JP2004299055A - 液体噴射装置、インクジェット式記録装置及び液体注入装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体噴射装置の液体噴射ヘッドから噴射される液体の種類を容易に変化させる。
【解決手段】プリンタ11は、給紙部、印刷部22、インク調合部23を備える。印刷部22は、ガイド部材39に移動可能に挿通支持されているキャリッジ41を備え、キャリッジ41上にはインクカートリッジ42が搭載されている。インク調合部23は、複数種類のインク原料を貯留するインク原料貯留部71と、インク原料貯留部71から選択的に抽出されたインク原料を混合するインク混合部72と、インク混合部72内のインクをインクカートリッジ42に供給するインク注入部73とを備える。インク調合部23において調合されるインクは、そのインク原料の混合の組み合わせや割合が、プリンタ11の操作パネル部を介して特定される設定データに基づいて決定される。そして、インク混合部72にて調合されたインクはインクカートリッジ42に供給され、印刷に使用される。
【選択図】 図3
【解決手段】プリンタ11は、給紙部、印刷部22、インク調合部23を備える。印刷部22は、ガイド部材39に移動可能に挿通支持されているキャリッジ41を備え、キャリッジ41上にはインクカートリッジ42が搭載されている。インク調合部23は、複数種類のインク原料を貯留するインク原料貯留部71と、インク原料貯留部71から選択的に抽出されたインク原料を混合するインク混合部72と、インク混合部72内のインクをインクカートリッジ42に供給するインク注入部73とを備える。インク調合部23において調合されるインクは、そのインク原料の混合の組み合わせや割合が、プリンタ11の操作パネル部を介して特定される設定データに基づいて決定される。そして、インク混合部72にて調合されたインクはインクカートリッジ42に供給され、印刷に使用される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射装置、インクジェット式記録装置及び液体注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、記録ヘッドから記録媒体に対してインク滴を噴射させて印刷を行う、インクジェット式記録装置が知られていた。一般に、このようなインクジェット式記録装置においては、ブラックインク、マゼンタインク、シアンインク、イエローインクといった、複数色のインクを使用することが知られていた。そして、これら複数色のインクを記録ヘッドから様々なタイミングで噴射させることによって、記録媒体上にカラー画像を印刷することが可能となっていた。
【0003】
ところで、上記のような4色のインクによるカラー印刷では、印刷画像の階調的な表現力に限界が生じてしまうことがあった。そこで、最近では、上記の4色に加えて、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクといった、ライト系のインクを使用することが知られていた。なお、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクとは、それぞれ、シアンインク、マゼンタインクの濃度を薄くしたものである。
【0004】
また、同じ色のインクでも、その色を決める着色材によって、色にわずかな違いが生じることも知られていた。例えば、イエローインクを形成する場合に、着色材として、ダイレクトイエローを使用したり、アシッドイエローを使用したりすることにより、同じイエローでも、系統の異なるイエローインクを形成することができることが知られていた。従って、このような系統の異なるインクを使い分けることによって、カラー印刷の色の表現に幅を持たせることなどが行われていた。
【0005】
すなわち、以上のようにして、ライト系インクを使用したり、系統の異なるインクを使用したりすることにより、記録媒体上に印刷されるカラー画像の階調表現力を向上させたり、表現可能な色の範囲を増加させたりすることができるようになっていた。
【0006】
また、上記のようなインクジェット式記録装置に使用されるインクは、その色の違いに加えて、染料や顔料といった性質の違いも有することが知られていた。すなわち、例えば、写真等の印刷を行いたい場合には、色再現性の高い染料インクを使用して印刷を行うことが望ましくなっていた。また、耐光性や耐水性に強い印刷を行いたい場合には顔料インクを使用することが望ましくなっていた。
【0007】
以上のように、インクジェット式記録装置は、その印刷画像の品質に合った、最適な色や性質を有するインクを選択して使用することが望まれるようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような色や性質の異なる各種のインクは、それぞれ、その種類毎にインクカートリッジに貯留された状態で、インクジェット式記録装置に搭載されるようになっていた。そして、ユーザーは、所望する印刷画像の品質に合ったインクを選択し、そのインクを収容するインクカートリッジをインクジェット式記録装置に搭載するようにしていた。従って、例えば、現在インクジェット式記録装置に備えられているインクカートリッジが、所望するインクのインクカートリッジでない場合には、インクカートリッジに交換することによって対応するようになっていた。しかし、印刷する画像の品質が変化するたびに、インクカートリッジの交換を行うことは、ユーザーにとって手間となる可能性があった。
【0009】
また、インクカートリッジに収容されるインクの種類は、インクカートリッジの生産者によって決められるようになっていた。従って、1台のインクジェット式記録装置において表現可能な画像の範囲は、インクカートリッジの生産者の裁量によって決められてしまう可能性があり、場合によっては、ユーザーの所望する色が表現できない場合があった。その結果、ユーザーは、所望する色のインクを使用するために、他のインクジェット式記録装置を新たに購入するなどの対策をとらなければならず、ユーザーにとって負担となっていた。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、液体噴射ヘッドから噴射させる液体の種類を、容易に変化させることのできる液体噴射装置、インクジェット式記録装置及び液体注入装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置において、複数の液体原料をそれぞれ個別に貯留する複数の液体原料貯留手段と、前記複数の液体原料貯留手段から前記複数の液体原料を選択的に抽出し、抽出した前記液体原料を混合し、前記液体を形成する液体混合手段と、前記液体混合手段において形成した前記液体を前記液体噴射ヘッドに供給する液体供給手段とを備えた。
【0012】
従って、本発明によれば、液体噴射装置において、複数の液体原料の混合の組み合わせや混合割合を様々に変化させることにより、様々な種類の液体を混合形成することができる。その結果、液体噴射ヘッドから噴射させる液体の種類を必要に応じて様々に変化させることが可能となる。しかも、1台の液体噴射装置内において、部品交換等を行うことなく、様々な液体を混合形成して噴射させることができ、液体の種類の変更を簡単に行うことができる。
【0013】
本発明は、ノズルから記録媒体に対してインクを噴射することにより印刷を行う記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置において、複数のインク原料をそれぞれ個別に貯留する複数のインク原料貯留手段と、前記複数のインク原料貯留手段から前記複数のインク原料を選択的に抽出し、抽出した前記インク原料を混合し、前記インクを形成するインク混合手段と、前記インク混合手段において形成した前記インクを前記記録ヘッドに供給するインク供給手段とを備えた。
【0014】
従って、本発明によれば、インクジェット式記録装置において、複数のインク原料の混合の組み合わせや混合割合を様々に変化させることにより、様々な種類のインクを混合形成することができる。その結果、インクジェット式記録装置の記録ヘッドから噴射されるインクの種類を必要に応じて様々に変化させることが可能となる。そして、様々な品質の印刷を記録媒体に対して行うことができる。しかも、1台のインクジェット式記録装置内において、インクカートリッジの交換等を行うことなく、様々なインクを混合形成して記録媒体に対して噴射させることができ、インクの種類の変更を簡単なものとすることができる。
【0015】
このインクジェット式記録装置において、前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、顔料系着色材の顔料分散液と、染料系着色材の染料溶液とを個別に貯留する手段である。
【0016】
これによれば、インクジェット式記録装置において、インクを混合形成するときに、顔料系着色材の顔料分散液を使用した顔料系インクと、染料系着色材の染料溶液を使用した染料系インクとのいずれかを、必要に応じて選択的に混合形成することができる。従って、例えば、耐光性の高いインクを使った印刷を行いたい場合には顔料系インクによる印刷を、また、写真のような発色性の良いインクを使った印刷を行いたい場合には染料系インクによる印刷を1台のインクジェット式記録装置において選択的に行うことができる。
【0017】
このインクジェット式記録装置において、前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、複数の同系色の着色材を個別に貯留する手段である。
これによれば、インクジェット式記録装置において、インクを混合形成するときに、複数の同系色の着色材を選択的に使用することにより色合いの異なる様々なインクを混合形成することができる。従って、例えば、インクジェット式記録装置において印刷される画像の色合いを、赤みの強い印刷にしたい場合などには、赤みの強いインクを形成するための着色材を選択的に使用してインクを混合形成することで対応することができる。
【0018】
このインクジェット式記録装置において、前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、インクの溶剤、あるいは、インクの希釈材を個別に貯留する手段である。
【0019】
これによれば、インクジェット式記録装置において、インクを混合形成するときに、インクの着色材に対する溶剤や希釈材の混合割合を様々に変化させることができる。その結果、様々な濃淡を有するインクを選択的に形成することができる。従って、例えば、インクジェット式記録装置において印刷される画像の濃淡を、全体的に濃くしたい場合などには、溶剤や希釈材の混合割合を減少させることで、色の濃いインクを混合形成して対応することができる。
【0020】
このインクジェット式記録装置において、前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、複数種類のインクの溶剤、あるいは、複数種類のインクの希釈材を種類毎に貯留する手段である。
【0021】
これによれば、インクジェット式記録装置において、インクを混合形成するときに、インクに含まれる溶剤や希釈材の種類を様々に変化させることができる。その結果、様々な記録媒体に適したインクを選択的に混合形成し、印刷に使用することができる。従って、使用する記録媒体の種類が変化しても、それぞれに適した印刷を容易に行うことができる。
【0022】
本発明は、液体噴射装置の液体噴射ヘッドから噴射させる液体を貯留するための液体カートリッジを保持可能な保持手段と、同保持手段に保持された前記液体カートリッジに対して前記液体を供給可能な液体供給手段とを備えた液体注入装置において、複数の液体原料をそれぞれ個別に貯留する複数の液体原料貯留手段と、前記複数の原料貯留手段から前記複数の液体原料を選択的に抽出し、抽出した前記液体原料を混合し、前記液体を形成する液体混合手段とを備えた。
【0023】
従って、本発明によれば、液体注入装置において、複数の液体原料の混合の組み合わせや混合割合を様々に変化させることにより、様々な種類の液体を混合形成することができる。その結果、液体カートリッジへと供給する液体の種類を必要に応じて様々に変化させることが可能となる。従って、この液体注入装置によって液体が注入された液体カートリッジを、液体噴射装置において使用することで、液体噴射ヘッドから噴射させる液体の種類を様々に変化させることができる。さらに、液体噴射ヘッドから噴射させる液体の種類を変化させるためには、使用済みの液体カートリッジ内にインク注入装置から好みのインクを混合形成して供給して使用することで対応可能であり、新たな液体カートリッジを購入する必要がないので、液体カートリッジのコストを低減させることができる。
【0024】
この液体注入装置において、前記保持手段に保持された前記液体カートリッジの記憶手段から、前記液体カートリッジを識別する識別情報を取得可能な取得手段を備え、前記液体混合手段は、前記取得手段にて取得した前記識別情報に基づいて、前記液体原料貯留手段から前記複数の液体原料を選択的に抽出する手段である。
【0025】
これによれば、液体注入装置において、液体を混合形成するときに、液体カートリッジの記憶手段から取得した識別情報に基づいて、液体原料が選択的に抽出されて液体が混合形成されるようになる。この結果、その液体カートリッジに適した液体を混合形成して液体カートリッジに供給することができるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置(以下、単にプリンタとする)11は、印刷店又はコンビニエンスストアなどの店舗に設置される自動印刷装置であり、略直方体形状のハウジング11aによって覆われている。そして、ハウジング11aの上面には、操作パネル部12が設けられている。操作パネル部12は、操作画面13とメニューボタン14とを備え、操作画面13は、このプリンタ11において印刷する画像のサムネイル画像や、印刷の設定等を行うための各種画像を表示するためのものである。メニューボタン14は、印刷の設定や実行を行うための各種操作を行うための入力手段となっている。
【0028】
また、プリンタ11のハウジング11aの前面上部には、磁気ディスクドライブ16と料金投入部17とが設けられている。磁気ディスクドライブ16は、ユーザーが持参した図示しない磁気ディスクから、画像データ等を読み出すためのものである。また、料金投入部17は、紙幣投入部17aと硬貨投入部17bとを備え、ユーザーから紙幣あるいは硬貨を受領するためのものである。さらに、ハウジング11aの前面下部には、四角枠状の開口19が設けられており、プリンタ11において印刷された紙等が、ユーザーに対して提供されるときには、この開口19を介して提供されるようになっている。
【0029】
図2に示すように、プリンタ11は、ハウジング11aの内部に、給紙部21、印刷部22、インク調合部23を備える。給紙部21は、第1の用紙トレイ24、第2の用紙トレイ25、第1の抽出ローラ27、第2の抽出ローラ28、給紙ガイド29を備える。第1及び第2の用紙トレイ24,25は、ともに、ハウジング11aに固定されており、第1の用紙トレイ24には、記録媒体としての普通紙P1が、第2の用紙トレイ25には、記録媒体としての光沢紙P2がそれぞれ複数枚ずつ格納されている。
【0030】
第1及び第2の抽出ローラ27,28は、円柱形状に形成され、前記第1及び第2の用紙トレイ24,25内の普通紙P1及び光沢紙P2に対して、それぞれ当接した状態で、回動可能にハウジング11aに支持されている。そして、これら第1及び第2の抽出ローラ27,28は、第1及び第2の抽出モータ31,32(図6参照)にそれぞれ接続されており、第1及び第2の抽出モータ31,32の駆動により回転するようになっている。そして、第1及び第2の抽出ローラ27,28が回転すると、第1及び第2の用紙トレイ24,25から、それぞれ、普通紙P1及び光沢紙P2が、斜め下方に向かって一枚ずつ排出されるようになっている。
【0031】
給紙ガイド29は、第1及び第2の用紙トレイ24,25の下方において、プリンタ11のハウジング11aに固定されている。そして、第1及び第2の用紙トレイ24,25から排出された普通紙P1、あるいは、光沢紙P2を、図2に示す矢印A方向、すなわち、印刷部22の方向へと導くようになっている。
【0032】
図2及び図3に示すように、印刷部22は、紙送りローラ35、プラテン36、排紙ローラ38、ガイド部材39、キャリッジ41、インクカートリッジ42、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド45、廃液タンク47、ヘッドクリーニング機構49を備える。
【0033】
図2に示すように、紙送りローラ35は、前記給紙ガイド29の左側に位置しており、前記第1及び第2の抽出ローラ27,28と平行となる2本のローラ35a,35bを備える。ローラ35a,35bは、前記ハウジング11aに対して回転可能に支持され、紙送りモータ50(図6参照)によって駆動される。そして、前記第1及び第2の用紙トレイ24,25から送り出された普通紙P1あるいは光沢紙P2は、ローラ35a,35bによって上下方向から挟み込みこまれるようになっている。この状態で、紙送りモータ50の駆動により、ローラ35aを正回転させると同時に、ローラ35bを逆回転させることにより、普通紙P1あるいは光沢紙P2は、前記矢印A方向へと送り出されるようになっている。
【0034】
プラテン36は、前記紙送りローラ35の左側に位置しており、前記紙送りローラ35と平行となるようにしてハウジング11aに架設されている。そして、紙送りローラ35から送り出された普通紙P1あるいは光沢紙P2は、このプラテン36によって下側から支持されるようになっている。
【0035】
排紙ローラ38は、前記プラテン36の左側において、前記紙送りローラ35と平行となるようにして位置しており、平行する2本のローラ38a,38bを備える。ローラ38a,38bは、前記ハウジング11aに対して回転可能に支持され、前記紙送りモータ50によって駆動される。そして、プラテン36から搬送された普通紙P1あるいは光沢紙P2は、ローラ38a,38bによって上下方向から挟み込まれるようになっている。この状態で、紙送りモータ50の駆動により、ローラ38aを正回転させると同時に、ローラ38bを逆回転させることにより、普通紙P1あるいは光沢紙P2は、前記矢印A方向に沿って送り出すようになっている。そして、排紙ローラ38から送り出された普通紙P1あるいは光沢紙P2は、ハウジング11aに設けられている前記開口19へと導かれ、ハウジング11aの外部へと排出されるようになっている。
【0036】
図2及び図3に示すように、ガイド部材39は、プラテン36の上方において、前記紙送りローラ35と平行となるようにしてハウジング11aに架設されている。また、キャリッジ41は、ガイド部材39に対して移動可能に挿通支持されている。そして、図3に示すように、キャリッジ41は、タイミングベルト51を介してキャリッジモータ52に接続されており、キャリッジモータ52の駆動により、ガイド部材39に沿う方向、すなわち、矢印B方向(主走査方向)に沿って、往復移動されるようになっている。
【0037】
インクカートリッジ42は、前記キャリッジ41の上部に搭載されており、4個のインクカートリッジ42k,42m,42c,42yを備える。そして、これら、インクカートリッジ42k,42m,42c,42yは、それぞれ、液体としてのブラックインク、マゼンタインク、シアンインク、イエローインクが収容されるようになっている。また、図4に示すように、インクカートリッジ42k,42m,42c,42yの上面には、それぞれ、インク供給孔55k,55m,55c,55y及び、大気開放孔56k,56m,56c,56yが形成されている。そして、各インクカートリッジ42k,42m,42c,42yへは、このインク供給孔55k,55m,55c,55yを介してインクを供給することが可能となっている。また、大気開放孔56k,56m,56c,56yは、インクカートリッジ42k,42m,42c,42yにインクを供給するときに、内部に残留している空気等を外部に排出させるためのものとなっている。
【0038】
さらに、インクカートリッジ42の側面には、検出部58が設けられている。この検出部58は、ICチップにより形成されており、各種情報を記憶することが可能となっている。
【0039】
図2及び図3に示すように、記録ヘッド45は、前記キャリッジ41の下部に搭載されている。そして、記録ヘッド45は、その下面に4つの図示しないノズル列が形成されており、これらのノズル列は、それぞれ、前記インクカートリッジ42k,42m,42c,42yに対して接続されている。従って、記録ヘッド45において圧電素子(図示しない)が駆動されることによって、インクカートリッジ42k,42m,42c,42yから各ノズル列へとインクが色毎に供給され、記録ヘッド45からインク滴が吐出される。
【0040】
なお、このとき、記録ヘッド45の各ノズル列は、前記プラテン36と上下方向において対向する位置に設けられている。従って、プラテン36上に普通紙P1あるいは光沢紙P2が所定のタイミングで送り出された状態で、記録ヘッド45からインク滴を吐出することにより、普通紙P1あるいは光沢紙P2上に画像が印刷されるようになる。
【0041】
図3に示すように、廃液タンク47は、前記プラテン36を下方に投影したときに、その投影した部分全体を包含することが可能となるような位置に設けられ、ハウジング11aに固定されている。そして、廃液タンク47は、上面が開口する箱形に形成されており、その内部には、多孔質素材による複数の廃液吸収材61が、積層されるようにして備えられている。
【0042】
ヘッドクリーニング機構49は、ハウジング11a内において、図3に示す右側端部、すなわち、非印刷領域(ホームポジション)に設けられている。そして、ヘッドクリーニング機構49は、キャップ部材63と、同キャップ部材63に接続されている吸引チューブ64と、同吸引チューブ64の途中に設けられている吸引ポンプ65とを備える。キャップ部材63は、上側が開口する箱体となっており、上下動可能にハウジング11aに取着されている。そして、このキャップ部材63は、キャップ昇降モータ66(図6参照)と接続されており、キャップ昇降モータ66の駆動により上下動するようになっている。
【0043】
吸引チューブ64は、シリコンゴム等の可撓性材料によって形成され、一端が前記キャップ部材63に接続されている。すなわち、吸引チューブ64は、キャップ部材63の内部空間Sと連通状態となっている。また、吸引チューブ64は、その他端が前記廃液タンク47内に位置している。従って、キャップ部材63の内部空間Sと、廃液タンク47とは、吸引チューブ64を介して連通状態となっている。
【0044】
吸引ポンプ65は、ハウジング11aに固定されており、吸引ポンプ駆動用モータ67(図6参照)と接続されている。そして、吸引ポンプ65は、この吸引ポンプ駆動用モータ67の駆動によって回転し、吸引ポンプ65より上流側の吸引チューブ64の内部の圧力を減少させるようになっている。そして、その結果、吸引チューブ64の上流側に位置するキャップ部材63の内部空間Sを減圧させるようになっている。
【0045】
図2及び図3に示すように、インク調合部23は、ハウジング11a内において、前記印刷部22の上方に位置するようにして設けられている。そしてインク調合部23は、液体原料貯留手段及びインク原料貯留手段としてのインク原料貯留部71、液体混合手段及びインク混合手段としてのインク混合部72、液体供給手段及びインク供給手段としてのインク注入部73を備える。図3に示すように、インク原料貯留部71は、インク原料貯留手段としての第1及び第2のブラック着色材タンク71a,71b、第1〜第4のマゼンタ着色材タンク71c,71d,71e,71f、第1及び第2のシアン着色材タンク71g,71h、第1及び第2のイエロー着色材タンク71i,71jを備える。また、インク原料貯留部71は、インク原料貯留手段としての第1及び第2の溶剤タンク71k,71lも備える。
【0046】
前記各タンク71a〜71lには、前記インクカートリッジ42に収容される液体原料としての各色のインク原料がそれぞれ収容されている。詳しくは、本実施形態では、第1のブラック着色材タンク71aには、ブラックインク用の顔料系着色材の顔料分散液であるインク原料としてのブラック用顔料分散液BP1が収容されている。また、第2のブラック着色材タンク71bには、ブラックインク用の染料系着色材の染料溶液であるインク原料としてのブラック用染料溶液BD1が収容されている。そして、本実施形態においては、これらブラック用顔料分散液BP1及びブラック用染料溶液BD1によって形成されるブラックインクは、ほぼ同じ発色をするものとする。
【0047】
なお、ブラック用顔料分散液BP1に含まれる顔料系着色材としては、例えば、C.I.ピグメントブラック7等のファーネスブラック、ランブブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック等を使用してもよい。さらに、ブラック用染料溶液BD1に含まれる染料系着色材としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック168,195、フードブラック2、リアクテティブブラック31、ダイレクトブラック168、ダイレクトブラック154等を使用してもよい。
【0048】
第1及び第2のマゼンタ着色材タンク71c,71dには、それぞれ、マゼンタインク用の顔料系着色材の顔料分散液であるインク原料としてのマゼンタ用顔料分散液MP1,MP2が収容されている。また、第3及び第4のマゼンタ着色材タンク71e,71fには、それぞれ、マゼンタインク用の染料系着色材の染料溶液であるインク原料としてのマゼンタ用染料溶液MD1,MD2が収容されている。
【0049】
なお、本実施形態においては、前記マゼンタ用顔料分散液MP1,MP2及び、マゼンタ用染料溶液MD1,MD2は、図5に示すように、L*a*b*表色系色度図の座標上では、マゼンタ用顔料分散液MP1とマゼンタ用染料溶液MD1とが同じ座標に位置するような関係となっている。また、マゼンタ用顔料分散液MP2とマゼンタ用染料溶液MD2とが同じ座標に位置するような関係となっている。すなわち、マゼンタ用顔料分散液MP1とマゼンタ用染料溶液MD1とによって形成されるマゼンタインクは、ほぼ同一の色を有するとともに、マゼンタ用顔料分散液MP2とマゼンタ用染料溶液MD2とによって形成されるマゼンタインクが、ほぼ同一の色を有するようになる。そして、マゼンタ用顔料分散液MP1及びマゼンタ用染料溶液MD1によって形成されるマゼンタインクの色は、マゼンタ用顔料分散液MP2及びマゼンタ用染料溶液MD2によって形成されるマゼンタインクに比較して、強い赤みを有するようになっている。
【0050】
なお、マゼンタ用顔料分散液MP1,MP2に含まれる顔料系着色材としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1(パラレッド),2,3(トルイジンレッド),4,5(lTR Red),6,7,8,9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38(ピラゾロンレッド),40,41,42,88(チオインジゴ),112(ナフトールAS系),114(ナフトールAS系),122(ジメチルキナクリドン),123,144,146,149,150,166,168(アントアントロンオレンジ),170(ナフトールAS系),171,175,176,177,178,179(ベリレンマルーン),185,187,209(ジクロロキナクリドン),219,224(ベリレン系),245(ナフトールAS糸)、C.I.ピグメントバイオレット19(キナクリドン),23(ジオキサジンバイオレット),32,33,36,38,43,50などを使用してもよい。
【0051】
さらに、マゼンタ用染料溶液MD1,MD2に含まれる染料系着色材としては、例えば、アシッドレッド249、ダイレクトレッド75、リアクティブレッド23、リアクティブレッド180、アシッドレッド52、ダイレクトレッド227、アシッドレッド289などを使用してもよい。
【0052】
図3に示すように、第1のシアン着色材タンク71gには、シアンインク用の顔料系着色材の顔料分散液であるインク原料としてのシアン用顔料分散液CP1が、また、第2のシアン着色材タンク71hには、シアンインク用の染料系着色材の染料溶液であるインク原料としてのシアン用染料溶液CD1が収容されている。そして、図5に示すように、本実施形態においては、シアン用顔料分散液CP1及びシアン用染料溶液CD1は、L*a*b*表色系色度図の座標上では、ほぼ同じ座標に位置するような関係、すなわち、シアンインクを形成したときに、ほぼ同一の発色をするものとする。
【0053】
なお、シアン用顔料分散液CP1に含まれる顔料系着色材としては、例えば、C.l.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,16(無金属フタロシアニン),18(アルカリブルートナー),25,60(スレンブルー),65(ビオラントロン),66(インジゴ)等を使用してもよい。さらに、シアン用染料溶液CD1に含まれる染料系着色材としては、例えば、ダイレクトブルー199、アシッドブルー9、ダイレクトブルー86、リアクティブブルー21、リアクティブブルー7等を使用してもよい。
【0054】
さらに又、図3に示すように、第1のイエロー着色材タンク71iには、イエローインク用の顔料系着色材の顔料分散液であるインク原料としてのイエロー用顔料分散液YP1が収容されている。また、第2のイエロー着色材タンク71jには、イエローインク用の染料系着色材の染料溶液であるインク原料としてのイエロー用染料溶液YD1が収容されている。そして、図5に示すように、本実施形態においては、イエロー用顔料分散液YP1及びイエロー用染料溶液YD1は、L*a*b*表色系色度図の座標上では、ほぼ同じ座標に位置するような関係、すなわち、イエローインクを形成したときに、ほぼ同一の発色をするものとする。
【0055】
なお、イエロー用顔料分散液YP1に含まれる顔料系着色材としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー12,17,55,73,109,110,120,124,128,138,139(イソインドリノン),147,151,153(ニッケル錯体顔料),154,167,172,180等を使用してもよい。さらに、イエロー用染料溶液YD1に含まれる染料系着色材としては、例えば、ダイレクトイエロー86,132,173、アシッドイエロー17、ダイレクトイエロー107、リアクティブイエロー37、アシッドイエロー23、ダイレクトイエロー144等を使用してもよい。
【0056】
また、以上のタンク71a〜71jには、必要により、乾燥防止材や、防腐剤、pH調整材等を加えてもよい。なお、pH調整材は、顔料系インクの分散破壊を防止するために、適度なpHに溶媒を保持するためのものである。そして、pH調整材の具体例として、フタル酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩等を挙げることができる。
【0057】
また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k,71lには、それぞれ、前記普通紙P1や光沢紙P2に対するインクの浸透性を制御するための親水性有機溶剤や界面活性剤等の水溶液である、インク原料としての溶剤S1及び溶剤S2が収容されている。詳しくは、第1の溶剤タンク71kには、普通紙P1に適した溶剤S1が、第2の溶剤タンク71lには、光沢紙P2に適した溶剤S2が収容されている。
【0058】
そして、これら溶剤S1,S2の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、アセチレングリコール系界面活性剤のサーフィノール440(エアープロダクツ社製)、サーフィノールT465(エアープロダクツ社製)等、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン界面活性剤、高級脂肪酸塩としてのアニオン界面活性剤、脂肪族アミン塩等のカチオン活性材、水分等を挙げることができる。
【0059】
また、上記溶剤S1,S2は、必要に応じて、希釈材を含むようにしてもよい。なお、希釈材は、インクの必要以上の乾燥を抑えたり、好ましい粘度に調整したりするためのものとなっており、具体例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の高沸点低揮発性の多価アルコール類を挙げることができる。さらに、防腐目的で、4,4−ジメチルオキサゾリジンを添加してもよい。その他必要に応じて、防錆等の目的で安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等を添加してもよい。さらに、前記記録ヘッド45のノズル列におけるインクの乾燥防止の目的で、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等を添加してもよい。
【0060】
インク混合部72は、ブラックインク混合タンク72k、マゼンタインク混合タンク72m、シアンインク混合タンク72c、イエローインク混合タンク72yを備え、これらの混合タンク72k,72m,72c,72yは、プリンタ11のハウジング11aに固定されている。そして、各混合タンク72k,72m,72c,72yは、前記各タンク71a〜71lからインクの原料の供給を受け、複数の原料を混合することにより、各色のインクを混合形成するためのタンクとなっている。
【0061】
詳しくは、前記ブラックインク混合タンク72kは、インクカートリッジ42kに収容されるブラックインクを混合形成するためのタンクとなっており、第1及び第2のブラック着色材タンク71a,71bと、それぞれ、供給チューブ75a,75bを介して接続されている。また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k、71lに対して、供給チューブ77k,78kを介してそれぞれ接続されている。
【0062】
マゼンタインク混合タンク72mは、インクカートリッジ42mに収容されるマゼンタインクを混合形成するためのタンクとなっており、第1〜第4のマゼンタ着色材タンク71c〜71fと、それぞれ、供給チューブ75c〜75fを介して接続されている。また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k,71lに対して、供給チューブ77m,78mを介してそれぞれ接続されている。
【0063】
さらに、シアンインク混合タンク72cは、インクカートリッジ42cに収容されるシアンインクを混合形成するためのタンクとなっており、第1及び第2のシアン着色材タンク71g,71hと、それぞれ、供給チューブ75g,75hを介して接続されている。また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k,71lに対して、供給チューブ77c,78cを介してそれぞれ接続されている。
【0064】
さらに又、イエローインク混合タンク72yは、インクカートリッジ42yに収容されるイエローインクを混合形成するためのタンクとなっており、第1及び第2のイエロー着色材タンク71i,7jと、それぞれ、供給チューブ75i,75jを介して接続されている。また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k,71lに対して、供給チューブ77y,78yを介してそれぞれ接続されている。
【0065】
そして、以上の各供給チューブ75a〜75j及び、供給チューブ77k,77m,77c,77y、供給チューブ78k,78m,78c,78yの流路途中には、それぞれ、第1〜第18のポンプ80〜97が設けられている。これらの第1〜第18のポンプ80〜97には、第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107(図6参照)が接続されており、これら第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107の駆動によって回転するようになっている。その結果、各着色材タンク71a〜71j及び各溶剤タンク71k,71lから混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクの原料を移送するようになっている。なお、移送される量は、各第1〜第18のポンプ80〜97の、回転数を個別に変化させることによって制御可能となっている。
【0066】
インク注入部73は、前記インク混合部72よりも下方で、かつ、前記キャリッジ41よりも上方に位置しており、供給針支持部材111と供給針112とを備える。供給針支持部材111は、上下動可能にプリンタ11のハウジング11aに支持されている。そして、供給針支持部材111は、供給針移動用モータ115(図6参照)と接続されており、供給針移動用モータ115の駆動によって、上下動するようになっている。
【0067】
供給針112は、前記インクカートリッジ42の色の数に合わせて、4つの供給針112k,112m,112c,112yを備えており、中空状の針となっている。そして、各供給針112k,112m,112c,112yは、それぞれ、前記供給針支持部材111に支持されている。このとき、供給針支持部材111の直下に前記キャリッジ41が位置した状態で、供給針支持部材111が下降することにより、各供給針112k,112m,112c,112yは、前記インクカートリッジ42の各インク供給孔55k,55m,55c,55y(図4参照)に貫挿されるようになっている。
【0068】
また、前記各供給針112k,112m,112c,112yは、それぞれ、供給チューブ116〜119を介して前記各混合タンク72k,72m,72c,72yに接続されている。そして、各供給チューブ116〜119の流路途中には、それぞれ、第19〜第22のポンプ121〜124が設けられている。これら第19〜第22のポンプ121〜124には、第19〜第22のポンプ駆動用モータ126〜129(図6参照)が接続されており、これら第19〜第22のポンプ駆動用モータ126〜129の駆動によって回転するようになっている。そして、各ポンプ121〜124が回転することによって、各混合タンク72k,72m,72c,72y内に貯留されているインクが、供給針112k,112m,112c,112yへと移送されるようになっている。
【0069】
従って、本実施形態のプリンタ11においては、印刷に使用されるインクが、各タンク71a〜71lに収容されているインク原料を調合することによって形成されるようになっている。そして、これらインク原料は、顔料系着色材の顔料分散液や、染料系着色材の染料溶液、普通紙P1の印刷に適した溶剤S1、光沢紙P2の印刷に適した溶剤S2でとなっている。
【0070】
従って、これらのインク原料の組み合わせによって、顔料系のインクを形成して、耐光性の高い画像を印刷したり、染料系のインクを形成して、発色性の高い画像を印刷したりすることができる。さらに、溶剤S1と溶剤S2との使い分けや、着色材に対する混合割合を変化させることにより、普通紙P1や光沢紙P2に適した画像を印刷したり、全体的な濃淡を変えた印刷をしたりすることができる。
【0071】
さらに、図5に示すように、マゼンタ用顔料分散液MP1及びマゼンタ用染料溶液MD1によって形成されるマゼンタインクの色は、マゼンタ用顔料分散液MP2及びマゼンタ用染料溶液MD2によって形成されるマゼンタインクに比較して、強い赤みを有するようになっている。従って、この発色の異なる顔料分散液と染料溶液とを使い分けることにより、印刷画像の発色の範囲を変化させることができる。
【0072】
次に、以上のように構成されている本実施形態におけるプリンタ11の電気的構成について説明する。
図6に示すように、プリンタ11は、CPU131、ROM132、RAM133、給紙制御部135、印刷制御部136、クリーニング制御部138、インク調合制御部139を備える。さらに、プリンタ11は、印刷データ記憶部141、設定データ記憶部142、調合用データ記憶部143を備えている。そして、これらはバス145によって接続されている。
【0073】
CPU131は、バス145を介して前記操作パネル部12に接続され、操作パネル部12の前記操作画面13に各種画像データを出力し、操作パネル部12の前記メニューボタン14からの操作信号を入力する。また、CPU131は、前記磁気ディスクドライブ16と接続され、磁気ディスクドライブ16に挿入されたユーザーの磁気ディスクから、画像データを読み取ることが可能となっている。そして、CPU131は、前記料金投入部17と接続され、料金投入部17からの料金の入金信号を入力する。
【0074】
また、CPU131は、給紙制御部135を介して、第1及び第2の抽出モータ31,32と接続され、これら第1及び第2の抽出モータ31,32を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。さらに、CPU131は、印刷制御部136を介して前記紙送りモータ50、キャリッジモータ52、記録ヘッド45に接続され、これら紙送りモータ50、キャリッジモータ52、記録ヘッド45を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。
【0075】
CPU131は、クリーニング制御部138を介して前記キャップ昇降モータ66及び吸引ポンプ駆動用モータ67と接続され、これらキャップ昇降モータ66及び吸引ポンプ駆動用モータ67を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。また、CPU131は、インク調合制御部139を介して前記供給針移動用モータ115、第1〜第22のポンプ駆動用モータ91〜107,126〜129と接続され、供給針移動用モータ115、第1〜第22のポンプ駆動用モータ91〜107,126〜129を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。
【0076】
そして、CPU131は、印刷データ記憶部141と接続されており、印刷データ記憶部141には、CMYK形式の印刷データが記憶されている。なお、印刷データは、CPU131が前記磁気ディスクドライブ16を介して読み取った画像データをCMYK形式に変換することにより作成されるデータであり、CPU131が、新たな画像データを磁気ディスクドライブ16から読み取るたびに作成され、更新されるようになっている。
【0077】
CPU131は、設定データ記憶部142と接続されており、この設定データ記憶部142には、設定データEDが記憶されている。なお、設定データEDとは、プリンタ11において印刷される印刷画像の色合いや濃淡等を設定するためのデータとなっている。詳しくは、図7に示すように、印刷タイプが「耐光性」であるか「写真」であるか、また、色度aの色合いが「+」であるか「−」である、濃淡が「濃」であるか「淡」であるか、紙種が「普通紙」であるか「光沢紙」であるか、といったデータとなっている。そして、その選択肢の組み合わせによって、ケース1からケース16までの16通りの設定データEDが決定されるようになっている。
【0078】
図6に示すように、CPU131は、調合用データ記憶部143と接続されており、この調合用データ記憶部143には、調合用データPDが記憶されている。なお、調合用データPDとは、前記設定データ記憶部142に記憶されている設定データEDに基づいて、インク調合部23において調合するインクの種類と量を決定するためのデータである。詳しくは、図8に示すように、前記設定データEDの16のケース毎に、インクの原料の必要な量を、重量%にて示したデータとなっている。そして、CPU131が、この調合用データPDに基づいて、第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107を駆動制御し、各顔料系分散液や染料溶液、溶剤等を所定量移送することにより、混合タンク72k,72m,72c,72yには、各ケースに適した4色のインクが混合形成される。
【0079】
図6に示すように、CPU131は、ROM132に記憶された各種プログラムに従って動作し、その演算処理結果等を一次RAM133に記憶するようになっている。詳述すると、ROM132は、印刷データ更新プログラム、サムネイル画像表示プログラム、設定データ特定プログラム、印刷プログラム、その他各種のプログラムを備える。
【0080】
印刷データ更新プログラムは、前記磁気ディスクドライブ16にユーザーの磁気ディスクが挿入されると、磁気ディスクに記憶されている画像データを読み取り、読み取った画像データをCMYKデータに変換することによって印刷データを作成し、印刷データ記憶部141に記憶させるためのプログラムである。つまり、CPU131は、磁気ディスクドライブ16にユーザーの磁気ディスクが挿入されると、印刷データ更新プログラムに従って、磁気ディスクに記憶されている画像データを印刷データに変換し、印刷データ記憶部141に記憶させる。
【0081】
サムネイル画像表示プログラムは、磁気ディスクドライブ16にユーザーの磁気ディスクが挿入されると、磁気ディスクに記憶されている画像データを間引いてサムネイル画像データを作成し、図9に示すように、プリンタ11の操作画面13上にサムネイル画像G1を表示させるためのプログラムである。つまり、CPU131は、磁気ディスクドライブ16にユーザーの磁気ディスクが挿入されると、サムネイル画像表示プログラムに従って、磁気ディスクに記憶されている画像データを間引いてサムネイル画像データを作成し、作成したサムネイル画像データに基づいて操作画面13上にサムネイル画像G1を表示させる。
【0082】
設定データ特定プログラムは、ユーザーが、前記操作パネル部12を介して印刷の設定変更を所望した場合に、図10示すように、プリンタ11の操作画面13上に設定用画像G2を表示させるためのプログラムである。また、設定データ特定プログラムは、設定用画像G2を操作画面13上に表示させた状態で、メニューボタン14から入力される信号に基づいて設定データEDを特定するためのプログラムである。
【0083】
つまり、CPU131は、ユーザーが、操作パネル部12を介して印刷の設定変更を所望すると、設定データ特定プログラムに従って、操作画面13上に設定用画像G2を表示させる。また、CPU131は、設定用画像G2を表示させた状態で、メニューボタン14から入力される信号に基づいて設定データEDを特定する。
【0084】
印刷プログラムは、前記操作パネル部12のメニューボタン14が操作され、印刷を希望する旨の入力がされると、前記設定データ特定プログラムに従って特定された設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出するためのプログラムである。また、印刷プログラムは、抽出した調合用データPDに基づいて、インク調合制御部139を介して各種モータを駆動させ、インク調合部23においてインクを調合し、調合したインクをインクカートリッジ42に供給するためのプログラムである。さらに、印刷プログラムは、インクカートリッジ42にインクが供給されると、印刷データ記憶部141に記憶されている印刷データに基づいて、普通紙P1あるいは光沢紙P2上に印刷を行うためのプログラムである。
【0085】
つまり、CPU131は、操作パネル部12のメニューボタン14が操作され、印刷を希望する旨の信号を入力すると、印刷プログラムに従って、設定データ特定プログラムにおいて特定された設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出する。そして、CPU131は、調合用データPDを抽出すると、印刷プログラムに従って、抽出した調合用データPDに基づいてインク調合制御部139を介して各種モータを駆動させ、インク調合部23においてインクを調合し、調合したインクをインクカートリッジ42に供給する。さらに、CPU131は、インクカートリッジ42にインクが供給されると印刷プログラムに従って、印刷データ記憶部141に記憶されている印刷データに基づいて、普通紙P1あるいは光沢紙P2上に印刷を行う。
【0086】
次に、上記のように構成された第1の実施形態におけるプリンタ11の作用について、図11に示したフローチャートに従って説明する。
図11に示すように、所定の金額が料金投入部17を介して入金され、プリンタ11の前記磁気ディスクドライブ16に磁気ディスクが挿入されると、プリンタ11のCPU131は、印刷データ更新プログラムに従って、磁気ディスクに記憶されている画像データを読み取る(ステップS11)。そして、CPU131は、読み取った画像データをCMYKデータに変換して印刷データを作成し、印刷データ記憶部141に記憶させる。
【0087】
続いて、CPU131は、磁気ディスクドライブ16の磁気ディスクに記憶されている画像データを間引いてサムネイル画像データを作成し、作成したサムネイル画像データに基づいて、図9に示すように、プリンタ11の操作画面13上にサムネイル画像G1を表示させる(ステップS12)。また、CPU131は、操作画面13の下部に、2つのボタン151,152を表示させる。
【0088】
なお、本実施形態においては、このサムネイル画像G1は、図7に示す設定データEDを、「ケース1」として印刷した場合において得られる印刷画像に近い画像であるものとする。従って、ユーザーは、このサムネイル画像G1を見ることにより、設定データEDが「ケース1」となっている場合において、プリンタ11にて印刷される印刷画像のイメージを想定することができるようになっている。
【0089】
そして、ユーザーによって、このサムネイル画像G1が閲覧され、色味や、濃淡の異なる印刷画像を得ることが希望された場合には、メニューボタン14が操作され、図9に示すボタン151が選択される(ステップS13でYES)。すると、CPU131は、設定データ特定プログラムに従って、図10に示すように、プリンタ11の操作画面13上に設定用画像G2を表示させる(ステップS14)。
【0090】
なお、この設定用画像G2には、印刷の各種設定の選択をするための複数のラジオボタン153〜160、及び、設定を保存するためのボタン161が表示されている。そして、ユーザーによって、メニューボタン14が操作され、ラジオボタン153〜160がユーザーの好みに従って選択され、ボタン161が選択されると(ステップS15でYES)、CPU131は、選択された結果に基づいて設定データEDを特定する(ステップS16)。なお、本実施形態においては、CPU131は、このステップS15において、ボタン161が選択されるまで、設定用画像G2を操作画面13上に表示し続けた状態とするものとする。
【0091】
そして、この図10においては、印刷タイプが「写真タイプ」、色合いが「赤み弱」、濃淡が「淡」、紙種が「普通紙」となるように選択された場合について示している。従って、例えば、この図10のような選択が行われている場合には、CPU131は、図7に示す設定データEDの中から、ユーザーの希望する設定データEDが、「ケース15」であることを特定するようになっている。
【0092】
続いて、CPU131は、設定データEDを特定すると、操作画面13上に、図9に示すようなサムネイル画像G1やボタン151,152を再度表示させる。そして、この状態で、ユーザーによって印刷が希望されることにより、メニューボタン14が操作され、ボタン152が選択されると(ステップS17でYES)、CPU131は、印刷プログラムに従った各種動作を行い、プリンタ11にて印刷が開始される(ステップS18)。
【0093】
詳しくは、まず、CPU131は、印刷プログラムに従って、前記ステップ16において特定した設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部43から対応する調合用データPDを抽出する。従って、例えば、ステップS16において設定データEDが「ケース15」であると特定されていた場合には、CPU131は、図8に示す調合用データPDの中から、ケース15に対応する調合用データPDを抽出する。
【0094】
続いて、CPU131は、調合用データPDを抽出すると、印刷プログラムに従って、調合用データPDに基づいて、インク調合制御部139を介して第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107の少なくともいずれかを駆動させる。そして、タンク71a〜71jから、混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクを供給する。
【0095】
なお、例えば、抽出した調合用データPDが、ケース15に対応するデータである場合には、CPU131は、第2,第6,第8,第10のポンプ駆動用モータ81,85,87,89、第11〜第14のポンプ駆動用モータ90〜93をそれぞれ所定量駆動させる。
【0096】
この結果、ブラックインク混合タンク72kには、第2のブラック着色材タンク71bに収容されていたブラック用染料溶液BD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。また、マゼンタインク混合タンク72mには、第4のマゼンタ着色材タンク71fに収容されていたマゼンタ用染料溶液MD2と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。
【0097】
さらに、シアンインク混合タンク72cには、第2のシアン着色材タンク71hに収容されているシアン用染料溶液CD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。さらに又、イエローインク混合タンク72yには、第2のイエロー着色材タンク71jに収容されているイエロー用染料溶液YD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。
【0098】
そして、以上により、各混合タンク72k,72m,72c,72y内には、写真の印刷に適した染料系のインクであり、かつ、淡い発色をするインクが形成されるようになっている。また、これらのインクは、普通紙P1への印刷に適した溶剤S1にて形成されている。さらに、マゼンタインク混合タンク72mに形成されているマゼンタインクは、赤みの弱い発色をするマゼンタインクとなっている。
【0099】
そして、CPU131は、混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクを供給すると、印刷制御部136を介してキャリッジモータ52を駆動させ、供給針支持部材111の直下にキャリッジ41が位置するようにする。続いて、CPU131は、印刷プログラムに従って、インク調合制御部139を介して供給針移動用モータ115を駆動させ、供給針支持部材111を下降させる。すると、供給針支持部材111に支持されている各供給針112k,112m,112c,112yがインクカートリッジ42の各インク供給孔55k,55m,55c,55yに貫挿される。
【0100】
続いて、CPU131は、インク調合制御部139を介して第19〜第22のポンプ駆動用モータ126〜129を駆動させ、混合タンク72k,72m,72c,72y内のインクを各インクカートリッジ42k,42m,42c,42yに移送する。そして、インクの移送を終了すると、CPU131は、インク調合制御部139を介して供給針移動用モータ115を駆動させ、供給針支持部材111を上昇させて、インクカートリッジ42と供給針112とを分離する。
【0101】
そして、CPU131は、印刷プログラムに従って、前記設定データ特定プログラムにおいて特定された設定データEDに基づいて、給紙制御部135を介して、第1の抽出モータ31及び第2の抽出モータ32のいずれか一方を駆動し、普通紙P1あるいは光沢紙P2を、用紙トレイ24,25から排出させる。なお、例えば、設定データEDが、「ケース15」となっている場合には、CPU131は、給紙制御部135を介して第1の抽出モータ31を駆動させ、普通紙P1を用紙トレイ24から排出させる。
【0102】
続いて、CPU131は、印刷プログラムに従って、印刷制御部136を介して紙送りモータ30、キャリッジモータ52、記録ヘッド45を駆動制御し、印刷データ記憶部141に記憶されている印刷データに基づいて普通紙P1上に印刷を行う。そして、画像が印刷された普通紙P1は、プリンタ11のハウジング11aの前面下部に設けられている開口19を介して外部へと排出され、ユーザーに対して提供される。そして、この印刷画像は、ユーザーが特定した設定データEDに基づいてインク調合部23にて調合されたインクに基づいて印刷された印刷画像となっているので、ユーザーの希望と一致した色や品質を有する印刷画像となっている。
【0103】
なお、CPU131は、前記ステップS13において、印刷の設定の変更希望がなかった場合にも(ステップS13でNO)、図9に示すボタン152が選択されることによって、印刷プログラムに従って上記と同様の印刷を行うようになっている。
【0104】
そして、CPU131は、前記操作パネル部12からの入力信号等に基づいて、ユーザーの希望する枚数分の印刷を行うと、印刷制御部136を介してキャリッジモータ52を駆動させ、キャリッジを非印刷領域に移動させる。続いて、CPU131は、クリーニング制御部138を介してキャップ昇降モータ66を駆動し、キャップ部材63を上昇させ、記録ヘッド45へと当接させる。そして、この状態で、CPU131は、クリーニング制御部138を介して吸引ポンプ駆動用モータ67を駆動させ、キャップ部材63の内部空間Sを減圧させ、記録ヘッド45のノズル列からインクを吸引する。そして、吸引したインクは、吸引チューブ64を介して廃液タンク47へと導かれる。そして、CPU131は、吸引ポンプ駆動用モータ67の駆動を充分に行うと、印刷プログラムの処理を終了する。そして、これにより、インクカートリッジ42内に貯留されているインクは、全て、廃液タンク47へと導かれ、インクカートリッジ42内にはインクが存在しない状態とされる。
【0105】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記第1の実施形態では、プリンタ11において印刷に使用されるインクは、プリンタ11内のインク調合部23において調合されたインクであるようにした。そして、このインク調合部23において調合されるインクは、そのインク原料の混合の組み合わせや混合割合が、ユーザーが操作パネル部12を介して特定する設定データEDに基づいて決定されるようにした。従って、プリンタ11の記録ヘッド45から噴射されるインクの種類を、ユーザーの好みに応じて様々に変化させることが可能となる。しかも、1台のプリンタ11内において、インクカートリッジ42の交換等を行うことなく様々な種類のインクを混合形成して記録ヘッド45から噴射させて印刷を行うことができ、インクの種類の変更を簡単に行うことができる。
【0106】
(2)上記第1の実施形態では、プリンタ11のインク調合部23は、顔料系着色材の顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1を別々のタンクに収容するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、顔料系インクと染料系インクとのいずれかを、必要に応じて選択的に混合形成することができる。この結果、1台のプリンタ11において、インクカートリッジ42の交換を行うことなく、簡単に、耐光性の高い顔料系インクを使った印刷と、写真のような発色性の良い染料系インクを使った印刷とを選択的に行うことができる。
【0107】
(3)上記第1の実施形態では、プリンタ11のインク調合部23は、マゼンタ系の着色材原料として、顔料分散液MP1,MP2と染料溶液MD1,MD2の4種類を備えるようにした。すなわち、顔料分散液と染料溶液とでそれぞれ色合いの異なる2種類の着色材原料を備えるようにした。従って、インク調合部23において混合形成されるマゼンタインクの色合いを、赤みの強いものと弱いものといった、2種類に変化させることができる。その結果、プリンタ11において印刷される画像の赤みの色合いを、ユーザーの好みに対応して、全体的に変化させることができ、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0108】
(4)上記第1の実施形態では、プリンタ11のインク調合部23は、インクの着色材原料である顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1と、溶剤S1,S2とを、個別のタンク71a〜71lに貯留するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、インクの着色材に対する溶剤S1,S2の割合を様々に変化させることができる。その結果、ユーザーの好みに対応して、様々な濃淡を有するインクを選択的に形成し、プリンタ11において印刷される画像の濃淡を全体的に変化させることができる。そして、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0109】
(5)上記第1の実施形態では、プリンタ11のインク調合部23は、普通紙P1の印刷に適した溶剤S1と、光沢紙P2の印刷に適した溶剤S2とを個別のタンク71k,71lに貯留するようにした。従って、ユーザーの好みに対応して、プリンタ11の印刷に使用する記録媒体が変化しても、それぞれに適したインクをインク調合部23にて調合し、適した印刷を行うことができる。
【0110】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図12〜図14に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態のプリンタ11の構成を部分的に変更することによって形成されるインク注入装置の構成であるため、同様の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0111】
図12に示すように、本実施形態の液体注入装置としてのインク注入装置171は、第1の実施形態におけるプリンタ11と同様にして、印刷店又コンビニエンスストアなどの店舗に設置される自動インク注入装置となっており、ハウジング171aによって覆われている。そして、ハウジング171aの上面には、操作パネル部12が設けられており、前面上部には、料金投入部17を備えている。さらに、ハウジング171aの前面下部には、四角枠状の開口173が設けられており、ユーザーが持参したインクカートリッジ42(図4参照)が、この開口173を介してインク注入装置171に対して出し入れされるようになっている。
【0112】
図13に示すように、インク注入装置171は、ハウジング171aの内部に、インク調合部23、保持手段としてのカートリッジ保持部175を備える。そして、インク注入装置171は、上記第1の実施形態におけるプリンタ11に備えられていた給紙部21及び印刷部22を備えないようになっている。また、インク調合部23は、第1の実施形態におけるプリンタ11と全く同一の構成のため、その説明を省略する。
【0113】
カートリッジ保持部175は、前記インク調合部23のインク注入部73の直下において、若干離間した位置においてハウジング171aに対して固定されている。カートリッジ保持部175は、前記インクカートリッジ42(図4参照)を搭載可能に形成されている。そして、カートリッジ保持部175にインクカートリッジ42が搭載された状態で、供給針支持部材111を下降させることにより、各供給針112がインクカートリッジ42の各インク供給孔55k,55m,55c,55y(図4参照)に貫挿されるようになっている。
【0114】
また、カートリッジ保持部175は、取得手段としての情報授受部175aを有しており、カートリッジ保持部175にインクカートリッジ42を搭載させたときに、インクカートリッジ42の前記検出部58がこの情報授受部175aに対して対向するようになっている。なお、図14に示すように、インクカートリッジ42の検出部58には、電極58aと記録素子58bとが備えられている。電極58aは、インクカートリッジ42がカートリッジ保持部175に搭載されたとき、情報授受部175aの図示しない電極が接続されるものとなっている。また、記憶手段としての記録素子58bは、インクカートリッジ42の型式を表す識別情報としての型式データが記憶されている。
【0115】
次に、以上のように構成されている本実施形態におけるインク注入装置171の電気的構成について説明する。
図14に示すように、インク注入装置171は、CPU131、ROM132、RAM133、インク調合制御部139、設定データ記憶部142、調合用データ記憶部143、型式データ記憶部176を備える。そして、これらはバス145によって接続されている。CPU131は、バス145を介して前記操作パネル部12に接続され、操作パネル部12の前記操作画面13に各種画像データを出力し、操作パネル部12の前記メニューボタン14からの操作信号を入力する。
【0116】
また、CPU131は、前記情報授受部175aと接続され、この情報授受部175aを介してインクカートリッジ42の検出部58から、インクカートリッジ42の型式に関する型式データを入力する。さらに、CPU131は、前記料金投入部17と接続され、料金投入部17からの料金の入金信号を入力する。
【0117】
さらに又、CPU131は、インク調合制御部139を介して前記供給針移動用モータ115、第1〜第22のポンプ駆動用モータ91〜107,126〜129と接続され、供給針移動用モータ115、第1〜第22のポンプ駆動用モータ91〜107,126〜129を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。
【0118】
そして、CPU131は、設定データ記憶部142と接続されており、この設定データ記憶部142には、第1の実施形態と同様の設定データEDが記憶されている。さらに、CPU131は、調合用データ記憶部143と接続されており、この調合用データ記憶部143には第1の実施形態と同様の調合用データPDが記憶されている。
【0119】
さらに又、CPU131は、型式データ記憶部176と接続されており、この型式データ記録部176には、インクカートリッジ42の型式と、その型式に対応するインク注入量に関するデータが記憶されている。
【0120】
また、CPU131は、ROM132に記憶された各種プログラムに従って動作し、その演算処理結果等を一時RAM133に記憶するようになっている。詳述すると、ROM132は、型式データ取得プログラム、設定データ特定プログラム、インク注入プログラム、その他各種のプログラムを備える。
【0121】
型式データ取得プログラムは、ユーザーが、持参したインクカートリッジ42を、インク注入装置171の開口173を介してカートリッジ保持部175に搭載させると、情報授受部175aを介してインクカートリッジ42の検出部58から型式データを読み取るためのプログラムである。そして、型式データ取得プログラムは読み取った型式データに基づいて、型式データ記憶部176からその型式データが示す型式に対応するインク注入量に関するデータを抽出するためのプログラムでもある。
【0122】
つまり、CPU131は、カートリッジ保持部175にインクカートリッジ42が搭載されると、型式データ取得プログラムに従って、情報授受部175aを介して、検出部58の記録素子58bから型式データを読み取る。そして、CPU131は、読み取った型式データに基づいて、型式データ記憶部176からその型式データの型式に対応するインク注入量に関するデータを抽出する。
【0123】
設定データ特定プログラムは、型式データ取得プログラムの処理が終了すると、図10に示すように、インク注入装置171の操作画面13上に設定用画像G2を表示させるためのプログラムである。また、設定データ特定プログラムは、設定用画像G2を操作画面13上に表示させた状態で、メニューボタン14から入力される信号に基づいて設定データEDを特定するためのプログラムである。
【0124】
つまり、CPU131は、型式データ取得プログラムの処理を終了すると、設定データ特定プログラムに従って、インク注入装置171の操作画面13上に設定用画像G2を表示させる。続いて、CPU131は、設定データ特定プログラムに従って、設定用画像G2を操作画面13上に表示させた状態で、メニューボタン14から入力される信号に基づいて設定データEDを特定する。
【0125】
インク注入プログラムは、前記設定データ特定プログラムに従って、設定データEDを特定すると、特定した設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出するためのプログラムである。また、インク注入プログラムは、抽出した調合用データPDと、型式データ取得プログラムに従って決定したインク注入量に関するデータとに基づいて、インク調合制御部139を介して各種モータを駆動するためのプログラムである。そして、インク調合部23においてインクを所定量調合し、調合したインクをインクカートリッジ42に供給するためのプログラムである。
【0126】
つまり、CPU131は、設定データEDを特定すると、インク注入プログラムに従って、設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出する。そして、CPU131は、抽出した調合用データPDと、型式データ取得プログラムに従って決定したインク注入量に関するデータとに基づいて、インク調合制御部139を介して各種モータを駆動させる。そして、インク調合部23においてインクを所定量調合し、調合したインクをインクカートリッジ42に供給する、
次に、上記のように構成された第2の実施形態におけるインク注入装置171の作用について説明する。
【0127】
まず、ユーザーによって、所定の金額が料金投入部17を介して入金され、インク注入装置171の開口173を介してインクカートリッジ42がハウジング171a内のカートリッジ保持部175に搭載されると、CPU131は、前記型式データ取得プログラムに従って、型式データを取得する。続いて、CPU131は、取得した型式データに基づいて、型式データ記憶部176からその型式データの示す型式に対応するインク注入量に関するデータを抽出する。
【0128】
そして、CPU131は、型式データ取得プログラムの処理を終了すると、設定データ特定プログラムに従って、インク注入装置171の操作画面13上に設定用画像G2(図10参照)を表示する。そして、ユーザーによって、メニューボタン14が操作されることにより、設定用画像G2上のラジオボタン153〜160がユーザーの好みに応じて選択され、ボタン161が選択されると、CPU131は、上記第1の実施形態と同様にして、設定データEDを特定する。
【0129】
続いて、CPU131は、インク注入プログラムに従って、特定した設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出する。従って、例えば、設定データEDが「ケース15」であった場合には、CPU131は、図8に示す調合用データPDの中からケース15に対応する調合用データPDを抽出する。
【0130】
続いて、CPU131は、調合用データPDを抽出すると、インク注入プログラムに従って、調合用データPDと、インク注入量に関するデータとに基づいて、インク調合制御部139を介して第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107の少なくともいずれかを駆動させる。その結果、タンク71a〜71jから、混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクが必要量供給される。
【0131】
なお、例えば、抽出した調合用データPDが、ケース15に対応するデータであった場合には、CPU131は、第2,第6,第8,第10のポンプ駆動用モータ81,85,87,89、第11〜第14のポンプ駆動用モータ90〜93をそれぞれ所定量駆動させる。
【0132】
この結果、ブラックインク混合タンク72kには、第2のブラック着色材タンク71bに収容されていたブラック用染料溶液BD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。また、マゼンタインク混合タンク72mには、第4のマゼンタ着色材タンク71fに収容されていたマゼンタ用染料溶液MD2と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。
【0133】
さらに、シアンインク混合タンク72cには、第2のシアン着色材タンク71hに収容されているシアン用染料溶液CD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。さらに又、イエローインク混合タンク72yには、第2のイエロー着色材タンク71jに収容されているイエロー用染料溶液YD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。
【0134】
そして、以上により、各混合タンク72k,72m,72c,72y内には、写真の印刷に適した染料系のインクであり、かつ、淡い発色をするインクが形成されるようになっている。さらに、これらのインクは、普通紙P1への印刷に適した溶剤S1にて形成されている。さらに、マゼンタインク混合タンク72mに形成されているマゼンタインクは、赤みの弱い発色をするマゼンタインクとなっている。
【0135】
そして、CPU131は、混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクを供給すると、印刷プログラムに従って、インク調合制御部139を介して供給針移動用モータ115を駆動させ、供給針支持部材111を下降させる。すると、供給針支持部材111に支持されている各供給針112k,112m,112c,112yがインクカートリッジ42の各インク供給孔55k,55m,55c,55yに貫挿される。
【0136】
続いて、CPU131は、インク調合制御部139を介して第19〜第22のポンプ駆動用モータ126〜129を駆動させ、混合タンク72k,72m,72c,72y内のインクを各インクカートリッジ42k,42m,42c,42yに移送する。そして、インクの移送を終了すると、CPU131は、インク調合制御部139を介して供給針移動用モータ115を駆動させ、供給針支持部材111を上昇させて、インクカートリッジ42と供給針112とを分離する。
【0137】
そして、ユーザーは、インク注入装置171の開口173を介して、インクカートリッジ42をカートリッジ保持部175から離間させて外部に取り出す。これにより、ユーザーが持参したインクカートリッジ42には、ユーザーの希望する印刷の品質に適したインクが、そのインクカートリッジ42の型式に合った量だけ注入され、ユーザーに対して提供されるようになる。
【0138】
上記第2の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(6)上記第2の実施形態では、インク注入装置171においてインクカートリッジ42に注入されるインクは、インク注入装置171内のインク調合部23において調合されたインクであるようにした。そして、このインク調合部23において調合されるインクは、そのインク原料の混合の組み合わせや混合割合が、ユーザーが操作パネル部12を介して特定する設定データEDに基づいて決定されるようにした。従って、インクカートリッジ42に注入されるインクの種類を、ユーザーの好みに応じて様々に変化させることが可能となる。その結果、このようなインクカートリッジ42をプリンタ等に搭載させることで、様々な種類のインクを使用した印刷を行うことができる。
【0139】
(7)上記第2の実施形態では、インク注入装置171のインク調合部23は、顔料系着色材の顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1を別々のタンクに収容するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、顔料系インクと染料系インクとのいずれかを、必要に応じて選択的に混合形成することができる。この結果、インク注入装置171において、耐光性の高い顔料系インクと、写真のような発色性の良い染料系インクとを選択してインクカートリッジ42に対して注入することができる。従って、このようなインクカートリッジ42をプリンタ等に搭載させることで、顔料系インクによる印刷と染料系インクによる印刷とを選択的に行うことができるようになる。
【0140】
(8)上記第2の実施形態では、インク注入装置171のインク調合部23は、マゼンタ系の着色材原料として、顔料分散液MP1,MP2と染料溶液MD1,MD2の4種類を備えるようにした。すなわち、顔料分散液と染料溶液とでそれぞれ色合いの異なる2種類の着色材原料を備えるようにした。従って、インク調合部23において混合形成されるマゼンタインクの色合いを、赤みの強いものと弱いものといった、2種類に変化させることができる。その結果、インク注入装置171においてインクカートリッジ42に対して注入されるインクの色合いを、ユーザーの好みに対応して、変化させることができる。そして、このようなインクカートリッジ42を使用してプリンタ等にて印刷を行うことにより、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0141】
(9)上記第2の実施形態では、インク注入装置171のインク調合部23は、インクの着色材原料である顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1と、溶剤S1,S2とを、個別のタンク71a〜71lに貯留するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、インクの着色材に対する溶剤S1,S2の割合を様々に変化させることができる。その結果、ユーザーの好みに対応して、様々な濃淡を有するインクを選択的に形成し、インク注入装置171においてインクカートリッジ42に注入することができる。従って、このようなインクカートリッジ42を使用してプリンタ等にて印刷を行うことにより、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0142】
(10)上記第2の実施形態では、インク注入装置171のインク調合部23は、普通紙P1の印刷に適した溶剤S1と、光沢紙P2の印刷に適した溶剤S2とを個別のタンク71k,71lに貯留するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、普通紙P1の印刷に適したインクと、光沢紙P2の印刷に適したインクとを選択的に形成し、インク注入装置171においてインクカートリッジ42に注入することができる。従ってこのようなインクカートリッジ42を使用してプリンタ等にて印刷を行うことにより、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0143】
(11)上記第2の実施形態では、インク調合部23にてインクを混合形成するときに、インクカートリッジ42の検出部58から取得した型式データに基づいて、インクカートリッジ42に適したインクの注入量が決定されるようにした。そして、インク調合部23にて、その決定されたインクの注入量分のインクが混合形成され、インクカートリッジ42に注入されるようにした。従って、インクカートリッジ42に適した量のインクをインクカートリッジ42に対して注入することができるようになる。
【0144】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク調合部23は、顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1を貯留するタンク71a〜71jを備えるようにした。これを、インク調合部23に、顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1あるいは、染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1のいずれか一方を貯留するタンクのみを備えるようにしてもよい。そして、インク調合部23にて調合されるインクの種類が、顔料系か染料系のいずれか一方のみとなるようにしてもよい。
【0145】
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク調合部23は、赤みの色合いの異なる2種類のマゼンタインクを形成可能とするために、マゼンタ系の着色材原料を、顔料系と染料系とで、各2種類ずつ使用するようにした。これを、3種類以上のマゼンタ系の顔料分散液及び染料溶液を個別に貯留するタンクを備えるようにしてもよい。そして、インク調合部23は、これら3種類以上のタンクから選択的に着色材原料を抽出することにより、3種類以上の色合いの異なるマゼンタインクを形成可能とするようにしてもよい。
【0146】
また、マゼンタインク以外の色のインクについても、複数の同色系列の顔料分散液及び染料溶液を個別に貯留するタンクを備えるようにしてもよい。そして、インク調合部23において、マゼンタインク以外の色についても、着色材原料を選択的に抽出し、色合いの異なるインクを形成可能とするようにしてもよい。
【0147】
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク調合部23は、溶剤S1,S2を貯留するタンク71k,71lを備え、この溶剤S1,S2には、必要に応じて希釈材が含まれるようにした。これを、インク調合部23に、希釈材を貯留する専用のタンクを設け、インクの調合を行うときに、顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1、溶剤S1,S2に加えて、希釈材の混合割合も変化可能とするようにしてもよい。
【0148】
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク調合部23において、インクの着色材原料である顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1と、溶剤S1,S2とを、個別のタンク71a〜71lに貯留するようにした。そして、混合タンク72k,72m,72c,72yにて各原料を混合してインクを形成するようにした。これを、溶剤S1,S2のタンク71k,71lを備えないようにしてもよい。そして、タンク71a〜71jには、インクの顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1とに加えて、溶剤S1と溶剤S2のいずれか一方が予め混合されたものが貯留されているようにしてもよい。また、このような場合には、混合タンク72k,72m,72c,72yを設けず、タンク71a〜71jから、直接インクカートリッジ42へとインクが供給されるようにしてもよい。
【0149】
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク原料貯留部71は、溶剤S1,S2をそれぞれ貯留する第1及び第2の溶剤タンク71k,71lを備えるようにした。これを、普通紙P1と光沢紙P2以外の記録媒体に適した溶剤を貯留するタンクを備えるようにしてもよい。また、第1及び第2の溶剤タンク71k,71lのいずれか一方を備えないようにしてもよい。
【0150】
・上記第2の実施形態においては、インク注入装置171のインク調合部23において調合されるインクの量は、インクカートリッジ42の検出部58に記憶されている型式データに基づいて決められるようにした。これを、インクカートリッジ42の型式データと関係なく、インク調合部23において所定量のインクを調合し、インクカートリッジ42に注入するようにしてもよい。
【0151】
・上記第2の実施形態においては、インク注入装置171にて調合されるインクのインク原料の混合割合は、ユーザーが操作パネル部12を介して特定した設定データEDに基づいて決定されるようにした。これを、インクカートリッジ42の検出部58に記憶されている型式データに基づいてインク原料の混合割合を決定するようにしてもよい。
【0152】
・上記第1及び第2の実施形態においては、調合用データPDは、図8に示すように、各ケース毎に、インクの原料の必要な量を重量%にて示したデータとするようにした。これを、重量%以外のその他の単位によって示されたデータとなるようにしてもよい。また、各インク原料の必要量の割合も、図8に示すような割合以外の割合となっていてももちろんよい。
【0153】
・上記第1の実施形態においては、プリンタ11の操作画面13上に表示されるサムネイル画像G1は、設定データEDをケース1として特定して印刷したときに得られる印刷画像のイメージを想定できる画像となるようにした。これを、設定データEDがケース1〜ケース16のいずれかに特定されるたびに、特定されたケースに対応する印刷画像のイメージを想定できる画像となるようにしてもよい。
【0154】
・上記第1の実施形態におけるプリンタ11及び上記第2の実施形態におけるインク注入装置171は、印刷店又はコンビニエンスストアなどの店舗に設置されるものとしたが、移動式とするようにしてもよい。
【0155】
・上記第1の実施形態においては、プリンタ11は磁気ディスクドライブ16を備え、プリンタ11において印刷される画像は、磁気ディスクドライブ16を介して磁気ディスクから読み取った画像データに基づいたものとなるようにした。これを、プリンタ11に、メモリーカードスロットや光ディスクドライブ等を設けるようにし、メモリーカードや光ディスク(例えば、CD−ROMなど)から画像データを読み取ることが可能となるようにしてもよい。
【0156】
・上記第1及び第2の実施形態においては、プリンタ11は、料金投入部17を備え、料金投入部17からの入金信号の入力に基づいて、各種プログラムを実行し、印刷を行うようにした。これを、プリンタ11に、クレジットカード読み取り手段を設けるようにし、クレジットカードから読み取った情報に基づいて各種プログラムを実行し、印刷を行うようにしてもよい。
【0157】
・上記第1の実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ11(ファックス、コピア等の印刷装置を含む)を用いて説明した。これを、他の液体を噴射する液体噴射装置に具体化するようにしてもよい。例えば、他の液体を噴射する液体噴射装置として、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
【0158】
・上記第2の実施形態においては、液体注入装置として、液体カートリッジとしてのインクカートリッジ42に、インクを注入するためのインク注入装置171を用いて説明した。これを、他の液体を噴射する液体噴射装置に備えられている液体カートリッジに液体を注入するための液体注入装置に具体化するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるプリンタの斜視図。
【図2】同じく、プリンタの断面図。
【図3】同じく、プリンタの断面図。
【図4】同じく、インクカートリッジの斜視図。
【図5】同じく、L*a*b*表色系色度図。
【図6】同じく、プリンタの電気的構成図。
【図7】同じく、設定データの説明図。
【図8】同じく、調合用データの説明図。
【図9】同じく、操作画面に表示された画像の概念図。
【図10】同じく、操作画面に表示された画像の概念図。
【図11】同じく、プリンタの作用を説明するフローチャート図。
【図12】第2の実施形態におけるインク注入装置の斜視図。
【図13】同じく、インク注入装置の断面図。
【図14】同じく、インク注入装置の電気的構成図。
【符号の説明】
BD1…インク原料としてのブラック用染料溶液、BP1…インク原料としてのブラック用顔料分散液、CD1…インク原料としてのシアン用染料溶液、CP1…インク原料としてのシアン用顔料分散液、MD1,MD2…インク原料としてのマゼンタ用染料溶液、MP1,MP2…インク原料としてのマゼンタ用顔料分散液、YD1…インク原料としてのイエロー用染料溶液、YP1…インク原料としてのイエロー用顔料分散液、P1…記録媒体としての普通紙、P2…記録媒体としての光沢紙、S1,S2…インク原料としての溶剤、11…液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置(プリンタ)、45…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、58b…記憶手段としての記録素子、71…液体原料貯留手段及びインク原料貯留手段としてのインク原料貯留部、72…液体混合手段及びインク混合手段としてのインク混合部、73…液体供給手段及びインク供給手段としてのインク注入部、171…液体注入装置としてのインク注入装置、175…保持手段としてのカートリッジ保持部、175a…取得手段としての情報授受部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射装置、インクジェット式記録装置及び液体注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、記録ヘッドから記録媒体に対してインク滴を噴射させて印刷を行う、インクジェット式記録装置が知られていた。一般に、このようなインクジェット式記録装置においては、ブラックインク、マゼンタインク、シアンインク、イエローインクといった、複数色のインクを使用することが知られていた。そして、これら複数色のインクを記録ヘッドから様々なタイミングで噴射させることによって、記録媒体上にカラー画像を印刷することが可能となっていた。
【0003】
ところで、上記のような4色のインクによるカラー印刷では、印刷画像の階調的な表現力に限界が生じてしまうことがあった。そこで、最近では、上記の4色に加えて、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクといった、ライト系のインクを使用することが知られていた。なお、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクとは、それぞれ、シアンインク、マゼンタインクの濃度を薄くしたものである。
【0004】
また、同じ色のインクでも、その色を決める着色材によって、色にわずかな違いが生じることも知られていた。例えば、イエローインクを形成する場合に、着色材として、ダイレクトイエローを使用したり、アシッドイエローを使用したりすることにより、同じイエローでも、系統の異なるイエローインクを形成することができることが知られていた。従って、このような系統の異なるインクを使い分けることによって、カラー印刷の色の表現に幅を持たせることなどが行われていた。
【0005】
すなわち、以上のようにして、ライト系インクを使用したり、系統の異なるインクを使用したりすることにより、記録媒体上に印刷されるカラー画像の階調表現力を向上させたり、表現可能な色の範囲を増加させたりすることができるようになっていた。
【0006】
また、上記のようなインクジェット式記録装置に使用されるインクは、その色の違いに加えて、染料や顔料といった性質の違いも有することが知られていた。すなわち、例えば、写真等の印刷を行いたい場合には、色再現性の高い染料インクを使用して印刷を行うことが望ましくなっていた。また、耐光性や耐水性に強い印刷を行いたい場合には顔料インクを使用することが望ましくなっていた。
【0007】
以上のように、インクジェット式記録装置は、その印刷画像の品質に合った、最適な色や性質を有するインクを選択して使用することが望まれるようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような色や性質の異なる各種のインクは、それぞれ、その種類毎にインクカートリッジに貯留された状態で、インクジェット式記録装置に搭載されるようになっていた。そして、ユーザーは、所望する印刷画像の品質に合ったインクを選択し、そのインクを収容するインクカートリッジをインクジェット式記録装置に搭載するようにしていた。従って、例えば、現在インクジェット式記録装置に備えられているインクカートリッジが、所望するインクのインクカートリッジでない場合には、インクカートリッジに交換することによって対応するようになっていた。しかし、印刷する画像の品質が変化するたびに、インクカートリッジの交換を行うことは、ユーザーにとって手間となる可能性があった。
【0009】
また、インクカートリッジに収容されるインクの種類は、インクカートリッジの生産者によって決められるようになっていた。従って、1台のインクジェット式記録装置において表現可能な画像の範囲は、インクカートリッジの生産者の裁量によって決められてしまう可能性があり、場合によっては、ユーザーの所望する色が表現できない場合があった。その結果、ユーザーは、所望する色のインクを使用するために、他のインクジェット式記録装置を新たに購入するなどの対策をとらなければならず、ユーザーにとって負担となっていた。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、液体噴射ヘッドから噴射させる液体の種類を、容易に変化させることのできる液体噴射装置、インクジェット式記録装置及び液体注入装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置において、複数の液体原料をそれぞれ個別に貯留する複数の液体原料貯留手段と、前記複数の液体原料貯留手段から前記複数の液体原料を選択的に抽出し、抽出した前記液体原料を混合し、前記液体を形成する液体混合手段と、前記液体混合手段において形成した前記液体を前記液体噴射ヘッドに供給する液体供給手段とを備えた。
【0012】
従って、本発明によれば、液体噴射装置において、複数の液体原料の混合の組み合わせや混合割合を様々に変化させることにより、様々な種類の液体を混合形成することができる。その結果、液体噴射ヘッドから噴射させる液体の種類を必要に応じて様々に変化させることが可能となる。しかも、1台の液体噴射装置内において、部品交換等を行うことなく、様々な液体を混合形成して噴射させることができ、液体の種類の変更を簡単に行うことができる。
【0013】
本発明は、ノズルから記録媒体に対してインクを噴射することにより印刷を行う記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置において、複数のインク原料をそれぞれ個別に貯留する複数のインク原料貯留手段と、前記複数のインク原料貯留手段から前記複数のインク原料を選択的に抽出し、抽出した前記インク原料を混合し、前記インクを形成するインク混合手段と、前記インク混合手段において形成した前記インクを前記記録ヘッドに供給するインク供給手段とを備えた。
【0014】
従って、本発明によれば、インクジェット式記録装置において、複数のインク原料の混合の組み合わせや混合割合を様々に変化させることにより、様々な種類のインクを混合形成することができる。その結果、インクジェット式記録装置の記録ヘッドから噴射されるインクの種類を必要に応じて様々に変化させることが可能となる。そして、様々な品質の印刷を記録媒体に対して行うことができる。しかも、1台のインクジェット式記録装置内において、インクカートリッジの交換等を行うことなく、様々なインクを混合形成して記録媒体に対して噴射させることができ、インクの種類の変更を簡単なものとすることができる。
【0015】
このインクジェット式記録装置において、前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、顔料系着色材の顔料分散液と、染料系着色材の染料溶液とを個別に貯留する手段である。
【0016】
これによれば、インクジェット式記録装置において、インクを混合形成するときに、顔料系着色材の顔料分散液を使用した顔料系インクと、染料系着色材の染料溶液を使用した染料系インクとのいずれかを、必要に応じて選択的に混合形成することができる。従って、例えば、耐光性の高いインクを使った印刷を行いたい場合には顔料系インクによる印刷を、また、写真のような発色性の良いインクを使った印刷を行いたい場合には染料系インクによる印刷を1台のインクジェット式記録装置において選択的に行うことができる。
【0017】
このインクジェット式記録装置において、前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、複数の同系色の着色材を個別に貯留する手段である。
これによれば、インクジェット式記録装置において、インクを混合形成するときに、複数の同系色の着色材を選択的に使用することにより色合いの異なる様々なインクを混合形成することができる。従って、例えば、インクジェット式記録装置において印刷される画像の色合いを、赤みの強い印刷にしたい場合などには、赤みの強いインクを形成するための着色材を選択的に使用してインクを混合形成することで対応することができる。
【0018】
このインクジェット式記録装置において、前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、インクの溶剤、あるいは、インクの希釈材を個別に貯留する手段である。
【0019】
これによれば、インクジェット式記録装置において、インクを混合形成するときに、インクの着色材に対する溶剤や希釈材の混合割合を様々に変化させることができる。その結果、様々な濃淡を有するインクを選択的に形成することができる。従って、例えば、インクジェット式記録装置において印刷される画像の濃淡を、全体的に濃くしたい場合などには、溶剤や希釈材の混合割合を減少させることで、色の濃いインクを混合形成して対応することができる。
【0020】
このインクジェット式記録装置において、前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、複数種類のインクの溶剤、あるいは、複数種類のインクの希釈材を種類毎に貯留する手段である。
【0021】
これによれば、インクジェット式記録装置において、インクを混合形成するときに、インクに含まれる溶剤や希釈材の種類を様々に変化させることができる。その結果、様々な記録媒体に適したインクを選択的に混合形成し、印刷に使用することができる。従って、使用する記録媒体の種類が変化しても、それぞれに適した印刷を容易に行うことができる。
【0022】
本発明は、液体噴射装置の液体噴射ヘッドから噴射させる液体を貯留するための液体カートリッジを保持可能な保持手段と、同保持手段に保持された前記液体カートリッジに対して前記液体を供給可能な液体供給手段とを備えた液体注入装置において、複数の液体原料をそれぞれ個別に貯留する複数の液体原料貯留手段と、前記複数の原料貯留手段から前記複数の液体原料を選択的に抽出し、抽出した前記液体原料を混合し、前記液体を形成する液体混合手段とを備えた。
【0023】
従って、本発明によれば、液体注入装置において、複数の液体原料の混合の組み合わせや混合割合を様々に変化させることにより、様々な種類の液体を混合形成することができる。その結果、液体カートリッジへと供給する液体の種類を必要に応じて様々に変化させることが可能となる。従って、この液体注入装置によって液体が注入された液体カートリッジを、液体噴射装置において使用することで、液体噴射ヘッドから噴射させる液体の種類を様々に変化させることができる。さらに、液体噴射ヘッドから噴射させる液体の種類を変化させるためには、使用済みの液体カートリッジ内にインク注入装置から好みのインクを混合形成して供給して使用することで対応可能であり、新たな液体カートリッジを購入する必要がないので、液体カートリッジのコストを低減させることができる。
【0024】
この液体注入装置において、前記保持手段に保持された前記液体カートリッジの記憶手段から、前記液体カートリッジを識別する識別情報を取得可能な取得手段を備え、前記液体混合手段は、前記取得手段にて取得した前記識別情報に基づいて、前記液体原料貯留手段から前記複数の液体原料を選択的に抽出する手段である。
【0025】
これによれば、液体注入装置において、液体を混合形成するときに、液体カートリッジの記憶手段から取得した識別情報に基づいて、液体原料が選択的に抽出されて液体が混合形成されるようになる。この結果、その液体カートリッジに適した液体を混合形成して液体カートリッジに供給することができるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図11に従って説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置(以下、単にプリンタとする)11は、印刷店又はコンビニエンスストアなどの店舗に設置される自動印刷装置であり、略直方体形状のハウジング11aによって覆われている。そして、ハウジング11aの上面には、操作パネル部12が設けられている。操作パネル部12は、操作画面13とメニューボタン14とを備え、操作画面13は、このプリンタ11において印刷する画像のサムネイル画像や、印刷の設定等を行うための各種画像を表示するためのものである。メニューボタン14は、印刷の設定や実行を行うための各種操作を行うための入力手段となっている。
【0028】
また、プリンタ11のハウジング11aの前面上部には、磁気ディスクドライブ16と料金投入部17とが設けられている。磁気ディスクドライブ16は、ユーザーが持参した図示しない磁気ディスクから、画像データ等を読み出すためのものである。また、料金投入部17は、紙幣投入部17aと硬貨投入部17bとを備え、ユーザーから紙幣あるいは硬貨を受領するためのものである。さらに、ハウジング11aの前面下部には、四角枠状の開口19が設けられており、プリンタ11において印刷された紙等が、ユーザーに対して提供されるときには、この開口19を介して提供されるようになっている。
【0029】
図2に示すように、プリンタ11は、ハウジング11aの内部に、給紙部21、印刷部22、インク調合部23を備える。給紙部21は、第1の用紙トレイ24、第2の用紙トレイ25、第1の抽出ローラ27、第2の抽出ローラ28、給紙ガイド29を備える。第1及び第2の用紙トレイ24,25は、ともに、ハウジング11aに固定されており、第1の用紙トレイ24には、記録媒体としての普通紙P1が、第2の用紙トレイ25には、記録媒体としての光沢紙P2がそれぞれ複数枚ずつ格納されている。
【0030】
第1及び第2の抽出ローラ27,28は、円柱形状に形成され、前記第1及び第2の用紙トレイ24,25内の普通紙P1及び光沢紙P2に対して、それぞれ当接した状態で、回動可能にハウジング11aに支持されている。そして、これら第1及び第2の抽出ローラ27,28は、第1及び第2の抽出モータ31,32(図6参照)にそれぞれ接続されており、第1及び第2の抽出モータ31,32の駆動により回転するようになっている。そして、第1及び第2の抽出ローラ27,28が回転すると、第1及び第2の用紙トレイ24,25から、それぞれ、普通紙P1及び光沢紙P2が、斜め下方に向かって一枚ずつ排出されるようになっている。
【0031】
給紙ガイド29は、第1及び第2の用紙トレイ24,25の下方において、プリンタ11のハウジング11aに固定されている。そして、第1及び第2の用紙トレイ24,25から排出された普通紙P1、あるいは、光沢紙P2を、図2に示す矢印A方向、すなわち、印刷部22の方向へと導くようになっている。
【0032】
図2及び図3に示すように、印刷部22は、紙送りローラ35、プラテン36、排紙ローラ38、ガイド部材39、キャリッジ41、インクカートリッジ42、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド45、廃液タンク47、ヘッドクリーニング機構49を備える。
【0033】
図2に示すように、紙送りローラ35は、前記給紙ガイド29の左側に位置しており、前記第1及び第2の抽出ローラ27,28と平行となる2本のローラ35a,35bを備える。ローラ35a,35bは、前記ハウジング11aに対して回転可能に支持され、紙送りモータ50(図6参照)によって駆動される。そして、前記第1及び第2の用紙トレイ24,25から送り出された普通紙P1あるいは光沢紙P2は、ローラ35a,35bによって上下方向から挟み込みこまれるようになっている。この状態で、紙送りモータ50の駆動により、ローラ35aを正回転させると同時に、ローラ35bを逆回転させることにより、普通紙P1あるいは光沢紙P2は、前記矢印A方向へと送り出されるようになっている。
【0034】
プラテン36は、前記紙送りローラ35の左側に位置しており、前記紙送りローラ35と平行となるようにしてハウジング11aに架設されている。そして、紙送りローラ35から送り出された普通紙P1あるいは光沢紙P2は、このプラテン36によって下側から支持されるようになっている。
【0035】
排紙ローラ38は、前記プラテン36の左側において、前記紙送りローラ35と平行となるようにして位置しており、平行する2本のローラ38a,38bを備える。ローラ38a,38bは、前記ハウジング11aに対して回転可能に支持され、前記紙送りモータ50によって駆動される。そして、プラテン36から搬送された普通紙P1あるいは光沢紙P2は、ローラ38a,38bによって上下方向から挟み込まれるようになっている。この状態で、紙送りモータ50の駆動により、ローラ38aを正回転させると同時に、ローラ38bを逆回転させることにより、普通紙P1あるいは光沢紙P2は、前記矢印A方向に沿って送り出すようになっている。そして、排紙ローラ38から送り出された普通紙P1あるいは光沢紙P2は、ハウジング11aに設けられている前記開口19へと導かれ、ハウジング11aの外部へと排出されるようになっている。
【0036】
図2及び図3に示すように、ガイド部材39は、プラテン36の上方において、前記紙送りローラ35と平行となるようにしてハウジング11aに架設されている。また、キャリッジ41は、ガイド部材39に対して移動可能に挿通支持されている。そして、図3に示すように、キャリッジ41は、タイミングベルト51を介してキャリッジモータ52に接続されており、キャリッジモータ52の駆動により、ガイド部材39に沿う方向、すなわち、矢印B方向(主走査方向)に沿って、往復移動されるようになっている。
【0037】
インクカートリッジ42は、前記キャリッジ41の上部に搭載されており、4個のインクカートリッジ42k,42m,42c,42yを備える。そして、これら、インクカートリッジ42k,42m,42c,42yは、それぞれ、液体としてのブラックインク、マゼンタインク、シアンインク、イエローインクが収容されるようになっている。また、図4に示すように、インクカートリッジ42k,42m,42c,42yの上面には、それぞれ、インク供給孔55k,55m,55c,55y及び、大気開放孔56k,56m,56c,56yが形成されている。そして、各インクカートリッジ42k,42m,42c,42yへは、このインク供給孔55k,55m,55c,55yを介してインクを供給することが可能となっている。また、大気開放孔56k,56m,56c,56yは、インクカートリッジ42k,42m,42c,42yにインクを供給するときに、内部に残留している空気等を外部に排出させるためのものとなっている。
【0038】
さらに、インクカートリッジ42の側面には、検出部58が設けられている。この検出部58は、ICチップにより形成されており、各種情報を記憶することが可能となっている。
【0039】
図2及び図3に示すように、記録ヘッド45は、前記キャリッジ41の下部に搭載されている。そして、記録ヘッド45は、その下面に4つの図示しないノズル列が形成されており、これらのノズル列は、それぞれ、前記インクカートリッジ42k,42m,42c,42yに対して接続されている。従って、記録ヘッド45において圧電素子(図示しない)が駆動されることによって、インクカートリッジ42k,42m,42c,42yから各ノズル列へとインクが色毎に供給され、記録ヘッド45からインク滴が吐出される。
【0040】
なお、このとき、記録ヘッド45の各ノズル列は、前記プラテン36と上下方向において対向する位置に設けられている。従って、プラテン36上に普通紙P1あるいは光沢紙P2が所定のタイミングで送り出された状態で、記録ヘッド45からインク滴を吐出することにより、普通紙P1あるいは光沢紙P2上に画像が印刷されるようになる。
【0041】
図3に示すように、廃液タンク47は、前記プラテン36を下方に投影したときに、その投影した部分全体を包含することが可能となるような位置に設けられ、ハウジング11aに固定されている。そして、廃液タンク47は、上面が開口する箱形に形成されており、その内部には、多孔質素材による複数の廃液吸収材61が、積層されるようにして備えられている。
【0042】
ヘッドクリーニング機構49は、ハウジング11a内において、図3に示す右側端部、すなわち、非印刷領域(ホームポジション)に設けられている。そして、ヘッドクリーニング機構49は、キャップ部材63と、同キャップ部材63に接続されている吸引チューブ64と、同吸引チューブ64の途中に設けられている吸引ポンプ65とを備える。キャップ部材63は、上側が開口する箱体となっており、上下動可能にハウジング11aに取着されている。そして、このキャップ部材63は、キャップ昇降モータ66(図6参照)と接続されており、キャップ昇降モータ66の駆動により上下動するようになっている。
【0043】
吸引チューブ64は、シリコンゴム等の可撓性材料によって形成され、一端が前記キャップ部材63に接続されている。すなわち、吸引チューブ64は、キャップ部材63の内部空間Sと連通状態となっている。また、吸引チューブ64は、その他端が前記廃液タンク47内に位置している。従って、キャップ部材63の内部空間Sと、廃液タンク47とは、吸引チューブ64を介して連通状態となっている。
【0044】
吸引ポンプ65は、ハウジング11aに固定されており、吸引ポンプ駆動用モータ67(図6参照)と接続されている。そして、吸引ポンプ65は、この吸引ポンプ駆動用モータ67の駆動によって回転し、吸引ポンプ65より上流側の吸引チューブ64の内部の圧力を減少させるようになっている。そして、その結果、吸引チューブ64の上流側に位置するキャップ部材63の内部空間Sを減圧させるようになっている。
【0045】
図2及び図3に示すように、インク調合部23は、ハウジング11a内において、前記印刷部22の上方に位置するようにして設けられている。そしてインク調合部23は、液体原料貯留手段及びインク原料貯留手段としてのインク原料貯留部71、液体混合手段及びインク混合手段としてのインク混合部72、液体供給手段及びインク供給手段としてのインク注入部73を備える。図3に示すように、インク原料貯留部71は、インク原料貯留手段としての第1及び第2のブラック着色材タンク71a,71b、第1〜第4のマゼンタ着色材タンク71c,71d,71e,71f、第1及び第2のシアン着色材タンク71g,71h、第1及び第2のイエロー着色材タンク71i,71jを備える。また、インク原料貯留部71は、インク原料貯留手段としての第1及び第2の溶剤タンク71k,71lも備える。
【0046】
前記各タンク71a〜71lには、前記インクカートリッジ42に収容される液体原料としての各色のインク原料がそれぞれ収容されている。詳しくは、本実施形態では、第1のブラック着色材タンク71aには、ブラックインク用の顔料系着色材の顔料分散液であるインク原料としてのブラック用顔料分散液BP1が収容されている。また、第2のブラック着色材タンク71bには、ブラックインク用の染料系着色材の染料溶液であるインク原料としてのブラック用染料溶液BD1が収容されている。そして、本実施形態においては、これらブラック用顔料分散液BP1及びブラック用染料溶液BD1によって形成されるブラックインクは、ほぼ同じ発色をするものとする。
【0047】
なお、ブラック用顔料分散液BP1に含まれる顔料系着色材としては、例えば、C.I.ピグメントブラック7等のファーネスブラック、ランブブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック等を使用してもよい。さらに、ブラック用染料溶液BD1に含まれる染料系着色材としては、例えば、C.I.ダイレクトブラック168,195、フードブラック2、リアクテティブブラック31、ダイレクトブラック168、ダイレクトブラック154等を使用してもよい。
【0048】
第1及び第2のマゼンタ着色材タンク71c,71dには、それぞれ、マゼンタインク用の顔料系着色材の顔料分散液であるインク原料としてのマゼンタ用顔料分散液MP1,MP2が収容されている。また、第3及び第4のマゼンタ着色材タンク71e,71fには、それぞれ、マゼンタインク用の染料系着色材の染料溶液であるインク原料としてのマゼンタ用染料溶液MD1,MD2が収容されている。
【0049】
なお、本実施形態においては、前記マゼンタ用顔料分散液MP1,MP2及び、マゼンタ用染料溶液MD1,MD2は、図5に示すように、L*a*b*表色系色度図の座標上では、マゼンタ用顔料分散液MP1とマゼンタ用染料溶液MD1とが同じ座標に位置するような関係となっている。また、マゼンタ用顔料分散液MP2とマゼンタ用染料溶液MD2とが同じ座標に位置するような関係となっている。すなわち、マゼンタ用顔料分散液MP1とマゼンタ用染料溶液MD1とによって形成されるマゼンタインクは、ほぼ同一の色を有するとともに、マゼンタ用顔料分散液MP2とマゼンタ用染料溶液MD2とによって形成されるマゼンタインクが、ほぼ同一の色を有するようになる。そして、マゼンタ用顔料分散液MP1及びマゼンタ用染料溶液MD1によって形成されるマゼンタインクの色は、マゼンタ用顔料分散液MP2及びマゼンタ用染料溶液MD2によって形成されるマゼンタインクに比較して、強い赤みを有するようになっている。
【0050】
なお、マゼンタ用顔料分散液MP1,MP2に含まれる顔料系着色材としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1(パラレッド),2,3(トルイジンレッド),4,5(lTR Red),6,7,8,9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38(ピラゾロンレッド),40,41,42,88(チオインジゴ),112(ナフトールAS系),114(ナフトールAS系),122(ジメチルキナクリドン),123,144,146,149,150,166,168(アントアントロンオレンジ),170(ナフトールAS系),171,175,176,177,178,179(ベリレンマルーン),185,187,209(ジクロロキナクリドン),219,224(ベリレン系),245(ナフトールAS糸)、C.I.ピグメントバイオレット19(キナクリドン),23(ジオキサジンバイオレット),32,33,36,38,43,50などを使用してもよい。
【0051】
さらに、マゼンタ用染料溶液MD1,MD2に含まれる染料系着色材としては、例えば、アシッドレッド249、ダイレクトレッド75、リアクティブレッド23、リアクティブレッド180、アシッドレッド52、ダイレクトレッド227、アシッドレッド289などを使用してもよい。
【0052】
図3に示すように、第1のシアン着色材タンク71gには、シアンインク用の顔料系着色材の顔料分散液であるインク原料としてのシアン用顔料分散液CP1が、また、第2のシアン着色材タンク71hには、シアンインク用の染料系着色材の染料溶液であるインク原料としてのシアン用染料溶液CD1が収容されている。そして、図5に示すように、本実施形態においては、シアン用顔料分散液CP1及びシアン用染料溶液CD1は、L*a*b*表色系色度図の座標上では、ほぼ同じ座標に位置するような関係、すなわち、シアンインクを形成したときに、ほぼ同一の発色をするものとする。
【0053】
なお、シアン用顔料分散液CP1に含まれる顔料系着色材としては、例えば、C.l.ピグメントブルー15,15:1,15:2,15:3,16(無金属フタロシアニン),18(アルカリブルートナー),25,60(スレンブルー),65(ビオラントロン),66(インジゴ)等を使用してもよい。さらに、シアン用染料溶液CD1に含まれる染料系着色材としては、例えば、ダイレクトブルー199、アシッドブルー9、ダイレクトブルー86、リアクティブブルー21、リアクティブブルー7等を使用してもよい。
【0054】
さらに又、図3に示すように、第1のイエロー着色材タンク71iには、イエローインク用の顔料系着色材の顔料分散液であるインク原料としてのイエロー用顔料分散液YP1が収容されている。また、第2のイエロー着色材タンク71jには、イエローインク用の染料系着色材の染料溶液であるインク原料としてのイエロー用染料溶液YD1が収容されている。そして、図5に示すように、本実施形態においては、イエロー用顔料分散液YP1及びイエロー用染料溶液YD1は、L*a*b*表色系色度図の座標上では、ほぼ同じ座標に位置するような関係、すなわち、イエローインクを形成したときに、ほぼ同一の発色をするものとする。
【0055】
なお、イエロー用顔料分散液YP1に含まれる顔料系着色材としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー12,17,55,73,109,110,120,124,128,138,139(イソインドリノン),147,151,153(ニッケル錯体顔料),154,167,172,180等を使用してもよい。さらに、イエロー用染料溶液YD1に含まれる染料系着色材としては、例えば、ダイレクトイエロー86,132,173、アシッドイエロー17、ダイレクトイエロー107、リアクティブイエロー37、アシッドイエロー23、ダイレクトイエロー144等を使用してもよい。
【0056】
また、以上のタンク71a〜71jには、必要により、乾燥防止材や、防腐剤、pH調整材等を加えてもよい。なお、pH調整材は、顔料系インクの分散破壊を防止するために、適度なpHに溶媒を保持するためのものである。そして、pH調整材の具体例として、フタル酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩等を挙げることができる。
【0057】
また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k,71lには、それぞれ、前記普通紙P1や光沢紙P2に対するインクの浸透性を制御するための親水性有機溶剤や界面活性剤等の水溶液である、インク原料としての溶剤S1及び溶剤S2が収容されている。詳しくは、第1の溶剤タンク71kには、普通紙P1に適した溶剤S1が、第2の溶剤タンク71lには、光沢紙P2に適した溶剤S2が収容されている。
【0058】
そして、これら溶剤S1,S2の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、アセチレングリコール系界面活性剤のサーフィノール440(エアープロダクツ社製)、サーフィノールT465(エアープロダクツ社製)等、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン界面活性剤、高級脂肪酸塩としてのアニオン界面活性剤、脂肪族アミン塩等のカチオン活性材、水分等を挙げることができる。
【0059】
また、上記溶剤S1,S2は、必要に応じて、希釈材を含むようにしてもよい。なお、希釈材は、インクの必要以上の乾燥を抑えたり、好ましい粘度に調整したりするためのものとなっており、具体例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の高沸点低揮発性の多価アルコール類を挙げることができる。さらに、防腐目的で、4,4−ジメチルオキサゾリジンを添加してもよい。その他必要に応じて、防錆等の目的で安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等を添加してもよい。さらに、前記記録ヘッド45のノズル列におけるインクの乾燥防止の目的で、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等を添加してもよい。
【0060】
インク混合部72は、ブラックインク混合タンク72k、マゼンタインク混合タンク72m、シアンインク混合タンク72c、イエローインク混合タンク72yを備え、これらの混合タンク72k,72m,72c,72yは、プリンタ11のハウジング11aに固定されている。そして、各混合タンク72k,72m,72c,72yは、前記各タンク71a〜71lからインクの原料の供給を受け、複数の原料を混合することにより、各色のインクを混合形成するためのタンクとなっている。
【0061】
詳しくは、前記ブラックインク混合タンク72kは、インクカートリッジ42kに収容されるブラックインクを混合形成するためのタンクとなっており、第1及び第2のブラック着色材タンク71a,71bと、それぞれ、供給チューブ75a,75bを介して接続されている。また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k、71lに対して、供給チューブ77k,78kを介してそれぞれ接続されている。
【0062】
マゼンタインク混合タンク72mは、インクカートリッジ42mに収容されるマゼンタインクを混合形成するためのタンクとなっており、第1〜第4のマゼンタ着色材タンク71c〜71fと、それぞれ、供給チューブ75c〜75fを介して接続されている。また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k,71lに対して、供給チューブ77m,78mを介してそれぞれ接続されている。
【0063】
さらに、シアンインク混合タンク72cは、インクカートリッジ42cに収容されるシアンインクを混合形成するためのタンクとなっており、第1及び第2のシアン着色材タンク71g,71hと、それぞれ、供給チューブ75g,75hを介して接続されている。また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k,71lに対して、供給チューブ77c,78cを介してそれぞれ接続されている。
【0064】
さらに又、イエローインク混合タンク72yは、インクカートリッジ42yに収容されるイエローインクを混合形成するためのタンクとなっており、第1及び第2のイエロー着色材タンク71i,7jと、それぞれ、供給チューブ75i,75jを介して接続されている。また、前記第1及び第2の溶剤タンク71k,71lに対して、供給チューブ77y,78yを介してそれぞれ接続されている。
【0065】
そして、以上の各供給チューブ75a〜75j及び、供給チューブ77k,77m,77c,77y、供給チューブ78k,78m,78c,78yの流路途中には、それぞれ、第1〜第18のポンプ80〜97が設けられている。これらの第1〜第18のポンプ80〜97には、第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107(図6参照)が接続されており、これら第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107の駆動によって回転するようになっている。その結果、各着色材タンク71a〜71j及び各溶剤タンク71k,71lから混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクの原料を移送するようになっている。なお、移送される量は、各第1〜第18のポンプ80〜97の、回転数を個別に変化させることによって制御可能となっている。
【0066】
インク注入部73は、前記インク混合部72よりも下方で、かつ、前記キャリッジ41よりも上方に位置しており、供給針支持部材111と供給針112とを備える。供給針支持部材111は、上下動可能にプリンタ11のハウジング11aに支持されている。そして、供給針支持部材111は、供給針移動用モータ115(図6参照)と接続されており、供給針移動用モータ115の駆動によって、上下動するようになっている。
【0067】
供給針112は、前記インクカートリッジ42の色の数に合わせて、4つの供給針112k,112m,112c,112yを備えており、中空状の針となっている。そして、各供給針112k,112m,112c,112yは、それぞれ、前記供給針支持部材111に支持されている。このとき、供給針支持部材111の直下に前記キャリッジ41が位置した状態で、供給針支持部材111が下降することにより、各供給針112k,112m,112c,112yは、前記インクカートリッジ42の各インク供給孔55k,55m,55c,55y(図4参照)に貫挿されるようになっている。
【0068】
また、前記各供給針112k,112m,112c,112yは、それぞれ、供給チューブ116〜119を介して前記各混合タンク72k,72m,72c,72yに接続されている。そして、各供給チューブ116〜119の流路途中には、それぞれ、第19〜第22のポンプ121〜124が設けられている。これら第19〜第22のポンプ121〜124には、第19〜第22のポンプ駆動用モータ126〜129(図6参照)が接続されており、これら第19〜第22のポンプ駆動用モータ126〜129の駆動によって回転するようになっている。そして、各ポンプ121〜124が回転することによって、各混合タンク72k,72m,72c,72y内に貯留されているインクが、供給針112k,112m,112c,112yへと移送されるようになっている。
【0069】
従って、本実施形態のプリンタ11においては、印刷に使用されるインクが、各タンク71a〜71lに収容されているインク原料を調合することによって形成されるようになっている。そして、これらインク原料は、顔料系着色材の顔料分散液や、染料系着色材の染料溶液、普通紙P1の印刷に適した溶剤S1、光沢紙P2の印刷に適した溶剤S2でとなっている。
【0070】
従って、これらのインク原料の組み合わせによって、顔料系のインクを形成して、耐光性の高い画像を印刷したり、染料系のインクを形成して、発色性の高い画像を印刷したりすることができる。さらに、溶剤S1と溶剤S2との使い分けや、着色材に対する混合割合を変化させることにより、普通紙P1や光沢紙P2に適した画像を印刷したり、全体的な濃淡を変えた印刷をしたりすることができる。
【0071】
さらに、図5に示すように、マゼンタ用顔料分散液MP1及びマゼンタ用染料溶液MD1によって形成されるマゼンタインクの色は、マゼンタ用顔料分散液MP2及びマゼンタ用染料溶液MD2によって形成されるマゼンタインクに比較して、強い赤みを有するようになっている。従って、この発色の異なる顔料分散液と染料溶液とを使い分けることにより、印刷画像の発色の範囲を変化させることができる。
【0072】
次に、以上のように構成されている本実施形態におけるプリンタ11の電気的構成について説明する。
図6に示すように、プリンタ11は、CPU131、ROM132、RAM133、給紙制御部135、印刷制御部136、クリーニング制御部138、インク調合制御部139を備える。さらに、プリンタ11は、印刷データ記憶部141、設定データ記憶部142、調合用データ記憶部143を備えている。そして、これらはバス145によって接続されている。
【0073】
CPU131は、バス145を介して前記操作パネル部12に接続され、操作パネル部12の前記操作画面13に各種画像データを出力し、操作パネル部12の前記メニューボタン14からの操作信号を入力する。また、CPU131は、前記磁気ディスクドライブ16と接続され、磁気ディスクドライブ16に挿入されたユーザーの磁気ディスクから、画像データを読み取ることが可能となっている。そして、CPU131は、前記料金投入部17と接続され、料金投入部17からの料金の入金信号を入力する。
【0074】
また、CPU131は、給紙制御部135を介して、第1及び第2の抽出モータ31,32と接続され、これら第1及び第2の抽出モータ31,32を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。さらに、CPU131は、印刷制御部136を介して前記紙送りモータ50、キャリッジモータ52、記録ヘッド45に接続され、これら紙送りモータ50、キャリッジモータ52、記録ヘッド45を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。
【0075】
CPU131は、クリーニング制御部138を介して前記キャップ昇降モータ66及び吸引ポンプ駆動用モータ67と接続され、これらキャップ昇降モータ66及び吸引ポンプ駆動用モータ67を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。また、CPU131は、インク調合制御部139を介して前記供給針移動用モータ115、第1〜第22のポンプ駆動用モータ91〜107,126〜129と接続され、供給針移動用モータ115、第1〜第22のポンプ駆動用モータ91〜107,126〜129を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。
【0076】
そして、CPU131は、印刷データ記憶部141と接続されており、印刷データ記憶部141には、CMYK形式の印刷データが記憶されている。なお、印刷データは、CPU131が前記磁気ディスクドライブ16を介して読み取った画像データをCMYK形式に変換することにより作成されるデータであり、CPU131が、新たな画像データを磁気ディスクドライブ16から読み取るたびに作成され、更新されるようになっている。
【0077】
CPU131は、設定データ記憶部142と接続されており、この設定データ記憶部142には、設定データEDが記憶されている。なお、設定データEDとは、プリンタ11において印刷される印刷画像の色合いや濃淡等を設定するためのデータとなっている。詳しくは、図7に示すように、印刷タイプが「耐光性」であるか「写真」であるか、また、色度aの色合いが「+」であるか「−」である、濃淡が「濃」であるか「淡」であるか、紙種が「普通紙」であるか「光沢紙」であるか、といったデータとなっている。そして、その選択肢の組み合わせによって、ケース1からケース16までの16通りの設定データEDが決定されるようになっている。
【0078】
図6に示すように、CPU131は、調合用データ記憶部143と接続されており、この調合用データ記憶部143には、調合用データPDが記憶されている。なお、調合用データPDとは、前記設定データ記憶部142に記憶されている設定データEDに基づいて、インク調合部23において調合するインクの種類と量を決定するためのデータである。詳しくは、図8に示すように、前記設定データEDの16のケース毎に、インクの原料の必要な量を、重量%にて示したデータとなっている。そして、CPU131が、この調合用データPDに基づいて、第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107を駆動制御し、各顔料系分散液や染料溶液、溶剤等を所定量移送することにより、混合タンク72k,72m,72c,72yには、各ケースに適した4色のインクが混合形成される。
【0079】
図6に示すように、CPU131は、ROM132に記憶された各種プログラムに従って動作し、その演算処理結果等を一次RAM133に記憶するようになっている。詳述すると、ROM132は、印刷データ更新プログラム、サムネイル画像表示プログラム、設定データ特定プログラム、印刷プログラム、その他各種のプログラムを備える。
【0080】
印刷データ更新プログラムは、前記磁気ディスクドライブ16にユーザーの磁気ディスクが挿入されると、磁気ディスクに記憶されている画像データを読み取り、読み取った画像データをCMYKデータに変換することによって印刷データを作成し、印刷データ記憶部141に記憶させるためのプログラムである。つまり、CPU131は、磁気ディスクドライブ16にユーザーの磁気ディスクが挿入されると、印刷データ更新プログラムに従って、磁気ディスクに記憶されている画像データを印刷データに変換し、印刷データ記憶部141に記憶させる。
【0081】
サムネイル画像表示プログラムは、磁気ディスクドライブ16にユーザーの磁気ディスクが挿入されると、磁気ディスクに記憶されている画像データを間引いてサムネイル画像データを作成し、図9に示すように、プリンタ11の操作画面13上にサムネイル画像G1を表示させるためのプログラムである。つまり、CPU131は、磁気ディスクドライブ16にユーザーの磁気ディスクが挿入されると、サムネイル画像表示プログラムに従って、磁気ディスクに記憶されている画像データを間引いてサムネイル画像データを作成し、作成したサムネイル画像データに基づいて操作画面13上にサムネイル画像G1を表示させる。
【0082】
設定データ特定プログラムは、ユーザーが、前記操作パネル部12を介して印刷の設定変更を所望した場合に、図10示すように、プリンタ11の操作画面13上に設定用画像G2を表示させるためのプログラムである。また、設定データ特定プログラムは、設定用画像G2を操作画面13上に表示させた状態で、メニューボタン14から入力される信号に基づいて設定データEDを特定するためのプログラムである。
【0083】
つまり、CPU131は、ユーザーが、操作パネル部12を介して印刷の設定変更を所望すると、設定データ特定プログラムに従って、操作画面13上に設定用画像G2を表示させる。また、CPU131は、設定用画像G2を表示させた状態で、メニューボタン14から入力される信号に基づいて設定データEDを特定する。
【0084】
印刷プログラムは、前記操作パネル部12のメニューボタン14が操作され、印刷を希望する旨の入力がされると、前記設定データ特定プログラムに従って特定された設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出するためのプログラムである。また、印刷プログラムは、抽出した調合用データPDに基づいて、インク調合制御部139を介して各種モータを駆動させ、インク調合部23においてインクを調合し、調合したインクをインクカートリッジ42に供給するためのプログラムである。さらに、印刷プログラムは、インクカートリッジ42にインクが供給されると、印刷データ記憶部141に記憶されている印刷データに基づいて、普通紙P1あるいは光沢紙P2上に印刷を行うためのプログラムである。
【0085】
つまり、CPU131は、操作パネル部12のメニューボタン14が操作され、印刷を希望する旨の信号を入力すると、印刷プログラムに従って、設定データ特定プログラムにおいて特定された設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出する。そして、CPU131は、調合用データPDを抽出すると、印刷プログラムに従って、抽出した調合用データPDに基づいてインク調合制御部139を介して各種モータを駆動させ、インク調合部23においてインクを調合し、調合したインクをインクカートリッジ42に供給する。さらに、CPU131は、インクカートリッジ42にインクが供給されると印刷プログラムに従って、印刷データ記憶部141に記憶されている印刷データに基づいて、普通紙P1あるいは光沢紙P2上に印刷を行う。
【0086】
次に、上記のように構成された第1の実施形態におけるプリンタ11の作用について、図11に示したフローチャートに従って説明する。
図11に示すように、所定の金額が料金投入部17を介して入金され、プリンタ11の前記磁気ディスクドライブ16に磁気ディスクが挿入されると、プリンタ11のCPU131は、印刷データ更新プログラムに従って、磁気ディスクに記憶されている画像データを読み取る(ステップS11)。そして、CPU131は、読み取った画像データをCMYKデータに変換して印刷データを作成し、印刷データ記憶部141に記憶させる。
【0087】
続いて、CPU131は、磁気ディスクドライブ16の磁気ディスクに記憶されている画像データを間引いてサムネイル画像データを作成し、作成したサムネイル画像データに基づいて、図9に示すように、プリンタ11の操作画面13上にサムネイル画像G1を表示させる(ステップS12)。また、CPU131は、操作画面13の下部に、2つのボタン151,152を表示させる。
【0088】
なお、本実施形態においては、このサムネイル画像G1は、図7に示す設定データEDを、「ケース1」として印刷した場合において得られる印刷画像に近い画像であるものとする。従って、ユーザーは、このサムネイル画像G1を見ることにより、設定データEDが「ケース1」となっている場合において、プリンタ11にて印刷される印刷画像のイメージを想定することができるようになっている。
【0089】
そして、ユーザーによって、このサムネイル画像G1が閲覧され、色味や、濃淡の異なる印刷画像を得ることが希望された場合には、メニューボタン14が操作され、図9に示すボタン151が選択される(ステップS13でYES)。すると、CPU131は、設定データ特定プログラムに従って、図10に示すように、プリンタ11の操作画面13上に設定用画像G2を表示させる(ステップS14)。
【0090】
なお、この設定用画像G2には、印刷の各種設定の選択をするための複数のラジオボタン153〜160、及び、設定を保存するためのボタン161が表示されている。そして、ユーザーによって、メニューボタン14が操作され、ラジオボタン153〜160がユーザーの好みに従って選択され、ボタン161が選択されると(ステップS15でYES)、CPU131は、選択された結果に基づいて設定データEDを特定する(ステップS16)。なお、本実施形態においては、CPU131は、このステップS15において、ボタン161が選択されるまで、設定用画像G2を操作画面13上に表示し続けた状態とするものとする。
【0091】
そして、この図10においては、印刷タイプが「写真タイプ」、色合いが「赤み弱」、濃淡が「淡」、紙種が「普通紙」となるように選択された場合について示している。従って、例えば、この図10のような選択が行われている場合には、CPU131は、図7に示す設定データEDの中から、ユーザーの希望する設定データEDが、「ケース15」であることを特定するようになっている。
【0092】
続いて、CPU131は、設定データEDを特定すると、操作画面13上に、図9に示すようなサムネイル画像G1やボタン151,152を再度表示させる。そして、この状態で、ユーザーによって印刷が希望されることにより、メニューボタン14が操作され、ボタン152が選択されると(ステップS17でYES)、CPU131は、印刷プログラムに従った各種動作を行い、プリンタ11にて印刷が開始される(ステップS18)。
【0093】
詳しくは、まず、CPU131は、印刷プログラムに従って、前記ステップ16において特定した設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部43から対応する調合用データPDを抽出する。従って、例えば、ステップS16において設定データEDが「ケース15」であると特定されていた場合には、CPU131は、図8に示す調合用データPDの中から、ケース15に対応する調合用データPDを抽出する。
【0094】
続いて、CPU131は、調合用データPDを抽出すると、印刷プログラムに従って、調合用データPDに基づいて、インク調合制御部139を介して第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107の少なくともいずれかを駆動させる。そして、タンク71a〜71jから、混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクを供給する。
【0095】
なお、例えば、抽出した調合用データPDが、ケース15に対応するデータである場合には、CPU131は、第2,第6,第8,第10のポンプ駆動用モータ81,85,87,89、第11〜第14のポンプ駆動用モータ90〜93をそれぞれ所定量駆動させる。
【0096】
この結果、ブラックインク混合タンク72kには、第2のブラック着色材タンク71bに収容されていたブラック用染料溶液BD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。また、マゼンタインク混合タンク72mには、第4のマゼンタ着色材タンク71fに収容されていたマゼンタ用染料溶液MD2と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。
【0097】
さらに、シアンインク混合タンク72cには、第2のシアン着色材タンク71hに収容されているシアン用染料溶液CD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。さらに又、イエローインク混合タンク72yには、第2のイエロー着色材タンク71jに収容されているイエロー用染料溶液YD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。
【0098】
そして、以上により、各混合タンク72k,72m,72c,72y内には、写真の印刷に適した染料系のインクであり、かつ、淡い発色をするインクが形成されるようになっている。また、これらのインクは、普通紙P1への印刷に適した溶剤S1にて形成されている。さらに、マゼンタインク混合タンク72mに形成されているマゼンタインクは、赤みの弱い発色をするマゼンタインクとなっている。
【0099】
そして、CPU131は、混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクを供給すると、印刷制御部136を介してキャリッジモータ52を駆動させ、供給針支持部材111の直下にキャリッジ41が位置するようにする。続いて、CPU131は、印刷プログラムに従って、インク調合制御部139を介して供給針移動用モータ115を駆動させ、供給針支持部材111を下降させる。すると、供給針支持部材111に支持されている各供給針112k,112m,112c,112yがインクカートリッジ42の各インク供給孔55k,55m,55c,55yに貫挿される。
【0100】
続いて、CPU131は、インク調合制御部139を介して第19〜第22のポンプ駆動用モータ126〜129を駆動させ、混合タンク72k,72m,72c,72y内のインクを各インクカートリッジ42k,42m,42c,42yに移送する。そして、インクの移送を終了すると、CPU131は、インク調合制御部139を介して供給針移動用モータ115を駆動させ、供給針支持部材111を上昇させて、インクカートリッジ42と供給針112とを分離する。
【0101】
そして、CPU131は、印刷プログラムに従って、前記設定データ特定プログラムにおいて特定された設定データEDに基づいて、給紙制御部135を介して、第1の抽出モータ31及び第2の抽出モータ32のいずれか一方を駆動し、普通紙P1あるいは光沢紙P2を、用紙トレイ24,25から排出させる。なお、例えば、設定データEDが、「ケース15」となっている場合には、CPU131は、給紙制御部135を介して第1の抽出モータ31を駆動させ、普通紙P1を用紙トレイ24から排出させる。
【0102】
続いて、CPU131は、印刷プログラムに従って、印刷制御部136を介して紙送りモータ30、キャリッジモータ52、記録ヘッド45を駆動制御し、印刷データ記憶部141に記憶されている印刷データに基づいて普通紙P1上に印刷を行う。そして、画像が印刷された普通紙P1は、プリンタ11のハウジング11aの前面下部に設けられている開口19を介して外部へと排出され、ユーザーに対して提供される。そして、この印刷画像は、ユーザーが特定した設定データEDに基づいてインク調合部23にて調合されたインクに基づいて印刷された印刷画像となっているので、ユーザーの希望と一致した色や品質を有する印刷画像となっている。
【0103】
なお、CPU131は、前記ステップS13において、印刷の設定の変更希望がなかった場合にも(ステップS13でNO)、図9に示すボタン152が選択されることによって、印刷プログラムに従って上記と同様の印刷を行うようになっている。
【0104】
そして、CPU131は、前記操作パネル部12からの入力信号等に基づいて、ユーザーの希望する枚数分の印刷を行うと、印刷制御部136を介してキャリッジモータ52を駆動させ、キャリッジを非印刷領域に移動させる。続いて、CPU131は、クリーニング制御部138を介してキャップ昇降モータ66を駆動し、キャップ部材63を上昇させ、記録ヘッド45へと当接させる。そして、この状態で、CPU131は、クリーニング制御部138を介して吸引ポンプ駆動用モータ67を駆動させ、キャップ部材63の内部空間Sを減圧させ、記録ヘッド45のノズル列からインクを吸引する。そして、吸引したインクは、吸引チューブ64を介して廃液タンク47へと導かれる。そして、CPU131は、吸引ポンプ駆動用モータ67の駆動を充分に行うと、印刷プログラムの処理を終了する。そして、これにより、インクカートリッジ42内に貯留されているインクは、全て、廃液タンク47へと導かれ、インクカートリッジ42内にはインクが存在しない状態とされる。
【0105】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記第1の実施形態では、プリンタ11において印刷に使用されるインクは、プリンタ11内のインク調合部23において調合されたインクであるようにした。そして、このインク調合部23において調合されるインクは、そのインク原料の混合の組み合わせや混合割合が、ユーザーが操作パネル部12を介して特定する設定データEDに基づいて決定されるようにした。従って、プリンタ11の記録ヘッド45から噴射されるインクの種類を、ユーザーの好みに応じて様々に変化させることが可能となる。しかも、1台のプリンタ11内において、インクカートリッジ42の交換等を行うことなく様々な種類のインクを混合形成して記録ヘッド45から噴射させて印刷を行うことができ、インクの種類の変更を簡単に行うことができる。
【0106】
(2)上記第1の実施形態では、プリンタ11のインク調合部23は、顔料系着色材の顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1を別々のタンクに収容するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、顔料系インクと染料系インクとのいずれかを、必要に応じて選択的に混合形成することができる。この結果、1台のプリンタ11において、インクカートリッジ42の交換を行うことなく、簡単に、耐光性の高い顔料系インクを使った印刷と、写真のような発色性の良い染料系インクを使った印刷とを選択的に行うことができる。
【0107】
(3)上記第1の実施形態では、プリンタ11のインク調合部23は、マゼンタ系の着色材原料として、顔料分散液MP1,MP2と染料溶液MD1,MD2の4種類を備えるようにした。すなわち、顔料分散液と染料溶液とでそれぞれ色合いの異なる2種類の着色材原料を備えるようにした。従って、インク調合部23において混合形成されるマゼンタインクの色合いを、赤みの強いものと弱いものといった、2種類に変化させることができる。その結果、プリンタ11において印刷される画像の赤みの色合いを、ユーザーの好みに対応して、全体的に変化させることができ、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0108】
(4)上記第1の実施形態では、プリンタ11のインク調合部23は、インクの着色材原料である顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1と、溶剤S1,S2とを、個別のタンク71a〜71lに貯留するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、インクの着色材に対する溶剤S1,S2の割合を様々に変化させることができる。その結果、ユーザーの好みに対応して、様々な濃淡を有するインクを選択的に形成し、プリンタ11において印刷される画像の濃淡を全体的に変化させることができる。そして、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0109】
(5)上記第1の実施形態では、プリンタ11のインク調合部23は、普通紙P1の印刷に適した溶剤S1と、光沢紙P2の印刷に適した溶剤S2とを個別のタンク71k,71lに貯留するようにした。従って、ユーザーの好みに対応して、プリンタ11の印刷に使用する記録媒体が変化しても、それぞれに適したインクをインク調合部23にて調合し、適した印刷を行うことができる。
【0110】
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図12〜図14に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態のプリンタ11の構成を部分的に変更することによって形成されるインク注入装置の構成であるため、同様の部分については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0111】
図12に示すように、本実施形態の液体注入装置としてのインク注入装置171は、第1の実施形態におけるプリンタ11と同様にして、印刷店又コンビニエンスストアなどの店舗に設置される自動インク注入装置となっており、ハウジング171aによって覆われている。そして、ハウジング171aの上面には、操作パネル部12が設けられており、前面上部には、料金投入部17を備えている。さらに、ハウジング171aの前面下部には、四角枠状の開口173が設けられており、ユーザーが持参したインクカートリッジ42(図4参照)が、この開口173を介してインク注入装置171に対して出し入れされるようになっている。
【0112】
図13に示すように、インク注入装置171は、ハウジング171aの内部に、インク調合部23、保持手段としてのカートリッジ保持部175を備える。そして、インク注入装置171は、上記第1の実施形態におけるプリンタ11に備えられていた給紙部21及び印刷部22を備えないようになっている。また、インク調合部23は、第1の実施形態におけるプリンタ11と全く同一の構成のため、その説明を省略する。
【0113】
カートリッジ保持部175は、前記インク調合部23のインク注入部73の直下において、若干離間した位置においてハウジング171aに対して固定されている。カートリッジ保持部175は、前記インクカートリッジ42(図4参照)を搭載可能に形成されている。そして、カートリッジ保持部175にインクカートリッジ42が搭載された状態で、供給針支持部材111を下降させることにより、各供給針112がインクカートリッジ42の各インク供給孔55k,55m,55c,55y(図4参照)に貫挿されるようになっている。
【0114】
また、カートリッジ保持部175は、取得手段としての情報授受部175aを有しており、カートリッジ保持部175にインクカートリッジ42を搭載させたときに、インクカートリッジ42の前記検出部58がこの情報授受部175aに対して対向するようになっている。なお、図14に示すように、インクカートリッジ42の検出部58には、電極58aと記録素子58bとが備えられている。電極58aは、インクカートリッジ42がカートリッジ保持部175に搭載されたとき、情報授受部175aの図示しない電極が接続されるものとなっている。また、記憶手段としての記録素子58bは、インクカートリッジ42の型式を表す識別情報としての型式データが記憶されている。
【0115】
次に、以上のように構成されている本実施形態におけるインク注入装置171の電気的構成について説明する。
図14に示すように、インク注入装置171は、CPU131、ROM132、RAM133、インク調合制御部139、設定データ記憶部142、調合用データ記憶部143、型式データ記憶部176を備える。そして、これらはバス145によって接続されている。CPU131は、バス145を介して前記操作パネル部12に接続され、操作パネル部12の前記操作画面13に各種画像データを出力し、操作パネル部12の前記メニューボタン14からの操作信号を入力する。
【0116】
また、CPU131は、前記情報授受部175aと接続され、この情報授受部175aを介してインクカートリッジ42の検出部58から、インクカートリッジ42の型式に関する型式データを入力する。さらに、CPU131は、前記料金投入部17と接続され、料金投入部17からの料金の入金信号を入力する。
【0117】
さらに又、CPU131は、インク調合制御部139を介して前記供給針移動用モータ115、第1〜第22のポンプ駆動用モータ91〜107,126〜129と接続され、供給針移動用モータ115、第1〜第22のポンプ駆動用モータ91〜107,126〜129を駆動制御するための駆動制御信号を出力する。
【0118】
そして、CPU131は、設定データ記憶部142と接続されており、この設定データ記憶部142には、第1の実施形態と同様の設定データEDが記憶されている。さらに、CPU131は、調合用データ記憶部143と接続されており、この調合用データ記憶部143には第1の実施形態と同様の調合用データPDが記憶されている。
【0119】
さらに又、CPU131は、型式データ記憶部176と接続されており、この型式データ記録部176には、インクカートリッジ42の型式と、その型式に対応するインク注入量に関するデータが記憶されている。
【0120】
また、CPU131は、ROM132に記憶された各種プログラムに従って動作し、その演算処理結果等を一時RAM133に記憶するようになっている。詳述すると、ROM132は、型式データ取得プログラム、設定データ特定プログラム、インク注入プログラム、その他各種のプログラムを備える。
【0121】
型式データ取得プログラムは、ユーザーが、持参したインクカートリッジ42を、インク注入装置171の開口173を介してカートリッジ保持部175に搭載させると、情報授受部175aを介してインクカートリッジ42の検出部58から型式データを読み取るためのプログラムである。そして、型式データ取得プログラムは読み取った型式データに基づいて、型式データ記憶部176からその型式データが示す型式に対応するインク注入量に関するデータを抽出するためのプログラムでもある。
【0122】
つまり、CPU131は、カートリッジ保持部175にインクカートリッジ42が搭載されると、型式データ取得プログラムに従って、情報授受部175aを介して、検出部58の記録素子58bから型式データを読み取る。そして、CPU131は、読み取った型式データに基づいて、型式データ記憶部176からその型式データの型式に対応するインク注入量に関するデータを抽出する。
【0123】
設定データ特定プログラムは、型式データ取得プログラムの処理が終了すると、図10に示すように、インク注入装置171の操作画面13上に設定用画像G2を表示させるためのプログラムである。また、設定データ特定プログラムは、設定用画像G2を操作画面13上に表示させた状態で、メニューボタン14から入力される信号に基づいて設定データEDを特定するためのプログラムである。
【0124】
つまり、CPU131は、型式データ取得プログラムの処理を終了すると、設定データ特定プログラムに従って、インク注入装置171の操作画面13上に設定用画像G2を表示させる。続いて、CPU131は、設定データ特定プログラムに従って、設定用画像G2を操作画面13上に表示させた状態で、メニューボタン14から入力される信号に基づいて設定データEDを特定する。
【0125】
インク注入プログラムは、前記設定データ特定プログラムに従って、設定データEDを特定すると、特定した設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出するためのプログラムである。また、インク注入プログラムは、抽出した調合用データPDと、型式データ取得プログラムに従って決定したインク注入量に関するデータとに基づいて、インク調合制御部139を介して各種モータを駆動するためのプログラムである。そして、インク調合部23においてインクを所定量調合し、調合したインクをインクカートリッジ42に供給するためのプログラムである。
【0126】
つまり、CPU131は、設定データEDを特定すると、インク注入プログラムに従って、設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出する。そして、CPU131は、抽出した調合用データPDと、型式データ取得プログラムに従って決定したインク注入量に関するデータとに基づいて、インク調合制御部139を介して各種モータを駆動させる。そして、インク調合部23においてインクを所定量調合し、調合したインクをインクカートリッジ42に供給する、
次に、上記のように構成された第2の実施形態におけるインク注入装置171の作用について説明する。
【0127】
まず、ユーザーによって、所定の金額が料金投入部17を介して入金され、インク注入装置171の開口173を介してインクカートリッジ42がハウジング171a内のカートリッジ保持部175に搭載されると、CPU131は、前記型式データ取得プログラムに従って、型式データを取得する。続いて、CPU131は、取得した型式データに基づいて、型式データ記憶部176からその型式データの示す型式に対応するインク注入量に関するデータを抽出する。
【0128】
そして、CPU131は、型式データ取得プログラムの処理を終了すると、設定データ特定プログラムに従って、インク注入装置171の操作画面13上に設定用画像G2(図10参照)を表示する。そして、ユーザーによって、メニューボタン14が操作されることにより、設定用画像G2上のラジオボタン153〜160がユーザーの好みに応じて選択され、ボタン161が選択されると、CPU131は、上記第1の実施形態と同様にして、設定データEDを特定する。
【0129】
続いて、CPU131は、インク注入プログラムに従って、特定した設定データEDに基づいて、調合用データ記憶部143から対応する調合用データPDを抽出する。従って、例えば、設定データEDが「ケース15」であった場合には、CPU131は、図8に示す調合用データPDの中からケース15に対応する調合用データPDを抽出する。
【0130】
続いて、CPU131は、調合用データPDを抽出すると、インク注入プログラムに従って、調合用データPDと、インク注入量に関するデータとに基づいて、インク調合制御部139を介して第1〜第18のポンプ駆動用モータ91〜107の少なくともいずれかを駆動させる。その結果、タンク71a〜71jから、混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクが必要量供給される。
【0131】
なお、例えば、抽出した調合用データPDが、ケース15に対応するデータであった場合には、CPU131は、第2,第6,第8,第10のポンプ駆動用モータ81,85,87,89、第11〜第14のポンプ駆動用モータ90〜93をそれぞれ所定量駆動させる。
【0132】
この結果、ブラックインク混合タンク72kには、第2のブラック着色材タンク71bに収容されていたブラック用染料溶液BD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。また、マゼンタインク混合タンク72mには、第4のマゼンタ着色材タンク71fに収容されていたマゼンタ用染料溶液MD2と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。
【0133】
さらに、シアンインク混合タンク72cには、第2のシアン着色材タンク71hに収容されているシアン用染料溶液CD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。さらに又、イエローインク混合タンク72yには、第2のイエロー着色材タンク71jに収容されているイエロー用染料溶液YD1と、第1の溶剤タンク71kに収容されている溶剤S1とが、重量%の割合で、1:99の割合で供給される。
【0134】
そして、以上により、各混合タンク72k,72m,72c,72y内には、写真の印刷に適した染料系のインクであり、かつ、淡い発色をするインクが形成されるようになっている。さらに、これらのインクは、普通紙P1への印刷に適した溶剤S1にて形成されている。さらに、マゼンタインク混合タンク72mに形成されているマゼンタインクは、赤みの弱い発色をするマゼンタインクとなっている。
【0135】
そして、CPU131は、混合タンク72k,72m,72c,72yへとインクを供給すると、印刷プログラムに従って、インク調合制御部139を介して供給針移動用モータ115を駆動させ、供給針支持部材111を下降させる。すると、供給針支持部材111に支持されている各供給針112k,112m,112c,112yがインクカートリッジ42の各インク供給孔55k,55m,55c,55yに貫挿される。
【0136】
続いて、CPU131は、インク調合制御部139を介して第19〜第22のポンプ駆動用モータ126〜129を駆動させ、混合タンク72k,72m,72c,72y内のインクを各インクカートリッジ42k,42m,42c,42yに移送する。そして、インクの移送を終了すると、CPU131は、インク調合制御部139を介して供給針移動用モータ115を駆動させ、供給針支持部材111を上昇させて、インクカートリッジ42と供給針112とを分離する。
【0137】
そして、ユーザーは、インク注入装置171の開口173を介して、インクカートリッジ42をカートリッジ保持部175から離間させて外部に取り出す。これにより、ユーザーが持参したインクカートリッジ42には、ユーザーの希望する印刷の品質に適したインクが、そのインクカートリッジ42の型式に合った量だけ注入され、ユーザーに対して提供されるようになる。
【0138】
上記第2の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(6)上記第2の実施形態では、インク注入装置171においてインクカートリッジ42に注入されるインクは、インク注入装置171内のインク調合部23において調合されたインクであるようにした。そして、このインク調合部23において調合されるインクは、そのインク原料の混合の組み合わせや混合割合が、ユーザーが操作パネル部12を介して特定する設定データEDに基づいて決定されるようにした。従って、インクカートリッジ42に注入されるインクの種類を、ユーザーの好みに応じて様々に変化させることが可能となる。その結果、このようなインクカートリッジ42をプリンタ等に搭載させることで、様々な種類のインクを使用した印刷を行うことができる。
【0139】
(7)上記第2の実施形態では、インク注入装置171のインク調合部23は、顔料系着色材の顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1を別々のタンクに収容するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、顔料系インクと染料系インクとのいずれかを、必要に応じて選択的に混合形成することができる。この結果、インク注入装置171において、耐光性の高い顔料系インクと、写真のような発色性の良い染料系インクとを選択してインクカートリッジ42に対して注入することができる。従って、このようなインクカートリッジ42をプリンタ等に搭載させることで、顔料系インクによる印刷と染料系インクによる印刷とを選択的に行うことができるようになる。
【0140】
(8)上記第2の実施形態では、インク注入装置171のインク調合部23は、マゼンタ系の着色材原料として、顔料分散液MP1,MP2と染料溶液MD1,MD2の4種類を備えるようにした。すなわち、顔料分散液と染料溶液とでそれぞれ色合いの異なる2種類の着色材原料を備えるようにした。従って、インク調合部23において混合形成されるマゼンタインクの色合いを、赤みの強いものと弱いものといった、2種類に変化させることができる。その結果、インク注入装置171においてインクカートリッジ42に対して注入されるインクの色合いを、ユーザーの好みに対応して、変化させることができる。そして、このようなインクカートリッジ42を使用してプリンタ等にて印刷を行うことにより、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0141】
(9)上記第2の実施形態では、インク注入装置171のインク調合部23は、インクの着色材原料である顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1と、溶剤S1,S2とを、個別のタンク71a〜71lに貯留するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、インクの着色材に対する溶剤S1,S2の割合を様々に変化させることができる。その結果、ユーザーの好みに対応して、様々な濃淡を有するインクを選択的に形成し、インク注入装置171においてインクカートリッジ42に注入することができる。従って、このようなインクカートリッジ42を使用してプリンタ等にて印刷を行うことにより、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0142】
(10)上記第2の実施形態では、インク注入装置171のインク調合部23は、普通紙P1の印刷に適した溶剤S1と、光沢紙P2の印刷に適した溶剤S2とを個別のタンク71k,71lに貯留するようにした。従って、インク調合部23においてインクを混合形成するときに、普通紙P1の印刷に適したインクと、光沢紙P2の印刷に適したインクとを選択的に形成し、インク注入装置171においてインクカートリッジ42に注入することができる。従ってこのようなインクカートリッジ42を使用してプリンタ等にて印刷を行うことにより、ユーザーの好みにきめ細やかに対応した印刷を行うことができる。
【0143】
(11)上記第2の実施形態では、インク調合部23にてインクを混合形成するときに、インクカートリッジ42の検出部58から取得した型式データに基づいて、インクカートリッジ42に適したインクの注入量が決定されるようにした。そして、インク調合部23にて、その決定されたインクの注入量分のインクが混合形成され、インクカートリッジ42に注入されるようにした。従って、インクカートリッジ42に適した量のインクをインクカートリッジ42に対して注入することができるようになる。
【0144】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク調合部23は、顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1を貯留するタンク71a〜71jを備えるようにした。これを、インク調合部23に、顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1あるいは、染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1のいずれか一方を貯留するタンクのみを備えるようにしてもよい。そして、インク調合部23にて調合されるインクの種類が、顔料系か染料系のいずれか一方のみとなるようにしてもよい。
【0145】
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク調合部23は、赤みの色合いの異なる2種類のマゼンタインクを形成可能とするために、マゼンタ系の着色材原料を、顔料系と染料系とで、各2種類ずつ使用するようにした。これを、3種類以上のマゼンタ系の顔料分散液及び染料溶液を個別に貯留するタンクを備えるようにしてもよい。そして、インク調合部23は、これら3種類以上のタンクから選択的に着色材原料を抽出することにより、3種類以上の色合いの異なるマゼンタインクを形成可能とするようにしてもよい。
【0146】
また、マゼンタインク以外の色のインクについても、複数の同色系列の顔料分散液及び染料溶液を個別に貯留するタンクを備えるようにしてもよい。そして、インク調合部23において、マゼンタインク以外の色についても、着色材原料を選択的に抽出し、色合いの異なるインクを形成可能とするようにしてもよい。
【0147】
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク調合部23は、溶剤S1,S2を貯留するタンク71k,71lを備え、この溶剤S1,S2には、必要に応じて希釈材が含まれるようにした。これを、インク調合部23に、希釈材を貯留する専用のタンクを設け、インクの調合を行うときに、顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1、溶剤S1,S2に加えて、希釈材の混合割合も変化可能とするようにしてもよい。
【0148】
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク調合部23において、インクの着色材原料である顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料系着色材の染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1と、溶剤S1,S2とを、個別のタンク71a〜71lに貯留するようにした。そして、混合タンク72k,72m,72c,72yにて各原料を混合してインクを形成するようにした。これを、溶剤S1,S2のタンク71k,71lを備えないようにしてもよい。そして、タンク71a〜71jには、インクの顔料分散液BP1,MP1,MP2,CP1,YP1と、染料溶液BD1,MD1,MD2,CD1,YD1とに加えて、溶剤S1と溶剤S2のいずれか一方が予め混合されたものが貯留されているようにしてもよい。また、このような場合には、混合タンク72k,72m,72c,72yを設けず、タンク71a〜71jから、直接インクカートリッジ42へとインクが供給されるようにしてもよい。
【0149】
・上記第1及び第2の実施形態においては、インク原料貯留部71は、溶剤S1,S2をそれぞれ貯留する第1及び第2の溶剤タンク71k,71lを備えるようにした。これを、普通紙P1と光沢紙P2以外の記録媒体に適した溶剤を貯留するタンクを備えるようにしてもよい。また、第1及び第2の溶剤タンク71k,71lのいずれか一方を備えないようにしてもよい。
【0150】
・上記第2の実施形態においては、インク注入装置171のインク調合部23において調合されるインクの量は、インクカートリッジ42の検出部58に記憶されている型式データに基づいて決められるようにした。これを、インクカートリッジ42の型式データと関係なく、インク調合部23において所定量のインクを調合し、インクカートリッジ42に注入するようにしてもよい。
【0151】
・上記第2の実施形態においては、インク注入装置171にて調合されるインクのインク原料の混合割合は、ユーザーが操作パネル部12を介して特定した設定データEDに基づいて決定されるようにした。これを、インクカートリッジ42の検出部58に記憶されている型式データに基づいてインク原料の混合割合を決定するようにしてもよい。
【0152】
・上記第1及び第2の実施形態においては、調合用データPDは、図8に示すように、各ケース毎に、インクの原料の必要な量を重量%にて示したデータとするようにした。これを、重量%以外のその他の単位によって示されたデータとなるようにしてもよい。また、各インク原料の必要量の割合も、図8に示すような割合以外の割合となっていてももちろんよい。
【0153】
・上記第1の実施形態においては、プリンタ11の操作画面13上に表示されるサムネイル画像G1は、設定データEDをケース1として特定して印刷したときに得られる印刷画像のイメージを想定できる画像となるようにした。これを、設定データEDがケース1〜ケース16のいずれかに特定されるたびに、特定されたケースに対応する印刷画像のイメージを想定できる画像となるようにしてもよい。
【0154】
・上記第1の実施形態におけるプリンタ11及び上記第2の実施形態におけるインク注入装置171は、印刷店又はコンビニエンスストアなどの店舗に設置されるものとしたが、移動式とするようにしてもよい。
【0155】
・上記第1の実施形態においては、プリンタ11は磁気ディスクドライブ16を備え、プリンタ11において印刷される画像は、磁気ディスクドライブ16を介して磁気ディスクから読み取った画像データに基づいたものとなるようにした。これを、プリンタ11に、メモリーカードスロットや光ディスクドライブ等を設けるようにし、メモリーカードや光ディスク(例えば、CD−ROMなど)から画像データを読み取ることが可能となるようにしてもよい。
【0156】
・上記第1及び第2の実施形態においては、プリンタ11は、料金投入部17を備え、料金投入部17からの入金信号の入力に基づいて、各種プログラムを実行し、印刷を行うようにした。これを、プリンタ11に、クレジットカード読み取り手段を設けるようにし、クレジットカードから読み取った情報に基づいて各種プログラムを実行し、印刷を行うようにしてもよい。
【0157】
・上記第1の実施形態においては、液体噴射装置として、インクを吐出するプリンタ11(ファックス、コピア等の印刷装置を含む)を用いて説明した。これを、他の液体を噴射する液体噴射装置に具体化するようにしてもよい。例えば、他の液体を噴射する液体噴射装置として、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。
【0158】
・上記第2の実施形態においては、液体注入装置として、液体カートリッジとしてのインクカートリッジ42に、インクを注入するためのインク注入装置171を用いて説明した。これを、他の液体を噴射する液体噴射装置に備えられている液体カートリッジに液体を注入するための液体注入装置に具体化するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるプリンタの斜視図。
【図2】同じく、プリンタの断面図。
【図3】同じく、プリンタの断面図。
【図4】同じく、インクカートリッジの斜視図。
【図5】同じく、L*a*b*表色系色度図。
【図6】同じく、プリンタの電気的構成図。
【図7】同じく、設定データの説明図。
【図8】同じく、調合用データの説明図。
【図9】同じく、操作画面に表示された画像の概念図。
【図10】同じく、操作画面に表示された画像の概念図。
【図11】同じく、プリンタの作用を説明するフローチャート図。
【図12】第2の実施形態におけるインク注入装置の斜視図。
【図13】同じく、インク注入装置の断面図。
【図14】同じく、インク注入装置の電気的構成図。
【符号の説明】
BD1…インク原料としてのブラック用染料溶液、BP1…インク原料としてのブラック用顔料分散液、CD1…インク原料としてのシアン用染料溶液、CP1…インク原料としてのシアン用顔料分散液、MD1,MD2…インク原料としてのマゼンタ用染料溶液、MP1,MP2…インク原料としてのマゼンタ用顔料分散液、YD1…インク原料としてのイエロー用染料溶液、YP1…インク原料としてのイエロー用顔料分散液、P1…記録媒体としての普通紙、P2…記録媒体としての光沢紙、S1,S2…インク原料としての溶剤、11…液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置(プリンタ)、45…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、58b…記憶手段としての記録素子、71…液体原料貯留手段及びインク原料貯留手段としてのインク原料貯留部、72…液体混合手段及びインク混合手段としてのインク混合部、73…液体供給手段及びインク供給手段としてのインク注入部、171…液体注入装置としてのインク注入装置、175…保持手段としてのカートリッジ保持部、175a…取得手段としての情報授受部。
Claims (8)
- ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置において、
複数の液体原料をそれぞれ個別に貯留する複数の液体原料貯留手段と、
前記複数の液体原料貯留手段から前記複数の液体原料を選択的に抽出し、抽出した前記液体原料を混合し、前記液体を形成する液体混合手段と、
前記液体混合手段において形成した前記液体を前記液体噴射ヘッドに供給する液体供給手段と
を備えたことを特徴とする液体噴射装置。 - ノズルから記録媒体に対してインクを噴射することにより印刷を行う記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置において、
複数のインク原料をそれぞれ個別に貯留する複数のインク原料貯留手段と、
前記複数のインク原料貯留手段から前記複数のインク原料を選択的に抽出し、抽出した前記インク原料を混合し、前記インクを形成するインク混合手段と、
前記インク混合手段において形成した前記インクを前記記録ヘッドに供給するインク供給手段と
を備えたことを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項2に記載のインクジェット式記録装置において、
前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、顔料系着色材の顔料分散液と、染料系着色材の染料溶液とを個別に貯留する手段であることを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項2又は3に記載のインクジェット式記録装置において、
前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、複数の同系色の着色材を個別に貯留する手段であることを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項2〜4のいずれか1つに記載のインクジェット式記録装置において、
前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、インクの溶剤、あるいは、インクの希釈材を個別に貯留する手段であることを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項2〜4のいずれか1つに記載のインクジェット式記録装置において、
前記複数のインク原料貯留手段は、少なくとも、複数種類のインクの溶剤、あるいは、複数種類のインクの希釈材を種類毎に貯留する手段であることを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 液体噴射装置の液体噴射ヘッドから噴射させる液体を貯留するための液体カートリッジを保持可能な保持手段と、同保持手段に保持された前記液体カートリッジに対して前記液体を供給可能な液体供給手段とを備えた液体注入装置において、
複数の液体原料をそれぞれ個別に貯留する複数の液体原料貯留手段と、
前記複数の原料貯留手段から前記複数の液体原料を選択的に抽出し、抽出した前記液体原料を混合し、前記液体を形成する液体混合手段と
を備えたことを特徴とする液体注入装置。 - 請求項7に記載の液体注入装置において、
前記保持手段に保持された前記液体カートリッジの記憶手段から、前記液体カートリッジを識別する識別情報を取得可能な取得手段を備え、
前記液体混合手段は、前記取得手段にて取得した前記識別情報に基づいて、前記液体原料貯留手段から前記複数の液体原料を選択的に抽出する手段であることを特徴とする液体注入装置。
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