JP2004298880A - 抵抗溶接装置 - Google Patents

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修一 野崎
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Abstract

【課題】位置合わせ精度の高い溶接物を得ることができ、また、駆動力が小さくて済む抵抗溶接装置を提供すること。
【解決手段】下方向の力が加わるとき下方向に動き、その力が開放されるとき上方向に動く枠部材と、前記窓部分を臨む位置であって第1の被溶接物の所定の被溶接箇所のそれぞれに第2の被溶接物を溶接するときには、第1の被溶接物の直ぐ下の位置で停止している加圧受部材とを備え、前記枠部材を水平方向に移動して第1の被溶接物を移動させて、所定の被溶接箇所を第2の被溶接物の真下に位置合わせし、溶接時に前記枠部材又はその一部分と一緒に第1の被溶接物を降下させて前記加圧受部材との間に加圧力を与え、前記第2の被溶接物を前記第1の被溶接物の所定の被溶接箇所に抵抗溶接する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクションが形成されたピン状部材などを非鉄金属材料などからなる金属板に順次溶接するのに適した抵抗溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車や家庭用電化製品の分野では、従来からピン(ビス)状又はナット状の被溶接物を金属板のような被溶接物に固定することが行われている。例えば古くから行われている方法に、アルミニウムなどの非鉄金属材料からなる金属板の所定箇所に孔を開け、ピンをその孔に差し込んでから、ピン裏をつぶしてかしめる方法、あるいはピンをその金属板に接着剤で接着するか、又はろう材を用いてろう付けする方法などがある。
【0003】
近年になってそれら方法に代えて抵抗溶接することも行われている。例えば、下記特許文献1では、金属板のような被溶接物に複数のナットを溶接する場合の抵抗溶接装置について開示している。その抵抗溶接装置は、水平方向に動く支持台を備え、溶接される複数のボルトに相当する中間電極を前記支持台に設け、それら中間電極にボルトを支持させ、それらボルト上に供給された金属板のような被溶接物に、中間電極を介在させた状態で溶接電極間に溶接電流を流して溶接を行っている。
【0004】
また別の抵抗溶接装置として、本件出願人が既に出願済みの下記特許文献2に掲載されたものがある。その抵抗溶接装置では、図7に示すように同芯状配置の外側溶接電極42と内側溶接電極43とを用い、インダイレクト方式によりピン状の被溶接物Wbを金属パネル状の被溶接物Waに溶接している。その抵抗溶接によれば、外側溶接電極42と内側溶接電極43間の距離、更には外側溶接電極と被溶接物Waとの距離を小さくできるので、品質の高い溶接結果が得られることが確認されているが、特許文献2にはピン状の被溶接物Wbと金属パネル状の被溶接物Waとの位置合わせ構造などについての具体的な記載は皆無である。なお、44は加圧受部材である。
【0005】
【特許文献1】特開2001−314974公報
【特許文献2】特開2002−239748公報
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のかしめによる方法、接着剤やろう材による固定方法は自動化が難しく、生産性や環境の面からも問題がある。また、前述のような抵抗溶接装置にあっては、溶接されるナットの位置決めの精度がさほど要求されるものが少ないので、個々のナットの位置決め動作と溶接の動作を交互に自動的に行っておらず、支持台を水平方向に移動させて中間電極に支持されたナットの位置決めを行うだけであり、一旦位置合わせを行ったら中間電極間の間隔でナットを抵抗溶接している。
【0007】
また、支持台上に溶接されるナットの個数に等しい数の中間電極を複数備えるので、装置全体が大型化し、駆動される部分の重量が大きくなるために、駆動力が大きくなければならず、このことが更に装置の大型化を招いていた。また、溶接痕の小さな品質の高い溶接結果を得るためには、溶接時に中間電極の介在による接触抵抗の損失が無視できない。
【0008】
本発明の主たる課題は、前述の支持台に相当する加圧受部材を従来の一般的な装置と同じく、単に上下方向に動かすだけであり、アルミニウムなどからなる金属パネルのような軽量の被溶接物を傷つけることなく、簡単な機構で左右、前後、上下に動かせるようにして、プロジェクションの形成されたピン(ビス)状又はナット状などの被溶接物を金属パネルのような被溶接物の所定被溶接箇所に位置あわせして、品質の高い抵抗溶接を行うのに適した抵抗溶接装置を提供することを主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記問題点を解決するため、本願請求項1記載の発明は、溶接電極間に溶接電流を流して第1の被溶接物の複数の被溶接箇所のそれぞれに複数の第2の被溶接物を順次溶接する抵抗溶接装置において、窓部分を有し、その窓部分に前記第1の被溶接物が載置される枠状の枠部材であって、前記第1の被溶接物に下方向の力が加わると、距離Hだけ下方向に動き、前記力が開放されると、元の位置に戻る枠部材と、前記窓部分を臨む位置にあって前記溶接電極の下方向に配置され、上下動が可能な加圧受部材とを備え、前記加圧受部材は、溶接時には前記第1の被溶接物の下面から前記距離H以内の位置で停止しており、前記下方向の加圧力が前記第1の被溶接物に加えられていない状態で、前記枠部材は水平方向に移動して前記第1の被溶接物を移動させることによって、その所定の前記被溶接箇所を前記第2の被溶接物の真下に位置合わせし、前記溶接電極に加圧力を加えることによって、前記枠部材又はその一部分と一緒に前記第1の被溶接物を前記距離H降下させて前記加圧受部材との間に加圧力を与え、前記第2の被溶接物を前記第1の被溶接物の前記被溶接箇所に順次抵抗溶接することを特徴とする抵抗溶接装置を提供するものである。
【0010】
この抵抗溶接装置においては、溶接していないときには、金属板のような被溶接物の下面と加圧受部材との間には自動的に間隙Hが形成される構造になっているので、その複数の被溶接箇所に順次他方の被溶接物を溶接する場合でも、金属板のような下側の被溶接物を水平方向に移動させて下側の被溶接箇所を上側の被溶接物に位置合わせすることができ、位置合わせ精度の高い溶接物を得ることができる抵抗溶接装置を提供できる。
【0011】
また、加圧受部材を金属板のような被溶接物の下面から距離H以内の位置に停止させればよいので、加圧受部材の上昇動作の制御が容易であり、加圧受部材が前記被溶接部材を突き上げたりするおそれが無いので、位置合わせ精度を低下させることもない。
【0012】
また本願請求項2は、請求項1において、前記加圧受部材は、前記第1の被溶接物の前記被溶接箇所に前記第2の被溶接物がそれぞれ溶接されるごとに、前記距離Hよりも下方向に降下させることを特徴とする抵抗溶接装置を提供するものである。
【0013】
この抵抗溶接構造においては、加圧受部材の上面積が大きかったり、下側の被溶接物の被溶接箇所が端の近くに存在した場合でも、加圧受部材が下側の被溶接物を自由に水平方向に移動させるのを妨げたり、溶接範囲を制限することは無い。
【0014】
本願請求項3は、請求項1において、前記加圧受部材は、前記第1の被溶接物の前記被溶接箇所の全部に前記第2の被溶接物がそれぞれ溶接されるまで、前記距離H以内に留まっている抵抗溶接装置を提供するものである。
【0015】
この抵抗溶接構造においては、加圧受部材の上下動作を最小限に抑えることができ、制御がより一層容易になると同時に、溶接速度を向上させることが可能になる。
【0016】
本願請求項4は、請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、前記枠部材は共通の窓部を有する外側の枠部材と内側の枠部材とからなり、前記内側の枠部材は前記外側の枠部材に、軸部材と弾性部材とによって係合しており、前記内側の枠部材は、前記弾性部材の伸縮によって前記上下方向の動作を行う抵抗溶接装置を提供するものである。
【0017】
この抵抗溶接構造においては、下側の被溶接物を平らに支持できるとともに、加圧力が加えられていないときにはその被溶接物を加圧受部材から所定間隙だけ離して保持可能である。
【0018】
本願請求項5は、請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、前記溶接電極は、外側溶接電極と内側溶接電極とからなり、前記外側溶接電極内に前記内側溶接電極が同芯状に装設され、その内側溶接電極に前記第2の被溶接物が支承される抵抗溶接装置を提供するものである。
【0019】
この抵抗溶接構造においては、請求項1ないし請求項4の効果の他に溶接痕の無い又はそれが小さい溶接物を得ることができるので、特にアルミニウムなどの非鉄金属材料からなる被溶接物の抵抗溶接に適する。
【0020】
本願請求項6は、請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、前記加圧受部材は、前記第2の被溶接物を支承している前記溶接電極とは別の溶接電極が兼ねる抵抗溶接装置提供するものである。
【0021】
この抵抗溶接構造においては、請求項1ないし請求項4の効果の他に加圧受部材を省略することが可能である。
【0022】
【本発明の実施の形態】
次に、図1ないし図6により本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施例である抵抗溶接装置100を上面から見た概略を示す図であり、図2は側面から見た概略を示す図であり、図3は被溶接物の搬送、位置決めを説明するための図であり、図4はその一部分の断面を示す図であり、図5及び図6は溶接電極部分の一例を説明するための図である。
【0023】
抵抗溶接装置100において、ベース部材1の上には、2種類のピン(ビス)状又はナット状などの被溶接物Wbをそれぞれ供給する第1、第2のワーク供給機構2、3が装備されている。1種類のピン状又はナット状の被溶接物Wbだけならば、どちらか一方のワーク供給機構を備えればよい。
【0024】
抵抗溶接機構4は、複数の柱部材5に固定されている水平な支持部材6によって支えられている。抵抗溶接機構4は、溶接加圧部40、図示しない電気回路に接続される溶接トランス部41、図5と図6で示されるような一対の同芯配置の溶接電極42、43、これら溶接電極の真下に位置する加圧受部材44、加圧受部材44を上下に駆動する上下駆動機構45から構成されている。更に、不図示のパネル供給装置により1枚ずつ金属パネルのような被溶接物Waが載せられ、それを所定の位置に動かす被溶接物移動機構7が備えられている。
【0025】
被溶接物移動機構7は、不図示のモータとボールネジからなるリニアガイドのようなX方向直動駆動装置によって、X軸ガイドレール70を矢印Xで示されるX方向に移動するX方向移動手段71、X方向移動手段71に固定されてX方向に移動可能なY軸ガイドレール72、不図示のリニアガイド又はシリンダ装置のようなY方向直動駆動装置によって、Y軸ガイドレール72に沿って矢印Yで示されるY軸方向に移動可能な被溶接物載置機構73を具備している。なお、X軸ガイドレール70と対をなす他方のX軸ガイドレール、Y軸ガイドレール72と対をなすY軸ガイドレールについては図示するのを省略している。
【0026】
被溶接物載置機構73は、Y軸ガイドレール72に沿ってY軸方向に移動可能なようにY軸ガイドレール72に係合された第1の枠体部73A、第1の枠体部73Aに対して上下に動けるように係合する第2の枠体部73Bを備える。第1の枠体部73Aは外側に位置し、第2の枠体部73Bは内側に位置する。これら枠体部73A、73Bは枠部材を構成し、共通の窓部73Cを有する。
【0027】
図4に示すように、第1の枠体部73Aは、外側に位置して板厚の厚い4角形状の枠部分73Aaと、枠部分73Aaを形成する4辺の下部から内方向に延びる支承部73Abとからなる。支承部73Abは枠部分73Aaよりも板厚が薄い。
【0028】
第2の枠体部73Bは、内側に位置して板厚の厚い4角形状の枠部分73Baと、枠部分73Baを形成する4辺の上側部分から外方向に延びる係合部73Bbとからなる。係合部73Bbは、枠部分73Baよりも薄くなっており、所定間隙Hを介して第1の枠体部73Aの支承部73Abに対向配置される。係合部73Bbは、4隅で4本のビス73Dとスプリングのような弾性部材73Eとによって、支承部73Abに係合している。
【0029】
加圧力を受けていない状態では、第2の枠体部73Bの係合部73Bbは弾性部材73Eによって第1の枠体部73Aの支承部73Abに接触せず、所定間隙Hを保持するように持ち上げられている。この状態では、第1の枠体部73Aと第2の枠体部73Bの下面はほぼ同一水面にある。所定間隙Hは金属パネルのような被溶接物Waの平坦度にもよるが、数mmから10mm程度である。また、第1の枠体部73Aと第2の枠体部73Bはそれら四囲についても接触していない。
【0030】
また、図3に示すように第2の枠体部73Bの係合部73Bbは、各辺に1又は2個のピン孔73Fを有する。図示しないが、これら各ピン孔73F内を、第1の枠体部73Aの支承部73Abに植設されたガイドピンが挿通しており、そのガイドピンによって第2の枠体部73Bの上下動はガイドされる。
【0031】
したがって、第2の枠体部73Bに上方から加圧力が加えられると、第2の枠体部73Bは前記ガイドピンにガイドされて所定間隙Hだけ沈み、直接第1の枠体部73Aに当接して止まる。そして、加圧力が取り払われると、弾性部材73Eの弾性力によって持ち上がり、所定間隙Hを保持する。つまり、弾性部材73EはXY平面に垂直なZ方向上方に第2の枠体部73Bを動かす。したがって、第2の枠体部73Bは第1の枠体部73Aに対して所定間隙Hの範囲で容易に上下動できる。
【0032】
第2の枠体部73Bの窓部73Cは、金属パネルのような被溶接物Waよりも大きな面積を有し、第2の枠体部73Bの下側には、被溶接物Waが載置され、支持するための載置部73Gが備えられる。載置部73Gは、第2の枠体部73Bの四方の内壁下部から窓方向に突出した板状の部材からなり、窓部73Cを被溶接物Waよりも小さな面積に制限する。当然に、載置部73Gも第2の枠体部73Bの上下動に伴って、所定間隙Hの幅で一緒に上下する。
【0033】
なお、図示していないが、第2の枠体部73Bの1辺又は2辺には金属パネルのような被溶接物Waの位置決めを行うための進退部材が備えられる。この進退部材は小型のエアシリンダのようなものである。また、載置部73Gの1辺又は2辺にも不図示の位置決めピンが植設される。不図示のエアシリンダのピストンロッドが載置部73G上を前進して、被溶接物Waを位置決めピンに押し付けることによって、被溶接物Waの位置決めが行われる。
【0034】
次に、この実施例に用いられる好ましい溶接電極構造について図5、図6により説明する。この溶接電極構造は同芯配置された筒状の外側溶接電極42、内側溶接電極43、外側溶接電極42の内壁又は内側溶接電極43の外壁に固定された筒状の電気絶縁部材46とからなる。外側溶接電極42と内側溶接電極43は互いに独立して上下方向に動けるように構成されている。円筒状の電気絶縁部材4は、外側溶接電極42と内側溶接電極43とが接触して電気的な短絡事故を生じることを防止するところに主な目的がある。
【0035】
また、円筒状の電気絶縁部材46が介在することによって、外側溶接電極42が内側溶接電極43をガイドする働きも可能であるので、それらの間には実質的にガタがなくなり、被溶接物Wbがいずれかの方向にずれることがなく、溶接位置を高精度に保つ働きも行う。内側溶接電極43は、従来のものと同様に被溶接物Wbの一部分を受け入れる装着孔43aを有し、吸引によって被溶接物Wbを装着孔43aに保持できるようになっている。
【0036】
次にこれら図面を用いてこの抵抗溶接装置の動作について説明する。先ず、図5に示すように、双方の溶接電極が上方の所定位置にあり、その所定位置にあるときには内側溶接電極43が外側溶接電極42よりも下方位置にある。その状態で、図2に鎖線で示すように、ワーク供給機構2の供給ヘッド20が溶接電極の真下まで横方向にスライドして前進し、次に上昇して、内側溶接電極43に被溶接物Wbを供給する。被溶接物Wbは内側溶接電極43に吸着保持される。他方、被溶接物移動機構7には不図示の金属パネル供給機構から被溶接物Waが供給される。
【0037】
図示しない制御装置から制御信号が、被溶接物移動機構7の不図示のX方向直動駆動装置を駆動して、X方向移動手段71をX軸ガイドレール70に沿って矢印X方向に所定距離だけ移動させるとともに、不図示のY方向直動駆動装置を駆動して、被溶接物移載機構73をY軸ガイドレール72に沿って矢印Y方向に所定距離だけ移動させる。この動作によって、被溶接物移載機構73に支承された被溶接物WaはX方向とY方向にそれぞれ予め決められた距離だけ移動する。その結果、図5に示すように、被溶接物Waの最初に溶接したい箇所、つまり被溶接箇所Aの真上に被溶接物Wbが位置する。ここで被溶接物Wa、Wbについて簡単に説明すると、被溶接物WaはA、B、C……で示される複数の被溶接箇所を有し、被溶接物Wbは被溶接物Waの被溶接箇所A、B、C……へ良好に抵抗溶接できるように、図示しないが、リングプロジェクションを備えている。
【0038】
次に、溶接電極の真下に位置する上下に駆動する上下駆動機構45が、前記不図示の制御装置からの信号によって動作し、加圧受部材44を上昇させて被溶接物Waの直ぐ下に停止させる。この距離は、図4に示した所定間隙Hの範囲内である。
【0039】
その状態で、図示しない溶接加圧部40により外側溶接電極42が下降し、被溶接物Wbが外側溶接電極42内にある程度入った状態で内側溶接電極43も一緒に更に下降する。この下降で、先ず外側溶接電極42が被溶接物Waに当接し、被溶接物Waに下方向の加圧力を与えることにより、図4に示す弾性部材73Eが収縮し、被溶接物Waを加圧受部材44に押し付ける。そのとき、内側溶接電極43も電気絶縁部材46を介して外側溶接電極42にガイドされる形で下降し、被溶接物Wbの不図示のプロジェクションを被溶接物Waの最初の被溶接箇所Aに所定の加圧力で押し付ける(図6)。
【0040】
なお、内側溶接電極43の装着孔43aの入り口にその中心側が凹むテーパー面が形成されており、かつ被溶接物Wbがそのテーパー面に適合するテーパー部をもてば、前述の加圧時、テーパー面同士の傾斜によって被溶接物Wbを中央へ寄せる働きを行い、被溶接物Wbの中心軸線を被溶接物Waの被溶接箇所Aに一致させる。
【0041】
そして、外側溶接電極42が被溶接物Waを所定の加圧力で加圧し、また内側溶接電極43が被溶接物Wbを被溶接物Waに所定の加圧力で押し付けている状態で、不図示の電気回路から数千ないし数万アンペアのピーク電流が数十ミリ秒以内の短時間に、被溶接物Waと被溶接物Wbとを通して外側溶接電極42と内側溶接電極43間を流れる。
【0042】
このとき、外側溶接電極42と内側溶接電極43との間に電気絶縁部材46が介在するので、外側溶接電極42と内側溶接電極43との間で電気的な短絡を生じる心配は皆無であり、また、外側溶接電極42と被溶接物Wbとの間の距離を十分に短くできるので、溶接電流によるその電流路での発熱は小さく、溶接痕はできない。
【0043】
1回の溶接が終了すると、外側溶接電極42と内側溶接電極43は所定位置まで上昇し、加圧受部材44はその駆動装置45により元の位置まで下降する。このとき、溶接された被溶接物WaとWbが溶接電極による加圧力から開放されるので、第2の枠体部73Bがその載置部73Gに被溶接物WaとWbを載置した状態で、所定間隙Hだけ上昇する。したがって、被溶接物移動機構7をX方向、Y方向に予め決められた距離だけ動かして、次に溶接される被溶接箇所Bを加圧受部材44上の所定位置に移動させることができる。
【0044】
以後、前述のような動作を繰り返すことにより、1枚の被溶接物Waの複数の被溶接箇所A、B、C……に被溶接物Wbを順次溶接する。そして、すべての被溶接箇所A、B、C……に被溶接物Wbが溶接されると、被溶接物移動機構7は水平方向に所定位置まで移動し、そこで被溶接物Wbの溶接された被溶接物Wa、つまり溶接物は排出される。
【0045】
次に別の実施例では、1回の溶接が終了すると、外側溶接電極42と内側溶接電極43は所定位置まで上昇するが、加圧受部材44はそのままの位置に停止している。しかし、前述のように溶接された被溶接物WaとWbは加圧力から開放されるので、第2の枠体部73Bがその載置部73Gに被溶接物WaとWbを載置した状態で、スプリングのような弾性部材73Eによって所定間隙Hだけ上昇する。したがって、被溶接物Waの下面は加圧受部材44からほぼ所定間隙H離れているので、直ぐに被溶接物移動機構7をX方向、Y方向に予め決められた距離だけ動かして、次に被溶接箇所Bを加圧受部材44上の所定位置に移動させることができる。
【0046】
この実施例では、被溶接物Waの複数の被溶接箇所A、B、C……に他方の被溶接物Wbを溶接し終わるまで、加圧受部材44を停止させておき、加圧力によって枠部材を上下させて被溶接物Waを上下させ、加圧力が加えられないときには自動的に被溶接物Waが加圧受部材44から離れるような構成になっているので、加圧受部材44を被溶接箇所A、B、C……の溶接ごとに動かさずに、軽い被溶接物Waだけを水平に移動させることができるので、溶接速度と被溶接物同士の位置合わせを向上させることができ、また加圧受部材44の駆動を容易にできると共に、溶接速度の向上も期待できる。
【0047】
また、図5、図6に示したような溶接電極構造を用いた場合には、特にアルミニウムなど非鉄金属材料からなる被溶接物を抵抗溶接するのに適している。
【0048】
なお、以上の実施例では被溶接物移動機構73における枠部材を外側の枠体部73Aと内側の枠体部73Bとで構成したが、外側の枠体部73Aは必ずしも枠構造でなくともよく、例えば、片持ち構造の場合には、外側の枠体部73AはY軸ガイドレール72側だけに図4に示すような一対のビス73Dと弾性部材73Eとからなる係合構造を備えれば、枠部材は枠体部73Bだけでよい。また、Y軸ガイドレール72と対でガイドする、図示しないもう一方のY軸ガイドレールを利用して、枠体部73Bをただ一つの枠体部として、両側でそれぞれ片持ちの形態で支持する構造であっても勿論よい。
【0049】
実施例では加圧受部材44を電気絶縁材料からなるインダイレクト方式専用の受台として説明し、また溶接電極構造を同芯配置の筒状の溶接電極として説明したが、通常の上下から被溶接物を挟んで加圧する構造のものでもよく、この場合には、加圧受部材44を図示しない下側の溶接電極に代えてもよい。このような溶接構造では、金属パネルのような被溶接物Waの表裏で溶接電流が流れる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、下側の被溶接物の複数の被溶接箇所に順次上側の被溶接物を溶接する場合に、金属パネルのような下側の被溶接物を水平方向に移動させるだけでその複数の被溶接箇所を上側の被溶接物に位置合わせすることができるので、位置合わせ精度の高い溶接物を得ることができ、また、加圧受部材を下側の被溶接物から間隙Hの範囲で停止制御すればよいので、加圧受部材の上昇動作の制御が容易な抵抗溶接装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る抵抗溶接装置の概略構造を上面から見た図である。
【図2】本発明に係る抵抗溶接装置の概略構造を側面から見た図である。
【図3】本発明に係る抵抗溶接装置の被溶接物移動機構を示す図である。
【図4】被溶接物移動機構の一部分の断面を示す図である。
【図5】本発明に係る抵抗溶接装置の溶接電極構造の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る抵抗溶接装置の溶接電極構造の一例を示す図である。
【図7】従来の抵抗溶接装置の溶接電極構造を示す図である。
【符号の説明】
1…ベース部材
2、3…第1、第2のワーク供給機構
4…抵抗溶接機構
40…溶接加圧部
41…溶接トランス部
42…外側溶接電極
43…内側溶接電極
44…加圧受部材
45…上下駆動機構
46…電気絶縁部材
5…柱部材
6…支持部材
7…被溶接物移動機構
70…X軸ガイドレール
71…X方向移動手段
72…Y軸ガイドレール
73…被溶接物移載機構
73A…第1の枠体部
73Aa…枠部分
73Ab…支承部
73B…第2の枠体部
73Ba…枠部分
73Bb…係合部
73C…窓部
73D…ピン(ビス)
73E…弾性部材
73F…ピン孔
73G…載置部
Wa、Wb…被溶接物
A、B、C…被溶接物Waの被溶接箇所

Claims (6)

  1. 溶接電極間に溶接電流を流して第1の被溶接物の複数の被溶接箇所のそれぞれに複数の第2の被溶接物を順次溶接する抵抗溶接装置において、
    窓部分を有し、その窓部分に前記第1の被溶接物が載置される枠状の枠部材であって、前記第1の被溶接物に下方向の力が加わると、距離Hだけ下方向に動き、前記力が開放されると、元の位置に戻る枠部材と、
    前記窓部分を臨む位置にあって前記溶接電極の下方向に配置され、上下動が可能な加圧受部材と、
    を備え、
    前記加圧受部材は、溶接時には前記第1の被溶接物の下面から前記距離H以内の位置で停止しており、
    前記下方向の加圧力が前記第1の被溶接物に加えられていない状態で、前記枠部材は水平方向に移動して前記第1の被溶接物を移動させることによって、その所定の前記被溶接箇所を前記第2の被溶接物の真下に位置合わせし、
    前記溶接電極に加圧力を加えることによって、前記枠部材又はその一部分と一緒に前記第1の被溶接物を前記距離H降下させて前記加圧受部材との間に加圧力を与え、
    前記第2の被溶接物を前記第1の被溶接物の前記被溶接箇所に順次抵抗溶接することを特徴とする抵抗溶接装置。
  2. 請求項1において、
    前記加圧受部材は、前記第1の被溶接物の前記被溶接箇所に前記第2の被溶接物がそれぞれ溶接されるごとに、前記距離Hよりも下方向に降下させることを特徴とする抵抗溶接装置。
  3. 請求項1において、
    前記加圧受部材は、前記第1の被溶接物の前記被溶接箇所の全部に前記第2の被溶接物がそれぞれ溶接されるまで、前記距離H以内に留まっていることを特徴とする抵抗溶接装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、
    前記枠部材は共通の窓部を有する外側の枠部材と内側の枠部材とからなり、
    前記内側の枠部材は前記外側の枠部材に、軸部材と弾性部材とによって係合しており、
    前記内側の枠部材は、前記弾性部材の伸縮によって前記上下方向の動作を行うことを特徴とする抵抗溶接装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、
    前記溶接電極は、外側溶接電極と内側溶接電極とからなり、前記外側溶接電極内に前記内側溶接電極が同芯状に装設され、該内側溶接電極に前記第2の被溶接物が支承されることを特徴とする抵抗溶接装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、
    前記加圧受部材は、前記第2の被溶接物を支承している前記溶接電極とは別の溶接電極が兼ねることを特徴とする抵抗溶接装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008155279A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Yoshitaka Aoyama 電気抵抗溶接機用部品供給装置
JP2011031267A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Daihatsu Motor Co Ltd 抵抗溶接装置、抵抗溶接方法、及びこれらに用いる電極
JP2011031269A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Daihatsu Motor Co Ltd 抵抗溶接装置及びこれに用いる電極

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