JP2004298012A - 魚釣用リール - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受を圧入する際に半径方向内方の力が作用するのを防止し、軸受の内径公差を小さくして駆動軸との嵌合ガタを、高精度で安定して抑制することができると共に、内径寸法変化による不具合を確実に防止することのできる魚釣用リールを提供すること
【解決手段】リール本体12の軸受支持部13に嵌合支持される合成樹脂製軸受32により、ハンドル軸14を回動自在に支持する魚釣用リールにおいて、軸受32には、ハンドル軸14を回転自在に支えかつリール本体12の軸受支持部13に嵌合される嵌合部34と、この嵌合部から半径方向外方に突出しかつ側部に圧入変形部38を設けた突出部36とを形成し、リール本体12には、軸受32の嵌合部34を軸受支持部13に嵌合したときに、圧入変形部38を介して突出部36を圧入可能な回り止め係合部44を形成た魚釣用リール。
【選択図】 図2
【解決手段】リール本体12の軸受支持部13に嵌合支持される合成樹脂製軸受32により、ハンドル軸14を回動自在に支持する魚釣用リールにおいて、軸受32には、ハンドル軸14を回転自在に支えかつリール本体12の軸受支持部13に嵌合される嵌合部34と、この嵌合部から半径方向外方に突出しかつ側部に圧入変形部38を設けた突出部36とを形成し、リール本体12には、軸受32の嵌合部34を軸受支持部13に嵌合したときに、圧入変形部38を介して突出部36を圧入可能な回り止め係合部44を形成た魚釣用リール。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リール本体の軸受支持部に嵌合支持される合成樹脂製軸受により、駆動軸を回動自在に支持する魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
リール本体の軸受支持部に嵌合支持される合成樹脂製軸受の寸法誤差や芯ブレ等の影響を排除するために、駆動軸を支える筒状軸受部の外周に、周方向に片持ち状に延びる圧接片や半径方向外方に突出する突片からなる緩衝部を一体形成し、リール本体の軸受孔に圧入する際にこの緩衝部を弾性変形させる軸受が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2567023号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、周方向に片持ち状に延びる圧接片を筒状軸受部の外周に形成する場合には、この軸受の成形性が悪いために安定した寸法精度を得ることができず、更に、この圧接片が緩衝作用をなすため、十分な圧入強度を得ることができない。
このため、リール本体の軸受孔に軸受を圧入した場合でも、駆動軸と共に軸受が共回りすることがある。リール本体の軸受孔内で軸受が回転すると、軸受が磨耗し、これにより軸受のガタ付きを生じ、磨耗量が大きくなると、軸受が脱落する虞がある。
【0005】
また、半径方向外方に突出する突片を筒状軸受部の外周に形成する場合には、リール本体の軸受孔に圧入する際に、突片と筒状軸受部とを連結するフレーム片を介して、半径方向内方に向く圧力が、この突片から筒状軸受部に作用する。これにより、筒状軸受部の内周寸法が変化(楕円状の寸法変化)してしまい、駆動軸の外周を支持する軸受部内周の内径公差を小さくすることができない。つまり、内径公差を小さくすると、軸受部内径の変化(楕円状に変化することによる内径の減少)の影響で駆動軸の嵌合状態がきつくなり、スムーズな回転性能を得ることができない。このように、軸受を圧入した後に内径寸法の変化による不具合が発生した場合には、軸受の内径を追加工する必要があり、労力および製造コストが増大し、更に、本来の軸受性能も安定しない。また、圧入力のバラツキにより、軸受が軸受孔から浮いてしまう現象も生じ易く、この場合には、スラスト方向の規制機能に支障が生じる。
【0006】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、軸受を圧入する際に半径方向内方の力が作用するのを防止し、軸受の内径公差を小さくして駆動軸との嵌合ガタを、高精度で安定して抑制することができると共に、内径寸法変化による不具合を確実に防止することのできる魚釣用リールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の魚釣用リールは、リール本体の軸受支持部に嵌合支持される合成樹脂製軸受により、駆動軸を回動自在に支持する魚釣用リールにおいて、前記軸受には、前記駆動軸を回転自在に支えかつ前記リール本体の軸受支持部に嵌合される嵌合部と、この嵌合部から半径方向外方に突出しかつ側部に圧入変形部を設けた突出部とを形成し、前記リール本体には、前記軸受の嵌合部を軸受支持部に嵌合したときに、前記圧入変形部を介して突出部を圧入可能な回り止め係合部を形成し、この回り止め係合部は前記圧入変形部の係合圧力を前記駆動軸の周方向に作用させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1から図4は、本発明の好ましい実施形態による魚釣用リール10の全体を概略的に示す。
図1および図2に示すように、魚釣用リール10は、リール本体12と、リール本体12から延出する脚部12aと、脚部12aの端部に形成され且つ図示しない釣竿に取り付けられる竿取付部12bとを有している。リール本体12内にはハンドル軸14が回転可能に支持されており、リール本体12から突出するハンドル軸14の端部にはハンドル15が固定されている。
【0009】
ハンドル軸14のリール本体12内に配置される部位には、ドライブギア16が取り付けられており、このドライブギア16に、ハンドル軸14に対して直交する方向に延在し且つ軸受けを介してリール本体12内に回転可能に支持された円筒状構造のピニオンギア18が噛合している。このピニオンギア18の先端部には、ベール20および釣糸案内装置22を備えたロータ24が一体的に取り付けられている。
【0010】
また、このピニオンギア18内には、スプール軸26が摺動可能に支持されており、上述のドライブギア16を介してハンドル軸14で作動されるオシレーティング機構28により、軸方向に沿う一定のストロークで往復駆動することができる。このスプール軸26の先端には、釣糸が巻回されるスプール28が着脱可能に取付けられ、スプール軸26と共にこのハンドル軸14と直交する方向に往復動することができる。
【0011】
したがって、この魚釣用リール10は、ハンドル15を回転操作してハンドル軸14を回転させると、オシレーティング機構28およびスプール軸26を介してスプール28が前後に一定ストロークで往復動するとともに、ドライブギア16およびピニオンギア18を介してロータ24が回転する。これにより、ロータ24に設けられた釣糸案内装置22を介して、スプール28に釣糸が均等に巻回される。
【0012】
図2に示すように、このハンドル軸14のドライブギア16側の端部は、ボール軸受30を介して支えられ、一方、ハンドル15側の端部は、合成樹脂製の軸受32を介して支えられている。本実施形態では、この軸受32を支えるボス部すなわち軸受支持部13をリール本体12に一体的に形成してある。
【0013】
図3および図4に示すように、軸受32は、円筒状の嵌合部34と、この嵌合部34の一端側(リール本体12の内側に配置される端部)から半径方向外方に突出する突出部36とを有し、この突出部36の両側部には、後述する回り止め係合部44に圧入したときに変形可能な断面半円状の圧入変形部38が設けられている。この軸受32は、好適な合成樹脂(例えばPOM:ポリアセタール)により一体構造に成形してある。また、嵌合部34には、軸方向に延びる複数の貫通孔40を周方向に間隔をおいて形成し、成形時の樹脂材料のヒケを防止し、この軸受32の軽量化を図っている。なお、このような貫通孔40は省略することも可能である。
【0014】
この軸受32は、その内周面33がハンドル軸14を回動自在に支える滑り軸受面を形成する。また、嵌合部34の外周面35は軸受支持部13の内周面で形成される軸受収容孔42とほぼ同径に形成してある。このため、この嵌合部34を軸受支持部13の軸受収容孔42に嵌合する際に、嵌合部34に半径方向内方に向く大きな力が作用することはなく、軸受32の内周面33が変形することはない。軸受32の滑り軸受面を形成する内周面33の内径公差を小さくすることが可能となり、軸受32およびハンドル軸14のガタ付きを小さくしあるいは排除することができる。
【0015】
この軸受32をリール本体12に確実かつ強固に保持するため、軸受支持部13には、軸受32の突出部36が圧入される回り止め係合部44を形成してある。本実施形態の回り止め係合部44は、軸受支持部13の内側端部に、軸受収容孔32を挟んで径方向に対向させて形成した一対の溝で形成してあり、軸受収容孔42と連通されている。符号13aは、軸受収容孔42内に突出した突条を示し、この突条13aは、軸受収容孔42内に収容された嵌合部34に当接し、これを支持可能に形成することが好ましい。
【0016】
各回り止め係合部44は、互いに対向しかつ軸受収容孔42の軸線と平行に延びる一対の側壁部44aと、これらの側壁部間に配置される底壁部44bとを有し、軸受32の突出部36を押込んだときに、この突出部36から側方に突出する圧入変形部38が側壁部44aに押圧されて弾性変形しつつ底壁部44bに当接するまでこの回り止め係合部44内に圧入される。このとき、圧入変形部38の係合圧力は、回り止め係合部44の側壁部44aに作用するため、軸受32の内周面33の周方向にのみ係合圧力が作用し、半径方向内方の力が嵌合部34に作用することはない。したがって、嵌合部34の内周面33には係合圧力が作用せず、成形時の形状および寸法を維持することができる。
【0017】
なお、嵌合部34は軸受支持部13の軸受収容孔42とほぼ同径に形成されているため、突出部36を回り止め係合部44に圧入する際に、嵌合部34に軸受支持部13から大きな半径方向内方に向く力が作用することはない。また、突出部36が底壁部44bに当接したときに、嵌合部34の端部が軸受支持部13の突条13aに当接することが好ましい。これにより、圧入時における軸受32の浮き上りを防止することができる。
【0018】
このように形成された軸受32の嵌合部34を軸受支持部13の軸受収容孔42に嵌合しかつ突出部36をその圧入変形部38を介して回り止め係合部44に圧入することにより、嵌合部34が軸受収容孔42の内周面に密に嵌合し、回り止め係合部44に圧入された突出部36を介して確実かつ強固にリール本体12に保持される。
【0019】
嵌合部34に半径方向内方の力が作用しないため、ハンドル軸14の滑り軸受面を形成する内周面33は変形することはない。このため、軸受32をリール本体12に組立てた後、この内周面33を加工することを要せず、ハンドル軸14のスムーズな回転性能が得られる。ハンドル軸14の回転で形成される力は突出部36を介して回り止め係合部44の側壁部44aで支えられ、軸受32の回転およびガタ付きが確実に防止される。また、嵌合部34に作用するスラスト方向の力は、軸受支持部13の突条13aおよびハンドル軸14に設けられた突条14a(図2参照)で支えることができる。このため、嵌合部34にスラスト方向の力が作用しても、突出部36に作用することがなく、長期間にわたって軸受32をリール本体12に確実かつ強固に保持することができる。
【0020】
したがって、本実施形態の魚釣用リール10によると、軸受32を圧入する際に半径方向内方の力が作用するのを防止し、軸受32の内径公差を小さくして駆動軸であるハンドル軸14との嵌合ガタを、高精度で安定して抑制することができると共に、ハンドル軸14の滑り軸受面を形成する内周面33の内径寸法変化による不具合を確実に防止することのできる。
【0021】
図5および図6は、変形例による軸受32Aを示す。
この変形例による軸受32Aは、嵌合部34から突出する突出部36を1つにし、これに対応して回り止め嵌合部44も1つにしたものである。嵌合部34に代えて突出部36に貫通孔46を形成してあるが、嵌合部34にも上述のような貫通孔46を設けてもよい。この貫通孔46は、圧入変形部38の内側に配置することにより、圧入力の調節を可能としてある。
【0022】
この変形例による軸受32Aは、突出部36を1つのみで形成したことにより、コンパクトに形成することができると共に、圧入変形部38の内側に配置した貫通孔46による空間部が圧入変形部38の変形圧力あるいは変形量を調節する作用をなし、これにより、突出部36を回り止め嵌合部44に圧入する際の圧入圧力を調節することが可能となる。
【0023】
なお、このような空間部を形成する貫通孔46は上述の実施形態における軸受32の突出部36に形成してもよい。また、上述の実施形態では、リール本体12の軸受支持部13に軸受32を圧入してハンドル軸14を支持する構成で説明したが、ハンドル15の回転に連動回転する駆動軸を支持する軸受として応用できることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明によると軸受を圧入する際に半径方向内方の力が作用するのを防止し、軸受の内径公差を小さくして駆動軸との嵌合ガタを、高精度で安定して抑制することができると共に、内径寸法変化による不具合を確実に防止することのできる魚釣用リールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による魚釣用リールの全体構造を示す部分断面図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】軸受支持部に装着した軸受を示す説明図。
【図4】図3の軸受支持部と軸受とを分解した状態の斜視図。
【図5】変形例による軸受および軸受支持部を示す説明図。
【図6】図6のB−B線に沿う断面図。
【符号の説明】
10…魚釣用リール、12…リール本体、14…ハンドル軸(駆動軸)、13…軸受支持部、32…軸受、34…嵌合部、36…突出部、38…圧入変形部、44…回り止め係合部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、リール本体の軸受支持部に嵌合支持される合成樹脂製軸受により、駆動軸を回動自在に支持する魚釣用リールに関する。
【0002】
【従来の技術】
リール本体の軸受支持部に嵌合支持される合成樹脂製軸受の寸法誤差や芯ブレ等の影響を排除するために、駆動軸を支える筒状軸受部の外周に、周方向に片持ち状に延びる圧接片や半径方向外方に突出する突片からなる緩衝部を一体形成し、リール本体の軸受孔に圧入する際にこの緩衝部を弾性変形させる軸受が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
実用新案登録第2567023号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、周方向に片持ち状に延びる圧接片を筒状軸受部の外周に形成する場合には、この軸受の成形性が悪いために安定した寸法精度を得ることができず、更に、この圧接片が緩衝作用をなすため、十分な圧入強度を得ることができない。
このため、リール本体の軸受孔に軸受を圧入した場合でも、駆動軸と共に軸受が共回りすることがある。リール本体の軸受孔内で軸受が回転すると、軸受が磨耗し、これにより軸受のガタ付きを生じ、磨耗量が大きくなると、軸受が脱落する虞がある。
【0005】
また、半径方向外方に突出する突片を筒状軸受部の外周に形成する場合には、リール本体の軸受孔に圧入する際に、突片と筒状軸受部とを連結するフレーム片を介して、半径方向内方に向く圧力が、この突片から筒状軸受部に作用する。これにより、筒状軸受部の内周寸法が変化(楕円状の寸法変化)してしまい、駆動軸の外周を支持する軸受部内周の内径公差を小さくすることができない。つまり、内径公差を小さくすると、軸受部内径の変化(楕円状に変化することによる内径の減少)の影響で駆動軸の嵌合状態がきつくなり、スムーズな回転性能を得ることができない。このように、軸受を圧入した後に内径寸法の変化による不具合が発生した場合には、軸受の内径を追加工する必要があり、労力および製造コストが増大し、更に、本来の軸受性能も安定しない。また、圧入力のバラツキにより、軸受が軸受孔から浮いてしまう現象も生じ易く、この場合には、スラスト方向の規制機能に支障が生じる。
【0006】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、軸受を圧入する際に半径方向内方の力が作用するのを防止し、軸受の内径公差を小さくして駆動軸との嵌合ガタを、高精度で安定して抑制することができると共に、内径寸法変化による不具合を確実に防止することのできる魚釣用リールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の魚釣用リールは、リール本体の軸受支持部に嵌合支持される合成樹脂製軸受により、駆動軸を回動自在に支持する魚釣用リールにおいて、前記軸受には、前記駆動軸を回転自在に支えかつ前記リール本体の軸受支持部に嵌合される嵌合部と、この嵌合部から半径方向外方に突出しかつ側部に圧入変形部を設けた突出部とを形成し、前記リール本体には、前記軸受の嵌合部を軸受支持部に嵌合したときに、前記圧入変形部を介して突出部を圧入可能な回り止め係合部を形成し、この回り止め係合部は前記圧入変形部の係合圧力を前記駆動軸の周方向に作用させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1から図4は、本発明の好ましい実施形態による魚釣用リール10の全体を概略的に示す。
図1および図2に示すように、魚釣用リール10は、リール本体12と、リール本体12から延出する脚部12aと、脚部12aの端部に形成され且つ図示しない釣竿に取り付けられる竿取付部12bとを有している。リール本体12内にはハンドル軸14が回転可能に支持されており、リール本体12から突出するハンドル軸14の端部にはハンドル15が固定されている。
【0009】
ハンドル軸14のリール本体12内に配置される部位には、ドライブギア16が取り付けられており、このドライブギア16に、ハンドル軸14に対して直交する方向に延在し且つ軸受けを介してリール本体12内に回転可能に支持された円筒状構造のピニオンギア18が噛合している。このピニオンギア18の先端部には、ベール20および釣糸案内装置22を備えたロータ24が一体的に取り付けられている。
【0010】
また、このピニオンギア18内には、スプール軸26が摺動可能に支持されており、上述のドライブギア16を介してハンドル軸14で作動されるオシレーティング機構28により、軸方向に沿う一定のストロークで往復駆動することができる。このスプール軸26の先端には、釣糸が巻回されるスプール28が着脱可能に取付けられ、スプール軸26と共にこのハンドル軸14と直交する方向に往復動することができる。
【0011】
したがって、この魚釣用リール10は、ハンドル15を回転操作してハンドル軸14を回転させると、オシレーティング機構28およびスプール軸26を介してスプール28が前後に一定ストロークで往復動するとともに、ドライブギア16およびピニオンギア18を介してロータ24が回転する。これにより、ロータ24に設けられた釣糸案内装置22を介して、スプール28に釣糸が均等に巻回される。
【0012】
図2に示すように、このハンドル軸14のドライブギア16側の端部は、ボール軸受30を介して支えられ、一方、ハンドル15側の端部は、合成樹脂製の軸受32を介して支えられている。本実施形態では、この軸受32を支えるボス部すなわち軸受支持部13をリール本体12に一体的に形成してある。
【0013】
図3および図4に示すように、軸受32は、円筒状の嵌合部34と、この嵌合部34の一端側(リール本体12の内側に配置される端部)から半径方向外方に突出する突出部36とを有し、この突出部36の両側部には、後述する回り止め係合部44に圧入したときに変形可能な断面半円状の圧入変形部38が設けられている。この軸受32は、好適な合成樹脂(例えばPOM:ポリアセタール)により一体構造に成形してある。また、嵌合部34には、軸方向に延びる複数の貫通孔40を周方向に間隔をおいて形成し、成形時の樹脂材料のヒケを防止し、この軸受32の軽量化を図っている。なお、このような貫通孔40は省略することも可能である。
【0014】
この軸受32は、その内周面33がハンドル軸14を回動自在に支える滑り軸受面を形成する。また、嵌合部34の外周面35は軸受支持部13の内周面で形成される軸受収容孔42とほぼ同径に形成してある。このため、この嵌合部34を軸受支持部13の軸受収容孔42に嵌合する際に、嵌合部34に半径方向内方に向く大きな力が作用することはなく、軸受32の内周面33が変形することはない。軸受32の滑り軸受面を形成する内周面33の内径公差を小さくすることが可能となり、軸受32およびハンドル軸14のガタ付きを小さくしあるいは排除することができる。
【0015】
この軸受32をリール本体12に確実かつ強固に保持するため、軸受支持部13には、軸受32の突出部36が圧入される回り止め係合部44を形成してある。本実施形態の回り止め係合部44は、軸受支持部13の内側端部に、軸受収容孔32を挟んで径方向に対向させて形成した一対の溝で形成してあり、軸受収容孔42と連通されている。符号13aは、軸受収容孔42内に突出した突条を示し、この突条13aは、軸受収容孔42内に収容された嵌合部34に当接し、これを支持可能に形成することが好ましい。
【0016】
各回り止め係合部44は、互いに対向しかつ軸受収容孔42の軸線と平行に延びる一対の側壁部44aと、これらの側壁部間に配置される底壁部44bとを有し、軸受32の突出部36を押込んだときに、この突出部36から側方に突出する圧入変形部38が側壁部44aに押圧されて弾性変形しつつ底壁部44bに当接するまでこの回り止め係合部44内に圧入される。このとき、圧入変形部38の係合圧力は、回り止め係合部44の側壁部44aに作用するため、軸受32の内周面33の周方向にのみ係合圧力が作用し、半径方向内方の力が嵌合部34に作用することはない。したがって、嵌合部34の内周面33には係合圧力が作用せず、成形時の形状および寸法を維持することができる。
【0017】
なお、嵌合部34は軸受支持部13の軸受収容孔42とほぼ同径に形成されているため、突出部36を回り止め係合部44に圧入する際に、嵌合部34に軸受支持部13から大きな半径方向内方に向く力が作用することはない。また、突出部36が底壁部44bに当接したときに、嵌合部34の端部が軸受支持部13の突条13aに当接することが好ましい。これにより、圧入時における軸受32の浮き上りを防止することができる。
【0018】
このように形成された軸受32の嵌合部34を軸受支持部13の軸受収容孔42に嵌合しかつ突出部36をその圧入変形部38を介して回り止め係合部44に圧入することにより、嵌合部34が軸受収容孔42の内周面に密に嵌合し、回り止め係合部44に圧入された突出部36を介して確実かつ強固にリール本体12に保持される。
【0019】
嵌合部34に半径方向内方の力が作用しないため、ハンドル軸14の滑り軸受面を形成する内周面33は変形することはない。このため、軸受32をリール本体12に組立てた後、この内周面33を加工することを要せず、ハンドル軸14のスムーズな回転性能が得られる。ハンドル軸14の回転で形成される力は突出部36を介して回り止め係合部44の側壁部44aで支えられ、軸受32の回転およびガタ付きが確実に防止される。また、嵌合部34に作用するスラスト方向の力は、軸受支持部13の突条13aおよびハンドル軸14に設けられた突条14a(図2参照)で支えることができる。このため、嵌合部34にスラスト方向の力が作用しても、突出部36に作用することがなく、長期間にわたって軸受32をリール本体12に確実かつ強固に保持することができる。
【0020】
したがって、本実施形態の魚釣用リール10によると、軸受32を圧入する際に半径方向内方の力が作用するのを防止し、軸受32の内径公差を小さくして駆動軸であるハンドル軸14との嵌合ガタを、高精度で安定して抑制することができると共に、ハンドル軸14の滑り軸受面を形成する内周面33の内径寸法変化による不具合を確実に防止することのできる。
【0021】
図5および図6は、変形例による軸受32Aを示す。
この変形例による軸受32Aは、嵌合部34から突出する突出部36を1つにし、これに対応して回り止め嵌合部44も1つにしたものである。嵌合部34に代えて突出部36に貫通孔46を形成してあるが、嵌合部34にも上述のような貫通孔46を設けてもよい。この貫通孔46は、圧入変形部38の内側に配置することにより、圧入力の調節を可能としてある。
【0022】
この変形例による軸受32Aは、突出部36を1つのみで形成したことにより、コンパクトに形成することができると共に、圧入変形部38の内側に配置した貫通孔46による空間部が圧入変形部38の変形圧力あるいは変形量を調節する作用をなし、これにより、突出部36を回り止め嵌合部44に圧入する際の圧入圧力を調節することが可能となる。
【0023】
なお、このような空間部を形成する貫通孔46は上述の実施形態における軸受32の突出部36に形成してもよい。また、上述の実施形態では、リール本体12の軸受支持部13に軸受32を圧入してハンドル軸14を支持する構成で説明したが、ハンドル15の回転に連動回転する駆動軸を支持する軸受として応用できることは勿論である。
【0024】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明によると軸受を圧入する際に半径方向内方の力が作用するのを防止し、軸受の内径公差を小さくして駆動軸との嵌合ガタを、高精度で安定して抑制することができると共に、内径寸法変化による不具合を確実に防止することのできる魚釣用リールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による魚釣用リールの全体構造を示す部分断面図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】軸受支持部に装着した軸受を示す説明図。
【図4】図3の軸受支持部と軸受とを分解した状態の斜視図。
【図5】変形例による軸受および軸受支持部を示す説明図。
【図6】図6のB−B線に沿う断面図。
【符号の説明】
10…魚釣用リール、12…リール本体、14…ハンドル軸(駆動軸)、13…軸受支持部、32…軸受、34…嵌合部、36…突出部、38…圧入変形部、44…回り止め係合部。
Claims (1)
- リール本体の軸受支持部に嵌合支持される合成樹脂製軸受により、駆動軸を回動自在に支持する魚釣用リールにおいて、前記軸受には、前記駆動軸を回転自在に支えかつ前記リール本体の軸受支持部に嵌合される嵌合部と、この嵌合部から半径方向外方に突出しかつ側部に圧入変形部を設けた突出部とを形成し、前記リール本体には、前記軸受の嵌合部を軸受支持部に嵌合したときに、前記圧入変形部を介して突出部を圧入可能な回り止め係合部を形成し、この回り止め係合部は前記圧入変形部の係合圧力を前記駆動軸の周方向に作用させることを特徴とする魚釣用リール。
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JP2009268354A (ja) * | 2008-04-30 | 2009-11-19 | Shimano Inc | スピニングリールのスプール |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003092013A patent/JP2004298012A/ja active Pending
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