JP2004301094A - 風力発電装置 - Google Patents
風力発電装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004301094A JP2004301094A JP2003097384A JP2003097384A JP2004301094A JP 2004301094 A JP2004301094 A JP 2004301094A JP 2003097384 A JP2003097384 A JP 2003097384A JP 2003097384 A JP2003097384 A JP 2003097384A JP 2004301094 A JP2004301094 A JP 2004301094A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fan
- generator
- wind power
- nacelle
- power generator
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
- Y02B10/00—Integration of renewable energy sources in buildings
- Y02B10/30—Wind power
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/70—Wind energy
- Y02E10/74—Wind turbines with rotation axis perpendicular to the wind direction
Abstract
【課題】結露や湿気による装置内部の電気部品の故障を防止する。
【解決手段】風力発電装置1は、風力を受ける風車2と、風車2の風力を回転力に変換する回転軸3と、回転軸3からの回転力により発電する発電機16と、回転軸3が挿通され発電機16を収納するナセル4と、発電機16の稼働により作動し発電機16に送風する第一のファン18と、ナセル4内を換気する第二のファン20と、発電機16の稼働停止を検出した場合、電動ファン20を駆動制御する駆動制御装置40と、ナセル4内の湿度を検出する湿度センサ22と、を備える。駆動制御装置40は、発電機16の稼働停止を検出し、かつ、湿度センサ22からの出力が所定値以上であると判定した場合、電動ファン20を駆動制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】風力発電装置1は、風力を受ける風車2と、風車2の風力を回転力に変換する回転軸3と、回転軸3からの回転力により発電する発電機16と、回転軸3が挿通され発電機16を収納するナセル4と、発電機16の稼働により作動し発電機16に送風する第一のファン18と、ナセル4内を換気する第二のファン20と、発電機16の稼働停止を検出した場合、電動ファン20を駆動制御する駆動制御装置40と、ナセル4内の湿度を検出する湿度センサ22と、を備える。駆動制御装置40は、発電機16の稼働停止を検出し、かつ、湿度センサ22からの出力が所定値以上であると判定した場合、電動ファン20を駆動制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、風力により発電する風力発電装置に係り、より詳しくは、風力発電装置内部の空気を換気する風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
風力発電装置は、風力を回転力に変換して発電をする装置であり、風力を受ける風車は通常、外気に晒されている一方、減速機,ブレーキ及び発電機はナセル内に収納されている。また、ナセル内には、風車軸にファンが取り付けられており、発電機からの発生熱をナセル外に強制的に排出している(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭58−65977号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1のような風力発電装置は、いわゆる水平軸型の装置であるため、発電機からの発生熱を吸収した空気がナセル内上部に溜まり易く、ファンによる排気を充分に行うことができなかった。
【0005】
また、発電機の発熱により、稼働停止時にはナセル内における発電機や制御装置等の電気部品に結露が生じることとなり、電気部品の故障に至るという問題があった。
【0006】
特に、垂直軸型の風力発電装置では、ナセルの上方に風車を配置する構造とされているため、必然的に風車よりも下方に発電機や制御装置等の電気部品を配置しなければならず、上記特許文献1のような水平軸型の装置に比し、稼働停止時には発電機や制御装置等の電気部品に結露が生じ易くなり、故障に至るという問題があった。
【0007】
また、上述した特許文献1の装置では、装置の稼働中のみ風車軸の回転によりファンが従動回転するため、装置の稼働停止中にはナセル内を換気することができず、電気部品の故障に至るという問題があった。
【0008】
更に、ナセル内に乾燥剤,除湿機,スペースヒータ等を設けることも考えられるが、乾燥剤の場合は、作業者が適宜交換しなければならず面倒であり、また作業者が乾燥剤の交換をし忘れると、ナセル内の結露や湿気を排除することができず、電気部品の故障に至るという問題があった。また、除湿機やスペースヒータの場合も、ナセル内の湿度を監視しながら作業者が適宜操作しなければならず面倒であった。
【0009】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、結露や湿気による装置内部の電気部品の故障を防止することができる風力発電装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる風力発電装置は、風力を受ける風車と、前記風車の風力を回転力に変換する回転軸と、該回転軸からの回転力により発電する発電機と、前記回転軸が挿通され前記発電機を収納するナセルと、を備える風力発電装置において、前記発電機の稼働により作動し前記発電機に送風する第一のファンと、前記ナセル内を換気する第二のファンと、前記発電機の稼働停止を検出した場合、前記第二のファンを駆動制御する駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この請求項1の発明によれば、発電機の稼働停止中においてナセル内を換気することができる。
【0012】
また、請求項2の発明にかかる風力発電装置は、請求項1に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記発電機の再稼働を検出した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0013】
この請求項2の発明によれば、発電機の稼働中は第二のファンの駆動を停止することができる。またこれにより、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0014】
また、請求項3の発明にかかる風力発電装置は、請求項1または2に記載の発明において、更に、前記ナセル内の湿度を検出する湿度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記発電機の稼働停止を検出し、かつ、前記湿度センサからの出力が所定値以上であると判定した場合、前記第二のファンを駆動制御することを特徴とする。
【0015】
この請求項3の発明によれば、発電機の稼働停止中にナセル内の湿気を排気することができる。
【0016】
また、請求項4の発明にかかる風力発電装置は、請求項3に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記湿度センサからの出力が所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0017】
この請求項4の発明によれば、ナセル内の湿気を排気することができるとともに、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0018】
また、請求項5の発明にかかる風力発電装置は、請求項1または2に記載の発明において、さらに、前記ナセル内の温度を検出する温度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記発電機の稼働停止を検出し、かつ、前記温度センサからの出力が所定値以上であると判定した場合、前記第二のファンを駆動制御することを特徴とする。
【0019】
この請求項5の発明によれば、発電機の稼働停止中にナセル内を換気することができる。
【0020】
また、請求項6の発明にかかる風力発電装置は、請求項3に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記温度センサからの出力が所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0021】
この請求項6の発明によれば、ナセル内を換気することができるとともに、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0022】
また、請求項7の発明にかかる風力発電装置は、請求項3に記載の発明において、さらに、前記ナセル内の温度を検出する温度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記湿度センサからの出力が所定値未満であると判定し、かつ、前記温度センサからの出力が所定値以上であると判定した場合、前記第二のファンを駆動制御することを特徴とする。
【0023】
この請求項7の発明によれば、発電機の稼働停止中にナセル内を除湿または換気することができる。
【0024】
また、請求項8の発明にかかる風力発電装置は、請求項7に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記温度センサからの出力が所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0025】
この請求項8の発明によれば、発電機の稼働停止中にナセル内を除湿または換気することができるとともに、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0026】
また、請求項9の発明にかかる風力発電装置は、請求項1または2に記載の発明において、さらに、前記発電機の巻線またはその近傍に設けられ、前記発電機の巻線の温度を検出する温度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記温度センサからの出力が第1の所定値以上であると判定した場合、前記発電機の稼働または稼働停止にかかわらず前記第二のファンを駆動制御し、前記発電機の稼働または稼働停止にかかわらず前記温度センサからの出力が前記第1の所定値よりも低い第2の所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0027】
この請求項9の発明によれば、発電機の巻線温度の過度の上昇を検出することができ、発電機の稼働または稼働停止にかかわらず、第二のファンを制御することができる。
【0028】
また、請求項10の発明にかかる風力発電装置は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、更に、前記ナセルに形成される通気口を開閉自在に閉鎖するトラップ部材を備え、該トラップ部材は、前記第一のファンが作動すると、前記第一のファンの吸気力により前記通気口を開放し、前記第二のファンが駆動すると前記第二のファンの送風力により前記通気口を開放し、前記第一のファン及び前記第二のファンのいずれも停止しているときは前記通気口を閉鎖することを特徴とする。
【0029】
この請求項10の発明によれば、第一のファンが作動又は第二のファンが駆動しているときは、発電機の冷却又はナセル内の換気に必要な外気を吸気することができ、第一のファン及び第二のファンの停止中においては、ナセルの気密性を保持することができる。
【0030】
また、請求項11の発明にかかる風力発電装置は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の発明において、前記ナセルは、前記回転軸を鉛直方向に挿通させるために形成された開口部を有し、前記第一のファンは、前記発電機よりも下方に配置されていることを特徴とする。
【0031】
この請求項11の発明によれば、発電機からの発生熱を吸収した空気を、発電機よりも上方へ送風して開口部から排気することができる。
【0032】
また、請求項12の発明にかかる風力発電装置は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の発明において、前記ナセルは、前記回転軸を鉛直方向に挿通させるために形成された開口部を有し、前記第二のファンは、前記発電機よりも下方に配置されていることを特徴とする。
【0033】
この請求項12の発明によれば、ナセル内の湿気を、発電機よりも上方へ送風して開口部から排気することができる。
【0034】
また、請求項13の発明にかかる風力発電装置は、請求項11または12に記載の発明において、前記開口部を覆う外カバーと、該外カバー内に前記開口部から外気へ通気させる蛇行状の流路と、を有するカバー部材を備えることを特徴とする。
【0035】
この請求項13の発明によれば、ナセル内の空気を前記開口部から排気しつつ、外部からナセル内への異物の侵入の阻止を図ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる風力発電装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、この発明の風力発電装置1を示す概要図である。この風力発電装置1は、垂直軸型の風力発電装置1である。この風力発電装置1は、風車2と、回転軸3と、ナセル4と、基礎5と、で略構成される。
【0037】
この風車2は垂直軸型の風車2であり、本例ではジャイロミル型を用いている。風車2は、風力を受ける複数枚のブレード6を有する。各ブレード6は、アーム7を介して回転軸3に所定角度間隔で固定されている。図示の例ではブレード6が3枚設けられ、120°間隔で配置されている。
【0038】
回転軸3は、ナセル4の上部から、鉛直方向に挿通されている。回転軸3の上端部には、風車2が固定されている。そして、ブレード6が風力を受けると、回転軸3が軸回りに回転するようになっている。ナセル4は、略円筒形状とされており、その下端部には基礎5が固定されている。図2に示すように、ナセル4の上端面8には開口部10が形成されており、回転軸3が挿通されている。
【0039】
ナセル4の上端面8には、カバー部材11が設けられている。カバー部材11は外カバー12を有する。カバー部材11は回転軸3に嵌挿され、外カバー12の開口縁部13がナセル4の上端面8に当接している。これにより、カバー部材11は、ナセル4の開口部10を覆うように回転軸3に保持されている。また、カバー部材11の内部は、回転軸3方向に蛇行する流路14が形成されている。そして、カバー部材11の開口縁部13には、排気孔15が形成されており、ナセル4内の空気が流路14を介して排気孔15から排気される。
【0040】
また、ナセル4内には、発電機16と、軸受け17と、第一のファン18と、第二のファン20と、制御ボックス21と、湿度センサ22と、が設けられている。発電機16は、回転軸3の中途部に固定されている。発電機16は、ロータ23とステータ26を有する。ロータ23は、回転軸3に対し固定され、相対回転不能とされている。
【0041】
ステータ26は図示しない保持部によりロータ23と同軸に保持されている。ブレード6が風力を受けて回転軸3が回転すると、ロータ23が従動回転して発電する。また、ステータ26の外周面とナセル4の内周壁との間には、空隙19が形成されている。更に、発電機16にはケーブル27が設けられている。ケーブル27は制御ボックス21に接続されており、発電した電力を送電するようになっている。
【0042】
軸受け17は、回転軸3の下端を支持する。軸受け17の端縁には、貫通孔28が形成されており、発電機16のケーブル27が遊挿されている。また、発電機16の下方には、第一のファン18が設けられている。第一のファン18は、回転軸3に対し固定され、相対回転不能とされている。第一のファン18は、回転軸3に巻きつくように形成された螺旋状の2枚のフィン30,30で構成される。第一のファン18は、回転軸3の回転により従動回転する。
【0043】
また、発電機16よりも下方におけるナセル4の周壁には、通気口24が貫通形成されている。そして、この通気口24には、ナセル4の内周面側から第二のファン20が固定されている。本例では、第二のファン20は電動ファンである。この電動ファン20は、図2及び図3に示すように、ケース9と、回転する翼部32と、翼部32を回転させるモータ33と、モータ33を回転駆動させる電動ファン駆動回路34と、で構成される。
【0044】
翼部32の軸方向におけるケース9の一端面35には、不図示の吸気口が形成されており、ナセル4の通気口24と連通するようになっており、また、ケース9の他端面36には不図示の排気口が形成されており、ナセル4内と連通するようになっている。
【0045】
また、ケース9の他端面36の上部には、この排気口を閉鎖するトラップ部材37が設けられている。トラップ部材37は板状の部材であり、電動ファン20の排気口の上側縁部に回動自在に軸支されている。このトラップ部材37は、電動ファン20の排気口を閉鎖することで、ナセル4の通気口24を閉鎖するようになっている。電動ファン20はケーブル38により制御ボックス21に接続されており、制御ボックス21からの指令に基づき駆動制御される。
【0046】
制御ボックス21は、ナセル4の下部に設けられている。制御ボックス21の側面には湿度センサ22が取り付けられており、ナセル4内部の湿度を監視している。湿度センサ22としては、例えば、セラミックス型湿度センサ,高分子型湿度センサ又は熱式湿度センサを用いることができる。
【0047】
また、図3に示すように、制御ボックス21には、駆動制御装置40と、送電部41と、が収納されている。この駆動制御装置40は、稼働判定部42と、除湿判定部43と、駆動制御部44と、で構成されている。稼働判定部42は、発電機16が稼働したか否かを検出する。
【0048】
稼働判定部42は、例えば、発電された発電量が所定値以上か否かを検出することにより発電機16が稼働したか否かを判定してもよい。また、回転軸3の回転数が所定値以上か否かにより発電機16が稼働したか否かを判定する構成としてもよい。更に、図示しない風速計から出力された風速を検出しカットイン風速以上か否かを検出することにより発電機16が稼働したか否かを判定し、またカットアウト風速以上か否かを検出することにより発電機16の稼働停止を判定する構成を追加することとしてもよい。
【0049】
除湿判定部43は、予め設定された湿度しきい値を有し、湿度センサ22から出力された出力信号が、湿度しきい値以上か否かを判定する。駆動制御部44は、稼働判定部42及び除湿判定部43からの出力に基づいて電動ファン20を駆動するか否かを判定し、電動ファン20に対し駆動信号を出力する。
【0050】
次に、本実施の形態の風力発電装置1の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。初期状態では、稼働判定部42は、常時発電機16が稼働したか否かを監視しており、第一のファン18と電動ファン20はともに停止している。
【0051】
発電機16が稼働したと判定した場合(ステップS1:Yes)、駆動制御部44に稼働信号を出力する。回転軸3が回転しているため、これに伴って第一のファン18が回転作動する(ステップS2)。回転数が所定速度以上となると、この第一のファン18の吸気力により、トラップ部材37の他端が吸い寄せられて、ケース9の他端面36から離間する。
【0052】
これにより、ナセル4の通気口24から電動ファン20を介してナセル4内へ空気が吸気される。吸気された空気は、軸受け17の貫通孔28の隙間から発電機16へ送風される。これにより発電機16を冷却することができる。発電機16からの発生熱を吸収した空気は、そのまま上昇し、カバー部材11の流路14を通過して排気孔15から排気される。
【0053】
また、駆動制御部44が、この稼働信号を受けると、電動ファン駆動回路34に停止信号を出力して電動ファン20を停止させる(ステップS3)。発電機16の稼働作動中は、湿気を含むナセル4内の空気を第一のファン18により換気することができるため、電動ファン20を停止しておくことにより無駄な電力消費を抑制することができる。
【0054】
一方、稼働判定部42が発電機16の稼働が停止していると判定した場合(ステップS1:No)、回転軸3の回転が停止するため、第一のファン18も作動停止する(ステップS4)。これにより、第一のファン18の吸気力が無くなって、トラップ部材37が電動ファン20のケース9の他端面36に当接する。これにより、ケース9の排気口が閉鎖されることでナセル4の通気口24が閉鎖される。
【0055】
一方、除湿判定部43により、ナセル4内の湿度が所定のしきい値以上であると判定された場合(ステップS5:Yes)、駆動制御部44は電動ファン20に駆動信号を出力する。電動ファン20は駆動信号が入力されると、電動ファン駆動回路34によりモータ33を回転駆動して翼部32を回転させて、電動ファン20を駆動する(ステップS6)。
【0056】
この電動ファン20の駆動により、通気口24から空気が吸気される。そして、電動ファン20の送風力により、トラップ部材37がケース9の他端面36から離間して排気口が開放され、ナセル4内を送風する。この送風力により、ナセル4内部の湿気が上昇し、カバー部材11を介して外部に湿気が排気される。これにより、稼働停止時にナセル4内部を除湿することができる。
【0057】
一方、湿度がしきい値未満の場合(ステップS5:No)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に停止信号を出力する。そして、モータ33の回転が停止し、電動ファン20の駆動が停止する(ステップS7)。これにより、電動ファン20の無駄な駆動を防止して、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0058】
本実施の形態によれば、発電機16が稼働停止中であっても、ナセル4内を除湿することができ、発電機16などの電気部品の結露による故障を防止することができる。また、電動ファン20の停止中は、トラップ部材37により、通気口24を閉鎖することができるため、ナセル4内に、降雨や降雪、塵埃等の異物の侵入を防止することができる。また、ナセル4の上部にカバー部材11を設けたことにより、ナセル4上部からの降雨や降雪、塵埃等の異物の侵入を防止することができるとともに、発電機16からの発生熱を吸収した空気や湿気などの不要空気を排気することができる。
【0059】
なお、上述した実施の形態では、第一のファン18を回転軸3に対し螺旋状のフィン30を2枚設けることとしたが、図5に示すように、螺旋状のフィン30を1枚にすることとしてもよい。また、図6に示すように、回転軸3に対し所定角度傾斜したフィン45を固定することとしても良い。
【0060】
更に、図7に示すように、回転軸3に対し、回転軸3と同軸に設けられた略円筒形状の筒状体46を嵌挿することとしてもよい。この筒状体46は、内部が中空とされ、回転軸3に対し相対回転不能に固定されており、回転軸3とともに回転する。
【0061】
また、この筒状体46は、図7(a)に示すように、回転軸3を嵌挿しつつ筒状体46の上端部を閉塞する上端板部47を有する。この上端板部47は、複数(図では4つ)の排出孔48が等間隔に形成されている。さらに、この筒状体46は、図7(d)に示すように、回転軸3を嵌挿しつつ筒状体46の下端部を閉塞する下端板部49を有する。
【0062】
さらに、この筒状体46は、図7(b)および(c)に示すように、筒状体46の円形の外周面を形成する側周板部50を有する。この側周板部50は、上端板部47の周縁部と下端板部49の周縁部に巻きつくようにして設けられている。また、回転軸3の回転方向における側周板部50の両端部51,52は互いに接合されておらず、この両端部51,52の間隙53から空気が導入するようになっている。また、側周板部50の端部51は、上端板部47の周縁部と下端板部49の周縁部から離間しており、筒状体46の外周面の接線方向に延出している。
【0063】
この筒状体46によれば、図中の回転方向に回転軸3が回転すると、これに伴って筒状体46も回転する。そして、端部51の回転軌跡の回転半径が、端部52の回転軌跡よりも大きいため、筒状体46の外周面付近の空気を間隙53から筒状体46内部に案内する。そして、筒状体46の内部に取り込まれた空気は、上端板部47の排出孔48から排気される。このようなファン構造とすることによっても、上述の第一のファン18と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
また、図示はしないが、ナセル4の下方において、通気口24を2つ形成し、互いに反対方向に開閉自在に通気口24を閉鎖するトラップ部材を軸支する構成としてもよい。この場合、一方のトラップ部材は、ナセル4の内側にのみ揺動する構成とし、他方のトラップ部材は、ナセル4の外側に揺動する構成とする。また、他方のトラップ部材に閉鎖されている通気口24を閉鎖するように第二のファンを取り付けることとしても良い。この第二のファンは電動ファンであるが、上述の電動ファン20と異なりナセル4内の空気を外部に排気するファンである。湿気はナセル4の下方に溜まりやすいため、湿気を効率よく外部に排気することができる。
【0065】
また、上述した実施の形態では、湿度センサ22により湿度を検知して第2のファン20を作動させる構成としたが、さらに、図8に示すように、温度センサ29を制御ボックス21に設けて、駆動制御装置40の温度判定部39に接続することとしてもよい。この場合、この温度判定部39には所定の温度しきい値が設定されている。
【0066】
そして、図9に示すように、第一のファン18が作動停止した場合(ステップS4)、温度判定部39によりナセル4内の温度が所定のしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS8)。
【0067】
温度判定部39により、ナセル4内の温度が所定のしきい値以上であると判定された場合(ステップS8:Yes)、駆動制御部44は電動ファン20に駆動信号を出力する。電動ファン20は駆動信号が入力されると、電動ファン駆動回路34によりモータ33を回転駆動して翼部32を回転させて、電動ファン20を駆動する(ステップS6)。これにより、第一のファン18が稼働停止であっても、発電機16の放熱によりナセル4内を換気することができ、湿気や結露の発生を未然に防止することができる。
【0068】
一方、温度判定部39により、ナセル4内の温度が所定のしきい値未満であると判定された場合(ステップS8:No)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に停止信号を出力する。そして、モータ33の回転が停止し、電動ファン20の駆動が停止する(ステップS7)。これにより、電動ファン20の無駄な駆動を防止して、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0069】
また、図10に示すように、湿度がしきい値未満の場合(ステップS5:No)、温度センサ29により検出した温度が、温度しきい値以上であるか否かを判定する(ステップS9)。そして、温度センサ29により検出した温度が、温度しきい値以上である場合(ステップS9:Yes)、駆動制御部44は電動ファン20に駆動信号を出力する。
【0070】
電動ファン20は駆動信号が入力されると、電動ファン駆動回路34によりモータ33を回転駆動して翼部32を回転させて、電動ファン20を駆動する(ステップS6)。これにより、湿度センサにより検出される湿度が湿度しきい値未満であっても、検出温度が温度しきい値以上であれば、電動ファン20を回転駆動することができる。これにより、発電機16の稼働停止中であっても、発電機を冷却することができ、湿気や結露の発生を未然に防止することができる。
【0071】
一方、温度センサ29により検出した温度が、温度しきい値未満の場合(ステップS9:No)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に停止信号を出力する。そして、モータ33の回転が停止し、電動ファン20の駆動が停止する(ステップS7)。これにより、電動ファン20の無駄な駆動を防止して、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0072】
また、上述した実施の形態では、温度センサ29をナセルの底部に設けることとしたが、図11および図12に示すように、発電機16のステータ26に設けられている巻線26aまたはその近傍に取り付け、信号線29aを介して駆動制御装置40に接続することにより、巻線26aの温度を検出することとしてもよい。またこの場合、温度判定部39には、第1の温度しきい値と、第1の温度しきい値以下の値に設定されている第2の温度しきい値と、があらかじめ設定されることとなる。
【0073】
この例によれば、図13に示すように、ステップS2またはステップS4のあと、温度センサ29によって検出された温度が、第1の温度しきい値以上であるか否かを判定する(ステップS10)。この第1の温度しきい値以上であると判定された場合(ステップS10:Yes)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に駆動信号を出力する。電動ファン20は駆動信号が入力されると、電動ファン駆動回路34によりモータ33を回転駆動して翼部32を回転させて、電動ファン20を駆動する(ステップS11)。
【0074】
一方、温度センサ29によって検出された温度が、第1の温度しきい値未満であると判定された場合(ステップS10:No)、第2の温度しきい値未満か否かを判定する(ステップS12)。検出した温度が第2の温度しきい値未満であると判定された場合(ステップS12:Yes)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に停止信号を出力する。そして、モータ33の回転が停止し、電動ファン20の駆動が停止する(ステップS13)。
【0075】
また、検出した温度が第2の温度しきい値以上であると判定された場合(ステップS12:No)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に、駆動信号および停止信号のいずれの信号も出力せず、電動ファン20の現状動作を維持する(ステップS14)。
【0076】
この変形例によれば、発電機16も稼働または稼働停止にかかわらず、発電機16の巻線26aの温度を監視することができるため、巻線26aの温度の過度な上昇を防止することができ、発電機16の長寿命化を図ることができる。またこれにより、ナセル4内の湿度を一定値以下に保つことができ、ナセル4内の結露発生を防止することができ、さらに、ナセル4内部の部品の絶縁低下防止、発錆防止および長寿命化を図ることができる。
【0077】
なお、上述した実施の形態では、発電機16を上方に設け、第一のファン18を発電機16に対し下方に設ける構成としたが、発電機16を下方に設け、第一のファン18を発電機16に対し上方に設ける構成としても良い。これによれば、下方に貯留する湿気を、発電機16の放熱により除湿しながら上方に排気することができる。同様に、第2のファン20も発電機16よりも上方に設ける構成としても良い。
【0078】
なお、上述した実施の形態では、垂直軸型の風車2としてジャイロミル型を例にして説明したが、垂直軸型であれば、他の揚力型(例えば、ダリウス型,フレットナー型)や抗力型(例えば、サボニウス型,パドル型,クロスフロー型)の風車を適用することとしても良い。
【0079】
また、上述した実施の形態では、垂直軸型の風力発電装置について説明したが、水平軸型の風力発電装置に適用することとしても良い。この場合、発電機16をナセル内に配置し、第一のファン18および第二のファン20をナセルと連通しナセルを支持する不図示のタワー内に設ける構成としても良い。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の風力発電装置によれば、結露や湿気による装置内部の電気部品の故障を防止することができるという効果を奏する。また、垂直軸型の風力発電装置であっても、装置内部への異物の侵入を防止しつつ、装置内部を効率よく換気することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の外観を示す概略斜視図である。
【図2】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の側断面図である。
【図3】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電動ファンの駆動制御を示すフローチャートである。
【図5】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の第一のファンの変形例を示す図である。
【図6】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の第一のファンの他の変形例を示す図である。
【図7】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の第一のファンの更に他の変形例を示す図である。
【図8】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電気的構成の変形例を示すブロック図である。
【図9】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電動ファンの駆動制御の変形例を示すフローチャートである。
【図10】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電動ファンの駆動制御の他の変形例を示すフローチャートである。
【図11】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の他の変形例を示す拡大側断面図である。
【図12】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の他の変形例の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の他の変形例の電動ファンの駆動制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 風力発電装置
2 風車
3 回転軸
4 ナセル
10 開口部
11 カバー部材
12 外カバー
14 流路
16 発電機
18 第一のファン
20 第二のファン(電動ファン)
22 湿度センサ
24 通気口
26a 巻線
29 温度センサ
37 トラップ部材
40 駆動制御手段(駆動制御装置)
【発明の属する技術分野】
この発明は、風力により発電する風力発電装置に係り、より詳しくは、風力発電装置内部の空気を換気する風力発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
風力発電装置は、風力を回転力に変換して発電をする装置であり、風力を受ける風車は通常、外気に晒されている一方、減速機,ブレーキ及び発電機はナセル内に収納されている。また、ナセル内には、風車軸にファンが取り付けられており、発電機からの発生熱をナセル外に強制的に排出している(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭58−65977号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1のような風力発電装置は、いわゆる水平軸型の装置であるため、発電機からの発生熱を吸収した空気がナセル内上部に溜まり易く、ファンによる排気を充分に行うことができなかった。
【0005】
また、発電機の発熱により、稼働停止時にはナセル内における発電機や制御装置等の電気部品に結露が生じることとなり、電気部品の故障に至るという問題があった。
【0006】
特に、垂直軸型の風力発電装置では、ナセルの上方に風車を配置する構造とされているため、必然的に風車よりも下方に発電機や制御装置等の電気部品を配置しなければならず、上記特許文献1のような水平軸型の装置に比し、稼働停止時には発電機や制御装置等の電気部品に結露が生じ易くなり、故障に至るという問題があった。
【0007】
また、上述した特許文献1の装置では、装置の稼働中のみ風車軸の回転によりファンが従動回転するため、装置の稼働停止中にはナセル内を換気することができず、電気部品の故障に至るという問題があった。
【0008】
更に、ナセル内に乾燥剤,除湿機,スペースヒータ等を設けることも考えられるが、乾燥剤の場合は、作業者が適宜交換しなければならず面倒であり、また作業者が乾燥剤の交換をし忘れると、ナセル内の結露や湿気を排除することができず、電気部品の故障に至るという問題があった。また、除湿機やスペースヒータの場合も、ナセル内の湿度を監視しながら作業者が適宜操作しなければならず面倒であった。
【0009】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、結露や湿気による装置内部の電気部品の故障を防止することができる風力発電装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる風力発電装置は、風力を受ける風車と、前記風車の風力を回転力に変換する回転軸と、該回転軸からの回転力により発電する発電機と、前記回転軸が挿通され前記発電機を収納するナセルと、を備える風力発電装置において、前記発電機の稼働により作動し前記発電機に送風する第一のファンと、前記ナセル内を換気する第二のファンと、前記発電機の稼働停止を検出した場合、前記第二のファンを駆動制御する駆動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この請求項1の発明によれば、発電機の稼働停止中においてナセル内を換気することができる。
【0012】
また、請求項2の発明にかかる風力発電装置は、請求項1に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記発電機の再稼働を検出した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0013】
この請求項2の発明によれば、発電機の稼働中は第二のファンの駆動を停止することができる。またこれにより、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0014】
また、請求項3の発明にかかる風力発電装置は、請求項1または2に記載の発明において、更に、前記ナセル内の湿度を検出する湿度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記発電機の稼働停止を検出し、かつ、前記湿度センサからの出力が所定値以上であると判定した場合、前記第二のファンを駆動制御することを特徴とする。
【0015】
この請求項3の発明によれば、発電機の稼働停止中にナセル内の湿気を排気することができる。
【0016】
また、請求項4の発明にかかる風力発電装置は、請求項3に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記湿度センサからの出力が所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0017】
この請求項4の発明によれば、ナセル内の湿気を排気することができるとともに、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0018】
また、請求項5の発明にかかる風力発電装置は、請求項1または2に記載の発明において、さらに、前記ナセル内の温度を検出する温度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記発電機の稼働停止を検出し、かつ、前記温度センサからの出力が所定値以上であると判定した場合、前記第二のファンを駆動制御することを特徴とする。
【0019】
この請求項5の発明によれば、発電機の稼働停止中にナセル内を換気することができる。
【0020】
また、請求項6の発明にかかる風力発電装置は、請求項3に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記温度センサからの出力が所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0021】
この請求項6の発明によれば、ナセル内を換気することができるとともに、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0022】
また、請求項7の発明にかかる風力発電装置は、請求項3に記載の発明において、さらに、前記ナセル内の温度を検出する温度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記湿度センサからの出力が所定値未満であると判定し、かつ、前記温度センサからの出力が所定値以上であると判定した場合、前記第二のファンを駆動制御することを特徴とする。
【0023】
この請求項7の発明によれば、発電機の稼働停止中にナセル内を除湿または換気することができる。
【0024】
また、請求項8の発明にかかる風力発電装置は、請求項7に記載の発明において、前記駆動制御手段は、前記温度センサからの出力が所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0025】
この請求項8の発明によれば、発電機の稼働停止中にナセル内を除湿または換気することができるとともに、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0026】
また、請求項9の発明にかかる風力発電装置は、請求項1または2に記載の発明において、さらに、前記発電機の巻線またはその近傍に設けられ、前記発電機の巻線の温度を検出する温度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記温度センサからの出力が第1の所定値以上であると判定した場合、前記発電機の稼働または稼働停止にかかわらず前記第二のファンを駆動制御し、前記発電機の稼働または稼働停止にかかわらず前記温度センサからの出力が前記第1の所定値よりも低い第2の所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする。
【0027】
この請求項9の発明によれば、発電機の巻線温度の過度の上昇を検出することができ、発電機の稼働または稼働停止にかかわらず、第二のファンを制御することができる。
【0028】
また、請求項10の発明にかかる風力発電装置は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、更に、前記ナセルに形成される通気口を開閉自在に閉鎖するトラップ部材を備え、該トラップ部材は、前記第一のファンが作動すると、前記第一のファンの吸気力により前記通気口を開放し、前記第二のファンが駆動すると前記第二のファンの送風力により前記通気口を開放し、前記第一のファン及び前記第二のファンのいずれも停止しているときは前記通気口を閉鎖することを特徴とする。
【0029】
この請求項10の発明によれば、第一のファンが作動又は第二のファンが駆動しているときは、発電機の冷却又はナセル内の換気に必要な外気を吸気することができ、第一のファン及び第二のファンの停止中においては、ナセルの気密性を保持することができる。
【0030】
また、請求項11の発明にかかる風力発電装置は、請求項1〜10のいずれか一つに記載の発明において、前記ナセルは、前記回転軸を鉛直方向に挿通させるために形成された開口部を有し、前記第一のファンは、前記発電機よりも下方に配置されていることを特徴とする。
【0031】
この請求項11の発明によれば、発電機からの発生熱を吸収した空気を、発電機よりも上方へ送風して開口部から排気することができる。
【0032】
また、請求項12の発明にかかる風力発電装置は、請求項1〜11のいずれか一つに記載の発明において、前記ナセルは、前記回転軸を鉛直方向に挿通させるために形成された開口部を有し、前記第二のファンは、前記発電機よりも下方に配置されていることを特徴とする。
【0033】
この請求項12の発明によれば、ナセル内の湿気を、発電機よりも上方へ送風して開口部から排気することができる。
【0034】
また、請求項13の発明にかかる風力発電装置は、請求項11または12に記載の発明において、前記開口部を覆う外カバーと、該外カバー内に前記開口部から外気へ通気させる蛇行状の流路と、を有するカバー部材を備えることを特徴とする。
【0035】
この請求項13の発明によれば、ナセル内の空気を前記開口部から排気しつつ、外部からナセル内への異物の侵入の阻止を図ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる風力発電装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、この発明の風力発電装置1を示す概要図である。この風力発電装置1は、垂直軸型の風力発電装置1である。この風力発電装置1は、風車2と、回転軸3と、ナセル4と、基礎5と、で略構成される。
【0037】
この風車2は垂直軸型の風車2であり、本例ではジャイロミル型を用いている。風車2は、風力を受ける複数枚のブレード6を有する。各ブレード6は、アーム7を介して回転軸3に所定角度間隔で固定されている。図示の例ではブレード6が3枚設けられ、120°間隔で配置されている。
【0038】
回転軸3は、ナセル4の上部から、鉛直方向に挿通されている。回転軸3の上端部には、風車2が固定されている。そして、ブレード6が風力を受けると、回転軸3が軸回りに回転するようになっている。ナセル4は、略円筒形状とされており、その下端部には基礎5が固定されている。図2に示すように、ナセル4の上端面8には開口部10が形成されており、回転軸3が挿通されている。
【0039】
ナセル4の上端面8には、カバー部材11が設けられている。カバー部材11は外カバー12を有する。カバー部材11は回転軸3に嵌挿され、外カバー12の開口縁部13がナセル4の上端面8に当接している。これにより、カバー部材11は、ナセル4の開口部10を覆うように回転軸3に保持されている。また、カバー部材11の内部は、回転軸3方向に蛇行する流路14が形成されている。そして、カバー部材11の開口縁部13には、排気孔15が形成されており、ナセル4内の空気が流路14を介して排気孔15から排気される。
【0040】
また、ナセル4内には、発電機16と、軸受け17と、第一のファン18と、第二のファン20と、制御ボックス21と、湿度センサ22と、が設けられている。発電機16は、回転軸3の中途部に固定されている。発電機16は、ロータ23とステータ26を有する。ロータ23は、回転軸3に対し固定され、相対回転不能とされている。
【0041】
ステータ26は図示しない保持部によりロータ23と同軸に保持されている。ブレード6が風力を受けて回転軸3が回転すると、ロータ23が従動回転して発電する。また、ステータ26の外周面とナセル4の内周壁との間には、空隙19が形成されている。更に、発電機16にはケーブル27が設けられている。ケーブル27は制御ボックス21に接続されており、発電した電力を送電するようになっている。
【0042】
軸受け17は、回転軸3の下端を支持する。軸受け17の端縁には、貫通孔28が形成されており、発電機16のケーブル27が遊挿されている。また、発電機16の下方には、第一のファン18が設けられている。第一のファン18は、回転軸3に対し固定され、相対回転不能とされている。第一のファン18は、回転軸3に巻きつくように形成された螺旋状の2枚のフィン30,30で構成される。第一のファン18は、回転軸3の回転により従動回転する。
【0043】
また、発電機16よりも下方におけるナセル4の周壁には、通気口24が貫通形成されている。そして、この通気口24には、ナセル4の内周面側から第二のファン20が固定されている。本例では、第二のファン20は電動ファンである。この電動ファン20は、図2及び図3に示すように、ケース9と、回転する翼部32と、翼部32を回転させるモータ33と、モータ33を回転駆動させる電動ファン駆動回路34と、で構成される。
【0044】
翼部32の軸方向におけるケース9の一端面35には、不図示の吸気口が形成されており、ナセル4の通気口24と連通するようになっており、また、ケース9の他端面36には不図示の排気口が形成されており、ナセル4内と連通するようになっている。
【0045】
また、ケース9の他端面36の上部には、この排気口を閉鎖するトラップ部材37が設けられている。トラップ部材37は板状の部材であり、電動ファン20の排気口の上側縁部に回動自在に軸支されている。このトラップ部材37は、電動ファン20の排気口を閉鎖することで、ナセル4の通気口24を閉鎖するようになっている。電動ファン20はケーブル38により制御ボックス21に接続されており、制御ボックス21からの指令に基づき駆動制御される。
【0046】
制御ボックス21は、ナセル4の下部に設けられている。制御ボックス21の側面には湿度センサ22が取り付けられており、ナセル4内部の湿度を監視している。湿度センサ22としては、例えば、セラミックス型湿度センサ,高分子型湿度センサ又は熱式湿度センサを用いることができる。
【0047】
また、図3に示すように、制御ボックス21には、駆動制御装置40と、送電部41と、が収納されている。この駆動制御装置40は、稼働判定部42と、除湿判定部43と、駆動制御部44と、で構成されている。稼働判定部42は、発電機16が稼働したか否かを検出する。
【0048】
稼働判定部42は、例えば、発電された発電量が所定値以上か否かを検出することにより発電機16が稼働したか否かを判定してもよい。また、回転軸3の回転数が所定値以上か否かにより発電機16が稼働したか否かを判定する構成としてもよい。更に、図示しない風速計から出力された風速を検出しカットイン風速以上か否かを検出することにより発電機16が稼働したか否かを判定し、またカットアウト風速以上か否かを検出することにより発電機16の稼働停止を判定する構成を追加することとしてもよい。
【0049】
除湿判定部43は、予め設定された湿度しきい値を有し、湿度センサ22から出力された出力信号が、湿度しきい値以上か否かを判定する。駆動制御部44は、稼働判定部42及び除湿判定部43からの出力に基づいて電動ファン20を駆動するか否かを判定し、電動ファン20に対し駆動信号を出力する。
【0050】
次に、本実施の形態の風力発電装置1の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。初期状態では、稼働判定部42は、常時発電機16が稼働したか否かを監視しており、第一のファン18と電動ファン20はともに停止している。
【0051】
発電機16が稼働したと判定した場合(ステップS1:Yes)、駆動制御部44に稼働信号を出力する。回転軸3が回転しているため、これに伴って第一のファン18が回転作動する(ステップS2)。回転数が所定速度以上となると、この第一のファン18の吸気力により、トラップ部材37の他端が吸い寄せられて、ケース9の他端面36から離間する。
【0052】
これにより、ナセル4の通気口24から電動ファン20を介してナセル4内へ空気が吸気される。吸気された空気は、軸受け17の貫通孔28の隙間から発電機16へ送風される。これにより発電機16を冷却することができる。発電機16からの発生熱を吸収した空気は、そのまま上昇し、カバー部材11の流路14を通過して排気孔15から排気される。
【0053】
また、駆動制御部44が、この稼働信号を受けると、電動ファン駆動回路34に停止信号を出力して電動ファン20を停止させる(ステップS3)。発電機16の稼働作動中は、湿気を含むナセル4内の空気を第一のファン18により換気することができるため、電動ファン20を停止しておくことにより無駄な電力消費を抑制することができる。
【0054】
一方、稼働判定部42が発電機16の稼働が停止していると判定した場合(ステップS1:No)、回転軸3の回転が停止するため、第一のファン18も作動停止する(ステップS4)。これにより、第一のファン18の吸気力が無くなって、トラップ部材37が電動ファン20のケース9の他端面36に当接する。これにより、ケース9の排気口が閉鎖されることでナセル4の通気口24が閉鎖される。
【0055】
一方、除湿判定部43により、ナセル4内の湿度が所定のしきい値以上であると判定された場合(ステップS5:Yes)、駆動制御部44は電動ファン20に駆動信号を出力する。電動ファン20は駆動信号が入力されると、電動ファン駆動回路34によりモータ33を回転駆動して翼部32を回転させて、電動ファン20を駆動する(ステップS6)。
【0056】
この電動ファン20の駆動により、通気口24から空気が吸気される。そして、電動ファン20の送風力により、トラップ部材37がケース9の他端面36から離間して排気口が開放され、ナセル4内を送風する。この送風力により、ナセル4内部の湿気が上昇し、カバー部材11を介して外部に湿気が排気される。これにより、稼働停止時にナセル4内部を除湿することができる。
【0057】
一方、湿度がしきい値未満の場合(ステップS5:No)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に停止信号を出力する。そして、モータ33の回転が停止し、電動ファン20の駆動が停止する(ステップS7)。これにより、電動ファン20の無駄な駆動を防止して、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0058】
本実施の形態によれば、発電機16が稼働停止中であっても、ナセル4内を除湿することができ、発電機16などの電気部品の結露による故障を防止することができる。また、電動ファン20の停止中は、トラップ部材37により、通気口24を閉鎖することができるため、ナセル4内に、降雨や降雪、塵埃等の異物の侵入を防止することができる。また、ナセル4の上部にカバー部材11を設けたことにより、ナセル4上部からの降雨や降雪、塵埃等の異物の侵入を防止することができるとともに、発電機16からの発生熱を吸収した空気や湿気などの不要空気を排気することができる。
【0059】
なお、上述した実施の形態では、第一のファン18を回転軸3に対し螺旋状のフィン30を2枚設けることとしたが、図5に示すように、螺旋状のフィン30を1枚にすることとしてもよい。また、図6に示すように、回転軸3に対し所定角度傾斜したフィン45を固定することとしても良い。
【0060】
更に、図7に示すように、回転軸3に対し、回転軸3と同軸に設けられた略円筒形状の筒状体46を嵌挿することとしてもよい。この筒状体46は、内部が中空とされ、回転軸3に対し相対回転不能に固定されており、回転軸3とともに回転する。
【0061】
また、この筒状体46は、図7(a)に示すように、回転軸3を嵌挿しつつ筒状体46の上端部を閉塞する上端板部47を有する。この上端板部47は、複数(図では4つ)の排出孔48が等間隔に形成されている。さらに、この筒状体46は、図7(d)に示すように、回転軸3を嵌挿しつつ筒状体46の下端部を閉塞する下端板部49を有する。
【0062】
さらに、この筒状体46は、図7(b)および(c)に示すように、筒状体46の円形の外周面を形成する側周板部50を有する。この側周板部50は、上端板部47の周縁部と下端板部49の周縁部に巻きつくようにして設けられている。また、回転軸3の回転方向における側周板部50の両端部51,52は互いに接合されておらず、この両端部51,52の間隙53から空気が導入するようになっている。また、側周板部50の端部51は、上端板部47の周縁部と下端板部49の周縁部から離間しており、筒状体46の外周面の接線方向に延出している。
【0063】
この筒状体46によれば、図中の回転方向に回転軸3が回転すると、これに伴って筒状体46も回転する。そして、端部51の回転軌跡の回転半径が、端部52の回転軌跡よりも大きいため、筒状体46の外周面付近の空気を間隙53から筒状体46内部に案内する。そして、筒状体46の内部に取り込まれた空気は、上端板部47の排出孔48から排気される。このようなファン構造とすることによっても、上述の第一のファン18と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
また、図示はしないが、ナセル4の下方において、通気口24を2つ形成し、互いに反対方向に開閉自在に通気口24を閉鎖するトラップ部材を軸支する構成としてもよい。この場合、一方のトラップ部材は、ナセル4の内側にのみ揺動する構成とし、他方のトラップ部材は、ナセル4の外側に揺動する構成とする。また、他方のトラップ部材に閉鎖されている通気口24を閉鎖するように第二のファンを取り付けることとしても良い。この第二のファンは電動ファンであるが、上述の電動ファン20と異なりナセル4内の空気を外部に排気するファンである。湿気はナセル4の下方に溜まりやすいため、湿気を効率よく外部に排気することができる。
【0065】
また、上述した実施の形態では、湿度センサ22により湿度を検知して第2のファン20を作動させる構成としたが、さらに、図8に示すように、温度センサ29を制御ボックス21に設けて、駆動制御装置40の温度判定部39に接続することとしてもよい。この場合、この温度判定部39には所定の温度しきい値が設定されている。
【0066】
そして、図9に示すように、第一のファン18が作動停止した場合(ステップS4)、温度判定部39によりナセル4内の温度が所定のしきい値以上であるか否かを判定する(ステップS8)。
【0067】
温度判定部39により、ナセル4内の温度が所定のしきい値以上であると判定された場合(ステップS8:Yes)、駆動制御部44は電動ファン20に駆動信号を出力する。電動ファン20は駆動信号が入力されると、電動ファン駆動回路34によりモータ33を回転駆動して翼部32を回転させて、電動ファン20を駆動する(ステップS6)。これにより、第一のファン18が稼働停止であっても、発電機16の放熱によりナセル4内を換気することができ、湿気や結露の発生を未然に防止することができる。
【0068】
一方、温度判定部39により、ナセル4内の温度が所定のしきい値未満であると判定された場合(ステップS8:No)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に停止信号を出力する。そして、モータ33の回転が停止し、電動ファン20の駆動が停止する(ステップS7)。これにより、電動ファン20の無駄な駆動を防止して、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0069】
また、図10に示すように、湿度がしきい値未満の場合(ステップS5:No)、温度センサ29により検出した温度が、温度しきい値以上であるか否かを判定する(ステップS9)。そして、温度センサ29により検出した温度が、温度しきい値以上である場合(ステップS9:Yes)、駆動制御部44は電動ファン20に駆動信号を出力する。
【0070】
電動ファン20は駆動信号が入力されると、電動ファン駆動回路34によりモータ33を回転駆動して翼部32を回転させて、電動ファン20を駆動する(ステップS6)。これにより、湿度センサにより検出される湿度が湿度しきい値未満であっても、検出温度が温度しきい値以上であれば、電動ファン20を回転駆動することができる。これにより、発電機16の稼働停止中であっても、発電機を冷却することができ、湿気や結露の発生を未然に防止することができる。
【0071】
一方、温度センサ29により検出した温度が、温度しきい値未満の場合(ステップS9:No)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に停止信号を出力する。そして、モータ33の回転が停止し、電動ファン20の駆動が停止する(ステップS7)。これにより、電動ファン20の無駄な駆動を防止して、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0072】
また、上述した実施の形態では、温度センサ29をナセルの底部に設けることとしたが、図11および図12に示すように、発電機16のステータ26に設けられている巻線26aまたはその近傍に取り付け、信号線29aを介して駆動制御装置40に接続することにより、巻線26aの温度を検出することとしてもよい。またこの場合、温度判定部39には、第1の温度しきい値と、第1の温度しきい値以下の値に設定されている第2の温度しきい値と、があらかじめ設定されることとなる。
【0073】
この例によれば、図13に示すように、ステップS2またはステップS4のあと、温度センサ29によって検出された温度が、第1の温度しきい値以上であるか否かを判定する(ステップS10)。この第1の温度しきい値以上であると判定された場合(ステップS10:Yes)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に駆動信号を出力する。電動ファン20は駆動信号が入力されると、電動ファン駆動回路34によりモータ33を回転駆動して翼部32を回転させて、電動ファン20を駆動する(ステップS11)。
【0074】
一方、温度センサ29によって検出された温度が、第1の温度しきい値未満であると判定された場合(ステップS10:No)、第2の温度しきい値未満か否かを判定する(ステップS12)。検出した温度が第2の温度しきい値未満であると判定された場合(ステップS12:Yes)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に停止信号を出力する。そして、モータ33の回転が停止し、電動ファン20の駆動が停止する(ステップS13)。
【0075】
また、検出した温度が第2の温度しきい値以上であると判定された場合(ステップS12:No)、駆動制御部44は電動ファン駆動回路34に、駆動信号および停止信号のいずれの信号も出力せず、電動ファン20の現状動作を維持する(ステップS14)。
【0076】
この変形例によれば、発電機16も稼働または稼働停止にかかわらず、発電機16の巻線26aの温度を監視することができるため、巻線26aの温度の過度な上昇を防止することができ、発電機16の長寿命化を図ることができる。またこれにより、ナセル4内の湿度を一定値以下に保つことができ、ナセル4内の結露発生を防止することができ、さらに、ナセル4内部の部品の絶縁低下防止、発錆防止および長寿命化を図ることができる。
【0077】
なお、上述した実施の形態では、発電機16を上方に設け、第一のファン18を発電機16に対し下方に設ける構成としたが、発電機16を下方に設け、第一のファン18を発電機16に対し上方に設ける構成としても良い。これによれば、下方に貯留する湿気を、発電機16の放熱により除湿しながら上方に排気することができる。同様に、第2のファン20も発電機16よりも上方に設ける構成としても良い。
【0078】
なお、上述した実施の形態では、垂直軸型の風車2としてジャイロミル型を例にして説明したが、垂直軸型であれば、他の揚力型(例えば、ダリウス型,フレットナー型)や抗力型(例えば、サボニウス型,パドル型,クロスフロー型)の風車を適用することとしても良い。
【0079】
また、上述した実施の形態では、垂直軸型の風力発電装置について説明したが、水平軸型の風力発電装置に適用することとしても良い。この場合、発電機16をナセル内に配置し、第一のファン18および第二のファン20をナセルと連通しナセルを支持する不図示のタワー内に設ける構成としても良い。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の風力発電装置によれば、結露や湿気による装置内部の電気部品の故障を防止することができるという効果を奏する。また、垂直軸型の風力発電装置であっても、装置内部への異物の侵入を防止しつつ、装置内部を効率よく換気することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の外観を示す概略斜視図である。
【図2】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の側断面図である。
【図3】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電動ファンの駆動制御を示すフローチャートである。
【図5】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の第一のファンの変形例を示す図である。
【図6】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の第一のファンの他の変形例を示す図である。
【図7】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の第一のファンの更に他の変形例を示す図である。
【図8】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電気的構成の変形例を示すブロック図である。
【図9】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電動ファンの駆動制御の変形例を示すフローチャートである。
【図10】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の電動ファンの駆動制御の他の変形例を示すフローチャートである。
【図11】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の他の変形例を示す拡大側断面図である。
【図12】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の他の変形例の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】この発明の本実施の形態にかかる風力発電装置の他の変形例の電動ファンの駆動制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 風力発電装置
2 風車
3 回転軸
4 ナセル
10 開口部
11 カバー部材
12 外カバー
14 流路
16 発電機
18 第一のファン
20 第二のファン(電動ファン)
22 湿度センサ
24 通気口
26a 巻線
29 温度センサ
37 トラップ部材
40 駆動制御手段(駆動制御装置)
Claims (13)
- 風力を受ける風車と、前記風車の風力を回転力に変換する回転軸と、該回転軸からの回転力により発電する発電機と、前記回転軸が挿通され前記発電機を収納するナセルと、を備える風力発電装置において、
前記発電機の稼働により作動し前記発電機に送風する第一のファンと、
前記ナセル内を換気する第二のファンと、
前記発電機の稼働停止を検出した場合、前記第二のファンを駆動制御する駆動制御手段と、
を備えることを特徴とする風力発電装置。 - 前記駆動制御手段は、前記発電機の再稼働を検出した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置。
- さらに、前記ナセル内の湿度を検出する湿度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記発電機の稼働停止を検出し、かつ、前記湿度センサからの出力が所定値以上であると判定した場合、前記第二のファンを駆動制御することを特徴とする請求項1または2に記載の風力発電装置。
- 前記駆動制御手段は、前記湿度センサからの出力が所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする請求項3に記載の風力発電装置。
- さらに、前記ナセル内の温度を検出する温度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記発電機の稼働停止を検出し、かつ、前記温度センサからの出力が所定値以上であると判定した場合、前記第二のファンを駆動制御することを特徴とする請求項1または2に記載の風力発電装置。
- 前記駆動制御手段は、前記温度センサからの出力が所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする請求項3に記載の風力発電装置。
- さらに、前記ナセル内の温度を検出する温度センサを備え、前記駆動制御手段は、前記湿度センサからの出力が所定値未満であると判定し、かつ、前記温度センサからの出力が所定値以上であると判定した場合、前記第二のファンを駆動制御することを特徴とする請求項3に記載の風力発電装置。
- 前記駆動制御手段は、前記温度センサからの出力が所定値未満であると判定した場合、前記第二のファンを停止制御することを特徴とする請求項7に記載の風力発電装置。
- さらに、前記発電機の巻線またはその近傍に設けられ、前記発電機の巻線の温度を検出する温度センサを備え、
前記駆動制御手段は、前記温度センサからの出力が第1の所定値以上であると判定した場合、前記発電機の稼働または稼働停止にかかわらず前記第二のファンを駆動制御し、前記温度センサからの出力が前記第1の所定値よりも低い第2の所定値未満であると判定した場合、前記発電機の稼働または稼働停止にかかわらず前記第二のファンを停止制御することを特徴とする請求項1または2に記載の風力発電装置。 - 更に、前記ナセルに形成される通気口を開閉自在に閉鎖するトラップ部材を備え、
該トラップ部材は、前記第一のファンが作動すると、前記第一のファンの吸気力により前記通気口を開放し、前記第二のファンが駆動すると前記第二のファンの送風力により前記通気口を開放し、前記第一のファン及び前記第二のファンのいずれも停止しているときは前記通気口を閉鎖することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の風力発電装置。 - 前記ナセルは、前記回転軸を鉛直方向に挿通させるために形成された開口部を有し、
前記第一のファンは、前記発電機よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の風力発電装置。 - 前記ナセルは、前記回転軸を鉛直方向に挿通させるために形成された開口部を有し、
前記第二のファンは、前記発電機よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の風力発電装置。 - 前記開口部を覆う外カバーと、該外カバー内に前記開口部から外気へ通気させる蛇行状の流路と、を有するカバー部材を備えることを特徴とする請求項11または12に記載の風力発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003097384A JP2004301094A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 風力発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003097384A JP2004301094A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 風力発電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004301094A true JP2004301094A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33409186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003097384A Pending JP2004301094A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 風力発電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004301094A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009281196A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 風力発電装置用ファン装置および風力発電装置 |
WO2010051815A2 (en) * | 2008-11-07 | 2010-05-14 | Vestas Wind Systems A/S | A device and a method for improved dehumidification of a wind power plant |
JP2011069363A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | General Electric Co <Ge> | 風車構造を冷却する方法及びシステム |
CN102094763A (zh) * | 2009-12-11 | 2011-06-15 | 富士重工业株式会社 | 海洋风车 |
JP5022451B2 (ja) * | 2009-06-05 | 2012-09-12 | 三菱重工業株式会社 | 風力発電装置及びその制御方法並びに風力発電システム |
CN103133266A (zh) * | 2011-11-25 | 2013-06-05 | 华锐风电科技(集团)股份有限公司 | 支撑装置和风力发电机 |
KR101334638B1 (ko) | 2012-09-06 | 2013-12-02 | 삼성중공업 주식회사 | 공냉식 풍력 발전기 컨버터 및 공냉식 냉각 제어 방법 |
KR20140138062A (ko) * | 2013-05-22 | 2014-12-03 | 지멘스 악티엔게젤샤프트 | 기류 제어 배열체 |
US8941257B2 (en) | 2012-04-13 | 2015-01-27 | Hitachi, Ltd. | Wind power generator |
JP5677595B2 (ja) * | 2012-02-09 | 2015-02-25 | 中国電力株式会社 | 飛散塩分量を測定するための飛散塩分捕獲装置 |
EP2957769A1 (en) | 2014-06-19 | 2015-12-23 | Hitachi Ltd. | Wind power generation plant |
JP2016160873A (ja) * | 2015-03-04 | 2016-09-05 | 株式会社エコ・テクノロジー | 風力発電装置 |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003097384A patent/JP2004301094A/ja active Pending
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009281196A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 風力発電装置用ファン装置および風力発電装置 |
WO2010051815A2 (en) * | 2008-11-07 | 2010-05-14 | Vestas Wind Systems A/S | A device and a method for improved dehumidification of a wind power plant |
WO2010051815A3 (en) * | 2008-11-07 | 2011-01-13 | Vestas Wind Systems A/S | A device and a method for improved dehumidification of a wind power plant |
US8788107B2 (en) | 2009-06-05 | 2014-07-22 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Wind turbine generator for use in cold weather, method of controlling the same, and wind turbine generating system for use in cold weather |
JP5022451B2 (ja) * | 2009-06-05 | 2012-09-12 | 三菱重工業株式会社 | 風力発電装置及びその制御方法並びに風力発電システム |
JP2011069363A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | General Electric Co <Ge> | 風車構造を冷却する方法及びシステム |
KR101735109B1 (ko) * | 2009-09-25 | 2017-05-12 | 제너럴 일렉트릭 캄파니 | 풍력 발전용 터빈 구조체를 냉각하기 위한 방법 및 시스템 |
CN102094763A (zh) * | 2009-12-11 | 2011-06-15 | 富士重工业株式会社 | 海洋风车 |
CN103133266A (zh) * | 2011-11-25 | 2013-06-05 | 华锐风电科技(集团)股份有限公司 | 支撑装置和风力发电机 |
JP5677595B2 (ja) * | 2012-02-09 | 2015-02-25 | 中国電力株式会社 | 飛散塩分量を測定するための飛散塩分捕獲装置 |
JPWO2013118267A1 (ja) * | 2012-02-09 | 2015-05-11 | 中国電力株式会社 | 飛散塩分量を測定するための飛散塩分捕獲装置 |
US8941257B2 (en) | 2012-04-13 | 2015-01-27 | Hitachi, Ltd. | Wind power generator |
KR101334638B1 (ko) | 2012-09-06 | 2013-12-02 | 삼성중공업 주식회사 | 공냉식 풍력 발전기 컨버터 및 공냉식 냉각 제어 방법 |
KR20140138062A (ko) * | 2013-05-22 | 2014-12-03 | 지멘스 악티엔게젤샤프트 | 기류 제어 배열체 |
JP2014230487A (ja) * | 2013-05-22 | 2014-12-08 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft | 空気流制御装置 |
KR102175644B1 (ko) * | 2013-05-22 | 2020-11-09 | 지멘스 가메사 리뉴어블 에너지 아/에스 | 기류 제어 배열체 |
EP2957769A1 (en) | 2014-06-19 | 2015-12-23 | Hitachi Ltd. | Wind power generation plant |
JP2016160873A (ja) * | 2015-03-04 | 2016-09-05 | 株式会社エコ・テクノロジー | 風力発電装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004301094A (ja) | 風力発電装置 | |
US8511989B2 (en) | Temperate control for wind turbine generator | |
EP2545980A1 (en) | Dehumidifier | |
JP2003049760A (ja) | 風力発電装置 | |
JP2008111620A (ja) | 建物の換気システムおよびこの換気システムを利用した高断熱・高気密建物 | |
JP4128146B2 (ja) | 屋根一体型風力発電装置 | |
JP5331598B2 (ja) | 空調装置 | |
CN111379719A (zh) | 空气循环装置、空气净化机、空气加湿器 | |
CN212210226U (zh) | 一种防水散热型绝缘配电箱 | |
JP2007183010A (ja) | 空気調和機の室内機 | |
JP2011085336A (ja) | 換気装置 | |
WO2012162868A1 (zh) | 通风装置 | |
KR101413178B1 (ko) | 풍압에 의해 구동되는 셔터를 구비하는 송풍기 | |
KR20040102938A (ko) | 무동력 겸용 모터배기팬 및 이를 이용한 고층아파트 주방배기시스템과 그 운전방법 | |
JP5336238B2 (ja) | 換気装置 | |
JP5315005B2 (ja) | 換気装置及びそれを備えた建物 | |
JP2009138987A (ja) | 換気装置 | |
CN214176428U (zh) | 一种微正压智能除湿装置 | |
KR200415374Y1 (ko) | 지붕설치용 환기장치 | |
JP2005282954A (ja) | 湿度感知ファン、除湿ファン及びナセル内除湿ファン付き風車 | |
CN215817371U (zh) | 一种高压电缆分接箱 | |
CN218550539U (zh) | 一种具有防潮性能的伺服控制器 | |
CN214379306U (zh) | 一种配电用除湿器 | |
KR101341551B1 (ko) | 자연배기용 환기장치 | |
CN214199476U (zh) | 一种高效节能的烘干设备 |