JP2004300356A - ペースト組成物の製造方法 - Google Patents

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Tsuyoshi Furuta
剛志 古田
Satokichi Baba
聡吉 馬場
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Abstract

【課題】本発明の課題は、樹脂中の残存溶剤が極めて少なく、ワキやピンホール等がなく外観が優れた、また樹脂強度が充分である硬化物を得ることのできるペースト組成物を低コストで得ることのできる製造方法を提供することである。
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)を溶融させるとともに、該樹脂中に圧縮性流体(B)を接触させた後、得られた混合物(C)を減圧膨張させることにより得られる熱可塑性樹脂粉体(D)、可塑剤(E)及び充填剤(G)を混合することを特徴とするペースト組成物(J)の製造方法を採用する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として車両用シーリング材又はアンダーコート材に使用されるペースト組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、電着塗装後の自動車車体の鋼板接合部や鋼板エッジ部等には、それらの部分を水密、気密にし、また防錆性を高めるために、仕上げ塗装に先立ってシーリング用ペースト組成物を塗布し、被覆することが行われている。また、車体のフロア下部、ホイルハウス、サイドシル等には、防錆性と耐チッピング性の向上のために、アンダーコート用ペースト組成物が塗布されている。
【0003】
熱可塑性樹脂粉体がペースト組成物に使用されるが、該粉体の製造方法としては、冷凍粉砕法で粉体を得る方法、水もしくは非水系溶剤並びに分散安定剤の存在下で樹脂を分散させて粉体を得る方法(以下、分散法と略記する。)が知られている。(例えば特許文献1参照)
しかしながら、冷凍粉砕法は、粉砕する熱可塑性樹脂を冷却するのに非常にコストがかかるという問題点を有している。
また、分散法は使用した溶剤が樹脂中に微量ではあるが残存するという問題点、このため溶剤がプラスチゾル中に残存し、固化物中に泡噛みが発生して樹脂強度が充分でない等の問題が充分には解決されていない。また、廃水廃溶剤の処理にコストがかかるという問題点も有している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−345027
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記の問題点が改善された、すなわち、樹脂中の残存溶剤が極めて少なく、従ってプラスチゾル中の残存溶剤が極めて少なく、固化物中に泡噛みが発生せず樹脂強度が充分である固化物を得ることのできるペースト組成物を、低コストで得られる製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂(A)を溶融させるとともに、該樹脂中に圧縮性流体(B)を接触させた後、得られた混合物(C)を減圧膨張させることにより得られる熱可塑性樹脂粉体(D)、可塑剤(E)及び充填剤(G)を混合することを特徴とするペースト組成物(J)の製造方法である。以下本発明について詳述する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における熱可塑性樹脂(A)としては、公知の樹脂でシーリング材料に使用可能な樹脂であればいかなる樹脂であっても使用できるが、例えば、ウレタン樹脂(A1)、ポリエステル樹脂(A2)、ビニル樹脂(A3)、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。 これらの中で、好ましいものはウレタン樹脂(A1)およびビニル樹脂(A3)であり、特に好ましいものはウレタン樹脂(A1)である。
熱可塑性樹脂(A)は、好ましくは60℃以上200℃以下、さらに好ましくは90℃以上190℃以下の融点を有する。
【0008】
上記ウレタン樹脂(A1)は、通常使用されるウレタン樹脂であれば特に制限されることはないが、例えば、ポリオール成分(a)と有機ポリイソシアネート(b)を必須成分とし、任意成分として鎖伸長剤(c)、停止剤(d)を用いて重合させて得られる熱可塑性ウレタン樹脂が挙げられる。
【0009】
ポリオール成分は、高分子ポリオール(a1)と必要に応じて低分子ポリオール(a2)が用いられる。
ポリオール成分は2官能のジオール成分が好ましいが、3官能以上のポリオール成分を、ポリオール成分の重量に対して1重量%以下含有することができる。
(a1)としてはポリエステルポリオール(a11)、ポリエーテルポリオール(a12)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
該(a1)の水酸基当量(水酸基価測定に基づく、水酸基当たりの数平均分子量。以下同様)は、固化物の伸びや強度の観点から、好ましくは500〜5,000、さらに好ましくは600〜2,500、特に好ましくは700〜2,000である。官能基数は好ましくは2である。
【0010】
上記低分子ポリオール(a2)としては、水酸基当量が250未満の2価のポリオールが含まれる。その具体例としては、2価アルコールたとえば炭素数2〜12の脂肪族ジオール類[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど)、および分岐鎖を有するジオール(1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−および2,3−ブタンジオールなど)など];炭素数6〜25の環状基を有するジオール類、たとえば特公昭45−1474号公報記載のもの:脂環基含有ジオール〔1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、水添ビスフェノールAなど〕、芳香環含有ジオール[m−およびp−キシリレングリコール、2価フェノール〔単環2価フェノール(ハイドロキノンなど)、ビスフェノール類(フェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなど)、ジヒドロキシナフタレンなど〕のアルキレンオキサイド付加物(水酸基当量250未満)、芳香族ジカルボン酸のビスヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)エステル〔ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど〕など];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは脂肪族ジオールおよび芳香環含有ジオールである。
【0011】
上記(a11)としては、▲1▼低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールとジカルボン酸との縮合重合によるもの;▲2▼低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールにラクトンモノマーを開環付加したものおよびそのジカルボン酸変性体;▲3▼低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールと炭酸ジエステル(炭酸ジメチル、炭酸エチレンなど)との縮合重合によるもの;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0012】
上記▲1▼のジカルボン酸の具体例としては、炭素数4〜15の脂肪族ジカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸など]、炭素数8〜15の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸など]、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル、酸ハライド(酸クロライド等)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0013】
上記▲1▼の低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールの具体例としては、上記(a2)、下記(a12)に記載のものが挙げられる。
上記▲2▼▲3▼の低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールも同様である。
【0014】
上記▲2▼のラクトンモノマーとしては、炭素数4〜18のラクトンたとえばα−カプロラクトン、β−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、β−メチル−ε−カプロラクトン、ヘプタラクトン、オクタラクトン、ウンデカラクトン、ペンタデカラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0015】
該(a11)の具体例としては、▲1▼;ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリブチレンイソフタレートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(ジエチレングリコール)イソフタレートジオール、▲2▼;ポリカプロラクトンジオール、アジピン酸変性ポリカプロラクトンジオール、テレフタル酸変性ポリカプロラクトンジオール、イソフタル酸変性ポリカプロラクトンジオール、▲3▼;ポリヘキサメチレンカーボネートジオールおよびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
【0016】
ポリエーテルポリオール(a12)としては、低分子ポリオール(a2)にアルキレンオキサイドが付加した構造の化合物が挙げられる。
【0017】
上記および以下においてアルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜10またはそれ以上のアルキレンオキサイド、およびそのフェニルもしくはハロゲン置換体が含まれ、エチレンオキサイド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下POと略記)、1,2−、1,3−、1,4−および2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、炭素数5〜10またはそれ以上のα−オレフィンオキサイド、エピハロヒドリン(エピクロロヒドリン等)およびこれらの2種以上の併用(ブロックおよび/またはランダム付加)が挙げられる。好ましいのはEO、POおよびこれらの併用(ブロックおよび/またはランダム付加)である。
【0018】
該(a12)の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン(ブロックおよび/またはランダム)グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシブチレン−ポリオキシエチレン(ブロックおよび/またはランダム)グリコール、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレン(ブロックおよび/またはランダム)グリコール、ビスフェノールAのEOおよび/またはPO付加物、およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。
【0019】
(a1)のうち好ましいものはポリエステルポリオール(a11)であり、さらに好ましいものは上記▲1▼のポリエステルポリオールであり、特に好ましいものは脂肪族ジオールとジカルボン酸とくに芳香族ジカルボン酸との縮合ポリエステルジオールである。
【0020】
有機ポリイソシアネート(b)としては、例えば下記(b1)〜(b5)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
有機ポリイソシアネート(b)は、分子内に2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートが好ましいが、分子内に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを、(b)の重量に対して1重量%以下含有することができる。
(b1)炭素数(NCO基中の炭素を除く;以下のイソシアネートも同様)6〜16の芳香族ジイソシアネート{1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物;ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなど};
(b2)炭素数6〜10の脂肪族ジイソシアネート[エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6、11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2、6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなど];
(b3)炭素数6〜16の脂環式ジイソシアネート[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなど];
(b4)炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート[m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’,−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)など];
(b5)これらの有機ジイソシアネートの変性体(例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。該ウレタン変性ポリイソシアネート[過剰のポリイソシアネート(TDI、MDIなど)とポリオールとを反応させて得られる遊離イソシアネート含有プレポリマー]の製造に用いるポリオールとしては、当量が30〜200のポリオールたとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール;トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール;ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの高官能ポリオール;およびこれらのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド)付加物が挙げられる。これらのうちで好ましいものは官能基数2のものである。
上記変性ポリイソシアネートおよびプレポリマーの遊離イソシアネート基含量は通常8〜33%、好ましくは10〜30%、とくに好ましくは12〜29%のものである。
これらのうち好ましいものは、固化物の強度の観点からから、(b1)および(b3)、特にMDI、TDI、IPDIおよび水添MDIである。
【0021】
必要により使用する鎖伸長剤としては、例えば、下記(c1)〜(c3)およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
(c1)平均分子量500未満の低分子ジオール:脂肪族2価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールなど)、環状基を有する低分子ジオール類[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−およびp−キシリレングリコール、1,4−ビス−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなど]など;
(c2)ジアミン化合物:脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、脂環式ジアミン(イソフォロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、ノルボルナンジアミンなど)、芳香族ジアミン(4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど)、芳香脂肪族ジアミン(ジフェニルメタンジアミン、トルエンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミンなど)、ヒドラジンもしくはその誘導体ポリオキシアルキレンジアミン、ジエチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、3,5−ジアミノ−4−クロロベンゾイックアシッド−2−メチルプロピルエステルなど];及び、上記2種以上の混合物など
(c3)アルカノールジアミン:ヒドロキシルエチルエチレンジアミン、N,N’−ジヒドロキシエチルエチレンジアミンなど
【0022】
また該(A)を製造する際、必要により停止剤(d)を使用することもできる。停止剤としては、モノアルコール(メタノール、ブタノールなど)、モノアミン(ブチルアミン、ジブチルアミンなど)、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなど)が挙げられる。
【0023】
該(A1)の製造に際して、活性水素成分であるポリオール成分(a)、鎖伸長剤(c)、停止剤(d)の活性水素基の当量合計と(b)のイソシアネ−ト基の当量との比(H/NCO比)は通常0.75〜1.2、好ましくは0.85〜1.15である。
【0024】
また該(A1)の製造に際して、必要により有機溶剤{ケトン類〔アセトン、メチルエチルケトン(以下MEKと記す)、メチルイソブチルケトンなど〕、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテートなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラハイドロフラン、など)、炭化水素類(nーヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、テトラリン、トルエン、キシレンなど)、アルコール類〔メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(以下IPAと記す)、n−プロピルエーテル、ブタノールなど〕、塩化炭化水素類(ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレンなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、N−メチルピロリドンなど}中で行ってもよく、有機溶剤を反応途中または反応後に加えてもよい。
【0025】
該(A1)の製造方法は特に制限はなく例えば、
▲1▼各成分を一度に反応させるワンショット法、[例えばポリオール成分、有機ポリイソシアネート、及び鎖伸長剤を2軸押し出し混練機中で溶融状態で反応させる方法]
▲2▼段階的に反応させる多段法[たとえば有機ポリイソシアネートと活性水素化合物の一部とを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを形成したのち、活性水素化合物の残部を加えてさらに反応させて製造する方法など]
等のいずれの方法で製造してもよい。
【0026】
また(A1)の製造において、反応温度は通常30〜200℃、好ましくは60〜160℃の温度で行われる。(ただしアミン化合物を反応させる場合は、通常150℃以下、好ましくは0〜100℃の温度で行われる。)
【0027】
また必要により反応を促進させるため、通常のウレタン反応において使用される触媒[アミン触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンなど)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート、オクチル酸錫など)、チタン系触媒(テトラブチルチタネートなど)]などを使用してもよい。
【0028】
上記ポリエステル樹脂(A2)としては例えば、低分子ジオール(a21)をポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル、酸ハライド等](a22)との縮合重合によるもの;低分子ジオールを開始剤としてラクトンモノマー(a23)を開環重合したもの;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
低分子ジオール(a21)は、3〜8価またはそれ以上のポリオールを(a21)の重量に対して1重量%以下含有してもよい。
【0029】
上記低分子ジオール(a21)は通常40〜500の分子量を有するもので、その具体例としては、脂肪族ジオール類[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど、1,8−オクタンジオール)、分岐鎖を有するジオール(プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−もしくは2,3−ブタンジオールなど)など];環状基を有するジオール類[たとえば特公昭45−1474号公報記載のもの;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−またはp−キシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物(分子量500未満)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物である。
【0030】
上記ポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体(a22)の具体例としては、炭素数4〜15の脂肪族ポリカルボン酸[コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸など]、炭素数8〜12の芳香族ポリカルボン酸[テレフタル酸、イソフタル酸など]、これらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル、ジエチルエステルなど)、酸ハライド(酸クロライド等)など]およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(a22)は、3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体を(a22)の重量に対して1重量%以下含有してもよい。
【0031】
上記ラクトンモノマー(a23)の具体例としてはγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−バレルラクトンおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0032】
ポリエステル化は、通常の方法、たとえば低分子ポリオールおよび/または重量平均分子量5,000以下のポリエーテルポリオールを、ポリカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体[たとえば無水物(無水マレイン酸、無水フタル酸など)、低級エステル(アジピン酸ジメチル、テレフタル酸ジメチルなど)、ハライド等]と、またはその無水物およびアルキレンオキサイド(たとえばエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド)とを反応(縮合)させる方法、あるいは開始剤(低分子ジオールおよび/または重量平均分子量5,000以下のポリエーテルジオール)にラクトンを付加させる方法により製造することができる。
【0033】
水酸基含有ポリエステルの構成成分の比率は、ポリオールとポリカルボン酸の比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]のモル比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜0.5/1、より好ましくは1.5/1〜0.6/1である。他の構成成分の場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
【0034】
上記ビニル樹脂(A3)は、ビニルモノマーを単独重合または共重合したポリマーである。ビニルモノマーとしては、下記(1)〜(13)が挙げられる。
上記のビニルモノマーは、分子内にビニル基を2個以上有するモノマーをビニルモノマーの重量に対して1重量%以下含有することができる。
(1)ビニル炭化水素
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩
(3)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩
(4)燐酸基含有ビニルモノマー
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー
(6)含窒素ビニルモノマー
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー
(9)ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン類
(10)アルキル(メタ)アクリレート
(11)ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー
(12)ポリ(メタ)アクリレート類
(13)その他のビニルモノマー
【0035】
以下上記(1)〜(13)の具体例を挙げる。
(1)ビニル炭化水素
((1)−1)脂肪族ビニル炭化水素:エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、前記以外のα−オレフィン等
((1)−2)脂環式ビニル炭化水素:シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、インデン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等
((1)−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルケトン、トリビニルベンゼン等。
【0036】
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩
(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー;並びに、これらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩。
【0037】
(3)スルホン基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩
ビニルスルホン酸(塩)、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、メチルビニルスルフォネート、スチレンスルホン酸(塩)、α−メチルスチレンスルホン酸(塩)、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸(塩)、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸(塩)、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸(塩)、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(塩)、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル化物(塩)[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル化物(塩)等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル(塩)、その他以下の一般式(1)〜(3)で示される化合物等。[上記における塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩が挙げられる。]
【化1】
Figure 2004300356
(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブロックでもよい。Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示し、Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示す。)
【化2】
Figure 2004300356
(式中、Rは炭素数1〜15のアルキレン基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが複数の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダムでもブロックでもよい。Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミンカチオンを示し、Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示す。)
【化3】
Figure 2004300356
(式中、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基、Xはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムもしくはアミンカチオンを示す。)
【0038】
(4)燐酸基含有ビニルモノマー
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリル酸アルキルホスホン酸類、例えば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸(塩)。
【0039】
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル、等。
【0040】
(6)含窒素ビニルモノマー
((6)−1)アミノ基含有ビニルモノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、これらの塩等。
((6)−2)アミド基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等
((6)−3)ニトリル基含有ビニルモノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン等
((6)−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)
((6)−5)ニトロ基含有ビニルモノマー:ニトロスチレン等。
【0041】
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
【0042】
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
【0043】
(9)ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン類
酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン、ジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等。
【0044】
(10)アルキル(メタ)アクリレート
炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等。
【0045】
(11)ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー
ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等。
【0046】
(12)ポリ(メタ)アクリレート類
多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等。
【0047】
(13)その他のビニルモノマー
アセトキシスチレン、フェノキシスチレン、エチルα−エトキシアクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、シアノアクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルメチルベンジルイソシアネート等。
【0048】
(A3)は溶液重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の重合法により製造される。
【0049】
本発明における熱可塑性樹脂(A)としてのエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂とは、例えば以下のものが例示される。
エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)とエピクロルヒドリンとの付加縮合物などが挙げられる。
ポリアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合を有する重合体であり、例えばナイロン樹脂が挙げられる。
ポリイミド樹脂は主鎖中に酸イミド結合を有する重合体であり、例えばテトラカルボン酸無水物とジアミンの環化重縮合物などが挙げられる。
フェノール樹脂はフェノールとホルマリンより得られる樹脂であり、酸触媒存在下、フェノール過剰で反応させたオリゴマーであるノボラックを硬化剤で硬化させるか、塩基触媒の存在下、ホルムアルデヒド過剰で反応させたオリゴマーであるレゾールを過熱、加圧させて硬化させて得られる樹脂が挙げられる。
メラミン樹脂はメラミンとホルムアルデヒドとを反応させて得られる樹脂であり、メチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミンを加熱、メチレン化させて得ることができる。
ケイ素系樹脂はシリコーン樹脂ともいい、有機基を持つケイ素が酸素と交互に結合した結合を骨格に持つ樹脂であり、例えばクロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン等を原料として水と反応させ、同時に脱水縮合させて得られる樹脂が挙げられる。
ユリア樹脂は尿素とホルムアルデヒドを反応させて得られる樹脂であり、過剰のホルムアルデヒドを酸性条件下に加熱、重縮合させて得られる樹脂が挙げられる。
アニリン樹脂はアニリンの酸化縮合により得られる樹脂であり、例えば11分子のアニリンが縮合したアジン化合物が挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂は不飽和結合を有したポリエステル樹脂、及びこの化合物とビニル基含有モノマーとの共重合化合物であり、例えば、マレイン酸、フマル酸のような不飽和ジカルボン酸とグリコールとから脱水縮合して得られるポリエステル等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂は主鎖にカーボネート結合を有する樹脂であり、例えばグリコールと炭酸エステルとの交換反応、グリコールにアルカリ存在下でホスゲンを反応させる方法、二酸化炭素とエポキシドを有機亜鉛系触媒により交互重合させる方法等により得ることができる。
【0050】
(A)の数平均分子量は、好ましくは1,000〜1,000,000、さらに好ましくは5,000〜100,000、最も好ましくは10,000〜50,000である。固化物の強度の観点から1,000以上が好ましく、固化時の溶融粘度の観点から1,000,000以下が好ましい。
本発明における数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)はゲルパーミィエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記する)で測定することができる。
【0051】
本発明に用いられる(A)の樹脂としては、それぞれ単独でも良いし、これら2種類または3種類以上の混合物でもよい。
【0052】
本発明において使用される可塑剤(E)としては、何ら限定されず、以下のものが例示される。
可塑剤(E)としては、フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];ポリアルキレングリコールジ安息香酸エステル[ポリエチレングリコール(重合度2〜10)のジ安息香酸エステル、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)のジ安息香酸エステル等];脂肪族リン酸エステル[トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシホスフェート等];芳香族リン酸エステル[トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート等];ハロゲン脂肪族リン酸エステル[トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(βークロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等];およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはフタル酸エステル、ポリアルキレングリコールジ安息香酸エステル、およびリン酸エステルである。
【0053】
本発明において、充填剤(G)としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ガラス粉、ガラスバルーン、セラミックバルーン、シラスバルーン、石炭粉、アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉、エポキシ樹脂粉、金属粉末、セラミック粉末、ゼオライト、スレート粉、アスファルト粉末が例示される。
これらのうち好ましいものは、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、及びタルクである。
【0054】
本発明において、熱可塑性樹脂粉体(D)に対する可塑剤(E)および充填剤(G)の配合割合は、(D)100重量部あたり、(E)が好ましくは50〜300重量部、さらに好ましくは50〜200重量部、(G)が好ましくは1〜300重量部、さらに好ましくは50〜200重量部である。
【0055】
本発明において、必要に応じて顔料(L)を添加することができる。上記(L)は特に限定されず、公知の有機顔料および/または無機顔料を使用することができる。有機顔料としては例えば不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられ、無機系顔料としては例えばクロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物、硫化セレン化合物、金属塩類(硫酸塩、珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩等)、カーボンブラック等が挙げられる。
【0056】
本発明の製造方法で得られるペースト組成物において、(D)に対する(L)の配合割合は、(D)100重量部あたり、(L)が好ましくは0〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部である。
【0057】
本発明の製造方法で得られるペースト組成物には、さらに必要に応じて公知の添加剤(ブロッキング防止剤、離型剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、難燃剤、水分吸収剤等)を任意に含有させることができる。
【0058】
上記各種添加剤を添加する方法は特に限定されないが、以下の方法が例示される。
▲1▼(A)を合成する際、単量体と混合した後合成する方法
▲2▼(A)を合成した後、溶融下に添加する方法
▲3▼(A)を圧縮性流体(B)に溶解または可塑化後、添加する方法
▲4▼(A)を一旦溶剤に溶解し、均一化に添加剤を混合した後溶剤を留去する方法
▲5▼(D)を作成した後、可塑剤及び/又は溶剤で(D)を膨潤させた後、各種添加剤を加える方法、又は各種添加剤を可塑剤及び/又は溶剤に溶解又は分散させた後に、その溶液又は分散液を(D)に添加する方法が例示される。
【0059】
前記圧縮性流体(B)としては、例えば、二酸化炭素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサン、メタノール、エタノール、水等で臨界点以上の温度及び圧力を有する流体が挙げられる。これら流体は超臨界状態で、すなわち超臨界流体で使用するのが好ましい。これらのうち好ましいのは二酸化炭素、及び二酸化炭素とメタンまたはエタンまたはプロパンまたはブタンとの混合物である。二酸化炭素の臨界温度は31℃と低く、取り扱い易いので好ましい。
【0060】
超臨界流体は物質に固有の気液臨界温度、圧力を超えた非凝縮性流体と定義される。臨界温度を超えているために分子の熱運動が激しく、かつ密度を理想気体に近い希薄な状態から液体に対応するような高密度な状態まで圧力を変えることによって連続的に変化させることができる。
【0061】
熱可塑性樹脂(A)は、好ましくは60℃以上200℃以下、さらに好ましくは90℃以上190℃以下で、溶融され昇圧ポンプ等で耐圧容器内に導入される。
【0062】
耐圧容器内で、溶融された熱可塑性樹脂(A)と圧縮性流体(B)を接触させる。耐圧容器内の温度は、好ましくは110℃以上200℃以下、さらに好ましくは120℃以上190℃以下である。耐圧容器内の圧力は、好ましくは、5MPa以上40MPa以下、さらに好ましくは7MPa以上20MPa以下である。
【0063】
熱可塑性樹脂(A)に圧縮性流体(B)を耐圧容器内で接触させる工程において、(A)及び(B)を混合することが好ましい。混合手段としては、耐圧大型バッチ式混合機、静止型混合機等が挙げられるが、静止型混合機が好ましい。
静止型混合機は内部に流体を分割、混合することができる数個から数十個のエレメントを持った管状構造のもので、管の入り口から溶融したウレタン樹脂と圧縮性流体を注入するか、あるいは管の入り口から溶融したウレタン樹脂を注入し、途中のエレメント部分から圧縮性流体を注入する等の方法により、混合する。また、好ましくは静止型混合機中の温度をコントロールするために、静止型混合機はジャケット付きのものが好ましい。なお、静止型混合機は、例えばノリタケ社製スタティックミキサーがあり、仕様については混合性を満たし、ポンプの最大吐出圧以内の圧損となる観点から管径とエレメント数が決定され、使用される。
静止型混合機は耐圧大型バッチ式混合機に比べ設備費が安価で、省スペースで、連続的に運転ができる。
【0064】
本発明において使用する超臨界流体(B)の量は、(B)が熱可塑性樹脂(A)を膨潤させる点から、(A)の重量に対して好ましくは2重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上であり、製造コストの点から好ましくは100重量%以下であり、さらに好ましくは50重量%以下である。
【0065】
耐圧容器内に存在する熱可塑性樹脂(A)と超臨界流体(B)の混合物(C)を、容器に取付けたノズルを介して放出することで容器内外に大きな圧力差を作り出し、超臨界流体(B)を急激に膨張、気化させる。その際、熱可塑性樹脂(A)も急激に拡散し、熱可塑性樹脂粉体(D)を形成することができる。
【0066】
本発明の熱可塑性樹脂粉体(D)の平均粒子径は、好ましくは0.1〜200μm、さらに好ましくは1〜100μm、特に好ましくは10〜80μmである。ペーストの貯蔵安定性から平均粒子径は0.1μm以上が好ましく、また加熱固化時の固化性の観点から200μm以下が好ましい。
なお、ここでいう平均粒径は[TUBTEC、レーゼンテック社製]などの粒度分布測定機で測定した篩い下50重量%の粒子径の値である。粒径の測定法は電子顕微鏡測定、沈降法、エレクトロゾーン法、動的光散乱法等があるが、測定粒度範囲の適合性より、動的光散乱法を用いた上記測定装置等が好ましい。
【0067】
混合物(C)を減圧膨張させた後、さらに形成された粉体を圧縮解除された圧縮性流体の流れから分離するには、適当な分離装置(例えばサイクロン、繊維フィルタ、スクラッバー、エレクトロフィルタなど)が用いられる。
【0068】
上記(D)、(E)および(G)の混合方法は特に限定されないが、以下の方法が例示される。
▲1▼(D)、(E)および(G)を一括して混合装置で混合する方法。
▲2▼あらかじめ(E)および(G)を混合しておき、これを(D)と混合する方法。
▲3▼(D)を製造する任意の段階であらかじめ(E)および(G)の一部または全部を含有させておく方法。
これらのうち、▲2▼の方法が好ましい。
【0069】
上記(D)、(E)および(G)の混合装置は特に限定されず、公知の混合・分散装置を使用することができる。混合装置としては、高速剪断混合装置(例えばへンシェルミキサー等)、低速混合装置(例えばナウタミキサー、プラネタリーミキサー等)、ビーズミル、3本ロール等が挙げられる。また必要に応じて、アニオン系、カチオン系またはノニオン系の分散剤を使用することができる。
本発明の製造方法から得られるペースト組成物は、加熱すると樹脂微粒子が可塑剤を吸収して膨潤し、充填剤と一体化して固化物となる。加熱温度としては、好ましくは80〜200℃、さらに好ましくは120〜160℃、最も好ましくは130〜150℃である。該固化物のTgは通常、−70℃〜10℃であり、好ましくは−70℃〜−30℃である。
【0070】
本発明の製造方法から得られるペースト組成物(J)は、自動車ボデー、機械部品等のシーリング材、土木建築用シーリング材、パテ、目地止め用として用いられる。通常は、常温で所望の流動性を有するゾル状品として用いられるが、自動車のモヒカン部用等、加熱時の垂れが問題になる用途では、形態保持剤を併用して用いるか、またはペースト組成物を支持体(不織布、紙、繊維、フィルム等)に含浸させて、ロール状、テープ状もしくはシート状に加工して用いることができる。
【0071】
本発明の製造方法から得られるペースト組成物が、25℃で流動性を有するゾル状品である場合には、用途・目的に応じて好適な粘度に調整することができるが、一般に、25℃での粘度が5,000cP〜300,000cPであるのが好ましい。
【0072】
上記形態保持剤としては、熱可塑性樹脂(Q)および25℃にて固体であって、80℃以上に加熱することにより速やかに軟化する結晶性の化合物(T)を配合することができる。25℃で形態保持性は、25℃での硬度(JIS A)が20以上であるのが好ましい。
【0073】
上記(Q)としては、用いられる他の材料に混合分散され得るものであれば特に限定されず、付加重合系、重縮合系、重付加系および開環重合系の樹脂などが挙げられる。
【0074】
付加重合系の樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリーp−キシリレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリブタジエン等のジエン系ポリマー、およびこれらの共重合物等が挙げられる。重縮合系樹脂としてはポリアミド、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン等が、重付加系樹脂としては熱可塑性ポリウレタン等が挙げられる。開環重合系樹脂としてはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランなどのアルキレンオキシド重合体、ポリアセタール等が挙げられる。
【0075】
上記(T)としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、重合ワックス、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、変性ワックス、蜜ロウ、鯨ロウ、カルナバロウ等の等のワックス類、ドデカ二酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等の多塩基酸類並びにそれらの酸無水物および多価金属塩類、ジメチルスルホン、樟脳、尿素等が挙げられる。
【0076】
上記(D)に対する(Q)および(T)の配合割合は、(D)100重量部あたり、(Q)が通常0〜300重量部、好ましくは50〜200重量部、(T)が通常0〜200重量部、好ましくは10〜100重量部である。
【0077】
【実施例】
以下、製造例、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。また、各試験方法は次の通りである。
なお実施例中での略記号の意味および評価試験方法は下記のとおりである。
略記号
BPA−TP:プロピレンオキシド2mol付加ビスフェノールAとテレフタル酸からなるポリエステルジオール(数平均分子量2000、水酸基価56) PP−400:数平均分子量が400、水酸基価が280のポリプロピレングリコール(「サンニックスPP−400」、三洋化成工業(株)製)
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
IPDA:イソホロンジアミン
DBA:ジnブチルアミン
溶媒A:トルエン80部とイソプロパノール20部の混合溶媒
可塑剤A:リン酸エステル系可塑剤(リン酸2−エチルヘキシルジフェニル)
充填剤A:重質炭酸カルシウム(「NS−100」、日東粉化工業製)
アクリル樹脂A;数平均分子量が3.5万のポリメチルメタクリレート樹脂
【0078】
評価試験方法
[数平均分子量、重量平均分子量]ゲルクロマトグラフィー(GPC)で測定した。
[樹脂粉体の粒径]レーザー回析式粒径測定機マイクロトラック(日機装(株)製)を使用し、水を溶媒として測定した。
[揮発成分量]
ガスクロマトグラフィー(以下、ガスクロと略記する。)により下記の条件で測定した。
ガスクロ測定条件:測定機器は島津製作所(株)製GC−14A(FID検出器、カラムはPEG20M 10% Chromosorb W 60〜80mesh)を使用、キャリアガスは窒素60ml/min、インジェクション、ディテクター温度 200℃、昇温条件は60℃から10℃/minで200℃まで昇温した。
被検サンプルは、サンプルビンにサンプル1gと内部標準のオクタノール0.1gを0.1mgの桁まで秤量し、これにジメチルフォルムアミド20mlを加え、90℃に加熱してサンプルを溶解して調製した。
上記条件のガスクロにてサンプル注入量1μlで測定した。溶剤の定量法は各溶剤での検量線を作成しておき、定量した。
【0079】
<熱可塑性樹脂(A)の製造例1>
反応容器にBPA−TP900部を投入し、減圧下、140℃で2時間脱水を行った後、溶媒A1100部とMDI250部を投入し、80℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂(これを「プレポリマーa」とする)を得た。プレポリマーaのイソシアネート基含量は、1.8%であった。この溶液にIPDA90部,DBA7.5部を溶媒A200部に溶解した溶液を50℃1時間かけて滴下し、さらに50℃で1時間反応を行った後、50℃、7Torrで減圧して溶媒Aを留去することにより、数平均分子量40,000の[樹脂1]を得た。
【0080】
<熱可塑性樹脂(A)の製造例2>
反応容器にPP−400、160部を投入し、減圧下、140℃で2時間脱水を行った後、溶媒A40部とMDI200部を投入し、80℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウレタン樹脂(これを「プレポリマーb」とする)を得た。プレポリマーbのイソシアネート基含量は、8.0%であった。この溶液にIPDA60部,DBA2部を溶媒A200部に溶解した溶液を50℃1時間かけて滴下し、さらに50℃で1時間反応を行った後、50℃、7Torrで減圧して溶媒Aを留去することにより、数平均分子量45,000の[樹脂2]を得た。
【0081】
<実施例1>
撹拌装置及び測温装置を有し、槽内圧力30MPa、槽内温度290℃まで設定可能な樹脂溶解槽500mlを150℃まで昇温後、上記で得られた[樹脂1]50gを投入して溶融させた。次いで内径5mm30エレメントのスタティックミキサー中に溶融樹脂と液化二酸化炭素10gを昇圧ポンプを使用して注入して、スタティックミキサー内圧力を8.0MPaに設定した。スタティックミキサー先端部に装着した穴径0.3mmのノズルより二酸化炭素と樹脂の混合物を大気圧下、ブロッキング防止剤として乾式シリカ(アエロジル200日本アエロジル(株)製)が1体積%浮遊する20℃の雰囲気下に排出することで[樹脂粉体1]を得た。平均粒子径は70μm、揮発成分量は7ppmであった。
上記[樹脂粉体1]100部、可塑剤A120部、および充填剤A100部を、プラネタリーミキサーを用い、均一に混合した後、1時間真空下で撹拌脱泡することによって[ペースト組成物1]を調製した。
【0082】
<実施例2>
実施例1において樹脂1の代わりに樹脂2を用いた他は、実施例1と同様にして[樹脂粉体2]を得た。平均粒子径は70μm、揮発成分量は8ppmであった。
上記[樹脂粉体2]100部、可塑剤A120部、および充填剤A100部を、プラネタリーミキサーを用い、均一に混合した後、1時間真空下で撹拌脱泡することによって[ペースト組成物2]を調製した。
【0083】
<実施例3>
実施例1において樹脂1の代わりにアクリル樹脂Aを用いた他は、実施例1と同様にして[樹脂粉体3]を得た。平均粒子径は70μm、揮発成分量は8ppmであった。
上記[樹脂粉体3]100部、可塑剤A120部、および充填剤A100部を、プラネタリーミキサーを用い、均一に混合した後、1時間真空下で撹拌脱泡することによって[ペースト組成物3]を調製した。
【0084】
<比較例1>
反応容器に、ポリビニルアルコール(「PVA−235」、(株)クラレ製)20部と水700部を投入して、撹拌して溶解してPVA溶解液(X)を得た。そこへ製造例1で得たプレポリマーa300部を投入し、ウルトラディスパーザー(ヤマト科学製)を使用して回転数10,000rpmで1分間混合して分散液を得た。この分散液を、別の反応容器に移し、IPDA12部とDBA1部を投入し、50℃で10時間反応を行った。反応終了後濾別、乾燥を行い、[比較樹脂粉体1]を得た。該[比較樹脂粉体1]の数平均分子量は40,000、平均粒径は60μmであった。揮発成分量は200ppmであった。
上記[比較樹脂粉体1]100部、可塑剤A120部、および充填剤A100部を、プラネタリーミキサーを用い、均一に混合した後、1時間真空下で撹拌脱泡することによって[比較ペースト組成物1]を調製した。
【0085】
<比較例2>
上記PVA溶解液(X)720部へ、製造例2で得たプレポリマーb200部を投入し、ウルトラディスパーザー(ヤマト科学製)を使用して回転数10,000rpmで1分間混合して分散液を得た。この分散液を、別の反応容器に移し、IPDA30部とDBA1部を投入し、80℃で10時間反応を行った。反応終了後濾別、乾燥を行い、[比較樹脂粉体2]を得た。該[比較樹脂粉体2]の数平均分子量は45,000、平均粒径は80μmであった。揮発成分量は250ppmであった。
上記[比較樹脂粉体2]100部、可塑剤A120部、および充填剤A100部を、プラネタリーミキサーを用い、均一に混合した後、1時間真空下で撹拌脱泡することによって[比較ペースト組成物2]を調製した。
【0086】
上記方法で得られた実施例の[ペースト組成物1]〜[ペースト組成物3]、比較例の[比較ペースト組成物1]及び[比較ペースト組成物2]の各組成物について、下記試験方法により評価を行ない、その結果を表1に示した。
【0087】
【表1】
Figure 2004300356
【0088】
性能試験方法
[破断強度、伸び率(25℃)]:金型にペースト組成物を塗布し、140℃で30分間加熱して固化させた後、25℃における破断強度、及び伸び率を、JIS K6301に準じて測定した。
[ピンホール];上記で作成した固化物の金型面の表面を光学式顕微鏡で観察し、1cmの面積中に存在するピンホールの数を数えた。
【0089】
【発明の効果】
本発明のペースト組成物の製造方法は、下記の効果を有する。
(1)本発明の製造方法で得られるペースト組成物を用いた場合、固化時の熱により揮発する成分が非常に少ないため外観に優れ、構造欠陥の無い強靭な固化物が得られる。
(2)多量の有機溶剤や水を使用せずに樹脂粉体を製造でき、造粒工程が簡略化できる。また、大量の冷媒を使用することもなく、従来の製法に比べ低コストの樹脂粉体を製造できる。
(3)多量の有機溶剤や水を使用しないため、廃液が発生しない。
上記効果を奏することから本発明の製造方法から得られるペースト組成物は、自動車のシーリング用組成物およびアンダーコート用組成物、土木・建築分野でのシーリング材、パテ、目地止め材、クッションフロア、カーペットパッキング等の床材、ビニル壁紙、外壁塗装鋼板、サンダル、ブーツ等の成型品、ビニルレザー等に有用である。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂(A)を溶融させるとともに、該樹脂中に圧縮性流体(B)を接触させた後、得られた混合物(C)を減圧膨張させることにより得られる熱可塑性樹脂粉体(D)、可塑剤(E)及び充填剤(G)を混合することを特徴とするペースト組成物(J)の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂(A)がウレタン樹脂である請求項1記載の製造方法。
  3. 圧縮性流体(B)が超臨界状態の二酸化炭素である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記混合物(C)を得るまでの任意の前記工程において、静止型混合機を使用することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 前記混合物(C)を減圧膨張させた後、さらに形成された粉体を圧縮解除された圧縮性流体の流れから分離する工程を行う請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010077426A (ja) * 2008-08-29 2010-04-08 Sanyo Chem Ind Ltd 樹脂粒子およびその製造方法
JP2011115778A (ja) * 2009-09-15 2011-06-16 Sanyo Chem Ind Ltd 分散液の製造方法
JP2012172074A (ja) * 2011-02-22 2012-09-10 Ricoh Co Ltd 結晶性ポリエステル樹脂粒子の製造方法、結晶性ポリエステル樹脂分散液、トナー、及び現像剤
WO2013137365A1 (en) * 2012-03-13 2013-09-19 Ricoh Company, Ltd. Method for producing particles, particles, toner, developer, and image forming apparatus

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