JP2004299480A - ダクト一体型インストルメントパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に且つ安価に製造することができ、リサイクル性に優れたダクト一体型インストルメントパネルを提供する。
【解決手段】オレフィン系樹脂で形成されるインストルメントパネル1とインナパネル2とを接合し、インストルメントパネル1とインナパネル2との間に形成されるダクト部3を一体に有したダクト一体型インストルメントパネルであって、インナパネル2がビーズ発泡体で形成され、インストルメントパネル1とオレフィン系接着剤または熱融着のいずれかで接合されてなることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】オレフィン系樹脂で形成されるインストルメントパネル1とインナパネル2とを接合し、インストルメントパネル1とインナパネル2との間に形成されるダクト部3を一体に有したダクト一体型インストルメントパネルであって、インナパネル2がビーズ発泡体で形成され、インストルメントパネル1とオレフィン系接着剤または熱融着のいずれかで接合されてなることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の空調ダクトが内部に一体に接合されたダクト一体型インストルメントパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用内装品であるインストルメントパネルの多くは、表皮、発泡層、芯材の積層体により構成され、表皮としてはポリ塩化ビニル、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性ウレタンなどを真空成形、若しくはパウダースラッシュ成形したものが用いられている。また、芯材としては、ポリプロピレン、ABS等の熱可塑性樹脂材料の射出成形品が多く用いられている。そして、成形体表面にクッション性を付与するために、発泡層としてウレタン発泡体層が設けられている。しかしながら、ウレタン発泡体は、熱硬化性樹脂であるため、リサイクルが困難であるといった問題がある。
【0003】
また、一般にインストルメントパネルの裏側には、空調用ダクトを配置し、このダクトから車室へ冷温風を噴出するようにしている。このようなダクトは、主に、ポリエチレンやポリプロピレン材料をブロー成形することで成形され、タッピング等によって、固定されていることが多い。このため、リサイクルの際には、これらタッピングを外して解体する必要がある。
【0004】
このような問題を解決するものとして、ダクトを一体型にしたインストルメントパネルが特許文献1に開示されている。この特許文献1のものは、ダクト構成部材として成形されたインナパネルをインストルメントパネルに振動溶着により接合することで、中空部を作り、インストルメントパネルとダクトを一体化したものである。また、シール性の確保及び結露の防止の為に、弾性発泡体からなるシート状の断熱材がインナパネルとインストルメントパネルの間に介在されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−80762号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、様々なメリットを有するが、振動溶着によってインナパネルをインストルメントパネルに接合する必要があるため、インナパネルはある程度剛性のある形状や、材質、工法である必要がある。振動溶着は、接合部を加圧し、振動させることで熱を発生させ、その熱によって樹脂を溶着して接合する為である。このため、これらに用いられる材料としては、ポリプロピレンやブロー成形されたポリプロピレンが主に使用されている。このため、材料費が高く、また、振動溶着する為の装置(治具)が多額になるといった問題がある。
【0007】
本発明は、以上の問題点を鑑みてなされたものであり、容易に且つ安価に製造することができ、リサイクル性に優れたダクト一体型インストルメントパネルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1に記載のダクト一体型インストルメントパネルは、オレフィン系樹脂で形成されるインストルメントパネルとインナパネルとを接合し、前記インストルメントパネルと前記インナパネルとの間に形成されるダクト部を一体に有したダクト一体型インストルメントパネルであって、前記インナパネルがビーズ発泡体で形成され、前記インストルメントパネルとオレフィン系接着剤で接合されてなることを特徴とするものである。
ダクト部が断熱効果の高いビーズ発泡体で形成されているため、ダクト内を通る冷温風の熱を損失しにくく、空調機の負荷を軽減することができる。また、インストルメントパネルとオレフィン系接着剤で接合することによって、金属部品を使用する必要がなくなり、リサイクルが容易になる。また、インストルメントパネルの裏面にインナパネルを接着することによって、インストルメントパネルの面剛性が高まり、インストルメントパネルの肉厚を薄くできる。また、リブを廃止することもできる。
【0009】
また、請求項2に記載のダクト一体型インストルメントパネルは、請求項1において、前記インストルメントパネルと前記インナパネルとの間に、弾性発泡体からなるシート状の断熱材が介在していることを特徴とするものである。
断熱材が介在することによって、ダクト部に冷風が流れたときであっても、インストルメントパネルの表面の結露を予防することができる。
【0010】
また、請求項3に記載のダクト一体型インストルメントパネルは、オレフィン系樹脂で形成されるインストルメントパネルとインナパネルとを接合し、前記インストルメントパネルと前記インナパネルとの間に形成されるダクト部を一体に有したダクト一体型インストルメントパネルであって、前記インナパネルがビーズ発泡体で形成され、前記インストルメントパネルと熱融着で接合されてなることを特徴とするものである。
ダクト部が断熱効果の高いビーズ発泡体で形成されているため、ダクト内を通る冷温風の熱を損失しにくく、空調機の負荷を軽減することができる。また、インストルメントパネルと熱融着で接合することによって、金属部品を使用する必要がなくなり、リサイクルが容易になる。また、インストルメントパネルの裏面にインナパネルを接着することによって、インストルメントパネルの面剛性が高まり、インストルメントパネルの肉厚を薄くできる。また、リブを廃止することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るダクト一体型インストルメントパネルの実施形態の一例について説明する。図1は、本発明に係るダクト一体型インストルメントパネルの一例の部品構成を示す図である。図2は、図1におけるA−A線断面図を示す図である。
【0012】
本実施例に係る自動車内装品のインストルメントパネル1は、射出成形によって形成され、長手方向を車幅方向とする室内に面する表面パネルである。そして、その裏面にダクト部3を有するインナパネル2が接合されている。
【0013】
インストルメントパネル1は、芯材11の上面に樹脂発泡体層12を有し、その上面を表皮13で覆った積層構造をしている(図2参照)。表皮13の材質としては、ポリプロピレン(以下、PPという。)、ポリエチレン(以下、PEという。)またはポリスチレン(以下、PSという。)系のオレフィン系樹脂を真空成形又はスラッシュ成形又はリムスプレー成形により所定のシート状に成形したものが用いられる。芯材11の材質としては、PP、PE又はPS系のオレフィン系樹脂、好ましくは、PPとエチレンプロピレンゴムが1対1の組成となるように配合したオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましく用いられる。これによって、オレフィン系熱可塑性エラストマーのガラス転移点を−50℃〜−60℃程度とすることができ、低温であっても脆くならず、自動車内装品として十分に実用に耐え得るものとできる。また、樹脂発泡体層12の材質としては、PP、PE、又はPS系のオレフィン系樹脂等に発泡剤を添加した発泡材料を用いることができる。なお、樹脂発泡体層12は必須ではなく、インストルメントパネル1は、芯材11と表皮13の2層構造であっても良い。
【0014】
また、ダクト部3を有するインナパネル2は、発泡成形型に発泡ビーズ材を充填し、その後蒸気を注入し、次いで冷却させてビーズ発泡体を脱型することにより製造されている。発泡成形における加熱・冷却温度、ならびに成形時間等は、使用する発泡ビーズ材の種類により適宜決定される。また、発泡成形体の剛性を考慮すると、5倍発泡〜15倍発泡の程度の物が好ましく用いられる。このビーズ発泡体で形成されたインナパネル2は、軽量で、しかも高い断熱性、吸音性効果を備える。更に、発泡ビーズ材の材質としては、PP、PE、又はPS系のオレフィン系樹脂を用いると、インストルメントパネル本体と同質の材料で構成される。
【0015】
また、インストルメントパネル1とインナパネル2との間には、弾性発泡体からなるシート状の断熱材6が介在している。この断熱材6のインストルメントパネル1とインナパネル2の挟込部には、上下に貫通する断続的なミシン目状の孔8が設けられている。そして、この断熱材6の挟込部の上下表面7a,7bの接合部7並びに孔8に熱溶着可能なオレフィン系接着剤が塗布されている。これによって、インストルメントパネル1とダクト部3及びボックスインナー4が一体に形成されているインナパネル2と一体に接合されている。この断熱材6は、インストルメントパネル1とインナパネル2との隙間をシールする役割と、ダクト部3に冷風が流れた時のインストルメントパネル1の結露を防ぐ役割をする。
【0016】
このように、インストルメントパネル1とインナパネル2とを接合することにより、これらの間に、エアバッグモジュール等が設置されるボックスインナー4やダクト部3を一体に形成することができる。また、インナパネル2に断熱効果の高いビーズ発泡体を用いているため、ダクト部3内を通る冷温風の熱を損失しにくく、空調機の負荷を軽減することも可能である。加えて、ビーズ発泡体は、吸音性能も高いため、インストルメントパネルの裏面に貼り付けるフェルト等の遮音材料も廃止することができる。
【0017】
また、ボックスインナー4やダクト部3が一体に形成されたビーズ発泡体で構成されたインナパネル2をインストルメントパネル1の裏面から接合するため、インストルメントパネル1の箱形状となり、インストルメントパネル1の面の剛性が向上するため、インストルメントパネル1の肉厚を薄くすることが可能となる。また、従来、補強用のために設けていたリブを設ける必要もなくなる。
【0018】
また、接合に際し、ダクト部をタッピングで固定しないため、取付のボスも廃止することができる。これにより、タッピング廃止による部品点数の低減に加えて、意匠面に引けなどの外観不良が発生せず、構成部品が全てオレフィン系樹脂で構成されることから、部品を解体することなく、リサイクルが可能となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、以上にように構成されており、インストルメントパネルとインナパネルとがオレフィン系接着剤によって接合、又は熱溶着されているため、振動溶着に要する設備や治具を使用しないため、製造コストを大幅に低減できる。また、エアバッグモジュール等が設置されるボックスインナー部分をダクト部と一体化したインナパネルをインストルメントパネルの裏面に接合するため、インストルメントパネルの型抜き方向に関係なくボックスインナーの形状や大きさを設定できるため、空間の有効活用が可能となり、収納部の容量拡大やダクトの容量の増加が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダクト一体型インストルメントパネルの一例の部品構成を示す図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図を示す図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 インナパネル
3 ダクト部
4 ボックスインナー
5 エアバッグドア
6 断熱材
7 接合部
8 孔
11 芯材
12 樹脂発泡体層
13 表皮
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の空調ダクトが内部に一体に接合されたダクト一体型インストルメントパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用内装品であるインストルメントパネルの多くは、表皮、発泡層、芯材の積層体により構成され、表皮としてはポリ塩化ビニル、オレフィン系熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性ウレタンなどを真空成形、若しくはパウダースラッシュ成形したものが用いられている。また、芯材としては、ポリプロピレン、ABS等の熱可塑性樹脂材料の射出成形品が多く用いられている。そして、成形体表面にクッション性を付与するために、発泡層としてウレタン発泡体層が設けられている。しかしながら、ウレタン発泡体は、熱硬化性樹脂であるため、リサイクルが困難であるといった問題がある。
【0003】
また、一般にインストルメントパネルの裏側には、空調用ダクトを配置し、このダクトから車室へ冷温風を噴出するようにしている。このようなダクトは、主に、ポリエチレンやポリプロピレン材料をブロー成形することで成形され、タッピング等によって、固定されていることが多い。このため、リサイクルの際には、これらタッピングを外して解体する必要がある。
【0004】
このような問題を解決するものとして、ダクトを一体型にしたインストルメントパネルが特許文献1に開示されている。この特許文献1のものは、ダクト構成部材として成形されたインナパネルをインストルメントパネルに振動溶着により接合することで、中空部を作り、インストルメントパネルとダクトを一体化したものである。また、シール性の確保及び結露の防止の為に、弾性発泡体からなるシート状の断熱材がインナパネルとインストルメントパネルの間に介在されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−80762号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、様々なメリットを有するが、振動溶着によってインナパネルをインストルメントパネルに接合する必要があるため、インナパネルはある程度剛性のある形状や、材質、工法である必要がある。振動溶着は、接合部を加圧し、振動させることで熱を発生させ、その熱によって樹脂を溶着して接合する為である。このため、これらに用いられる材料としては、ポリプロピレンやブロー成形されたポリプロピレンが主に使用されている。このため、材料費が高く、また、振動溶着する為の装置(治具)が多額になるといった問題がある。
【0007】
本発明は、以上の問題点を鑑みてなされたものであり、容易に且つ安価に製造することができ、リサイクル性に優れたダクト一体型インストルメントパネルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1に記載のダクト一体型インストルメントパネルは、オレフィン系樹脂で形成されるインストルメントパネルとインナパネルとを接合し、前記インストルメントパネルと前記インナパネルとの間に形成されるダクト部を一体に有したダクト一体型インストルメントパネルであって、前記インナパネルがビーズ発泡体で形成され、前記インストルメントパネルとオレフィン系接着剤で接合されてなることを特徴とするものである。
ダクト部が断熱効果の高いビーズ発泡体で形成されているため、ダクト内を通る冷温風の熱を損失しにくく、空調機の負荷を軽減することができる。また、インストルメントパネルとオレフィン系接着剤で接合することによって、金属部品を使用する必要がなくなり、リサイクルが容易になる。また、インストルメントパネルの裏面にインナパネルを接着することによって、インストルメントパネルの面剛性が高まり、インストルメントパネルの肉厚を薄くできる。また、リブを廃止することもできる。
【0009】
また、請求項2に記載のダクト一体型インストルメントパネルは、請求項1において、前記インストルメントパネルと前記インナパネルとの間に、弾性発泡体からなるシート状の断熱材が介在していることを特徴とするものである。
断熱材が介在することによって、ダクト部に冷風が流れたときであっても、インストルメントパネルの表面の結露を予防することができる。
【0010】
また、請求項3に記載のダクト一体型インストルメントパネルは、オレフィン系樹脂で形成されるインストルメントパネルとインナパネルとを接合し、前記インストルメントパネルと前記インナパネルとの間に形成されるダクト部を一体に有したダクト一体型インストルメントパネルであって、前記インナパネルがビーズ発泡体で形成され、前記インストルメントパネルと熱融着で接合されてなることを特徴とするものである。
ダクト部が断熱効果の高いビーズ発泡体で形成されているため、ダクト内を通る冷温風の熱を損失しにくく、空調機の負荷を軽減することができる。また、インストルメントパネルと熱融着で接合することによって、金属部品を使用する必要がなくなり、リサイクルが容易になる。また、インストルメントパネルの裏面にインナパネルを接着することによって、インストルメントパネルの面剛性が高まり、インストルメントパネルの肉厚を薄くできる。また、リブを廃止することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るダクト一体型インストルメントパネルの実施形態の一例について説明する。図1は、本発明に係るダクト一体型インストルメントパネルの一例の部品構成を示す図である。図2は、図1におけるA−A線断面図を示す図である。
【0012】
本実施例に係る自動車内装品のインストルメントパネル1は、射出成形によって形成され、長手方向を車幅方向とする室内に面する表面パネルである。そして、その裏面にダクト部3を有するインナパネル2が接合されている。
【0013】
インストルメントパネル1は、芯材11の上面に樹脂発泡体層12を有し、その上面を表皮13で覆った積層構造をしている(図2参照)。表皮13の材質としては、ポリプロピレン(以下、PPという。)、ポリエチレン(以下、PEという。)またはポリスチレン(以下、PSという。)系のオレフィン系樹脂を真空成形又はスラッシュ成形又はリムスプレー成形により所定のシート状に成形したものが用いられる。芯材11の材質としては、PP、PE又はPS系のオレフィン系樹脂、好ましくは、PPとエチレンプロピレンゴムが1対1の組成となるように配合したオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましく用いられる。これによって、オレフィン系熱可塑性エラストマーのガラス転移点を−50℃〜−60℃程度とすることができ、低温であっても脆くならず、自動車内装品として十分に実用に耐え得るものとできる。また、樹脂発泡体層12の材質としては、PP、PE、又はPS系のオレフィン系樹脂等に発泡剤を添加した発泡材料を用いることができる。なお、樹脂発泡体層12は必須ではなく、インストルメントパネル1は、芯材11と表皮13の2層構造であっても良い。
【0014】
また、ダクト部3を有するインナパネル2は、発泡成形型に発泡ビーズ材を充填し、その後蒸気を注入し、次いで冷却させてビーズ発泡体を脱型することにより製造されている。発泡成形における加熱・冷却温度、ならびに成形時間等は、使用する発泡ビーズ材の種類により適宜決定される。また、発泡成形体の剛性を考慮すると、5倍発泡〜15倍発泡の程度の物が好ましく用いられる。このビーズ発泡体で形成されたインナパネル2は、軽量で、しかも高い断熱性、吸音性効果を備える。更に、発泡ビーズ材の材質としては、PP、PE、又はPS系のオレフィン系樹脂を用いると、インストルメントパネル本体と同質の材料で構成される。
【0015】
また、インストルメントパネル1とインナパネル2との間には、弾性発泡体からなるシート状の断熱材6が介在している。この断熱材6のインストルメントパネル1とインナパネル2の挟込部には、上下に貫通する断続的なミシン目状の孔8が設けられている。そして、この断熱材6の挟込部の上下表面7a,7bの接合部7並びに孔8に熱溶着可能なオレフィン系接着剤が塗布されている。これによって、インストルメントパネル1とダクト部3及びボックスインナー4が一体に形成されているインナパネル2と一体に接合されている。この断熱材6は、インストルメントパネル1とインナパネル2との隙間をシールする役割と、ダクト部3に冷風が流れた時のインストルメントパネル1の結露を防ぐ役割をする。
【0016】
このように、インストルメントパネル1とインナパネル2とを接合することにより、これらの間に、エアバッグモジュール等が設置されるボックスインナー4やダクト部3を一体に形成することができる。また、インナパネル2に断熱効果の高いビーズ発泡体を用いているため、ダクト部3内を通る冷温風の熱を損失しにくく、空調機の負荷を軽減することも可能である。加えて、ビーズ発泡体は、吸音性能も高いため、インストルメントパネルの裏面に貼り付けるフェルト等の遮音材料も廃止することができる。
【0017】
また、ボックスインナー4やダクト部3が一体に形成されたビーズ発泡体で構成されたインナパネル2をインストルメントパネル1の裏面から接合するため、インストルメントパネル1の箱形状となり、インストルメントパネル1の面の剛性が向上するため、インストルメントパネル1の肉厚を薄くすることが可能となる。また、従来、補強用のために設けていたリブを設ける必要もなくなる。
【0018】
また、接合に際し、ダクト部をタッピングで固定しないため、取付のボスも廃止することができる。これにより、タッピング廃止による部品点数の低減に加えて、意匠面に引けなどの外観不良が発生せず、構成部品が全てオレフィン系樹脂で構成されることから、部品を解体することなく、リサイクルが可能となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明は、以上にように構成されており、インストルメントパネルとインナパネルとがオレフィン系接着剤によって接合、又は熱溶着されているため、振動溶着に要する設備や治具を使用しないため、製造コストを大幅に低減できる。また、エアバッグモジュール等が設置されるボックスインナー部分をダクト部と一体化したインナパネルをインストルメントパネルの裏面に接合するため、インストルメントパネルの型抜き方向に関係なくボックスインナーの形状や大きさを設定できるため、空間の有効活用が可能となり、収納部の容量拡大やダクトの容量の増加が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダクト一体型インストルメントパネルの一例の部品構成を示す図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図を示す図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 インナパネル
3 ダクト部
4 ボックスインナー
5 エアバッグドア
6 断熱材
7 接合部
8 孔
11 芯材
12 樹脂発泡体層
13 表皮
Claims (3)
- オレフィン系樹脂で形成されるインストルメントパネルとインナパネルとを接合し、前記インストルメントパネルと前記インナパネルとの間に形成されるダクト部を一体に有したダクト一体型インストルメントパネルであって、
前記インナパネルがビーズ発泡体で形成され、前記インストルメントパネルとオレフィン系接着剤で接合されてなることを特徴とするダクト一体型インストルメントパネル。 - 前記インストルメントパネルと前記インナパネルとの間に、弾性発泡体からなるシート状の断熱材が介在していることを特徴とする請求項1に記載のダクト一体型インストルメントパネル。
- オレフィン系樹脂で形成されるインストルメントパネルとインナパネルとを接合し、前記インストルメントパネルと前記インナパネルとの間に形成されるダクト部を一体に有したダクト一体型インストルメントパネルであって、
前記インナパネルがビーズ発泡体で形成され、前記インストルメントパネルと熱融着で接合されてなることを特徴とするダクト一体型インストルメントパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003093036A JP2004299480A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | ダクト一体型インストルメントパネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003093036A JP2004299480A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | ダクト一体型インストルメントパネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004299480A true JP2004299480A (ja) | 2004-10-28 |
Family
ID=33405921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003093036A Pending JP2004299480A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | ダクト一体型インストルメントパネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004299480A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011114521A1 (ja) | 2010-03-19 | 2011-09-22 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用インストルメントパネル |
-
2003
- 2003-03-31 JP JP2003093036A patent/JP2004299480A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011114521A1 (ja) | 2010-03-19 | 2011-09-22 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用インストルメントパネル |
US8821225B2 (en) | 2010-03-19 | 2014-09-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle instrument panel |
EP2860056A2 (en) | 2010-03-19 | 2015-04-15 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle instrument panel |
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