JP2004301183A - 油圧緩衝器のピストンロッド及び減衰力調整装置 - Google Patents

油圧緩衝器のピストンロッド及び減衰力調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】油圧緩衝器のピストンロッドに減衰力調整装置を具備するに際し、機械加工の簡素を図ること。
【解決手段】油圧緩衝器10のピストンロッド12において、中空パイプ100を用いるとともに、中空パイプ100と略同一外径を有し、一端側に該中空パイプ100の内径と略同一内径の端部孔111を有し、該端部孔111に連通する縦孔112と、横孔113からなるバイパス流路44を形成したロッドエンド部材110を用い、ロッドエンド部材110の縦孔112における端部孔111側に、予め、調整ロッド42の外周に嵌挿したシール部材116を挿入するシール挿入孔117と面取り部117Aを形成し、中空パイプ100の一端に、ロッドエンド部材110の端部孔111側の端部を溶着することにより、中空ピストンロッド12を形成したもの。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧緩衝器のピストンロッド及び減衰力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧緩衝器のピストンロッドとして、特許文献1に記載の如く、中空パイプの端部にボス部材を溶着したものがある。このようなピストンロッドによれば、断面係数を大きくしながら軽量化を図ることができ、車両の運動性能を向上しながら、大きな曲げ力にも十分耐えることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−18129(1頁、図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のピストンロッドは、減衰力調整装置を具備することに関するところが一切なく、ピストンが嵌挿されるボス部材に減衰力調整用バイパス流路を形成し、該バイパス流路の開口面積を調整する調整ロッドをピストンロッドに内挿することの開示が全くない。
【0005】
中空パイプの端部にボス部材を溶着したピストンロッドにおいて、減衰力調整用バイパス流路として、ピストン側油室に連通する縦孔と、この縦孔に連通し、ロッド側油室に連通する横孔を設けるときには、中空パイプに溶着した後のボス部材に対し、ドリル加工して縦孔、横孔を設けることが考えられる。
【0006】
しかしながら、ボス部材に設けた縦孔に、調整ロッドの外周に嵌挿したシール部材を圧入するシール挿入孔を設けたり、該シール挿入孔にシール部材を挿入するときに該シール部材のキズ付きを回避するための面取り部を設ける場合には、これらのシール挿入孔や面取り部の加工工具を、該ボス部材に溶着してある中空パイプの基端部から長い経路に渡って挿入する必要があり、加工困難になる。
【0007】
本発明の課題は、油圧緩衝器のピストンロッドに減衰力調整装置を具備するに際し、機械加工の簡素を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ダンパシリンダ内に中空ピストンロッドを挿入し、該中空ピストンロッドの先端部に設けたピストンにて、ダンパシリンダ内にピストンロッドを収容するロッド側油室とピストンロッドを収容しないピストン側油室を区画し、該中空ピストンロッドに、ロッド側油室に開口する横孔とピストン側油室に開口する縦孔からなるバイパス流路を形成し、該中空ピストンロッド内に、該バイパス流路の開口面積を調整する調整ロッドを内挿した油圧緩衝器のピストンロッドにおいて、中空パイプを用いるとともに、該中空パイプと略同一外径を有し、一端側に該中空パイプの内径と略同一内径の端部孔を有し、該端部孔に連通する前記縦孔と前記横孔からなるバイパス流路を形成したロッドエンド部材を用い、該ロッドエンド部材の該縦孔における前記端部孔側に、予め、前記調整ロッドの外周に嵌挿したシール部材を挿入するシール挿入孔と該シール挿入孔の面取り部を形成し、該中空パイプの一端に、該ロッドエンド部材の端部孔側の端部を溶着することにより、前記中空ピストンロッドを形成したものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載のピストンロッドを用いた油圧緩衝器の減衰力調整装置であって、前記ピストンロッドの基端部を取付ける取付部材に、該ピストンロッドと交差する方向に進退するとともに、該ピストンロッドの基端部と対向する側に傾斜面を形成したスライダを設け、該ピストンロッドに内挿した前記調整ロッドの基端部に、該スライダの傾斜面に当接するとともに、該ピストンロッドを構成する前記中空パイプの内周に嵌合される当接部材を被着し、該当接部材の内周と該調整ロッドの基端部との間に、微小な隙間を設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は第1実施形態の油圧緩衝器を示す断面図、図2はピストンロッド組立体を示す断面図、図3はピストンバルブ装置を示す断面図、図4はスライダ装置を示す断面図、図5はベースバルブ装置を示す断面図、図6は中空パイプとロッドエンド部材を示す断面図、図7は第2実施形態のピストンロッド組立体を示す断面図、図8はピストンバルブ装置を示す断面図、図9は中空パイプとロッドエンド部材を示す断面図である。
【0011】
(第1実施形態)(図1〜図6)
油圧緩衝器10は、図1に示す如く、ダンパシリンダ11に中空ピストンロッド12を挿入し、ダンパシリンダ11とピストンロッド12の外側部に懸架スプリング13を介装している。
【0012】
ダンパシリンダ11は車体側取付部14を備え、ピストンロッド12に車輪側取付部15を備える。ダンパシリンダ11の外周部にはばね受け調整リング16とばね受け17が螺着され、ピストンロッド12にはばね受け18が固定されており、ばね受け17とばね受け18の間に懸架スプリング13を介装し、ばね受け調整リング16とばね受け17の螺動により懸架スプリング13の設定長さを調整可能としている。懸架スプリング13の弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
【0013】
ダンパシリンダ11は、ピストンロッド12が貫通するロッドガイド21を備える。ロッドガイド21は、Oリング22を介してダンパシリンダ11に液密に挿着されるとともに、オイルシール23、ブッシュ24、ダストシール25を備える内径部にピストンロッド12を液密に摺動自在としている.
【0014】
尚、ダンパシリンダ11は、ロッドガイド21の外側にバンパストッパ26を備え、ピストンロッド12が備える圧側バンパ27をバンパストッパ26に衝合して最圧縮ストロークを規制する。また、ダンパシリンダ11は、ロッドガイド21の内側端面にリバウンドラバー28を備え、ピストンロッド12が備えるリバウンドストッパ29をリバウンドラバー28に衝合して伸び切りストロークを規制する。
【0015】
油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置(伸側減衰力発生装置)30と、ベースバルブ装置(圧側減衰力発生装置)50とを有している。油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置30とベースバルブ装置50が発生する減衰力により、懸架スプリング13による衝撃力の吸収に伴うダンパシリンダ11とピストンロッド12の伸縮振動を抑制する。
【0016】
(ピストンバルブ装置30)(図1〜図4)
油圧緩衝器10は、図2に示す如くのピストンロッド組立体12Aを有し、このピストンロッド組立体12Aにピストンバルブ装置30を設けるとともに、その減衰力調整装置40を備える。
【0017】
即ち、油圧緩衝器10は、ダンパシリンダ11内に油室31を形成し、ダンパシリンダ11内に摺動自在に挿入しているピストンロッド12の先端部に設けたピストン32により、油室31を、ピストンロッド12を収容するロッド側油室31Aと、ピストンロッド12を収容しないピストン側油室31Bに区画し、ピストン32にピストンバルブ装置30を設けている。
【0018】
ピストンバルブ装置30は、図3に示す如く、ロッド側油室31Aとピストン側油室31Bの連絡路としての伸側流路33と圧側流路34をピストンの32に設け、伸側流路33と圧側流路34のそれぞれに伸側ディスクバルブ33Aと圧側ディスクバルブ34Aを備える。ピストンバルブ装置30では、伸側ディスクバルブ33Aの撓み変形に基づく伸側減衰力を、圧側ディスクバルブ34Aの撓み変形に基づく圧側減衰力より大きくなるように設定している。
【0019】
また、ピストンバルブ装置30は減衰力調整装置40を付帯的に備える。減衰力調整装置40は、図3、図4に示す如く、ピストンロッド12に、ロッド側油室31Aに開口する横孔113と、ピストン側油室31Bに開口する縦孔112からなるバイパス流路44を形成し、スライダ装置41により操作される減衰力調整ロッド42をピストンロッド12に進退自在に内挿し、減衰力調整ロッド42の先端のニードル弁43により、バイパス流路44の開口面積を調整する。
【0020】
尚、スライダ装置41は、ピストンロッド12の車輪側取付部15に該ピストンロッド12の軸方向に直交する方向から圧入固定されたアジャストホルダ45と、このアジャストホルダ45に枢着されたアジャスタ46と、アジャスタ46の軸直角外方向にセットスプリング47Aで付勢されてアジャストホルダ45の側の係合凹部に係合可能とされるボール47と、アジャスタ46のねじ部に螺着されたスライダ48とから構成される。アジャスタ46は操作溝46Aを備える操作端側をアジャストホルダ45に支持され、反操作端側を車輪側取付部15に支持され、操作溝46Aに係着される工具により回転操作され、ボール47をアジャストホルダ45の周方向複数位置に配置(等配)されている係合凹部のそれぞれに順に係合し、アジャスタ46をそれらの回転操作停止位置に節度感をもって設定替え可能とされる。他方、スライダ48は、アジャスタ46のねじ部に螺着された状態で、車輪側取付部15に設けてあるガイドボルト49の先端ガイド部をスライダ48の軸方向に設けてあるガイド溝48Aに係入されている。これにより、スライダ装置41は、アジャスタ46の回転操作によりスライダ48を調整ロッド42の軸方向に直交する方向に進退可能にする。このとき、調整ロッド42は、シリンダ11のピストン側油室31Bの油圧に基づくスラスト力により、その基端部を上述のスライダ48の傾斜面48Bに圧接せしめられる。即ち、減衰力調整装置40にあっては、スライダ48の傾斜面48Bを調整ロッド42の基端部に当接させ、スライダ装置41のアジャスタ46に加える回転操作に基づくスライダ48の進退により調整ロッド42を軸方向に進退させ、調整ロッド42の先端のニードル弁43の移動によりバイパス流路44の開口面積を調整する。
【0021】
従って、油圧緩衝器10の圧縮行程時には、ピストン側油室31Bの油が圧側流路34を通り圧側ディスクバルブ34Aを開いてロッド側油室31Aに導かれる。
【0022】
また、油圧緩衝器10の伸長行程時には、ダンパシリンダ11とピストンロッド12の相対速度が低速のとき、ロッド側油室31Aの油がニードル弁43のあるバイパス流路44を通ってピストン側油室31Bへ流れ、この間のニードル弁43による絞り抵抗により伸側の減衰力を生ずる。この減衰力は、スライダ装置41の回転操作により調整される。
【0023】
また、油圧緩衝器10の伸長行程時で、ダンパシリンダ11とピストンロッド12の相対速度が中高速のとき、ロッド側油室31Aの油が伸側流路33を通り伸側ディスクバルブ33Aを撓み変形させてピストン側油室31Bへ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
【0024】
(ベースバルブ装置50)(図1、図5)
油圧緩衝器10は、ダンパシリンダ11にサブタンク51を一体的に結合し、ダンパシリンダ11のピストン側油室31Bに連通する油溜室52をサブタンク51に設け、ピストン側油室31Bと油溜室52を区画する隔壁部材60に設けた連絡路70にベースバルブ装置50を設けている。隔壁部材60は、第1隔壁部材61、第2隔壁部材62、第3隔壁部材63からなり、連絡路70は、低速流路71、中速流路72、高速流路73、伸側流路74からなる。尚、サブタンク51はダイヤフラム(又はフリーピストン)により、油溜室52と加圧ガス室とを区画して備える。
【0025】
隔壁部材60(61、62、63)は、絞り弁81を備えた低速流路71と、圧側サブディスクバルブ82を備えた中速流路72(一方の流路)と、圧側メインディスクバルブ83を備えた高速流路73と、伸側チェック弁84を備えた伸側流路74(他方の流路)を設け、低速流路71と中速流路72と高速流路73と伸側流路74をピストン側油室31Bの側からそれぞれ直接分岐して互いに並列に配置している。
【0026】
サブタンク51に螺着されるプラグボルト53にはアジャストレバー54が液密に回転可能に嵌着され、このアジャストレバー54にアジャストロッド55を液密に回転可能に挿着し、このアジャストロッド55の先端部に回転方向には係合し軸方向には相対移動できる前述の絞り弁81(ニードル弁)を備え、アジャストレバー54の先端側にかしめ固定してあるナット56に絞り弁81の外周ねじ部を螺着している。
【0027】
従って、油圧緩衝器10の圧縮行程時には、ダンパシリンダ11に進入したピストンロッド12の進入容積分の油が、ピストン側油室31Bから連絡路70(71、72、73)を通って油溜室52に排出される。
【0028】
このとき、ダンパシリンダ11とピストンロッド12の相対速度が低速のときには、低速流路71に設けてある絞り弁81による絞り抵抗により、圧側の減衰力を得る。この減衰力は、アジャストロッド55による絞り弁81の位置調整により調整される。
【0029】
また、ダンパシリンダ11とピストンロッド12の相対速度が中速になると、中速流路72に設けてある圧側サブディスクバルブ82の撓み変形により、圧側の減衰力を得る。
【0030】
また、ダンパシリンダ11とピストンロッド12の相対速度が高速になると、高速流路73に設けてある圧側メインディスクバルブ83の撓み変形により、圧側の減衰力を得る。
【0031】
油圧緩衝器10の伸長行程時には、ダンパシリンダ11から退出するピストンロッド12の退出容積分の油が、油溜室52から伸側流路74、伸側チェック弁84を通ってピストン側油室31Bに返送される。
【0032】
しかるに、油圧緩衝器10にあっては、(A)ピストンロッド12、(B)減衰力調整装置40を以下の如くに構成している。
【0033】
(A)ピストンロッド12の構成(図2、図3、図6)
ピストンロッド12は、図2、図3、図6に示す如く、中空パイプ100とロッドエンド部材110の接合体である。
【0034】
中空パイプ100は、図6に示す如く、減衰力調整ロッド42の外径に比して十分に大きな内径を有するパイプ素材にて構成される。中空パイプ100の内径は、中空パイプ100とロッドエンド部材110の摩擦溶接による溶着時に、溶着部に生ずる溶接ビードa、bが減衰力調整ロッド42の外周に触れることのない寸法に設定される。
【0035】
ロッドエンド部材110は、図6に示す如く、中空パイプ100と略同一外径を有し、中空パイプ100との接合前に予め、一端側に中空パイプ100の内径と略同一内径の端部孔111を有するとともに、端部孔111に連通する縦孔112と、縦孔112の中間部に交差する横孔113とからなるバイパス流路44を形成したものである。縦孔112は、ピストンロッド組立体12Aにおいて、ピストン側油室31Bに連通するようにロッドエンド部材110の他端側に開口する。横孔113は、ピストンロッド組立体12Aにおいて、ロッド側油室31Aに連通するように開口する。
【0036】
尚、横孔113は、ロッドエンド部材110を中空パイプ100に接合した後、ロッドエンド部材110にドリル加工して形成しても良い。
【0037】
ロッドエンド部材110は、中空パイプ100との接合前に予め、縦孔112の内径において、横孔113の開口の一方側に接する横孔113の一方の側傍部から、ピストン側油室31Bに臨むことになる開口部の側に渡る範囲に、縦管114を圧入して備える。縦管114の横孔113側の開口端をニードル弁43が接離するバルブシート部115にする。尚、縦孔112は、ピストン側油室31Bに臨むことになる開口部を他の部分より拡径した大径開口部とし、縦管114の拡径端部114Aを縦孔112のその大径開口部に圧入している。
【0038】
ロッドエンド部材110は、中空パイプ100との接合前に予め、縦孔112における端部孔111側(本実施形態では端部孔111との境界部から、横孔113の開口の他方側に近接する横孔113の他方の側傍部までの範囲)に、減衰力調整ロッド42の外周に嵌挿したOリング等のシール部材116を挿入するシール挿入孔117を形成し、かつシール挿入孔117の端部孔111に接する部分に設けられる面取り部117Aを備える。尚、減衰力調整ロッド42はニードル弁43に近接する中間部を他の部分より拡径した大径部42Aとし、この大径部42Aに設けたリング溝42Bにシール部材116を嵌挿する。また、シール部材116を収容するシール挿入孔117は、縦孔112の他の部分より通常大径にするが、同一径にしても良い。
【0039】
ピストンロッド12は、中空パイプ100の一端に、ロッドエンド部材110の端部孔111側の端部を摩擦溶接により溶着して形成される。
【0040】
(減衰力調整装置40の構成)(図4)
減衰力調整装置40は、減衰力調整ロッド42の基端部118に、スライダ装置41を構成するスライダ48の傾斜面48Bに当接するとともに、ピストンロッド12を構成する中空パイプ100の内周に嵌合される冠状の当接部材119を被着して備える。そして、当接部材119の内周と、減衰力調整ロッド42の基端部118の外周との間に、中空パイプ100の内径とロッドエンド部材110に設けたバルブシート部115、シール挿入孔117との芯ずれを吸収するための微小な隙間G(図4)を設ける。
【0041】
本実施形態によれば、ピストンロッド12、減衰力調整装置40を以上のように構成したから、以下の作用効果を奏する。
【0042】
(請求項1に対応する作用効果)
▲1▼中空パイプ100に溶着される予定のロッドエンド部材110に、端部孔111と、縦孔112及び横孔113からなるバイパス流路44を設けておくだけでなく、縦孔112における端部孔111側に、シール挿入孔117と面取り部117Aも設けておき、その後、ロッドエンド部材110を中空パイプ100に溶着するものであるから、孔加工の簡素を図ることができる。
【0043】
▲2▼ロッドエンド部材110に、中空パイプ100の内径と略同一内径の端部孔111を形成し、この端部孔111の側の端部に中空パイプ100の端面を溶着した。従って、中空パイプ100の内径を減衰力調整ロッド42の外径より十分大きく設定しておけば、溶着部の内周に発生する溶接ビードa、bを機械加工によって除去しなくても、中空パイプ100及びロッドエンド部材110に減衰力調整ロッド42を内挿できる。結果として、機械加工のコストを低減できる。
【0044】
▲3▼減衰力調整ロッド42の外周に嵌挿したシール部材116を、ロッドエンド部材110のシール挿入孔117に挿入した。減衰力調整ロッド42及びシール部材116により、中空パイプ100をロッドエンド部材110のバイパス流路44に対して封止し、中空パイプ100の内部への油の侵入を排除できる。ピストンロッド12は、中空化により軽量化することに加え、中空パイプ100の内部を空気室にして一層軽量化できる。
【0045】
尚、ピストンロッド12は、油室31A、31Bの油圧を減衰力調整ロッド42及びシール部材116で受け、その油圧に基づくスラスト力により、減衰力調整ロッド42の基端部118に設けた当接部材119をスライダ48の傾斜面48Bに確実に圧接せしめる。
【0046】
(請求項2に対応する作用効果)
▲4▼減衰力調整ロッド42は、先端ニードル弁43がロッドエンド部材110に設けたバイパス流路44における縦孔112のバルブシート部115に衝合するとともに、基端部118が中空パイプ100の内周に当接部材119を介して支持される。このとき、当接部材119と減衰力調整ロッド42の基端部118の間の微小隙間Gが、中空パイプ100とロッドエンド部材110の溶着に伴なう芯ずれ、中空パイプ100の内径とロッドエンド部材110に設けたバルブシート部115、シール挿入孔117との芯ずれを吸収する。
【0047】
(第2実施形態)(図7〜図9)
第2実施形態にあっても、中空パイプ100とロッドエンド部材110の溶着によりピストンロッド12を構成した。
【0048】
第2実施形態のピストンロッド12では、シール挿入孔117を、縦孔112において、横孔113の開口を含む部分までの範囲に設けた。
【0049】
また、第2実施形態のピストンロッド12では、縦孔112に縦管114を設けず、縦孔112におけるシール挿入孔117に隣接する部分を小径部112Aとし、小径部112Aに隣接する部分からピストン側油室31Bに臨むことになる開口部までの部分を大径部112Bとした。小径部112Aのシール挿入孔117に接する開口端をニードル弁43のためのバブルシート部115にした。尚、小径部112Aと大径部112Bは同一径にするものでも良い。
第2実施形態にあっても、第1実施形態におけると同様の作用効果を奏する。
【0050】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明のピストンロッド12においては、中空パイプ100とロッドエンド部材110の溶接後、溶接ビードa、bを切削除去しても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、油圧緩衝器のピストンロッドに減衰力調整装置を具備するに際し、機械加工の簡素を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施形態の油圧緩衝器を示す断面図である。
【図2】図2はピストンロッド組立体を示す断面図である。
【図3】図3はピストンバルブ装置を示す断面図である。
【図4】図4はスライダ装置を示す断面図である。
【図5】図5はベースバルブ装置を示す断面図である。
【図6】図6は中空パイプとロッドエンド部材を示す断面図である。
【図7】図7は第2実施形態のピストンロッド組立体を示す断面図である。
【図8】図8はピストンバルブ装置を示す断面図である。
【図9】図9は中空パイプとロッドエンド部材を示す断面図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器
11 ダンパシリンダ
12 中空ピストンロッド
15 車輪側取付部(取付部材)
31A ロッド側油室
31B ピストン側油室
32 ピストン
40 減衰力調整装置
41 スライダ装置
42 減衰力調整ロッド
43 ニードル弁
44 バイパス流路
48 スライダ
48B 傾斜面
100 中空パイプ
110 ロッドエンド部材
111 端部孔
112 縦孔
113 横孔
116 シール部材
117 シール挿入孔
117A 面取り部
118 基端部
119 当接部材

Claims (2)

  1. ダンパシリンダ内に中空ピストンロッドを挿入し、
    該中空ピストンロッドの先端部に設けたピストンにて、ダンパシリンダ内にピストンロッドを収容するロッド側油室とピストンロッドを収容しないピストン側油室を区画し、
    該中空ピストンロッドに、ロッド側油室に開口する横孔とピストン側油室に開口する縦孔からなるバイパス流路を形成し、
    該中空ピストンロッド内に、該バイパス流路の開口面積を調整する調整ロッドを内挿した油圧緩衝器のピストンロッドにおいて、
    中空パイプを用いるとともに、
    該中空パイプと略同一外径を有し、一端側に該中空パイプの内径と略同一内径の端部孔を有し、該端部孔に連通する前記縦孔と前記横孔からなるバイパス流路を形成したロッドエンド部材を用い、
    該ロッドエンド部材の該縦孔における前記端部孔側に、予め、前記調整ロッドの外周に嵌挿したシール部材を挿入するシール挿入孔と該シール挿入孔の面取り部を形成し、
    該中空パイプの一端に、該ロッドエンド部材の端部孔側の端部を溶着することにより、前記中空ピストンロッドを形成したことを特徴とする油圧緩衝器のピストンロッド。
  2. 請求項1に記載のピストンロッドを用いた油圧緩衝器の減衰力調整装置であって、
    前記ピストンロッドの基端部を取付ける取付部材に、該ピストンロッドと交差する方向に進退するとともに、該ピストンロッドの基端部と対向する側に傾斜面を形成したスライダを設け、
    該ピストンロッドに内挿した前記調整ロッドの基端部に、該スライダの傾斜面に当接するとともに、該ピストンロッドを構成する前記中空パイプの内周に嵌合される当接部材を被着し、該当接部材の内周と該調整ロッドの基端部との間に、微小な隙間を設けた油圧緩衝器の減衰力調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007192403A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Mando Corp 車高調節用ショックアブソーバのピストンロッドおよびその加工方法
JP2012215184A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Hitachi Automotive Systems Ltd 緩衝器
CN103644239A (zh) * 2013-12-17 2014-03-19 湖南科技大学 可调式粘滞阻尼器

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