JP2004300454A - 電子部品のめっき方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩留まりを向上させることができる電子部品のめっき方法を提供することを目的とする。
【解決手段】被めっき物を筒状のバレル4内に収容する工程と、バレル4をめっき槽2に貯留されためっき液1に浸漬する工程と、バレル4を回転させながら被めっき物の表面にめっき層を形成する工程とを備え、前記めっき層の形成中はバレル4を振動させるようにしたものであり、電子部品同士が接着してしまうことを低減できるため、歩留まりを向上させることができるという作用効果が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】被めっき物を筒状のバレル4内に収容する工程と、バレル4をめっき槽2に貯留されためっき液1に浸漬する工程と、バレル4を回転させながら被めっき物の表面にめっき層を形成する工程とを備え、前記めっき層の形成中はバレル4を振動させるようにしたものであり、電子部品同士が接着してしまうことを低減できるため、歩留まりを向上させることができるという作用効果が得られる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の製造に際して実施される電子部品のめっき方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子部品のめっき方法は、被めっき物を収容したバレルを、めっき槽に貯留されためっき液内に浸漬した後、バレルを回転させながらめっき液に通電し、被めっき物の表面にはんだめっき層またはすずめっき層を形成していた。
【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−20997号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の電子部品のめっき方法は、バレルを回転させながら電子部品等の被めっき物にはんだめっき層またはすずめっき層を形成しようとすると、複数の被めっき物同士が接着してしまう場合があるため、歩留まりを向上させることが困難であるという課題を有していた。
【0006】
すなわち、バレルを回転させると、被めっき物同士が接触することがあるため、表面にはんだめっき層またはすずめっき層が形成されつつある被めっき物同士が接触した際に、重力や回転による遠心力が一方の被めっき物に付加された場合、この被めっき物が他の被めっき物を押さえつけ、この状態で引き続きめっきされるためである。
【0007】
なお、表面にめっき層が形成されたとき、被めっき物が他の被めっき物を押さえつけると被めっき物同士が接着してしまうのは、はんだめっき層またはすずめっき層の表面が比較的柔らかいためであると考えられる。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、歩留まりを向上させることができる電子部品のめっき方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
【0010】
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、バレルを回転させながら電子部品の表面にめっき層を形成している間はバレルを振動させるようにしたもので、このめっき方法によれば、電子部品同士が接触したり重力や回転による遠心力によって電子部品が他の電子部品を押さえつけても、振動によって接触や押さえつけが開放され、さらに、振動によってこれらの電子部品が他の電子部品やバレル内壁に衝突する割合が増大するため、衝突の衝撃によって接触や押さえつけが開放される。これらの理由により、電子部品同士が接着してしまうことを低減できるため、歩留まりを向上させることができるという作用効果が得られる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、バレルの振動を終始行わせるようにしたもので、これにより、バレルの回転による電子部品同士の接触等によって複数の電子部品同士が接着してしまう可能性を小さくできるため、歩留まりをより向上させることができるという作用効果が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法を用いるめっき装置を示す側面図である。
【0013】
図1に示すように本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法に用いるめっき装置は、めっき液1を貯留しためっき槽2と、めっき液1中に浸漬可能になるように架台3に取り付けられたバレル4と、架台3に取り付けられバレル4を回転させるための回転手段(図示せず)と、めっき液1に浸漬された通電手段5と、架台3に取り付けられバレル4を振動させるための振動手段6を備えている。
【0014】
めっき液1は、電子部品等の被めっき物表面にめっき層を形成するための金属イオンを含んだ溶液である。
【0015】
めっき槽2は、上面の少なくとも一部が開口した容器で、中にめっき液1が入っている。また、その材質はFRP等で構成されめっき液1によって劣化することはない。さらに、めっき槽2は架台3の一部に載置されている。
【0016】
架台3は、振動手段6を備えかつフック7を介して支持部3aと連結され、この支持部3aによってバレル4が支持されている。さらに、架台3によってバレル4がめっき液1中に浸漬可能にかつ回転可能になっている。
【0017】
バレル4は、被めっき物(図示せず)と、被めっき物への電気的導通を補助するためのメディア(図示せず)とを、バレル4の外へ流出しないように収容し、その周壁に多数の通液孔を有し、断面6角形の筒状で、アクリル樹脂等からなる。なお、断面は6角形でなく円形等の他の形状でもよい。さらにこのバレル4の側面の一部には被めっき物とメディアが入るように蓋がついている。
【0018】
また、バレル4は、その一方の端面に接続された回転手段によって回転され、さらにその両端部に支持部3aが接続され、この支持部3aによって架台3に支持されている。
【0019】
なお、バレル4はめっき層を形成するとき以外はめっき液1内に浸漬しないが、めっき層を形成するときには図1に示すようにめっき液1内に浸漬する。
【0020】
ここで、被めっき物は、端面にニッケルめっき層が設けられたチップ抵抗器、チップインダクタ等の電子部品で、めっき装置によってその表面にすずめっき層、すず合金めっき層、銅めっき層、金めっき層等が形成される。なお、被めっき物としてニッケルめっき層は無くてもよい。
【0021】
通電手段5は、バレル4内のめっき液1を通電するために設けられ、一般にめっき液1に含まれた金属陽極からなり、通電手段5から電気を流すことによって、被めっき物の表面にはんだめっき層またはすずめっき層を形成する。なお、その電源は図示していない。
【0022】
振動手段6は、架台3に支持され、かつバレル4を振動させるために設けられ、この振動手段6によって、バレル4が左右または上下もしくは上下左右に振動する。また、振動手段6としては、振動モーター等を使用でき、この振動手段6の振動が架台3、フック7、支持部3aを介してバレル4に伝わり、バレル4が振動する。さらに、架台3の下部に設けられたスプリング8によって、振動手段6の影響でめっき槽2自体が振動するのを防止している。
【0023】
なお、振動手段6は、バレル4、フック7と異なる架台に支持されるようにしてもよいし、バレル4に直接当接させてもよい。
【0024】
以下、本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法について説明する。
【0025】
図1において、まず、被めっき物とメディアとをバレル4内に投入し、このバレル4をニッケルめっき用のめっき槽2に貯留されためっき液1に浸漬する。
【0026】
次に、バレル4を回転させるとともに、通電手段5によってめっき液1に通電し、被めっき物の端面にニッケルめっき層を形成する。
【0027】
次に、バレル4をニッケルめっき用のめっき液1から引き上げ、ニッケルめっき済みの被めっき物、バレル4、メディアを洗浄した後、バレル4をすずめっき、すず合金めっき等を形成するためのめっき液1に浸漬する。
【0028】
そして、バレル4を回転させるとともに、通電手段5によってめっき液1に通電し、被めっき物の表面にすずめっき層、すず合金めっき層等のめっき層を形成する。
【0029】
このとき、めっき層の形成中は終始バレル4を振動手段6によって振動させる。また、振動の周波数や振幅は、被めっき物が他の被めっき物との衝突やバレル4の内壁との衝突によって、割れたり欠けたりしない程度にし、例えば、振幅を0.1mm〜1.0mm、周波数を10〜50Hzとする。
【0030】
なお、ニッケルめっき層の形成工程は、場合によっては省いてもよい。
【0031】
上記したように本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法は、バレル4を回転させながら被めっき物の表面にめっき層を形成している間はバレル4を振動させるようにしているため、すずめっき層、すず合金めっき層、銅めっき層、金めっき層等の表面が比較的柔らかいめっき層を形成する場合であって、かつめっき層を形成している間に被めっき物同士が接触したり被めっき物が他の被めっき物を押さえつけても、被めっき物同士が引っ付いてしまうのを低減でき、歩留まりを向上させることができるという効果が得られる。
【0032】
これは、被めっき物同士が接触したり重力や回転による遠心力によって被めっき物が他の被めっき物を押さえつけても、振動によって接触や押さえつけが開放され、さらに、振動によってこれらの被めっき物が他の被めっき物やバレル4の内壁に衝突する割合が増大するため、衝突の衝撃によって接触や押さえつけが開放されるためであると考えられる。
【0033】
さらに、めっき層の形成中、バレル4を振動させることを終始行うことにより、バレル4の回転による被めっき物同士の接触等によって複数の被めっき物同士が接着してしまう可能性を小さくできるため、歩留まりをより向上させることができる。
【0034】
また、めっき液1中の金属イオンが被めっき物の表面にめっき層として析出される際の化学反応によって発生したガスを、振動によってバレル4の外に排出できるため、ガスによるバレル4内のめっき液1の減少を防止でき、これにより、めっき厚のばらつきを抑制できるという効果も期待できる。
【0035】
なお、上記説明では、めっき層を形成している間は終始バレル4を振動するとしたが、振動手段6の運転と停止を交互に繰り返して、バレル4を断続的に振動させてもよい。
【0036】
また、バレル4内の被めっき物を他の被めっき物やバレル4の内壁に衝突させる方法として、バレル4に時計回り、反時計回りの回転を交互に繰り返し与えてもよいし、バレル4に直接的または間接的に衝撃を与えてもよい。
【0037】
さらに、めっき層を形成した後に、めっき液1またはめっきの洗浄液に浸漬させた状態でバレル4を高速回転し、強制的に被めっき物を他の被めっき物やバレル4の内壁に衝突させて接触や押さえつけを開放するようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、バレルを回転させながら被めっき物の表面にめっき層を形成している間はバレルを振動させるようにしたもので、これにより、被めっき物同士が接触したり被めっき物が他の被めっき物を押さえつけても、被めっき物はバレルで回転させられているため、振動による加速力が被めっき物同士の接触面と平行になるときがあり、このときに接触や押さえつけが開放される。さらに、振動によってこれらの被めっき物が他の被めっき物やバレル内壁に衝突する割合が増大するため、衝突の衝撃によって接触や押さえつけが開放される。これらの理由により、被めっき物同士が引っ付いてしまうことを低減できるため、歩留まりを向上させることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法に用いるめっき装置を示す側面図
【符号の説明】
1 めっき液
2 めっき槽
4 バレル
6 振動手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品の製造に際して実施される電子部品のめっき方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子部品のめっき方法は、被めっき物を収容したバレルを、めっき槽に貯留されためっき液内に浸漬した後、バレルを回転させながらめっき液に通電し、被めっき物の表面にはんだめっき層またはすずめっき層を形成していた。
【0003】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−20997号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の電子部品のめっき方法は、バレルを回転させながら電子部品等の被めっき物にはんだめっき層またはすずめっき層を形成しようとすると、複数の被めっき物同士が接着してしまう場合があるため、歩留まりを向上させることが困難であるという課題を有していた。
【0006】
すなわち、バレルを回転させると、被めっき物同士が接触することがあるため、表面にはんだめっき層またはすずめっき層が形成されつつある被めっき物同士が接触した際に、重力や回転による遠心力が一方の被めっき物に付加された場合、この被めっき物が他の被めっき物を押さえつけ、この状態で引き続きめっきされるためである。
【0007】
なお、表面にめっき層が形成されたとき、被めっき物が他の被めっき物を押さえつけると被めっき物同士が接着してしまうのは、はんだめっき層またはすずめっき層の表面が比較的柔らかいためであると考えられる。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、歩留まりを向上させることができる電子部品のめっき方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。
【0010】
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、バレルを回転させながら電子部品の表面にめっき層を形成している間はバレルを振動させるようにしたもので、このめっき方法によれば、電子部品同士が接触したり重力や回転による遠心力によって電子部品が他の電子部品を押さえつけても、振動によって接触や押さえつけが開放され、さらに、振動によってこれらの電子部品が他の電子部品やバレル内壁に衝突する割合が増大するため、衝突の衝撃によって接触や押さえつけが開放される。これらの理由により、電子部品同士が接着してしまうことを低減できるため、歩留まりを向上させることができるという作用効果が得られる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、バレルの振動を終始行わせるようにしたもので、これにより、バレルの回転による電子部品同士の接触等によって複数の電子部品同士が接着してしまう可能性を小さくできるため、歩留まりをより向上させることができるという作用効果が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法を用いるめっき装置を示す側面図である。
【0013】
図1に示すように本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法に用いるめっき装置は、めっき液1を貯留しためっき槽2と、めっき液1中に浸漬可能になるように架台3に取り付けられたバレル4と、架台3に取り付けられバレル4を回転させるための回転手段(図示せず)と、めっき液1に浸漬された通電手段5と、架台3に取り付けられバレル4を振動させるための振動手段6を備えている。
【0014】
めっき液1は、電子部品等の被めっき物表面にめっき層を形成するための金属イオンを含んだ溶液である。
【0015】
めっき槽2は、上面の少なくとも一部が開口した容器で、中にめっき液1が入っている。また、その材質はFRP等で構成されめっき液1によって劣化することはない。さらに、めっき槽2は架台3の一部に載置されている。
【0016】
架台3は、振動手段6を備えかつフック7を介して支持部3aと連結され、この支持部3aによってバレル4が支持されている。さらに、架台3によってバレル4がめっき液1中に浸漬可能にかつ回転可能になっている。
【0017】
バレル4は、被めっき物(図示せず)と、被めっき物への電気的導通を補助するためのメディア(図示せず)とを、バレル4の外へ流出しないように収容し、その周壁に多数の通液孔を有し、断面6角形の筒状で、アクリル樹脂等からなる。なお、断面は6角形でなく円形等の他の形状でもよい。さらにこのバレル4の側面の一部には被めっき物とメディアが入るように蓋がついている。
【0018】
また、バレル4は、その一方の端面に接続された回転手段によって回転され、さらにその両端部に支持部3aが接続され、この支持部3aによって架台3に支持されている。
【0019】
なお、バレル4はめっき層を形成するとき以外はめっき液1内に浸漬しないが、めっき層を形成するときには図1に示すようにめっき液1内に浸漬する。
【0020】
ここで、被めっき物は、端面にニッケルめっき層が設けられたチップ抵抗器、チップインダクタ等の電子部品で、めっき装置によってその表面にすずめっき層、すず合金めっき層、銅めっき層、金めっき層等が形成される。なお、被めっき物としてニッケルめっき層は無くてもよい。
【0021】
通電手段5は、バレル4内のめっき液1を通電するために設けられ、一般にめっき液1に含まれた金属陽極からなり、通電手段5から電気を流すことによって、被めっき物の表面にはんだめっき層またはすずめっき層を形成する。なお、その電源は図示していない。
【0022】
振動手段6は、架台3に支持され、かつバレル4を振動させるために設けられ、この振動手段6によって、バレル4が左右または上下もしくは上下左右に振動する。また、振動手段6としては、振動モーター等を使用でき、この振動手段6の振動が架台3、フック7、支持部3aを介してバレル4に伝わり、バレル4が振動する。さらに、架台3の下部に設けられたスプリング8によって、振動手段6の影響でめっき槽2自体が振動するのを防止している。
【0023】
なお、振動手段6は、バレル4、フック7と異なる架台に支持されるようにしてもよいし、バレル4に直接当接させてもよい。
【0024】
以下、本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法について説明する。
【0025】
図1において、まず、被めっき物とメディアとをバレル4内に投入し、このバレル4をニッケルめっき用のめっき槽2に貯留されためっき液1に浸漬する。
【0026】
次に、バレル4を回転させるとともに、通電手段5によってめっき液1に通電し、被めっき物の端面にニッケルめっき層を形成する。
【0027】
次に、バレル4をニッケルめっき用のめっき液1から引き上げ、ニッケルめっき済みの被めっき物、バレル4、メディアを洗浄した後、バレル4をすずめっき、すず合金めっき等を形成するためのめっき液1に浸漬する。
【0028】
そして、バレル4を回転させるとともに、通電手段5によってめっき液1に通電し、被めっき物の表面にすずめっき層、すず合金めっき層等のめっき層を形成する。
【0029】
このとき、めっき層の形成中は終始バレル4を振動手段6によって振動させる。また、振動の周波数や振幅は、被めっき物が他の被めっき物との衝突やバレル4の内壁との衝突によって、割れたり欠けたりしない程度にし、例えば、振幅を0.1mm〜1.0mm、周波数を10〜50Hzとする。
【0030】
なお、ニッケルめっき層の形成工程は、場合によっては省いてもよい。
【0031】
上記したように本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法は、バレル4を回転させながら被めっき物の表面にめっき層を形成している間はバレル4を振動させるようにしているため、すずめっき層、すず合金めっき層、銅めっき層、金めっき層等の表面が比較的柔らかいめっき層を形成する場合であって、かつめっき層を形成している間に被めっき物同士が接触したり被めっき物が他の被めっき物を押さえつけても、被めっき物同士が引っ付いてしまうのを低減でき、歩留まりを向上させることができるという効果が得られる。
【0032】
これは、被めっき物同士が接触したり重力や回転による遠心力によって被めっき物が他の被めっき物を押さえつけても、振動によって接触や押さえつけが開放され、さらに、振動によってこれらの被めっき物が他の被めっき物やバレル4の内壁に衝突する割合が増大するため、衝突の衝撃によって接触や押さえつけが開放されるためであると考えられる。
【0033】
さらに、めっき層の形成中、バレル4を振動させることを終始行うことにより、バレル4の回転による被めっき物同士の接触等によって複数の被めっき物同士が接着してしまう可能性を小さくできるため、歩留まりをより向上させることができる。
【0034】
また、めっき液1中の金属イオンが被めっき物の表面にめっき層として析出される際の化学反応によって発生したガスを、振動によってバレル4の外に排出できるため、ガスによるバレル4内のめっき液1の減少を防止でき、これにより、めっき厚のばらつきを抑制できるという効果も期待できる。
【0035】
なお、上記説明では、めっき層を形成している間は終始バレル4を振動するとしたが、振動手段6の運転と停止を交互に繰り返して、バレル4を断続的に振動させてもよい。
【0036】
また、バレル4内の被めっき物を他の被めっき物やバレル4の内壁に衝突させる方法として、バレル4に時計回り、反時計回りの回転を交互に繰り返し与えてもよいし、バレル4に直接的または間接的に衝撃を与えてもよい。
【0037】
さらに、めっき層を形成した後に、めっき液1またはめっきの洗浄液に浸漬させた状態でバレル4を高速回転し、強制的に被めっき物を他の被めっき物やバレル4の内壁に衝突させて接触や押さえつけを開放するようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、バレルを回転させながら被めっき物の表面にめっき層を形成している間はバレルを振動させるようにしたもので、これにより、被めっき物同士が接触したり被めっき物が他の被めっき物を押さえつけても、被めっき物はバレルで回転させられているため、振動による加速力が被めっき物同士の接触面と平行になるときがあり、このときに接触や押さえつけが開放される。さらに、振動によってこれらの被めっき物が他の被めっき物やバレル内壁に衝突する割合が増大するため、衝突の衝撃によって接触や押さえつけが開放される。これらの理由により、被めっき物同士が引っ付いてしまうことを低減できるため、歩留まりを向上させることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電子部品のめっき方法に用いるめっき装置を示す側面図
【符号の説明】
1 めっき液
2 めっき槽
4 バレル
6 振動手段
Claims (2)
- 電子部品をバレル内に収容する工程と、前記バレルをめっき槽に貯留されためっき液に浸漬する工程と、前記バレルを回転させながら前記電子部品の表面にめっき層を形成する工程とを備え、前記めっき層の形成中は前記バレルを振動させるようにした電子部品のめっき方法。
- バレルの振動を終始行わせるようにした請求項1記載の電子部品のめっき方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003091179A JP2004300454A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 電子部品のめっき方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003091179A JP2004300454A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 電子部品のめっき方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004300454A true JP2004300454A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33404608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003091179A Pending JP2004300454A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 電子部品のめっき方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004300454A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100864670B1 (ko) | 2007-04-30 | 2008-10-23 | 박인덕 | 무연납전용 인두팁의 제조방법 |
CN109023494A (zh) * | 2018-10-12 | 2018-12-18 | 扬州市金杨电镀设备有限公司 | 振动式卧式滚镀装置 |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003091179A patent/JP2004300454A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100864670B1 (ko) | 2007-04-30 | 2008-10-23 | 박인덕 | 무연납전용 인두팁의 제조방법 |
CN109023494A (zh) * | 2018-10-12 | 2018-12-18 | 扬州市金杨电镀设备有限公司 | 振动式卧式滚镀装置 |
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