JP2004297479A - 携帯通信端末、無線基地局、および無線通信システム - Google Patents

携帯通信端末、無線基地局、および無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】通信速度に応じてダウンロードを中断または再開することで、データを無駄なく取得することができる無線通信システムを提供する。
【解決手段】サーバ1は第1の基地局3を介して携帯端末2にデータのダウンロードを行う。携帯端末2の、第1の基地局3に対するCIR値やデータ伝送レートが各々設定した閾値を下回ったとき、携帯端末2は第1の基地局3との通信を切断してダウンロードを中断する。第1の基地局3は携帯端末2が未取得のデータをサーバ1から受信し、バッファに格納してバックアップを開始する。その後、携帯端末2の、第1の基地局3に対するCIR値やデータ伝送レートが各々設定した閾値を上回ったとき、携帯端末2は第1の基地局3と無線接続する。そして第1の基地局3は、バッファに格納していた、携帯端末2が未取得のバックアップデータを携帯端末2に送信する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯通信端末を用いてサーバからデータをダウンロードする無線通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、次世代の高速無線通信方式としてcdma2000 1x EV−DO方式が開発されている。cdma2000 1x EV−DO方式では、携帯通信端末から受信した受信状態を通知する情報に基づいて、基地局が当該端末へ送信するデータの変調方式を切り替えることにより、当該端末の受信状態が良好な時は、誤り耐性が低いが高速な通信レート、受信状態が悪いときは、低速だが誤り耐性の高い通信レートを使用することが可能となっている。
【0003】
cdma2000 1x EV−DO方式では、予測や過去の下りデータ伝送の誤り率等の統計データによる補正等を考慮して求められた極めて正確なデータ通信速度を直接的に示す、予測下りデータ通信速度(DRC;Data Rate Control Bit)をテーブルとして端末側が備え、このテーブルに基づいて、上記予測下りデータ通信速度を端末から前記基地局へ通知するようになっている。
基地局では、すべての端末からのDRC情報に基づいてスケジューリングを行い、下りリンクでデータを送信する端末を決定し、要求されたレートでデータを送信する。このスケジューリングとは、同一セクタに複数の端末が存在する場合、それぞれの電波受信状況に応じて、もっともチャネル環境がよい端末にデータを送信することであり、端末数が多いほどセクタ全体でのスループットは増加し、基地局は効率的なデータ送信を行うことができる。これにより、上記した種々の通信レートでのデータ通信が行われる。
【0004】
また、cdma2000 1x EV−DO方式の下り方向(基地局から携帯通信端末への方向)では、時間を1/600秒単位で分割し、その時間内では一つの携帯通信端末だけとの通信を行い、通信相手の携帯通信端末を時間により切り替えることにより複数の携帯通信端末と通信を行う、時分割多重アクセス(TDMA;time division multiplex access)を採用している。これにより、常に、個々の携帯通信端末に対して最大の電力を持ってデータ送信を行うことが可能となり、携帯通信端末間で行うデータ通信を最速の通信速度で行うことができる。
【0005】
このように、上述したcdma2000 1x EV−DO方式は、基地局から携帯通信端末への方向のデータ通信速度が携帯通信端末における受信状態(例えば受信電界強度、搬送波対干渉比=CIR)によって大きく変化する、ベストエフォート型の無線パケットデータ通信システムということができる。
【0006】
ところで、従来の携帯通信端末は、サーバからデータをダウンロードする際、ダウンロードを行おうとするファイルに対して予約を行い、予め設定した通信速度が得られると判断した場合にそのファイルを自動的にダウンロード開始する。もしくは、ダウンロード開始が可能になったことをサーバに通知すると共に、設定された時間を経過してもダウンロード開始に至らない場合はその旨をサーバに通知する(例えば、特許文献1参照)。
また、携帯通信端末が受信データの誤りをカウントして誤り率を演算し、実効伝送速度が所定の閾値より低下した場合に警告を発してユーザに通知するものもある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−300649号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1における技術では、予め設定した通信速度が得られると判断された場合にそのファイルをダウンロード開始するが、ダウンロードを開始してその途中に通信速度が閾値を下回る状態になっても、その通信状態でダウンロードを続けざるを得ない。つまり、一度ダウンロード開始すると、途中で通信速度が閾値より低下しようともそれに対応する手段を考慮していない。そのため、本来意図していたものとは違った結果になる恐れがある。
また、特許文献2における技術では、通信を開始してからでないと伝送速度が分からないため、伝送速度が低下している状態でも通信を開始してしまう。また、伝送速度が低下してエラーが高くなった場合には警告を発するが、ダウンロードを中止する処理を行わないので無駄な通信費がかかってしまう。また、使用者がダウンロードを中止しても再度初めからダウンロードを開始しなければならず、最初に取得したデータが無駄になってしまう。また、通信品質を判断するためには回線との接続を繰り返さなければならず、無駄な通信費がかかることになる。
この発明はこのような点を鑑みてなされたもので、通信速度が悪化したらデータのダウンロードを中断し、通信速度が良好になりダウンロードを再開する時は、中断した続きのデータからダウンロードすることができる無線通信システムを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の携帯通信端末は、無線基地局と無線通信接続し、前記無線基地局とネットワークで接続されたサーバにデータのダウンロードを要求するダウンロード要求手段を有する携帯通信端末において、前記無線基地局との現在の通信品質値を測定する通信品質測定手段と、前記無線基地局との通信品質のしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、前記通信品質測定手段により測定した現在の通信品質値と、前記しきい値記憶手段により記憶した通信品質のしきい値とを比較する比較手段と、前記比較手段により比較した結果、測定した前記通信品質値が前記しきい値より小さい場合に、前記ダウンロード要求手段によって要求した前記データのダウンロードを中断する中断手段と、前記中断手段によりダウンロードを中断した際に、前記データの中断ポイントを記憶する中断ポイント記憶手段と、前記中断手段により前記データのダウンロードを中断した後、前記比較手段で比較した結果、測定した現在の通信品質値が前記しきい値以上の場合、前記中断ポイント記憶手段に記憶された前記中断ポイントからデータの再送要求を行うデータ再送要求手段とを有する。
【0010】
請求項2記載の無線基地局は、サーバとネットワークで接続し、携帯通信端末と無線接続をする無線基地局において、前記携帯通信端末の要求に基づき前記サーバにデータのダウンロードを要求するデータ要求手段と、前記データ要求手段により要求した前記データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶した前記データを前記携帯通信端末に送信する送信手段と、前記送信手段による前記携帯通信端末への送信が中断した場合に、中断ポイントを記録しつつ、引き続き前記サーバからデータを受信して記憶する制御手段とを備え、前記送信手段は、前記携帯通信端末からの再送要求があった場合に、前記制御手段で記憶した中断ポイントからデータを送信することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の無線基地局において、前記第1の送信手段による前記携帯通信端末への送信が中断し、かつ他の無線基地局からの要求があった場合、前記記憶手段で記憶した前記サーバからのデータを、該無線基地局に送信することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、サーバと、前記サーバとネットワークで接続された無線基地局と、前記無線基地局と無線通信接続し、前記サーバからのデータをダウンロードする携帯通信端末とを有する無線通信システムにおいて、前記携帯通信端末は、前記無線基地局との現在の通信品質値を測定する通信品質測定手段と、前記無線基地局との通信品質のしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、前記通信品質測定手段により測定した現在の通信品質値と、前記しきい値記憶手段により記憶した通信品質のしきい値とを比較する比較手段と、前記比較手段により比較した結果、測定した前記通信品質値が前記しきい値より小さい場合に、前記サーバに要求した前記データのダウンロードを中断する中断手段と、前記中断手段によりダウンロードを中断した際に、前記データの中断ポイントを記憶する中断ポイント記憶手段と、前記中断手段により前記データのダウンロードを中断した後、前記比較手段で比較した結果、測定した現在の通信品質値が前記しきい値以上の場合、前記中断ポイント記憶手段に記憶された前記中断ポイントからデータの再送要求を行うデータ再送要求手段とを有し、前記無線基地局は、前記携帯通信端末の要求に基づき前記サーバにデータのダウンロードを要求するデータ要求手段と、前記データ要求手段により要求した前記データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶した前記データを前記携帯通信端末に送信する送信手段と、前記送信手段による前記携帯通信端末への送信が中断した場合に、中断ポイントを記録しつつ、引き続き前記サーバからデータを受信して記憶する制御手段とを備え、前記送信手段は、前記携帯通信端末からの再送要求があった場合に、前記制御手段で記憶した中断ポイントからデータを送信することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るcdma2000 1x EV−DO方式を採用した無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。1はダウンロード元のデータを格納したサーバ、2は携帯端末(携帯通信端末)、3は第1の基地局、4は第2の基地局である。携帯端末2は基地局3、4と無線接続可能であり、サーバ1と基地局3、4は通信網Nで接続されている。
【0014】
ここで携帯端末2の概略構成を図7に示す。図7において、21はCPU(ダウンロード要求手段、比較手段、中断手段、データ再送要求手段)であり、携帯端末2装置各部を制御する。22はRF処理部(通信品質測定手段)であり、電波を送受信し、信号の品質を測定する。23はキー操作部、24は表示部、25は音声処理部、26はROM、27はRAMである。28はメモリ部(しきい値記憶手段、中断ポイント記憶手段)である。
【0015】
次に、上記構成の動作について説明する。まず、携帯端末2と第1の基地局3との接続の動作について図2を参照して説明する。ユーザは携帯端末2に、ダウンロードしたいデータのアドレスを登録してダウンロードの予約をする。またユーザは、携帯端末2の通信品質の閾値を設定する(ステップS200)。本実施形態ではCIR値の閾値を閾値a、基地局がスケジューリングした際に決定した伝送レートの閾値を閾値bに設定する。次に、携帯端末2は通信待受状態であるか判断し(ステップS201)、待受状態でない場合は(ステップS201で「No」)、待受状態を開始する(ステップS202)。次に、待受中である(ステップS203)携帯端末2は、第1の基地局3に位置情報などの端末情報を送信する。第1の基地局3はその端末情報を取得し(ステップS301)、他の基地局から携帯端末2についての情報が発信されているか判断する(ステップS302)。他の基地局から携帯端末2の情報が発信されている場合(ステップS302で「Yes」)、第1の基地局3は基地局追従動作を行い(ステップS304)、ステップS307の動作に移る。この基地局追従動作については後に述べる。そうでない場合は(ステップS302で「No」)、ステップS303の処理に進む。
【0016】
他方、携帯端末2は第1の基地局3から送信される電波の強度を毎秒600回測定し、この電波強度の値からパイロット信号のCIR値(Carrier to Interference ratio:搬送波対干渉比)を算出する。そして携帯端末2は閾値aと算出したCIR値とを比較する(ステップS204)。閾値aに対してCIR値が大きいもしくは等しい場合(ステップS204で「Yes」)、携帯端末2はユーザに接続確認の通知を行い(ステップS206)、第1の基地局3との接続を行う(ステップS207)。そうでない場合は(ステップS204で「No」)、待受け状態を維持する(ステップS205)。
【0017】
ステップS207で第1の基地局3と無線接続をした携帯端末2は、あらかじめ備えているテーブルを用いて、算出したCIR値から対応する予測DRC値に置き換え、第1の基地局3に送信する(ステップS208)。第1の基地局3は、携帯端末2と、第1の基地局3に無線接続している他の端末と、ステップS208で送信された予測DRC値に基づいてスケジューリングを行い(ステップS303)、携帯端末2に最適な伝送レートを決定する。携帯端末2は決定した伝送レートで第1の基地局3と無線接続を行う(ステップS209)。
【0018】
次にデータのダウンロードを行う動作について図3を参照して説明する。携帯端末2は、ステップS200でダウンロードの予約をしたデータのアドレスを第1の基地局3に送信する(ステップS210)。第1の基地局3は、自身のバッファに前回のダウンロードデータのバックアップがないか判断する(ステップS305)。これは、もし前回のダウンロードにおいて、携帯端末2が通信切断などで途中終了してしまった場合、ダウンロードデータのバックアップが第1の基地局3のバッファに残っているからである。バックアップが残っていない場合(ステップS305で「No」)、第1の基地局3は新規データのダウンロードとして、ステップS210で携帯端末2から送信されたアドレスを有するサーバ1との接続を行う(ステップS306)。バックアップが残っている場合(ステップS305で「Yes」)、第1の基地局3は前回のダウンロードデータを継続してダウンロードする(ステップS307)。ダウンロードの継続動作は後に述べる。
サーバ1は、携帯端末2から送信されたアドレスに対応するデータを送信する(ステップS103)。第1の基地局3は、サーバ1が送信したデータのバイパスと基地局内でのバッファリングを行い(ステップS308)、携帯端末2にそのデータを送信する。
【0019】
携帯端末2は第1の基地局3からそのデータを受信し(ステップS211)、第1の基地局3に対するCIR値やデータ伝送レートが、それぞれ閾値a、閾値bを下回っていないか判断する(ステップS212)。CIR値が閾値aを上回っている場合、またはデータ伝送レートが閾値bを上回っている場合(ステップS212で「Yes」)、携帯端末2はデータの受信を継続する(ステップS213)。サーバ1がデータの送信完了を通知すると(ステップS104)、第1の基地局3はサーバ1からのデータ受信を完了し、携帯端末2にデータの受信完了を通知する(ステップS309)。その通知を受けた携帯端末2はデータの受信を完了し、受信したデータのアドレスを廃棄する(ステップS214)。そして再度待受状態にする(ステップS215)。
CIR値が閾値aを下回っている場合、かつデータ伝送レートが閾値bより低い場合(ステップS212で「No」)、後に述べる通信切断処理を行う(ステップS216)。
【0020】
次に、ステップS216における通信切断処理の動作について、図4を参照して説明する。CIR値が閾値aを下回っている場合、かつデータ伝送レートが閾値bより低い場合に、携帯端末2は、ダウンロードして取得したデータの情報を自端末の記憶部に記録する(ステップS231)。そして携帯端末2は、その取得済みデータの情報を第1の基地局3に送信する(ステップS232)。次に携帯端末2は、その取得済みデータを自端末の記憶部に一時格納する(ステップS233)。
第1の基地局3は、ステップS232で携帯端末2から送信された取得済みデータの情報を基に、携帯端末2が未取得のデータをデータ送信中(ステップS103)のサーバ1から受信し、バッファに格納してバックアップを開始する(ステップS310)。第1の基地局3は、サーバ1からのデータ送信が完了しバッファにデータを取得するまで、サーバ1と接続している。
一方、携帯端末2は第1の基地局3との切断処理を行う(ステップS234)。それを受けて第1の基地局3は、ステップS310の処理と平行して、携帯端末2との切断処理を行う(ステップS311)。
切断処理が完了した携帯端末2は、再度待受状態になる(ステップS235)。一方、サーバ1がデータの送信完了を通知すると(ステップS104)、第1の基地局3はサーバ1からのデータ受信を完了する(ステップS312)。以上により、携帯端末は、ダウンロード中に基地局との通信を切断しても、後で基地局と再接続したときに、残りのデータ分だけ受信することができる。
【0021】
次に、ステップS304における基地局追従動作について、図5を用いて説明する。これは、携帯端末2が移動したことで、携帯端末2が前回まで接続していた基地局と通信切断してしまった場合である。本実施例では、前回まで接続していた基地局を第2の基地局4とする。
サーバ1からデータを受信中に携帯端末2との接続が切断された第2の基地局4は、サーバ1からデータをすべて受信する(ステップS402)。受信完了後、第2の基地局4は、近接した複数の基地局に対して携帯端末2の情報を発信する(ステップS403)。
第2の基地局4から離れたところに移動したため、第2の基地局4との接続が切断された携帯端末2は第1の基地局3において待受状態であり(ステップS240)、近接した第1の基地局3に、位置情報などの端末情報を送信する。第1の基地局3はその端末情報を取得し(ステップS321)、第2の基地局4がステップS403で発信した端末情報と一致するか否か判断する(ステップS322)。一致した情報を持つ携帯端末の場合(ステップS322で「Yes」)、ステップS323の処理に進む。一致しない場合(ステップS322で「No」)、第1の基地局3は新規端末として処理する(ステップS325)。
【0022】
携帯端末2は第1の基地局3から送信される信号の品質から、CIR値を算出する。携帯端末2はそのCIR値と閾値aとを比較する(ステップS241)。閾値aに対してCIR値が大きいもしくは等しい場合(ステップS241で「Yes」)、携帯端末2は第1の基地局3とダウンロードのための接続を行う(ステップS242)。そうでない場合は(ステップS241で「No」)、待受け状態を維持する。
第1の基地局3と無線接続をした携帯端末2は、あらかじめ備えているテーブルを用いて、CIR値から対応する予測DRC値に置き換え、第1の基地局3に送信する(ステップS243)。第1の基地局3は、携帯端末2と、第1の基地局3に無線接続している他の端末と、送信された予測DRC値に基づいてスケジューリングを行い(ステップS323)、携帯端末2に最適な伝送レートを決定する。
【0023】
次に、第1の基地局3は第2の基地局4に、サーバ1から受信したデータを要求する(ステップS324)。第2の基地局4は、ステップS402で受信したデータにおけるバックアップデータを第1の基地局3に送る(ステップS404)。次に第2の基地局4は、携帯端末2の端末情報、バックアップデータ、および自身と第1の基地局3以外の近接している基地局に対し、ステップS403で発信した端末情報の廃棄処理を行う(ステップS405)。
以上の動作後、携帯端末2と第1の基地局3は後に述べるダウンロードの継続動作を行う。
【0024】
次に、ステップS307におけるダウンロードの継続動作について図6を用いて説明する。この場合、携帯端末2は、前回のダウンロード中に通信を途中切断したため、データが途中までしかダウンロードされていない。一方、第1の基地局3はサーバ1からのデータ送信が完了するまで接続しているので、サーバ1から送信されたデータを全て取得し、バックアップを取っている。
携帯端末2の、第1の基地局3に対するCIR値が閾値aを再び上回った場合、またはデータ伝送レートが閾値bを再び上回った場合、携帯端末2は第1の基地局3と無線接続し(ステップS271)、前回ダウンロードの予約を行ったデータのアドレスを第1の基地局3に送信する(ステップS272)。第1の基地局3は、ステップS272で送信されたアドレスから、第1の基地局3のバッファに保持している、携帯端末2が未取得のバックアップデータを携帯端末2に送信する(ステップS331)。
【0025】
携帯端末2は第1の基地局3からバックアップデータを受信し(ステップS273)、第1の基地局3からの現在のCIR値や現在のデータ伝送レートが、それぞれ前回ダウンロード時のCIR値、データ伝送レートを下回っていないか判断する(ステップS274)。CIR値が前回のCIR値を上回っている場合、またはデータ伝送レートが前回のデータ伝送レートより高い場合(ステップS274で「Yes」)、携帯端末2はデータの受信を継続する(ステップS275)。CIR値が前回のCIR値を下回っている場合、かつデータ伝送レートが前回のデータ伝送レートより低い場合(ステップS274で「No」)、通信切断処理を行う(ステップS279)。
第1の基地局3がバックアップデータの送信完了を通知すると(ステップS332)、その通知を受けて携帯端末2は第1の基地局3からのデータ受信を完了し、第1の基地局3に通知する(ステップS276)。第1の基地局3は携帯端末2からの通知を受け、携帯端末2との通信を切断し(ステップS333)、保持していたバックアップデータを廃棄する(ステップS334)。
携帯端末2は、前回のダウンロードで格納したデータと、今回取得したデータとを結合し1つのデータにする(ステップS277)。そして、取得したこのデータのダウンロード予約を解除する(ステップS278)。
【0026】
以上説明したように、本実施形態によれば、サーバから携帯端末にデータをダウンロードする際に、あらかじめ設定したCIR値とデータ伝送レートとの閾値を下回った場合、ダウンロードを中止する。よって、携帯端末は期待した通信状態でダウンロードできる。
また、ダウンロードを中止しても、基地局はサーバから引き続きデータを受信してバッファに格納し、携帯端末はそれまで受信したデータを保存するので、ダウンロードを再開したときにデータの続きの部分から携帯端末に送信開始することができる。
また、携帯端末が移動して別の基地局と接続した場合でも、基地局間でデータの移送を行うため、サーバから基地局へ再度ダウンロードを行わなくてもよい。
【0027】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0028】
例えば、上記実施形態における携帯電話機の代わりに、無線通信機能を備えた携帯型パーソナル・コンピュータ又はPDA(Personal Digital Assistance)に本発明を適用してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、測定した現在の通信品質値が、記憶された通話品質のしきい値より下回った場合、携帯通信端末はデータのダウンロードを中断する。よって、あらかじめ期待した高い通信品質のみでダウンロードを行うことができ、ダウンロードに要する時間を最短にすることで、電力の消費を抑えることができる。
また、中断したダウンロードを再開する際に、中断ポイントからデータの再送要求を行うので、先に取得したデータが無駄にならず、二重に課金されることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における携帯端末2と第1の基地局3との接続の動作を示すフローチャートである。
【図3】同実施形態におけるデータのダウンロードを行う動作を示すフローチャートである。
【図4】同実施形態における通信切断処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態における基地局追従動作を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態におけるダウンロードの継続動作を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態における携帯端末2の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…サーバ、2…携帯端末、3…第1の基地局、4…第2の基地局

Claims (4)

  1. 無線基地局と無線通信接続し、前記無線基地局とネットワークで接続されたサーバにデータのダウンロードを要求するダウンロード要求手段を有する携帯通信端末において、
    前記無線基地局との現在の通信品質値を測定する通信品質測定手段と、
    前記無線基地局との通信品質のしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、
    前記通信品質測定手段により測定した現在の通信品質値と、前記しきい値記憶手段により記憶した通信品質のしきい値とを比較する比較手段と、
    前記比較手段により比較した結果、測定した前記通信品質値が前記しきい値より小さい場合に、前記ダウンロード要求手段によって要求した前記データのダウンロードを中断する中断手段と、
    前記中断手段によりダウンロードを中断した際に、前記データの中断ポイントを記憶する中断ポイント記憶手段と、
    前記中断手段により前記データのダウンロードを中断した後、前記比較手段で比較した結果、測定した現在の通信品質値が前記しきい値以上の場合、前記中断ポイント記憶手段に記憶された前記中断ポイントからデータの再送要求を行うデータ再送要求手段と
    を有する携帯通信端末。
  2. サーバとネットワークで接続し、携帯通信端末と無線接続をする無線基地局において、
    前記携帯通信端末の要求に基づき前記サーバにデータのダウンロードを要求するデータ要求手段と、
    前記データ要求手段により要求した前記データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶した前記データを前記携帯通信端末に送信する送信手段と、
    前記送信手段による前記携帯通信端末への送信が中断した場合に、中断ポイントを記録しつつ、引き続き前記サーバからデータを受信して記憶する制御手段とを備え、
    前記送信手段は、前記携帯通信端末からの再送要求があった場合に、前記制御手段で記憶した中断ポイントからデータを送信する
    ことを特徴とする無線基地局。
  3. 前記送信手段による前記携帯通信端末への送信が中断し、かつ他の無線基地局からの要求があった場合、前記記憶手段で記憶した前記サーバからのデータを、前記他の無線基地局に送信する
    ことを特徴とする請求項2記載の無線基地局。
  4. サーバと、前記サーバとネットワークで接続された無線基地局と、前記無線基地局と無線通信接続し、前記サーバからのデータをダウンロードする携帯通信端末とを有する無線通信システムにおいて、
    前記携帯通信端末は、
    前記無線基地局との現在の通信品質値を測定する通信品質測定手段と、
    前記無線基地局との通信品質のしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、
    前記通信品質測定手段により測定した現在の通信品質値と、前記しきい値記憶手段により記憶した通信品質のしきい値とを比較する比較手段と、
    前記比較手段により比較した結果、測定した前記通信品質値が前記しきい値より小さい場合に、前記サーバに要求した前記データのダウンロードを中断する中断手段と、
    前記中断手段によりダウンロードを中断した際に、前記データの中断ポイントを記憶する中断ポイント記憶手段と、
    前記中断手段により前記データのダウンロードを中断した後、前記比較手段で比較した結果、測定した現在の通信品質値が前記しきい値以上の場合、前記中断ポイント記憶手段に記憶された前記中断ポイントからデータの再送要求を行うデータ再送要求手段とを有し、
    前記無線基地局は、
    前記携帯通信端末の要求に基づき前記サーバにデータのダウンロードを要求するデータ要求手段と、
    前記データ要求手段により要求した前記データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶した前記データを前記携帯通信端末に送信する送信手段と、
    前記送信手段による前記携帯通信端末への送信が中断した場合に、中断ポイントを記録しつつ、引き続き前記サーバからデータを受信して記憶する制御手段とを備え、
    前記送信手段は、前記携帯通信端末からの再送要求があった場合に、前記制御手段で記憶した中断ポイントからデータを送信する
    ことを特徴とする無線通信システム。
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