JP2004300187A - 廃プラスチックの熱分解装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチックの廃材を、十分に溶融および熱分解して、効率的な処理を図ることができながら、装置を小型に構成して、小さな設置面積で設置することのできる、廃プラスチックの熱分解装置を提供すること。
【解決手段】溶融部3の第1溶融シリンダ部16および第2溶融シリンダ部17を直列に接続し、熱分解部5の第1熱分解シリンダ部30および第2熱分解シリンダ部33を直列に接続し、これらを互いに所定間隔を隔てて平行状に対向配置して、第2溶融シリンダ部17の下流側端部と第1熱分解シリンダ部30の上流側端部とを輸送シリンダ部24によって接続し、全体として平面視略コ字状に配置する。これによって、廃プラスチックを十分に溶融および熱分解でき、かつ、これらを直列に接続する場合に比べて長手方向における小型化を図ることができ、設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃プラスチックの熱分解装置、詳しくは、プラスチックの廃材を熱分解することによって、有用な燃料油を得るための廃プラスチックの熱分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プラスチックの廃材を熱分解するための熱分解装置として種々のものが提案されている。たとえば、特開2000−1677号公報(特許文献1)には、第1室と第2室を備え、第1室は投入部と溶解部及びその下部の貯留部とし、第2室は下部の一次分解部とその上部の二次分解部とし、溶解部と貯留部の温度を200〜300℃維持する手段、一次分解部の温度を300〜400℃に維持する手段、二次分解部の温度を400〜500℃に維持する手段、さらに第1室の貯留部の底部と一次分解室の底部とを高分子系廃棄物の溶融物が充満する位置で連通して第1室の貯留部を含んだ貯留域を形成してあり、二次分解部の上部は分解ガスの集合空間とされ、その上部から熱分解装置に連通してある、高分子系廃棄物の熱分解装置が提案されている。
【0003】
そして、特許文献1には、この高分子系廃棄物の熱分解装置によると、第1室と第2室は円筒状の構造であると共につながっており、内部に搬送装置を備えるので、高分子系廃棄物の熱分解処理を連続して効率よく行なうことができ、また、一連の一次分解処理と二次分解処理を1本の傾斜した管の内部で連続して行うので、分解装置が簡単な構造となり、高分子系廃棄物やその溶融物の搬送をスクリューフィーダーで自動的に行う高度な装置でありながら、装置全体を小型に、かつ、廉価に構成することができると記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−1677号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特許文献1に記載される熱分解装置では、溶解部に1本のフィードスクリューが設けられているのみであり、廃材が多種多様な場合には、廃材を十分に溶解できない場合がある。また、一次分解部および二次分解部にも、1本の送り上げスクリューが設けられているのみであり、また、二次分解部の温度が400〜500℃であるため、廃材が多種多様な場合には、廃材を十分に熱分解できない場合がある。
【0005】
一方、廃材を十分に溶解しようとすると、たとえば、溶解部に複数本のスクリューを設ける必要があり、また、廃材を十分に熱分解しようとすると、たとえば、溶解部に複数本のスクリューを設けて、最高温度を高くする必要がある。
【0006】
しかるに、そのように、スクリューの本数を増やすと、装置が大型化してしまい、大きな設置面積が必要となる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、プラスチックの廃材を、十分に溶融および熱分解して、効率的な処理を図ることができながら、装置を小型に構成して、小さな設置面積で設置することのできる、廃プラスチックの熱分解装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、スクリューおよびシリンダを備える溶融シリンダ部を備え、プラスチックの廃材を溶融するための溶融部と、スクリューおよびシリンダを備える熱分解シリンダ部を備え、前記溶融部において溶融された廃材を熱分解するための熱分解部とを備え、前記溶融シリンダ部と前記熱分解シリンダ部とが対向配置され、前記溶融シリンダ部における廃材の移動方向下流側端部と、前記熱分解シリンダ部における廃材の移動方向上流側端部との間には、スクリューおよびシリンダを備える搬送シリンダ部を備え、前記溶融部によって溶融された廃材を前記熱分解部に搬送するための輸送部が設けられていることを特徴としている。
【0009】
このような構成によると、溶融シリンダ部と熱分解シリンダ部とが対向配置されているので、プラスチックの廃材を十分に溶融および熱分解するために、溶融部および熱分解部において、溶融シリンダ部および熱分解シリンダ部の数を増やしても、溶融シリンダ部と熱分解シリンダ部と直列に接続する場合に比べて、長手方向における小型化を図ることができる。しかも、この構成では、溶融シリンダ部における廃材の下流側端部と熱分解シリンダ部における廃材の上流側端部とが、輸送部によって接続されているので、溶融部において溶融された廃材を、その状態で、輸送部によって熱分解部に輸送することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記溶融シリンダ部は、第1溶融温度に設定されている第1溶融シリンダ部と、前記第1溶融温度より高い第2溶融温度に設定され、前記第1溶融シリンダ部と直列に接続されている第2溶融シリンダ部とを備え、前記熱分解シリンダ部は、前記第2溶融温度より高い第1熱分解温度に設定されている第1熱分解シリンダ部と、前記第1熱分解温度より高い第2熱分解温度に設定され、前記第1熱分解シリンダ部と直列に接続されている第2熱分解シリンダ部とを備え、前記輸送部の輸送シリンダ部が、対向配置される前記溶融シリンダ部および前記熱分解シリンダ部の長手方向一方側端部において、前記第2溶融シリンダ部における廃材の移動方向下流側端部と、前記第1熱分解シリンダ部の廃材の移動方向上流側端部とを接続していることを特徴としている。
【0011】
このような構成によると、溶融部においては、第1溶融シリンダ部および第2溶融シリンダ部によって、順次、廃材を十分に溶融させることができ、その溶融された廃材を輸送シリンダ部によって熱分解部に搬送すると、熱分解部においては、第1熱分解シリンダ部および第2熱分解シリンダ部によって、順次、廃材を十分に熱分解させることができる。そのため、装置の小型化を図りつつ、効率的な処理を図ることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、少なくとも前記熱分解シリンダ部においては、前記スクリューの軸端部に、第1冷却シール部と、前記第1冷却シール部の軸方向外方に第2冷却シール部とが設けられており、前記第1冷却シール部は、前記スクリューの軸の周りに設けられる第1シール部材と、前記第1シール部材を被覆した状態で前記スクリューの軸の周りに設けられ、冷却媒体が循環される第1ジャケット部材とを備え、前記第2冷却シール部は、前記スクリューの軸の周りに設けられる第2シール部材と、前記第2シール部材を被覆した状態で前記スクリューの軸の周りに設けられ、冷却媒体が循環される第2ジャケット部材とを備えていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によると、スクリューの軸端部は、第1シール部材および第2シール部材によってシールされた状態で、第1シール部材を被覆する第1ジャケット部材および第2シール部材を被覆する第2ジャケット部材によって、二重に冷却される。そのため、熱分解シリンダ部の熱分解温度を高温に設定して、廃材の熱分解を促進しても、簡易な構成により、第1ジャケット部材および第2ジャケット部材によって、第1シール部材および第2シール部材を直接的に冷却できるとともに、スクリューの軸端部を二重に冷却することにより、第1シール部材および第2シール部材を間接的に冷却することができる。その結果、第1シール部材および第2シール部材の熱劣化を有効に防止することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の発明において、少なくとも前記熱分解シリンダ部においては、前記シリンダに熱風を供給するための熱風配管を備え、前記熱風配管は、配管と、前記配管の内周面を被覆する内側保温材と、前記配管の外周面を被覆する外側保温材と、前記外側保温材の外周面を被覆する鋼板とを備えていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、熱風配管が、配管の表裏に設けられる内側保温材および外側保温材と、それらを被覆する鋼板とによって多層構造として形成されているので、少ない熱損失で熱分解シリンダ部に熱風を供給することができる。そのため、ランニングコストを低減できながら、効率のよい熱分解を達成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の廃プラスチックの熱分解装置の一実施形態としての熱分解装置の平面図、図2は、図1におけるA−A線矢視図、図3は、図1におけるB−B線矢視図、図4は、図1の熱分解装置の配管系統図である。
【0017】
図1および図4において、この熱分解装置1は、廃材投入部2、溶融部3、搬送部4、熱分解部5、貯留部6、加熱装置73、塩素処理装置63を備えている。
【0018】
廃材投入部2は、図4に示すように、スクリューフィーダ7と、スクリューフィーダ7の廃材搬送方向における上流側(以下、上流側と省略する。)端部に接続される投入ホッパ8と、スクリューフィーダ7の廃材搬送方向における下流側(以下、下流側と省略する。)端部に接続される供給配管9と、スクリューフィーダ7における上流側端部と下流側端部との間に接続される第1消石灰タンク10とを備えている。
【0019】
スクリューフィーダ7は、供給シリンダ11と、その供給シリンダ11内に回転自在に設けられる供給スクリュー12と、供給シリンダ11の上流側端部外方に設けられ、供給スクリュー12を駆動する供給モータ13とを備えている。
【0020】
投入ホッパ8には、プラスチックの廃材(以下、廃プラスチックという。)が投入される。投入ホッパ8は、供給シリンダ11の上流側端部に接続されており、投入された廃プラスチックを供給シリンダ11内に供給する。
【0021】
供給配管9は、その上流側端部が、供給シリンダ11の下流側端部に接続され、その下流側端部が、次に述べる溶融部3の第1溶融シリンダ18の上流側端部に接続されている。この供給配管9の廃材搬送方向途中部には、開閉バルブ14と、その開閉バルブ14を挟んで2つの不活性ガス導入手段として、酸素の混入を防止するための窒素ライン15とが設けられている。
【0022】
第1消石灰タンク10は、供給シリンダ11の廃材搬送方向途中部に接続されている。第1消石灰タンク10内には、消石灰が貯留されており、その消石灰を、必要に応じて、供給シリンダ11内に投入する。
【0023】
そして、廃材投入部2では、投入ホッパ8から、供給シリンダ11内に廃プラスチックが投入されると、供給モータ13による供給スクリュー12の回転によって、その廃プラスチックが、供給配管9に向けて搬送され、必要により、第1消石灰タンク10から投入される消石灰が混合された後に、供給配管9から、次に述べる溶融部3に所定量で供給される。
【0024】
溶融部3は、第1溶融シリンダ部16と、第2溶融シリンダ部17とを備えている。
【0025】
第1溶融シリンダ部16および第2溶融シリンダ部17は、図1および図2に示すように、水平方向に配置され、廃材搬送方向において、第1溶融シリンダ部16および第2溶融シリンダ部17が、順次直列に接続されている。
【0026】
第1溶融シリンダ部16は、図4に示すように、第1溶融ケーシング97内に、シリンダとしての第1溶融シリンダ18と、その第1溶融シリンダ18内に回転自在に設けられるスクリューとしての第1溶融スクリュー19とを備え、また、第1溶融シリンダ18の上流側端部外方に設けられ、第1溶融スクリュー19を駆動する第1溶融モータ20を備えている。なお、第1溶融シリンダ18の上流側端部には、軸受装置80(後述)が設けられており、第1溶融スクリュー19は、この軸受装置80によって回転自在に支持された状態で、第1溶融モータ20と接続されている。
【0027】
第2溶融シリンダ部17は、第2溶融ケーシング98内に、シリンダとしての第2溶融シリンダ21と、その第2溶融シリンダ21内に回転自在に設けられるスクリューとしての第2溶融スクリュー22とを備え、また、第2溶融シリンダ21の下流側端部外方に設けられ、第2溶融スクリュー22を駆動する第2溶融モータ23を備えている。なお、第2溶融シリンダ21の下流側端部には、軸受装置80(後述)が設けられており、第2溶融スクリュー22は、この軸受装置80によって回転自在に支持された状態で、第2溶融モータ23と接続されている。また、第2溶融シリンダ21には、第2溶融シリンダ21内に窒素を導入するための窒素ライン15が接続されている。
【0028】
また、第1溶融シリンダ部16と第2溶融シリンダ部17とは、第1溶融シリンダ18の下流側端部と、第2溶融シリンダ21の上流側端部とが、ボルトなどによって、直接接続されている。
【0029】
また、搬送部4は、輸送シリンダ部24を備えている。この輸送シリンダ部24は、図1ないし図3に示すように、第2溶融シリンダ部17の下流側端部の下方および次に述べる第1熱分解シリンダ部30の上流側端部の側方において、平面視においてこれらと直交する方向に配置されている。
【0030】
輸送シリンダ部24は、図4に示すように、輸送ケーシング121内に、シリンダとしての輸送シリンダ25と、その輸送シリンダ25内に回転自在に設けられるスクリューとしての輸送スクリュー26とを備え、また、輸送シリンダ25の上流側端部外方に設けられ、輸送スクリュー26を駆動する輸送モータ27を備えている。なお、輸送シリンダ25の上流側端部には、軸受装置80(後述)が設けられており、輸送スクリュー26は、この軸受装置80によって回転自在に支持された状態で、輸送モータ27と接続されている。また、輸送シリンダ24には、輸送シリンダ24内に窒素を導入するための窒素ライン15が接続されている。
【0031】
また、この輸送シリンダ部24は、第2溶融シリンダ部17と第1接続配管28を介して接続されている。第1接続配管28は、その上流側端部が、第2溶融シリンダ21の下流側端部に接続され、その下流側端部が、輸送シリンダ25の上流側端部に接続されている。
【0032】
熱分解部5は、第1熱分解シリンダ部30と、貯留手段としての第1残渣貯留タンク31と、消石灰投入手段としての第2消石灰タンク32と、第2溶融シリンダ部33と、貯留手段としての第2残渣貯留タンク34と、第3残渣貯留タンク35と、消石灰投入手段としての第3消石灰タンク36とを備えている。
【0033】
第1熱分解シリンダ部30および第2熱分解シリンダ部33は、図3に示すように、その上流側端部が下方、その下流側端部が上方に向く傾斜状に配置された状態で、第1フレーム77および第2フレーム78に支持されており、廃材搬送方向において、第1熱分解シリンダ部30および第2熱分解シリンダ部33が、順次直列に接続されている。
【0034】
これによって、この熱分解装置1では、図1に示すように、直列に接続される溶融部3の第1溶融シリンダ部16および第2溶融シリンダ部17と、直列に接続される熱分解部5の第1熱分解シリンダ部30および第2熱分解シリンダ部33とが、互いに所定間隔を隔てて平行状に対向配置され、それらの長手方向一方側端部において、輸送部3の輸送シリンダ部24が、これらの間において、これらと直交する方向に配置されており、その結果、これら全体として平面視略コ字状に配置されている。
【0035】
第1熱分解シリンダ部30は、図4に示すように、第1熱分解ケーシング99内に、シリンダとしての第1熱分解シリンダ37と、その第1熱分解シリンダ37内に回転自在に設けられるスクリューとしての第1熱分解スクリュー38とを備え、また、第1熱分解シリンダ37の下流側端部外方に設けられ、第1熱分解スクリュー38を駆動する逆回転手段としての第1熱分解モータ39を備えている。なお、第1熱分解シリンダ37の下流側端部には、軸受装置80(後述)が設けられており、第1熱分解スクリュー38は、この軸受装置80によって回転自在に支持された状態で、第1熱分解モータ39と接続されている。また、第1熱分解シリンダ37には、第1熱分解シリンダ37内に窒素を導入するための窒素ライン15が接続されている。
【0036】
また、この第1熱分解シリンダ部30は、輸送シリンダ部24と、第2接続配管29を介して接続されている。第2接続配管29は、その上流側端部が、輸送シリンダ25の下流側端部に接続され、その下流側端部が、第1熱分解シリンダ37の上流側端部に接続されている。なお、第2接続配管29は、より具体的には、フランジ管継手として構成されている。そのため、輸送シリンダ25の下流側端部と、第1熱分解シリンダ37の上流側端部とは、ほぼ直接接続されるように構成されている。
【0037】
第1残渣貯留タンク31は、図3および図4に示すように、第1熱分解シリンダ37の上流側端部に、第1残渣配管40を介して接続されている。また、この第1残渣貯留タンク31には、第1残渣貯留タンク31内に窒素を導入するための窒素ライン15が接続されている。
【0038】
また、第2消石灰タンク32は、第1熱分解シリンダ37の廃材搬送方向途中部に接続されている。第2消石灰タンク32内には、消石灰が貯留されており、その消石灰を、必要に応じて、第1熱分解シリンダ37内に投入する。また、この第2消石灰タンク32には、第2消石灰タンク32内に窒素を導入するための窒素ライン15が接続されている。
【0039】
第2熱分解シリンダ部30は、図4に示すように、第2熱分解ケーシング100内に、シリンダとしての第2熱分解シリンダ41と、その第2熱分解シリンダ41内に回転自在に設けられるスクリューとしての第2熱分解スクリュー42とを備え、また、第2熱分解シリンダ41の下流側端部外方に設けられ、第2熱分解スクリュー42を駆動する逆回転手段としての第2熱分解モータ43を備えている。なお、第2熱分解シリンダ41の下流側端部には、軸受装置80(後述)が設けられており、第2熱分解スクリュー42は、この軸受装置80によって回転自在に支持された状態で、第2熱分解モータ43と接続されている。また、第2熱分解シリンダ41には、第2熱分解シリンダ41内に窒素を導入するための窒素ライン15が接続されている。
【0040】
また、この第2熱分解シリンダ部33は、第1熱分解シリンダ部30と、第3接続配管44を介して接続されている。第3接続配管44は、その上流側端部が、第1熱分解シリンダ37の下流側端部に接続され、その下流側端部が、第2熱分解シリンダ41の上流側端部に接続されている。
【0041】
第2残渣貯留タンク34は、図3および図4に示すように、第2熱分解シリンダ41の上流側端部に、第2残渣配管45を介して接続されている。また、この第2残渣貯留タンク34には、第2残渣貯留タンク34内に窒素を導入するための窒素ライン15が接続されている。
【0042】
第3残渣貯留タンク35は、図3および図4に示すように、第2熱分解シリンダ41の下流側端部に、第3残渣配管46を介して接続されている。また、この第3残渣貯留タンク35には、第3残渣貯留タンク35内に窒素を導入するための窒素ライン15が接続されている。
【0043】
また、第3消石灰タンク36は、第2熱分解シリンダ41の廃材搬送方向途中部に接続されている。第3消石灰タンク36内には、消石灰が貯留されており、その消石灰を、必要に応じて、第2熱分解シリンダ41内に投入する。また、この第3消石灰タンク36には、第3消石灰タンク36内に窒素を導入するための窒素ライン15が接続されている。
【0044】
貯留部6は、第1貯留タンク68および第2貯留タンク69を備えている。第1貯留タンク68は、第1分解ガス配管70を介して、第1熱分解シリンダ37の下流側端部に接続されている。また、第2貯留タンク69は、第2分解ガス配管71を介して、第2熱分解シリンダ41の下流側端部に接続されている。また、第1分解ガス配管70および第2分解ガス配管71の途中部には、コンデンサ66と、そのコンデンサ66の上流側において触媒フィルタ67が、それぞれ介装されている。
【0045】
加熱装置73は、図1および図4に示すように、第1バーナ47、第2バーナ48、第3バーナ49および第4バーナ50を備えている。
【0046】
第1バーナ47は、第1熱風供給配管51および第1熱風戻り配管52を介して第1溶融シリンダ18と接続されている。第1熱風供給配管51は、その一端部が第1バーナ47に接続され、その他端部が第1溶融シリンダ18の下流側端部に接続されている。また、第1熱風戻り配管52は、その一端部が第1溶融シリンダ18の上流側端部に接続され、その他端部が第1バーナ47に接続されている。また、第1熱風戻り配管52の途中部には、第1ブロワ53が介装されている。なお、第1熱風戻り配管52の途中部における第1ブロワ53の上流側には、外気導入フィルタ76が設けられている。
【0047】
そして、第1ブロワ53によって送風されるエアは、第1バーナ47において加熱され、第1熱風供給配管51から、熱風となって第1溶融シリンダ18の下流側端部において、その第1溶融シリンダ18内に供給される。第1溶融シリンダ18内に供給された熱風は、第1溶融シリンダ18内を上流側に向かい、第1溶融シリンダ18の上流側端部から第1熱風戻り配管52に排出される。第1熱風戻り配管52に排出された熱風は、第1熱風戻り配管52から、第1ブロワ53を介して第1バーナ47に戻り、再び、第1熱風供給配管51から第1溶融シリンダ18内に供給され、上記した経路において循環される。
【0048】
そして、第1バーナ47は、このような熱風の循環により、第1溶融シリンダ18内の温度が、たとえば、200℃以上300℃未満となる第1溶融温度が保持されるように制御されている。
【0049】
第2バーナ48は、第2熱風供給配管54および第2熱風戻り配管55を介して第2溶融シリンダ21および輸送シリンダ25と接続されている。第2熱風供給配管54は、その一端部が第2バーナ48に接続され、その他端部が2つに分岐され、一方の第2熱風供給配管54aが、第2溶融シリンダ21の下流側端部に接続されている。また、他方の第2熱風供給配管54bが、輸送シリンダ25の下流側端部に接続されている。また、第2熱風戻り配管55は、その一端部が2つに分岐され、一方の第2熱風戻り配管55aが、第2溶融シリンダ21の上流側端部に接続されている。また、他方の第2熱風戻り配管55bが、輸送シリンダ25の上流側端部に接続されている。また、第2熱風戻り配管55の他端部が第2バーナ48に接続されている。また、第2熱風戻り配管55の途中部には、第2ブロワ56が介装されている。なお、第2熱風戻り配管55の途中部における第2ブロワ56の上流側には、外気導入フィルタ76が設けられている。
【0050】
そして、第2ブロワ56によって送風されるエアは、第2バーナ48において加熱され、第2熱風供給配管54から分岐される一方の第2熱風供給配管54aから熱風となって第2溶融シリンダ21の下流側端部において、その第2溶融シリンダ21内に供給される。第2溶融シリンダ21内に供給された熱風は、第2溶融シリンダ21内を上流側に向かい、第2溶融シリンダ21の上流側端部から一方の第2熱風戻り配管55aに排出される。また、第2ブロワ56によって送風されるエアは、第2バーナ48において加熱され、第2熱風供給配管54から分岐される他方の第2熱風供給配管54bから熱風となって輸送シリンダ25の下流側端部において、その輸送シリンダ25内に供給される。輸送シリンダ25内に供給された熱風は、輸送シリンダ25内を上流側に向かい、輸送シリンダ25の上流側端部から他方の第2熱風戻り配管55bに排出される。一方の第2熱風戻り配管55aおよび他方の第2熱風戻り配管55bに排出された熱風は、第2熱風戻り配管55から、第2ブロワ56を介して第2バーナ47に戻り、再び、第2熱風供給配管54から分岐して、第2溶融シリンダ21内および輸送シリンダ25内に供給され、上記した経路において循環される。
【0051】
そして、第2バーナ48は、このような熱風の循環により、第2溶融シリンダ21内および輸送シリンダ25内の温度が、第1溶融シリンダ18内の第1溶融温度よりも高い、たとえば、300℃以上400℃未満となる第2溶融温度が保持されるように制御されている。
【0052】
第3バーナ49は、熱風配管としての第3熱風供給配管57および第3熱風戻り配管58を介して第1熱分解シリンダ37と接続されている。第3熱風供給配管57は、その一端部が第3バーナ49に接続され、その他端部が第1熱分解シリンダ37の下流側端部に接続されている。また、第3熱風戻り配管58は、その一端部が第1熱分解シリンダ37の上流側端部に接続され、その他端部が第3バーナ49に接続されている。また、第3熱風戻り配管58の途中部には、第3ブロワ59が介装されている。なお、第3熱風戻り配管58の途中部における第3ブロワ59の上流側には、外気導入フィルタ76が設けられている。
【0053】
そして、第3ブロワ59によって送風されるエアは、第3バーナ49において加熱され、第3熱風供給配管57から、熱風となって第1熱分解シリンダ37の下流側端部において、その第1熱分解シリンダ37内に供給される。第1熱分解シリンダ37内に供給された熱風は、第1熱分解シリンダ37内を上流側に向かい、第1熱分解シリンダ37の上流側端部から第3熱風戻り配管58に排出される。第3熱風戻り配管58に排出された熱風は、第3熱風戻り配管58から、第3ブロワ59を介して第3バーナ49に戻り、再び、第3熱風供給配管57から第1熱分解シリンダ37内に供給され、上記した経路において循環される。
【0054】
そして、第3バーナ49は、このような熱風の循環により、第1熱分解シリンダ37内の温度が、第2溶融シリンダ21内の第2溶融温度よりも高い、たとえば、400℃以上500℃未満となる第1熱分解温度が保持されるように制御されている。
【0055】
第4バーナ50は、熱風配管としての第4熱風供給配管60および第4熱風戻り配管61を介して第2熱分解シリンダ41と接続されている。第4熱風供給配管60は、その一端部が第4バーナ50に接続され、その他端部が第2熱分解シリンダ41の下流側端部に接続されている。また、第4熱風戻り配管61は、その一端部が第2熱分解シリンダ41の上流側端部に接続され、その他端部が第4バーナ50に接続されている。また、第4熱風戻り配管61の途中部には、第4ブロワ62が介装されている。なお、第4熱風戻り配管61の途中部における第4ブロワ62の上流側には、外気導入フィルタ76が設けられている。
【0056】
そして、第4ブロワ62によって送風されるエアは、第4バーナ50において加熱され、第4熱風供給配管60から、熱風となって第2熱分解シリンダ41の下流側端部において、その第2熱分解シリンダ41内に供給される。第2熱分解シリンダ41内に供給された熱風は、第2熱分解シリンダ41内を上流側に向かい、第2熱分解シリンダ41の上流側端部から第4熱風戻り配管61に排出される。第4熱風戻り配管61に排出された熱風は、第4熱風戻り配管61から、第4ブロワ62を介して第4バーナ50に戻り、再び、第4熱風供給配管60から第2熱分解シリンダ41内に供給され、上記した経路において循環される。
【0057】
そして、第4バーナ50は、このような熱風の循環により、第2熱分解シリンダ41内の温度が、第1熱分解シリンダ37内の第1熱分解温度よりも高い、たとえば、500℃以上600℃以下となる第2熱分解温度が保持されるように制御されている。
【0058】
なお、第1熱風戻り配管52の途中部における第1ブロワ53の下流側と、第2熱風戻り配管55の途中部における第2ブロワ56の下流側と、第3熱風戻り配管58の途中部における第3ブロワ59の下流側と、第4熱風戻り配管61の途中部における第4ブロワ62の下流側とには、排気配管79が接続されている。
【0059】
塩素処理装置63には、冷却筒64が接続されており、その冷却筒64に塩素回収ライン65が接続されている。塩素回収ライン65は、その一端部が冷却筒64に接続され、その他端部が分岐され、第1溶融シリンダ18、第2溶融シリンダ21および輸送シリンダ25にそれぞれ接続されている。
【0060】
そして、この熱分解装置1では、廃材投入部2の供給配管9から所定量で供給された廃プラスチックは、次のように処理される。
【0061】
すなわち、供給配管9から所定量で供給された廃プラスチックは、まず、第1溶融シリンダ部16において、第1溶融シリンダ18の上流側端部に供給される。第1溶融シリンダ18に供給された廃プラスチックは、第1溶融モータ20の正回転により駆動される第1溶融スクリュー19によって、第1溶融シリンダ18を上流側から下流側に向かって、溶融されながら搬送され、次いで、第1溶融シリンダ18の下流側端部に至ると、そのまま第2溶融シリンダ部17の第2溶融シリンダ21の上流側端部に供給される。そして、第2溶融シリンダ部17において、第2溶融シリンダ21に供給された溶融状態の廃プラスチックは、第2溶融モータ23の正回転により駆動される第2溶融スクリュー22によって、第2溶融シリンダ21を上流側から下流側に向かって、さらに溶融されながら搬送され、その後、第2溶融シリンダ21の下流側端部から、第1接続配管28を介して搬送部4の搬送シリンダ部24の搬送シリンダ25の上流側端部に供給される。
【0062】
搬送シリンダ部24において、搬送シリンダ25に供給された溶融状態の廃プラスチックは、搬送モータ27の正回転により駆動される搬送スクリュー26によって、搬送シリンダ25を上流側から下流側に向かって、その溶融状態が保持されながら搬送され、その後、搬送シリンダ25の下流側端部から、第2接続配管29を介して熱分解部5の第1熱分解シリンダ部30の第1熱分解シリンダ37の上流側端部に供給される。
【0063】
そして、第1熱分解シリンダ部30において、第1熱分解シリンダ37に供給された溶融状態の廃プラスチックは、第1熱分解モータ39の正回転により駆動される第1熱分解スクリュー38によって、第1熱分解シリンダ37を上流側から下流側に向かって、熱分解されながら搬送され、その後、第1熱分解シリンダ37の下流側端部から、熱分解によって生じたガスが、第1分解ガス配管70に流出され、熱分解されずに残存する溶融状態の廃プラスチックが、第3接続配管44を介して第2熱分解シリンダ部33の第2熱分解シリンダ41の上流側端部に供給される。
【0064】
そして、第1分解ガス配管70に流出された分解ガスは、触媒フィルタ67によって接触分解・改質され、次いで、コンデンサ66において凝縮により油化(液化)された後、第1貯留タンク68に溜められる。
【0065】
一方、第2熱分解シリンダ部33において、第2熱分解シリンダ41に供給された熱分解されずに残存する溶融状態の廃プラスチックは、第2熱分解モータ43の正回転により駆動される第2熱分解スクリュー42によって、第2熱分解シリンダ41を上流側から下流側に向かって、熱分解されながら搬送され、その後、第2熱分解シリンダ41の下流側端部から、熱分解によって生じたガスが、第2分解ガス配管71に流出され、熱分解されずに残存する残渣が、第3残渣配管46を介して第3残渣貯留タンク35に排出される。
【0066】
そして、第2分解ガス配管71に流出された分解ガスは、触媒フィルタ67によって接触分解・改質され、次いで、コンデンサ66において凝縮により油化(液化)された後、第2貯留タンク69に溜められる。
【0067】
また、このような処理において、この熱分解装置1では、第1溶融シリンダ18、第2溶融シリンダ21および輸送シリンダ25において、溶融途中部の廃プラスチックから発生する塩素ガス(塩化ビニルなどの塩素含有樹脂が廃プラスチックに含まれている場合に発生する塩素ガス)が、塩素回収ライン65から回収され、冷却筒64においてガスに含まれる油分を除去後、塩素処理装置63において処理される。なお、塩素処理装置63は、公知のものであって、塩素ガスを水に溶解して、塩酸として回収するものである。また、苛性ソーダと中和させて食塩水として回収することもできる。
【0068】
また、このような処理において、この熱分解装置1では、各窒素ライン15から、供給配管9を介して第1溶融シリンダ内に、また、直接、第2溶融シリンダ21内、輸送シリンダ25内、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内に窒素が導入されている。そのため、廃プラスチックの溶融および熱分解を、窒素雰囲気下で実施することができる。その結果、第1溶融シリンダ内、第2溶融シリンダ21内、輸送シリンダ25内、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内において、酸化反応を抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。
【0069】
なお、各窒素ライン15は、窒素発生装置72(図1および図2参照)に接続されており、その窒素発生装置72から、供給配管9、第2溶融シリンダ21、輸送シリンダ25、第1熱分解シリンダ37および第2熱分解シリンダ41に配管されている。また、この窒素ライン15は、上記したように、第2消石灰タンク32、第3消石灰タンク36、第1残渣貯留タンク31、第2残渣貯留タンク34、第3残渣貯留タンク35にも配管されているので、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内における、より確実な窒素の封入が図られている。
【0070】
なお、窒素発生装置72には、空気圧縮機72a(図1および図2参照)が接続されており、その空気圧縮機72aの駆動によって、窒素発生装置72から窒素ライン15に窒素ガスが供給されている。
【0071】
また、このような処理において、この熱分解装置1では、廃材供給部2においては、第1消石灰タンク10から供給シリンダ11内へ、熱分解部5においては、第2消石灰タンク32から第1熱分解シリンダ37内および第3消石灰タンク36から第2熱分解シリンダ41内へ、それぞれ消石灰を投入して廃プラスチックに混合させることができる。そのため、廃プラスチックに含まれている塩素含有樹脂の分解を促進することができ、また、発生する塩素を塩化カルシウムの残渣としてトラップすることができ、さらに、酸化反応熱を抑制することができる。
【0072】
とりわけ、この熱分解装置1では、溶融部3の第1溶融シリンダ18および第2溶融シリンダ21には、塩素回収ライン65が接続されている一方で、熱分解部5の第1熱分解シリンダ37および第2熱分解シリンダ41には、塩素がほとんど発生しないため、塩素回収ライン65が接続されていないが、第2消石灰タンク32および第3消石灰タンク3から、消石灰を、それぞれ第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内に投入することによって、第1熱分解シリンダ37および第2熱分解シリンダ41において、少量の残存発生する塩素を効率よく残渣として回収することができる。
【0073】
なお、第1消石灰タンク10、第2消石灰タンク32および第3消石灰タンク36からの消石灰の投入は、処理する廃プラスチックの種類や処理量などに応じて、そのタイミングおよび投入量を適宜決定すればよく、また、常時、定量的に自動で投入することができる。
【0074】
そして、このような熱分解装置1では、直列に接続される溶融部3の第1溶融シリンダ部16および第2溶融シリンダ部17と、直列に接続される熱分解部5の第1熱分解シリンダ部30および第2熱分解シリンダ部33とが、互いに所定間隔を隔てて平行状に対向配置されている。そのため、廃プラスチックを十分に溶融および熱分解するために、溶融部3において、2つの第1溶融シリンダ部16および第2溶融シリンダ部17を設け、また、熱分解部5において、2つの第1熱分解シリンダ部30および第2熱分解シリンダ部33を設けても、これら第1溶融シリンダ部16、第2溶融シリンダ部17、第1熱分解シリンダ部30および第2熱分解シリンダ部33を直列に接続する場合に比べて、長手方向における小型化を図ることができ、設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0075】
そして、この熱分解装置1において、溶融部3においては、200℃以上300℃未満で廃プラスチックを溶解する第1溶融シリンダ部16と、300℃以上400℃未満で廃プラスチックを溶解する第2溶融シリンダ部17とによって、順次、廃プラスチックを十分に溶融させることができる。そして、その溶融された廃プラスチックを輸送シリンダ部24によって熱分解部5に搬送すると、熱分解部5においては、400℃以上500℃未満で廃プラスチックを熱分解する第1熱分解シリンダ部30と、500℃以上600℃以下で廃プラスチックを熱分解する第2熱分解シリンダ部33とによって、順次、廃プラスチックを十分に熱分解させることができる。そのため、効率的な処理を図ることができる。
【0076】
しかも、この熱分解装置1では、輸送部4の輸送シリンダ部24が、第2溶融シリンダ部17と同じ第2溶融温度に設定されており、かつ、第2溶融シリンダ部17の下流側端部と、第1熱分解シリンダ部30の上流側端部とを接続しているので、溶融部3において溶融された廃プラスチックを、そのままの溶融状態で、輸送シリンダ部24から第1熱分解シリンダ部30に輸送することができるので、熱効率のよい処理を達成することができる。
【0077】
また、この熱分解装置1では、熱分解部5において、第1熱分解シリンダ37内の第1熱分解温度、および、第2熱分解シリンダ41の第2熱分解温度が高温となるため、第1熱分解スクリュー38や第2熱分解スクリュー42を回転自在に支持するための軸受において、シール部材の熱劣化が不可避となる。
【0078】
しかし、この熱分解装置1では、軸受として、図5に示す軸受装置80が装備されているので、シール部材の熱劣化が有効に防止されている。なお、図5は、第1熱分解シリンダ部30に設けられている軸受装置80を示しているが、第2熱分解シリンダ部33に設けられている軸受装置80も同様の構成を備えている。
【0079】
すなわち、図5において、この軸受装置80は、第1熱分解シリンダ部30の下流側端部において、第1熱分解モータ39に接続されている第1熱分解スクリュー38の軸端部81(以下、スクリュー軸端部81とする。)の途中部(つまり、スクリュー軸端部81における後述するシリンダ下流側端部102と第1熱分解モータ39との間)に設けられており、第1冷却シール部82と、第2冷却シール部83とを備えている。
【0080】
第1冷却シール部82は、スクリュー軸端部81の周りに設けられる第1シール部材84と、第1シール部材84を被覆した状態でスクリュー軸端部81の周りに設けられ、冷却媒体としての冷却水が循環される第1ジャケット部材85とを備えている。また、第1ジャケット部材85は、冷却水の循環通路となる循環部材95と、その循環部材95を閉鎖する閉鎖部材96とを備えている。
【0081】
循環部材96は、スクリュー軸端部81が挿通される挿通孔が形成される円板状の内壁88(内壁88の外径が、後述するケーシング下流側端部101の内径よりやや小径とされ、挿通孔の内径が、スクリュー軸端部81の外径よりやや大径とされている。)と、その内壁88の周縁部から軸方向(スクリュー軸端部81の軸方向、以下同様。)外方に向かって延びる筒状の周側壁89と、周側壁89の軸方向外方端部から径方向(第1熱分解スクリュー38の径方向、以下同様。)外方に向かって延びる鍔状のフランジ壁90と、内壁88の挿通孔からスクリュー軸端部81の外周面に沿って軸方向外方に延びる筒状の挿通壁91とが一体的に形成されている。また、挿通壁91の軸方向外方端部には、第1シール部材84を受け入れる環状の第1シール部材収容部92が、スクリュー軸端部81の外周面と所定間隔を隔てる段部として形成されている。また、周側壁89には、冷却水を給水するための第1給水配管93と、冷却水を排水するための第1排水配管94とが接続されている。
【0082】
そして、この循環部材96は、挿通壁91においてスクリュー軸端部81を挿通した状態において、第1熱分解シリンダ部30の第1熱分解ケーシング99の下流側端部101(以下、ケーシング下流側端部101とする。)の端面に、フランジ壁90がボルトにより固定され、内壁88に第1熱分解シリンダ37のシリンダ下流側端部102(以下、シリンダ下流側端部102とする。)がボルトにより固定されている。
【0083】
なお、このように循環部材96が装着された状態において、第1給水配管93および第1排水配管94は、軸方向外方に向かって湾曲形成され、シリンダ下流側端部81およびフランジ壁90を貫通して、クーリングタワー74(図1)に接続されている。
【0084】
第1シール部材84は、循環部材96の第1シール部材収容部92内において、スクリュー軸端部81の軸周りに設けられている。この第1シール部材84は、スクリュー軸端部81の軸周りに設けられる2つのグランドパッキン86と、そのグランドパッキン86と軸方向外方において密着状に隣り合うパッキン押さえ87からなる。
【0085】
また、閉鎖部材96は、スクリュー軸端部81が挿通される挿通孔が形成される円板状(外径が、内壁88の外径より大径とされ、挿通孔の内径が、スクリュー軸端部81の外径よりやや大径とされている。)をなし、挿通孔においてスクリュー軸端部81を挿通した状態において、ケーシング下流側端部101に固定されているフランジ壁90にボルトにより固定されるとともに、挿通壁91の第1シール部材収容部92の軸方向外方端面にボルトにより固定されている。
【0086】
また、閉鎖部材96とフランジ壁90との間、および、閉鎖部材96と第1シール部材収容部92の軸方向外方端面との間には、それぞれOリング103が介装されている。
【0087】
そして、この第1冷却シール部82では、冷却水が、第1給水配管93から循環部材96の内部空間(内壁88、周側壁89、挿通壁91、閉鎖部材96によって形成される内部空間)に給水され、第1排水配管94から排水されるように循環されると、その冷却水による冷却によって、スクリュー軸端部81および第1シール部材84が冷却される。
【0088】
また、第2冷却シール部83は、第2冷却シール部82に対してスクリュー軸端部81の軸方向外方に隣り合って設けられており、スクリュー軸端部81の周りに設けられる第2シール部材104と、第1シール部材104を被覆した状態でスクリュー軸端部81の周りに設けられ、冷却水が循環される第2ジャケット部材105とを備えている。
【0089】
第2ジャケット部材105は、円筒状の冷却筒106と、その冷却筒106の長手方向を両端部を閉鎖する第1側板107および第2側板108とを備えている。
【0090】
冷却筒106は、筒状本体109と、第1側板107と対向するフランジ板110と、フランジ板110と筒状本体109を挟んで軸方向における反対側には、第2側板108が一体的に形成されている。
【0091】
筒状本体109には、冷却水を給水するための第2給水配管111と、冷却水を排水するための第1排水配管112とが接続されている。
【0092】
第2側板108は、スクリュー軸端部81が挿通される挿通孔が形成される円板状(外径が、筒状本体109より大径とされ、挿通孔の内径が、スクリュー軸端部81の外径よりやや大径とされている。)をなし、軸方向外方面側における挿通孔の周りには、厚肉の円板状に形成される第2シール支持部117が一体的に設けられている。この第2シール支持部117におけるスクリュー軸端部81と対向する内周面には、後述する第2オイルシール118を収容するための環状の第2オイルシール収容溝117が形成されている。
【0093】
第1側板107は、スクリュー軸端部81が挿通される挿通孔が形成される円板状(外径が、フランジ板110と同径とされ、挿通孔の内径が、スクリュー軸端部81の外径よりやや大径とされている。)をなし、軸方向外方面側における挿通孔の周りには、厚肉の円板状に形成される第1シール支持部114が一体的に設けられている。この第1シール支持部114におけるスクリュー軸端部81と対向する内周面には、後述する第1オイルシール113を収容するための環状の第1オイルシール収容溝115が形成されている。
【0094】
第2シール部材104は、第1オイルシール収容溝115に収容される第1オイルシール113と、第2オイルシール収容溝117に収容される第2オイルシール118とを備えている。
【0095】
そして、第2冷却シール部83は、第1側板107を、その挿通孔にスクリュー軸端部81を挿通した状態で、閉鎖部材96に対向配置し、第1オイルシール収容溝115に第1オイルシール113を収容して、これを、円板状(外径が、第1シール支持部114と同径とされ、内径が、スクリュー軸端部81の外径よりやや大径とされている。)の閉鎖板120をスクリュー軸端部81を挿通した状態で第1シール支持部114にボルトにより固定することによって、これら第1シール支持部114と閉鎖板120とで第1オイルシール113を挟持状に被覆し、また、第1側板107と筒状本体109のフランジ板110とのボルトによって固定し、さらに、第2側板108の第2オイルシール収容溝117に第2オイルシール118を収容してこれを、その軸方向外方から、ベアリング部材119をスクリュー軸端部81を挿通した状態で第2シール支持部116に固定することによって、これら第2シール支持部116とベアリング部材119とで第2オイルシール118を挟持状に被覆している。
【0096】
そして、この第2冷却シール部83では、冷却水が、第2給水配管111から筒状本体109の内部空間(筒状本体109、第1側板107および第2側板108によって形成される内部空間)に給水され、第2排水配管112から排水されるように循環されると、その冷却水による冷却によって、スクリュー軸端部81および第2シール部材104、すなわち、第1オイルシール113および第2オイルシール118が冷却される。
【0097】
このような軸受装置80によれば、スクリュー軸端部81は、第1シール部材84および第2シール部材104によってシールされた状態で、第1シール部材84を被覆する第1ジャケット部材85および第2シール部材104を被覆する第2ジャケット部材105によって、二重に冷却される。そのため、第1熱分解シリンダ部30および第2熱分解シリンダ部33の熱分解温度を高温に設定して、廃プラスチックの熱分解を促進しても、簡易な構成により、第1ジャケット部材85および第2ジャケット部材105によって、第1シール部材84および第2シール部材104を直接的に冷却できるとともに、スクリュー軸端部81を二重に冷却することにより、第1シール部材84および第2シール部材104を間接的に冷却することができる。その結果、第1シール部材84および第2シール部材104の熱劣化を有効に防止することができる。
【0098】
また、より具体的には、この軸受装置80によれば、スクリュー軸端部81の温度を、約300〜400℃低下させることができる。
【0099】
なお、この熱分解装置1においては、溶融部3において、第1溶融スクリュー19の軸端部および第2溶融スクリュー22の軸端部にも、同様の構成の軸受装置80が設けられている。
【0100】
また、この熱分解装置1では、上記した第1給水配管93、第1排水配管94、第2給水配管111および第2排水配管112が、クーリングタワー74(図1参照)に接続されている。クーリングタワー74には、クーリングポンプ75(図1参照)が接続されており、そのクーリングポンプ75の駆動によって、クーリングタワー74内の冷却水が、クーリングタワー74から第1給水配管93および第2給水配管111に出水され、第1排水配管94および第2排水配管112からクーリングタワー74に入水されるように循環される。
【0101】
また、この熱分解装置1では、熱分解部5において、第1熱分解シリンダ37内に熱風を供給する第3熱風供給配管57、および、第2熱分解シリンダ41内に熱風を供給する第4熱風供給配管60は、熱風を高温で保持する必要がある。
【0102】
そのため、これら第3熱風供給配管57および第4熱風供給配管60は、図6に示すように、多層構造の断熱配管122として形成されている。
【0103】
すなわち、図6において、この断熱配管122は、配管123と、その配管123の内周面を被覆する内側保温材124と、その配管123の外周面を被覆する外側保温材125と、外側保温材125の外周面を被覆する鋼板126とを備えている。
【0104】
より具体的には、配管123は、筒状の金属管からなり、この断熱配管122では、その配管123の内周面に、たとえば、厚さが25mm程度のウエットフェルトからなる内側保温材124が被覆されており、また、その配管123の外周面に、たとえば、厚さが50mm程度のイソウールからなる第1外側保温材125aが被覆され、その第1外側保温材125aの外周面に、たとえば、厚さが50mm程度のロックウールからなる第2外側保温材125bが被覆されている。そして、この断熱配管122では、さらに、第2外側保温材125bの外周面に鋼板126が巻回されている。
【0105】
第3熱風供給配管57および第4熱風供給配管60を、このような断熱配管122によって構成すれば、少ない熱損失で、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内に熱風を供給することができる。そのため、ランニングコストを低減できながら、効率のよい熱分解を達成することができる。
【0106】
また、この熱分解装置1では、熱分解部5において、最後まで熱分解しきれなかった残渣(金属部材や耐熱性部材などを含む)は、第2熱分解スクリュー42の送り出しによって、第3残渣配管46を介して第3残渣貯留タンク35に送られるが、第1熱分解シリンダ37内や第2熱分解シリンダ41内には、第1熱分解スクリュー38や第2熱分解スクリュー42によって搬送方向に搬送しきれない残渣が滞留して、熱分解効率の低下を生じさせる場合がある。
【0107】
そのため、この熱分解装置1では、第1熱分解モータ39および第2熱分解モータ43を逆回転させて、第1熱分解スクリュー38および第2熱分解スクリュー42を搬送方向と逆回転させることにより、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内に滞留する残渣を、第1熱分解シリンダ37および第2熱分解シリンダ41の上流側端部に向けて搬送し、第1熱分解シリンダ37および第2熱分解シリンダ41の上流側端部に設けられた第1残渣貯留タンク31および第2残渣貯留タンク34に排出できるように構成されている。
【0108】
このようにすれば、第1熱分解スクリュー38および第2熱分解スクリュー42が、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内に滞留する残渣を、重力方向である第1熱分解シリンダ37および第2熱分解シリンダ41の上流側端部に向けて、掻き落としながら搬送することができるので、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内に滞留する残渣を、効率よく除去することができる。そして、第1熱分解シリンダ37および第2熱分解シリンダ41の上流側端部に搬送された残渣は、それぞれ第1残渣配管40および第2残渣配管45を介して、第1残渣貯留タンク31および第2残渣貯留タンク34において受けられ、それら第1残渣貯留タンク31および第2残渣貯留タンク34において貯留される。
【0109】
また、このようにして、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内に滞留する残渣を除去すれば、第1熱分解モータ39および第2熱分解モータ43を逆回転させて、第1熱分解スクリュー38および第2熱分解スクリュー42を搬送方向と逆回転させるのみによって、残渣を第1熱分解シリンダ37および第2熱分解シリンダ41の上流側端部に向けて搬送しているので、簡易な構成によって、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内に滞留する残渣を効率よく除去することができる。
【0110】
また、このように、第1熱分解モータ39および第2熱分解モータ43を逆回転させて、第1熱分解スクリュー38および第2熱分解スクリュー42を搬送方向と逆回転させることによって、残渣を第1熱分解シリンダ37および第2熱分解シリンダ41の上流側端部に向けて搬送すれば、装置全体を停止せずとも、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内への廃プラスチックの供給を停止すれば、残渣除去の処理を実施することができる。そのため、連続運転中においても、残渣除去の処理を実施することができ、装置の稼働率の向上を図ることができる。
【0111】
その結果、効率のよい残渣の除去を達成することができ、効率のよい廃プラスチックの熱分解を達成することができる。
【0112】
しかも、このような残渣の除去においては、第2消石灰タンク32および第3消石灰タンク3から、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内に投入される消石灰も、残渣とともに除去することができるので、第2消石灰タンク32および第3消石灰タンク3からの消石灰の投入量を増大させて、より効率的な熱分解と塩素のトラップを図ることができる。なお、この熱分解装置1では、このように熱分解を促進しても、上記したように、第1熱分解シリンダ37内および第2熱分解シリンダ41内が窒素雰囲気とされているので、酸化反応を有効に抑制することができる。
【0113】
また、第1残渣貯留タンク31および第2残渣貯留タンク34は、図7に示すように、貯留部としてのタンク部128と、第1残渣配管40または第2残渣配管45に着脱自在に装着可能なジョイント部129とを備える貯留タンク127として構成されているので、連続処理を確保している。
【0114】
すなわち、図7において、この貯留タンク127は、タンク部128と、第1残渣配管40または第2残渣配管45に接続されるジョイント部129とを備えている。
【0115】
タンク部128は、上方が開放されたボックス状をなし、外壁131と内壁132との間に断熱材133が挟持される断熱二重構造として形成されている。また、タンク部128の底部には、円滑な移動を確保すべく、キャスタ34が設けられている。また、タンク部128の上方開放部には、上蓋130が設けられている。この上蓋130には、その中央部に、ジョイント部129と接合するためのタンク部128の内部に連通する接合筒部135と、その両側部に、窒素ライン15に接続される窒素流入管136および窒素流出管137とが一体的に形成されている。
【0116】
ジョイント部129は、上下方向に伸縮自在な蛇腹部138と、その蛇腹部138部の上端部に設けられ、第1残渣配管40または第2残渣配管45に着脱自在に装着される残渣投入口139と、その残渣投入口139を開閉するためのスライドゲート140とを備えている。
【0117】
このジョイント部129は、蛇腹部128が接合筒部135に接合されることによって、タンク部128に装着されている。
【0118】
そして、この貯留タンク127では、タンク部128が残渣で満状態になったときには、スライドゲート140を閉め、蛇腹部128を縮めて第1残渣配管40または第2残渣配管45から残渣投入口139を抜いて、タンク部128が満状態となった貯留タンク127を、タンク部128が空状態の貯留タンク127に交換し、その空状態の貯留タンク127の蛇腹部128を伸ばして、第1残渣配管40または第2残渣配管45に接続して、スライドゲート140を開けば、迅速に貯留タンク127を交換することができる。そのため、タンク部128が満状態となる毎に残渣除去の処理を中止する必要がなく、連続処理を確保することができる。
【0119】
なお、この熱分解装置1において、第3残渣貯留タンク35も、タンク部128の容量は異なるが、この貯留タンク127と同様の構成とされている。
【0120】
なお、以上の説明において、この熱分解装置1によって熱分解できる廃プラスチックは、特に限定されず、代表的には、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂などが挙げられる。
【0121】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明によれば、装置の小型化を図ることができ、設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0122】
請求項2に記載の発明によれば、装置の小型化を図りつつ、効率的な処理を図ることができる。
【0123】
請求項3に記載の発明によれば、第1シール部材および第2シール部材の熱劣化を有効に防止することができる。
【0124】
請求項4に記載の発明によれば、ランニングコストを低減できながら、効率のよい熱分解を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃プラスチックの熱分解装置の一実施形態としての熱分解装置の平面図である。
【図2】図1におけるA−A線矢視図である。
【図3】図1におけるB−B線矢視図である。
【図4】図1の熱分解装置の配管系統図である。
【図5】図1の熱分解装置の軸受装置の要部拡大断面図である。
【図6】図1の熱分解装置において、第3熱風供給配管または第4熱風供給配管として用いられる断熱配管の要部拡大断面図である。
【図7】図1の熱分解装置において、第1残渣貯留タンクまたは第1残渣貯留タンクとして用いられる貯留タンク27の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 熱分解装置
3 溶融部
4 搬送部
5 熱分解部
16 第1溶融シリンダ部
17 第2溶融シリンダ部
18 第1溶融シリンダ
19 第1溶融スクリュー
21 第2溶融シリンダ
22 第2溶融スクリュー
24 輸送シリンダ部
25 輸送シリンダ
26 輸送スクリュー
30 第1熱分解シリンダ部
33 第2熱分解シリンダ部
37 第1熱分解シリンダ
38 第1熱分解スクリュー
41 第2熱分解シリンダ
42 第2熱分解スクリュー
57 第3熱風供給配管
60 第4熱風供給配管
80 軸受装置
81 スクリュー軸端部
82 第1冷却シール部
83 第2冷却シール部
84 第1シール部材
85 第1ジャケット部材
104 第2シール部材
105 第2ジャケット部材
122 断熱配管
123 配管
124 内側保温材
125 外側保温材
126 鋼板

Claims (4)

  1. スクリューおよびシリンダを備える溶融シリンダ部を備え、プラスチックの廃材を溶融するための溶融部と、
    スクリューおよびシリンダを備える熱分解シリンダ部を備え、前記溶融部において溶融された廃材を熱分解するための熱分解部とを備え、
    前記溶融シリンダ部と前記熱分解シリンダ部とが対向配置され、
    前記溶融シリンダ部における廃材の移動方向下流側端部と、前記熱分解シリンダ部における廃材の移動方向上流側端部との間には、スクリューおよびシリンダを備える搬送シリンダ部を備え、前記溶融部によって溶融された廃材を前記熱分解部に搬送するための輸送部が設けられていることを特徴とする、廃プラスチックの熱分解装置。
  2. 前記溶融シリンダ部は、第1溶融温度に設定されている第1溶融シリンダ部と、前記第1溶融温度より高い第2溶融温度に設定され、前記第1溶融シリンダ部と直列に接続されている第2溶融シリンダ部とを備え、
    前記熱分解シリンダ部は、前記第2溶融温度より高い第1熱分解温度に設定されている第1熱分解シリンダ部と、前記第1熱分解温度より高い第2熱分解温度に設定され、前記第1熱分解シリンダ部と直列に接続されている第2熱分解シリンダ部とを備え、
    前記輸送部の輸送シリンダ部が、対向配置される前記溶融シリンダ部および前記熱分解シリンダ部の長手方向一方側端部において、前記第2溶融シリンダ部における廃材の移動方向下流側端部と、前記第1熱分解シリンダ部の廃材の移動方向上流側端部とを接続していることを特徴とする、請求項1に記載の廃プラスチックの熱分解装置。
  3. 少なくとも前記熱分解シリンダ部には、
    前記スクリューの軸端部に、第1冷却シール部と、前記第1冷却シール部の軸方向外方に第2冷却シール部とが設けられており、
    前記第1冷却シール部は、前記スクリューの軸の周りに設けられる第1シール部材と、前記第1シール部材を被覆した状態で前記スクリューの軸の周りに設けられ、冷却媒体が循環される第1ジャケット部材とを備え、
    前記第2冷却シール部は、前記スクリューの軸の周りに設けられる第2シール部材と、前記第2シール部材を被覆した状態で前記スクリューの軸の周りに設けられ、冷却媒体が循環される第2ジャケット部材とを備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の廃プラスチックの熱分解装置。
  4. 少なくとも前記熱分解シリンダ部には、
    前記シリンダに熱風を供給するための熱風配管が設けられ、
    前記熱風配管は、配管と、前記配管の内周面を被覆する内側保温材と、前記配管の外周面を被覆する外側保温材と、前記外側保温材の外周面を被覆する鋼板とを備えていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の廃プラスチックの熱分解装置。
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