JP2004298993A - ダイヤフラムチャック - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークの把持力を任意に調整することが可能であり、種々のワークの固定に対して的確に対応することが可能であると共に、ワークの外径寸法のバラツキに対しても柔軟に対応し、かかるワークを確実に把持することが可能なダイヤフラムチャックを提供する。
【解決手段】ワークの把持部を収容する中空部を有して略円筒形状に形成されると共に、軸方向への圧縮に伴って半径方向の内側へ向けて弾性変形するクランプ部を備えたダイヤフラムと、このダイヤフラムの外周面が嵌合する貫通孔を有するチャックヘッドと、前記貫通孔の内周面に形成されて該貫通孔内に嵌合したダイヤフラムの軸方向への移動を係止する規制段部と、前記ダイヤフラムの軸方向に沿って進退自在に設けられ、ワークを前記ダイヤラムの中空部内に把持する際に、該ダイヤフラムを前記規制段部に向けて押圧するスライドシャフトとから構成される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋盤等の工作機械においてワークを把持するダイヤフラムチャックに係り、詳細には、ワークの把持力を任意に且つ容易に調整可能とするための改良に関する。
【0002】
【0003】
【特許文献1】特開平6−114613号公報
【特許文献2】特開2000−237906号公報
【特許文献3】特開2000−254809号公報
【0004】
従来より、旋盤等の工作機械に加工対象物たるワークを固定するためのチャック機構としては、空気圧や油圧等の流体圧力を媒介として動作するダイヤフラムチャックが知られている(特開平6−114613号公報、特開2000−237906号公報、特開2000−254809号公報等)。
【0005】
一般に、この種のダイヤフラムチャックは、図6に示すように、自由端をワークWの中心軸に向けて放射状に配置された複数の可撓性ダイヤフラム100と、これらダイヤフラム100の自由端の一面側に配置されたワーク把持爪101と、空気圧又は油圧によって進退すると共に前記ワーク把持爪101と反対側から前記ダイヤフラム100の自由端を押圧する解放ピストン102とから構成されている。
【0006】
このように構成された従来のダイヤフラムチャックは前記解放ピストン102の進退動作に合わせてワークWの把持及び解放を行う。すなわち、前記解放ピストン102に対して流体圧力を作用させ、かかる解放ピストン102を図中の矢線方向へ進出させて各ダイヤフラム100の自由端を押圧してやると、ダイヤフラム100が撓み、その自由端に取り付けられたワーク把持爪101が互いに拡開する。これにより、ワーク把持爪101の間にワークWを挿入することが可能となる。この状態から、解放ピストン102を後退させ(紙面右方向)、各ダイヤフラム100に生じていた撓みを取り除いてやると、ワーク把持爪101がダイヤフラム100の弾性力を利用してワークWを把持することになる。一方、ワークWをダイヤフラムチャックから取り外す際には、前記解放ピストン102を再度進出させてダイヤフラム100の自由端の押圧を行い、ワーク把持爪101を互いに拡開させる。これにより、ワークWを取り外すことが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように構成された従来のダイフラムチャックは、ワークを取り付け又は取り外しを行う際に解放ピストンをダイヤフラムに対して作用させており、ワーク把持爪がワークを固定している最中は解放ピストンとダイヤフラムが完全に離間した状態にある(図6に示す状態)。このため、ワーク把持爪がワークに対して及ぼしている把持力はダイヤフラムの弾性力によって一義的に決定してしまい、かかる把持力を微妙に調整することができないといった不具合があった。従って、例えば加工対象物であるワークの剛性が低い場合には、あまりに大きな把持力でワークを固定すると、かかるワークが変形してしまうおそれがあった。
【0008】
また、ワークの外径に加工誤差が存在すると、かかるワークを把持した際のダイヤフラムの弾性変形量が異なってくることから、ワーク把持爪の発揮する把持力がワークの外径に応じて増加又は減少してしまい、ワークの固定状態が不安定なものになり易いといった問題点もあった。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ワークの把持力を任意に調整することが可能であり、種々のワークの固定に対して的確に対応することが可能であると共に、ワークの外径寸法のバラツキに対しても柔軟に対応し、かかるワークを確実に把持することが可能なダイヤフラムチャックを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のダイヤフラムチャックは、ワークの把持部を収容する中空部を有して略円筒形状に形成されると共に、軸方向への圧縮に伴って半径方向の内側へ向けて弾性変形するクランプ部を備えたダイヤフラムと、このダイヤフラムの外周面が嵌合する貫通孔を有するチャックヘッドと、前記貫通孔の内周面に形成されて該貫通孔内に嵌合したダイヤフラムの軸方向への移動を係止する規制段部と、前記ダイヤフラムの軸方向に沿って進退自在に設けられ、ワークを前記ダイヤラムの中空部内に把持する際に、該ダイヤフラムを前記規制段部に向けて押圧するスライドシャフトとから構成されることを特徴とするものである。
【0011】
このように構成された本発明のダイヤフラムチャックでは、前記ダイヤフラムの中空部内にワークの把持部を挿入した後、前記スライドシャフトでダイヤフラムを軸方向へ押圧すると、かかるダイヤフラムは前記規制段部によって軸方向への移動を係止されていることから、チャックヘッドの貫通孔内で軸方向へ圧縮されることになる。このとき、前記ダイヤフラムに設けられたクランプ部は該ダイヤフラムの軸方向への圧縮に伴って半径方向の内側に向けて弾性変形し、この変形によってダイヤフラムの中空部内に挿入されたワークの把持部がクランプ部によって把持されることになる。
【0012】
すなわち、本発明のダイヤフラムチャックでは、スライドシャフトでダイヤフラムを押圧することにより、かかるダイヤフラムに設けられたクランプ部がワークを把持する一方、スライドシャフトによる押圧を解除すると、クランプ部によるワークの把持が解放されるようになっており、ピストンの進退に伴うワークの把持及び解放が従来のダイヤフラムチャックとは全く逆に生じるようになっている。このため、スライドシャフトによる押圧力を調整すれば、ダイヤフラムに設けられたクランプ部の弾性変形量が調整され、かかるクランプ部でワークを把持する力を任意に調整することが可能となる。従って、ワークの構造や材質等に適した把持力でワークをクランプすることが可能であり、種々のワークを的確な把持力で固定することができる他、ワークの把持部の外径が加工誤差を含んでいる場合であっても、実際のワークの把持部の外径寸法に柔軟に対応し、やはり該ワークを的確に固定することができるものである。
【0013】
ここで、前記ダイヤフラムとしては、スライドシャフトによって軸方向へ圧縮された際に、半径方向の内側へ向けて弾性変形するクランプ部を備えたものであれば、その形状は適宜設計変更して差し支えないが、一例としては、ダイヤフラム全体を金属薄板から円筒状に形成すると共に、かかる円筒の内周面に周方向に沿って設けられた断面V字状の凸条を形成し、この凸条をクランプ部とすることが考えられる。このようにダイヤフラムを形成した場合、かかるダイヤフラムをスライドシャフトによって軸方向へ圧縮すると、クランプ部としての凸条が潰されて、その凸条の先端部が半径方向の内側に向けて進出し、その結果としてダイヤフラムの中空部に収容したワークの把持部を締め付けることが可能となる。
【0014】
また、ダイヤフラムの他の例としては、複数の金属製スリーブの軸方向端面の間にゴムリング等の弾性リングをクランプ部として挟み込むことが考えられる。このダイヤフラムの場合、かかるダイヤフラムをスライドシャフトによって軸方向へ圧縮すると、金属製スリーブの間に位置する弾性リングが押し潰され、かかる弾性リングが半径方向へ拡がることになる。このとき、ダイヤフラムの外周面はチャックヘッドの貫通孔に嵌合していることから、前記弾性リングは金属スリーブの外周面側へ拡がることができず、結果として弾性リングは金属スリーブの内周面側へ拡がる。これにより、ダイヤフラムの軸方向への圧縮によって変形した前記弾性リングが該ダイヤフラムの中空部に収容したワークの把持部を締め付けることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いながら本発明のダイヤフラムチャックを詳細に説明する。
図1は、円筒状ナットの内周面に雌ねじ溝を形成するねじ研削盤の主軸に対して本発明のダイヤフラムチャックを適用した例を示すものである。このダイヤフラムチャックは、円筒状のワークWが挿入される貫通孔10を有するチャックヘッド1と、このチャックヘッド1の貫通孔10内に装着された略円筒状のダイヤフラム2と、このダイヤフラム2に対して押圧力を及ぼし、かかるダイヤフラム2にワークWの把持及び解放を行わせるスライドシャフト3とを備えている。
【0016】
前記チャックヘッド1は図示外のスピンドルによって保持されており、かかるスピンドルに回転を与えると、前記貫通孔10の中心を回転軸として回転するように構成されている。前記貫通孔10の内周面にはワークWが挿入される側の開口縁部に対応して規制段部11が形成されており、前記ダイヤフラム2はこの規制段部11とは反対側の開口から前記貫通孔10内に嵌合している。
【0017】
また、前記ダイヤフラム2はSUP、SK等の金属薄板を略円筒状に形成したものであり、その外径は前記チャックヘッド1の貫通孔10の内径よりも僅かに小さく形成され、かかる貫通孔10内に嵌合するようになっている。このダイヤフラム2の外周面には周方向に沿って環状の凹溝が形成されており、この凹溝に対応してダイヤフラム2の内周面に形成された環状の凸条20が前記中空部内にワークWを把持するためのクランプ部として機能する。かかる凸条20は金属薄板を断面略V字状に屈曲させて形成されており、図1に示すダイヤフラム2では前記凸条20が軸方向へ間隔をおいて一対形成されている。従って、このダイヤフラム2は蛇腹状の形状を与えられており、前記凸条20が弾性変形することで軸方向へ伸縮することが可能となっている。
【0018】
前記ダイヤフラム2はこれをチャックヘッド1の貫通孔10に嵌合させた際に、かかる貫通孔10内には完全に収容されず、軸方向の一端が貫通孔10から突出するように構成されており、この突出端を前記スライドシャフト3が軸方向へ押圧するようになっている。
【0019】
一方、前記スライドシャフト3はチャックヘッド1に対して進退自在に設けられており、図示外のピストンに対して油圧や空気圧等の流体圧力を作用させることにより、図1中の紙面左右方向へ任意に進退させることができるようになっている。このスライドシャフト3の先端には押しリング30が装着されており、かかる押しリング30はチャックヘッド1の貫通孔10から突出した前記ダイヤフラム2の軸方向端面と当接する環状の押圧作用面31を備えている。従って、スライドシャフト3をチャクヘッド1に向けて進出させると、押しリング30の押圧作用面31がダイヤフラム2の軸方向端面と接触し、かかるダイヤフラム2に対して軸方向の押圧力を及ぼし得るようになっている。
【0020】
また、前記ダイヤフラム2はチャツクヘッド1と共に回転することから、前記押しリング30はスラストベアリング32を介してスライドシャフト3に装着されており、押しリング30がダイヤフラム2に連れ回されても、かかる押しリング30の回転をスライドシャフト3に伝達しないように構成されている。
【0021】
更に、前記スライドシャフト3の中心にはクーラント液をワークWに対して供給するための供給パイプ33が内蔵されており、かかる供給パイプ33の先端には前記押しリング30の中心を貫通する噴出ノズル34が設けられている。この噴出ノズル34はダイヤフラム2の中空部と対向しており、前記供給パイプ33を通してクーラント液を送ると、噴出ノズル34の先端から噴き出たクーラント液がダイヤフラム2内に固定されたワークWに対して供給されるようになっている。
【0022】
尚、図1中の符号12は前記ワークWをチャックヘッド1と同期回転させるための回り止めであり、前記ダイヤフラム2によって把持されたワークWに係合するようになっている。
【0023】
図2及び図3は前記ダイヤフラム2を用いたワークWの固定方法を示すものである。図2に示すように、ダイヤフラム2に形成された凸条20の内径はワークWの外径よりも僅かに大きく設定されており、ダイヤフラム2に対して何ら外力を加えていない状態では、ワークWをチャックヘッド1の貫通孔10、すなわち貫通孔10に嵌合するダイヤフラム2の中空部に対して挿入することができる。
【0024】
ダイヤフラム2の中空部内にワークWに固定するには、かかるワークWをダイヤフラム2の中空部内に挿入した後、スライドシャフト3をチャックヘッド1に向けて進出させ、スライドシャフト3の先端に装着された押しリング30でチャックヘッド1から突出したダイヤフラム2の軸方向端面を押圧してやる。図3に示すように、押圧力Fでダイヤフラム2を軸方向へ圧縮してやると、ダイヤフラム2それ自体はチャックヘッド1に形成された規制段部11によって軸方向への移動を係止されていることから、断面略V字状に形成されたダイヤフラム2の凸条20が軸方向に沿って弾性的に押し潰され、かかるダイヤフラム2が軸方向へ圧縮されることになる。このとき、かかる凸条20の先端部はダイヤフラム2の中心に向かって進出し、中空部に挿入されていたワークWの外周面を締め付ける。これにより、ワークWが前記凸条20によって把持され、ダイヤフラム2内に固定される。
【0025】
また、ワークWを取り外す際には、スライドシャフト3をチャックヘッド1から後退させ、押しリング30によってダイヤフラム2に加えていた押圧力Fを除去してやれば良い。押圧力Fを除去することにより、軸方向へ圧縮されていたダイヤフラム2は元の形状に復元し、つまるところ断面V字条の凸条20も元の形状に復元することから、かかる凸条20によるワークWの締め付けも解除され、ダイヤフラム2によるワークWのクランプ状態が解かれる。
【0026】
このように、本実施例のダイヤフラムチャックでは、スライドシャフト3を進出させてダイヤフラム2を軸方向へ押圧した際に、かかるダイヤフラム2内に挿入したワークWのクランプが行われる一方、スライドシャフト3を後退させてダイヤフラム2に対して印加していた押圧力を取り除くと、ワークWのクランプ状態が解除され、チャックヘッド1に対するワークWの取り付け及び取り外し作業を行うことができる。
【0027】
このとき、ダイヤフラム2がワークWを把持する力は該ダイヤフラム2の凸条20がワークWを締め付ける力に相当するので、かかる凸条20の弾性変形の度合いが大きくなる程、換言すれば該凸条20が軸方向へ押し潰される度合いが大きい程、ダイヤフラム2によるワークWの把持力は強くなる。従って、本実施例のダイヤフラムチャック2では、スライドシャフト3がダイヤフラム2の軸方向端面に及ぼす押圧力Fを調整することにより、かかるダイヤフラム2がワークWを把持する力を自在に調整することが可能となる。
【0028】
このため、ダイヤフラム2の発揮する把持力をワークWの剛性に応じて調整することが可能であり、ワークWをチャックヘッド1に固定した際に、余りに大きな把持力によってワークWが変形してしまう等のトラブルを容易に避けることができるものである。また、ダイヤフラム2にクランプさせるワークWの外径に加工誤差が存在するような場合であっても、スライドシャフト3の進出量を微調整することにより、的確な把持力でワークWをクランプすることが可能となり、ワークWをチャックヘッド1に対して確実に固定することができるものである。
【0029】
また、本実施例のダイヤフラムチャックでは、ワークWをダイヤフラム2によってクランプしている最中はスライドシャフト3の先端に装着した押しリング30がダイヤフラム2の軸方向端面と常に緊密に接触していることから、ワークWの研削加工中に前記押しリング30の中心に設けた噴出ノズル34からクーラント液を噴き出させると、総てのクーラント液が円筒状ワークWの中空部を通じてチャックヘッド1から外部へ流出することになる。このため、ワークに付着することなくチャックヘッドの外に流出してしまうクーラント液は一切なく、必要最低限の量のクーラント液でワークWの研削加工を行うことが可能となる。
【0030】
次に、図4及び図6は本発明のダイヤフラムチャックに使用することが可能なダイヤフラムの他の例を示すものである。
このダイヤフラム4は、同一軸心上に配置された複数の金属製スリーブ40と、互いに隣接するスリーブ40の軸方向端面のに間に挟まれて該スリーブ同士を結合する弾性リング41とから構成されており、全体として略円筒形状に形成されている。前記弾性リング41はゴムやウレタン等の弾性体をリング状に形成したものであり、隣接するスリーブ40の軸方向端面に接着されている。
【0031】
この図4に示したダイヤフラム4も図2に示したダイヤフラム2と全く同様に使用することができる。すなわち、図4に示すように、ダイヤフラム4に設けられた弾性リング41の内径はワークWの外径よりも僅かに大きく設定されており、ダイヤフラム4に対して何ら外力を加えていない状態では、ワークWをチャックヘッド1の貫通孔10、すなわち貫通孔10に嵌合するダイヤフラム4の中空部に対して挿入することができる。
【0032】
ダイヤフラム4の中空部内にワークWに固定するには、かかるワークWをダイヤフラム4の中空部内に挿入した後、スライドシャフト3をチャックヘッド1に向けて進出させ、スライドシャフト3の先端に装着された押しリング30でチャックヘッド1から突出したダイヤフラム4の軸方向端面を押圧してやる。図5に示すように、押圧力Fでダイヤフラム4を軸方向へ圧縮してやると、ダイヤフラム4それ自体はチャックヘッド1に形成された規制段部11によって軸方向への移動を係止されていることから、ダイヤフラム4の弾性リング41はスリーブ40によって押し潰され、かかるダイヤフラム4が軸方向へ圧縮されることになる。このとき、押し潰された弾性リング41はスリーブ40の内周面よりも内径側へ、又はスリーブ40の外周面よりも外径側へはみ出そうとするが、ダイヤフラム4それ自体がチャックヘッド1の貫通孔10に嵌合しているため、弾性リング41はスリーブ40の外周面側には殆どはみ出すことが出来ず、結果的にスリーブ40の内径側へ向けて大きくはみ出すことになる。このため、ダイヤフラム4を軸方向へ圧縮すると、前記弾性リング41が中空部に挿入されていたワークWの外周面を締め付け、これによりワークWが前記弾性リング41によって把持され、ダイヤフラム4内に固定される。
【0033】
また、ワークWを取り外す際には、スライドシャフト3をチャックヘッド1から後退させ、押しリング30によってダイヤフラム4に加えていた押圧力Fを除去してやれば良い。押圧力Fを除去することにより、軸方向へ圧縮されていたダイヤフラム4は元の形状に復元し、つまるところ弾性リング41も元の形状に復元することから、かかる弾性リング41によるワークWの締め付けも解除され、ダイヤフラム4によるワークWのクランプ状態が解かれる。
【0034】
従って、図4に示したダイヤフラム4を用いた場合も、スライドシャフト3がダイヤフラム4の軸方向端面に及ぼす押圧力Fを調整することにより、かかるダイヤフラム4がワークWを把持する力を自在に調整することが可能となり、ワークWの剛性に応じた的確な把持力で該ワークのクランプを行うことができる他、ワークWの外径に加工誤差が存在するような場合であっても、かかるワークWをチャックヘッド1に対して確実に固定することができるものである。
【0035】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明のダイヤフラムチャックによれば、スライドシャフトによるダイヤフラムの押圧力を調整することで、かかるダイヤフラムのクランプ部がワークを把持する力を任意に調整し得るので、種々のワークの固定に対して的確に対応することが可能であると共に、ワークの外径寸法のバラツキに対しても柔軟に対応し、かかるワークを確実に把持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したダイヤフラムチャックの一例を示すものである。
【図2】実施例に係るダイヤフラムにワークを挿入した状態を示す図である。
【図3】実施例に係るダイヤフラムでワークをクランプした状態を示す図である。
【図4】ダイヤフラムの他の例を示す図である。
【図5】図4に示したダイヤフラムでワークをクランプした状態を示す図である。
【図6】従来のダイヤフラムチャックの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…チャックヘッド、2…ダイヤフラム、3…スライドシャフト、10…貫通孔、11…規制段部、W…ワーク

Claims (3)

  1. ワークの把持部を収容する中空部を有して略円筒形状に形成されると共に、軸方向への圧縮に伴って半径方向の内側へ向けて弾性変形するクランプ部を備えたダイヤフラムと、このダイヤフラムの外周面が嵌合する貫通孔を有するチャックヘッドと、前記貫通孔の内周面に形成されて該貫通孔内に嵌合したダイヤフラムの軸方向への移動を係止する規制段部と、前記ダイヤフラムの軸方向に沿って進退自在に設けられ、ワークを前記ダイヤラムの中空部内に把持する際に、該ダイヤフラムを前記規制段部に向けて押圧するスライドシャフトとから構成されることを特徴とするダイヤフラムチャック。
  2. 前記ダイヤフラムは金属薄板から形成される一方、前記クランプ部はダイヤフラムの内周面に周方向に沿って設けられた断面V字状の凸条であり、前記スライドシャフトによるダイヤフラムの押圧の際に、前記凸条の先端部が半径方向の内側に向けて進出し、中空部内に収容されたワークを締め付けることを特徴とする請求項1記載のダイヤフラムチャック。
  3. 前記ダイヤフラムは、同一軸心上に配置された複数の金属製スリーブと、互いに隣接するスリーブの軸方向端面の間に挟まれた前記クランプ部としての弾性リングとから構成され、前記スライドシャフトによるダイヤフラムの押圧の際に、かかる弾性リングが半径方向の内側に向けて変形し、中空部内に収容されたワークを締め付けることを特徴とする請求項1記載のダイヤフラムチャック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007015044A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Canon Chemicals Inc ゴムロールの研削方法およびゴムロール

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