JP2004298973A - 超音波駆動装置及び案内装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速条件下や高荷重条件下においても長期間にわたって安定して使用することが可能な超音波駆動装置及び案内装置を提供する。
【解決手段】超音波領域の振動で可動体を駆動する超音波駆動装置を、振動を発生させる振動体2と振動体2の振動を可動体に伝達する押圧部材3とを有する超音波モータ1と、押圧部材3が押圧され且つ可動体に固定されていて、押圧部材3を介して伝達される振動によって可動体と一体に駆動される駆動力伝達部材15と、で構成した。そして、駆動力伝達部材15を炭素系多孔質材料で構成し、押圧部材3をセラミックスで構成した。また、案内装置に前記超音波駆動装置を装着し、前記超音波駆動装置でステージ13を駆動するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】超音波領域の振動で可動体を駆動する超音波駆動装置を、振動を発生させる振動体2と振動体2の振動を可動体に伝達する押圧部材3とを有する超音波モータ1と、押圧部材3が押圧され且つ可動体に固定されていて、押圧部材3を介して伝達される振動によって可動体と一体に駆動される駆動力伝達部材15と、で構成した。そして、駆動力伝達部材15を炭素系多孔質材料で構成し、押圧部材3をセラミックスで構成した。また、案内装置に前記超音波駆動装置を装着し、前記超音波駆動装置でステージ13を駆動するようにした。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波領域の振動を用いて可動体を駆動する超音波駆動装置、及び、超音波駆動装置により可動体を駆動する案内装置に係り、特に、半導体製造装置(搬送装置,露光装置など),精密加工機械,精密測定装置等に好適な超音波駆動装置及び案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に超音波モータは圧電材料で駆動力を発生させており、超音波領域の振動を発生させる振動体と、この振動体の振動を可動体に伝達する押圧部材と、で構成されている。そして、近年においては、高性能化のため形状,構造,材質等に関して種々の工夫がなされている。
【0003】
また、超音波モータは、小型である、摩擦駆動であるため大きな駆動力が得られる、振動の振幅が小さいため高精度な位置決めに利用できる等の特性を有している。そのため、直線運動,回転運動等を行う可動体の駆動手段としての利用が進められている。
さらに、超音波モータの押圧部材には、可動体等の相手部材を摩擦駆動するため、以下のような特性が要求される。
【0004】
▲1▼相手部材との摩擦に対して耐摩耗性に優れる
▲2▼相手部材と凝着しにくい
▲3▼相手部材を傷つけにくい
このような超音波モータの従来例としては、例えば、実開平2−94486号公報に記載のものがある。この超音波モータは、押圧部材がポリイミド樹脂,ガラス,又はセラミックス(アルミナ,炭化ケイ素等)で形成されている。また、特開2002−27768号公報には、アルミナセラミックスで押圧部材を形成した超音波モータが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
実開平2−94486号公報
【特許文献2】
特開2002−27768号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、超音波モータを駆動した際には高速で振動する押圧部材と押圧部材が接触している相手部材との間に大きな衝撃力が加わるため、前述の実開平2−94486号公報に記載の超音波モータのように押圧部材がポリイミド樹脂で形成されていると、押圧部材に摩耗が生じやすいという問題点があった。また、ポリイミド樹脂が摩擦熱によって軟化して、相手部材と凝着する場合があるという問題点も有していた。
【0007】
また、アルミナ,ジルコニア,又は炭化ケイ素を主成分とするセラミックスで形成された押圧部材、例えば炭化ケイ素を主成分とするセラミックスで形成された押圧部材は、炭化ケイ素の有する自己潤滑性により相手部材との摩擦係数が小さいので、超音波モータを高速で振動させると、押圧部材と相手部材との間に滑りが生じて可動体を高速で駆動することが困難となるという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、高速条件下や高荷重条件下においても長期間にわたって安定して使用することが可能な超音波駆動装置及び案内装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の超音波駆動装置は、超音波領域の振動を用いて可動体を駆動する超音波駆動装置であって、前記振動を発生させる振動体と該振動体の振動を前記可動体に伝達する押圧部材とを有する超音波モータと、前記押圧部材が押圧され且つ前記可動体に固定されていて、前記押圧部材を介して伝達される前記振動によって前記可動体と一体に駆動される駆動力伝達部材と、を備えるとともに、前記駆動力伝達部材に当接する前記押圧部材の当接面と前記押圧部材に当接する前記駆動力伝達部材の当接面とのうち、少なくとも前記押圧部材に当接する前記駆動力伝達部材の当接面を炭素系多孔質材料で構成したことを特徴とする。
【0009】
このような構成であれば、押圧部材と駆動力伝達部材との接触部分で固体接触が生じるような条件下においても、摩耗の主因子であるアブレッシブ摩耗が効果的に抑制される。よって、摩耗粉の噛み込みによる更なる摩耗の増加や摩耗粉による外部環境の汚染が抑制されるとともに、前述のような条件下においても超音波駆動装置を長期間安定して作動することができる。
【0010】
また、本発明に係る請求項2の超音波駆動装置は、請求項1に記載の超音波駆動装置において、前記駆動力伝達部材に当接する前記押圧部材の当接面と前記押圧部材に当接する前記駆動力伝達部材の当接面との少なくとも一方を、官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテル油とを含有する潤滑膜で被覆したことを特徴とする。
【0011】
押圧部材と駆動力伝達部材との接触部分に潤滑膜が被覆してあれば、両者が無潤滑で接触することが起こりにくい。よって、両者の接触部分に摩耗や凝着が生じにくいので、超音波駆動装置は耐久性に優れ且つ低発塵である。
また、前記潤滑膜は官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテル油(PFPE油)とを含有しているため、ある程度の流動性を有している。そのため、比較的速い速度で駆動したり高荷重下で駆動したりしても、従来の固体潤滑剤等のコーティング膜とは異なり、押圧部材と駆動力伝達部材との接触部分において剥離や欠落が生じにくい。よって、このような超音波駆動装置は低発塵であるので、半導体製造装置等のようなパーティクルが極めて大きな問題となる環境下においても問題なく使用することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る請求項3の案内装置は、可動体と、前記可動体を支持する支持部材と、前記可動体を駆動する駆動手段と、を備える案内装置において、前記駆動手段を請求項1又は請求項2に記載の超音波駆動装置で構成したことを特徴とする。
前記超音波駆動装置は前述のような優れた性能を有しているので、案内装置は耐久性が優れているとともに、作動の精度や位置決め精度が優れている。また、押圧部材と駆動力伝達部材との間の摩擦力が適度であるため、超音波モータを高速で振動させても押圧部材と駆動力伝達部材との間に滑りが生じにくく可動体を高速で駆動することができる。さらに、低発塵であるため、半導体製造装置等のようなパーティクルが極めて大きな問題となる環境下においても問題なく使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る超音波駆動装置及び案内装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、超音波モータについて説明する。図1は超音波駆動装置に使用される超音波モータの構造を説明する図であり、(a)は超音波モータの正面図、(b)は裏面図である。
【0014】
この超音波モータ1は多重モード型の超音波モータであり、超音波領域の振動を発生させる振動体2と、この振動体2の振動を可動体に伝達する押圧部材3と、で構成されている。ただし、多重モード型に限らず、単一振動モードの定在波型,単一振動モードの進行波型,複数振動モードのモード変換型,複合振動型等の超音波モータを用いることもできる。
【0015】
この振動体2は、チタン酸ジルコン酸鉛,チタン酸バリウム,ニオブ酸リチウム等からなる圧電セラミックス板5と、その両板面に取り付けられた電極膜と、で構成されている。一方の板面に取り付けられた電極膜は、図1の(a)から分かるように4分割されており、対角線上に位置する電極膜6Aと電極膜6C、及び、電極膜6Bと電極膜6Dがそれぞれ結線されている。他方の板面に取り付けられた電極膜7は、図1の(b)から分かるようにほぼ全面を覆っている。また、押圧部材3は、圧電セラミックス板5の端面に取り付けられている。
【0016】
電極膜6Aと電極膜6Bとにそれぞれ位相が90°異なる電圧を印加するとともに電極膜7を接地すると、圧電セラミックス板5に縦振動と横振動とが発生し、これら2種類の振動が合成されて楕円振動となる。そして、この楕円振動により、押圧部材3がある方向の楕円運動をすることとなる。電極膜6Aと電極膜6Bとに印加した電圧の位相を反転させると、押圧部材3は前記と逆方向の楕円運動をすることとなる。
【0017】
次に、上記のような超音波モータ1を備える超音波駆動装置を可動体の駆動手段として使用した案内装置について、図2の平面図(一部分を破断して示してある)を参照しながら詳細に説明する。
平板状の基台11上に、クロスローラガイドのような一対の案内レール12,12が平行に配設されている。この案内レール12,12の上には可動体であるステージ13が取り付けられており、ステージ13は案内レール12,12により案内されて直線的に移動することができるようになっている。なお、この案内レール12が本発明に係る案内装置の構成要件である支持部材に相当する。
【0018】
ステージ13の一方の側面にはリニアスケール21が取り付けられており、さらにリニアスケール21に対向する位置にはリニアスケール21に記録された情報を読み取る検出ヘッド22が配されている。これらリニアスケール21と検出ヘッド22とで位置検出手段23が構成され、ステージ13の現在位置が測定可能となっている。
【0019】
さらに、ステージ13の他方の側面にはステージ13の長手方向両端にわたる駆動力伝達部材15が固定されていて、この駆動力伝達部材15に、基台11上に固定された前述の超音波モータ1の押圧部材3が、前記長手方向に対して直角に押圧されている。押圧部材3は、超音波モータ1が収納された容器31と超音波モータ1との間に介在されたバネ32の付勢力によって駆動力伝達部材15に押圧されており、この押圧力はロードセル33によって測定できるようになっている。なお、超音波モータ1は4個のバネ34によって容器31に取り付けられている。
【0020】
超音波モータ1を始動すると押圧部材3が楕円運動するので、押圧部材3が押圧された駆動力伝達部材15は摩擦駆動により駆動される。そうすると、駆動力伝達部材15と一体とされているステージ13が、案内レール12に沿って移動することとなる。
このとき、位置検出手段23によってステージ13の現在位置が検出されるから、得られた現在位置情報を基にしてステージ13の移動を制御することができる。例えば、予め設定してあるステージ13の移動プロファイルに基づく基準位置情報と前記現在位置情報との偏差に応じて変化するパラメータを基にして、制御装置25で演算処理(例えばPID演算処理)を行い、その演算結果に応じて変化させた電流をドライバ26から超音波モータ1へ入力する。
【0021】
このような案内装置においては、超音波モータ1と駆動力伝達部材15とで超音波駆動装置が構成されるが、駆動力伝達部材15は炭素系多孔質材料で構成されているので、耐摩耗性に優れていて凝着が生じにくい。また、耐熱性及び耐食性に優れている。なお、押圧部材3は窒化ケイ素等のセラミックスで構成されている。
【0022】
よって、無潤滑条件下等においても摩耗が少なく、摩耗粉の噛み込みによる更なる摩耗の増加や摩耗粉による外部環境の汚染が抑制されるので、前述のような潤滑条件下においても超音波駆動装置を長期間安定して作動することができる。また、このような超音波駆動装置を備えた案内装置は、高速条件下や高荷重条件下においても長期間にわたって安定して使用することが可能である。
【0023】
したがって、本実施形態の超音波駆動装置や案内装置は、半導体製造装置(搬送装置,露光装置など),精密加工機械,精密測定装置等に好適に使用可能である。
次に、上記と同様の構成の案内装置において、押圧部材3及び駆動力伝達部材15を構成する材料の種類を種々変更したものを用意した。そして、各案内装置を連続運転して、その耐久性を評価した。
【0024】
実施例1〜10の案内装置は、駆動力伝達部材15を炭素系多孔質材料で構成してあり、押圧部材3を表1に示すようなセラミックス,サーミット,又は超硬合金で構成してある。また、比較例1の案内装置は、押圧部材3及び駆動力伝達部材15をアルミナ系セラミックスで構成してある。
【0025】
【表1】
【0026】
使用した炭素系多孔質材料は、以下のような方法で製造したものである。米ぬかから得られる脱脂ぬか90gと、液体状のフェノール樹脂(レゾール型)30gとを、50〜60℃に加熱しながら混練し、可塑性を有する均質な混合物を得て、この混合物をロータリーキルンを用いて窒素雰囲気下900℃で70分焼き上げた。得られた炭化焼成物を粉砕機で粉砕し、60メッシュのふるいを通して粒径50〜200μmの炭化粉末を得た。
【0027】
この炭化粉末90gと固体状のフェノール樹脂(レゾール型)30gとを100〜150℃に加熱しながら混練し、可塑性を有する均質な混合物を得た。そして、この混合物を155℃に加熱した金型に充填し25MPaの圧力で加圧して、駆動力伝達部材の形状に成形した。
金型から取り出した成形物を窒素雰囲気下490℃で60分間加熱した後、910℃で110分間焼結した。そして、490℃まで2〜3℃/分の速度で冷却し、その後は自然放冷した。このようにして製造した炭素系多孔質材料を機械加工して、駆動力伝達部材を製造した。
【0028】
また、使用したセラミックス,サーメット,超硬合金は、以下のようなものである。
・窒化ケイ素:日本タングステン株式会社製NPN−3、ビッカース硬さHv=1850
・ジルコニア:京セラ株式会社製Z703、ビッカース硬さHv=1350
・アルミナ :株式会社日本セラテック製AJPF、ビッカース硬さHv=1900
・超硬合金 :住友電気工業株式会社製M61U(WC−Ni−Cr系)、ビッカース硬さHv=1250
・サーメット:日本タングステン株式会社製DUX40(TiC−TaN−Ni−Mo系)、ビッカース硬さHv=1450
なお、実施例6〜10の案内装置は、押圧部材3及び駆動力伝達部材15の表面に下記のような潤滑膜が被覆してある。
【0029】
潤滑膜は、以下のようにして被覆した。官能基を有する含フッ素重合体(ダイキン工業株式会社製のデムナム変性品SA)をPFPE油(NOKクリューバ株式会社製のIS/V)に10質量%添加して混合した。そして、この混合物をフッ素系の溶剤(旭化学工業株式会社製のAK225)で5質量%に希釈した。この溶液を、押圧部材3や駆動力伝達部材15の全体に塗布し常温乾燥させた後、高温槽等により100〜200℃で30分間加熱処理して潤滑膜を形成した。
【0030】
次に、案内装置の耐久性の評価方法について説明する。超音波駆動装置によりステージ13を駆動し、発生した摩耗粉が押圧部材3と駆動力伝達部材15との間に噛み込まれてステージ13が移動不能となるまでの時間により案内装置の耐久性を評価した。
その他の条件は以下の通りである。圧電セラミックス板5の材料はチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミックスで、その寸法は幅7.5mm,長さ30mm,厚さ3mmである。また、押圧部材3は、直径3.0mm,長さ4.0mmの円柱状である。そして、駆動力伝達部材15と当接する当接面は曲率半径が10mmの球面であり、この当接面の最大表面粗さRmax は1.5μmである。なお、駆動力伝達部材15の最大表面粗さRmax は2.0μmである。
【0031】
さらに、案内レール12はストロークが100mmのクロスローラガイドであり、ステージ13の質量は3.5kgである。さらに、予め設定するステージ13の移動プロファイルは、移動距離60mm、加減速度0.05G、最高速度80mm/sに設定した台形制御とした。さらに、超音波モータ1の駆動周波数は40kHzとした。
【0032】
耐久性の評価結果を表1に併せて示す。なお、表1における耐久性の数値は、比較例1の耐久性を1とした場合の相対値で示してある。
表1から分かるように、実施例1〜10の案内装置は駆動力伝達部材15が炭素系多孔質材料で構成されているので、比較例1の案内装置と比べて耐久性が格段に優れていた。また、駆動力伝達部材15が潤滑膜で被覆されている実施例6〜10の案内装置は、潤滑膜を有していない実施例1〜5の案内装置と比べて耐久性がより優れていた。
【0033】
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては可動体が直線運動する案内装置を例示して説明したが、可動体が回転運動する案内装置にも本発明を適用可能である。
また、本発明において使用可能な炭素系多孔質材料の種類は、特に限定されるものではない。例えば、米ぬかから得られる脱脂ぬかを主原料とし、これと熱硬化性樹脂とを混練して加圧成形した成形体を乾燥した後、不活性ガス雰囲気中で焼成したものが使用可能である。あるいは、米ぬかから得られる脱脂ぬかと熱硬化性樹脂とを混練し、不活性ガス雰囲気中700〜1000℃で一次焼成した後に100メッシュ以下に粉砕し、得られた炭化粉末と熱硬化性樹脂とをさらに混練し、20〜30MPaの圧力で加圧成形した後、得られた成形体を不活性ガス雰囲気中100〜1100℃で熱処理したものも使用可能である。
【0034】
脱脂ぬかの原料となる米ぬかを得る米の種類は、特に限定されるものではなく、日本産でも外国産でもよい。また、熱硬化性樹脂の種類も、熱により硬化するものであれば特に限定されるものではない。代表例としては、フェノール樹脂,ジアリールフタレート樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,トリアジン樹脂等があげられ、特にフェノール樹脂が好適である。
【0035】
さらに、前述の一次焼成及び熱処理において使用される不活性ガスの種類は特に限定されるものではない。例としては、ヘリウム,アルゴン,ネオン,窒素等があげられ、特に、窒素が好適である。
なお、本発明においては、炭素系多孔質材料は、成形後に100℃以上の温度で脱水して使用することが望ましい。
【0036】
また、本発明においては、押圧部材は炭素系多孔質材料以外の材質で構成しても差し支えない。その材質は特に限定されるものではないが、例えばセラミックス,サーメット,及び超硬合金が使用可能である。
セラミックスとしては、窒化ケイ素(Si3 N4 )系, ジルコニア(ZrO2 )系, アルミナ(Al2 O3 )系, 炭化ケイ素(SiC)系,窒化アルミニウム(AlN)系,炭化ホウ素(B4 C)系, ホウ化チタン(TiB2 )系,窒化ホウ素(BN)系, 炭化チタン(TiC)系, 窒化チタン(TiN)系、又はこれらのうち2種以上を複合させたセラミック系複合材料などを例示できる。これらの中でも窒化ケイ素は、軽量で且つ高い破壊靱性値を有するので特に好ましい。このようなセラミックスには、破壊靱性や機械的強度などを向上させるために、繊維状充填材を配合することができる。繊維状充填材の種類は特に限定されるものではないが、炭化ケイ素ウィスカー,窒化ケイ素ウィスカー, アルミナウィスカー,窒化アルミニウムウィスカー等を例示できる。
【0037】
また、サーメット及び超硬合金とは、周期律表のIVb族,Vb族,VIb族に属する9種類の金属(Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W)の炭化物粉末と鉄,コバルト,ニッケル等の鉄族金属とを混合して焼結した合金である。
サーメットとしては、例えば、TiC−Ni系,TiC−Mo−Ni系,TiC−Co系,TiC−Mo2 C−Ni系,TiC−Mo2 C−ZrC−Ni系,TiC−Mo2 C−Co系,Mo2 C−Ni系,Ti(C,N)−Mo2 C−Ni系,TiC−TiN−Mo2 C−Ni系,TiC−TiN−Mo2 C−Co系,TiC−TiN−Mo2 C−TaC−Ni系,TiC−TiN−Mo2 C−WC−TaC−Ni系,TiC−WC−Ni系,Ti(C,N)−WC−Ni系,TiC−Mo系,Ti(C,N)−Mo系,ホウ化物系(MoB−Ni系,B4 C/(W,Mo)B2 系等)等があげられる。
【0038】
なお、Ti(C,N)−Mo2 C−Ni系,Ti(C,N)−WC−Ni系,及びTi(C,N)−Mo系はそれぞれ、TiC−Mo2 C−Ni系,TiC−WC−Ni系,及びTiC−Mo系を窒素ガス中で焼結したものである。
また、超硬合金としては、例えば、WC−Co系,WC−Cr3 C2 −Co系,WC−TaC−Co系,WC−TiC−Co系,WC−NbC−Co系,WC−TaC−NbC−Co系,WC−TiC−TaC−NbC−Co系,WC−TiC−TaC−Co系,WC−ZrC−Co系,WC−TiC−ZrC−Co系,WC−TaC−VC−Co系,WC−Cr3 C2 −Co系,WC−TiC−Cr3 C2 −Co系,WC−TiC−TaC系等があげられる。また、非磁性であり耐食性が優れているものとしては、例えば、WC−Ni系,WC−Cr3 C2 −Mo2 C−Ni系,WC−Ti(C,N)−TaC系,WC−Ti(C,N)系,Cr3 C2 −Ni系等があげられる。
【0039】
さらに、本発明において使用可能な官能基を有する含フッ素重合体の種類は特に限定されるものではないが、フルオロポリエーテル重合体やポリフルオロアルキル重合体が好ましい。
フルオロポリエーテル重合体としては、下記の化学式(化1)で示される繰り返し単位を有する、数平均分子量が1000〜50000の重合体があげられる。なお、このフルオロポリエーテル重合体は、少なくとも一方の分子末端に、後述する官能基を有している。
【0040】
【化1】
【0041】
また、ポリフルオロアルキル重合体としては、下記の化学式(化2)に示すものがあげられる。式中のYは金属に対して親和性の高い官能基であり、例えば、エポキシ基,アミノ基,カルボキシル基,水酸基,メルカプト基,イソシアネート基,スルフォン基,エステル基等が好ましい。
【0042】
【化2】
【0043】
ポリフルオロアルキル重合体としては、化2に示すものの他、例えば、下記の化学式(化3,4)に示すものも好適に使用することができる。
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】
このような官能基は、潤滑膜が押圧部材や駆動力伝達部材の表面に被覆された際に、押圧部材や駆動力伝達部材を構成する材料と結合するので、押圧部材や駆動力伝達部材の表面と強く結合した潤滑膜が形成される。なお、一つの分子に官能基を複数有する含フッ素重合体の場合は、そのうち少なくとも一つが押圧部材や駆動力伝達部材の表面と結合していればよい。
【0047】
前記含フッ素重合体は、上に例示したものを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、その官能基同士が反応して前記含フッ素重合体がより高分子量化するように、含フッ素重合体の種類(官能基の種類)の組合せを選択することが好ましい。含フッ素重合体がより高分子量化すれば、より耐摩耗性の優れた潤滑膜を得ることができる。
【0048】
このような官能基を有する含フッ素重合体の具体例としては、例えば、デュポン株式会社製のクライトックス157FSL,157FSM,157FSH、ダイキン工業株式会社製のデムナム変性品SA,SH,SY−3,SP、アウジモント株式会社製のフォンブリンZ DEAL,Z DIAC,Z DISCO,Z DOL,Z DOL TX2000等があげられる。
【0049】
また、PFPE油の種類は特に限定されるものではないが、例えば、ダイキン工業株式会社製のS−65,S−100,S−200、デュポン株式会社製のクライトックス143AB,143AC,143AD、NOKクリューバ株式会社製のJ400,IEL/V,IMI/V,IS/V、アウジモント株式会社製のフォンブリンY25,Y45,YR,YLVAC16/6,YLVA25/6,YHVAC40/11,YHVAC140/13等があげられる。
【0050】
潤滑を形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、押圧部材や駆動力伝達部材の表面に、官能基を有する含フッ素重合体とPFPE油との混合物を塗布又は噴霧する方法や、押圧部材や駆動力伝達部材を前記混合物に浸漬する方法等がある。
官能基を有する含フッ素重合体とPFPE油との混合物の一例をあげると、官能基を有する含フッ素重合体をPFPE油に2〜20質量%添加し、これをフッ素系の溶剤で1〜15質量%に希釈したもの等が好適である。
【0051】
次に、この混合物を塗布した押圧部材や駆動力伝達部材を常温乾燥させた後、恒温槽等に入れ100〜200℃で30分程度熱処理を施すことによって、潤滑膜を形成させることができる。
なお、このような潤滑膜を設ける処理は必要に応じて数回繰り返してもよく、潤滑膜を最終的に、例えば0.3μm以上の膜厚に形成する。この膜厚は、官能基を有する含フッ素重合体及びPFPE油の前記フッ素系の溶剤への溶解濃度によって制御することも可能である。
【0052】
このような方法により、押圧部材や駆動力伝達部材の表面に潤滑膜を好適な膜厚で形成することができる。
また、前述のように熱処理によって溶媒を除去しておけば、超音波駆動装置の作動時に不要な発塵が発生することがない。特に、最終の熱処理によって、使用環境での発塵やアウトガスを抑制できる。
【0053】
なお、官能基を有する含フッ素重合体をフッ素系の溶剤で希釈したものを先に被覆し、恒温槽等で加熱して押圧部材や駆動力伝達部材の母材である金属に前記含フッ素重合体が有する官能基を反応させて、金属と結合した官能基を有する含フッ素重合体の層を形成し、その後にPFPE油をフッ素系の溶剤で希釈したものを被覆して、前記官能基を有する含フッ素重合体の層の上にPFPE油の層を形成して、潤滑膜を二層構造としてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明の超音波駆動装置及び案内装置は、高速条件下や高荷重条件下においても長期間にわたって安定して使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波駆動装置に使用される超音波モータの構造を説明する図である。
【図2】本発明に係る案内装置の一実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 超音波モータ
2 振動体
3 押圧部材
12 案内レール
13 ステージ
15 駆動力伝達部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波領域の振動を用いて可動体を駆動する超音波駆動装置、及び、超音波駆動装置により可動体を駆動する案内装置に係り、特に、半導体製造装置(搬送装置,露光装置など),精密加工機械,精密測定装置等に好適な超音波駆動装置及び案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に超音波モータは圧電材料で駆動力を発生させており、超音波領域の振動を発生させる振動体と、この振動体の振動を可動体に伝達する押圧部材と、で構成されている。そして、近年においては、高性能化のため形状,構造,材質等に関して種々の工夫がなされている。
【0003】
また、超音波モータは、小型である、摩擦駆動であるため大きな駆動力が得られる、振動の振幅が小さいため高精度な位置決めに利用できる等の特性を有している。そのため、直線運動,回転運動等を行う可動体の駆動手段としての利用が進められている。
さらに、超音波モータの押圧部材には、可動体等の相手部材を摩擦駆動するため、以下のような特性が要求される。
【0004】
▲1▼相手部材との摩擦に対して耐摩耗性に優れる
▲2▼相手部材と凝着しにくい
▲3▼相手部材を傷つけにくい
このような超音波モータの従来例としては、例えば、実開平2−94486号公報に記載のものがある。この超音波モータは、押圧部材がポリイミド樹脂,ガラス,又はセラミックス(アルミナ,炭化ケイ素等)で形成されている。また、特開2002−27768号公報には、アルミナセラミックスで押圧部材を形成した超音波モータが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
実開平2−94486号公報
【特許文献2】
特開2002−27768号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、超音波モータを駆動した際には高速で振動する押圧部材と押圧部材が接触している相手部材との間に大きな衝撃力が加わるため、前述の実開平2−94486号公報に記載の超音波モータのように押圧部材がポリイミド樹脂で形成されていると、押圧部材に摩耗が生じやすいという問題点があった。また、ポリイミド樹脂が摩擦熱によって軟化して、相手部材と凝着する場合があるという問題点も有していた。
【0007】
また、アルミナ,ジルコニア,又は炭化ケイ素を主成分とするセラミックスで形成された押圧部材、例えば炭化ケイ素を主成分とするセラミックスで形成された押圧部材は、炭化ケイ素の有する自己潤滑性により相手部材との摩擦係数が小さいので、超音波モータを高速で振動させると、押圧部材と相手部材との間に滑りが生じて可動体を高速で駆動することが困難となるという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、高速条件下や高荷重条件下においても長期間にわたって安定して使用することが可能な超音波駆動装置及び案内装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の超音波駆動装置は、超音波領域の振動を用いて可動体を駆動する超音波駆動装置であって、前記振動を発生させる振動体と該振動体の振動を前記可動体に伝達する押圧部材とを有する超音波モータと、前記押圧部材が押圧され且つ前記可動体に固定されていて、前記押圧部材を介して伝達される前記振動によって前記可動体と一体に駆動される駆動力伝達部材と、を備えるとともに、前記駆動力伝達部材に当接する前記押圧部材の当接面と前記押圧部材に当接する前記駆動力伝達部材の当接面とのうち、少なくとも前記押圧部材に当接する前記駆動力伝達部材の当接面を炭素系多孔質材料で構成したことを特徴とする。
【0009】
このような構成であれば、押圧部材と駆動力伝達部材との接触部分で固体接触が生じるような条件下においても、摩耗の主因子であるアブレッシブ摩耗が効果的に抑制される。よって、摩耗粉の噛み込みによる更なる摩耗の増加や摩耗粉による外部環境の汚染が抑制されるとともに、前述のような条件下においても超音波駆動装置を長期間安定して作動することができる。
【0010】
また、本発明に係る請求項2の超音波駆動装置は、請求項1に記載の超音波駆動装置において、前記駆動力伝達部材に当接する前記押圧部材の当接面と前記押圧部材に当接する前記駆動力伝達部材の当接面との少なくとも一方を、官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテル油とを含有する潤滑膜で被覆したことを特徴とする。
【0011】
押圧部材と駆動力伝達部材との接触部分に潤滑膜が被覆してあれば、両者が無潤滑で接触することが起こりにくい。よって、両者の接触部分に摩耗や凝着が生じにくいので、超音波駆動装置は耐久性に優れ且つ低発塵である。
また、前記潤滑膜は官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテル油(PFPE油)とを含有しているため、ある程度の流動性を有している。そのため、比較的速い速度で駆動したり高荷重下で駆動したりしても、従来の固体潤滑剤等のコーティング膜とは異なり、押圧部材と駆動力伝達部材との接触部分において剥離や欠落が生じにくい。よって、このような超音波駆動装置は低発塵であるので、半導体製造装置等のようなパーティクルが極めて大きな問題となる環境下においても問題なく使用することができる。
【0012】
さらに、本発明に係る請求項3の案内装置は、可動体と、前記可動体を支持する支持部材と、前記可動体を駆動する駆動手段と、を備える案内装置において、前記駆動手段を請求項1又は請求項2に記載の超音波駆動装置で構成したことを特徴とする。
前記超音波駆動装置は前述のような優れた性能を有しているので、案内装置は耐久性が優れているとともに、作動の精度や位置決め精度が優れている。また、押圧部材と駆動力伝達部材との間の摩擦力が適度であるため、超音波モータを高速で振動させても押圧部材と駆動力伝達部材との間に滑りが生じにくく可動体を高速で駆動することができる。さらに、低発塵であるため、半導体製造装置等のようなパーティクルが極めて大きな問題となる環境下においても問題なく使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る超音波駆動装置及び案内装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、超音波モータについて説明する。図1は超音波駆動装置に使用される超音波モータの構造を説明する図であり、(a)は超音波モータの正面図、(b)は裏面図である。
【0014】
この超音波モータ1は多重モード型の超音波モータであり、超音波領域の振動を発生させる振動体2と、この振動体2の振動を可動体に伝達する押圧部材3と、で構成されている。ただし、多重モード型に限らず、単一振動モードの定在波型,単一振動モードの進行波型,複数振動モードのモード変換型,複合振動型等の超音波モータを用いることもできる。
【0015】
この振動体2は、チタン酸ジルコン酸鉛,チタン酸バリウム,ニオブ酸リチウム等からなる圧電セラミックス板5と、その両板面に取り付けられた電極膜と、で構成されている。一方の板面に取り付けられた電極膜は、図1の(a)から分かるように4分割されており、対角線上に位置する電極膜6Aと電極膜6C、及び、電極膜6Bと電極膜6Dがそれぞれ結線されている。他方の板面に取り付けられた電極膜7は、図1の(b)から分かるようにほぼ全面を覆っている。また、押圧部材3は、圧電セラミックス板5の端面に取り付けられている。
【0016】
電極膜6Aと電極膜6Bとにそれぞれ位相が90°異なる電圧を印加するとともに電極膜7を接地すると、圧電セラミックス板5に縦振動と横振動とが発生し、これら2種類の振動が合成されて楕円振動となる。そして、この楕円振動により、押圧部材3がある方向の楕円運動をすることとなる。電極膜6Aと電極膜6Bとに印加した電圧の位相を反転させると、押圧部材3は前記と逆方向の楕円運動をすることとなる。
【0017】
次に、上記のような超音波モータ1を備える超音波駆動装置を可動体の駆動手段として使用した案内装置について、図2の平面図(一部分を破断して示してある)を参照しながら詳細に説明する。
平板状の基台11上に、クロスローラガイドのような一対の案内レール12,12が平行に配設されている。この案内レール12,12の上には可動体であるステージ13が取り付けられており、ステージ13は案内レール12,12により案内されて直線的に移動することができるようになっている。なお、この案内レール12が本発明に係る案内装置の構成要件である支持部材に相当する。
【0018】
ステージ13の一方の側面にはリニアスケール21が取り付けられており、さらにリニアスケール21に対向する位置にはリニアスケール21に記録された情報を読み取る検出ヘッド22が配されている。これらリニアスケール21と検出ヘッド22とで位置検出手段23が構成され、ステージ13の現在位置が測定可能となっている。
【0019】
さらに、ステージ13の他方の側面にはステージ13の長手方向両端にわたる駆動力伝達部材15が固定されていて、この駆動力伝達部材15に、基台11上に固定された前述の超音波モータ1の押圧部材3が、前記長手方向に対して直角に押圧されている。押圧部材3は、超音波モータ1が収納された容器31と超音波モータ1との間に介在されたバネ32の付勢力によって駆動力伝達部材15に押圧されており、この押圧力はロードセル33によって測定できるようになっている。なお、超音波モータ1は4個のバネ34によって容器31に取り付けられている。
【0020】
超音波モータ1を始動すると押圧部材3が楕円運動するので、押圧部材3が押圧された駆動力伝達部材15は摩擦駆動により駆動される。そうすると、駆動力伝達部材15と一体とされているステージ13が、案内レール12に沿って移動することとなる。
このとき、位置検出手段23によってステージ13の現在位置が検出されるから、得られた現在位置情報を基にしてステージ13の移動を制御することができる。例えば、予め設定してあるステージ13の移動プロファイルに基づく基準位置情報と前記現在位置情報との偏差に応じて変化するパラメータを基にして、制御装置25で演算処理(例えばPID演算処理)を行い、その演算結果に応じて変化させた電流をドライバ26から超音波モータ1へ入力する。
【0021】
このような案内装置においては、超音波モータ1と駆動力伝達部材15とで超音波駆動装置が構成されるが、駆動力伝達部材15は炭素系多孔質材料で構成されているので、耐摩耗性に優れていて凝着が生じにくい。また、耐熱性及び耐食性に優れている。なお、押圧部材3は窒化ケイ素等のセラミックスで構成されている。
【0022】
よって、無潤滑条件下等においても摩耗が少なく、摩耗粉の噛み込みによる更なる摩耗の増加や摩耗粉による外部環境の汚染が抑制されるので、前述のような潤滑条件下においても超音波駆動装置を長期間安定して作動することができる。また、このような超音波駆動装置を備えた案内装置は、高速条件下や高荷重条件下においても長期間にわたって安定して使用することが可能である。
【0023】
したがって、本実施形態の超音波駆動装置や案内装置は、半導体製造装置(搬送装置,露光装置など),精密加工機械,精密測定装置等に好適に使用可能である。
次に、上記と同様の構成の案内装置において、押圧部材3及び駆動力伝達部材15を構成する材料の種類を種々変更したものを用意した。そして、各案内装置を連続運転して、その耐久性を評価した。
【0024】
実施例1〜10の案内装置は、駆動力伝達部材15を炭素系多孔質材料で構成してあり、押圧部材3を表1に示すようなセラミックス,サーミット,又は超硬合金で構成してある。また、比較例1の案内装置は、押圧部材3及び駆動力伝達部材15をアルミナ系セラミックスで構成してある。
【0025】
【表1】
【0026】
使用した炭素系多孔質材料は、以下のような方法で製造したものである。米ぬかから得られる脱脂ぬか90gと、液体状のフェノール樹脂(レゾール型)30gとを、50〜60℃に加熱しながら混練し、可塑性を有する均質な混合物を得て、この混合物をロータリーキルンを用いて窒素雰囲気下900℃で70分焼き上げた。得られた炭化焼成物を粉砕機で粉砕し、60メッシュのふるいを通して粒径50〜200μmの炭化粉末を得た。
【0027】
この炭化粉末90gと固体状のフェノール樹脂(レゾール型)30gとを100〜150℃に加熱しながら混練し、可塑性を有する均質な混合物を得た。そして、この混合物を155℃に加熱した金型に充填し25MPaの圧力で加圧して、駆動力伝達部材の形状に成形した。
金型から取り出した成形物を窒素雰囲気下490℃で60分間加熱した後、910℃で110分間焼結した。そして、490℃まで2〜3℃/分の速度で冷却し、その後は自然放冷した。このようにして製造した炭素系多孔質材料を機械加工して、駆動力伝達部材を製造した。
【0028】
また、使用したセラミックス,サーメット,超硬合金は、以下のようなものである。
・窒化ケイ素:日本タングステン株式会社製NPN−3、ビッカース硬さHv=1850
・ジルコニア:京セラ株式会社製Z703、ビッカース硬さHv=1350
・アルミナ :株式会社日本セラテック製AJPF、ビッカース硬さHv=1900
・超硬合金 :住友電気工業株式会社製M61U(WC−Ni−Cr系)、ビッカース硬さHv=1250
・サーメット:日本タングステン株式会社製DUX40(TiC−TaN−Ni−Mo系)、ビッカース硬さHv=1450
なお、実施例6〜10の案内装置は、押圧部材3及び駆動力伝達部材15の表面に下記のような潤滑膜が被覆してある。
【0029】
潤滑膜は、以下のようにして被覆した。官能基を有する含フッ素重合体(ダイキン工業株式会社製のデムナム変性品SA)をPFPE油(NOKクリューバ株式会社製のIS/V)に10質量%添加して混合した。そして、この混合物をフッ素系の溶剤(旭化学工業株式会社製のAK225)で5質量%に希釈した。この溶液を、押圧部材3や駆動力伝達部材15の全体に塗布し常温乾燥させた後、高温槽等により100〜200℃で30分間加熱処理して潤滑膜を形成した。
【0030】
次に、案内装置の耐久性の評価方法について説明する。超音波駆動装置によりステージ13を駆動し、発生した摩耗粉が押圧部材3と駆動力伝達部材15との間に噛み込まれてステージ13が移動不能となるまでの時間により案内装置の耐久性を評価した。
その他の条件は以下の通りである。圧電セラミックス板5の材料はチタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミックスで、その寸法は幅7.5mm,長さ30mm,厚さ3mmである。また、押圧部材3は、直径3.0mm,長さ4.0mmの円柱状である。そして、駆動力伝達部材15と当接する当接面は曲率半径が10mmの球面であり、この当接面の最大表面粗さRmax は1.5μmである。なお、駆動力伝達部材15の最大表面粗さRmax は2.0μmである。
【0031】
さらに、案内レール12はストロークが100mmのクロスローラガイドであり、ステージ13の質量は3.5kgである。さらに、予め設定するステージ13の移動プロファイルは、移動距離60mm、加減速度0.05G、最高速度80mm/sに設定した台形制御とした。さらに、超音波モータ1の駆動周波数は40kHzとした。
【0032】
耐久性の評価結果を表1に併せて示す。なお、表1における耐久性の数値は、比較例1の耐久性を1とした場合の相対値で示してある。
表1から分かるように、実施例1〜10の案内装置は駆動力伝達部材15が炭素系多孔質材料で構成されているので、比較例1の案内装置と比べて耐久性が格段に優れていた。また、駆動力伝達部材15が潤滑膜で被覆されている実施例6〜10の案内装置は、潤滑膜を有していない実施例1〜5の案内装置と比べて耐久性がより優れていた。
【0033】
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては可動体が直線運動する案内装置を例示して説明したが、可動体が回転運動する案内装置にも本発明を適用可能である。
また、本発明において使用可能な炭素系多孔質材料の種類は、特に限定されるものではない。例えば、米ぬかから得られる脱脂ぬかを主原料とし、これと熱硬化性樹脂とを混練して加圧成形した成形体を乾燥した後、不活性ガス雰囲気中で焼成したものが使用可能である。あるいは、米ぬかから得られる脱脂ぬかと熱硬化性樹脂とを混練し、不活性ガス雰囲気中700〜1000℃で一次焼成した後に100メッシュ以下に粉砕し、得られた炭化粉末と熱硬化性樹脂とをさらに混練し、20〜30MPaの圧力で加圧成形した後、得られた成形体を不活性ガス雰囲気中100〜1100℃で熱処理したものも使用可能である。
【0034】
脱脂ぬかの原料となる米ぬかを得る米の種類は、特に限定されるものではなく、日本産でも外国産でもよい。また、熱硬化性樹脂の種類も、熱により硬化するものであれば特に限定されるものではない。代表例としては、フェノール樹脂,ジアリールフタレート樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,トリアジン樹脂等があげられ、特にフェノール樹脂が好適である。
【0035】
さらに、前述の一次焼成及び熱処理において使用される不活性ガスの種類は特に限定されるものではない。例としては、ヘリウム,アルゴン,ネオン,窒素等があげられ、特に、窒素が好適である。
なお、本発明においては、炭素系多孔質材料は、成形後に100℃以上の温度で脱水して使用することが望ましい。
【0036】
また、本発明においては、押圧部材は炭素系多孔質材料以外の材質で構成しても差し支えない。その材質は特に限定されるものではないが、例えばセラミックス,サーメット,及び超硬合金が使用可能である。
セラミックスとしては、窒化ケイ素(Si3 N4 )系, ジルコニア(ZrO2 )系, アルミナ(Al2 O3 )系, 炭化ケイ素(SiC)系,窒化アルミニウム(AlN)系,炭化ホウ素(B4 C)系, ホウ化チタン(TiB2 )系,窒化ホウ素(BN)系, 炭化チタン(TiC)系, 窒化チタン(TiN)系、又はこれらのうち2種以上を複合させたセラミック系複合材料などを例示できる。これらの中でも窒化ケイ素は、軽量で且つ高い破壊靱性値を有するので特に好ましい。このようなセラミックスには、破壊靱性や機械的強度などを向上させるために、繊維状充填材を配合することができる。繊維状充填材の種類は特に限定されるものではないが、炭化ケイ素ウィスカー,窒化ケイ素ウィスカー, アルミナウィスカー,窒化アルミニウムウィスカー等を例示できる。
【0037】
また、サーメット及び超硬合金とは、周期律表のIVb族,Vb族,VIb族に属する9種類の金属(Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W)の炭化物粉末と鉄,コバルト,ニッケル等の鉄族金属とを混合して焼結した合金である。
サーメットとしては、例えば、TiC−Ni系,TiC−Mo−Ni系,TiC−Co系,TiC−Mo2 C−Ni系,TiC−Mo2 C−ZrC−Ni系,TiC−Mo2 C−Co系,Mo2 C−Ni系,Ti(C,N)−Mo2 C−Ni系,TiC−TiN−Mo2 C−Ni系,TiC−TiN−Mo2 C−Co系,TiC−TiN−Mo2 C−TaC−Ni系,TiC−TiN−Mo2 C−WC−TaC−Ni系,TiC−WC−Ni系,Ti(C,N)−WC−Ni系,TiC−Mo系,Ti(C,N)−Mo系,ホウ化物系(MoB−Ni系,B4 C/(W,Mo)B2 系等)等があげられる。
【0038】
なお、Ti(C,N)−Mo2 C−Ni系,Ti(C,N)−WC−Ni系,及びTi(C,N)−Mo系はそれぞれ、TiC−Mo2 C−Ni系,TiC−WC−Ni系,及びTiC−Mo系を窒素ガス中で焼結したものである。
また、超硬合金としては、例えば、WC−Co系,WC−Cr3 C2 −Co系,WC−TaC−Co系,WC−TiC−Co系,WC−NbC−Co系,WC−TaC−NbC−Co系,WC−TiC−TaC−NbC−Co系,WC−TiC−TaC−Co系,WC−ZrC−Co系,WC−TiC−ZrC−Co系,WC−TaC−VC−Co系,WC−Cr3 C2 −Co系,WC−TiC−Cr3 C2 −Co系,WC−TiC−TaC系等があげられる。また、非磁性であり耐食性が優れているものとしては、例えば、WC−Ni系,WC−Cr3 C2 −Mo2 C−Ni系,WC−Ti(C,N)−TaC系,WC−Ti(C,N)系,Cr3 C2 −Ni系等があげられる。
【0039】
さらに、本発明において使用可能な官能基を有する含フッ素重合体の種類は特に限定されるものではないが、フルオロポリエーテル重合体やポリフルオロアルキル重合体が好ましい。
フルオロポリエーテル重合体としては、下記の化学式(化1)で示される繰り返し単位を有する、数平均分子量が1000〜50000の重合体があげられる。なお、このフルオロポリエーテル重合体は、少なくとも一方の分子末端に、後述する官能基を有している。
【0040】
【化1】
【0041】
また、ポリフルオロアルキル重合体としては、下記の化学式(化2)に示すものがあげられる。式中のYは金属に対して親和性の高い官能基であり、例えば、エポキシ基,アミノ基,カルボキシル基,水酸基,メルカプト基,イソシアネート基,スルフォン基,エステル基等が好ましい。
【0042】
【化2】
【0043】
ポリフルオロアルキル重合体としては、化2に示すものの他、例えば、下記の化学式(化3,4)に示すものも好適に使用することができる。
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】
このような官能基は、潤滑膜が押圧部材や駆動力伝達部材の表面に被覆された際に、押圧部材や駆動力伝達部材を構成する材料と結合するので、押圧部材や駆動力伝達部材の表面と強く結合した潤滑膜が形成される。なお、一つの分子に官能基を複数有する含フッ素重合体の場合は、そのうち少なくとも一つが押圧部材や駆動力伝達部材の表面と結合していればよい。
【0047】
前記含フッ素重合体は、上に例示したものを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、その官能基同士が反応して前記含フッ素重合体がより高分子量化するように、含フッ素重合体の種類(官能基の種類)の組合せを選択することが好ましい。含フッ素重合体がより高分子量化すれば、より耐摩耗性の優れた潤滑膜を得ることができる。
【0048】
このような官能基を有する含フッ素重合体の具体例としては、例えば、デュポン株式会社製のクライトックス157FSL,157FSM,157FSH、ダイキン工業株式会社製のデムナム変性品SA,SH,SY−3,SP、アウジモント株式会社製のフォンブリンZ DEAL,Z DIAC,Z DISCO,Z DOL,Z DOL TX2000等があげられる。
【0049】
また、PFPE油の種類は特に限定されるものではないが、例えば、ダイキン工業株式会社製のS−65,S−100,S−200、デュポン株式会社製のクライトックス143AB,143AC,143AD、NOKクリューバ株式会社製のJ400,IEL/V,IMI/V,IS/V、アウジモント株式会社製のフォンブリンY25,Y45,YR,YLVAC16/6,YLVA25/6,YHVAC40/11,YHVAC140/13等があげられる。
【0050】
潤滑を形成する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、押圧部材や駆動力伝達部材の表面に、官能基を有する含フッ素重合体とPFPE油との混合物を塗布又は噴霧する方法や、押圧部材や駆動力伝達部材を前記混合物に浸漬する方法等がある。
官能基を有する含フッ素重合体とPFPE油との混合物の一例をあげると、官能基を有する含フッ素重合体をPFPE油に2〜20質量%添加し、これをフッ素系の溶剤で1〜15質量%に希釈したもの等が好適である。
【0051】
次に、この混合物を塗布した押圧部材や駆動力伝達部材を常温乾燥させた後、恒温槽等に入れ100〜200℃で30分程度熱処理を施すことによって、潤滑膜を形成させることができる。
なお、このような潤滑膜を設ける処理は必要に応じて数回繰り返してもよく、潤滑膜を最終的に、例えば0.3μm以上の膜厚に形成する。この膜厚は、官能基を有する含フッ素重合体及びPFPE油の前記フッ素系の溶剤への溶解濃度によって制御することも可能である。
【0052】
このような方法により、押圧部材や駆動力伝達部材の表面に潤滑膜を好適な膜厚で形成することができる。
また、前述のように熱処理によって溶媒を除去しておけば、超音波駆動装置の作動時に不要な発塵が発生することがない。特に、最終の熱処理によって、使用環境での発塵やアウトガスを抑制できる。
【0053】
なお、官能基を有する含フッ素重合体をフッ素系の溶剤で希釈したものを先に被覆し、恒温槽等で加熱して押圧部材や駆動力伝達部材の母材である金属に前記含フッ素重合体が有する官能基を反応させて、金属と結合した官能基を有する含フッ素重合体の層を形成し、その後にPFPE油をフッ素系の溶剤で希釈したものを被覆して、前記官能基を有する含フッ素重合体の層の上にPFPE油の層を形成して、潤滑膜を二層構造としてもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明の超音波駆動装置及び案内装置は、高速条件下や高荷重条件下においても長期間にわたって安定して使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波駆動装置に使用される超音波モータの構造を説明する図である。
【図2】本発明に係る案内装置の一実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 超音波モータ
2 振動体
3 押圧部材
12 案内レール
13 ステージ
15 駆動力伝達部材
Claims (3)
- 超音波領域の振動を用いて可動体を駆動する超音波駆動装置であって、
前記振動を発生させる振動体と該振動体の振動を前記可動体に伝達する押圧部材とを有する超音波モータと、
前記押圧部材が押圧され且つ前記可動体に固定されていて、前記押圧部材を介して伝達される前記振動によって前記可動体と一体に駆動される駆動力伝達部材と、
を備えるとともに、
前記駆動力伝達部材に当接する前記押圧部材の当接面と前記押圧部材に当接する前記駆動力伝達部材の当接面とのうち、少なくとも前記押圧部材に当接する前記駆動力伝達部材の当接面を炭素系多孔質材料で構成したことを特徴とする超音波駆動装置。 - 前記駆動力伝達部材に当接する前記押圧部材の当接面と前記押圧部材に当接する前記駆動力伝達部材の当接面との少なくとも一方を、官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテル油とを含有する潤滑膜で被覆したことを特徴とする請求項1に記載の超音波駆動装置。
- 可動体と、前記可動体を支持する支持部材と、前記可動体を駆動する駆動手段と、を備える案内装置において、前記駆動手段を請求項1又は請求項2に記載の超音波駆動装置で構成したことを特徴とする案内装置。
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---|---|---|---|
JP2003092154A JP2004298973A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 超音波駆動装置及び案内装置 |
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Publications (1)
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ID=33405337
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013121190A (ja) * | 2011-12-06 | 2013-06-17 | Seiko Epson Corp | アクチュエーター、ロボットハンド、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置およびプリンター |
JP2013195701A (ja) * | 2012-03-19 | 2013-09-30 | Tdk Corp | レンズ駆動装置 |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003092154A patent/JP2004298973A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013121190A (ja) * | 2011-12-06 | 2013-06-17 | Seiko Epson Corp | アクチュエーター、ロボットハンド、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置およびプリンター |
US9391257B2 (en) | 2011-12-06 | 2016-07-12 | Seiko Epson Corporation | Actuator, robot hand, robot, electronic component carrying device, electronic component inspection device, and printer |
JP2013195701A (ja) * | 2012-03-19 | 2013-09-30 | Tdk Corp | レンズ駆動装置 |
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