性能を得ることができると共に、管内の圧力損失を低減させることができる凝縮器用伝熱管を提供することを目的とする。
【0009】
【特許文献1】
実開昭59−42477号公報
【特許文献2】
特開平8−219675号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る凝縮器用伝熱管は、管本体と、この管本体の外面に設けられ管軸方向に直交又は傾斜する方向に延びるフィンと、前記管本体の内面に形成されたリブとを有し、前記フィンは、その山頂をフィンに平行な方向に沿って分割することにより形成される複数個の第1溝と、前記フィンをその長手方向に分割する複数個の第2溝とを有し、前記第2溝の側面のなす角度(θ1)は55゜以下であり、前記リブの管軸方向断面におけるリブの側面のなす角度(θ4)が64乃至98°であることを特徴とする。この、第2溝の側面のなす角度(θ1)は40゜以下であることが好ましい。
【0011】
なお、本発明において、第2溝の側面のなす角度(θ1)とは、第2溝を設けることにより形成される突起部において、この第2溝により形成される突起部の両側面のなす角度をいう。また、リブの管軸方向断面におけるリブの側面のなす角度(θ4)とは、リブの両側面が傾斜しており、その側面同士がなす角度をいう。
【0012】
前記第2溝の管周方向のピッチP1(溝底の直線距離)が0.15乃至0.71mmであることが好ましい。
【0013】
また、前記第2溝の深さをh1、前記フィンの高さをh2としたとき、h1とh2の比h1/h2が0.11乃至0.72であることが好ましい。
【0014】
更に、前記リブの長手方向が管軸方向に対してなす角度(リード角θ2)が42乃至48°であることが好ましい。更にまた、前記リブの高さh3が0.22乃至0.35mmであることが好ましい。
【0015】
前記リブの管軸方向のピッチP2は、0.1乃至3.6mmであることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例に係る凝縮器用伝熱管の斜視図、図2は同じくその管軸に直交する断面の断面図、図3は管軸に平行の断面の断面図である。管本体3の外面にはフィン1が形成されている。このフィン1は、管本体3の周方向に沿って、即ち管軸方向に直交する方向に伸びる複数本のフィンであるか、又は管本体3の管軸方向に傾斜する方向に螺旋状に延びるフィンである。また、フィン1には、その山頂をフィン1に平行な方向に沿って分割する第1溝5が形成されており、更に、フィンをその長手方向に分割する第2溝2が設けられている。従って、フィン1の頭部はフィンに直交する断面で2方向に分岐した形状となっていると共に、第2溝2が設けられることにより、フィンに平行な断面で複数個の突起部4に分割されている。なお、図2に示すように、第2溝2の側面2aは角度θ1をなして傾斜し、この角度θ1は55゜以下であり、好ましくは40°以下である。
【0017】
また、第2溝2の管周方向のピッチP1は溝底の直線距離で0.15乃至0.71mmであることが好ましい。更に、第2溝2の深さをh1、フィン1の高さをh2としたとき、h1とh2との比h1/h2は0.11乃至0.72であることが好ましい。
【0018】
また、管内面には、リブ7が形成されている。このリブ7は管軸方向に直交する方向(円周方向)に延びるか、又は管軸方向にリード角θ2で傾斜して螺旋状に延びるものであり(図3は後者の例)、管軸方向に平行な方向におけるリブ7間のピッチP2は1.6乃至4.0mmである。また、リブが螺旋状に延びている場合は、そのリード角θ2は42乃至48°であることが好ましい。更に、リブ7の側面は傾斜しており、基端部の幅の方が先端部の幅よりも大きくなっている。このリブ7の側面が管軸方向断面においてなす角度θ4は64乃至98°である。また、リブ7の高さh3は0.22乃至0.35mmであることが好ましい。
【0019】
このように構成された伝熱管6においては、第2溝2の側面2aのなす角度θ1を適切に規定しているので、従来の伝熱管と比較して突起部4の面積を小さくすることができ、この突起部4の表面で液化した冷媒が濡れ広がりにくくなる。従って、冷媒が突起部4の端面から滴下されやすくなり、伝熱性能を向上させることができる。
【0020】
次に、本発明における数値限定理由について説明する。
▲1▼第2溝2の側面のなす角度θ1:55°以下、好ましくは40°以下
先ず、第2溝2の側面のなす角度θ1は55゜以下である。θ1が55°を超えると、突起部4の表面で液化した冷媒が濡れ広がりにくくなり、突起部4の端面において液を排出するための液保持量が多くなる。従って、突起部4の端面に冷媒が溜まるまでに時間が短くなり、冷媒が排出されやすくなる。この第2溝の側面のなす角度θ1は40゜以下であることが好ましい。なお、前述のごとく、第2溝の側面のなす角度とは、第2溝を設けることにより形成される突起部において、この第2溝により形成される突起部の両側面のなす角度をいう。
【0021】
▲2▼管軸方向断面における管内面のリブ7の側面のなすθ4:64乃至98°
内面リブ7の管軸方向断面における両側面のなす角度θ4が64°未満の場合は、冷媒がリブ7を通過した後、このリブ7の側面で乱流が発達しすぎて、圧力損失が増加する。一方、側面のなす角度θ4が98°を超えると、このリブ7の冷媒通過後の側面における乱流が発達せず、伝熱性能が低下する。従って、管軸方向断面におけるリブ7の側面のなす角度θ4は64乃至98°とする。
【0022】
▲3▼リブ7のリード角θ2:42乃至48°
前記リブ7は、そのリード角、即ち、管軸方向に平行の方向に対して傾斜して螺旋状に延びるときの管軸方向に平行な方向とリブが延びる方向とのなす角度θ2が42〜48°であることが望ましい。θ2が42°よりも小さいと、リブ間の溝に流体(冷水)が流れる割合が多くなり、リブ間の溝部にて温度境界層が発生し、性能が低下する。θ2が48°よりも大きいと、リブの凸部を超えて冷却水が流れる量の割合が多くなり、リブが抵抗となって圧力損失が増加する。このため、リブ7のリード角θ2は42乃至48°とすることが好ましい。
【0023】
▲4▼リブ7の高さh3:0.22乃至0.35mm
リブ7の高さh3が0.22mm未満の場合は、リブ7による乱流が促進されず、伝熱性能が低下する。一方、リブ7の高さh1が0.35mmを超える場合は、リブ7による乱流が発達し、圧力損失が増加する。このため、リブ7の高さh3は0.22乃至0.35mmとすることが好ましい。
【0024】
▲5▼リブの管軸方向のピッチP2:0.1乃至3.6mm
前記リブ7は、管軸方向に平行な断面におけるピッチP2が0.1乃至3.6mmであることが望ましい。ピッチP2が0.1mmよりも小さいと、リブ溝間での冷媒の流れが阻害され、圧力損失が増加する。ピッチP2が3.6mmよりも大きいと、リブ間での温度境界層が発達し、伝熱性能が低下する。
【0025】
▲6▼第2溝の管周方向のピッチP1(溝底の直線距離):0.15乃至0.71mm
第2溝2の管周方向のピッチP1(溝底の直線距離)は0.15乃至0.71mmであることが望ましい。ピッチP1が0.71mmよりも大きくなると、凝縮した冷媒の滴下ポイントが少なくなり、外表面が液冷媒で覆われてしまい、冷媒の液切れ性が低下して性能が低下する。また、ピッチP1が0.15mm未満になると、凝縮した冷媒の滴下ポイントが多くなるものの、液冷媒が保持されて外表面が液冷媒で覆われてしまい、冷媒の液切れ性が低下し、性能が低下する。
【0026】
▲7▼h1とh2の比h1/h2:0.11乃至0.72
第2溝2の深さをh1、前記フィンの高さをh2としたとき、h1とh2の比h1/h2が0.11乃至0.72であることが好ましい。比h1/h2が0.72よりも大きくなると、凝縮した液冷媒が第2溝の溝部分で纏わり付き、外表面が液冷媒で覆われてしまい、性能が低下する。また、h1/h2が0.11よりも小さくなると、凝縮した液冷媒が第2溝の溝部分で濡れ広がって外表面が液冷媒で覆われて熱抵抗となり、性能が低下する。このため、h1/h2比を0.11乃至0.72とする。
【0027】
なお、図1に示す本実施例においては、1本のフィンあたりに1本の第1溝5を形成したが、本発明においては第1溝5の数は限定されず、2本以上の複数本の溝をフィン1の山頂に形成してもよい。また、フィン1は、管軸に直交する方向に環状に管本体の外面に設けられていても、管軸に傾斜する方向に螺旋状に管本体の外面に設けられていてもよい。更に、本発明においては、伝熱管の材料は特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、チタン、鋼及びステンレス等の種々の材料を使用することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明に係る凝縮器用伝熱管の実施例についてその比較例と比較して具体的に説明する。
【0029】
図4は性能評価に使用したテスト装置を示す。この性能評価装置は、内径が333mm、長さが974mmのSUS製シェルアンドチューブ熱交換器の凝縮器40及び蒸発器48を配管で接続した装置であり、冷媒は温度差により自然循環する構造となっている。蒸発器48には、容量10kwの電気ヒーター49が設置されており、このヒーター49によりチューブ48内の冷媒を昇温・昇圧し、蒸気を発生させて冷媒蒸気出口50から凝縮器40に供給する。
【0030】
凝縮器40内には、供試管41が水平に設置され、供試管41の管端部はOリングを介して凝縮器40のチューブに気密的に固定され、管端部がこの凝縮器40から外部に導出されている。凝縮器40内には蒸発器48から冷媒蒸気入口42を介して供給される冷媒蒸気が直接供試管41に当たらないように、冷媒蒸気入口42に邪魔板62が設けられている。供試管41の表面で凝縮した液冷媒は、凝縮器40の冷媒液体出口46から排出され、自重にて蒸発器48に戻り、冷媒液体入口47から蒸発器48内に供給されるようになっている。
【0031】
供試管41内には冷却水が入口60から供給され、出口61から排出される。この冷却水の入口温度及び出口温度は、夫々、供試管41の両管端に設置された白金測温抵抗体44a、44bにより測定される。冷却水の流量は、電磁流量計45により測定される。そして、供試管41に供給される冷却水は、冷却水タンク(図示せず)内に設けた冷却コイルと、電気ヒータにより、一定温度になるように制御される。また、凝縮器40内の圧力は、歪みゲージ式圧力変換器43により測定される。そして、伝熱係数は各測定器の信号を、ハイブリットレコーダーにて取り込んで数値変換し、次の手順で算出した。
【0032】
(1)冷却水伝熱量Q
冷却水流量及び冷却水出入口温度より、下記数式1に基づいて算出した。
【0033】
【数1】Q=G・Cp・(Tout−Tin)
【0034】
(2)対数平均温度差ΔTm
冷却水出入口温度及び冷媒凝縮温度より、下記数式2に基づいて算出した。なお、冷媒凝縮温度Tsは、凝縮圧力より換算して算出した数値を使用した。
【0035】
【数2】ΔTm=(Tout−Tin)/ln[(Ts−Tin)/(Ts−Tout)]
【0036】
(3)管外表面積Ao
管外表面積は、供試管フィン加工部外径を基準とし、下記数式3により算出した。
【0037】
【数3】Ao=π・Do・Lh
【0038】
(4)総括伝熱係数Ko(外表面積基準)
上記数式1乃至3により算出した数値を使用して下記数式4に基づいて算出した。
【0039】
【数4】Ko=Q/(ΔTm・Ao)
【0040】
この凝縮伝熱性能試験は、冷媒として、代替フロンである1,1,1,2−テトラフルオロエタンを使用し、凝縮温度を40℃、伝熱管内に通流する冷却水の入口温度を35℃とし、管内の冷却水の流速を変化させて評価した。
【0041】
凝縮伝熱性能の評価条件を以下に示す。
冷媒:1,1,1,2−テトラフルオロエタン
器内圧力:1.253MPa abs
凝縮温度:40℃
冷却水流速:1.0〜3.5m/s(実施例1)、2.0m/s(実施例2〜5)
冷却水入口温度:35℃
伝熱管試験本数:1本
【0042】
図5は、第4実施例にて圧力損失を評価する際に使用したテスト装置を示す。この評価装置は、冷却水が入口60から供試管50内に供給され、出口61から排出される。供試管50の両管端には、ドリルにより直径0.5mmの孔が夫々4個所開口されており、これらの孔をひずみゲージ式圧力変換器からなる差圧計51に接続して差圧を測定するようになっている。
【0043】
供試管50内に供給される冷却水は、冷却水タンク内に設けられた冷却コイルと電気ヒータにより一定温度に調節され、冷却水の出入口温度は夫々供試管50の両管端に設置された白金測温抵抗体52a、52bにより測定される。また、冷却水流量は電磁流量計55により測定される。
【0044】
評価は、供試管の管内に入口水温一定にした冷却水を流し、各冷却水流量での温度および差圧が安定した事を確認した後に、差圧及び管内冷却水流量を測定し、各測定器にて測定した信号をハイブリットレコーダーにて取り込んで数値変換し、その数値を使用してレイノルズ数〔Re〕に対する管摩擦係数〔f〕を算出し、その数値を用いて1m当たりの管内圧力損失値を算出した。算出に使用した計算式を、下記数式5及び6に示す。
【0045】
(5)レイノズル数
レイノズル数は下記数式5に基づいて算出した。
【0046】
【数5】Re=Vi・Dimax/ν
【0047】
但し、Reはレイノルズ数である。
【0048】
(6)管内水流速
管内水流速は下記数式6に基づいて算出した。
【0049】
【数6】Vi=G/(3600・γ・Dimax2・π/4)
【0050】
但し、Viは管内水流速である。
【0051】
(7)管摩擦係数
管摩擦係数は下記数式7に基づいて算出した。
【0052】
【数7】f=98.07・ΔP・(Dimax/Lp)・(2g/Vi2)・1/γ
【0053】
但し、fは管摩擦係数である。
【0054】
管内圧力損失評価条件は、冷却水流速が2.0m/s、冷却水入口温度が25.0℃のもとで評価した。
【0055】
なお、上述の各計算式中の記号は以下の内容を示す。
Q:冷却水伝熱量(kW)
G:冷却水流量(kg/h)
Cp:冷却水比熱(kJ/kg/K)
Tin:冷却水入口温度(℃)
Tout:冷却水出口温度(℃)
ΔTm:対数平均温度差(℃)
Ts:冷媒凝縮温度(℃)
Ko:総括伝熱係数(kW/m2K)
Ao:供試管フィン加工部外表面積(m2)
Do:供試管フィン加工部外径(m)
Dimax:供試管フィン加工部最大内径(m)
Lh:伝熱有効長(m)
Re:レイノルズ数(−)
Vi:冷却水流速(m/s)
ν:冷却水動粘性係数(m2/s)
γ:冷却水比重(kg/m3)
f:管摩擦係数(−)
ΔP:管内圧力損失(差圧)(kPa)
Lp:差圧部有効長(m)
g:重力加速度(m/s2)
【0056】
第1実施例
図1に示す形状のフィン1において、第2溝2の側面2aのなす角度θ1を種々変化させた伝熱管を作製し、凝縮伝熱性能試験を実施した。実施例及び比較例の伝熱管寸法を、下記表1及び表2に示す。なお、比較例2は、内面平滑管での評価であり、リブ数等は「−」で記した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
図6は縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸に冷却水流速をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。図6に示すように、実施例1〜4は比較例1及び2と比較して、極めて優れた伝熱性能を得ることができた。
【0060】
第2実施例
図1に示す形状のフィン1において、前記第2溝の管周方向のピッチP1を変化させた伝熱管を作製し、凝縮伝熱性能試験を実施した。実施例及び比較例の伝熱管の寸法を、下記表3及び表4に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
図7は縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸にp1をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。図7に示すように、実施例1及び5〜7は比較例3及び4と比較して、極めて優れた伝熱性能を得ることができた。
【0064】
第3実施例
図1に示す形状のフィン1において、前記第2溝の深さをh1、前記フィンの高さをh2としたとき、h1とh2の比を変化させた伝熱管を作製し、凝縮伝熱性能試験を実施した。実施例比較例の伝熱管の寸法を、下記表5及び表6に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
図8は縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸にh1/h2比をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。図8に示すように、実施例1及び8〜10は比較例5及び6と比較して、極めて優れた伝熱性能を得ることができた。
【0068】
第4実施例
図1に示す形状のフィン1において、内面リブのリード角度θ2を変化させた伝熱管を作製し、凝縮伝熱性能試験を実施した。また、同じく圧力損失も比較評価した。実施例比較例の伝熱管の寸法を、下記表7及び表8に示す。
【0069】
【表7】
【0070】
【表8】
【0071】
図9は縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸に内面リブのリード角θ2をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。
【0072】
また、図10は縦軸にm当たりの圧力損失をとり、横軸に内面リブのリード角をとって、実施例及び比較例における伝熱管の圧力損失の評価結果を示すグラフ図である。
【0073】
図9に示すように、実施例1及び11〜13は比較例7と比較して、極めて優れた伝熱性能を得ることができた。しかし、比較例8は伝熱性能が向上するものの、図10に示すように圧力損失が増加した。
【0074】
第5実施例
図1に示す形状のフィン1において、内面リブの長手方向に平行な断面におけるピッチP2を変化させた伝熱管を作製し、凝縮伝熱性能試験を実施した。実施例比較例の伝熱管の寸法を、下記表9及び表10に示す。
【0075】
【表9】
【0076】
【表10】
【0077】
図11は縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸に内面リブのピッチをとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。図11に示すように、実施例1および14〜16は比較例9及び10と比較して、極めて優れた伝熱性能を得ることができた。
【0078】
第6実施例
図1に示す形状のフィン1において、管軸方向断面における内面リブの傾斜側面がなす角度θ4を変化させた伝熱管を作製し、凝縮伝熱性能試験を実施した。また、同じく圧力損失も比較評価した。実施例比較例の伝熱管の寸法を、下記表11及び表12に示す。
【0079】
【表11】
【0080】
【表12】
【0081】
図12は縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸に内面リブの管軸方向断面から見たリブの開き角度θ4をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。
【0082】
また、図13は縦軸に管長1m当たりの圧力損失をとり、横軸に内面リブの管軸方向断面から見たリブの開き角度θ4をとって、実施例及び比較例における伝熱管の圧力損失の評価結果を示すグラフ図である。
【0083】
図12に示すように、実施例1及び17〜18は比較例11と比較して、極めて優れた伝熱性能を得ることができた。しかし、比較例12は伝熱性能が向上するものの、図12に示すように圧力損失が増加した。
【0084】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、フィンをその長手方向に分割する第2溝の側面のなす角度θ1を適切に規定すると共に、リブの側面のなす角度θ4を適切に規定したので、凝縮液の排出性が向上して、圧力損失が低下し、優れた伝熱性能を有する凝縮器用伝熱管を得ることができる。
【0085】
また、第2溝の管周方向のピッチP1、h1/h2、リブのリード角θ2、リブの高さh3及びリブの管軸方向のピッチP2も適切に規定することにより、更に、圧力損失を低減し、伝熱性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る凝縮器用伝熱管を示す斜視図である。
【図2】同じくその管軸に直交する断面の断面図である。
【図3】同じくその管軸に平行の断面の断面図である。
【図4】性能評価に使用したテスト装置を示す図である。
【図5】実施例4にて圧力損失を評価する際に使用したテスト装置を示す図である。
【図6】縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸に冷却水流速をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。
【図7】縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸にピッチP1をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。
【図8】縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸にh1/h2比をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。
【図9】縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸に内面リブのリード角をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。
【図10】縦軸に1m当たりの圧力損失をとり、横軸に内面リブのリード角をとって、実施例及び比較例における伝熱管の圧力損失の評価結果を示すグラフ図である。
【図11】縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸に内面リブのピッチをとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。
【図12】縦軸に総括伝熱係数をとり、横軸に内面リブの管軸方向断面から見たリブの開き角度θ4をとって、実施例及び比較例における伝熱管の伝熱性能の評価結果を示すグラフ図である。
【図13】縦軸に管長1m当たりの圧力損失をとり、横軸に内面リブの管軸方向断面から見たリブの開き角度θ4をとって、実施例及び比較例における伝熱管の圧力損失の評価結果を示すグラフ図である。
【図14】従来の伝熱管の形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
1;フィン
2;第2溝
2a;側面
3;管本体
4;突起部
5;第1溝
6;伝熱管
7:リブ
Claims (7)
- 管本体と、この管本体の外面に設けられ管軸方向に直交又は傾斜する方向に延びるフィンと、前記管本体の内面に形成されたリブとを有し、前記フィンは、その山頂をフィンに平行な方向に沿って分割することにより形成される複数個の第1溝と、前記フィンをその長手方向に分割する複数個の第2溝とを有し、前記第2溝の側面のなす角度(θ1)は55゜以下であり、管軸方向断面における前記リブの側面のなす角度(θ4)が64乃至98°であることを特徴とする凝縮器用伝熱管。
- 前記第2溝の側面のなす角度(θ1)は40゜以下であることを特徴とする請求項1に記載の凝縮器用伝熱管。
- 前記第2溝の管周方向のピッチP1(溝底の直線距離)が0.15乃至0.71mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の凝縮器用伝熱管。
- 前記第2溝の深さをh1、前記フィンの高さをh2としたとき、h1とh2の比h1/h2が0.11乃至0.72であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の凝縮器用伝熱管。
- 前記リブの長手方向が管軸方向に対してなす角度(リード角θ2)が42乃至48°であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の凝縮器用伝熱管。
- 前記リブの高さh3が0.22乃至0.35mmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の凝縮器用伝熱管。
- 前記リブの管軸方向のピッチP2は、0.1乃至3.6mmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の凝縮器用伝熱管。
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CN106767095A (zh) * | 2016-12-02 | 2017-05-31 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种换热管及具有其的换热器 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003096439A patent/JP2004301446A/ja active Pending
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WO2018099086A1 (zh) * | 2016-12-02 | 2018-06-07 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种换热管及具有其的换热器 |
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