JP5039418B2 - 射出成形機の関節部構造 - Google Patents

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Description

本発明は射出成形機の駆動系に配置される関節部構造に関する。
射出成形機の発達はめざましく、近年では、CD(コンパクトディスク)などのためのディスク基板の成形が可能な機種が実用化されている。
ただし、ディスク基板の成形では、数秒(4秒以下)で1サイクルというハイサイクル成形が行われ、射出成形機の駆動系に配置される関節部構造における使用条件は厳しいものとなる。
射出成形機には型締装置が必須であり、この型締装置は各種の形態が実用化されているが、その1つにトグル式型締装置がある。トグル式型締装置は、てこの原理が適用できるトグルリンク機構を主要素とするため、小さな駆動源で大きな型締力を得ることができ、好んで採用される。
トグル式型締装置は、多数の関節部を有し、ハイサイクル成形ではこれらの関節部に大きな負荷が作用するとともに、いわゆる関節運動の回数が多くなるため、結果として摩耗が激しくなる。
そこで、従来、摩耗対策として固体潤滑剤を用いた構造が提案されてきた(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭62−142061号公報(第5図)
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図10は従来の技術の基本構成を説明する図であり、筒状の第1部材101に、軸状の第2部材102が挿入されている関節部構造100において、第1部材101に複数の穴103が開けられ、これらの穴103に円柱状の固体潤滑剤104が打ち込まれている。
これらの固体潤滑剤104が第2部材102に接触し、潤滑作用を発揮する。
すなわち、第1部材101の内周面で負荷を負担し、固体潤滑剤104で潤滑作用を発揮するため、関節部構造100は、ハイサイクル成形に好適である。
しかし、固体潤滑剤104は、摩耗作用で剥離し、微細な粉になる。この粉が周辺に飛散するため、防塵対策を講じる必要があり、クリーンハウス内での使用は限定される。
そこで、固体潤滑剤に代わる構造が提案されてきた(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−236653公報(図2)
特許文献2を次図に基づいて説明する。
図11は従来の技術の基本構成を説明する別の図であり、筒状の第1部材111に、軸状の第2部材112が挿入されている関節部構造110において、第2部材112の外周面にダイヤモンドライク・カーボン膜113が被覆されている。
ダイヤモンドライク・カーボン膜113は、耐摩耗性に優れており、微細な粉が飛散する心配は無い。
しかし、ダイヤモンドライク・カーボン膜113は、プラズマ法で成膜するため、製造コストが嵩む。プラズマ法で得られる膜厚は、数μm〜数十μmに限られる。耐摩耗性に優れていても摩耗は進行するため、数十μm程度の膜厚では、使用可能な時間が短く、度々第2部材112を交換する必要がある。この結果、運転コストも嵩むことになる。
そこで、固体潤滑剤やダイヤモンドライク・カーボン膜に代わる摩耗対策が求められる。
本発明は、固体潤滑剤やダイヤモンドライク・カーボン膜に代わる摩耗対策が講じられた射出成形機の関節部構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、筒状の第1部材と、この第1部材に挿入させる軸状の第2部材とからなり、射出成形機の駆動系に配置される関節部構造において、
第1部材の摺動面には、銅又は銅合金の素地中にCr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの少なくも1つからなる元素の粒子が0.5〜10質量%と、固体潤滑剤の粒子が1〜10質量%とが分散されている固体潤滑剤分散銅系焼結層が形成され、
第2部材の摺動面にも、銅又は銅合金の素地中にCr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの少なくも1つからなる元素の粒子が0.5〜10質量%と、固体潤滑剤の粒子が1〜10質量%とが分散されている固体潤滑剤分散銅系焼結層が形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、固体潤滑剤分散銅系焼結層は、真空含浸法により、潤滑油が含浸されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、第2部材の摺動面は、軸の外周面の全部又は一部に設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、第2部材には、軸の端面から摺動面まで潤滑油を供給することができる給油通路が設けられていることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、第1の部材はリンク機構のブッシュであり、第2部材はリンク機構のピンであることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、射出成形装置の関節部を構成する筒状の第1部材の摺動面及び軸状の第2部材の摺動面に、固体潤滑剤分散銅系焼結層を被覆させた。
固体潤滑剤分散銅系焼結層には、微細な固体潤滑剤の粉が分散され、この固体潤滑剤の粉が潤滑作用を発揮する。固体潤滑剤は、1〜10質量%と添加量が少量であって、且つ焼結層に分散させたので、焼結層から脱落し、飛散の心配は殆ど無い。
また、焼結層は膜厚が自由に選べるために、寿命を考量した任意の厚さに設定することができる。
さらには、銅は鉄に比較して熱伝導率が格段に高く、摩擦熱を発散して自己の温度を下げる作用を発揮する。第1部材の摺動面及び第2部材の摺動面に銅系焼結層を被覆し、銅系焼結層の厚さが2倍になったため、摩擦熱の発散する能力は2倍となり、摺動面の温度を下げることができる。
請求項2に係る発明では、固体潤滑剤分散銅系焼結層は、真空含浸法により、潤滑油が含浸されていることを特徴とする。含浸させた潤滑油が潤滑作用を発揮する。固体潤滑剤と共同して円滑な潤滑作用を発揮する。潤滑油を含浸した分だけ、固体潤滑剤の添加量を減少させることも可能となる。
請求項3に係る発明では、第2部材の摺動面は、軸の外周面の全部又は一部に設けられていることを特徴とする。軸の外周面の全部に焼結層を被覆する場合は、焼結処理が容易になり、製造コストを圧縮することができる。また、軸の外周面の一部に焼結層を被覆する場合は、焼結原料を節約することができ、地球資源の有効活用を促すことができる。
請求項4に係る発明では、第2部材には、軸の端面から摺動面まで潤滑油を供給することができる給油通路が設けられていることを特徴とする。潤滑油は摺動面で潤滑作用を発揮する。固体潤滑剤と共同して円滑な潤滑作用を発揮する。潤滑油を含浸した分だけ、固体潤滑剤の添加量を減少させることも可能となる。
請求項5に係る発明では、第1の部材はリンク機構のブッシュであり、第2部材はリンク機構のピンであることを特徴とする。すなわち、トグル式型締装置に本発明を適用することにより、トグル式型締装置に良好な摩耗対策を講じることができ、トグル式型締装置の長寿命化並びに製造コストの低減とを図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る関節部構造を有するトグル式型締装置の側面図であり、トグル式型締装置10は、固定盤11と、この固定盤11に対向して配置する圧受盤12と、圧受盤12と固定盤11とに渡したタイバー13、13と、これらのタイバー13、13に沿って移動する可動盤14と、この可動盤14を駆動するトグルリンク機構20とからなる。
トグルリンク機構20は、圧受盤12にピン21、21を介して連結された第1リンク22、22と、これらの第1リンク22、22にピン23、23を介して連結された第2リンク24、24と、これらの第2リンク24、24を可動盤14に連結するピン25、25と、第1リンク22、22の途中に連結されている第3リンク26、26と、これらの第3リンク26、26に連結するクロスヘッド29と、このクロスヘッド29に嵌合されたナット27にねじ結合しているねじ軸28とからなる。
ねじ軸28を回すと、ナット27が図左へ移動し、第1リンク22と第2リンク24とがIの字からVの字に変わり、この結果、可動盤14が図左へ移動する。次に、ナット27を図右へ移動させれば、第1リンク22と第2リンク24とがVの字からIの字に変わり可動盤14は図右へ移動する。
この際に、可動盤14はタイバー13、13で案内されるが、タイバー13、13に曲げ力を加わることは好ましくない。そこで、可動盤14の下部にスライダ30を設け、このスライダ30を受け板31に載せてスライドさせる構造を採用する。可動盤14の荷重はスライダ30を介して受け板31で支承されるため、タイバー13、13に曲げ力が作用する心配は無い。
図2は図1の2矢視図であり、ねじ軸28は、プーリ32、ベルト33、プーリ34を介して電動機35で駆動される。また、圧受盤12と第1リンク22とを連結するピン21は第1関節部37の要部となり、第1リンク22と第2リンク24とを連結するピン23は第2関節部38の要部となり、第2リンク24と可動盤14とを連結するピン25は第3関節部39の要部となり、第1〜第3関節部37〜39により、第1リンク22や第2リンク24は図面表裏方向へスイング可能となり、いわゆる関節運動を実施させることができる。
第1〜第3関節部37〜39の構成は基本的で同一である。そこで、第3関節部39を例に詳細を、次図で説明する。
図3は図2の3部拡大断面図であり、第3関節部39は、筒状の第1部材41、41と、これらの第1部材41、41に挿入させる軸状の第2部材42とからなり、第1部材41、41は具体的にはトグルリンク機構のブッシュであり、第2部材42は具体的にはトグルリンク機構のピン(図2、符号25)である。
そして、第2部材42には、軸の端面から摺動面まで潤滑油を供給することができる給油通路43、43が設けられている。44、44は固定盤11へ第2部材42を固定するロックボルトである。
図4は図3の4−4線断面図である。ただし、分かり易くするために、第1部材41と第2部材42とは分けて描いた。
筒状の第1部材41の内周面には、銅又は銅合金の素地中にCr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの少なくも1つからなる元素の粒子が0.5〜10質量%と、固体潤滑剤の粒子が1〜10質量%とが分散されている固体潤滑剤分散銅系焼結層45が形成されている。固体潤滑剤分散銅系焼結層45の厚さは1mm程度が望ましい。
また、軸状の第2部材42の外周面にも、銅又は銅合金の素地中にCr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの少なくも1つからなる元素の粒子が0.5〜10質量%と、固体潤滑剤の粒子が1〜10質量%とが分散されている固体潤滑剤分散銅系焼結層46が形成されている。固体潤滑剤分散銅系焼結層46の厚さは1mm程度が望ましい。
固体潤滑剤分散銅系焼結層45、46の組成は次に理由で決定した。
先ず、銅に対して固溶限が殆ど無い元素としてのCr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの元素の少なくとも1つを適量添加するようにした。Crなどの元素は、焼結の際に、銅または銅合金の粉末粒子の表面又は粒界へ拡散し、焼結の進行に伴って発生する銅や銅合金の結晶粒の成長を抑制する作用を発揮する。また、Crなどの元素は、焼結体に不可避的に発生する空隙を減らす役割を果たす。この結果、焼結体の緻密化及び機械的強度の向上とが図れる。ただし、Crなどの元素は、耐摩耗性が良好ではないため、添加量が10質量%を超えると、耐摩耗性が悪化するという不具合が発生する。また、0.5質量%未満では期待した効果が得られない。そこで、銅又は銅合金の素地中にCr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの少なくも1つからなる元素の粒子を0.5〜10質量%の範囲で添加することにする。
固体潤滑剤は、黒鉛を原則とするが、MoS(二硫化モリブデン)、WS、BNの一種又は混合物であってもよい。固体潤滑剤を含めることで、潤滑性を高めることができることは言うまでもない。ただし、1質量%未満では期待した潤滑性が得られない。また、10質量%を超えると、軟らかい固体潤滑剤が過多となって銅又は銅合金の機械的強度を低下させる。そこで、固体潤滑剤は1〜10質量%の範囲で添加することにする。
次に、固体潤滑剤分散銅系焼結層45、46の製造方法を説明する。
先ず、銅又は銅合金の粉末に、Cr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの少なくも1つからなる元素の粒子0.5〜10質量%と、固体潤滑剤の粒子1〜10質量%と、必要であればバインダーを添加し混合する。筒状の第1部材の内周面又は軸状の第2部材の外周面に、混合粉末を載せ、3000〜7000kg/cmで加圧して積層する。次に、焼結炉に入れ、非酸化雰囲気又は還元性雰囲気中で焼結温度(730〜900℃)で所定時間(0.5〜5時間)加熱する。これで、焼結層を得ることができる。焼結層は、機械加工を施して所定の厚さ(1mm)に仕上げる。
得られた固体潤滑剤分散銅系焼結層45、46は、真空含浸法により、潤滑油を含浸されることが望ましい。含浸させた潤滑油が潤滑作用を発揮する。固体潤滑剤と共同して円滑な潤滑作用を発揮する。潤滑油を含浸した分だけ、固体潤滑剤の添加量を減少させることも可能となる。
以上の構成からなる第1部材41に第2部材42を組合わせ、摩耗試験を実施しして、この組合わせての効果を確かめた。そのときの試験の詳細を次に説明する
(実験例)
本発明に係る実験例を以下に述べる。なお、本発明は実験例に限定されるものではない。
○実験1の共通条件:
・使用した試験設備:射出成形機(日精樹脂工業(株)製NEX50)
・ショット回数:300万ショット
・潤滑:5000ショット当たり0.05cmの潤滑油を供給。
・試験対象の関節部の数:8
○比較例1:
・第1部材(ブッシュ):内径55mm。固体潤滑剤入り高力黄銅。摺動面に焼結層無し。
・第2部材(ピン):外径55mm。SCM440鋼。表面に高周波焼入れ。摺動面に焼結層無し。
○比較例2:
・第1部材(ブッシュ):出来上がり内径55mm。S45C鋼。摺動面に固体潤滑剤分散銅系焼結層形成。焼結層の厚さ1mm。
・第2部材(ピン):外径55mm。SCM440鋼。表面に高周波焼入れ。摺動面に焼結層無し。
○比較例3:
・第1部材(ブッシュ):出来上がり内径55mm。S45C鋼。摺動面に固体潤滑剤分散銅系焼結層形成。焼結層の厚さ1mm。
・第2部材(ピン):出来上がり外径55mm。SCM440鋼。表面にSiC共析無電解ニッケルめっき膜被覆。
○実施例1:
・第1部材(ブッシュ):出来上がり内径55mm。S45C鋼。摺動面に固体潤滑剤分散銅系焼結層形成。焼結層の厚さ1mm。
・第2部材(ピン):出来上がり外径55mm。SCM440鋼。摺動面に固体潤滑剤分散銅系焼結層形成。焼結層の厚さ1mm。
なお、固体潤滑剤分散銅系焼結層は、銅合金の素地中にCrとNbとV元素の粒子が5質量%と、固体潤滑剤の粒子が6質量%とが分散されている。
射出成形を300万ショット行って、第1部材と第2部材とにおける摩耗量を計測した。摩耗量(範囲)は複数の関節部における最大、最小から求め、摩耗量(平均値)は、複数の関節部を平均化した。この計測結果を次表に示す。
Figure 0005039418
図5は第1部材の摩耗量を示すグラフであり、縦長の白抜き棒で範囲を示し、黒点で平均値を示した。比較例1〜3に比較して、実施例1の摩耗量(平均値)は1/2以下であった。
図6は第2部材の摩耗量を示すグラフであり、縦長の白抜き棒で範囲を示し、黒点で平均値を示した。比較例1〜3に比較して、実施例1の摩耗量(平均値)は1/2以下であった。
したがって、第1部材と第2部材の両方に固体潤滑剤分散銅系焼結層を被せた実施例1は、耐久性が十分に高まることが確認できた。
次に、繰返し試験機を用いて、第1部材の温度の上昇傾向を調べた。この試験を、実験2として以下説明する。
○実験2の共通条件:
・サンプルの数:比較例4、比較例5、実施例2の各々で2個
・試験機:ジャーナル揺動試験機
・揺動形態:第1部材(ブッシュ)固定、第2部材(軸)揺動
・潤滑:初期グリス塗布
・付与面圧:98N/mm
・摺動速度:7.8mm/秒
・揺動サイクル数:毎分5サイクル
・揺動角度:90°
・試験サイクル数:10万サイクル
○比較例4:
・第1部材(ブッシュ):出来上がり内径55mm。S45C鋼。摺動面に固体潤滑剤分散銅系焼結層形成。焼結層の厚さ1mm。
・第2部材(ピン):外径55mm。SCM440鋼。表面に高周波焼入れ。摺動面に焼結層無し。
○比較例5:
・第1部材(ブッシュ):出来上がり内径55mm。S45C鋼。摺動面に固体潤滑剤分散銅系焼結層形成。焼結層の厚さ1mm。
・第2部材(ピン):出来上がり外径55mm。SCM440鋼。表面にSiC共析無電解ニッケルめっき膜被覆。
○実施例2:
・第1部材(ブッシュ):出来上がり内径55mm。S45C鋼。摺動面に固体潤滑剤分散銅系焼結層形成。焼結層の厚さ1mm。
・第2部材(ピン):出来上がり外径55mm。SCM440鋼。摺動面に固体潤滑剤分散銅系焼結層形成。焼結層の厚さ1mm。
10万サイクルの繰返し試験を行って、第1部材の温度を計測した。温度は複数のサンプルにおける最大、最小から求めた。併せて、摩擦係数も測定した。
Figure 0005039418
図7は第1部材の温度を示すグラフであり、縦長の白抜き棒で範囲を示した。比較例4〜5に比較して、実施例2の温度は低いことが確認できた。
図8は摩擦係数を示すグラフであり、縦長の白抜き棒で範囲を示した。比較例4〜5に比較して、実施例2の摩擦係数は低いことが確認できた。
したがって、第1部材と第2部材の両方に固体潤滑剤分散銅系焼結層を被せた実施例2は、温度が低く、摩擦係数も低いことが確認できた。
(別実施例)
次に、本発明の別実施例を説明する。
図9は図3の変形実施例を示す図であり、第2部材42には、必要な部分にだけ固体潤滑剤分散銅系焼結層46、46を被せた。これで、関節部39の製造コストを下げることができる。他の構成要素は図3と同一であるため、符号を流用して、詳細な説明は省略する。
なお、詳細な実験結果は省略するが、固体潤滑剤分散銅系焼結層は、銅又は銅合金の素地中にCr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの少なくも1つからなる元素の粒子が0.5〜10質量%と、固体潤滑剤の粒子が1〜10質量%とが分散されていれば、実験で得られたものと同様の作用、効果が確認できた。
また、本発明の関節部構造は、トグル式型締装置の他、射出機を金型へ進退させるリンク式射出機移動装置に適用することもできる。したがって、関節部構造は、射出成形機の駆動系に配置される関節部に広く適用することができる。
本発明は、射出成形機の駆動系に配置される関節部構造に好適である。
本発明に係る関節部構造を有するトグル式型締装置の側面図である。 図1の2矢視図である。 図2の3部拡大断面図である。 図3の4−4線断面図である。 第1部材の摩耗量を示すグラフである。 第2部材の摩耗量を示すグラフである。 第1部材の温度を示すグラフである。 摩擦係数を示すグラフである。 図3の変形実施例を示す図である。 従来の技術の基本構成を説明する図である。 従来の技術の基本構成を説明する別の図である。
符号の説明
20…トグルリンク機構、25…ピン、39…第3関節部(関節部構造)、41…第1部材、42…第2部材、43…給油通路、45…第1部材に被せた固体潤滑剤分散銅系焼結層、46…第2部材に被せた固体潤滑剤分散銅系焼結層。

Claims (5)

  1. 筒状の第1部材と、この第1部材に挿入させる軸状の第2部材とからなり、射出成形機の駆動系に配置される関節部構造において、
    前記第1部材の摺動面には、銅又は銅合金の素地中にCr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの少なくも1つからなる元素の粒子が0.5〜10質量%と、固体潤滑剤の粒子が1〜10質量%とが分散されている固体潤滑剤分散銅系焼結層が形成され、
    前記第2部材の摺動面にも、銅又は銅合金の素地中にCr、Nb、V、Zr、Mo及びTiの少なくも1つからなる元素の粒子が0.5〜10質量%と、固体潤滑剤の粒子が1〜10質量%とが分散されている固体潤滑剤分散銅系焼結層が形成されていることを特徴とする射出成形機の関節部構造。
  2. 前記固体潤滑剤分散銅系焼結層は、真空含浸法により、潤滑油が含浸されていることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の関節部構造。
  3. 前記第2部材の摺動面は、軸の外周面の全部又は一部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の関節部構造。
  4. 前記第2部材には、軸の端面から前記摺動面まで潤滑油を供給することができる給油通路が設けられていることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の関節部構造。
  5. 前記第1の部材はリンク機構のブッシュであり、前記第2部材はリンク機構のピンであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の射出成形機の関節部構造。
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