JP2004299118A - 記録ヘッド用基板、それを備える液体吐出記録ヘッドおよび記録装置 - Google Patents

記録ヘッド用基板、それを備える液体吐出記録ヘッドおよび記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】保護層の欠陥の原因となる発熱抵抗層に対向する保護層の凹部(段差)をなくすことができること。
【解決手段】個別導体層H1124Bおよび共通導体層H1124Aに電極部H1132AおよびH1132Bを介して電気的に接続される発熱抵抗層H1134が、個別導体層H1124Bおよび共通導体層H1124Aの真上に位置し、かつ、電極部H1132AおよびH1132Bと絶縁層H1126との共通の平坦面FS上に形成され、また、保護層1130が発熱抵抗層H1134および保護層H1128を覆うもの。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱抵抗層を保護する保護層の厚さを薄くすることができる記録ヘッド用基板、それを備える液体吐出記録ヘッドおよび記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、特許文献1にも示されるように、加熱による膜沸騰現象によって記録媒体の記録面に対しインク滴を吐出し記録動作を行うインクジェット記録ヘッドは、広く実用に供されている。インクジェット記録ヘッドは、例えば、インクを加熱する発熱抵抗体層が基体上に形成される記録ヘッド用基板(以下、基板という)と、基板上に設けられ複数のインク吐出口、各インク吐出口に連通するインク流路、および、インク流路の一端が合流する共通インク室を形成するインク流路形成部材とを含んで構成されている。
【0003】
その基板は、例えば、図21に示されるように、基体2上に形成される絶縁層4上に積層される発熱抵抗層6と、発熱抵抗層6上に発熱部6aを挟んで離隔して形成され供給される電力を発熱抵抗層6に導く電極層8Aおよび8Bと、電極層8Aおよび8B、発熱抵抗層6を被覆する保護層10と、その保護層10をさらに覆う保護層12および14とを含んで構成されている。
【0004】
従って、保護層10と、保護層12および14とは、インク流路形成部材により形成される各インク流路16における底部を形成することとなる。各インク流路16は、例えば、一方の端部側にインク吐出口が形成されている。
【0005】
保護層10、保護層12および14は、ピンホールなどの欠陥によりインクが直接的に発熱抵抗層6に接触することを回避するためにその膜厚が全体に亘って均一となるように形成されることが望まれる。
【0006】
しかし、保護層10、保護層12および14は、図21に示されるように、電極層8Aおよび8Bの下面であって相互間に形成される発熱抵抗層6の発熱部6aを覆うように形成されるので保護層12の表層が発熱部6aに対応して凹部または段差(ステップ)を有することとなる。
【0007】
そこで、熱ストレスに起因した保護層12の亀裂を回避すべく保護層12の凹部の周縁部についてもその膜厚が他の部分と同様に均一となるように保護層12を形成するためには、保護層12を十分厚く形成することが必要となる。
【0008】
このように保護層12を十分厚く形成する場合、省電力化、熱応答性、発熱抵抗層の耐久性の観点からは、得策とは言えないので保護層の膜厚をより薄くし、しかも、保護層12の凹部の周縁部についても欠陥が生じない方法が提案されている。
【0009】
例えば、特許文献2においては、保護膜のバイアススパッタ方法、特許文献3においては、保護膜における段差の形状を変更する方法、特許文献4においては、保護膜のリフロー方法、および、HPジャーナルにおいて、電極の断面形状をテーパ状の電極の断面形状に変更する方法等が提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開昭52−118798号公報
【0011】
【特許文献2】
特開昭60−234850号公報
【0012】
【特許文献3】
特開昭62−45283号公報
【0013】
【特許文献4】
特開昭62−45286号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述の保護膜のバイアススパッタ方法においては、安定した均一な膜圧形成が困難となる虞があり、保護膜における段差の形状を変更する方法、および、保護膜のリフロー方法においては、製造工程数が増大するという不都合が生じる。
【0015】
また、電極の断面形状をテーパ状の電極の断面形状に変更する方法においては、テーパ形状の勾配が比較的大なる電極の部位によっては、保護層の膜厚が十分とはならず、一方、 テーパ形状の勾配が比較的小なる電極の部位によっては、電極に接続される配線の幅、および、断面積が小となり配線抵抗が比較的大となる虞がある。
【0016】
以上の問題点を考慮し、本発明は、発熱抵抗層を保護する保護層の厚さを薄くすることができる記録ヘッド用基板、それを備える記録ヘッドおよび記録装置であって、保護層の欠陥の原因となる発熱抵抗層に対向する保護層の凹部(段差)をなくすことができる記録ヘッド用基板、それを備える液体吐出記録ヘッドおよび記録装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る記録ヘッド用基板は、基体上に形成され駆動信号を供給する導体層と、導体層に一端が電気的に接続され絶縁層を介して基体上に設けられる電極部と、絶縁層と電極部との共通の平坦面上に導体層に対向して形成され電極部に電気的に接続される発熱抵抗体層と、発熱抵抗体層および絶縁層上に積層され発熱抵抗体層および絶縁層を覆う保護層とを備えて構成される。
【0018】
また、本発明に係る液体吐出記録ヘッドは、上述の記録ヘッド用基板と、記録ヘッド用基板上に設けられ発熱抵抗体層に対応して記録用の液体を液体吐出口に導く液体流路を形成する液体流路形成部材とを備えて構成される。
【0019】
さらに、本発明に係る記録装置は、上述の液体吐出記録ヘッドと、液体吐出記録ヘッドを記録媒体の記録面に対向して移動させる移動手段と、移動手段に移動させる動作を行わせるとともに、液体吐出記録ヘッドに記録動作を行わせる制御部と備えて構成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る液体吐出記録ヘッドを備える記録装置に係る実施形態を説明する。
【0021】
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを例に挙げ説明する。
【0022】
そして、本明細書において、「プリント」(「記録」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も言うものとする。
【0023】
ここで、「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとする。
【0024】
さらに、「インク」(「液体」という場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供され得る液体を言うものとする。
【0025】
[装置本体]
図3及び図4にインクジェット記録方式を用いたプリンタの概略構成を示す。図3において、この実施形態におけるプリンタの装置本体M1000の外郭は、下ケースM1001、上ケースM1002、アクセスカバーM1003及び排出トレイM1004を含む外装部材と、その外装部材内に収納されたシャーシM3019(図4参照)とから構成される。
【0026】
シャーシM3019は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材によって構成され、記録装置の骨格をなし、後述の各記録動作機構を保持するものとなっている。
【0027】
また、前記下ケースM1001は装置本体M1000の外装の略下半部を、上ケースM1002は装置本体M1000の外装の略上半部をそれぞれ形成しており、両ケースの組合せによって内部に後述の各機構を収納する収納空間を有する中空体構造をなしている。装置本体M1000の上面部及び前面部には、それぞれ、開口部が形成されている。
【0028】
さらに、排出トレイM1004は、その一端部が下ケースM1001に回転自在に保持され、その回転によって下ケースM1001の前面部に形成される前記開口部を開閉させ得るようになっている。このため、記録動作を実行させる際には、排出トレイM1004を前面側へと回転させて開口部を開成させることにより、ここから記録シートが排出可能となると共に排出された記録シートPを順次積載し得るようになっている。また、排紙トレイM1004には、2枚の補助トレイM1004a,M1004bが収納されており、必要に応じて各トレイを手前に引き出すことにより、用紙の支持面積を3段階に拡大、縮小させ得るようになっている。
【0029】
アクセスカバーM1003は、その一端部が上ケースM1002に回転自在に保持され、上面に形成される開口部を開閉し得るようになっており、このアクセスカバーM1003を開くことによって本体内部に収納されている記録ヘッドカートリッジH1000あるいはインクタンクH1900等の交換が可能となる。なお、ここでは特に図示しないが、アクセスカバーM1003を開閉させると、その裏面に形成された突起がカバー開閉レバーを回転させるようになっており、そのレバーの回転位置をマイクロスイッチなどで検出することにより、アクセスカバーの開閉状態を検出し得るようになっている。
【0030】
また、上ケースM1002の後部上面には、電源キーE0018及びレジュームキーE0019が押下可能に設けられると共に、LED E0020が設けられており、電源キーE0018を押下すると、LED E0020が点灯し記録可能であることをオペレータに知らせるものとなっている。また、LED E0020は点滅の仕方や色の変化をさせたり、プリンタのトラブル等をオペレータに知らせる等種々の表示機能を有する。さらに、ブザーE0021(図7)をならすこともできる。なお、トラブル等が解決した場合には、レジュームキーE0019を押下することによって記録が再開されるようになっている。
【0031】
[記録動作機構]
次に、プリンタの装置本体M1000に収納、保持される本実施形態における記録動作機構について説明する。
【0032】
本実施形態における記録動作機構としては、記録シートPを装置本体内へと自動的に給送する自動給送部M3022と、自動給送部から1枚ずつ送出される記録シートPを所定の記録位置へと導くと共に、記録位置から排出部M3030へと記録シートPを導く搬送部M3029と、記録位置に搬送された記録シートPに所望の記録を行なう記録部と、前記記録部等に対する回復処理を行う回復部(M5000)とから構成されている。
【0033】
(記録部)
ここで、記録部について説明するに、その記録部は、キャリッジ軸M4021によって移動可能に支持されたキャリッジM4001と、このキャリッジM4001に着脱可能に搭載される記録ヘッドカートリッジH1000とからなる。
【0034】
記録ヘッドカートリッジ
まず、記録部に用いられる記録ヘッドカートリッジについて図5〜7に基づき説明する。
【0035】
この実施形態における記録ヘッドカートリッジH1000は、図5に示すようにインクを貯留するインクタンクH1900と、このインクタンクH1900から供給されるインクを記録情報に応じてノズルから吐出させる記録ヘッドH1001とを有する。記録ヘッドH1001は、後述するキャリッジM4001に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採るものとなっている。
【0036】
ここに示す記録ヘッドカートリッジH1000では、写真調の高画質なカラー記録を可能とするため、インクタンクとして、例えば、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ及びイエローの各色独立のインクタンクH1900が用意されており、図6に示すように、それぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となっている。
【0037】
そして,記録ヘッドH1001は、図7の分解斜視図に示すように、記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300、第2のプレートH1400、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700、シールゴムH1800から構成されている。
【0038】
記録素子基板H1100には、図13に示されるように、Si基板の片面にインクを吐出するための複数の記録素子(電気熱変換素子)H1103と、各記録素子H1103に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により形成され、この記録素子に対応した複数のインク流路と複数の吐出口H1100Tとがフォトリソグラフィ技術により形成されると共に、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口H1102が裏面に開口するように形成されている。
【0039】
記録素子基板H1100は、例えば、その表面に薄膜が形成されているSi基板H1101と、基板H1101上に形成されるオリフィスプレートH1112とから構成されている。
【0040】
基板H1101は、例えば、厚さ0.5〜1(mm)とされ、6色のインク流路として長溝状の貫通口からなるインク供給口H1102が6列互いに平行に一体に形成されている。隣接するインク供給口H1102の相互間距離は、例えば、約2.5mmに設定されている。このように相互間距離が比較的小とされるので記録ヘッドの小型化が図られることとなる。各々のインク供給口H1102の両側には、記録素子としての電気熱変換素子H1103がそれぞれ1列ずつ千鳥状に複数個、例えば、各インク色ごとに約1200dpi程度に配列形成されている。各電気熱変換素子H1103は、後述する保護層により被覆されている。
【0041】
基板1101上に形成される複数の電気熱変換素子H1103および各電気熱変換素子H1103に電力を供給するAl等の電気配線(図13において図示が省略される)は、成膜技術により形成されている。また、その電気配線に電力を供給するための電極部は、電気熱変換素子H1103の配列方向に対して直交する方向の端部に沿って形成されている。電極部は、金等のバンプが複数個、上述の電気配線基板H1300の電極端子H1302にそれぞれ対応して設けられている。
【0042】
インク供給口H1102は、例えば,Si基板1101の結晶方位を利用して、異方性エッチングを行うことにより形成される。
【0043】
また、基板H1101上に形成されるオリフィスプレートH1112には、図13に示されるように、各電気熱変換素子H1103に対応したインク流路を形成するためのインク流路壁H1106と吐出口1100Tとがフォトリソグラフィ技術により形成される。従って、隣接する吐出口1100Tは、互いにインク流路壁H1106により仕切られることとなる。
【0044】
各インク供給口H1102から供給される6色のインクにそれぞれ対応した6列の吐出口H1100T列が一体に1枚のオリフィスプレートH1112に形成されている。吐出口H1100T列は、電気熱変換素子H1103の配列と同様に、千鳥状に複数個、例えば、各インク色ごとに約1200dpi程度に配列形成されている。即ち、吐出口H1100Tは、電気熱変換素子H1103に対向して設けられている。
【0045】
なお、上述の記録素子基板H1100は、所謂、サイドシュータタイプとされうが、かかる例に限られることなく、例えば、図14に示されるように、エッジシュータタイプの記録素子基板であってもよい。
【0046】
図14において、記録素子基板は、シリコンの基板H1101’と、基板H1101’上に形成されるオリフィスプレートH1112’とから構成されている。
【0047】
基板H1101’上には、記録媒体の搬送方向に対し略直交する方向に沿って所定の間隔で後述する保護層を介して電気熱変換素子H1103が形成されている。
【0048】
オリフィスプレートH1112’は、基板H1101’に対向する部分にインク流路壁H1106’が隣接する電気熱変換素子H1103’相互間、および、両端の電気熱変換素子H1103’にそれぞれ隣接して形成されている。
【0049】
オリフィスプレートH1112’のインク流路壁H1106’が基板H1101’上に接合されることにより、それぞれ、電気熱変換素子H1103’に対応したインク流路が形成されることとなる。各インク流路の一方の端部には、インクを吐出するインク吐出口H1100T’が形成されている。また、各インク流路の他方の端部は、それぞれ、所定量のインクが貯留される共通インク室H1104’に連通している。オリフィスプレートH1112’の上部には、共通インク室H1104’内にインクを導き入れるインク供給口H1105’が形成されている。
【0050】
また、記録素子基板H1100は、第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、前記記録素子基板H1100にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400を介して、電気配線基板H1300が記録素子基板H1100に対して電気的に接続されるよう保持されている。この電気配線基板H1300は、記録素子基板H1100にインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、記録素子基板H1100に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有しており、外部信号入力端子H1301は、後述のタンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
【0051】
一方、インクタンクH1900を着脱可能に保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば、超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に亘るインク流路H1501を形成している。また、インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルターH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。また、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
【0052】
さらに、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルターH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、前記記録素子基板H1100、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録素子部とを、接着等で結合することにより、記録ヘッドH1001を構成している。
【0053】
(キャリッジ)
次に、図4を参照して記録ヘッドカートリッジH1000を搭載するキャリッジM4001を説明する。
【0054】
図4に示すように、キャリッジM4001には、キャリッジM4001と係合し記録ヘッドH1001をキャリッジM4001上の所定の装着位置に案内するためのキャリッジカバーM4002と、記録ヘッドH1001のタンクホルダーH1500と係合し記録ヘッドH1001を所定の装着位置にセットさせるよう押圧するヘッドセットレバーM4007とが設けられている。
すなわち、ヘッドセットレバーM4007はキャリッジM4001の上部にヘッドセットレバー軸に対して回動可能に設けられると共に、記録ヘッドH1001との係合部には、ばね付勢されるヘッドセットプレート(不図示)が備えられ、このばね力によって記録ヘッドH1001を押圧しながらキャリッジM4001に装着する構成となっている。
【0055】
また、キャリッジM4001の記録ヘッドH1001との別の係合部にはコンタクトフレキシブルプリントケーブル(図9参照、以下、コンタクトFPCと称す)E0011が設けられ、コンタクトFPC E0011上のコンタクト部と記録ヘッドH1001に設けられたコンタクト部(外部信号入力端子)H1301とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッドH1001への電力の供給などを行い得るようになっている。
【0056】
ここでコンタクトFPC E0011のコンタクト部とキャリッジM4001との間には不図示のゴムなどの弾性部材が設けられ、この弾性部材の弾性力とヘッドセットレバーばねによる押圧力とによってコンタクト部とキャリッジM4001との確実な接触を可能とするようになっている。さらに前記コンタクトFPC E0011はキャリッジM4001の背面に搭載されたキャリッジ基板E0013に接続されている(図9参照)。
【0057】
[スキャナ]
この実施形態におけるプリンタは、上述した記録ヘッドカートリッジH1000の代わりにキャリッジM4001にスキャナを装着することで読取装置としても使用することができる。
【0058】
このスキャナは、プリンタ側のキャリッジM4001と共に主走査方向に移動し、記録媒体に代えて給送された原稿画像をその主走査方向への移動の過程で読み取るようになっており、その主走査方向の読み取り動作と原稿の副走査方向の給送動作とを交互に行うことにより、1枚の原稿画像情報を読み取ることができる。
【0059】
図8の(a)および(b)は、このスキャナM6000の概略構成を説明するために、スキャナM6000を上下逆にして示す図である。
【0060】
図示のように、スキャナホルダM6001は、略箱型の形状であり、その内部には読み取りに必要な光学系・処理回路などが収納されている。また、このスキャナM6000をキャリッジM4001へと装着した時に、原稿面と対面する部分には読取部レンズM6006が設けられており、このレンズM6006により原稿面からの反射光を内部の読取部に収束することで原稿画像を読み取るようになっている。一方、照明部レンズM6005は内部に不図示の光源を有し、その光源から発せられた光がレンズM6005を介して原稿へと照射される。
【0061】
スキャナホルダM6001の底部に固定されたスキャナカバーM6003は、スキャナホルダM6001内部を遮光するように嵌合し、側面に設けられたルーバー状の把持部によってキャリッジM4001への着脱操作性の向上を図っている。スキャナホルダM6001の外形形状は記録ヘッドH1001と略同形状であり、キャリッジM4001へは記録ヘッドカートリッジH1000と同様の操作で着脱することができる。
【0062】
また、スキャナホルダM6001には、読取り処理回路を有する基板が収納される一方、この基板に接続されたスキャナコンタクトPCBが外部に露出するよう設けられており、キャリッジM4001へとスキャナM6000を装着した際、スキャナコンタクトPCB M6004がキャリッジM4001側のコンタクトFPC E0011に接触し、基板を、キャリッジM4001を介して本体側の制御系に電気的に接続させるようになっている。
【0063】
[プリンタの電気回路の構成]
次に、本発明の実施形態における電気的回路構成を説明する。
図9は、この実施形態における電気的回路の全体構成例を概略的に示す図である。
【0064】
この実施形態における電気的回路は、主にキャリッジ基板(CRPCB)E0013、メインPCB(Printed Circuit Board)E0014、電源ユニットE0015等によって構成されている。
ここで、電源ユニットE0015は、メインPCB E0014と接続され、各種駆動電源を供給するものとなっている。
【0065】
また、キャリッジ基板E0013は、キャリッジM4001(図2)に搭載されたプリント基板ユニットであり、コンタクトFPC E0011を通じて記録ヘッドとの信号の授受を行うインターフェースとして機能する他、キャリッジM4001の移動に伴ってエンコーダセンサE0004から出力されるパルス信号に基づき、エンコーダスケールE0005とエンコーダセンサE0004との位置関係の変化を検出し、その出力信号をフレキシブルフラットケーブル(CRFFC)E0012を通じてメインPCB E0014へと出力する。
【0066】
さらに、メインPCBE0014はこの実施形態におけるインクジェット記録装置の各部の駆動制御を司るプリント基板ユニットであり、紙端検出センサ(PEセンサ)E0007、ASF(自動給紙装置)センサE0009、カバーセンサE0022、パラレルインターフェース(パラレルI/F)E0016、シリアルインターフェース(シリアルI/F)E0017、リジュームキーE0019、LED E0020、電源キーE0018、ブザーE0021等に対するI/Oポートを基板上に有する。またさらに、キャリッジM1400を主走査させるための駆動源をなすモータ(CRモータ)E0001、記録媒体を搬送するための駆動源をなすモータ(LFモータ)E0002、記録ヘッドの回動動作と記録媒体の給紙動作に兼用されるモータ(PGモータ)E0003と接続されてこれらの駆動を制御する他、インクエンプティセンサE0006、GAPセンサE0008、PGセンサE0010、CRFFC E0012、電源ユニットE0015との接続インターフェイスを有する。
【0067】
図10は、メインPCB E0014の内部構成を示すブロック図である。図において、E1001はCPUであり、このCPU E1001は内部に発振回路E1005に接続されたクロックジェネレータ(PCG) E1002を有し、その出力信号E1019によりシステムクロックを発生する。また、制御バスE1014を通じてROM E1004およびASIC(Application Specific Integrated Circuit) E1006に接続され、ROMに格納されたプログラムに従って、ASIC E1006の制御、電源キーからの入力信号E1017、及びリジュームキーからの入力信号E1016、カバー検出信号E1042、ヘッド検出信号(HSENS)E1013の状態の検知を行ない、さらにブザー信号(BUZ)E1018によりブザーE0021を駆動し、内蔵されるA/DコンバータE1003に接続されるインクエンプティ検出信号(INKS)E1011及びサーミスタによる温度検出信号(TH)E1012の状態の検知を行う一方、その他各種論理演算・条件判断等を行ない、インクジェット記録装置の駆動制御を司る。
【0068】
ここで、ヘッド検出信号E1013は、記録ヘッドカートリッジH1000からフレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013及びコンタクトフレキシブルプリントケーブルE0011を介して入力されるヘッド搭載検出信号であり、インクエンプティ検出信号E1011はインクエンプティセンサE0006から出力されるアナログ信号、温度検出信号E1012はキャリッジ基板E0013上に設けられたサーミスタ(図示せず)からのアナログ信号である。
【0069】
E1008はCRモータドライバであって、モータ電源(VM)E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのCRモータ制御信号E1036に従って、CRモータ駆動信号E1037を生成し、CRモータE0001を駆動する。E1009はLF/PGモータドライバであって、モータ電源E1040を駆動源とし、ASIC E1006からのパルスモータ制御信号(PM制御信号)E1033に従ってLFモータ駆動信号E1035を生成し、これによってLFモータを駆動すると共に、PGモータ駆動信号E1034を生成してPGモータを駆動する。
【0070】
E1010は電源制御回路であり、ASIC E1006からの電源制御信号E1024に従って発光素子を有する各センサ等への電源供給を制御する。パラレルI/F E0016は、ASIC E1006からのパラレルI/F信号E1030を、外部に接続されるパラレルI/FケーブルE1031に伝達し、またパラレルI/FケーブルE1031の信号をASIC E1006に伝達する。シリアルI/F E0017は、ASIC E1006からのシリアルI/F信号E1028を、外部に接続されるシリアルI/FケーブルE1029に伝達し、また同ケーブルE1029からの信号をASIC E1006に伝達する。
【0071】
一方、電源ユニットE0015からは、ヘッド電源(VH)E1039及びモータ電源(VM)E1040、ロジック電源(VDD)E1041が供給される。また、ASIC E1006からのヘッド電源ON信号(VHON)E1022及びモータ電源ON信号(VMOM)E1023が電源ユニットE0015に入力され、それぞれヘッド電源E1039及びモータ電源E1040のON/OFFを制御する。電源ユニットE0015から供給されたロジック電源(VDD)E1041は、必要に応じて電圧変換された上で、メインPCB E0014内外の各部へ供給される。
【0072】
またヘッド電源信号E1039は、メインPCB E0014上で平滑化された後にフレキシブルフラットケーブルE0011へと送出され、記録ヘッドカートリッジH1000の駆動に用いられる。
【0073】
E1007はリセット回路で、ロジック電源電圧E1041の低下を検出して、CPU E1001及びASIC E1006にリセット信号(RESET)E1015を供給し、初期化を行なう。
【0074】
このASIC E1006は1チップの半導体集積回路であり、制御バスE1014を通じてCPU E1001によって制御され、前述したCRモータ制御信号E1036、PM制御信号E1033、電源制御信号E1024、ヘッド電源ON信号E1022、及びモータ電源ON信号E1023等を出力し、パラレルI/F E0016およびシリアルI/F E0017との信号の授受を行なう他、PEセンサE0007からのPE検出信号(PES)E1025、ASFセンサE0009からのASF検出信号(ASFS)E1026、記録ヘッドと記録媒体とのギャップを検出するためのセンサ(GAP)センサE0008からのGAP検出信号(GAPS)E1027、PGセンサE0010からのPG検出信号(PGS)E1032の状態を検知して、その状態を表すデータを制御バスE1014を通じてCPU E1001に伝達し、入力されたデータに基づきCPU E1001はLED駆動信号E1038の駆動を制御してLEDE0020の点滅を行なう。
【0075】
さらに、エンコーダ信号(ENC)E1020の状態を検知してタイミング信号を生成し、ヘッド制御信号E1021で記録ヘッドカートリッジH1000とのインターフェイスをとり記録動作を制御する。ここにおいて、エンコーダ信号(ENC)E1020はフレキシブルフラットケーブルE0012を通じて入力されるCRエンコーダセンサE0004の出力信号である。また、ヘッド制御信号E1021は、フレキシブルフラットケーブルE0012、キャリッジ基板E0013、及びコンタクトFPC E0011を経て記録ヘッドH1000に供給される。
【0076】
図11は、ASIC E1006の内部構成例を示すブロック図である。
【0077】
なお、同図において、各ブロック間の接続については、記録データやモータ制御データ等、ヘッドや各部機構部品の制御にかかわるデータの流れのみを示しており、各ブロックに内蔵されるレジスタの読み書きに係わる制御信号やクロック、DMA制御にかかわる制御信号などは図面上の記載の煩雑化を避けるため省略している。
【0078】
図中、E2002はPLLコントローラであり、図9に示すようにCPU E1001から出力されるクロック信号(CLK)E2031及びPLL制御信号(PLLON)E2033により、ASIC E1006内の大部分へと供給するクロック(図示しない)を発生する。
【0079】
また、E2001はCPUインターフェース(CPUI/F)であり、リセット信号E1015、CPU E1001から出力されるソフトリセット信号(PDWN)E2032、クロック信号(CLK)E2031及び制御バスE1014からの制御信号により、以下に説明するような各ブロックに対するレジスタ読み書き等の制御や、一部ブロックへのクロックの供給、割り込み信号の受け付け等(いずれも図示しない)を行ない、CPU E1001に対して割り込み信号(INT)E2034を出力し、ASIC E1006内部での割り込みの発生を知らせる。
【0080】
また、E2005はDRAMであり、記録用のデータバッファとして、受信バッファE2010、ワークバッファE2011、プリントバッファE2014、展開用データバッファE2016などの各領域を有すると共に、モータ制御用としてモータ制御バッファE2023を有し、さらにスキャナ動作モード時に使用するバッファとして、上記の各記録用データバッファに代えて使用されるスキャナ取込みバッファE2024、スキャナデータバッファE2026、送出バッファE2028などの領域を有する。
【0081】
また、このDRAM E2005は、CPU E1001の動作に必要なワーク領域としても使用されている。すなわち、E2004はDRAM制御部であり、制御バスによるCPU E1001からDRAM E2005へのアクセスと、後述するDMA制御部E2003からDRAM E2005へのアクセスとを切り替えて、DRAM E2005への読み書き動作を行なう。
【0082】
DMA制御部E2003では、各ブロックからのリクエスト(図示せず)を受け付けて、アドレス信号や制御信号(図示せず)、書込み動作の場合には書込みデータE2038、E2041、E2044、E2053、E2055、E2057などをDRAM制御部E2004に出力してDRAMアクセスを行なう。また読み出しの場合には、DRAM制御部E2004からの読み出しデータE2040、E2043、E2045、E2051、E2054、E2056、E2058、E2059を、リクエスト元のブロックに受け渡す。
【0083】
また、E2006は、IEEE 1284I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、パラレルI/F E0016を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、記録時にはパラレルI/F E0016からの受信データ(PIF受信データE2036)をDMA処理によって受信制御部E2008へと受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(1284送信データ(RDPIF)E2059)をDMA処理によりパラレルI/Fに送信する。
【0084】
E2007は、ユニバーサルシリアルバス(USB)I/Fであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、シリアルI/F E0017を通じて、図示しない外部ホスト機器との双方向通信インターフェイスを行なう他、印刷時にはシリアルI/F E0017からの受信データ(USB受信データE2037)をDMA処理により受信制御部E2008に受け渡し、スキャナ読み取り時にはDRAM E2005内の送出バッファE2028に格納されたデータ(USB送信データ(RDUSB)E2058)をDMA処理によりシリアルI/F E0017に送信する。受信制御部E2008は、1284I/F E2006もしくはUSBI/F E2007のうちの選択されたI/Fからの受信データ(WDIF)E2038)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ書込みアドレスに、書込む。
【0085】
E2009は圧縮・伸長DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPUE1001の制御により、受信バッファE2010上に格納された受信データ(ラスタデータ)を、受信バッファ制御部E2039の管理する受信バッファ読み出しアドレスから読み出し、そのデータ(RDWK)E2040を指定されたモードに従って圧縮・伸長し、記録コード列(WDWK)E2041としてワークバッファ領域に書込む。
【0086】
E2013は記録バッファ転送DMAコントローラで、CPUI/F E2001を介したCPU E1007の制御によってワークバッファE2011上の記録コード(RDWP)E2043を読み出し、各記録コードを、記録ヘッドカートリッジH1000へのデータ転送順序に適するようなプリントバッファE2014上のアドレスに並べ替えて転送(WDWP E2044)する。また、E2012はワーククリアDMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御によって記録バッファ転送DMAコントローラ E2013による転送が完了したワークバッファ上の領域に対し、指定したワークフィルデータ(WDWF)E2042を繰返し書込む。
【0087】
E2015は記録データ展開DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御部E2018からのデータ展開タイミング信号E2050をトリガとして、プリントバッファ上に並べ替えて書込まれた記録コードと展開用データバッファE2016上に書込まれた展開用データとを読み出し、展開記録データ(RDHDG)E2045をカラムバッファ書込みデータ(WDHDG)E2047としてカラムバッファE2017に書込む。ここで、カラムバッファE2017は、記録ヘッドカートリッジH1000への転送データ(展開記録データ)を一時的に格納するSRAMであり、記録データ展開DMAコントローラE2015とヘッド制御部E2018とのハンドシェーク信号(図示せず)によって両ブロックにより共有管理されている。
【0088】
E2018はヘッド制御部で、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド制御信号を介して記録ヘッドカートリッジH1000またはスキャナとのインターフェイスを行なう他、エンコーダ信号処理部E2019からのヘッド駆動タイミング信号E2049に基づき、記録データ展開DMAコントローラに対してデータ展開タイミング信号E2050の出力を行なう。
【0089】
また、印刷時には、前記ヘッド駆動タイミング信号E2049に従って、カラムバッファから展開記録データ(RDHD)E2048を読み出し、そのデータをヘッド制御信号E1021として記録ヘッドカートリッジH1000に出力する。
【0090】
また、スキャナ読み取りモードにおいては、ヘッド制御信号E1021として入力された取込みデータ(WDHD)E2053をDRAM E2005上のスキャナ取込みバッファE2024へとDMA転送する。E2025はスキャナデータ処理DMAコントローラであり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、スキャナ取込みバッファE2024に蓄えられた取込みバッファ読み出しデータ(RDAV)E2054を読み出し、平均化等の処理を行なった処理済データ(WDAV)E2055をDRAM E2005上のスキャナデータバッファE2026に書込む。
【0091】
E2027はスキャナデータ圧縮DMAコントローラで、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、スキャナデータバッファE2026上の処理済データ(RDYC)E2056を読み出してデータ圧縮を行ない、圧縮データ(WDYC)E2057を送出バッファE2028に書込み転送する。
【0092】
E2019はエンコーダ信号処理部であり、エンコーダ信号(ENC)を受けて、CPU E1001の制御で定められたモードに従ってヘッド駆動タイミング信号E2049を出力する他、エンコーダ信号E1020から得られるキャリッジM4001の位置や速度にかかわる情報をレジスタに格納して、CPU E1001に提供する。CPU E1001はこの情報に基づき、CRモータE0001の制御における各種パラメータを決定する。また、E2020はCRモータ制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、CRモータ制御信号E1036を出力する。
【0093】
E2022はセンサ信号処理部で、PGセンサE0010、PEセンサE0007、ASFセンサE0009、及びGAPセンサE0008等から出力される各検出信号E1033,E1025,E1026,E1027を受けて、CPU E1001の制御で定められたモードに従ってこれらのセンサ情報をCPU E1001に伝達する他、LF/PGモータ制御用DMAコントローラ E2021に対してセンサ検出信号E2052を出力する。
【0094】
LF/PGモータ制御用DMAコントローラE2021は、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、DRAM E2005上のモータ制御バッファE2023からパルスモータ駆動テーブル(RDPM)E2051を読み出してパルスモータ制御信号E1033を出力する他、動作モードによっては前記センサ検出信号を制御のトリガとしてパルスモータ制御信号E1033を出力する。
【0095】
また、E2030はLED制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、LED駆動信号E1038を出力する。さらに、E2029はポート制御部であり、CPUI/F E2001を介したCPU E1001の制御により、ヘッド電源ON信号E1022、モータ電源ON信号E1023、及び電源制御信号E1024を出力する。
【0096】
[プリンタの動作]
次に、上記のように構成された本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の動作を図12のフローチャートに基づき説明する。
【0097】
AC電源に装置本体1000が接続されると、まず、ステップS1では装置の第1の初期化処理を行なう。この初期化処理では、本装置のROMおよびRAMのチェックなどの電気回路系のチェックを行ない、電気的に本装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0098】
次にステップS2では、装置本体M1000の上ケースM1002に設けられた電源キーE0018がONされたかどうかの判断を行い、電源キーE0018が押された場合には、次のステップS3へと移行し、ここで第2の初期化処理を行う。
【0099】
この第2の初期化処理では、本装置の各種駆動機構及び記録ヘッドのチェックを行なう。すなわち、各種モータの初期化やヘッド情報の読み込みを行うに際し、装置が正常に動作可能であるかを確認する。
【0100】
次にステップS4ではイベント待ちを行なう。すなわち、本装置に対して、外部I/Fからの指令イベント、ユーザ操作によるパネルキーイベントおよび内部的な制御イベントなどを監視し、これらのイベントが発生すると当該イベントに対応した処理を実行する。
【0101】
例えば、ステップS4で外部I/Fからの印刷指令イベントを受信した場合には、ステップS5へと移行し、同ステップでユーザ操作による電源キーイベントが発生した場合にはステップS10へと移行し、同ステップでその他のイベントが発生した場合にはステップS11へと移行する。
【0102】
ここで、ステップS5では、外部I/Fからの印刷指令を解析し、指定された紙種別、用紙サイズ、印刷品位、給紙方法などを判断し、その判断結果を表すデータを本装置内のRAM E2005に記憶し、ステップS6へと進む。
【0103】
次いでステップS6ではステップS5で指定された給紙方法により給紙を開始し、用紙を記録開始位置まで送り、ステップS7に進む。
【0104】
ステップS7では記録動作を行なう。この記録動作では、外部I/Fから送出されてきた記録データを、一旦記録バッファに格納し、次いでCRモータE0001を駆動してキャリッジM4001の主走査方向への移動を開始すると共に、プリントバッファE2014に格納されている記録データを記録ヘッドH1001へと供給して1行の記録を行ない、1行分の記録データの記録動作が終了するとLFモータE0002を駆動し、LFローラM3001を回転させて用紙を副走査方向へと送る。この後、上記動作を繰り返し実行し、外部I/Fからの1ページ分の記録データの記録が終了すると、ステップ8へと進む。
【0105】
ステップS8では、LFモータE0002を駆動し、排紙ローラM2003を駆動し、用紙が完全に本装置から送り出されたと判断されるまで紙送りを繰返し、終了した時点で用紙は排紙トレイM1004a上に完全に排紙された状態となる。
【0106】
次にステップS9では、記録すべき全ページの記録動作が終了したか否かを判定し、記録すべきページが残存する場合には、ステップS5へと復帰し、以下、前述のステップS5〜S9までの動作を繰り返し、記録すべき全てのページの記録動作が終了した時点で記録動作は終了し、その後ステップS4へと移行し、次のイベントを待つ。
【0107】
一方、ステップS10ではプリンタ終了処理を行ない、本装置の動作を停止させる。つまり、各種モータやヘッドなどの電源を切断するために、電源を切断可能な状態に移行した後、電源を切断しステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0108】
また、ステップS11では、上記以外の他のイベント処理を行なう。例えば、本装置の各種パネルキーや外部I/Fからの回復指令や内部的に発生する回復イベントなどに対応した処理を行なう。なお、処理終了後にはステップS4に進み、次のイベントを待つ。
【0109】
なお、本発明が有効に用いられる一形態は、電気熱変換体が発生する熱エネルギーを利用して液体に膜沸騰を生じさせ気泡を形成する形態である。
【0110】
さらに、本発明に係る記録ヘッド用基板の第1の実施例においては、上述の基板H1101は、図1の(a)および(b)に示されるように、構成される。
【0111】
なお、図1の(a)および(b)に示めされる例および後述する他の実施例は、基板H1101上に形成される複数のインク流路のうち一つのインク流路に対応した一部分の構成を拡大して示す。
【0112】
図1の(a)および(b)において、基板H1101は、例えば、シリコンで薄板状に作られる基体H1120と、基体H1120の一方の平坦面上に例えば二酸化珪素で形成される酸化膜(蓄熱層)H1122と、酸化膜H1122の同一面上に形成される共通導体層H1124A、および個別導体層H1124Bと、共通導体層H1124A、個別導体層H1124B、および酸化膜H1122上に積層される絶縁層H1126と、共通導体層H1124A、および個別導体層H1124Bに対し上方に形成され、一対の電極部H1132Aおよび1132Bを介して電気的に共通導体層H1124A、および個別導体層H1124Bに接続される発熱抵抗層H1134と、発熱抵抗層H1134および絶縁層H1126を覆う保護層H1128、および、保護層H1130とを含んで構成されている。
【0113】
共通導体層H1124A、および個別導体層H1124Bは、例えば、アルミニウム、アルミニウムと銅との合金材料、アルミニウムとシリコンとの合金材料で所定の厚さに形成されている。共通導体層H1124Aは、他のインク流路に対応する共通導体層とともに結合されている。また、共通導体層H1124A、および個別導体層H1124Bの一方の端部は、それぞれ図示が省略される駆動信号入力部に接続されている。
【0114】
絶縁層H1126は、例えば、燐酸化ケイ素により1×10−6(m)の膜圧で均一に形成されている。絶縁層H1126内における共通導体層H1124Aおよび個別導体層H1124Bの他方の端部に対応してスルーホールH1126a、および、H1126bがそれぞれ形成されている。スルーホールH1126a、および、H1126b内には、それぞれ、例えば、銅合金材料で作られた埋込み電極H1132A、およびH1132Bがシード層SSを介して設けられている。埋込み電極H1132Aは、共通導体層H1124Aと後述する発熱抵抗層H1134とを接続し、埋込み電極H1132Bは、共通導体層H1124Bと後述する発熱抵抗層H1134とを接続するものとされる。なお、埋込み電極H1132A、およびH1132Bは、アルミニウム、アルミニウムとシリコンとの合金材料で作られても良い。シード層SSは、例えば、タンタル、窒化タンタル、窒化珪素タンタルのいずれかの材料で形成されてもよい。そのシード層SSにより、埋込み電極H1132A、およびH1132Bの密着性の向上、および耐酸化性の向上が図られることとなる。
【0115】
絶縁層H1126は、埋込み電極H1132A、およびH1132Bの一方の端面と同一の平面となる平滑な平坦面FSを上面に有している。その平坦面FSには、発熱抵抗層H1134が埋込み電極H1132A、およびH1132Bに跨って絶縁層H1126上に形成されている。発熱抵抗層H1134は、例えば、窒化タンタル、窒化珪素タンタル、ハフニュウムボライドのいずれかの材料で形成されてもよい。発熱抵抗層H1134は、例えば、1〜3×10−8(m)程度の比較的薄い膜厚を有している。
【0116】
発熱抵抗層H1134および全体にわたり絶縁層H1126を直接的に覆う保護層H1128は、酸化シリコンまたは窒化シリコンにより所定の膜厚を有するように形成されている。また、保護層H1128における発熱抵抗層H1134に対向する部分を覆う保護層H1130は、所謂、耐キャビテーション層であり、タンタルで所定の膜厚で保護層H1128に沿って平坦に形成されている。
【0117】
従って、保護層H1130の外面部には、その保護層の欠陥の原因となる凹部または段差が形成されることがないのでその耐久性が向上することとなる。
【0118】
このような基板H1101を製造するにあたっては、先ず、図2の(a)に示めされるように、基体H1120の平坦面に熱酸化により酸化膜H1122が形成された後、所定のパターニングおよびエッチング処理により、共通導体層H1124Aおよび個別導体層H1124Bが形成される。
【0119】
次に、図2の(b)に示されるように、絶縁層H1126’が例えば、CVD法により、酸化膜H1122、共通導体層H1124Aおよび個別導体層H1124Bをその全体にわたり覆うように形成される。
【0120】
続いて、絶縁層H1126’に対して所定のパターニング、エッチング処理が行われることにより、共通導体層H1124Aおよび個別導体層H1124Bに到達するスルーホールH1126ta’およびH1126tb’が形成される。
【0121】
その際、スルーホールH1126ta’およびH1126tb’は、後述するスパッタリングに備えて,良好に被覆層が形成されるように勾配をもってその内面が形成されている。また、上述のシード層SSがスパッタリングによりスルーホールH1126ta’およびH1126tb’を形成する内面に形成される。
【0122】
続いて、埋込み電極を形成すべく、導電体層H1132が、例えば、電解メッキ法により、絶縁層H1126’の外表面、および、スルーホールH1126ta’およびH1126tb’の内部を埋めるように形成される。その際、導電体層H1132の膜厚は、スルーホールH1126ta’およびH1126tb’の深さ以上に設定される。
【0123】
続いて、図2の(c)に示されるように、絶縁層H1126’上の導電体層H1132が除去され、かつ、絶縁層H1126’が平坦面となるように所定量、研磨される。研磨は、例えば、エッチング液が含まれる研磨剤で、研磨装置Gが利用されて機械的な研磨がなされる。これにより、その平坦面FSに露出する埋込み電極H1132AおよびH1132Bが形成される。
【0124】
続いて、発熱抵抗層が平坦面FS全体にわたり形成された後、その発熱抵抗層に対し所定のパターニングおよびドライエッチング法によるエッチング処理が行われる。そのエッチング処理時間は、従来に比べて比較的短い期間とされ、かつ、必要最小限とされる所定時間に設定されている。これにより、発熱抵抗層H1134が埋込み電極H1132AおよびH1132Bに跨るように絶縁層H1126上に形成される。
【0125】
続いて、発熱抵抗層H1134および絶縁層H1126全体を覆うように保護層H1128が形成された後、耐キャビテーション層としての保護層が保護層H1128を覆うように形成される。
【0126】
そして、その保護層H1128を覆う保護層に対し所定のパターニングおよびエッチング処理が行われることにより、保護層H1130が形成されることとなる。なお、上述した駆動信号入力部の一部をなす電極パッドとなる部分における保護層H1128は除去される。
【0127】
図15の(a)および(b)は、本発明に係る記録ヘッド用基板の第2の実施例を示す。なお、本実施例および後述する他の実施例において、図1に示される例において同一とされる構成要素については同一の符号を付して示しその重複説明を省略する。
【0128】
図15の(a)および(b)において、基板H1101は、薄板状に作られる基体H1120と、基体H1120の一方の平坦面上に形成される酸化膜H1122と、酸化膜H1122の同一面上に形成される共通導体層H1124A、および個別導体層H1124Bと、共通導体層H1124A、個別導体層H1124B、および酸化膜H1122上に積層される絶縁層H1136と、共通導体層H1124A、および個別導体層H1124Bに対し上方に形成され、一対の電極部H1138Aおよび1138Bを介して電気的に共通導体層H1124A、および個別導体層H1124Bに接続される発熱抵抗層H1134と、絶縁層H1136を覆う絶縁層H1140と、発熱抵抗層H1134および絶縁層H1140を覆う保護層H1128、および、保護層H1130とを含んで構成されている。
【0129】
絶縁層H1136は、上述した絶縁層H1126と同様に、例えば、燐酸化ケイ素により所定の比較的薄い膜厚さで均一に形成されている。絶縁層H1136内における共通導体層H1124Aおよび個別導体層H1124Bの他方の端部に対応してスルーホールH1136a、および、H1136bがそれぞれ形成されている。スルーホールH1136a、および、H1136b内には、それぞれ、例えば、銅合金材料で作られた埋込み電極H1138A、およびH1138Bがシード層SSを介して設けられている。埋込み電極H1138Aは、共通導体層H1124Aと後述する発熱抵抗層H1134とを接続し、埋込み電極H1138Bは、共通導体層H1124Bと後述する発熱抵抗層H1134とを接続するものとされる。なお、埋込み電極H1138A、およびH1138Bは、アルミニウム、アルミニウムとシリコンとの合金材料で作られても良い。
【0130】
絶縁層H1140は、埋込み電極H1138A、およびH1138Bの一方の端面と同一の平面となる平滑な平坦面FSを上面に有している。その平坦面FSには、発熱抵抗層H1134が埋込み電極H1138A、およびH1138Bに跨って形成されている。
【0131】
従って、本例においても、保護層H1130の外面部には、その保護層の欠陥の原因となる凹部または段差が形成されることがないのでその耐久性が向上することとなる。
【0132】
このような基板H1101を製造するにあたっては、先ず、図16の(a)に示めされるように、基体H1120の平坦面に熱酸化により酸化膜H1122が形成された後、所定のパターニングおよびエッチング処理により、共通導体層H1124Aおよび個別導体層H1124Bが形成される。
【0133】
次に、図16の(b)に示されるように、絶縁層H1136が例えば、CVD法により、酸化膜H1122、共通導体層H1124Aおよび個別導体層H1124Bをその全体にわたり覆うように形成される。
【0134】
続いて、絶縁層H1136に対して所定のパターニング、エッチング処理が行われることにより、共通導体層H1124Aおよび個別導体層H1124Bに到達するスルーホールH1136aおよびH1136bがそれぞれ形成される。
【0135】
続いて、図16の(b)に二点鎖線で示されるように、絶縁層H1140’が例えば、CVD法により、絶縁層H1136をその全体にわたり覆うように形成される。
【0136】
続いて、絶縁層H1136に対して所定のパターニング、エッチング処理が行われることにより、スルーホールH1136aおよびH1136bを介して共通導体層H1124Aおよび個別導体層H1124Bに到達するスルーホールH1140a’およびH1140b’がそれぞれ形成される。
【0137】
その際、上述のシード層SSがスパッタリングによりスルーホールH1136aおよびH1136b、スルーホールH1140a’およびH1140b’を形成する内面に形成される。
【0138】
続いて、図16の(c)に二点鎖線で示されるように、埋込み電極を形成すべく、導電体層H1138が、例えば、電解メッキ法により、絶縁層H1140’の外表面、および、スルーホールH1140a’およびH1140b’、スルーホールH1136aおよびH1136bの内部を埋めるように形成される。その際、導電体層H1138の膜厚は、スルーホールH1140a’およびH1140b’の深さとスルーホールH1136aおよびH1136bの深さとを加算した値以上に設定される。
【0139】
続いて、図16の(c)に示されるように、絶縁層H1140’上の導電体層H1132が除去され、かつ、絶縁層H1140’の上面が平坦面となるように所定量、研磨される。研磨は、例えば、エッチング液が含まれる研磨剤で、研磨装置Gが利用されて機械的な研磨がなされる。これにより、その平坦面FSに露出する埋込み電極H1138AおよびH1138Bが形成される。
【0140】
続いて、発熱抵抗層が平坦面FS全体にわたり形成された後、その発熱抵抗層に対し所定のパターニングおよびドライエッチング法によるエッチング処理が行われる。そのエッチング処理時間は、従来に比べて比較的短い期間とされ、かつ、必要最小限とされる所定時間に設定されている。これにより、発熱抵抗層H1134が埋込み電極H1138AおよびH1138Bに跨るように絶縁層H1140上に形成される。
【0141】
続いて、発熱抵抗層H1134および絶縁層H1140全体を覆うように保護層H1128が形成された後、耐キャビテーション層としての保護層が保護層H1128を覆うように形成される。
【0142】
そして、その保護層H1128を覆う保護層に対し所定のパターニングおよびエッチング処理が行われることにより、保護層H1130が形成されることとなる。なお、上述した駆動信号入力部の一部をなす電極パッドとなる部分における保護層H1128は除去される。
【0143】
図17の(a)および(b)は、本発明に係る記録ヘッド用基板の第3の実施例を示す。
【0144】
図17の(a)および(b)において、基板H1101は、薄板状に作られる基体H1120と、基体H1120の一方の平坦面上に形成される酸化膜H1122と、酸化膜H1122の上面に形成される個別導体層H1150と、個別導体層H1150、および酸化膜H1122上に積層される絶縁層H1152と、個別導体層H1150に対し真上に形成され、電極部H1158を介して電気的に個別導体層H1150に接続される発熱抵抗層H1134と、絶縁層H1152を覆う絶縁層H1154と、発熱抵抗層H1134および絶縁層H1154を覆う保護層H1128、および、保護層H1130とを含んで構成されている。
【0145】
絶縁層H1152は、上述した絶縁層H1126と同様に、例えば、燐酸化ケイ素により所定の比較的薄い膜厚さで均一に形成されている。絶縁層H1152内における個別導体層H1150の他方の端部に対応してスルーホールH1152aがそれぞれ形成されている。スルーホールH1152a内には、例えば、銅合金材料で作られた埋込み電極H1158がシード層SSを介して設けられている。埋込み電極H1158は、個別導体層H1150と発熱抵抗層H1134の下面の一端とを接続するものとされる。発熱抵抗層H1134の下面の他端は、また、共通電極層としての埋込み電極H1156に電気的に接続されている。埋込み電極H1156は、絶縁層H1154内における埋込み電極H1158に対向して設けられる凹部H1154a内にシード層SSを介して設けられている。なお、埋込み電極H1158、および埋込み電極H1156は、アルミニウム、アルミニウムとシリコンとの合金材料で作られても良い。
【0146】
絶縁層H1154は、埋込み電極H1156、およびH1158の一方の端面と同一の平面となる平滑な平坦面FSを上面に有している。その平坦面FSには、発熱抵抗層H1134が埋込み電極H1156、およびH1158に跨って形成されている。
【0147】
従って、本例においても、保護層H1130の外面部には、その保護層の欠陥の原因となる凹部または段差が形成されることがないのでその耐久性が向上することとなる。
【0148】
このような基板H1101を製造するにあたっては、先ず、図18の(a)に示めされるように、基体H1120の平坦面に熱酸化により酸化膜H1122が形成された後、所定のパターニングおよびエッチング処理により、個別導体層H1150が形成される。
【0149】
次に、図18の(b)に示されるように、絶縁層H1152が例えば、CVD法により、酸化膜H1122、個別導体層H1150をその全体にわたり覆うように形成される。
【0150】
続いて、絶縁層H1152に対して所定のパターニング、エッチング処理が行われることにより、個別導体層H1150に到達するスルーホールH1152aがそれぞれ形成される。
【0151】
続いて、図18の(b)に二点鎖線で示されるように、絶縁層H1154’が例えば、CVD法により、絶縁層H1152をその全体にわたり覆うように形成される。
【0152】
続いて、絶縁層H1154’に対して所定のパターニング、エッチング処理が行われることにより、スルーホールH1152bを介して共通導体層H1150に到達するスルーホールH1154b’、および凹部H1154a’がそれぞれ形成される。凹部H1154a’の最大深さは、スルーホールH1154b’の深さよりも大に設定されている。
【0153】
その際、上述のシード層SSがスパッタリングによりスルーホールH1152a、凹部H1154a’およびスルーホールH1154b’を形成する内面に形成される。
【0154】
続いて、図18の(c)に二点鎖線で示されるように、埋込み電極を形成すべく、導電体層H1157が、例えば、電解メッキ法により、絶縁層H1154’の外表面を覆い、スルーホールH1152aおよびH1154b’、凹部H1154a’の内部を埋めるように形成される。その際、導電体層H1157の膜厚は、スルーホールH1154b’の深さとスルーホールH1152aの深さとを加算した値以上に設定される。
【0155】
続いて、図18の(c)に示されるように、絶縁層H1154’上の導電体層H1157が除去され、かつ、絶縁層H1154’の上面が平坦面となるように所定量、研磨される。研磨は、例えば、エッチング液が含まれる研磨剤で、研磨装置Gが利用されて機械的な研磨がなされる。これにより、その平坦面FSに露出する埋込み電極H1156およびH1158が形成される。
【0156】
続いて、発熱抵抗層が平坦面FS全体にわたり形成された後、その発熱抵抗層に対し所定のパターニングおよびドライエッチング法によるエッチング処理が行われる。そのエッチング処理時間は、従来に比べて比較的短い期間とされ、かつ、必要最小限とされる所定時間に設定されている。これにより、発熱抵抗層H1134が埋込み電極H1156およびH1158に跨るように絶縁層H1154上に形成される。
【0157】
続いて、発熱抵抗層H1134および絶縁層H1154全体を覆うように保護層H1128が形成された後、耐キャビテーション層としての保護層が保護層H1128を覆うように形成される。
【0158】
そして、その保護層H1128を覆う保護層に対し所定のパターニングおよびエッチング処理が行われることにより、保護層H1130が形成されることとなる。なお、上述した駆動信号入力部の一部をなす電極パッドとなる部分における保護層H1128は除去される。
【0159】
図19の(a)および(b)は、本発明に係る記録ヘッド用基板の第4の実施例を示す。
【0160】
図19の(a)および(b)において、基板H1101は、薄板状に作られる基体H1120と、基体H1120の一方の平坦面上に形成される酸化膜H1122と、酸化膜H1122の上面に形成される個別導体層H1174と、個別導体層H1174、および酸化膜H1122上に積層される絶縁層H1170と、個別導体層H1174に対し真上に形成され、電極部H1176を介して電気的に個別導体層H1174に接続される発熱抵抗層H1172と、発熱抵抗層H1134および絶縁層H1170を覆う保護層H1128、および、保護層H1130とを含んで構成されている。
【0161】
絶縁層H1170は、上述した絶縁層H1126と同様に、例えば、燐酸化ケイ素により所定の数μm程度の膜厚さで均一に形成されている。絶縁層H1170内における個別導体層H1174の一方の端部に対応してスルーホールH1170Aが形成されている。スルーホールH1170Aは、個別導体層H1174に対し開口する小開口部H1170bと、小開口部H1170bに連通するとともに、発熱抵抗層H1172に対し開口する大開口部1170aとからなる。
また、絶縁層H1170内におけるスルーホールH1170Aに対向した部分には、凹部H1170Bが形成されている。スルーホールH1170A内には、例えば、銅合金材料で作られた埋込み電極H1176がシード層SSを介して設けられている。埋込み電極H1176は、個別導体層H1174と発熱抵抗層H1172の下面の一端とを接続するものとされる。発熱抵抗層H1172の下面の他端は、また、凹部H1170Bにシード層SSを介して設けられる共通電極層としての埋込み電極H1178に電気的に接続されている。
【0162】
なお、埋込み電極H1176、および埋込み電極H1178は、アルミニウム、アルミニウムとシリコンとの合金材料で作られても良い。
【0163】
絶縁層H1170は、埋込み電極H1176、およびH1178の一方の端面と同一の平面となる平滑な平坦面FSを上面に有している。その平坦面FSには、発熱抵抗層H1172が埋込み電極H1176、およびH1178に跨って形成されている。
【0164】
従って、本例においても、保護層H1130の外面部には、その保護層の欠陥の原因となる凹部または段差が形成されることがないのでその耐久性が向上することとなる。
【0165】
このような基板H1101を製造するにあたっては、先ず、図20の(a)に示めされるように、基体H1120の平坦面に熱酸化により酸化膜H1122が形成された後、所定のパターニングおよびエッチング処理により、上述の例と同様な材料で個別導体層H1174が形成される。
【0166】
次に、図20の(b)に示されるように、絶縁層H1170’が例えば、CVD法により、酸化膜H1122、個別導体層H1174をその全体にわたり覆うように形成される。
【0167】
続いて、絶縁層H1170’に対して所定のパターニング、第一回目のエッチング処理が行われることにより、スルーホールH1170Aにおける大開口部H1170aに対応する凹部H1170A’、および、凹部H1170Bに対応する凹部H1170B’が形成される。凹部H1170B’の最大深さは、凹部H1170b’の深さよりも大に設定されている。
【0168】
続いて、凹部H1170B’に対しマスキング処理がなされるもとで、さらに小開口部H1170bに対応する部分H1170b’を形成すべく所定のパターニング、第ニ回目のエッチング処理が行われる。これにより、個別導体層H1174に到達するスルーホールに対応する部分が形成されることとなる。
【0169】
その際、上述のシード層SSがスパッタリングによりスルーホールH1170A’、凹部H1170B’を形成する内面に形成される。
【0170】
続いて、図20の(c)に二点鎖線で示されるように、埋込み電極を形成すべく、導電体層H1177が、例えば、電解メッキ法により、絶縁層H1170’の外表面を覆い、スルーホールH1170A’、凹部H1170B’の内部を埋めるように形成される。その際、導電体層H1157の膜厚は、スルーホールH1170A’の深さ以上に設定される。
【0171】
続いて、図20の(c)に示されるように、絶縁層H1170’上の導電体層H1177が除去され、かつ、絶縁層H1170’の上面が平坦面となるように所定量、研磨される。研磨は、例えば、エッチング液が含まれる研磨剤で、研磨装置Gが利用されて機械的な研磨がなされる。これにより、その平坦面FSに露出する埋込み電極H1176およびH1178が形成される。
【0172】
続いて、発熱抵抗層が平坦面FS全体にわたりスパッタリング法で形成された後、その発熱抵抗層に対し所定のパターニングおよびドライエッチング法によるエッチング処理が行われる。これにより、発熱抵抗層H1172が埋込み電極H1176およびH1178に跨るように絶縁層H1170上に形成される。
【0173】
続いて、発熱抵抗層H1172および絶縁層H1170全体を覆うように保護層H1128が形成された後、耐キャビテーション層としての保護層が保護層H1128を覆うように形成される。
【0174】
そして、その保護層H1128を覆う保護層に対し所定のパターニングおよびエッチング処理が行われることにより、保護層H1130が形成されることとなる。なお、上述した駆動信号入力部の一部をなす電極パッドとなる部分における保護層H1128は除去される。
【0175】
従って、本例は、図20の(b)に示されるように、絶縁層H1170’に対し連続したエッチング処理を2回行うことにより、上述の第3の実施例において必要とされる絶縁層H1152を形成する工程が不要となり、その結果、生産性の向上および製造コストの低減が図られることとなる。
【0176】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る記録ヘッド用基板、それを備える液体吐出記録ヘッドおよび記録装置によれば、発熱抵抗体層が絶縁層と電極部との共通の平坦面上に導体層に対向して形成され電極部に電気的に接続され、また、保護層が、発熱抵抗体層および絶縁層上に積層され発熱抵抗体層および絶縁層を覆うので保護層の欠陥の原因となる発熱抵抗層に対向する保護層の凹部(段差)をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明に係る記録ヘッド用基板の第1の実施例の要部を部分的に示す平面図であり、(b)は、(a)に示される例における部分断面図である。
【図2】(a),(b),および、(c)は、それぞれ、図1に示される例における製造工程の説明に供される部分断面図である。
【図3】本発明の一実施例によるインクジェットプリンタの外観構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示すプリンタの外装部材を取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施例によるプリンタに用いる記録ヘッドカートリッジを組立てた状態を示す斜視図である。
【図6】図5に示す記録ヘッドカートリッジを示す分解斜視図である。
【図7】図6に示した記録ヘッドを斜め下方から観た分解斜視図である。
【図8】(a),(b)は、それぞれ、図5の記録ヘッドカートリッジに代えて本発明の一実施例によるプリンタに搭載可能なスキャナカートリッジの構成を示すために、そのスキャナカートリッジを天地逆にして示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施例のプリンタにおける電気的回路の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】図9に示した電気回路のうちメインPCBの内部構成例を示すブロック図である。
【図11】図10に示したメインPCBのうちASICの内部構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の一実施例のプリンタの動作例を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る液体吐出記録ヘッドの一例の要部の部分断面を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る液体吐出記録ヘッドの他の一例の要部の部分断面を示す斜視図である。
【図15】(a)は、本発明に係る記録ヘッド用基板の第2の実施例の要部を部分的に示す平面図であり、(b)は、(a)に示される例における部分断面図である。
【図16】(a),(b),および、(c)は、それぞれ、図15に示される例における製造工程の説明に供される部分断面図である。
【図17】(a)は、本発明に係る記録ヘッド用基板の第3の実施例の要部を部分的に示す平面図であり、(b)は、(a)に示される例における部分断面図である。
【図18】(a),(b),および、(c)は、それぞれ、図17に示される例における製造工程の説明に供される部分断面図である。
【図19】(a)は、本発明に係る記録ヘッド用基板の第4の実施例の要部を部分的に示す平面図であり、(b)は、(a)に示される例における部分断面図である。
【図20】(a),(b),(c)、および、(d)は、それぞれ、図19に示される例における製造工程の説明に供される部分断面図である。
【図21】従来の記録ヘッド用基板の構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
M1000 装置本体
M1001 下ケース
M1002 上ケース
M1003 アクセスカバー
M1004 排出トレイ
M2015 紙間調整レバー
M2003 排紙ローラ
M3001 LFローラ
M3019 シャーシ
M3022 自動給送部
M3029 搬送部
M3030 排出部
M4000 記録部
M4001 キャリッジ
M4002 キャリッジカバー
M4007 ヘッドセットレバー
M4021 キャリッジ軸
M5000 回復系ユニット
M6000 スキャナ
M6001 スキャナホルダ
M6003 スキャナカバー
M6004 スキャナコンタクトPCB
M6005 スキャナ照明レンズ
M6006 スキャナ読取レンズ1
M6100 保管箱
M6101 保管箱ベース
M6102 保管箱カバー
M6103 保管箱キャップ
M6104 保管箱バネ
E0001 キャリッジモータ
E0002 LFモータ
E0003 PGモータ
E0004 エンコーダセンサ
E0005 エンコーダスケール
E0006 インクエンドセンサ
E0007 PEセンサ
E0008 GAPセンサ(紙間センサ)
E0009 ASFセンサ
E0010 PGセンサ
E0011 コンタクトFPC(フレキシブルプリントケーブル)
E0012 CRFFC(フレキシブルフラットケーブル)
E0013 キャリッジ基板
E0014 メイン基板
E0015 電源ユニット
E0016 パラレルI/F
E0017 シリアルI/F
E0018 電源キー
E0019 リジュームキー
E0020 LED
E0021 ブザー
E0022 カバーセンサ
E1001 CPU
E1002 OSC(CPU内蔵オシレータ)
E1003 A/D(CPU内蔵A/Dコンバータ)
E1004 ROM
E1005 発振回路
E1006 ASIC
E1007 リセット回路
E1008 CRモータドライバ
E1009 LF/PGモータドライバ
E1010 電源制御回路
E1011 INKS(インクエンド検出信号)
E1012 TH(サーミスタ温度検出信号)
E1013 HSENS(ヘッド検出信号)
E1014 制御バス
E1015 RESET(リセット信号)
E1016 RESUME(リジュームキー入力)
E1017 POWER(電源キー入力)
E1018 BUZ(ブザー信号)
E1019 発振回路出力信号
E1020 ENC(エンコーダ信号)
E1021 ヘッド制御信号
E1022 VHON(ヘッド電源ON信号)
E1023 VMON(モータ電源ON信号)
E1024 電源制御信号
E1025 PES(PE検出信号)
E1026 ASFS(ASF検出信号)
E1027 GAPS(GAP検出信号)
E0028 シリアルI/F信号
E1029 シリアルI/Fケーブル
E1030 パラレルI/F信号
E1031 パラレルI/Fケーブル
E1032 PGS(PG検出信号)
E1033 PM制御信号(パルスモータ制御信号)
E1034 PGモータ駆動信号
E1035 LFモータ駆動信号
E1036 CRモータ制御信号
E1037 CRモータ駆動信号
E0038 LED駆動信号
E1039 VH(ヘッド電源)
E1040 VM(モータ電源)
E1041 VDD(ロジック電源)
E1042 COVS(カバー検出信号)
E2001 CPU I/F
E2002 PLL
E2003 DMA制御部
E2004 DRAM制御部
E2005 DRAM
E2006 1284 I/F
E2007 USB I/F
E2008 受信制御部
E2009 圧縮・伸長DMA
E2010 受信バッファ
E2011 ワークバッファ
E2012 ワークエリアDMA
E2013 記録バッファ転送DMA
E2014 プリントバッファ
E2015 記録データ展開DMA
E2016 展開用データバッファ
E2017 カラムバッファ
E2018 ヘッド制御部
E2019 エンコーダ信号処理部
E2020 CRモータ制御部
E2021 LF/PGモータ制御部
E2022 センサ信号処理部
E2023 モータ制御バッファ
E2024 スキャナ取込みバッファ
E2025 スキャナデータ処理DMA
E2026 スキャナデータバッファ
E2027 スキャナデータ圧縮DMA
E2028 送出バッファ
E2029 ポート制御部
E2030 LED制御部
E2031 CLK(クロック信号)
E2032 PDWM(ソフト制御信号)
E2033 PLLON(PLL制御信号)
E2034 INT(割り込み信号)
E2036 PIF受信データ
E2037 USB受信データ
E2038 WDIF(受信データ/ラスタデータ)
E2039 受信バッファ制御部
E2040 RDWK(受信バッファ読み出しデータ/ラスタデータ)
E2041 WDWK(ワークバッファ書込みデータ/記録コード)
E2042 WDWF(ワークフィルデータ)
E2043 RDWP(ワークバッファ読み出しデータ/記録コード)
E2044 WDWP(並べ替え記録コード)
E2045 RDHDG(記録展開用データ)
E2047 WDHDG(カラムバッファ書込みデータ/展開記録データ)E2048 RDHD(カラムバッファ読み出しデータ/展開記録データ)
E2049 ヘッド駆動タイミング信号
E2050 データ展開タイミング信号
E2051 RDPM(パルスモータ駆動テーブル読み出しデータ)
E2052 センサ検出信号
E2053 WDHD(取込みデータ)
E2054 RDAV(取込みバッファ読み出しデータ)
E2055 WDAV(データバッファ書込みデータ/処理済データ)
E2056 RDYC(データバッファ読み出しデータ/処理済データ)
E2057 WDYC(送出バッファ書込みデータ/圧縮データ)
E2058 RDUSB(USB送信データ/圧縮データ)
E2059 RDPIF(1284送信データ)
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 記録素子基板
H1100T 吐出口
H1126,H1140,H1154、H1170 絶縁層
H1124AB 個別導体層
H1124A 共通導体層
H1130 保護層
H1132A,1132B 電極部
H1134 発熱抵抗層
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダー
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルター
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク
H1600d 連通路
FS 平坦面
SS シード層

Claims (12)

  1. 基体上に形成され駆動信号を供給する導体層と、
    前記導体層に一端が電気的に接続され絶縁層を介して前記基体上に設けられる電極部と、
    前記絶縁層と前記電極部との共通の平坦面上に前記導体層に対向して形成され前記電極部に電気的に接続される発熱抵抗体層と、
    前記発熱抵抗体層および前記絶縁層上に積層され該発熱抵抗体層および前記絶縁層を覆う保護層と、
    を具備して構成される記録ヘッド用基板。
  2. 前記電極部は、前記発熱抵抗体層と前記導体層との間に被覆されることを特徴する請求項1記載の記録ヘッド用基板。
  3. 前記電極部は、前記発熱抵抗体層の真下となる位置に形成されることを特徴する請求項1記載の記録ヘッド用基板。
  4. 前記絶縁層と前記電極部との共通の平坦面は、エッチング液を利用した研磨加工により形成されることを特徴する請求項1記載の記録ヘッド用基板。
  5. 前記電極部は、前記発熱抵抗体層と前記導体層との間における前記絶縁層内に形成されるスルーホール内に形成されることを特徴する請求項1記載の記録ヘッド用基板。
  6. 前記スルーホールの断面形状は、前記絶縁層の厚さ方向に沿って階段状に変化するように形成されることを特徴する請求項5記載の記録ヘッド用基板。
  7. 前記スルーホールは、前記絶縁層の厚さ方向に沿って連続してなされる2回のエッチング処理により形成されることを特徴する請求項5記載の記録ヘッド用基板。
  8. 前記スルーホールを形成する内壁面と前記電極部との間には、前記発熱抵抗体層の材料と同一材料でシード層が形成されることを特徴する請求項5記載の記録ヘッド用基板。
  9. 前記電極部は、アルミニウム、アルミニウム合金または銅のいずれかで形成されることを特徴する請求項5記載の記録ヘッド用基板。
  10. 互いに離隔して一対設けられる前記電極部のうちの一方が駆動信号が供給される共通電極層に電気的に接続されることを特徴する請求項1記載の記録ヘッド用基板。
  11. 請求項1記載の記録ヘッド用基板と、
    前記記録ヘッド用基板上に設けられ前記発熱抵抗体層に対応して記録用の液体を液体吐出口に導く液体流路を形成する液体流路形成部材と、
    を具備して構成される液体吐出記録ヘッド。
  12. 請求項11記載の液体吐出記録ヘッドと、
    前記液体吐出記録ヘッドを記録媒体の記録面に対向して移動させる移動手段と、
    前記移動手段に移動させる動作を行わせるとともに、前記液体吐出記録ヘッドに記録動作を行わせる制御部と、
    を具備して構成される記録装置。
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