JP2004300650A - 抗白癬菌性を有する繊維材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、従来にない優れた抗白癬菌性を有し、とりわけ水虫の感染、悪化を防止するのに効果を発揮する繊維材料を提供せんとするものである。さらには、各種の繊維素材に対し高い洗濯耐久性と風合いを両立し、マット、カーペット、スリッパ、靴下、パンスト、タイツ、肌着、靴中敷、タオル、内装用クロス等の用途へ使用するのに最適な抗白癬菌性繊維材料を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の抗白癬菌性繊維材料は、抗菌成分として下記一般式[I]で示される金属ピリチオン系化合物を含んでなることを特徴とするものである。
【化1】
Figure 2004300650

(ここでnは1〜4の整数、Mは金属を示す)
【選択図】なし

Description

本発明は従来にない優れた抗白癬菌性を有し、とりわけ水虫の感染、悪化を防止するのに効果を発揮する繊維材料に関するものである。さらには、各種の繊維素材に対し高い洗濯耐久性と風合いを両立し、マット、カーペット、スリッパ、靴下、パンスト、タイツ、肌着、靴中敷、タオル、内装用クロス等の用途へ使用するのに最適な抗白癬菌性繊維材料に関するものである。
水虫は真菌(カビ)の一種である白癬菌が原因でおこる感染症である。白癬菌は皮膚の角質成分であるケラチンを栄養源としており、他のカビ類と同様、高温多湿の環境を好むため、皮膚が汗ばみ蒸れた状態になりやすい足部などに容易に感染し水虫の症状を引き起こす。従来は一般に、ジメジメと湿気の多い梅雨時、夏場であっても一日中、密閉性の高い靴を履いて仕事をすることが多い中高年の男性に多く見られた水虫であるが、近年はファッション性や流行から一年を通して気密性の高いブーツを着用する若い女性が水虫に感染する場合も増えてきていると言われている。また、住居内においては家族に感染者がいる場合、高温多湿となりやすいバスルームの足ふきマットやスリッパなどを介し他の同居人へ感染していくこともあり、最近では日本人の約5人に1人が足水虫を患っているとの報告もある(日本皮膚学会誌 第111巻 第14号)。
水虫の治療には経口薬や塗り薬が用いられるが、医師の処方箋が必要な経口薬は治癒効果は高いが多忙で時間的に余裕がない現代人にはあまり浸透しておらず、一方、塗り薬は完治するまでに時間がかかり菌が完全に死滅してしまう前に使用をやめてしまうと水虫を再発してしまうという欠点があり、患部への塗布の煩雑さや衣類への付着汚染という問題もある。また特に若い女性感染者の場合は「水虫治療薬を買うのは恥ずかしい」という潜在意識もある。さらに致命的な問題点として、これらの手段では、完治しない限り同居人への感染を防げないという点が挙げられる。すなわち水虫感染者と同居している人、風呂場などを共用している人は常に水虫への感染の危険にさらされているということになる。
かかる問題や欠点への対応として抗菌性や防カビ性を有した繊維製品を身の回り品として使用することは、感染者にとっては意識的に治療しなくても普通に日常生活の中で繊維製品を使用しているだけで水虫の悪化を防止する効果が得られ、非感染者にとっては日用品を介しての保菌者からの感染を予防出来るという点からも有効な手段である。こうした背景、理由の有無に関わらず、これまでにも多くの抗菌性や防カビ性を有した繊維材料が提案されてきているが、その多くは抗菌性や防カビ性を有する成分の洗濯耐久性が不十分であったり(特許3281640号公報など)、バインダー樹脂を介して成分を固着させているため製品とした場合の風合いが損なわれる(特開平7−310284号公報、特許3165992号公報など)という問題があった。またバインダー樹脂を用いずに良好な洗濯耐久性を付与した抗菌性繊維やその製造方法が特許1805853号公報や特開平8−226078号公報、特開平9−194304号公報、特開2000−8275号公報、特開2001−123375号公報、特開2001−159073号公報等に記載されているが、これらは何れも対象となる素材がポリエステルやポリアミド、アクリル等の合成繊維に限定されており汎用性に欠けるという問題があった。
特許3281640号公報 特開平7−310284号公報 特許3165992号公報 特許1805853号公報 特開平8−226078号公報 特開平9−194304号公報 特開2000−8275号公報 特開2001−123375号公報 特開2001−159073号公報
本発明はかかる背景に鑑み、従来にない優れた抗白癬菌性を有し、とりわけ水虫の感染、悪化を防止するのに効果を発揮する繊維材料を提供せんとするものである。さらには、各種の繊維素材に対し高い洗濯耐久性と風合いを両立し、マット、カーペット、スリッパ、靴下、パンスト、タイツ、肌着、靴中敷、タオル、内装用クロス等の用途へ使用するのに最適な抗白癬菌性繊維材料を提供せんとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、つぎのような手段を採用するものである。すなわち本発明の抗白癬菌性繊維材料は、抗菌成分として下記一般式[I]で示される金属ピリチオン系化合物を含んでなることを特徴とするものである。
Figure 2004300650
(ここでnは1〜4の整数、Mは金属を示す)
本発明によれば、従来にない優れた抗白癬菌性を有し、とりわけ水虫の感染、悪化を防止するのに効果を発揮する繊維材料を提供することができる。さらには、各種の繊維素材に対し高い洗濯耐久性と風合いを両立し、マット、カーペット、スリッパ、靴下、パンスト、タイツ、肌着、靴中敷、タオル、内装用クロス等の用途へ使用するのに最適な抗白癬菌性繊維材料を提供することが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の繊維材料は、優れた抗白癬菌性を発揮するとともに各種の繊維素材に対しての高い洗濯耐久性と風合いを両立するために、抗菌成分として金属ピリチオン系化合物を含んでいることが必須条件であり、かかる金属ピリチオン化合物は下記一般式[I]で示されるものでなければならない。
Figure 2004300650
(ここでnは1〜4の整数、Mは金属を示す)
かかる一般式[I]で示される金属ピリチオン化合物は微生物細胞膜の機能阻害や構造破壊等のメカニズムで多点的に作用し微生物を死滅させることができ、また耐性菌をほとんど発生しないことから、本発明において非常に優れた抗白癬菌効果を発揮する。通常、白癬菌が原因の足水虫に感染した場合、患部の皮膚はふやけて皮がめくれ容易にブドウ球菌等に感染して赤く腫れ上がるが、かかる金属ピリチオン化合物はこれらの菌に対しても優れた抗菌作用を示すため、患部の悪化を抑制し治癒を早める効果がある。さらには菌の増殖が原因で発生する不快な足の臭いをも抑えることが出来る。
かかる金属ピリチオン化合物のうち、取り扱いの容易性や工業的な生産性の面からは、上記一般式[I]においてMがNa、Zn、Fe、CuおよびAgから選ばれた少なくとも1つの金属であるものが好ましく、具体的にはMがNa(n=1)である(2−ピリジルチオ−1−オキシド)ナトリウムやMがZn(n=2)であるビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛などが例示できる。中でもビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛はヒトへの安全性が非常に高く、人体への接触機会が多い本発明の繊維材料においては特に好ましく用いられる。
また、上記一般式[I]で示される金属ピリチオン化合物は他の抗菌剤、防カビ剤に比して各種の繊維に対する吸着性が高く、バインダー樹脂を用いなくても繊維材料に固着可能である。従って、本発明の抗白癬菌性繊維材料は該抗菌成分がバインダー樹脂を介することなく繊維表面に固着および/または繊維内部に拡散していることが好ましい。バインダー樹脂を併用して加工することも可能であるが、この場合、抗白癬菌効果の洗濯耐久性は寧ろ悪くなる傾向にある。
本発明において抗菌成分である金属ピリチオン化合物は該繊維材料の全重量に対して0.05〜5重量%の割合で繊維に含まれていることが好ましい。含有量が0.05重量%未満となると得られる効果が不安定となり、一方、含有量が5重量%を超えてもそれ以上の効果は得られにくく、得られた繊維材料の堅牢度などに悪い影響を及ぼす場合がある。
かかる抗菌成分を繊維材料へ付与する方法としては、一般に繊維の加工方法として用いられている各種の方法が適用可能であるが、中でもパディング法、スプレー法、コーティング法、浴中吸着・吸尽法が好ましく用いられる。さらに通常の生産工程を考慮した場合、繊維材料の形態が織物、編物など布帛の場合にはパディング法が好ましく、繊維材料が糸(カセ、チーズ、ビームを含む)やパンティーストッキング、タイツ等の形態の場合には浴中吸着・吸尽法が好ましく用いられる。なお、パディング法、スプレー法、コーティング法により抗菌成分を付与する場合は予備乾燥後、さらに130℃以上で乾熱処理することが好ましく、浴中吸着・吸尽法を用いる場合は染色条件と同条件で同時・同浴処理または2段・別浴処理をすることが好ましい。かかる条件の処理を行うことで、該抗菌成分がバインダー樹脂を介することなく繊維表面に固着および/または繊維内部に拡散し、得られる抗白癬菌効果の洗濯耐久性が飛躍的に向上する。なお、かかる抗菌成分を繊維材料へ付与するに際し、予め平均粒径が2μm以下の微粒子としアニオン系および/またはノニオン系界面活性剤とともに水中に分散しておくことも、加工性向上の面から好ましく行われる。また、抗菌成分の付与に先立ち、繊維材料は糊抜き、精練、漂白等の前処理しておくことも均一な加工を施す上で好ましく行われる。特に綿など天然繊維の場合は元来、油脂分が多く含み抗菌成分の吸尽を阻害する傾向があるので、これらの前処理を行うことで抗白癬菌効果の耐久性を更に向上させることが出来る。
次に、本発明において該繊維材料を構成する繊維について説明する。該繊維の種類は特に限定されるものではなく、合成繊維、再生繊維、天然繊維等、特に限定されることなく使用することができ、具体的にはポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル、ビニロン、塩化ビニル、ポリプロピレン等の合成繊維、ジアセテート、トリアセテート等の半合成繊維、レーヨン、キュプラ、テンセル等の再生繊維、綿、麻、ケナフ、パルプ、羊毛、絹、等の天然繊維を使用することができる。またこれらを任意の割合で2種以上、混練、混繊、混紡、交編織して用いても何ら問題はない。なお、該繊維材料をマット、カーペット、スリッパ、靴下、パンスト、タイツ、肌着、靴中敷、タオル、内装用クロス等の用途に用いる場合、実用上の面からはポリエステル、ポリアミド、アクリル、レーヨン、綿から選ばれた少なくとも1つの繊維を30重量%以上含むことが好ましい。また、これらの繊維を用いた場合には、該金属ピリチオン化合物の吸着性、洗濯耐久性が特に優れている。また、かかる繊維の形態としては、織物、編物、不織布等、如何なる形態のものであっても差し支えないが、上述の用途に用いる場合、実用上の面からはわた、トウ、糸、不織布、編物および織物から選ばれたいずれか1つの形態であることがより好ましい。
以上から明らかなように本発明の繊維材料は、従来にない優れた抗白癬菌性を有し、さらには各種の繊維素材に対し高い洗濯耐久性と風合いを両立したものである。したがって、水虫感染者の保有する白癬菌を媒介し、非感染者を感染させる恐れのある足ふきマットやカーペット、スリッパ、タオル、内装用クロス等の日用品用途へ使用し、保菌者からの感染を予防することに大きな効果を発揮するとともに、かかる繊維製品を清潔に保つことが出来る。また、該繊維材料をスリッパ、靴下、パンスト、タイツ、肌着、靴中敷等の用途へ用いて感染者自身の水虫が悪化するのを防ぐのにも大変効果的である。この場合、ブドウ球菌などの増殖も抑制することが出来るため、かかる菌への感染による足の腫れ、痒みの発生を抑えるとともに、菌の増殖による悪臭の発生も抑えることが出来る。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中での品質・性能評価は次の方法に従って行った。
<抗白癬菌性> 白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)の菌体をPDA培地(シャーレ:9cm×9cm)に塗布し、その上に30mm×30mmに切り出した試験片を添付して28℃、7日間培養し、菌糸の発育状況をハロー径および下記のJIS Z 2911のカビ抵抗性試験評価法で判定した(判定「0」のものを合格とする)。
0 : 試験片の接種した部分に菌糸の発育がほとんど認められない。
1 : 試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、
全面積の1/3を超えない。
2 : 試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は、
全面積の1/3を超える。
<抗菌防臭性> 試験菌種として黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus)を用い、JIS L1920 b)定量試験法 に準じて評価を行った(静菌活性値2.2以上を合格とする)。
<洗濯耐久性> 家庭洗濯はJIS L0217 103法に準じて行ない、洗濯50回後の抗白癬菌性および抗菌防臭性を評価した。
<風合い> 試験片を手で軽く揉んだときの感触を「柔らかい」、「やや硬い」、「非常に硬い」の3段階で評価した。
実施例1
予め、抗菌成分であるビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛をノニオン系界面活性剤と共にガラスビーズを用いて湿式粉砕処理し、有効成分濃度20重量%のコロイド溶液としておいた。続いてドラム染色機に、常法によって得られたナイロン6とポリウレタン弾性糸からなるパンストと先に得られたビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛の20重量%コロイド溶液を20:1の重量比となるように投入し、次いでドラム染色機内の浴比が1:20となるように水で調製した後、常温から80℃まで昇温、30分間保持した。その後パンストを取り出し、130℃で1分間乾燥して、目的とする繊維材料を得た。得られた繊維材料中の抗菌成分含有量は1重量%で、走査型電子顕微鏡(SEM)およびX線マイクロアナライザーによる分析の結果、該抗菌成分の約半分はナイロン6繊維の表層部にリング状に分布しており、残りの半分は繊維表面上に被膜状に固着していた。表1に示した評価結果のとおり、全ての項目で良好な結果であった。
実施例2
湿式紡糸法によって紡糸、延伸、水洗、カットし得られた単糸繊度3.3dtex、単繊維長76mmのアクリル繊維を用い、毛番手1/60の紡績糸を得た。これを巻取りチーズ状にした後、パッケージ染色機で常法によりカチオン染料で染色する際、浴内に実施例1で得られたビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛20重量%コロイド溶液を3%owfの割合で添加しておいた。染色終了後、脱水、乾燥して得られた紡績糸を用い、目付135g/m2の天竺編地を編成し、これを用いて女性用肌着を縫製した。得られた繊維材料中の抗菌成分含有量は0.5重量%で、走査型電子顕微鏡(SEM)およびX線マイクロアナライザーによる分析の結果、該抗菌成分の大半はアクリル繊維の表層部にリング状に分布していた。表1に示した評価結果のとおり、全ての項目で良好な結果であった。
実施例3
タオル地からなる市販の綿100%足ふきマットに、実施例1で得られたビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛の20重量%コロイド溶液をスプレー法で付与し、100℃で予備乾燥後、170℃で1分間熱処理し、抗菌成分含有量が1.5重量%の繊維材料を得た。走査型電子顕微鏡(SEM)およびX線マイクロアナライザーによる分析の結果、該抗菌成分の大半は綿繊維の表面上に被膜状に固着していた。表1に示した評価結果のとおり、全ての項目で良好な結果であった。
実施例4
番手30s、織密度130×74本/インチのポリエステル65%レーヨン30%からなる短繊維織物を、常法により糊抜、精練、ヒートセット、染色、乾燥した。この短繊維織物を実施例1で得られたビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛20重量%コロイド溶液の10重量%溶液に浸漬、マングルで絞った後、120℃で予備乾燥して、さらに180℃で30秒間熱処理して、抗菌成分含有量が0.5重量%の繊維材料を得た。これを側地としてスリッパを作成すると共に、走査型電子顕微鏡(SEM)およびX線マイクロアナライザーにより分析した結果、該抗菌成分はポリエステル繊維とレーヨン繊維の表層部にリング状に分布していた。表1に示した評価結果のとおり、全ての項目で良好な結果であった。
実施例5
実施例1において抗菌成分としてビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛のかわりに(2−ピリジルチオ−1−オキシド)ナトリウムを用いた以外は実施例1と同様の処理、評価を行った。得られた繊維材料中の抗菌成分含有量は1重量%で、走査型電子顕微鏡(SEM)およびX線マイクロアナライザーによる分析の結果、実施例1と同様、該抗菌成分の約半分はナイロン6繊維の表層部にリング状に分布しており、残りの半分は繊維表面上に被膜状に固着していた。表1に示した評価結果のとおり、全ての項目で良好な結果であった。
実施例6
湿式紡糸法によって紡糸、延伸、水洗、カットし得られた単糸繊度1.45dtex、単繊維長38mmのアクリル繊維50%を米国産のスピーマ綿50%と混紡し、綿番手32番の紡績糸を得た。これをチーズ状とした後、高圧パッケージ染色機に投入し、まず60℃で過酸化水素漂白および湯水洗を行ない綿に含まれる夾雑物の除去を行った。次いでカチオン染料を投入、100℃まで昇温してアクリル繊維の染色を行い一旦排水した後、実施例1で得られたビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛20重量%コロイド溶液を1.5%owfの割合で含む加工液を浴内に添加して再び100℃まで昇温し、抗菌成分を全て繊維へ吸尽・吸着させた。その後さらに60℃で反応染料による綿繊維の染色を行い、脱水、乾燥工程を経て目的とする紡績糸を得た。この紡績糸を用い男性用のスポーツソックスを作成し評価に供するとともに走査型電子顕微鏡(SEM)およびX線マイクロアナライザーによる分析を行った。分析の結果、該抗菌成分の大部分はアクリル繊維および綿繊維の表層部にリング状に分布していた。また、表1に示した評価結果のとおり、全ての項目で良好な結果であった。
比較例1〜4
実施例1〜4において、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛の20重量%コロイド溶液による処理を行わなかったものを評価に供した。表1に示した評価結果から明らかなように、抗菌成分による処理を行わなかった場合、抗白癬菌性、抗菌防臭性ともに得られない。
比較例5
実施例1においてビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛のかわりに銀ゼオライト系の抗菌・防カビ剤を用いた以外は実施例1と同様の処理、評価を行った。走査型電子顕微鏡(SEM)およびX線マイクロアナライザーによる分析の結果、該抗菌成分は繊維表面上にわずかに固着しているのみであった。評価結果を併せて表1に示す。抗白癬菌性は得られず、抗菌防臭性も耐久性がない結果となった。
比較例6
実施例2においてビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛の20重量%コロイド溶液かわりにポリオキシアルキレンアンモニウム型抗菌・防カビ剤の20重量%溶液を用いた以外は実施例2と同様の処理、評価を行った。走査型電子顕微鏡(SEM)による分析の結果、該抗菌成分はアクリル繊維の表面上に塊状に固着していた。評価結果を併せて表1に示す。抗白癬菌性、抗菌防臭性ともに耐久性がない結果となった。
比較例7
実施例3においてビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛の20重量%コロイド溶液のかわりに抗菌・防カビ剤としてキトサンの20重量%水溶液を用いた以外は実施例3と同様の処理、評価を行った。走査型電子顕微鏡(SEM)による分析の結果、該抗菌成分は綿の繊維表面上に塊状に固着していた。評価結果を併せて表1に示す。抗白癬菌性、抗菌防臭性ともに耐久性がない結果となった。また、風合いが非常に粗硬なものとなった。
比較例8
実施例4においてビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛20重量%コロイド溶液の10重量%溶液のかわりに抗菌・防カビ剤として塩酸ポリヘキサメチレングアニジン10重量%とメラミン樹脂バインダー5重量%の混合溶液を用いた以外は実施例4と同様の処理、評価を行った。走査型電子顕微鏡(SEM)による分析の結果、該抗菌成分は繊維表面上に塊状に固着していた。評価結果を併せて表1に示す。抗白癬菌性、抗菌防臭性はまずますの結果であり効果の洗濯耐久性もあったが、風合いが粗硬で商品価値を著しく低下させる結果となった。
Figure 2004300650

Claims (7)

  1. 抗菌成分として下記一般式[I]で示される金属ピリチオン系化合物を含んでなることを特徴とする抗白癬菌性繊維材料。
    Figure 2004300650
    (ここでnは1〜4の整数、Mは金属を示す)
  2. 上記一般式[I]においてMがNa、Zn、Fe、CuおよびAgから選ばれた少なくとも1つの金属であることを特徴とする請求項1に記載の抗白癬菌性繊維材料。
  3. 該抗菌成分がバインダー樹脂を介することなく繊維表面に固着および/または繊維内部に拡散していることを特徴とする請求項1または2に記載の抗白癬菌性繊維材料。
  4. 該抗菌成分が該繊維材料の全重量に対して0.05〜5重量%の割合で繊維に含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗白癬菌性繊維材料。
  5. 該繊維材料がポリエステル、ポリアミド、アクリル、レーヨンおよび綿から選ばれた少なくとも1つの繊維を30重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抗白癬菌性繊維材料。
  6. 該繊維材料がわた、トウ、糸、不織布、編物および織物から選ばれたいずれかの1つの形態であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の抗白癬菌性繊維材料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の抗白癬菌性繊維材料を少なくともその一部に用いて成るマット、カーペット、スリッパ、靴下、パンスト、タイツ、肌着、靴中敷、タオルおよび内装用クロスから選ばれてなる日用品。
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