JP2004301142A - 変速機の油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】本発明は、比例制御電磁弁を使用してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータに給排する作動油の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して安価に構成することを目的としている。
【構成】このため、変速機の油圧制御装置において、第1、第2比例制御電磁弁は切換弁を介して各アクチュエータに接続され、切換弁は第1シフト作動室を第1比例制御電磁弁に連通し、第2シフト作動室をドレン通路に連通し、セレクト作動室を第2比例制御電磁弁に連通する第1状態と、第1シフト作動室をドレン通路に連通し、第2シフト作動室を第2比例制御電磁弁に連通し、セレクト作動室を第1比例制御電磁弁に連通する第2状態とを切換可能に構成され、切換弁を切り換える切換手段を備えている。
【選択図】 図1
【構成】このため、変速機の油圧制御装置において、第1、第2比例制御電磁弁は切換弁を介して各アクチュエータに接続され、切換弁は第1シフト作動室を第1比例制御電磁弁に連通し、第2シフト作動室をドレン通路に連通し、セレクト作動室を第2比例制御電磁弁に連通する第1状態と、第1シフト作動室をドレン通路に連通し、第2シフト作動室を第2比例制御電磁弁に連通し、セレクト作動室を第1比例制御電磁弁に連通する第2状態とを切換可能に構成され、切換弁を切り換える切換手段を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は変速機の油圧制御装置に係り、特に比例制御電磁弁を使用してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータに給排する作動油の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して安価に構成した変速機の油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車においては、手動変速装置を自動化するために、変速機の油圧制御装置によって変速を行うものがある。
【0003】
この変速機の油圧制御装置としては、一般に、油圧ポンプから吐出される油圧を制御電磁弁によって制御する機構が採用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−507286号公報 (第9−11頁、図1)
【特許文献2】
特開平11−287321号公報 (第3−4頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−295533号公報 (第7−11頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の変速機の油圧制御装置102においては、図8に示す如く、セレクトアクチュエータ104に接続される1個の比例制御電磁弁113と、シフトアクチュエータ106に接続される2個の比例制御電磁弁114、116との合計3個の比例制御電磁弁113、114、116が使用されている。
【0006】
しかし、図9から明らかな如く、いずれも高価な比例制御電磁弁113、114、116を使用しており、コスト的に不利であるという不都合がある。
【0007】
また、図10に示す如く、セレクトアクチュエータ204に接続される2個のON/OFF制御電磁弁222−1、222−2と、シフトアクチュエータ206に接続される2個の比例制御電磁弁214、216とを使用した変速機の油圧制御装置202もある。
【0008】
このとき、セレクトアクチュエータ用として、比例制御電磁弁に比べて安価なON/OFF制御電磁弁を使用しているため、上述した3個の比例制御電磁弁を使用するものに比べてコスト的には有利であるが、合計4個の制御電磁弁から構成されているため、制御機構が複雑化し、制御機構の小型化が困難であるという不都合がある。
【0009】
なお、従来の2つの例において、各制御電磁弁、特に比例制御電磁弁は、夫々独立した接続状態に構成されているが、変速時の動作においては、2方向のシフト操作が同時に行われることはないため、これらを制御する比例制御電磁弁を独立させる必要はなく、改善が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、セレクトシリンダに内挿されたセレクトピストンでスプリング室とセレクト作動室とが画定され、前記スプリング室に縮設されたスプリングの付勢力と前記セレクト作動室に給排する作動油の油圧との釣り合いにより前記セレクトピストンを往復動させるセレクトアクチュエータと、シフトシリンダに内挿されたシフトピストンで第1、第2シフト作動室が画定され、この第1、第2シフト作動室に給排する作動油の油圧により前記シフトピストンを往復動させるシフトアクチュエータと、前記セレクトピストンでセレクト方向に作動されるとともに、前記シフトピストンでシフト方向に作動される変速部材と、液圧源から供給される作動油を通電量に比例する油圧または油量に調整する比例制御電磁弁とを備え、この比例電磁制御弁を介して前記セレクトアクチュエータ及び前記シフトアクチュエータの各作動室に作動油を給排する変速機の油圧制御装置において、前記比例制御電磁弁は2個の第1、第2比例制御電磁弁からなり、この第1、第2比例制御電磁弁は切換弁を介して前記セレクトアクチュエータ及び前記シフトアクチュエータに接続され、前記切換弁は前記第1シフト作動室を前記第1比例制御電磁弁に連通し、前記第2シフト作動室をドレン通路に連通し、前記セレクト作動室を第2比例制御電磁弁に連通する第1状態と、前記第1シフト作動室をドレン通路に連通し、前記第2シフト作動室を第2比例制御電磁弁に連通し、前記セレクト作動室を第1比例制御電磁弁に連通する第2状態とを切換可能に構成され、前記切換弁を切り換える切換手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
上述の如く発明したことにより、切換手段によって切換弁を切り換えて、第1シフト作動室を第1比例制御電磁弁に連通し、第2シフト作動室をドレン通路に連通し、セレクト作動室を第2比例制御電磁弁に連通する第1状態と、第1シフト作動室をドレン通路に連通し、第2シフト作動室を第2比例制御電磁弁に連通し、セレクト作動室を第1比例制御電磁弁に連通する第2状態とを実現し、2つの比例制御電磁弁を、切換弁を介してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータに接続し、切換手段によって切換弁を切り換えて2つの比例制御電磁弁をセレクトアクチュエータとシフトアクチュエータとに交互に連通させ、比例制御電磁弁で各アクチュエータに給排する作動油の油圧または油量の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して変速機の油圧制御装置を安価に構成している。
【0012】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0013】
図1〜図7はこの発明の実施例を示すものである。図1において、2は図示しない変速機の油圧制御装置である。
【0014】
この油圧制御装置2は、セレクトアクチュエータ4と、シフトアクチュエータ6と、変速部材8と、比例制御電磁弁10とを有する。
【0015】
前記セレクトアクチュエータ4は、図1に示す如く、セレクトシリンダ4−1に内挿されたセレクトピストン4−2でスプリング室4−3とセレクト作動室4−4とが画定され、前記スプリング室4−3に縮設されたスプリング4−5の付勢力と前記セレクト作動室4−4に給排する作動油の油圧(あるいは油量)との釣り合いにより前記セレクトピストン4−2を往復動させている。
【0016】
また、前記シフトアクチュエータ6は、図1に示す如く、シフトシリンダ6−1に内挿されたシフトピストン6−2で第1、第2シフト作動室6−3、6−4が画定され、この第1、第2シフト作動室6−3、6−4に給排する作動油の油圧(あるいは油量)により前記シフトピストン6−2を往復動させている。
【0017】
更に、前記変速部材8は、図1に示す如く、前記セレクトピストン4−2でセレクト方向に作動されるとともに、前記シフトピストン6−2でシフト方向に作動されるものである。
【0018】
更にまた、前記比例制御電磁弁10は、液圧源12から供給される作動油を通電量に比例する油圧または油量に調整するものである。
【0019】
そして、前記油圧制御装置2は、比例電磁制御弁10を介して前記セレクトアクチュエータ4及び前記シフトアクチュエータ6の各作動室4−4、6−3、6−4に作動油を給排する。
【0020】
このとき、前記比例制御電磁弁10は2個の第1、第2比例制御電磁弁14、16からなり、この第1、第2比例制御電磁弁14、16は切換弁18を介して前記セレクトアクチュエータ4及び前記シフトアクチュエータ6に接続され、前記切換弁18は前記第1シフト作動室6−3を前記第1比例制御電磁弁14に連通し、前記第2シフト作動室6−4をドレン通路20に連通し、前記セレクト作動室4−4を第2比例制御電磁弁16に連通する第1状態と、前記第1シフト作動室6−3をドレン通路20に連通し、前記第2シフト作動室6−4を第2比例制御電磁弁16に連通し、前記セレクト作動室4−4を第1比例制御電磁弁14に連通する第2状態とを切換可能に構成され、前記切換弁18を切り換える切換手段22を備えた構成を有する。
【0021】
詳述すれば、前記油圧制御装置2の油圧回路は、図1に示す如く、前記セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4と切換弁18とを連絡する第1通路24と、前記シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3と切換弁18とを連絡する第2通路26と、前記シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4と切換弁18とを連絡する第3通路28と、前記液圧源12と第1比例制御電磁弁14とを連絡する第4通路30と、前記液圧源12と第2比例制御電磁弁16とを連絡する第5通路32と、前記液圧源12と二位置切換電磁弁からなる前記切換手段22とを連絡する第6通路34と、前記第1比例制御電磁弁14と切換弁18とを連絡する第7通路36と、前記第2比例制御電磁弁16と切換弁18とを連絡する第8通路38と、切換弁18と切換手段22とを連絡する第9通路40と有している。
【0022】
そして、前記切換手段22を作動させて前記切換弁18を切り換えた後に、前記第1、第2比例制御電磁弁14、16を作動させて変速段を切り換える制御手段42を設ける。
【0023】
このとき、制御手段42には、前記第1、第2比例制御電磁弁14、16と切換手段22とを接続して設け、切換手段22を作動させて前記切換弁18を切り換えた後に、前記第1、第2比例制御電磁弁14、16を作動させ、図7に示す如く、ニュートラル(N)及び1速〜5速、そしてリバースの各変速段を切り換えるものである。
【0024】
なお、図5〜図7において、記号「A」は第1比例制御電磁弁14を示すとともに、記号「B」は第2比例制御電磁弁16を示し、例えば図7のN(ニュートラル)の場合に、「第1シフト作動室」の下部に記載される「A」は、第1比例制御電磁弁14に連絡されていることを示し、「セレクト作動室」の下部に記載される「B」は、第2比例制御電磁弁16に連絡されていることを示し、「F1」は前記シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3、「F2」はシフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4、「G」は前記セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4を示している。
【0025】
また、前記切換弁18は、図5に示す如く、ハウジング18−1内に軸方向に摺動するスプール弁18−2を有し、前記ハウジング18−1には軸方向で離間する位置に前記セレクト作動室4−4に連通する2つの第1、第2セレクトポート18−3、18−4が形成される。
【0026】
この2つの第1、第2セレクトポート18−3、18−4の間に、前記第1シフト作動室6−3に連通する第1シフトポート18−5と、第2シフト作動室6−4に連通する第2シフトポート18−6とからなる2つのシフトポートが形成され、この2つの第1、第2シフトポート18−5、18−6の間には、前記ドレン通路20に連通するドレンポート18−7が形成される。
【0027】
更に、前記第1、第2セレクトポート18−3、18−4と前記第1、第2シフトポート18−5、18−6との間の2箇所のハウジング18−1、つまり一方の前記第1セレクトポート18−3と前記第1シフトポート18−5との間のハウジング18−1には、前記第1比例制御電磁弁14に連通する第1弁ポート18−8が形成され、他方の前記第2セレクトポート18−4と前記第2シフトポート18−6との間のハウジング18−1には、前記第2比例制御電磁弁16に連通する第2弁ポート18−9が形成される。
【0028】
更にまた、前記スプール弁18−2には、少なくとも前記ドレンポート18−7の連通方向を第1シフトポート18−5または第2シフトポート18−6に切換可能な中央ランド部18−10と、この中央ランド部18−10の両側部に所定間隔を隔てて配置されて前記第1、第2弁ポート18−8、18−9の連通方向を夫々、第1セレクトポート18−3または第1シフトポート、第2セレクトポート18−4または第2シフトポート18−6に切換可能な2個の第1、第2側方ランド部18−11、18−12とが形成される。
【0029】
次に作用を説明する。
【0030】
前記変速部材8がニュートラル状態、つまり第1状態の場合には、図1及び図5、図7に示す如く、第1、第2比例制御電磁弁14、16と切換手段22が非作動状態となっており、非作動状態の前記切換弁18を介して、シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3を第1比例制御電磁弁14に連通し、シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4をドレン通路20に連通し、セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4を第2比例制御電磁弁16に連通している。
【0031】
このとき、前記切換弁18は、図5に示す如く、スプール弁18−2が左側部位に位置することとなり、中央ランド部18−10によって第2シフトポート18−6とドレンポート18−7とを連通させ、第1側方ランド部18−11によって第1シフトポート18−5と第1弁ポート18−8とを連通させるとともに、第2側方ランド部18−12によって第2セレクトポート18−4と第2弁ポート18−9とを連通させる。
【0032】
また、前記変速部材8をニュートラルから1速に変速する場合には、図2及び図7に示す如く、第1比例制御電磁弁14のみを作動させ、この第1比例制御電磁弁14及び切換弁18を介してシフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3を前記液圧源12に連通し、ニュートラルから1速にシフトチェンジを行う。
【0033】
更に、前記変速部材8を1速から2速に変速する第2状態の場合には、図3及び図6、図7に示す如く、第1比例制御電磁弁14を非作動とするとともに、第2比例制御電磁弁16と切換手段22とを作動させ、切換手段22によって切り換えられた前記切換弁18を介して、シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3をドレン通路20に連通し、シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4を第2比例制御電磁弁16に連通し、セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4を第1比例制御電磁弁14に連通し、シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4と切換弁18を前記液圧源12に連通し、1速から2速にシフトチェンジを行う。
【0034】
このとき、前記切換弁18は、図6に示す如く、スプール弁18−2が右方向に移動し、中央ランド部18−10によって第1シフトポート18−5とドレンポート18−7とを連通させ、第1側方ランド部18−11によって第1セレクトポート18−3と第1弁ポート18−8とを連通させるとともに、第2側方ランド部18−12によって第2シフトポート18−6と第2弁ポート18−9とを連通させる。
【0035】
更にまた、前記変速部材8を2速から3速に変速する場合には、図4及び図7に示す如く、第1、第2比例制御電磁弁14、16を作動するとともに、切換手段22を非作動とし、非作動状態の前記切換弁18を介して、シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3を第1比例制御電磁弁14に連通し、シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4をドレン通路20に連通し、セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4を第2比例制御電磁弁16に連通し、シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3とセレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4とを前記液圧源12に連通し、前記変速部材8を2速位置からニュートラル位置に戻した後に、変速部材8をセレクト方向に移動させ、その後に3速にシフトチェンジを行う。
【0036】
なお、4速以上への変速及びリバースへの切換動作についての説明は省略するが、図7に示す如く、第1、第2比例制御電磁弁14、16と切換手段22の非作動・作動状態を切り換えることにより、変速及び切換可能である。
【0037】
これにより、2つの第1、第2比例制御電磁弁14、16を、切換弁18を介してセレクトアクチュエータ4及びシフトアクチュエータ6に接続し、切換手段22によって切換弁18を切り換えて2つの第1、第2比例制御電磁弁14、16をセレクトアクチュエータ4とシフトアクチュエータ6とに交互に連通させることで、第1、第2比例制御電磁弁14、16で各アクチュエータ4、6に給排する作動油の油圧または油量の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して変速機の油圧制御装置を安価に構成することができるものである。
【0038】
また、2つの第1、第2セレクトポート18−3、18−4の間に2つの第1、第2シフトポート18−5、18−6を形成し、この第1、第2シフトポート18−5、18−6の間にドレンポート18−7を形成し、第1、第2セレクトポート18−3、18−4と第1、第2シフトポート18−5、18−6との間に第1、第2弁ポート18−8、18−9を形成したことで、スプール弁18−2に形成した3個のランド部である中央ランド部18−10と2個の側方ランド部18−11、18−12とでドレンポート18−7及び2つの第1、第2弁ポート18−8、18−9の連通方向を切り換えることができ、切換弁18の構造を小型化できるものである。
【0039】
更に、前記切換手段22を作動させて前記切換弁18を切り換えた後に、前記第1、第2比例制御電磁弁14、16を作動させて変速段を切り換える制御手段42を備えていることにより、切換手段22及び第1、第2比例制御電磁弁14、16を独立して作動させることで変速段の切換が行えるため、変速制御を簡素化し得て、実用上有利である。
【0040】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0041】
例えば、この発明の実施例においては、シフトアクチュエータを第1、第2シフト作動室の2つの作動室で作動するタイプとしたが、このシフトアクチュエータに替えてセレクトアクチュエータのように1つの作動室で作動するタイプのアクチュエータを2個接続して順次作動させることも可能である。
【0042】
すなわち、セレクトアクチュエータのように1つの作動室で作動するタイプのアクチュエータ3個を比例制御電磁弁2個で順次作動させるものである。
【0043】
さすれば、この発明の実施例のものと同様に、各アクチュエータに給排する作動油の油圧または油量の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して変速機の油圧制御装置を安価に構成することも可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、セレクトシリンダに内挿されたセレクトピストンでスプリング室とセレクト作動室とが画定され、スプリング室に縮設されたスプリングの付勢力とセレクト作動室に給排する作動油の油圧との釣り合いによりセレクトピストンを往復動させるセレクトアクチュエータと、シフトシリンダに内挿されたシフトピストンで第1、第2シフト作動室が画定され、第1、第2シフト作動室に給排する作動油の油圧によりシフトピストンを往復動させるシフトアクチュエータと、セレクトピストンでセレクト方向に作動されるとともに、シフトピストンでシフト方向に作動される変速部材と、液圧源から供給される作動油を通電量に比例する油圧または油量に調整する比例制御電磁弁とを備え、比例電磁制御弁を介してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータの各作動室に作動油を給排する変速機の油圧制御装置において、比例制御電磁弁は2個の第1、第2比例制御電磁弁からなり、第1、第2比例制御電磁弁は切換弁を介してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータに接続され、切換弁は第1シフト作動室を第1比例制御電磁弁に連通し、第2シフト作動室をドレン通路に連通し、セレクト作動室を第2比例制御電磁弁に連通する第1状態と、第1シフト作動室をドレン通路に連通し、第2シフト作動室を第2比例制御電磁弁に連通し、セレクト作動室を第1比例制御電磁弁に連通する第2状態とを切換可能に構成され、切換弁を切り換える切換手段を備えたことにより、2つの比例制御電磁弁を、切換弁を介してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータに接続し、切換手段によって切換弁を切り換えて2つの比例制御電磁弁をセレクトアクチュエータとシフトアクチュエータとに交互に連通させることで、比例制御電磁弁で各アクチュエータに給排する作動油の油圧または油量の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して変速機の油圧制御装置を安価に構成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す変速機の油圧制御装置におけるニュートラル状態、つまり第1状態の概略説明図である。
【図2】変速機の油圧制御装置におけるニュートラルから1速に変速する状態の概略説明図である。
【図3】変速機の油圧制御装置における1速から2速に変速する第2状態の概略説明図である。
【図4】変速機の油圧制御装置における2速から3速に変速する状態の概略説明図である。
【図5】ニュートラル状態、つまり第1状態における切換弁の動作状況を示す概略拡大図である。
【図6】1速から2速に変速する第2状態における切換弁の動作状況を示す概略拡大図である。
【図7】変速時の電磁弁及びアクチュエータの作動状況を示す図である。
【図8】この発明の第1の従来技術を示す変速機の油圧制御装置の概略説明図である。
【図9】比例制御電磁弁及びON/OFF制御電磁弁の特徴を示す図である。
【図10】この発明の第2の従来技術を示す変速機の油圧制御装置の概略説明図である。
【符号の説明】
2 油圧制御装置
4 セレクトアクチュエータ
4−4 セレクト作動室
6 シフトアクチュエータ
6−3 第1シフト作動室
6−4 第2シフト作動室
8 変速部材
10 比例制御電磁弁
12 液圧源
14 第1比例制御電磁弁
16 第2比例制御電磁弁
18 切換弁
20 ドレン通路
22 切換手段
42 制御手段
【発明の属する技術分野】
この発明は変速機の油圧制御装置に係り、特に比例制御電磁弁を使用してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータに給排する作動油の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して安価に構成した変速機の油圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車においては、手動変速装置を自動化するために、変速機の油圧制御装置によって変速を行うものがある。
【0003】
この変速機の油圧制御装置としては、一般に、油圧ポンプから吐出される油圧を制御電磁弁によって制御する機構が採用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−507286号公報 (第9−11頁、図1)
【特許文献2】
特開平11−287321号公報 (第3−4頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−295533号公報 (第7−11頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の変速機の油圧制御装置102においては、図8に示す如く、セレクトアクチュエータ104に接続される1個の比例制御電磁弁113と、シフトアクチュエータ106に接続される2個の比例制御電磁弁114、116との合計3個の比例制御電磁弁113、114、116が使用されている。
【0006】
しかし、図9から明らかな如く、いずれも高価な比例制御電磁弁113、114、116を使用しており、コスト的に不利であるという不都合がある。
【0007】
また、図10に示す如く、セレクトアクチュエータ204に接続される2個のON/OFF制御電磁弁222−1、222−2と、シフトアクチュエータ206に接続される2個の比例制御電磁弁214、216とを使用した変速機の油圧制御装置202もある。
【0008】
このとき、セレクトアクチュエータ用として、比例制御電磁弁に比べて安価なON/OFF制御電磁弁を使用しているため、上述した3個の比例制御電磁弁を使用するものに比べてコスト的には有利であるが、合計4個の制御電磁弁から構成されているため、制御機構が複雑化し、制御機構の小型化が困難であるという不都合がある。
【0009】
なお、従来の2つの例において、各制御電磁弁、特に比例制御電磁弁は、夫々独立した接続状態に構成されているが、変速時の動作においては、2方向のシフト操作が同時に行われることはないため、これらを制御する比例制御電磁弁を独立させる必要はなく、改善が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、セレクトシリンダに内挿されたセレクトピストンでスプリング室とセレクト作動室とが画定され、前記スプリング室に縮設されたスプリングの付勢力と前記セレクト作動室に給排する作動油の油圧との釣り合いにより前記セレクトピストンを往復動させるセレクトアクチュエータと、シフトシリンダに内挿されたシフトピストンで第1、第2シフト作動室が画定され、この第1、第2シフト作動室に給排する作動油の油圧により前記シフトピストンを往復動させるシフトアクチュエータと、前記セレクトピストンでセレクト方向に作動されるとともに、前記シフトピストンでシフト方向に作動される変速部材と、液圧源から供給される作動油を通電量に比例する油圧または油量に調整する比例制御電磁弁とを備え、この比例電磁制御弁を介して前記セレクトアクチュエータ及び前記シフトアクチュエータの各作動室に作動油を給排する変速機の油圧制御装置において、前記比例制御電磁弁は2個の第1、第2比例制御電磁弁からなり、この第1、第2比例制御電磁弁は切換弁を介して前記セレクトアクチュエータ及び前記シフトアクチュエータに接続され、前記切換弁は前記第1シフト作動室を前記第1比例制御電磁弁に連通し、前記第2シフト作動室をドレン通路に連通し、前記セレクト作動室を第2比例制御電磁弁に連通する第1状態と、前記第1シフト作動室をドレン通路に連通し、前記第2シフト作動室を第2比例制御電磁弁に連通し、前記セレクト作動室を第1比例制御電磁弁に連通する第2状態とを切換可能に構成され、前記切換弁を切り換える切換手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
上述の如く発明したことにより、切換手段によって切換弁を切り換えて、第1シフト作動室を第1比例制御電磁弁に連通し、第2シフト作動室をドレン通路に連通し、セレクト作動室を第2比例制御電磁弁に連通する第1状態と、第1シフト作動室をドレン通路に連通し、第2シフト作動室を第2比例制御電磁弁に連通し、セレクト作動室を第1比例制御電磁弁に連通する第2状態とを実現し、2つの比例制御電磁弁を、切換弁を介してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータに接続し、切換手段によって切換弁を切り換えて2つの比例制御電磁弁をセレクトアクチュエータとシフトアクチュエータとに交互に連通させ、比例制御電磁弁で各アクチュエータに給排する作動油の油圧または油量の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して変速機の油圧制御装置を安価に構成している。
【0012】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0013】
図1〜図7はこの発明の実施例を示すものである。図1において、2は図示しない変速機の油圧制御装置である。
【0014】
この油圧制御装置2は、セレクトアクチュエータ4と、シフトアクチュエータ6と、変速部材8と、比例制御電磁弁10とを有する。
【0015】
前記セレクトアクチュエータ4は、図1に示す如く、セレクトシリンダ4−1に内挿されたセレクトピストン4−2でスプリング室4−3とセレクト作動室4−4とが画定され、前記スプリング室4−3に縮設されたスプリング4−5の付勢力と前記セレクト作動室4−4に給排する作動油の油圧(あるいは油量)との釣り合いにより前記セレクトピストン4−2を往復動させている。
【0016】
また、前記シフトアクチュエータ6は、図1に示す如く、シフトシリンダ6−1に内挿されたシフトピストン6−2で第1、第2シフト作動室6−3、6−4が画定され、この第1、第2シフト作動室6−3、6−4に給排する作動油の油圧(あるいは油量)により前記シフトピストン6−2を往復動させている。
【0017】
更に、前記変速部材8は、図1に示す如く、前記セレクトピストン4−2でセレクト方向に作動されるとともに、前記シフトピストン6−2でシフト方向に作動されるものである。
【0018】
更にまた、前記比例制御電磁弁10は、液圧源12から供給される作動油を通電量に比例する油圧または油量に調整するものである。
【0019】
そして、前記油圧制御装置2は、比例電磁制御弁10を介して前記セレクトアクチュエータ4及び前記シフトアクチュエータ6の各作動室4−4、6−3、6−4に作動油を給排する。
【0020】
このとき、前記比例制御電磁弁10は2個の第1、第2比例制御電磁弁14、16からなり、この第1、第2比例制御電磁弁14、16は切換弁18を介して前記セレクトアクチュエータ4及び前記シフトアクチュエータ6に接続され、前記切換弁18は前記第1シフト作動室6−3を前記第1比例制御電磁弁14に連通し、前記第2シフト作動室6−4をドレン通路20に連通し、前記セレクト作動室4−4を第2比例制御電磁弁16に連通する第1状態と、前記第1シフト作動室6−3をドレン通路20に連通し、前記第2シフト作動室6−4を第2比例制御電磁弁16に連通し、前記セレクト作動室4−4を第1比例制御電磁弁14に連通する第2状態とを切換可能に構成され、前記切換弁18を切り換える切換手段22を備えた構成を有する。
【0021】
詳述すれば、前記油圧制御装置2の油圧回路は、図1に示す如く、前記セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4と切換弁18とを連絡する第1通路24と、前記シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3と切換弁18とを連絡する第2通路26と、前記シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4と切換弁18とを連絡する第3通路28と、前記液圧源12と第1比例制御電磁弁14とを連絡する第4通路30と、前記液圧源12と第2比例制御電磁弁16とを連絡する第5通路32と、前記液圧源12と二位置切換電磁弁からなる前記切換手段22とを連絡する第6通路34と、前記第1比例制御電磁弁14と切換弁18とを連絡する第7通路36と、前記第2比例制御電磁弁16と切換弁18とを連絡する第8通路38と、切換弁18と切換手段22とを連絡する第9通路40と有している。
【0022】
そして、前記切換手段22を作動させて前記切換弁18を切り換えた後に、前記第1、第2比例制御電磁弁14、16を作動させて変速段を切り換える制御手段42を設ける。
【0023】
このとき、制御手段42には、前記第1、第2比例制御電磁弁14、16と切換手段22とを接続して設け、切換手段22を作動させて前記切換弁18を切り換えた後に、前記第1、第2比例制御電磁弁14、16を作動させ、図7に示す如く、ニュートラル(N)及び1速〜5速、そしてリバースの各変速段を切り換えるものである。
【0024】
なお、図5〜図7において、記号「A」は第1比例制御電磁弁14を示すとともに、記号「B」は第2比例制御電磁弁16を示し、例えば図7のN(ニュートラル)の場合に、「第1シフト作動室」の下部に記載される「A」は、第1比例制御電磁弁14に連絡されていることを示し、「セレクト作動室」の下部に記載される「B」は、第2比例制御電磁弁16に連絡されていることを示し、「F1」は前記シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3、「F2」はシフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4、「G」は前記セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4を示している。
【0025】
また、前記切換弁18は、図5に示す如く、ハウジング18−1内に軸方向に摺動するスプール弁18−2を有し、前記ハウジング18−1には軸方向で離間する位置に前記セレクト作動室4−4に連通する2つの第1、第2セレクトポート18−3、18−4が形成される。
【0026】
この2つの第1、第2セレクトポート18−3、18−4の間に、前記第1シフト作動室6−3に連通する第1シフトポート18−5と、第2シフト作動室6−4に連通する第2シフトポート18−6とからなる2つのシフトポートが形成され、この2つの第1、第2シフトポート18−5、18−6の間には、前記ドレン通路20に連通するドレンポート18−7が形成される。
【0027】
更に、前記第1、第2セレクトポート18−3、18−4と前記第1、第2シフトポート18−5、18−6との間の2箇所のハウジング18−1、つまり一方の前記第1セレクトポート18−3と前記第1シフトポート18−5との間のハウジング18−1には、前記第1比例制御電磁弁14に連通する第1弁ポート18−8が形成され、他方の前記第2セレクトポート18−4と前記第2シフトポート18−6との間のハウジング18−1には、前記第2比例制御電磁弁16に連通する第2弁ポート18−9が形成される。
【0028】
更にまた、前記スプール弁18−2には、少なくとも前記ドレンポート18−7の連通方向を第1シフトポート18−5または第2シフトポート18−6に切換可能な中央ランド部18−10と、この中央ランド部18−10の両側部に所定間隔を隔てて配置されて前記第1、第2弁ポート18−8、18−9の連通方向を夫々、第1セレクトポート18−3または第1シフトポート、第2セレクトポート18−4または第2シフトポート18−6に切換可能な2個の第1、第2側方ランド部18−11、18−12とが形成される。
【0029】
次に作用を説明する。
【0030】
前記変速部材8がニュートラル状態、つまり第1状態の場合には、図1及び図5、図7に示す如く、第1、第2比例制御電磁弁14、16と切換手段22が非作動状態となっており、非作動状態の前記切換弁18を介して、シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3を第1比例制御電磁弁14に連通し、シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4をドレン通路20に連通し、セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4を第2比例制御電磁弁16に連通している。
【0031】
このとき、前記切換弁18は、図5に示す如く、スプール弁18−2が左側部位に位置することとなり、中央ランド部18−10によって第2シフトポート18−6とドレンポート18−7とを連通させ、第1側方ランド部18−11によって第1シフトポート18−5と第1弁ポート18−8とを連通させるとともに、第2側方ランド部18−12によって第2セレクトポート18−4と第2弁ポート18−9とを連通させる。
【0032】
また、前記変速部材8をニュートラルから1速に変速する場合には、図2及び図7に示す如く、第1比例制御電磁弁14のみを作動させ、この第1比例制御電磁弁14及び切換弁18を介してシフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3を前記液圧源12に連通し、ニュートラルから1速にシフトチェンジを行う。
【0033】
更に、前記変速部材8を1速から2速に変速する第2状態の場合には、図3及び図6、図7に示す如く、第1比例制御電磁弁14を非作動とするとともに、第2比例制御電磁弁16と切換手段22とを作動させ、切換手段22によって切り換えられた前記切換弁18を介して、シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3をドレン通路20に連通し、シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4を第2比例制御電磁弁16に連通し、セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4を第1比例制御電磁弁14に連通し、シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4と切換弁18を前記液圧源12に連通し、1速から2速にシフトチェンジを行う。
【0034】
このとき、前記切換弁18は、図6に示す如く、スプール弁18−2が右方向に移動し、中央ランド部18−10によって第1シフトポート18−5とドレンポート18−7とを連通させ、第1側方ランド部18−11によって第1セレクトポート18−3と第1弁ポート18−8とを連通させるとともに、第2側方ランド部18−12によって第2シフトポート18−6と第2弁ポート18−9とを連通させる。
【0035】
更にまた、前記変速部材8を2速から3速に変速する場合には、図4及び図7に示す如く、第1、第2比例制御電磁弁14、16を作動するとともに、切換手段22を非作動とし、非作動状態の前記切換弁18を介して、シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3を第1比例制御電磁弁14に連通し、シフトアクチュエータ6の第2シフト作動室6−4をドレン通路20に連通し、セレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4を第2比例制御電磁弁16に連通し、シフトアクチュエータ6の第1シフト作動室6−3とセレクトアクチュエータ4のセレクト作動室4−4とを前記液圧源12に連通し、前記変速部材8を2速位置からニュートラル位置に戻した後に、変速部材8をセレクト方向に移動させ、その後に3速にシフトチェンジを行う。
【0036】
なお、4速以上への変速及びリバースへの切換動作についての説明は省略するが、図7に示す如く、第1、第2比例制御電磁弁14、16と切換手段22の非作動・作動状態を切り換えることにより、変速及び切換可能である。
【0037】
これにより、2つの第1、第2比例制御電磁弁14、16を、切換弁18を介してセレクトアクチュエータ4及びシフトアクチュエータ6に接続し、切換手段22によって切換弁18を切り換えて2つの第1、第2比例制御電磁弁14、16をセレクトアクチュエータ4とシフトアクチュエータ6とに交互に連通させることで、第1、第2比例制御電磁弁14、16で各アクチュエータ4、6に給排する作動油の油圧または油量の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して変速機の油圧制御装置を安価に構成することができるものである。
【0038】
また、2つの第1、第2セレクトポート18−3、18−4の間に2つの第1、第2シフトポート18−5、18−6を形成し、この第1、第2シフトポート18−5、18−6の間にドレンポート18−7を形成し、第1、第2セレクトポート18−3、18−4と第1、第2シフトポート18−5、18−6との間に第1、第2弁ポート18−8、18−9を形成したことで、スプール弁18−2に形成した3個のランド部である中央ランド部18−10と2個の側方ランド部18−11、18−12とでドレンポート18−7及び2つの第1、第2弁ポート18−8、18−9の連通方向を切り換えることができ、切換弁18の構造を小型化できるものである。
【0039】
更に、前記切換手段22を作動させて前記切換弁18を切り換えた後に、前記第1、第2比例制御電磁弁14、16を作動させて変速段を切り換える制御手段42を備えていることにより、切換手段22及び第1、第2比例制御電磁弁14、16を独立して作動させることで変速段の切換が行えるため、変速制御を簡素化し得て、実用上有利である。
【0040】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0041】
例えば、この発明の実施例においては、シフトアクチュエータを第1、第2シフト作動室の2つの作動室で作動するタイプとしたが、このシフトアクチュエータに替えてセレクトアクチュエータのように1つの作動室で作動するタイプのアクチュエータを2個接続して順次作動させることも可能である。
【0042】
すなわち、セレクトアクチュエータのように1つの作動室で作動するタイプのアクチュエータ3個を比例制御電磁弁2個で順次作動させるものである。
【0043】
さすれば、この発明の実施例のものと同様に、各アクチュエータに給排する作動油の油圧または油量の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して変速機の油圧制御装置を安価に構成することも可能である。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、セレクトシリンダに内挿されたセレクトピストンでスプリング室とセレクト作動室とが画定され、スプリング室に縮設されたスプリングの付勢力とセレクト作動室に給排する作動油の油圧との釣り合いによりセレクトピストンを往復動させるセレクトアクチュエータと、シフトシリンダに内挿されたシフトピストンで第1、第2シフト作動室が画定され、第1、第2シフト作動室に給排する作動油の油圧によりシフトピストンを往復動させるシフトアクチュエータと、セレクトピストンでセレクト方向に作動されるとともに、シフトピストンでシフト方向に作動される変速部材と、液圧源から供給される作動油を通電量に比例する油圧または油量に調整する比例制御電磁弁とを備え、比例電磁制御弁を介してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータの各作動室に作動油を給排する変速機の油圧制御装置において、比例制御電磁弁は2個の第1、第2比例制御電磁弁からなり、第1、第2比例制御電磁弁は切換弁を介してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータに接続され、切換弁は第1シフト作動室を第1比例制御電磁弁に連通し、第2シフト作動室をドレン通路に連通し、セレクト作動室を第2比例制御電磁弁に連通する第1状態と、第1シフト作動室をドレン通路に連通し、第2シフト作動室を第2比例制御電磁弁に連通し、セレクト作動室を第1比例制御電磁弁に連通する第2状態とを切換可能に構成され、切換弁を切り換える切換手段を備えたことにより、2つの比例制御電磁弁を、切換弁を介してセレクトアクチュエータ及びシフトアクチュエータに接続し、切換手段によって切換弁を切り換えて2つの比例制御電磁弁をセレクトアクチュエータとシフトアクチュエータとに交互に連通させることで、比例制御電磁弁で各アクチュエータに給排する作動油の油圧または油量の制御性を高めつつ、高価な比例制御電磁弁の使用個数を低減して変速機の油圧制御装置を安価に構成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す変速機の油圧制御装置におけるニュートラル状態、つまり第1状態の概略説明図である。
【図2】変速機の油圧制御装置におけるニュートラルから1速に変速する状態の概略説明図である。
【図3】変速機の油圧制御装置における1速から2速に変速する第2状態の概略説明図である。
【図4】変速機の油圧制御装置における2速から3速に変速する状態の概略説明図である。
【図5】ニュートラル状態、つまり第1状態における切換弁の動作状況を示す概略拡大図である。
【図6】1速から2速に変速する第2状態における切換弁の動作状況を示す概略拡大図である。
【図7】変速時の電磁弁及びアクチュエータの作動状況を示す図である。
【図8】この発明の第1の従来技術を示す変速機の油圧制御装置の概略説明図である。
【図9】比例制御電磁弁及びON/OFF制御電磁弁の特徴を示す図である。
【図10】この発明の第2の従来技術を示す変速機の油圧制御装置の概略説明図である。
【符号の説明】
2 油圧制御装置
4 セレクトアクチュエータ
4−4 セレクト作動室
6 シフトアクチュエータ
6−3 第1シフト作動室
6−4 第2シフト作動室
8 変速部材
10 比例制御電磁弁
12 液圧源
14 第1比例制御電磁弁
16 第2比例制御電磁弁
18 切換弁
20 ドレン通路
22 切換手段
42 制御手段
Claims (3)
- セレクトシリンダに内挿されたセレクトピストンでスプリング室とセレクト作動室とが画定され、前記スプリング室に縮設されたスプリングの付勢力と前記セレクト作動室に給排する作動油の油圧との釣り合いにより前記セレクトピストンを往復動させるセレクトアクチュエータと、シフトシリンダに内挿されたシフトピストンで第1、第2シフト作動室が画定され、この第1、第2シフト作動室に給排する作動油の油圧により前記シフトピストンを往復動させるシフトアクチュエータと、前記セレクトピストンでセレクト方向に作動されるとともに、前記シフトピストンでシフト方向に作動される変速部材と、液圧源から供給される作動油を通電量に比例する油圧または油量に調整する比例制御電磁弁とを備え、この比例電磁制御弁を介して前記セレクトアクチュエータ及び前記シフトアクチュエータの各作動室に作動油を給排する変速機の油圧制御装置において、前記比例制御電磁弁は2個の第1、第2比例制御電磁弁からなり、この第1、第2比例制御電磁弁は切換弁を介して前記セレクトアクチュエータ及び前記シフトアクチュエータに接続され、前記切換弁は前記第1シフト作動室を前記第1比例制御電磁弁に連通し、前記第2シフト作動室をドレン通路に連通し、前記セレクト作動室を第2比例制御電磁弁に連通する第1状態と、前記第1シフト作動室をドレン通路に連通し、前記第2シフト作動室を第2比例制御電磁弁に連通し、前記セレクト作動室を第1比例制御電磁弁に連通する第2状態とを切換可能に構成され、前記切換弁を切り換える切換手段を備えたことを特徴とする変速機の油圧制御装置。
- 前記切換弁はハウジング内に軸方向に摺動するスプール弁を有し、前記ハウジングには軸方向で離間する位置に前記セレクト作動室に連通する2つのセレクトポートが形成され、この2つのセレクトポートの間に前記第1シフト作動室に連通するシフトポートと第2シフト作動室に連通するシフトポートからなる2つのシフトポートが形成され、この2つのシフトポートの間にはドレン通路に連通するドレンポートが形成されるとともに、前記セレクトポートと前記シフトポートの間の2箇所のハウジングには一方に前記第1比例制御電磁弁に連通する弁ポートが形成され、他方に前記第2比例制御電磁弁に連通する弁ポートが形成され、前記スプール弁には少なくとも前記ドレンポートの連通方向を切換可能な中央ランド部と、この中央ランド部の両側部に所定間隔を隔てて配置されて前記弁ポートの連通方向を切換可能な2個の側方ランド部とが形成されたことを特徴とする請求項1に記載の変速機の油圧制御装置。
- 前記切換手段を作動させて前記切換弁を切り換えた後に、前記第1、第2比例制御電磁弁を作動させて変速段を切り換える制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の変速機の油圧制御装置。
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Cited By (1)
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-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003091274A patent/JP2004301142A/ja active Pending
Cited By (1)
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