JP2004297473A - ネットワーク通話の品質評価設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】通話端末と通信ネットワークとの間にネットワーク接続装置が介在する場合であっても、各通話端末のIPアドレスを簡単に取得することが出来る、ネットワーク通話の品質評価設備の提供。
【解決手段】アドレスリストCMLに示されたIPアドレスは、IPアドレスが変更された場合に、ネットワーク通話管理装置50のアドレスリスト更新手段52により更新されるので、上記アドレスリストは、常に、最新のIPアドレスを示すことが出来る。これにより、各通話端末に対応した最新のIPアドレスが、IPアドレス検索手段52により上記アドレスリストから検索され、測定情報送信手段56により通話品質モニタ装置に送信されるので、各通話端末の通話品質モニタ装置は、最新のIPアドレスを簡単に取得することが出来、通話品質評価データの測定が必要な際に、即座に測定をすることが出来る。
【選択図】 図3
【解決手段】アドレスリストCMLに示されたIPアドレスは、IPアドレスが変更された場合に、ネットワーク通話管理装置50のアドレスリスト更新手段52により更新されるので、上記アドレスリストは、常に、最新のIPアドレスを示すことが出来る。これにより、各通話端末に対応した最新のIPアドレスが、IPアドレス検索手段52により上記アドレスリストから検索され、測定情報送信手段56により通話品質モニタ装置に送信されるので、各通話端末の通話品質モニタ装置は、最新のIPアドレスを簡単に取得することが出来、通話品質評価データの測定が必要な際に、即座に測定をすることが出来る。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケットの送受信により行われる音声通話の通話品質を評価することの出来る、ネットワーク通話の品質評価設備に係り、詳しくは、複数の通話端末がそれぞれネットワーク接続装置を介して通信ネットワークに接続される場合であっても、測定地点となる通話端末のIPアドレスを簡単に知ることが出来、通話品質評価データの測定が必要な際に、即座に測定をすることが出来る、ネットワーク通話の品質評価設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のネットワーク通話の品質評価設備としては、VoIP(Voice over Internet Protocol)ネットワークを介して行われる通話品質について、例えば、パケットの遅延、ジッタ(到達時間の揺らぎ)、伝送途中での消失などの、通話品質評価データを測定することの出来る、ネットワーク通話の品質評価設備が提案されている。このようなネットワーク通話の品質評価設備は、通信ネットワークに接続された通話端末同士のIPアドレスにより互いにパケットを送受信し、通話品質評価データを測定することにより、音声品質が劣化する原因を、測定した通話品質評価データに基づいて特定することが出来る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、ISP(インターネットプロバイダ)などのネットワーク事業者を介した、ADSL(非対称デジタル加入者線)などによるネットワーク通信のブロードバンド化の進展に伴い、通話端末は、ブロードバンドルータやADSLモデムなどの、ネットワーク接続装置を介して通信ネットワークに接続されており、ネットワーク事業者から、通話端末ではなくネットワーク接続装置に対してIPアドレス(グローバルIPアドレス)が割り当てられるようになっている。このようなネットワーク接続装置には、ネットワーク事業者から割り当てられたIPアドレスとは異なる、所定のアドレス(ローカルIPアドレス)を、下流側の通話端末に割り当てる、DHCP(Dynamic Host Configuratin Protocol)機能が設けられている。
【0004】
このようなネットワーク環境下において、上述したネットワーク通話の品質評価設備により通話品質評価データを測定する場合、上記グローバルIPアドレスにより通話端末の測定地点を特定するために、そのグローバルIPアドレスを、DNS(ドメインネームシステム)サーバに問い合わせる必要がある。しかし、DNSは規模が大きいため、グローバルIPアドレスの検索に時間を要し、通話品質評価データの測定が必要な際に、即座に測定をすることが出来ない不都合があった。また、グローバルIPアドレスが通知されたとしても、DNSでは、測定地点とされる通話端末が通信ネットワークに接続されているどうか分からないため、通話品質評価データの測定が無駄となる場合があった。
【0005】
また、グローバルIPアドレスが、動的アドレスである場合、ネットワーク接続装置の電源を入れるたびに変更されるため、通話品質評価データを測定する際に、いちいち最新のグローバルIPアドレスをDNSサーバに問い合わせなければならない不都合があった。しかも、電源が落ちている際に上記DNSサーバに問い合わせると、古いグローバルIPアドレスが通知されてしまい、また、IPアドレスが新たに割り当てられたとしても、DNSへの更新に時間が掛かる場合があるため、IPアドレスの検索に更に時間を要する場合があった。
【0006】
本発明は、上記した事情を鑑み、通話端末と通信ネットワークとの間にネットワーク接続装置が介在する場合であっても、測定地点となる通話端末のIPアドレスを簡単に取得することが出来、これにより通話品質評価データの測定が必要な場合に、即座に測定することが出来る、ネットワーク通話の品質評価設備を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の通話端末(101、102、103、…)が、それぞれ、ネットワーク接続装置(21、22、23、…)を介して通信ネットワーク(2)に接続され、前記複数の通話端末(101、102、103、…)間で、前記通話端末(101、102、103、…)相互のIPアドレス(GAD、LAD)が格納されたパケット(PK)を前記通信ネットワーク(2)を介して送受信することの出来る、ネットワーク通信において、前記パケット(PK)の送受信により行われる音声通話の通話品質を評価する、ネットワーク通話の品質評価設備(1)であって、
前記通信ネットワーク(2)に接続されたネットワーク通話管理装置(50)を設け、
前記複数の通話端末(101、102、103、…)にそれぞれ通話品質モニタ装置(3)を設け、
前記通話品質モニタ装置(3)は、
通話品質モニタ装置(3)が設けられた通話端末(101、102、103、…)間で前記パケット(PK)の送受信により行われる音声通話に関する通話品質評価データ(例えば、パケットの到達遅れ、ジッタ、パケットの消失、遅延、往復遅延時間、客観的音質評価に関するデータ、又はそれらからそれぞれ演算される通話品質評価値や客観的音質評価値)を測定する、通話品質評価データ測定手段(34)と、
当該通話品質モニタ装置(3)が設けられた通話端末(101、102、103、…)を識別することの出来る通話端末識別子(IDD)を格納する、通話端末識別子格納手段(36)と、
前記通話端末識別子(IDD)を、前記IPアドレス(GAD、LAD)が格納されたパケット(PK)に格納し前記ネットワーク通話管理装置(50)に送信することの出来る、識別子送信手段(35)とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)は、
前記通話品質モニタ装置(3)から送信されてくる前記パケット(PK)に格納された前記IPアドレス(GAD、LAD)に基づいて、各通話端末(101、102、103、…)のIPアドレス(GAD、LAD)を示すアドレスリスト(CML)を生成・格納するアドレスリスト生成格納手段(55)と、
前記通話品質モニタ装置(3)から送信されてくる前記パケット(PK)に格納された前記IPアドレス(GAD、LAD)に基づいて、前記各通話端末(101、102、103、…)のIPアドレス(GAD、LAD)が変更されたか否かを判定する、IPアドレス変更判定手段(52)と、
前記IPアドレス変更判定手段(52)が、前記各通話端末(101、102、103、…)のIPアドレス(GAD、LAD)が変更されたと判定した場合に、前記アドレスリスト(CML)に示された当該通話端末(101、102、103、…)のIPアドレス(GAD、LAD)を更新する、アドレスリスト更新手段(52)と、
前記アドレスリスト(CML)から前記各通話端末(101、102、103、…)に対応した前記IPアドレス(GAD、LAD)を前記アドレスリスト(CML)から検索する、IPアドレス検索手段(52)と、
前記IPアドレス検索手段(52)が検索したIPアドレス(GAD、LAD)を前記通話品質モニタ装置(3)に送信する、測定情報送信手段(56)と、
各前記通話品質モニタ装置(3)が測定した通話品質評価データを収集し、該収集した通話品質評価データに基づいて前記音声通話の通話品質を評価する、通話品質評価手段(57、58)と、
を有することを特徴として構成される。
【0008】
請求項2の発明は、前記ネットワーク通話管理装置(50)は、
前記通話品質評価データの測定に関するスケジュール情報(SCD1、SCD2、SCD3、…)を、前記通話端末(101、102、103、…)毎に示したスケジュールリスト(SCL)を格納したスケジュールリスト格納手段(55)と、
前記スケジュールリスト格納手段(55)に格納されたスケジュールリスト(SCL)から、前記各通話端末(例えば103)の通話品質評価データの測定に関する前記スケジュール情報(例えばSCD1)を検索する、スケジュール情報検索手段(53)とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)のIPアドレス検索手段(52)は、前記スケジュール情報検索手段(53)が検索したスケジュール情報(例えばSCD1)に基づいて、前記通話品質評価データの測定を行うべき他の通話端末(例えば101)のIPアドレス(GAD、LAD)を前記アドレスリスト(CML)から検索し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)の測定情報送信手段(56)は、前記検索されたIPアドレス(GAD、LAD)とスケジュール情報(例えばSCD1)を、前記通話品質評価データを測定すべき前記通話品質モニタ装置(3)に送信し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)は、更に、前記通話品質評価データを測定すべき前記通話品質モニタ装置(3)に対して、前記測定情報送信手段(56)が送信したスケジュール情報(例えばSCD1)に基づいて、前記通話品質評価データを測定するように指令する、通話品質評価データ測定指令手段(53)を有する、
ことを特徴として構成される。
【0009】
請求項3の発明は、前記通話品質モニタ装置(3)は、当該通話品質モニタ装置(3)が設けられた前記通話端末(例えば103)に関するスケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)を、前記ネットワーク通話管理装置(50)に照会する、スケジュール情報照会手段(37)を有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)のスケジュール情報検索手段(53)は、前記スケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)が照会された前記通話端末(例えば103)の前記スケジュール情報(例えばSCD1)を検索する、
ことを特徴として構成される。
【0010】
請求項4の発明は、前記スケジュール情報(SCD1、SCD2、SCD3、…)は、測定日時に関するデータ(MTD)を含み、
前記ネットワーク通話管理装置(50)のスケジュール情報検索手段(53)は、前記測定日時に関するデータ(MTD)に基づいて、前記各通話端末(例えば103)の現時点以降の前記スケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)のうち、現時点に直近のスケジュール情報(例えばSCD1)を検索する、
ことを特徴として構成される。
【0011】
請求項5の発明は、前記ネットワーク通話管理装置(50)は、
前記通話端末(101、102、103、…)におけるネットワーク通信の可否を示す通信可否情報(CPD)を、各前記通話端末(101、102、103、…)について示した通信可否情報リスト(CML)を格納する、通信可否情報リスト格納手段(55)と、
前記各通話端末(101、102、103、…)におけるネットワーク通信の可否を判定し、その判定結果に基づいて前記通信可否情報リスト(CML)を更新する、通信可否情報リスト更新手段(52)と、
前記通信可否情報リスト(CML)に基づいて、前記通話端末(101、102、103、…)間の前記ネットワーク通信が可能か否かを判定する、通信可否判定手段(52)とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)の測定情報送信手段(56)は、前記通信可否判定手段(52)が、前記ネットワーク通信が可能と判定した場合に、前記IPアドレス(GAD、LAD)を、前記通話品質モニタ装置(3)に送信する、
ことを特徴として構成される。
【0012】
請求項6の発明は、前記通信可否情報リスト更新手段(52)は、前記通話品質モニタ装置(3)の識別子送信手段(35)からの前記パケット(PK)を受信してから所定時間が経過した場合に、対応する前記通話端末(101、102、103、…)について前記ネットワーク通信が不可能と判定する、
ことを特徴として構成される。
【0013】
請求項7の発明は、前記ネットワーク通話管理装置(50)は、
前記通話品質モニタ装置(3)間で行う前記通話品質評価データの測定の実行状況を各前記通話端末(101、102、103、…)について示した測定実行情報リスト(CML)を格納する、測定実行情報リスト格納手段(55)と、
前記各通話品質モニタ装置(3)における前記通話品質評価データの測定状態(例えば図6に示す測定数データMND)を監視して、その監視結果に基づいて前記測定実行情報リスト(CML)を更新する測定実行情報リスト更新手段(52)と、
前記測定実行情報リスト格納手段(55)に格納された測定実行情報リスト(CML)に基づいて、前記各通話品質モニタ装置(3)間での前記通話品質評価データの測定が可能か否かを判定する、通話品質評価データ測定可否判定手段(52)とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)の測定情報送信手段(56)は、前記通話品質評価データ測定可否判定手段(52)が前記通話品質評価データを測定することが可能と判定した場合に、前記IPアドレス(GAD、LAD)を、前記通話品質評価データを測定すべき前記通話品質モニタ装置(3)に送信する、
ことを特徴として構成される。
【0014】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、アドレスリスト(CML)に示されたIPアドレス(GAD、LAD)は、IPアドレス(GAD、LAD)が変更された場合に、アドレスリスト更新手段(52)により更新されるので、上記アドレスリスト(CML)は、常に、最新のIPアドレス(GAD、LAD)を示すことが出来る。これにより、各通話端末(101、102、103、…)に対応した、最新のIPアドレス(GAD、LAD)が、IPアドレス検索手段(52)により上記アドレスリスト(CML)から検索され、測定情報送信手段(56)により通話品質モニタ装置(3)に送信されるので、各通話端末(101、102、103、…)の通話品質モニタ装置(3)は、最新のIPアドレス(GAD、LAD)を簡単に取得することが出来、通話品質評価データの測定が必要な際に、即座に測定をすることが可能となり、ネットワーク通話管理装置(50)は、音声通話の通話品質を評価するために必要な通話品質評価データを収集することが出来る。
【0015】
請求項2の発明によれば、IPアドレス検索手段(52)は、通話品質評価データの測定を行うべき他の通話端末(例えば101)のIPアドレス(GAD、LAD)を、各通話端末のスケジュール情報(例えばSCD1)に基づいて検索し、該検索されたIPアドレス(GAD、LAD)とスケジュール情報(例えばSCD1)が、測定情報送信手段(56)により、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に送信されるので、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)は、他の通話端末(例えば101)と、スケジュールに従った通話品質評価データの測定を行うことが出来る。これにより、ネットワーク通話管理装置(50)は、音声通話の通話品質を評価するために必要な通話品質評価データを、円滑に収集することが出来、音声品質が劣化する原因を容易に特定することが出来る。
【0016】
請求項3の発明によれば、スケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)を要求した通話端末(例えば103)のスケジュール情報(例えばSCD1)が、スケジュール情報検索手段(53)により検索され、該スケジュール情報(例えばSCD1)とIPアドレス(GAD、LAD)が、測定情報送信手段(56)により、スケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)を要求した通話端末(例えば103)の通話品質モニタ装置(3)に送信されるので、起動されていない通話端末(101、102、103、…)の通話品質モニタ装置(3)への送信を防止することが出来、IPアドレス(GAD、LAD)及びスケジュール情報(例えばSCD1)を、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に効率良く送信することが出来る。
【0017】
請求項4の発明によれば、現時点以降のスケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)のうち、現時点に直近のスケジュール情報(例えばSCD1)が、スケジュール情報検索手段(53)により検索されるので、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に、決められた測定日時の順番に従って、通話品質評価データを測定させることが出来る。これにより、ネットワーク通話管理装置(50)は、各通話品質モニタ装置(3)から、時系列に測定された通話品質評価データを収集することが出来、音声品質が劣化する原因を更に容易に特定することが出来る。
【0018】
請求項5の発明によれば、測定情報送信手段(56)は、通話端末(101、102、103、…)間のネットワーク通信が可能な、通話品質モニタ装置(3)に、IPアドレス(GAD、LAD)を送信するので、ネットワーク通信が不可能な通話端末(101、102、103、…)の通話品質モニタ装置(3)に、IPアドレスを送信する無駄をなくすことが出来、IPアドレス(GAD、LAD)を、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に効率良く送信することが出来る。
【0019】
請求項6の発明によれば、各通話端末(101、102、103、…)の通話品質モニタ装置(3)からのパケット(PK)を受信してから、所定時間を経過した通話端末(101、102、103、…)は、ネットワーク通信が不可能と判定することにより、通話品質評価データの測定の効率化を、容易に図ることが出来る。
【0020】
請求項7の発明によれば、測定情報送信手段(56)は、各通話端末(101、102、103、…)間での通話品質評価データの測定が可能な、通話品質モニタ装置(3)に、IPアドレス(GAD、LAD)を送信するので、通話品質評価データの測定が不可能な通話品質モニタ装置(3)に、IPアドレスを送信する無駄をなくすことが出来、IPアドレス(GAD、LAD)を、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に効率良く送信することが出来る。
【0021】
なお、括弧内の番号などは、本発明の理解を助けるために、図面における対応する要素を便宜的に示すものである。従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではなく、また、この符号の記載により本発明を解釈すべきでない。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用されるネットワーク通話の品質評価設備の一例を示す概略図、図2は、ネットワーク接続装置とこれに接続された通話端末との一例を示すブロック図、図3は、ネットワーク通話管理装置の一例を示すブロック図、図4は、識別データの送信・登録処理とスケジュール情報に基づく通話品質評価データの測定についての説明図、図5は、識別データを格納するパケットの一例を示す図、図6は、状態管理リストの一例を示す図、図7は、スケジュールリストの一例を示す図、図8は、通話端末に送信されるスケジュール情報の一例を示す図である。
【0023】
ネットワーク通話の品質評価設備1は、図1に示すように、WAN(広域ネットワーク)を構成する通信ネットワーク2を有している。このような通信ネットワーク2では、IPアドレス(インターネットプロトコルアドレス)の宛先情報に基づいて、音声情報などのデータをパケットとして送受信することが出来る。この種の通信ネットワーク2としては、例えば、ISP(インターネットプロバイダ)などの特定のネットワーク事業者が運営し、該ネットワーク事業者が許可した特定の加入者のみが使用可能なネットワークがある。
【0024】
通信ネットワーク2には、ネットワーク事業者が管理する、図示しないDHCP(Dynamic Host Configuratin Protocol)サーバなどを介して、ネットワーク通話管理装置(破線枠内)50と、ネットワーク接続装置21、22、23、24、25、26とが接続されている。DHCPサーバは、それぞれのネットワーク接続装置21、22、23、24、25、26に対して、通信ネットワーク2において唯一無二のIPアドレス(以下「グローバルアドレスGA」という。)を割り当てる、公知のDHCP機能を有している。
【0025】
また、ネットワーク接続装置21、22、23、24、25、26には、それぞれ、パケットの送受信による音声通話が可能な、多数の通話端末101、102、103、104、105、106、107が接続されている。なお、以下の説明では、特に区別の必要がないときは、通話端末101、102、103、104、105、106、107を、通話端末100と表現し、また、ネットワーク接続装置21、22、23、24、25、26を、ネットワーク接続装置20と表現する。
【0026】
通話端末101、102、103、104、105は、それぞれ、住宅11、12、13、14、15に設けられている。また、通話端末106、107は、集合住宅16に設けられており、該集合住宅16においては、通話端末106、107により、LAN(構内ネットワーク)が構築されている。
【0027】
通話端末100としては、パケットの送受信による音声通話が可能であればいずれの端末であってもよく、例えば、コンピュータやIP電話(インターネットプロトコル電話)などがある。また、コンピュータとしては、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDA(携帯情報端末)など、各種のコンピュータがある。
【0028】
ネットワーク接続装置20は、DHCPサーバと同様に、上述したDHCP機能を有しており、グローバルアドレスGAと異なるIPアドレス(以下「ローカルアドレスLA」という。)を、当該ネットワーク接続装置20に接続される(つまり下流側の)通話端末100に割り当てる。従って、ローカルアドレスLAは、グローバルアドレスGAと異なり、ネットワーク接続装置20の下流のみで使用可能なアドレスであり、集合住宅16にあっては、LANを構成する通話端末106、107を識別するために用いられる。
【0029】
この種のネットワーク接続装置20としては、例えば、ブロードバンドルータやダイヤルアップルータなどのルータがある。また、ルータだけでなく、TA(ターミナルアダプタ)や、ルータタイプのモデム、ADSL(非対称デジタル加入者線)モデムなどのモデムも含まれる。但し、割り当てられたグローバルアドレスGAをそのまま通話端末100に割り当てる、ブリッジタイプやUSB(Universal Serial Bus)タイプのモデムは含まれない。
【0030】
また、各通話端末100には、通話端末100間で重複することのない、後述する識別子IDが割り当てられており、通話端末101、102、103、104、105、106、107に対して、それぞれ、「ID101」、「ID102」、「ID103」、「ID104」、「ID105」、「ID106」、「ID107」の識別データIDDが対応している(図中カッコ内に示す)。
【0031】
図2は、ネットワーク接続装置20とそれに接続された通話端末100の一例を示すブロック図を示している。ネットワーク接続装置20は、図2中左方の破線枠内に示すように、主制御部40を有している。主制御部40には、バス線46を介して、通信ネットワーク2に接続されたパケット送受信部41、通話端末100に接続された通話端末入出力部42、アドレス変換部43、及びグローバルアドレス記録部45などを有している。
【0032】
また、通話端末100は、図2中右方の破線枠内に示すように、例えば不図示のCPUなどに、パケットの送受信による音声通話を行うことの出来る、通話プログラム(例えばソフトフォン)がインストールされており、音声処理部32として機能している。また通話端末100は、上記CPUなどに、各通話端末101、102、103、… に対応した識別データIDDを格納させ、かつ後述する通話品質評価データを測定することの出来る、測定用プログラムがインストールされており、通話品質モニタ部(一点鎖線枠内)3として機能している。
【0033】
具体的には、通話端末100は、主制御部30を有しており、主制御部30には、バス線39を介して、ネットワーク接続装置20に接続された通信制御部31、音声処理部32、アドレス記録部33、及び通話品質モニタ部3などが接続されている。また、通話品質モニタ部3には、音声品質評価演算部34、識別データ送信部35、当該通話端末101、102、103、… に割り当てられた識別データIDDを予め格納している識別データ記録部36、スケジュール照会部37、及びエンコード済データ記録部38などが設けられている。さらに、音声処理部32には、例えばマイク付ヘッドホンなどからなるヘッドセット8が接続されている。
【0034】
なお、通話端末100は、通話プログラムをインストールさせることなく、音声品質評価演算部34の機能を予め備えているIP電話(インターネットプロトコル電話)であってもよい。また、通話品質モニタ部3は、必ずしも、通話端末100の内部に設けられている必要はなく、例えば、通話品質モニタ部3の機能を有し、通話端末100と別体の通話品質モニタ装置(図示せず)を、通信ネットワーク接続装置20とDHCPサーバとの間に設けてもよい。
【0035】
図3は、ネットワーク通話管理装置50の一例を示すブロック図を示している。ネットワーク通話管理装置(破線枠内)50は、図3に示すように、主制御部51を有しており、主制御部51には、バス線60を介して、状態管理部52、スケジュール管理部53、後述するスケジュールリストSCLが予め格納されているデータメモリ55、通信ネットワーク2に接続された通信制御部56、通話品質評価データ収集部57、品質解析部58、及び表示部59などが接続されている。
【0036】
ネットワーク通話の品質評価設備1は、以上のような構成を有するので、例えば、通話端末103が、通話品質評価データを測定するには、まず、オペレータが、通話端末103と、該通話端末103に接続されるネットワーク接続装置23とを、それぞれに設けられている起動手段(図示せず)を介して起動する。ネットワーク接続装置23が起動すると、ネットワーク接続装置23のパケット送受信部41は、DHCPサーバ(図示せず)に所定信号を送信する。なお、他の通話端末101、102、104、… と、これらに接続されるネットワーク接続装置21、22、24、… とは、まだ起動されていないものとする。
【0037】
図4は、識別データIDDの送信・登録処理とスケジュール情報SCDに基づく通話品質評価データの測定についての説明図を示しており、図1に示すネットワーク通話の品質評価設備1を、通話端末101、103及びネットワーク通話管理装置50を抜き出した形で示している。なお、通話端末103のアドレス記録部33には、予め、ネットワーク通話管理装置50のグローバルアドレスデータGAD「GA50」(図4中カッコ内示す)が格納されているものとする。
【0038】
DHCPサーバは、ネットワーク接続装置23から所定信号を受信すると、上述したDHCP機能に基づいて、ネットワーク接続装置23に対して、例えば「GA103」のグローバルアドレスGAを割り当て、グローバルアドレスデータGAD「GA103」として送信する。すると、ネットワーク接続装置23のパケット送受信部41は、DHCPサーバから受信したグローバルアドレスデータGAD「GA103」(図4中右方でカッコ内に示す)を、グローバルアドレス記録部45に格納する。
【0039】
また、ネットワーク接続装置23の主制御部40は、上述したDHCP機能に基づいて、下流側の通話端末103に対して、「GA103」のグローバルアドレスGAと異なる、例えば「LA103」のローカルアドレスLAを割り当てる。そして、ネットワーク接続装置23の通話端末入出力部42は、当該ローカルアドレスLAを、ローカルアドレスデータLAD「LA103」として通話端末103に出力する。
【0040】
通話端末103の通信制御部31は、ネットワーク接続装置23からローカルアドレスデータLAD「LA103」(図4中右方でカッコ内示す)を受けると、当該ローカルアドレスデータLAD「LA103」をアドレス記録部33に格納する。なお、以下の説明では、特に区別の必要のないときは、グローバルアドレスデータGAD及びローカルアドレスデータLADを、アドレスデータGAD、LADと表現する。
【0041】
一方、通話端末103が起動すると、通話端末103の通話品質モニタ部3は、識別データIDD「ID103」の送信処理を実行するため、まず、通話品質モニタ部3の識別データ送信部35が、通話品質モニタ部3の識別データ記録部36から識別データIDD「ID103」を読み出し、通信制御部31に対して、読み出した識別データIDD「ID103」を出力すると共に、該識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを、ネットワーク通話管理装置50に送信するように指令する。
【0042】
図5は、識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKの一例を示している。パケットPKとは、通信ネットワーク2において送受信されるパケット(小包)化されたデータをいい、例えば、IPv4(インターネットプロトコルバージョン4)ではIPデータグラム、また、IPv6(インターネットプロトコルバージョン6)ではIPパケットと呼ばれる。
【0043】
このようなパケットPKは、図5に示すように、処理内容に関するデータを格納するヘッダ部HDPと、パケット化された送信すべきデータを格納するデータ部DTPとから構成されている。ヘッダ部HDPには、プロトコルの階層に応じた各種のヘッダが設けられているが、ここでは、インターネットワーク層に応じたIPヘッダ部IPPと、トランスポート層に応じたTCPヘッダ部TCPのみを示す。また、IPヘッダ部IPPには、宛先アドレス部TOP、送信元アドレス部FMPなどが設けられており、宛先アドレス部TOPには、パケットPKの宛先を示す、宛先グローバルアドレスデータGADTOが格納され、また、送信元アドレス部FMPには、パケットPKの送信元を示す、送信元グローバルアドレスデータGADFMが格納される。
【0044】
通話端末103の通信制御部31は、識別データ送信部35から上記指令を受けると、識別データ送信部35から受けた識別データIDD「ID103」を、図5に示すようにパケットPKのデータ部DTPに格納する。また、アドレス記録部33から、ネットワーク通話管理装置50のグローバルアドレスデータGAD「GA50」と、ローカルアドレスデータLAD「LA103」とを読み出す。通信制御部31は、読み出したグローバルアドレスデータGAD「GA50」を、図5に示すように、宛先グローバルアドレスデータGADTOとして、パケットPKの宛先アドレス部TOPに格納し、また、読み出したローカルアドレスデータLAD「LA103」を、パケットPKの送信元を示すアドレスとして、パケットPKのTCPヘッダ部TCPに格納すると(図示せず)、当該パケットPKをネットワーク接続装置23に出力する。
【0045】
ネットワーク接続装置23の通話端入出力部42は、通話端末103から識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを受けると、ネットワーク接続装置23のアドレス変換部43が、グローバルアドレス記録部45から、自己のグローバルアドレスデータGAD「GA103」を読み出し、パケットPKの宛先アドレス部TOPに、送信元グローバルアドレスデータGADFMとして、上記読み出したグローバルアドレスデータGAD「GA103」を格納する。
【0046】
即ち、アドレス変換部43が有する、公知のNAT(Network Address Translation)機能により、パケットPKの送信元を示すアドレスが、ローカルアドレスデータLAD「LA103」から、グローバルアドレスデータGAD「GA103」に変換されたことになる。
【0047】
こうして、アドレス変換部43は、上記パケットPKを、ネットワーク接続装置23のパケット送受信部41に出力し、パケット送受信部41は、アドレス変換部43から受けたパケットPKを、通信ネットワーク2を介してネットワーク通話管理装置50に送信する。
【0048】
図3に示すネットワーク通話管理装置50の通信制御部56が、ネットワーク接続装置23から、識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを受信すると、ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、図6に示す状態管理リストCMLについて、識別データIDD「ID103」の登録処理を実行する。
【0049】
図6は、状態管理リストCMLの一例を示す図である。状態管理リストCMLには、図6に示すように、各通信端末103、101、106、… の通信状態を示す、各種の登録データRGDが、識別データIDDについて格納されている。具体的には、登録データRGDとして、グローバルアドレスGA、ローカルアドレスLA、更新日時RT、通信可否CP、測定数MN、最大測定数XMにそれぞれ対応する、グローバルアドレスデータGAD、ローカルアドレスデータLAD、更新日時データRTD、通信可否データCPD、測定数データMND、最大測定数データXNDなどが格納されている。
【0050】
ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、まず、受信したパケットPK(図5参照)のデータ部DTP、送信元アドレス部FMP、及びTCPヘッダ部TCPから、それぞれ、識別データIDD「ID103」、送信元グローバルアドレスデータGADFM「GA103」、及びローカルアドレスデータLAD「LA103」(図示せず)を読み出す。そして、識別データIDD「ID103」について、図6に示すように、グローバルアドレスデータGAD「GA103」、及びローカルアドレスデータLAD「LA103」を格納し、当該状態管理リストCMLを、ネットワーク通話管理装置50のデータメモリ55に格納する。
【0051】
また、他の通信端末101、102、104、… と、これらに接続されるネットワーク接続装置21、22、24、… とが、それぞれ起動すると、各ネットワーク接続装置21、22、24、… は、DHCPサーバから、グローバルアドレスデータGAD「GA101」、「GA102」、「GA104」が…送信されると共に、各ネットワーク接続装置21、22、24、…は、下流の通話端末101、102、104、… に対して、ローカルアドレスデータLAD「LA101」、「LA102」、「LA104」… を出力する。
【0052】
そして、各通話端末101、102、104、… において、上述と同様な識別データIDDの送信処理が実行されるので、ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、各識別データIDDについて、送信されるパケットPKに格納された上記アドレスデータGAD、LADを、データメモリ55に格納された状態管理リストCMLに格納していく。これにより、状態管理リストCMLは、現在起動されている、各通話端末101、102、103、104、…に対応したアドレスデータGAD、LADのリストを構成することになる。なお、状態管理リストCML中の、更新日時RT、通信可否CP、測定数MN、最大測定数XNについては、後述する。
【0053】
一方、通話端末103側では、上述した識別データIDDの送信処理を定期的に実行するため、通話品質モニタ部3の識別データ送信部35が、通話端末103に設けられているクロック(図示せず)により、所定時間(例えば5秒)毎に、上述と同様に、識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを、ネットワーク通話管理装置50に送信する。
【0054】
ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを、再び受信すると、該パケットPKから、同様に、識別データIDD、送信元グローバルアドレスデータGADFM、及びローカルアドレスデータLADを読み出す。この際、例えばネットワーク接続装置23の電源が一旦落とされたために、当該ネットワーク接続装置23が、DHCPサーバから異なる(「GA103」以外の)グローバルアドレスGAが割り当てられ、送信元グローバルアドレスデータGADFMが(例えば「GA103’」に)変更されている場合には、状態管理部52は、状態管理リストCMLに格納されているグローバルアドレスデータGAD「GA103」を、変更された送信元グローバルアドレスデータGADFM「GA103’」に書き替えた形で、状態管理リストCMLを更新する。
【0055】
また、他の通信端末101、102、104、…についても、各通話品質モニタ部3の識別データ送信部35が、定期的に各識別データIDDの送信処理を実行する。これにより、各通話端末101、102、104、…から、識別データIDDが定期的に送信され、送信される各パケットPKに格納された送信元グローバルアドレスデータGADFMが変更されている場合には、該変更された送信元グローバルアドレスデータGADFMに基づいて、状態管理リストCMLが更新されるので、状態管理リストCMLには、常に、最新のアドレスデータGAD、LADが格納されることになる。
【0056】
このように、状態管理リストCMLには、最新のアドレスデータGAD、LADが、グローバルアドレスGAのように変化することのない識別データIDDで管理されているので、測定地点となる通話端末100に対応する識別データIDDに基づいて、最新のアドレスデータGAD、LADを、通話品質評価データを測定すべき別の通話端末100の通話品質モニタ部3に送信するようにすることが出来る。
【0057】
例えば、音声品質が劣化した通話端末100の通話品質モニタ部3が、通話品質評価データを測定する際や、各通話端末100の通話品質モニタ部3が、予め決められたスケジュールに従った通話品質評価データを測定する際に、当該通話端末100側から、測定地点となる別の通話端末100に対応する最新のアドレスデータGAD、LADを簡単に照会できるようにすることが出来る。これにより、最新のアドレスデータGAD、LADを、わざわざDNSサーバに問い合わせることなく、通話品質評価データの測定が必要な場合に、即座に測定するようにすることが出来る。
【0058】
なお、状態管理リストCMLは、必ずしもローカルアドレスデータLADを格納する必要はない。例えば、図1に示す住宅11、12、…、15に設けられた通話端末101、102、…、105のように、ネットワーク接続装置20に接続される通話端末100が1つだけの場合は、ネットワーク接続装置20の下流側にある通話端末100を識別する必要がないので、状態管理リストCMLは、ローカルアドレスデータLADを格納する必要はない。
【0059】
また、例えば、図1に示す集合住宅16のように、ネットワーク接続装置26の下流に複数の通話端末106、107が設けられている場合であっても、例えば、通話品質モニタ部3を通話端末106、107の内部に設けることなく、通話端末106、107と別体の通話品質モニタ装置(図示せず)を、DHCPサーバとネットワーク接続装置26との間に設ける場合には、ネットワーク接続装置26は、下流の通話端末106、107を識別する必要がないので、同様に、状態管理リストCMLは、通話端末106、107のローカルアドレスデータLADを格納する必要はない。
【0060】
更に、各通話端末100側から、識別データIDDを定期的にネットワーク通話管理装置50に送信する例を示したが、識別データIDDを送信する間隔は、必ずしも定期的である必要はなく、不規則であってもよい。不規則であっても比較的短い間隔で識別データIDDを送信することにより、上述と同様に、最新のグローバスアドレスデータGADを、状態管理リストCMLに格納することが出来る。
【0061】
こうして、状態管理リストCMLに最新のアドレスデータGAD、LADが格納されている状態で、例えば、通話端末103の通話品質モニタ部3が、後述するスケジュール情報SCDに基づいて通話品質評価データを測定する場合、まず、通話品質モニタ部3のスケジュール照会部37が、識別データ記録部36から識別データIDD「ID103」を読み出す。
【0062】
スケジュール照会部37は、読み出した識別データIDD「ID103」を通信制御部31に出力し、識別データIDD「ID103」に対応する、現時点以降のスケジュール情報SCDのうち、現時点に直近のスケジュール情報SCD(後述)を照会する旨の所定信号を、ネットワーク通話管理装置50に出力するように指令する。
【0063】
通信制御部31は、識別データ記録部36から受けた識別データIDD「ID103」と、上記スケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号とを、図5に示すパケットPKのデータ部DTPに格納する。また、アドレス記録部33から、ネットワーク通話管理装置50のグローバルアドレスデータGAD「GA50」と、ローカルアドレスデータLAD「LA103」とを読み出し、それぞれ、パケットPKの宛先アドレス部TOP及びTCPヘッダ部TCPに格納して、該パケットPKをネットワーク接続装置23に出力する。これを受けてネットワーク接続装置23のアドレス変換部43は、グローバルアドレス記録部45から、自己のグローバルアドレスデータGAD「GA103」を読み出し、該グローバルアドレスデータGAD「GA103」を、グローバルアドレスデータGADFMとして送信元アドレス部FMPに格納したパケットPKを、パケット送受信部41を介して、ネットワーク通話管理装置50に送信する。
【0064】
ネットワーク通話管理装置50の通信制御部56は、ネットワーク接続装置23から上記スケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号が格納された、パケットPKを受信すると、ネットワーク通話管理装置50のスケジュール管理部53は、上記パケットPKのデータ部DTPに格納された識別データIDD「ID103」に対応する、現時点に直近のスケジュール情報SCDを、図7に示すスケジュールリストSCLから検索する。
【0065】
図7は、スケジュールリストSCLの一例を示している。スケジュールリストSCLには、図7に示すように、各通話端末103、106、… に対応する識別子IDについて、通話品質評価データの測定に関するスケジュール情報SCDが格納されている。
【0066】
具体的には、スケジュールリストSCLには、識別データ「ID103」、「ID105」、…について、複数のスケジュール情報SCD1、SCD2、…(破線枠内)が格納されている。各スケジュール情報SCD1、SCD2、… には、従識別子SI、測定日時MT、測定条件MCにそれぞれ対応する、従識別データSID、測定日時データMTD、測定条件データMCDが格納されている。従識別データSIDは、測定地点とされる他の通話端末101、102、…に対応した識別データIDDを示している。測定日時データMTDは、通話品質評価データを測定すべき日時を示している。測定条件データMCDは、通話品質評価データの測定条件を示している。
【0067】
このようなスケジュールリストSCLは、例えば、ネットワーク通話管理装置50により通話品質を管理するネットワーク管理者が、各通話端末100について、測定地点とされる他の通話端末、測定日時、測定条件などの通話品質評価データの測定に関するスケジュールを予め組んでおくことより、ネットワーク通話管理装置50のデータメモリ55に格納されて準備されている。
【0068】
ネットワーク接続装置23からスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を受けたスケジュール管理部53は、受信したパケットPKのデータ部DTPから、識別データIDD「ID103」を読み出す。そして、読み出した識別データIDD「ID103」に対応した、現時点以降のスケジュール情報SCDのうち、スケジュール管理部53が上記パケットPKを受信した時点に直近のスケジュール情報SCDを、スケジュールリストSCLから検索する。
【0069】
例えば、スケジュール管理部53がパケットPKを受信した時点が、「YY年MM月DD日、H時M分00秒」とすると、識別データIDD「ID103」に対応した、現時点以降のスケジュール情報SCDは、図7に示すように、測定日時データMTDが「YY/MM/DD、H:M:10」(「YY年MM月DD日、H時M分10秒」)である、スケジュール情報SCD1と、測定日時データMTDが「YY/MM/DD、H:M:30」(「YY年MM月DD日、H時M分30秒」)である、SCD3とである。このうち、パケットPKを受信した時点に直近のスケジュール情報SCDは、SCD1なので、スケジュール管理部53は、スケジュール情報SCD1を読み出す。
【0070】
なお、スケジュール情報SCDの検索条件は、必ずしも、上述したような条件である必要はない。例えば、スケジュール情報SCDを、測定日時データMTDの時間的な順番に基づいて検索することも可能であり、スケジュール管理部53がパケットPKを受信した時点が、「YY/MM/DD、H:M:20」の場合、図7に示すスケジュール情報SCD1は、現時点以前のスケジュール情報SCDとなるが、測定日時データMTDの時間的な順番に基づいて、他のスケジュール情報SCDに優先されて検索されることになる。
【0071】
スケジュール管理部53が、スケジュール情報SCD1を検索すると、データメモリ55から、図6に示す状態管理リストCMLを読み出し、スケジュール情報SCD1の従識別データSID「ID101」(図7参照)に一致する、識別データIDD「ID101」に対応したグローバルアドレスデータGADを、状態管理リストCMLから検索する。状態管理リストCMLの識別データIDD「ID101」に対応するグローバルアドレスデータGADは、図6に示すように「GA101」なので、スケジュール管理部53は、グローバルアドレスデータGAD「GA101」を読み出す。
【0072】
スケジュール管理部53は、グローバルアドレスデータGADを読み出すと、スケジュール情報SCD1及びグローバルアドレスデータGAD「GA101」を通信制御部56に出力し、これらのデータSCD1、GADを通話端末103に返信するように指令する。これを受けて通信制御部56は、グローバルアドレスデータGAD「GA101」を格納したスケジュール情報SCD1を、通話端末103に返信すると共に、当該スケジュール情報SCD1に基づいて、通話品質評価データを測定するように指令する。
【0073】
図8は、通話端末103に送信されるスケジュール情報SCD1の一例を示している。送信されるスケジュール情報SCD1は、図8に示すように、図中上方から、通話端末103の識別データIDD「ID103」、該識別データIDDに対応するグローバルアドレスデータGAD「GA103」、従識別データSID「ID101」、該従識別データSIDに対応するグローバルアドレスデータGAD「GA101」、測定日時データMTD「開始時間」、測定条件データMCD「条件」などが格納されている。
【0074】
なお、図8に示すスケジュール情報SCD1には、識別データIDDに対応するグローバルアドレスデータGAD「GA103」が格納されているが、当該グローバルアドレスデータGADは格納されていなくてもよい。また、図中、測定日時データMTDとして「開始時間」、測定条件データMCDとして「条件」と示しているが、実際には、測定日時データMTDには、図7で示した測定日時データMTDのように、具体的な日時が示され、また、測定条件データMCDには、図7で示した測定条件データMCDのように、予め各通話品質モニタ部3に準備されている測定条件のうち、いずれかを選択する記号(例えば「A」や「B」)などが示される。
【0075】
通話端末103の通信制御部31は、ネットワーク通話管理装置50から、グローバルアドレスデータGAD「GA101」が格納されたスケジュール情報SCD1と、通話品質評価データを測定する指令とを、ネットワーク接続装置23を介して受信すると、通話品質モニタ部3の音質品質評価演算部34は、受信したスケジュール情報SCD1に基づいて、通話品質評価データの測定処理を実行する。
【0076】
通話品質モニタ部3の音質品質評価演算部34は、現在の日時が、スケジュール情報SCD1の測定日時データMTD「開始時間」に達した際に、まず、スケジュール情報SCD1に格納されたグローバルアドレスデータGAD「GA101」を、宛先グローバルアドレスデータGADTOとして、パケットPKの宛先パケット部TOP(図4参照)に格納する。また、スケジュール情報SCD1の測定条件データMCD「条件」を、上記パケットPKのデータ部DTPに格納する。そして、音質品質評価演算部34は、該パケットPKを、通信制御部31を介してネットワーク接続装置23に出力する。
【0077】
ネットワーク接続装置23の通話端入出力部42は、上記パケットPKを受けると、アドレス変換部43が、上述と同様に、パケットPKの送信元パケット部FMPに、自己のグローバルアドレスデータGAD「GA103」を、送信元グローバルアドレスデータGADFMとして格納し、パケット送受信部41は、当該パケットPKを通話端末101のネットワーク接続装置21に送信する。
【0078】
通話端末101のネットワーク接続装置21は、図4に示すように、グローバルアドレスデータGAD「GA101」が割り当てられているので、ネットワーク接続装置21のパケット送受信部41は、通信ネットワーク2を流れる多数のパケットPKの送信元パケット部FMPに格納された送信元グローバルアドレスデータGADFMに基づいて、ネットワーク接続装置23が送信したパケットPKを識別して、取り込む。
【0079】
ネットワーク接続装置21のパケット送受信部41は、取り込んだパケットPKを、通話端入出力部42を介して通話端末101に出力する。すると、通話端末101の通信制御部31は、当該パケットPKを通話端末101における通話品質モニタ部3の音声品質評価演算部34に出力し、これを受けた音声品質評価演算部34は、パケットPKのデータ部DTPに格納されている、測定条件データMCD「条件」に基づいて所定のデータを測定し、測定した所定のデータを通話端末103に返信する。
【0080】
こうして、通話端末103の音声品質評価演算部34は、通話端末101、103間で通信を行い、通話端末101を測定地点とする通話品質評価データを測定する。
【0081】
通話品質評価データとしては、例えば、パケットPKの到達遅れ、到達時間の揺らぎ(ジッタ)、パケットPKの消失、遅延、往復遅延時間、客観的音質評価に関するデータ、又はそれらからそれぞれ演算される通話品質評価値や客観的音質評価値があり、音声品質評価演算部34は、これらを通話品質パラメータ毎に生データを取得し、その取得された生データから重み付けやテーブルなどで、その時点の通話品質評価データを測定する。往復遅延時間は、送信側の通話端末103と受信側の通話端末101との間で計測する。また、客観的音質評価値を測定する際は、通話端末103の音声品質評価演算部34が、通話端末103における通話品質モニタ部3のエンコード済データ記録部38から、エンコード済データを読み出し、該エンコード済データを通話端末101に送信し、通話端末101、103間で所定のデータをやり取りすることにより、客観的音質評価値を演算するためのデータを得る。
【0082】
こうして、通話端末103の音声品質評価演算部34は、通話品質パラメータ毎に取得した生データから通話品質評価値を演算することにより、また、客観的音質評価値を演算することにより、通話品質評価データを取得すると、通信制御部31は、取得した通話品質評データを、ネットワーク接続装置23を介して、図3に示すネットワーク通話管理装置50に送信し、これにより、スケジュール情報SCD1に基づく通話品質評データの測定が終了する。
【0083】
スケジュール情報SCD1に基づく通話品質評価データの測定が終了すると、通話端末103側は、これに続くスケジュールに従って通話品質評価データを測定するために、通話端末103のスケジュール照会部37は、上述と同様な、現時点に直近のスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を格納したパケットPKを、所定時間(例えば20秒)毎にネットワーク接続装置23を介してネットワーク接続装置50に送信する。
【0084】
すると、ネットワーク通話管理装置50のスケジュール管理部53は、上述したように、スケジュール管理部53が上記パケットPKを受信した時点に直近のスケジュール情報SCDを、図7に示すスケジュールリストSCLから検索する。スケジュール情報SCD1に続くスケジュール情報は、図7に示すようにSCD3なので、直近のスケジュール情報SCDとして、スケジュール情報SCD3を読み出す。
【0085】
スケジュール管理部53は、図6に示す状態管理リストCMLから、上記スケジュール情報SCD3の従識別データSID「ID101」(図7参照)に一致する、識別データIDD「ID101」に対応するグローバルアドレスデータGAD「GA101」を読み出す。そして、ネットワーク接続装置50の通信制御部56は、グローバルアドレスデータGAD「GA101」を格納した、スケジュール情報SCD3を通話端末103に返信すると共に、当該スケジュール情報SCD3に基づく通話品質評価データを測定するように指令する。これを受けて通話端末103の音声品質評価演算部34は、再び、上述と同様に、通話端末101を測定地点とする通話品質評価データを測定する。
【0086】
また、他の通信端末101、102、104、… についても、各通話品質モニタ部3のスケジュール照会部37が、現時点に直近のスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を格納したパケットPKを、所定時間毎にネットワーク通話管理装置50に送信するので、各通信端末101、102、104、… における各通話品質モニタ部3の音声品質評価演算部34は、それぞれ、通話品質評価データを測定し、各通信制御部31は、測定した通話品質評価データを、ネットワーク接続装置21、22、24、… を介してネットワーク通話管理装置50に送信する。
【0087】
こうして、ネットワーク通話管理装置50の通話品質評価データ収集部57は、各通信端末101、102、103、… から通話品質評価データを受信すると、受信した通話品質評価データを、データメモリ55に格納していく。そして、ある時点の通信ネットワーク2に接続された全ての(あるいは特定の)通話端末100から、通話品質評価データの収集が完了したところで、ネットワーク通話管理装置50の品質解析部58は、それらの通話品質評価データから、所定の評価基準に基づいて、その時点における通信ネットワーク2全体の通話品質を評価してネットワーク通話品質評価値を求め、該求められたネットワーク通話品質評価値を、表示部59に表示する。これにより、ネットワーク管理者は、表示部59に表示されたネットワーク通話品質評価値により、音声品質の劣化を直ちに認識することが出来る。
【0088】
以上のように、本発明に係るネットワーク通話の品質評価設備1は、状態管理リストCMLにより、通話品質評価データの測定に必要な最新のグローバルアドレスGAを簡単に知ることが出来るので、スケジュールに従った通話品質評価データの測定を円滑に実行することが出来る。これにより、ネットワーク通話管理装置50は、ネットワーク通話品質評価値を求めるために必要な通話品質評価データを収集することが出来、音声品質が劣化する原因を容易に特定することが可能となり、通話端末100のオペレータは、ヘッドセット8を介して良好な音質の音声通話を行うことが出来る。
【0089】
また、上記スケジュールは、ネットワーク管理者が予め決めることが出来るので、特に音声品質が劣化し易い、通信ネットワークが混雑する時間、地域などに応じて、スケジュールを組むことにより、音声品質が劣化する原因を効率良く特定することが出来る。また、識別データIDDは、通話品質評価データを測定する通話端末だけを識別できればよいので、IPアドレスのように複雑な構成にする必要がなく、簡単な番号や記号で構成することが出来るので、識別データIDDの取り扱いが容易となり、ネットワーク管理者は、スケジュールの構築や追加を容易に行うことが出来る。
【0090】
更に、ネットワーク通話管理装置50は、通話端末100側がスケジュール情報SCDを照会する形で、スケジュール情報SCDを送信するので、起動されていない通話端末100にスケジュール情報を送信することがなくなり、スケジュール情報SCDの送信処理について無駄を省くことが出来る。
【0091】
なお、上述した実施の形態において、各通話端末100側から、スケジュール情報SIDを照会する旨の所定信号を定期的にネットワーク通話管理装置50に送信する例を示したが、該所定信号を送信する間隔は、必ずしも定期的である必要はなく、不規則であってもよい。不規則であっても比較的短い間隔で上記所定信号を送信することにより、上述と同様に、スケジュールに従った通話品質評価データの測定を円滑に実行することが出来る。
【0092】
また、上述した実施の形態において、ネットワーク通話管理装置50は、現時点に直近のスケジュール情報SCDのみを通話端末100に送信する例を示したが、現時点から所定期間までのスケジュール情報SCDをまとめて送信することも可能である。但し、上記所定期間を過剰に長く設定すると、スケジュール情報SCDを送信したにもかかわらず、通話端末100が通話品質評価データを測定することが出来ない状態になっている場合があるので、上記所定期間を比較的短く設定することが望ましい。
【0093】
更に、上述した実施の形態において、ネットワーク通話管理装置50は、通話端末100側からのスケジュール情報SCDの照会に応じて、対応するスケジュール情報SCDを送信する例を示したが、常に、対応するスケジュール情報SCDを送信することなく、例えば、ネットワーク通話管理装置50が各通話端末100間におけるネットワーク通信の状態(例えば、通信制御部31の制御状態や通信ネットワーク2自体の接続状態など)を監視し、その状態に応じてスケジュール情報SCDを送信するようにしてもよい。以下に、ネットワーク通話管理装置50がネットワーク通信の状態に応じてスケジュール情報SCDを送信する一例について、説明する。
【0094】
図6に示す状態管理リストCMLには、既にに述べたように、各識別データIDDに対応して、更新日時RT、通信可否CPとして、更新日時データRTD、通信可否データCPDが格納されている。ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、送信元グローバルアドレスデータGADFMが変更された場合に、グローバルアドレスデータGADを書き替えた日時を、対応する識別データIDDの更新日時データRTDとして格納する。
【0095】
例えば、状態管理部52は、図6に示すように、識別データID103のグローバルアドレスデータGADを、「YY年MM月20日、10時10分00秒」の時点で書き替えると、識別データID103について、その時点の日時を示す更新日時データRTD「YY/MM/20、10:10:00」を、状態管理リストCMLに格納し、同時に、通信が可能であることを意味する通信可否データCPD「可」を、状態管理リストCMLに格納することにより、当該状態管理リストCMLを更新する。
【0096】
そして、状態管理部52は、ネットワーク通話管理装置50に設けられているクロック(図示せず)により、識別データID103、ID101、ID106、…毎に、それぞれの更新日時データRTDが示す日時から、経過時間を計数し、所定時間(例えば1時間)が経過したか否かを判定する。
【0097】
状態管理部52は、所定時間が経過していないと判定した場合、通信可否データCPDを書き替えることなく、状態管理リストCMLをそのまま維持する。一方、所定時間が経過したと判定した場合、対応する識別データIDDの通信可否データCPDを「可」から、「不可」に書き替えて、状態管理リストCMLを更新する。例えば、識別データIDD「ID102」の更新日時データRTD「YY/MM/19、23:10:00」が示す日時から、所定時間が経過したと判定した場合、状態管理部52は、図6に示すように、更新日時データRTD「可」を「不可」に書き替えることにより、状態管理リストCMLが更新する。
【0098】
この状態で、ネットワーク通話管理装置50が、例えば通信端末106から、スケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を受信し、スケジュール管理部53が、図7に示すスケジュールリストSCLから、識別データIDD「ID106」に対応したスケジュール情報SCDのうち、スケジュール情報SCD5を読み出したとする。すると、スケジュール管理部53は、図6に示す状態管理リストCMLから、読み出したスケジュール情報SCD5の従識別データSID「ID102」に一致する、識別データ「ID102」対応した通信可否データCPDを読み出す。
【0099】
識別データIDD「ID102」に対応する通信可否データCPDは、上述したように、「不可」に書き替えられているので、スケジュール管理部53は、上記読み出したスケジュール情報SCD5を、通信制御部56に出力することなく、通信制御部56は、スケジュール情報SCD5を通話端末106に送信しない。通信端末106側では、ネットワーク通話管理装置50から、スケジュール情報SCDが送信されないので、通話品質評価データを測定することなく、その後の処理を実行する。
【0100】
このように、ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52が、各通話端末100間におけるネットワーク通信の状態を監視することにより、例えば、測定地点となる通話端末100側の電源が落とされているために、当該通話端末100との通信を失敗して初めて通話品質評価データを測定することが出来ないことを認識するような、測定の無駄を省くことが出来、通話品質評価データを効率良く測定することが出来る。
【0101】
また、通信可否データCPDが示す各通話端末100の通信状態に応じてスケジュール情報SCDを送信するだけでなく、例えば、通話品質モニタ部3による通話品質評価データの測定の実行状況を監視することにより、各通話端末100が測定可能な通話端末100の端末数に応じて、スケジュール情報SCDを送信することも可能である。
【0102】
すなわち、図6に示す状態管理リストCMLには、既にに述べたように、各識別データIDDに対応して、測定数MN、最大測定数XNとして、測定数データMND、最大測定数データXNDが格納されている。測定数データMNDは、通話端末100が現在、通話品質評価データを測定するために通信している端末数を示している。また、最大測定数データXNDは、通話端末100が通話品質評価データを測定するために同時に通信することの出来る最大の端末数を示している。
【0103】
なお、最大測定数データXNDは、各通話品質モニタ部3や通話端末100の仕様などにより、予め決まっているので、図6に示す最大測定数データXNDが格納された状態管理リストCMLは、ネットワーク管理者により、予めデータメモリ55に格納されているものとする。
【0104】
例えば、通話端末103が、現在、通話品質評価データを測定するために、通話端末101、104と通信している場合、通話端末103は、現在通信している端末数「2」を測定数MNとして、ネットワーク通話管理装置50に送信する。これを受けてネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、状態管理リストCMLの識別データIDD「ID103」に対応する測定数データMNDとして、図6に示すように、「2」を格納する。
【0105】
この状態で、ネットワーク通話管理装置50が、例えば、通話端末105から、現時点に直近のスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号が受信すると、スケジュール管理部53は、図7に示すスケジュールリストSCLから、スケジュール管理部53が上記パケットPKを受信した時点に直近のスケジュール情報SCDとして、スケジュール情報SCD2を読み出す。
【0106】
そして、スケジュール管理部53は、データメモリ55から図6に示す状態管理リストCMLを読み出す。状態管理リストCMLでは、図6に示すように、スケジュール情報SCD2の従識別データSID「ID103」と一致する識別データIDD「ID103」に対応する通信可否データCPDは、「可」となっているが、測定数データMND「2」が、最大測定数データXND「2」に達しているので(つまり、通話端末103は通話品質評価データをこれ以上測定することが出来ないので)、スケジュール管理部53は、上記読み出したスケジュール情報SCD2を、通信制御部56に出力することなく、通信制御部56は、スケジュール情報データSCD2を通話端末105に送信しない。
【0107】
一方、通話端末105は、現時点に直近のスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を定期的に送信するので、通話端末105が当該所定信号を再度送信した際に、例えば通話端末103と通話端末101との通信が終了していたため、状態管理リストCMLが測定数データMNDを「1」として更新されている場合は、測定数データMND「1」が、最大測定数データXND「2」に達していないので(つまり、通話端末103は通話品質評価データを測定することが出来るので)、スケジュール管理部53は、上記読み出したスケジュール情報SCD2を、通信制御部56に出力して、通信制御部56は、スケジュール情報データSCD2を通話端末105に送信する。
【0108】
このように、ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52が、各通話端末100が現在通話品質評価データを測定するために通信している通話端末100の端末数を監視することにより、測定地点となる通話端末100が、通信が可能であるが通話品質評価データを測定できない場合に、当該通話端末100との通信を失敗して初めて通話品質評価データを測定することが出来ないことを認識するような、測定の無駄を省くことが出来る。また、通話端末100からスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を定期的に送信しているので、通話品質評価データの測定が可能になった際に、直ちに通話品質評価データを測定することが出来る。これにより、通話品質評価データを更に効率良く測定することが出来る。
【0109】
なお、上述した実施の形態において、ネットワーク接続装置20に割り当てられるグローバルアドレスが動的アドレス(ネットワーク接続装置の電源を入れるたびに変更されるIPアドレス)である場合について説明したが、必ずしも動的アドレスである必要はなく、静的アドレス(ネットワーク事業者との契約により割り当てられる固定のIPアドレス)であっても、本発明を適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されるネットワーク通話の品質評価設備の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、ネットワーク接続装置とこれに接続された通話端末との一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、ネットワーク通話管理装置の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、識別データの送信・登録処理とスケジュール情報に基づく通話品質評価データの測定についての説明図である。
【図5】図5は、識別データを格納するパケットの一例を示す図である。
【図6】図6は、状態管理リストの一例を示す図である。
【図7】図7は、スケジュールリストの一例を示す図である。
【図8】図8は、通話端末に送信されるスケジュール情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
1……ネットワーク通話の品質評価設備
2……通信ネットワーク
3……通話品質モニタ装置(通話品質モニタ部)
101、102、103、… ……通話端末
21、22、23、… ……ネットワーク接続装置
34……通話品質評価データ測定手段(通話品質モニタ部の音声品質評価演算部)
35……識別子送信手段(通話品質モニタ部の識別データ送信部)
36……通話端末識別子格納手段(通話品質モニタ部の識別データ記録部)
37……スケジュール情報照会手段(通話品質モニタ部のスケジュール照会部)
50……ネットワーク通話管理装置
52……IPアドレス変更判定手段、アドレスリスト更新手段、IPアドレス検索手段、通信可否情報リスト更新手段、通信可否判定手段、測定実行情報リスト更新手段、通話品質評価データ測定可否判定手段(ネットワーク通話管理装置の状態管理部)
53……スケジュール情報検索手段、通話品質評価データ測定指令手段(ネットワーク通話管理装置のスケジュール管理部)
55……アドレスリスト生成格納手段、スケジュールリスト格納手段、通信可否情報リスト格納手段、測定実行情報リスト格納手段(ネットワーク通話管理装置のデータメモリ)
56……測定情報送信手段(ネットワーク通話管理装置の通信制御部)
57……通話品質評価手段(ネットワーク通話管理装置の通話品質評価データ収集部)
58……通話品質評価手段(ネットワーク通話管理装置の品質解析部)
CML……アドレスリスト、通信可否情報リスト、測定実行情報リスト(状態管理リスト)
CPD……通信可否情報(通信可否データ)
GAD……IPアドレス(グローバルアドレスデータ)
IDD……通話端末識別子(識別データ)
LAD……IPアドレス(ローカルアドレスデータ)
MTD……測定日時に関するデータ(測定日時データ)
PK……パケット
SCD1、SCD2、SCD3、… ……スケジュール情報
SCL……スケジュールリスト
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケットの送受信により行われる音声通話の通話品質を評価することの出来る、ネットワーク通話の品質評価設備に係り、詳しくは、複数の通話端末がそれぞれネットワーク接続装置を介して通信ネットワークに接続される場合であっても、測定地点となる通話端末のIPアドレスを簡単に知ることが出来、通話品質評価データの測定が必要な際に、即座に測定をすることが出来る、ネットワーク通話の品質評価設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のネットワーク通話の品質評価設備としては、VoIP(Voice over Internet Protocol)ネットワークを介して行われる通話品質について、例えば、パケットの遅延、ジッタ(到達時間の揺らぎ)、伝送途中での消失などの、通話品質評価データを測定することの出来る、ネットワーク通話の品質評価設備が提案されている。このようなネットワーク通話の品質評価設備は、通信ネットワークに接続された通話端末同士のIPアドレスにより互いにパケットを送受信し、通話品質評価データを測定することにより、音声品質が劣化する原因を、測定した通話品質評価データに基づいて特定することが出来る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、ISP(インターネットプロバイダ)などのネットワーク事業者を介した、ADSL(非対称デジタル加入者線)などによるネットワーク通信のブロードバンド化の進展に伴い、通話端末は、ブロードバンドルータやADSLモデムなどの、ネットワーク接続装置を介して通信ネットワークに接続されており、ネットワーク事業者から、通話端末ではなくネットワーク接続装置に対してIPアドレス(グローバルIPアドレス)が割り当てられるようになっている。このようなネットワーク接続装置には、ネットワーク事業者から割り当てられたIPアドレスとは異なる、所定のアドレス(ローカルIPアドレス)を、下流側の通話端末に割り当てる、DHCP(Dynamic Host Configuratin Protocol)機能が設けられている。
【0004】
このようなネットワーク環境下において、上述したネットワーク通話の品質評価設備により通話品質評価データを測定する場合、上記グローバルIPアドレスにより通話端末の測定地点を特定するために、そのグローバルIPアドレスを、DNS(ドメインネームシステム)サーバに問い合わせる必要がある。しかし、DNSは規模が大きいため、グローバルIPアドレスの検索に時間を要し、通話品質評価データの測定が必要な際に、即座に測定をすることが出来ない不都合があった。また、グローバルIPアドレスが通知されたとしても、DNSでは、測定地点とされる通話端末が通信ネットワークに接続されているどうか分からないため、通話品質評価データの測定が無駄となる場合があった。
【0005】
また、グローバルIPアドレスが、動的アドレスである場合、ネットワーク接続装置の電源を入れるたびに変更されるため、通話品質評価データを測定する際に、いちいち最新のグローバルIPアドレスをDNSサーバに問い合わせなければならない不都合があった。しかも、電源が落ちている際に上記DNSサーバに問い合わせると、古いグローバルIPアドレスが通知されてしまい、また、IPアドレスが新たに割り当てられたとしても、DNSへの更新に時間が掛かる場合があるため、IPアドレスの検索に更に時間を要する場合があった。
【0006】
本発明は、上記した事情を鑑み、通話端末と通信ネットワークとの間にネットワーク接続装置が介在する場合であっても、測定地点となる通話端末のIPアドレスを簡単に取得することが出来、これにより通話品質評価データの測定が必要な場合に、即座に測定することが出来る、ネットワーク通話の品質評価設備を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の通話端末(101、102、103、…)が、それぞれ、ネットワーク接続装置(21、22、23、…)を介して通信ネットワーク(2)に接続され、前記複数の通話端末(101、102、103、…)間で、前記通話端末(101、102、103、…)相互のIPアドレス(GAD、LAD)が格納されたパケット(PK)を前記通信ネットワーク(2)を介して送受信することの出来る、ネットワーク通信において、前記パケット(PK)の送受信により行われる音声通話の通話品質を評価する、ネットワーク通話の品質評価設備(1)であって、
前記通信ネットワーク(2)に接続されたネットワーク通話管理装置(50)を設け、
前記複数の通話端末(101、102、103、…)にそれぞれ通話品質モニタ装置(3)を設け、
前記通話品質モニタ装置(3)は、
通話品質モニタ装置(3)が設けられた通話端末(101、102、103、…)間で前記パケット(PK)の送受信により行われる音声通話に関する通話品質評価データ(例えば、パケットの到達遅れ、ジッタ、パケットの消失、遅延、往復遅延時間、客観的音質評価に関するデータ、又はそれらからそれぞれ演算される通話品質評価値や客観的音質評価値)を測定する、通話品質評価データ測定手段(34)と、
当該通話品質モニタ装置(3)が設けられた通話端末(101、102、103、…)を識別することの出来る通話端末識別子(IDD)を格納する、通話端末識別子格納手段(36)と、
前記通話端末識別子(IDD)を、前記IPアドレス(GAD、LAD)が格納されたパケット(PK)に格納し前記ネットワーク通話管理装置(50)に送信することの出来る、識別子送信手段(35)とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)は、
前記通話品質モニタ装置(3)から送信されてくる前記パケット(PK)に格納された前記IPアドレス(GAD、LAD)に基づいて、各通話端末(101、102、103、…)のIPアドレス(GAD、LAD)を示すアドレスリスト(CML)を生成・格納するアドレスリスト生成格納手段(55)と、
前記通話品質モニタ装置(3)から送信されてくる前記パケット(PK)に格納された前記IPアドレス(GAD、LAD)に基づいて、前記各通話端末(101、102、103、…)のIPアドレス(GAD、LAD)が変更されたか否かを判定する、IPアドレス変更判定手段(52)と、
前記IPアドレス変更判定手段(52)が、前記各通話端末(101、102、103、…)のIPアドレス(GAD、LAD)が変更されたと判定した場合に、前記アドレスリスト(CML)に示された当該通話端末(101、102、103、…)のIPアドレス(GAD、LAD)を更新する、アドレスリスト更新手段(52)と、
前記アドレスリスト(CML)から前記各通話端末(101、102、103、…)に対応した前記IPアドレス(GAD、LAD)を前記アドレスリスト(CML)から検索する、IPアドレス検索手段(52)と、
前記IPアドレス検索手段(52)が検索したIPアドレス(GAD、LAD)を前記通話品質モニタ装置(3)に送信する、測定情報送信手段(56)と、
各前記通話品質モニタ装置(3)が測定した通話品質評価データを収集し、該収集した通話品質評価データに基づいて前記音声通話の通話品質を評価する、通話品質評価手段(57、58)と、
を有することを特徴として構成される。
【0008】
請求項2の発明は、前記ネットワーク通話管理装置(50)は、
前記通話品質評価データの測定に関するスケジュール情報(SCD1、SCD2、SCD3、…)を、前記通話端末(101、102、103、…)毎に示したスケジュールリスト(SCL)を格納したスケジュールリスト格納手段(55)と、
前記スケジュールリスト格納手段(55)に格納されたスケジュールリスト(SCL)から、前記各通話端末(例えば103)の通話品質評価データの測定に関する前記スケジュール情報(例えばSCD1)を検索する、スケジュール情報検索手段(53)とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)のIPアドレス検索手段(52)は、前記スケジュール情報検索手段(53)が検索したスケジュール情報(例えばSCD1)に基づいて、前記通話品質評価データの測定を行うべき他の通話端末(例えば101)のIPアドレス(GAD、LAD)を前記アドレスリスト(CML)から検索し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)の測定情報送信手段(56)は、前記検索されたIPアドレス(GAD、LAD)とスケジュール情報(例えばSCD1)を、前記通話品質評価データを測定すべき前記通話品質モニタ装置(3)に送信し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)は、更に、前記通話品質評価データを測定すべき前記通話品質モニタ装置(3)に対して、前記測定情報送信手段(56)が送信したスケジュール情報(例えばSCD1)に基づいて、前記通話品質評価データを測定するように指令する、通話品質評価データ測定指令手段(53)を有する、
ことを特徴として構成される。
【0009】
請求項3の発明は、前記通話品質モニタ装置(3)は、当該通話品質モニタ装置(3)が設けられた前記通話端末(例えば103)に関するスケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)を、前記ネットワーク通話管理装置(50)に照会する、スケジュール情報照会手段(37)を有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)のスケジュール情報検索手段(53)は、前記スケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)が照会された前記通話端末(例えば103)の前記スケジュール情報(例えばSCD1)を検索する、
ことを特徴として構成される。
【0010】
請求項4の発明は、前記スケジュール情報(SCD1、SCD2、SCD3、…)は、測定日時に関するデータ(MTD)を含み、
前記ネットワーク通話管理装置(50)のスケジュール情報検索手段(53)は、前記測定日時に関するデータ(MTD)に基づいて、前記各通話端末(例えば103)の現時点以降の前記スケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)のうち、現時点に直近のスケジュール情報(例えばSCD1)を検索する、
ことを特徴として構成される。
【0011】
請求項5の発明は、前記ネットワーク通話管理装置(50)は、
前記通話端末(101、102、103、…)におけるネットワーク通信の可否を示す通信可否情報(CPD)を、各前記通話端末(101、102、103、…)について示した通信可否情報リスト(CML)を格納する、通信可否情報リスト格納手段(55)と、
前記各通話端末(101、102、103、…)におけるネットワーク通信の可否を判定し、その判定結果に基づいて前記通信可否情報リスト(CML)を更新する、通信可否情報リスト更新手段(52)と、
前記通信可否情報リスト(CML)に基づいて、前記通話端末(101、102、103、…)間の前記ネットワーク通信が可能か否かを判定する、通信可否判定手段(52)とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)の測定情報送信手段(56)は、前記通信可否判定手段(52)が、前記ネットワーク通信が可能と判定した場合に、前記IPアドレス(GAD、LAD)を、前記通話品質モニタ装置(3)に送信する、
ことを特徴として構成される。
【0012】
請求項6の発明は、前記通信可否情報リスト更新手段(52)は、前記通話品質モニタ装置(3)の識別子送信手段(35)からの前記パケット(PK)を受信してから所定時間が経過した場合に、対応する前記通話端末(101、102、103、…)について前記ネットワーク通信が不可能と判定する、
ことを特徴として構成される。
【0013】
請求項7の発明は、前記ネットワーク通話管理装置(50)は、
前記通話品質モニタ装置(3)間で行う前記通話品質評価データの測定の実行状況を各前記通話端末(101、102、103、…)について示した測定実行情報リスト(CML)を格納する、測定実行情報リスト格納手段(55)と、
前記各通話品質モニタ装置(3)における前記通話品質評価データの測定状態(例えば図6に示す測定数データMND)を監視して、その監視結果に基づいて前記測定実行情報リスト(CML)を更新する測定実行情報リスト更新手段(52)と、
前記測定実行情報リスト格納手段(55)に格納された測定実行情報リスト(CML)に基づいて、前記各通話品質モニタ装置(3)間での前記通話品質評価データの測定が可能か否かを判定する、通話品質評価データ測定可否判定手段(52)とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置(50)の測定情報送信手段(56)は、前記通話品質評価データ測定可否判定手段(52)が前記通話品質評価データを測定することが可能と判定した場合に、前記IPアドレス(GAD、LAD)を、前記通話品質評価データを測定すべき前記通話品質モニタ装置(3)に送信する、
ことを特徴として構成される。
【0014】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、アドレスリスト(CML)に示されたIPアドレス(GAD、LAD)は、IPアドレス(GAD、LAD)が変更された場合に、アドレスリスト更新手段(52)により更新されるので、上記アドレスリスト(CML)は、常に、最新のIPアドレス(GAD、LAD)を示すことが出来る。これにより、各通話端末(101、102、103、…)に対応した、最新のIPアドレス(GAD、LAD)が、IPアドレス検索手段(52)により上記アドレスリスト(CML)から検索され、測定情報送信手段(56)により通話品質モニタ装置(3)に送信されるので、各通話端末(101、102、103、…)の通話品質モニタ装置(3)は、最新のIPアドレス(GAD、LAD)を簡単に取得することが出来、通話品質評価データの測定が必要な際に、即座に測定をすることが可能となり、ネットワーク通話管理装置(50)は、音声通話の通話品質を評価するために必要な通話品質評価データを収集することが出来る。
【0015】
請求項2の発明によれば、IPアドレス検索手段(52)は、通話品質評価データの測定を行うべき他の通話端末(例えば101)のIPアドレス(GAD、LAD)を、各通話端末のスケジュール情報(例えばSCD1)に基づいて検索し、該検索されたIPアドレス(GAD、LAD)とスケジュール情報(例えばSCD1)が、測定情報送信手段(56)により、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に送信されるので、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)は、他の通話端末(例えば101)と、スケジュールに従った通話品質評価データの測定を行うことが出来る。これにより、ネットワーク通話管理装置(50)は、音声通話の通話品質を評価するために必要な通話品質評価データを、円滑に収集することが出来、音声品質が劣化する原因を容易に特定することが出来る。
【0016】
請求項3の発明によれば、スケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)を要求した通話端末(例えば103)のスケジュール情報(例えばSCD1)が、スケジュール情報検索手段(53)により検索され、該スケジュール情報(例えばSCD1)とIPアドレス(GAD、LAD)が、測定情報送信手段(56)により、スケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)を要求した通話端末(例えば103)の通話品質モニタ装置(3)に送信されるので、起動されていない通話端末(101、102、103、…)の通話品質モニタ装置(3)への送信を防止することが出来、IPアドレス(GAD、LAD)及びスケジュール情報(例えばSCD1)を、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に効率良く送信することが出来る。
【0017】
請求項4の発明によれば、現時点以降のスケジュール情報(例えばSCD1、SCD3、…)のうち、現時点に直近のスケジュール情報(例えばSCD1)が、スケジュール情報検索手段(53)により検索されるので、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に、決められた測定日時の順番に従って、通話品質評価データを測定させることが出来る。これにより、ネットワーク通話管理装置(50)は、各通話品質モニタ装置(3)から、時系列に測定された通話品質評価データを収集することが出来、音声品質が劣化する原因を更に容易に特定することが出来る。
【0018】
請求項5の発明によれば、測定情報送信手段(56)は、通話端末(101、102、103、…)間のネットワーク通信が可能な、通話品質モニタ装置(3)に、IPアドレス(GAD、LAD)を送信するので、ネットワーク通信が不可能な通話端末(101、102、103、…)の通話品質モニタ装置(3)に、IPアドレスを送信する無駄をなくすことが出来、IPアドレス(GAD、LAD)を、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に効率良く送信することが出来る。
【0019】
請求項6の発明によれば、各通話端末(101、102、103、…)の通話品質モニタ装置(3)からのパケット(PK)を受信してから、所定時間を経過した通話端末(101、102、103、…)は、ネットワーク通信が不可能と判定することにより、通話品質評価データの測定の効率化を、容易に図ることが出来る。
【0020】
請求項7の発明によれば、測定情報送信手段(56)は、各通話端末(101、102、103、…)間での通話品質評価データの測定が可能な、通話品質モニタ装置(3)に、IPアドレス(GAD、LAD)を送信するので、通話品質評価データの測定が不可能な通話品質モニタ装置(3)に、IPアドレスを送信する無駄をなくすことが出来、IPアドレス(GAD、LAD)を、通話品質評価データを測定すべき通話品質モニタ装置(3)に効率良く送信することが出来る。
【0021】
なお、括弧内の番号などは、本発明の理解を助けるために、図面における対応する要素を便宜的に示すものである。従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではなく、また、この符号の記載により本発明を解釈すべきでない。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用されるネットワーク通話の品質評価設備の一例を示す概略図、図2は、ネットワーク接続装置とこれに接続された通話端末との一例を示すブロック図、図3は、ネットワーク通話管理装置の一例を示すブロック図、図4は、識別データの送信・登録処理とスケジュール情報に基づく通話品質評価データの測定についての説明図、図5は、識別データを格納するパケットの一例を示す図、図6は、状態管理リストの一例を示す図、図7は、スケジュールリストの一例を示す図、図8は、通話端末に送信されるスケジュール情報の一例を示す図である。
【0023】
ネットワーク通話の品質評価設備1は、図1に示すように、WAN(広域ネットワーク)を構成する通信ネットワーク2を有している。このような通信ネットワーク2では、IPアドレス(インターネットプロトコルアドレス)の宛先情報に基づいて、音声情報などのデータをパケットとして送受信することが出来る。この種の通信ネットワーク2としては、例えば、ISP(インターネットプロバイダ)などの特定のネットワーク事業者が運営し、該ネットワーク事業者が許可した特定の加入者のみが使用可能なネットワークがある。
【0024】
通信ネットワーク2には、ネットワーク事業者が管理する、図示しないDHCP(Dynamic Host Configuratin Protocol)サーバなどを介して、ネットワーク通話管理装置(破線枠内)50と、ネットワーク接続装置21、22、23、24、25、26とが接続されている。DHCPサーバは、それぞれのネットワーク接続装置21、22、23、24、25、26に対して、通信ネットワーク2において唯一無二のIPアドレス(以下「グローバルアドレスGA」という。)を割り当てる、公知のDHCP機能を有している。
【0025】
また、ネットワーク接続装置21、22、23、24、25、26には、それぞれ、パケットの送受信による音声通話が可能な、多数の通話端末101、102、103、104、105、106、107が接続されている。なお、以下の説明では、特に区別の必要がないときは、通話端末101、102、103、104、105、106、107を、通話端末100と表現し、また、ネットワーク接続装置21、22、23、24、25、26を、ネットワーク接続装置20と表現する。
【0026】
通話端末101、102、103、104、105は、それぞれ、住宅11、12、13、14、15に設けられている。また、通話端末106、107は、集合住宅16に設けられており、該集合住宅16においては、通話端末106、107により、LAN(構内ネットワーク)が構築されている。
【0027】
通話端末100としては、パケットの送受信による音声通話が可能であればいずれの端末であってもよく、例えば、コンピュータやIP電話(インターネットプロトコル電話)などがある。また、コンピュータとしては、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDA(携帯情報端末)など、各種のコンピュータがある。
【0028】
ネットワーク接続装置20は、DHCPサーバと同様に、上述したDHCP機能を有しており、グローバルアドレスGAと異なるIPアドレス(以下「ローカルアドレスLA」という。)を、当該ネットワーク接続装置20に接続される(つまり下流側の)通話端末100に割り当てる。従って、ローカルアドレスLAは、グローバルアドレスGAと異なり、ネットワーク接続装置20の下流のみで使用可能なアドレスであり、集合住宅16にあっては、LANを構成する通話端末106、107を識別するために用いられる。
【0029】
この種のネットワーク接続装置20としては、例えば、ブロードバンドルータやダイヤルアップルータなどのルータがある。また、ルータだけでなく、TA(ターミナルアダプタ)や、ルータタイプのモデム、ADSL(非対称デジタル加入者線)モデムなどのモデムも含まれる。但し、割り当てられたグローバルアドレスGAをそのまま通話端末100に割り当てる、ブリッジタイプやUSB(Universal Serial Bus)タイプのモデムは含まれない。
【0030】
また、各通話端末100には、通話端末100間で重複することのない、後述する識別子IDが割り当てられており、通話端末101、102、103、104、105、106、107に対して、それぞれ、「ID101」、「ID102」、「ID103」、「ID104」、「ID105」、「ID106」、「ID107」の識別データIDDが対応している(図中カッコ内に示す)。
【0031】
図2は、ネットワーク接続装置20とそれに接続された通話端末100の一例を示すブロック図を示している。ネットワーク接続装置20は、図2中左方の破線枠内に示すように、主制御部40を有している。主制御部40には、バス線46を介して、通信ネットワーク2に接続されたパケット送受信部41、通話端末100に接続された通話端末入出力部42、アドレス変換部43、及びグローバルアドレス記録部45などを有している。
【0032】
また、通話端末100は、図2中右方の破線枠内に示すように、例えば不図示のCPUなどに、パケットの送受信による音声通話を行うことの出来る、通話プログラム(例えばソフトフォン)がインストールされており、音声処理部32として機能している。また通話端末100は、上記CPUなどに、各通話端末101、102、103、… に対応した識別データIDDを格納させ、かつ後述する通話品質評価データを測定することの出来る、測定用プログラムがインストールされており、通話品質モニタ部(一点鎖線枠内)3として機能している。
【0033】
具体的には、通話端末100は、主制御部30を有しており、主制御部30には、バス線39を介して、ネットワーク接続装置20に接続された通信制御部31、音声処理部32、アドレス記録部33、及び通話品質モニタ部3などが接続されている。また、通話品質モニタ部3には、音声品質評価演算部34、識別データ送信部35、当該通話端末101、102、103、… に割り当てられた識別データIDDを予め格納している識別データ記録部36、スケジュール照会部37、及びエンコード済データ記録部38などが設けられている。さらに、音声処理部32には、例えばマイク付ヘッドホンなどからなるヘッドセット8が接続されている。
【0034】
なお、通話端末100は、通話プログラムをインストールさせることなく、音声品質評価演算部34の機能を予め備えているIP電話(インターネットプロトコル電話)であってもよい。また、通話品質モニタ部3は、必ずしも、通話端末100の内部に設けられている必要はなく、例えば、通話品質モニタ部3の機能を有し、通話端末100と別体の通話品質モニタ装置(図示せず)を、通信ネットワーク接続装置20とDHCPサーバとの間に設けてもよい。
【0035】
図3は、ネットワーク通話管理装置50の一例を示すブロック図を示している。ネットワーク通話管理装置(破線枠内)50は、図3に示すように、主制御部51を有しており、主制御部51には、バス線60を介して、状態管理部52、スケジュール管理部53、後述するスケジュールリストSCLが予め格納されているデータメモリ55、通信ネットワーク2に接続された通信制御部56、通話品質評価データ収集部57、品質解析部58、及び表示部59などが接続されている。
【0036】
ネットワーク通話の品質評価設備1は、以上のような構成を有するので、例えば、通話端末103が、通話品質評価データを測定するには、まず、オペレータが、通話端末103と、該通話端末103に接続されるネットワーク接続装置23とを、それぞれに設けられている起動手段(図示せず)を介して起動する。ネットワーク接続装置23が起動すると、ネットワーク接続装置23のパケット送受信部41は、DHCPサーバ(図示せず)に所定信号を送信する。なお、他の通話端末101、102、104、… と、これらに接続されるネットワーク接続装置21、22、24、… とは、まだ起動されていないものとする。
【0037】
図4は、識別データIDDの送信・登録処理とスケジュール情報SCDに基づく通話品質評価データの測定についての説明図を示しており、図1に示すネットワーク通話の品質評価設備1を、通話端末101、103及びネットワーク通話管理装置50を抜き出した形で示している。なお、通話端末103のアドレス記録部33には、予め、ネットワーク通話管理装置50のグローバルアドレスデータGAD「GA50」(図4中カッコ内示す)が格納されているものとする。
【0038】
DHCPサーバは、ネットワーク接続装置23から所定信号を受信すると、上述したDHCP機能に基づいて、ネットワーク接続装置23に対して、例えば「GA103」のグローバルアドレスGAを割り当て、グローバルアドレスデータGAD「GA103」として送信する。すると、ネットワーク接続装置23のパケット送受信部41は、DHCPサーバから受信したグローバルアドレスデータGAD「GA103」(図4中右方でカッコ内に示す)を、グローバルアドレス記録部45に格納する。
【0039】
また、ネットワーク接続装置23の主制御部40は、上述したDHCP機能に基づいて、下流側の通話端末103に対して、「GA103」のグローバルアドレスGAと異なる、例えば「LA103」のローカルアドレスLAを割り当てる。そして、ネットワーク接続装置23の通話端末入出力部42は、当該ローカルアドレスLAを、ローカルアドレスデータLAD「LA103」として通話端末103に出力する。
【0040】
通話端末103の通信制御部31は、ネットワーク接続装置23からローカルアドレスデータLAD「LA103」(図4中右方でカッコ内示す)を受けると、当該ローカルアドレスデータLAD「LA103」をアドレス記録部33に格納する。なお、以下の説明では、特に区別の必要のないときは、グローバルアドレスデータGAD及びローカルアドレスデータLADを、アドレスデータGAD、LADと表現する。
【0041】
一方、通話端末103が起動すると、通話端末103の通話品質モニタ部3は、識別データIDD「ID103」の送信処理を実行するため、まず、通話品質モニタ部3の識別データ送信部35が、通話品質モニタ部3の識別データ記録部36から識別データIDD「ID103」を読み出し、通信制御部31に対して、読み出した識別データIDD「ID103」を出力すると共に、該識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを、ネットワーク通話管理装置50に送信するように指令する。
【0042】
図5は、識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKの一例を示している。パケットPKとは、通信ネットワーク2において送受信されるパケット(小包)化されたデータをいい、例えば、IPv4(インターネットプロトコルバージョン4)ではIPデータグラム、また、IPv6(インターネットプロトコルバージョン6)ではIPパケットと呼ばれる。
【0043】
このようなパケットPKは、図5に示すように、処理内容に関するデータを格納するヘッダ部HDPと、パケット化された送信すべきデータを格納するデータ部DTPとから構成されている。ヘッダ部HDPには、プロトコルの階層に応じた各種のヘッダが設けられているが、ここでは、インターネットワーク層に応じたIPヘッダ部IPPと、トランスポート層に応じたTCPヘッダ部TCPのみを示す。また、IPヘッダ部IPPには、宛先アドレス部TOP、送信元アドレス部FMPなどが設けられており、宛先アドレス部TOPには、パケットPKの宛先を示す、宛先グローバルアドレスデータGADTOが格納され、また、送信元アドレス部FMPには、パケットPKの送信元を示す、送信元グローバルアドレスデータGADFMが格納される。
【0044】
通話端末103の通信制御部31は、識別データ送信部35から上記指令を受けると、識別データ送信部35から受けた識別データIDD「ID103」を、図5に示すようにパケットPKのデータ部DTPに格納する。また、アドレス記録部33から、ネットワーク通話管理装置50のグローバルアドレスデータGAD「GA50」と、ローカルアドレスデータLAD「LA103」とを読み出す。通信制御部31は、読み出したグローバルアドレスデータGAD「GA50」を、図5に示すように、宛先グローバルアドレスデータGADTOとして、パケットPKの宛先アドレス部TOPに格納し、また、読み出したローカルアドレスデータLAD「LA103」を、パケットPKの送信元を示すアドレスとして、パケットPKのTCPヘッダ部TCPに格納すると(図示せず)、当該パケットPKをネットワーク接続装置23に出力する。
【0045】
ネットワーク接続装置23の通話端入出力部42は、通話端末103から識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを受けると、ネットワーク接続装置23のアドレス変換部43が、グローバルアドレス記録部45から、自己のグローバルアドレスデータGAD「GA103」を読み出し、パケットPKの宛先アドレス部TOPに、送信元グローバルアドレスデータGADFMとして、上記読み出したグローバルアドレスデータGAD「GA103」を格納する。
【0046】
即ち、アドレス変換部43が有する、公知のNAT(Network Address Translation)機能により、パケットPKの送信元を示すアドレスが、ローカルアドレスデータLAD「LA103」から、グローバルアドレスデータGAD「GA103」に変換されたことになる。
【0047】
こうして、アドレス変換部43は、上記パケットPKを、ネットワーク接続装置23のパケット送受信部41に出力し、パケット送受信部41は、アドレス変換部43から受けたパケットPKを、通信ネットワーク2を介してネットワーク通話管理装置50に送信する。
【0048】
図3に示すネットワーク通話管理装置50の通信制御部56が、ネットワーク接続装置23から、識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを受信すると、ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、図6に示す状態管理リストCMLについて、識別データIDD「ID103」の登録処理を実行する。
【0049】
図6は、状態管理リストCMLの一例を示す図である。状態管理リストCMLには、図6に示すように、各通信端末103、101、106、… の通信状態を示す、各種の登録データRGDが、識別データIDDについて格納されている。具体的には、登録データRGDとして、グローバルアドレスGA、ローカルアドレスLA、更新日時RT、通信可否CP、測定数MN、最大測定数XMにそれぞれ対応する、グローバルアドレスデータGAD、ローカルアドレスデータLAD、更新日時データRTD、通信可否データCPD、測定数データMND、最大測定数データXNDなどが格納されている。
【0050】
ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、まず、受信したパケットPK(図5参照)のデータ部DTP、送信元アドレス部FMP、及びTCPヘッダ部TCPから、それぞれ、識別データIDD「ID103」、送信元グローバルアドレスデータGADFM「GA103」、及びローカルアドレスデータLAD「LA103」(図示せず)を読み出す。そして、識別データIDD「ID103」について、図6に示すように、グローバルアドレスデータGAD「GA103」、及びローカルアドレスデータLAD「LA103」を格納し、当該状態管理リストCMLを、ネットワーク通話管理装置50のデータメモリ55に格納する。
【0051】
また、他の通信端末101、102、104、… と、これらに接続されるネットワーク接続装置21、22、24、… とが、それぞれ起動すると、各ネットワーク接続装置21、22、24、… は、DHCPサーバから、グローバルアドレスデータGAD「GA101」、「GA102」、「GA104」が…送信されると共に、各ネットワーク接続装置21、22、24、…は、下流の通話端末101、102、104、… に対して、ローカルアドレスデータLAD「LA101」、「LA102」、「LA104」… を出力する。
【0052】
そして、各通話端末101、102、104、… において、上述と同様な識別データIDDの送信処理が実行されるので、ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、各識別データIDDについて、送信されるパケットPKに格納された上記アドレスデータGAD、LADを、データメモリ55に格納された状態管理リストCMLに格納していく。これにより、状態管理リストCMLは、現在起動されている、各通話端末101、102、103、104、…に対応したアドレスデータGAD、LADのリストを構成することになる。なお、状態管理リストCML中の、更新日時RT、通信可否CP、測定数MN、最大測定数XNについては、後述する。
【0053】
一方、通話端末103側では、上述した識別データIDDの送信処理を定期的に実行するため、通話品質モニタ部3の識別データ送信部35が、通話端末103に設けられているクロック(図示せず)により、所定時間(例えば5秒)毎に、上述と同様に、識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを、ネットワーク通話管理装置50に送信する。
【0054】
ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、識別データIDD「ID103」を格納したパケットPKを、再び受信すると、該パケットPKから、同様に、識別データIDD、送信元グローバルアドレスデータGADFM、及びローカルアドレスデータLADを読み出す。この際、例えばネットワーク接続装置23の電源が一旦落とされたために、当該ネットワーク接続装置23が、DHCPサーバから異なる(「GA103」以外の)グローバルアドレスGAが割り当てられ、送信元グローバルアドレスデータGADFMが(例えば「GA103’」に)変更されている場合には、状態管理部52は、状態管理リストCMLに格納されているグローバルアドレスデータGAD「GA103」を、変更された送信元グローバルアドレスデータGADFM「GA103’」に書き替えた形で、状態管理リストCMLを更新する。
【0055】
また、他の通信端末101、102、104、…についても、各通話品質モニタ部3の識別データ送信部35が、定期的に各識別データIDDの送信処理を実行する。これにより、各通話端末101、102、104、…から、識別データIDDが定期的に送信され、送信される各パケットPKに格納された送信元グローバルアドレスデータGADFMが変更されている場合には、該変更された送信元グローバルアドレスデータGADFMに基づいて、状態管理リストCMLが更新されるので、状態管理リストCMLには、常に、最新のアドレスデータGAD、LADが格納されることになる。
【0056】
このように、状態管理リストCMLには、最新のアドレスデータGAD、LADが、グローバルアドレスGAのように変化することのない識別データIDDで管理されているので、測定地点となる通話端末100に対応する識別データIDDに基づいて、最新のアドレスデータGAD、LADを、通話品質評価データを測定すべき別の通話端末100の通話品質モニタ部3に送信するようにすることが出来る。
【0057】
例えば、音声品質が劣化した通話端末100の通話品質モニタ部3が、通話品質評価データを測定する際や、各通話端末100の通話品質モニタ部3が、予め決められたスケジュールに従った通話品質評価データを測定する際に、当該通話端末100側から、測定地点となる別の通話端末100に対応する最新のアドレスデータGAD、LADを簡単に照会できるようにすることが出来る。これにより、最新のアドレスデータGAD、LADを、わざわざDNSサーバに問い合わせることなく、通話品質評価データの測定が必要な場合に、即座に測定するようにすることが出来る。
【0058】
なお、状態管理リストCMLは、必ずしもローカルアドレスデータLADを格納する必要はない。例えば、図1に示す住宅11、12、…、15に設けられた通話端末101、102、…、105のように、ネットワーク接続装置20に接続される通話端末100が1つだけの場合は、ネットワーク接続装置20の下流側にある通話端末100を識別する必要がないので、状態管理リストCMLは、ローカルアドレスデータLADを格納する必要はない。
【0059】
また、例えば、図1に示す集合住宅16のように、ネットワーク接続装置26の下流に複数の通話端末106、107が設けられている場合であっても、例えば、通話品質モニタ部3を通話端末106、107の内部に設けることなく、通話端末106、107と別体の通話品質モニタ装置(図示せず)を、DHCPサーバとネットワーク接続装置26との間に設ける場合には、ネットワーク接続装置26は、下流の通話端末106、107を識別する必要がないので、同様に、状態管理リストCMLは、通話端末106、107のローカルアドレスデータLADを格納する必要はない。
【0060】
更に、各通話端末100側から、識別データIDDを定期的にネットワーク通話管理装置50に送信する例を示したが、識別データIDDを送信する間隔は、必ずしも定期的である必要はなく、不規則であってもよい。不規則であっても比較的短い間隔で識別データIDDを送信することにより、上述と同様に、最新のグローバスアドレスデータGADを、状態管理リストCMLに格納することが出来る。
【0061】
こうして、状態管理リストCMLに最新のアドレスデータGAD、LADが格納されている状態で、例えば、通話端末103の通話品質モニタ部3が、後述するスケジュール情報SCDに基づいて通話品質評価データを測定する場合、まず、通話品質モニタ部3のスケジュール照会部37が、識別データ記録部36から識別データIDD「ID103」を読み出す。
【0062】
スケジュール照会部37は、読み出した識別データIDD「ID103」を通信制御部31に出力し、識別データIDD「ID103」に対応する、現時点以降のスケジュール情報SCDのうち、現時点に直近のスケジュール情報SCD(後述)を照会する旨の所定信号を、ネットワーク通話管理装置50に出力するように指令する。
【0063】
通信制御部31は、識別データ記録部36から受けた識別データIDD「ID103」と、上記スケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号とを、図5に示すパケットPKのデータ部DTPに格納する。また、アドレス記録部33から、ネットワーク通話管理装置50のグローバルアドレスデータGAD「GA50」と、ローカルアドレスデータLAD「LA103」とを読み出し、それぞれ、パケットPKの宛先アドレス部TOP及びTCPヘッダ部TCPに格納して、該パケットPKをネットワーク接続装置23に出力する。これを受けてネットワーク接続装置23のアドレス変換部43は、グローバルアドレス記録部45から、自己のグローバルアドレスデータGAD「GA103」を読み出し、該グローバルアドレスデータGAD「GA103」を、グローバルアドレスデータGADFMとして送信元アドレス部FMPに格納したパケットPKを、パケット送受信部41を介して、ネットワーク通話管理装置50に送信する。
【0064】
ネットワーク通話管理装置50の通信制御部56は、ネットワーク接続装置23から上記スケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号が格納された、パケットPKを受信すると、ネットワーク通話管理装置50のスケジュール管理部53は、上記パケットPKのデータ部DTPに格納された識別データIDD「ID103」に対応する、現時点に直近のスケジュール情報SCDを、図7に示すスケジュールリストSCLから検索する。
【0065】
図7は、スケジュールリストSCLの一例を示している。スケジュールリストSCLには、図7に示すように、各通話端末103、106、… に対応する識別子IDについて、通話品質評価データの測定に関するスケジュール情報SCDが格納されている。
【0066】
具体的には、スケジュールリストSCLには、識別データ「ID103」、「ID105」、…について、複数のスケジュール情報SCD1、SCD2、…(破線枠内)が格納されている。各スケジュール情報SCD1、SCD2、… には、従識別子SI、測定日時MT、測定条件MCにそれぞれ対応する、従識別データSID、測定日時データMTD、測定条件データMCDが格納されている。従識別データSIDは、測定地点とされる他の通話端末101、102、…に対応した識別データIDDを示している。測定日時データMTDは、通話品質評価データを測定すべき日時を示している。測定条件データMCDは、通話品質評価データの測定条件を示している。
【0067】
このようなスケジュールリストSCLは、例えば、ネットワーク通話管理装置50により通話品質を管理するネットワーク管理者が、各通話端末100について、測定地点とされる他の通話端末、測定日時、測定条件などの通話品質評価データの測定に関するスケジュールを予め組んでおくことより、ネットワーク通話管理装置50のデータメモリ55に格納されて準備されている。
【0068】
ネットワーク接続装置23からスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を受けたスケジュール管理部53は、受信したパケットPKのデータ部DTPから、識別データIDD「ID103」を読み出す。そして、読み出した識別データIDD「ID103」に対応した、現時点以降のスケジュール情報SCDのうち、スケジュール管理部53が上記パケットPKを受信した時点に直近のスケジュール情報SCDを、スケジュールリストSCLから検索する。
【0069】
例えば、スケジュール管理部53がパケットPKを受信した時点が、「YY年MM月DD日、H時M分00秒」とすると、識別データIDD「ID103」に対応した、現時点以降のスケジュール情報SCDは、図7に示すように、測定日時データMTDが「YY/MM/DD、H:M:10」(「YY年MM月DD日、H時M分10秒」)である、スケジュール情報SCD1と、測定日時データMTDが「YY/MM/DD、H:M:30」(「YY年MM月DD日、H時M分30秒」)である、SCD3とである。このうち、パケットPKを受信した時点に直近のスケジュール情報SCDは、SCD1なので、スケジュール管理部53は、スケジュール情報SCD1を読み出す。
【0070】
なお、スケジュール情報SCDの検索条件は、必ずしも、上述したような条件である必要はない。例えば、スケジュール情報SCDを、測定日時データMTDの時間的な順番に基づいて検索することも可能であり、スケジュール管理部53がパケットPKを受信した時点が、「YY/MM/DD、H:M:20」の場合、図7に示すスケジュール情報SCD1は、現時点以前のスケジュール情報SCDとなるが、測定日時データMTDの時間的な順番に基づいて、他のスケジュール情報SCDに優先されて検索されることになる。
【0071】
スケジュール管理部53が、スケジュール情報SCD1を検索すると、データメモリ55から、図6に示す状態管理リストCMLを読み出し、スケジュール情報SCD1の従識別データSID「ID101」(図7参照)に一致する、識別データIDD「ID101」に対応したグローバルアドレスデータGADを、状態管理リストCMLから検索する。状態管理リストCMLの識別データIDD「ID101」に対応するグローバルアドレスデータGADは、図6に示すように「GA101」なので、スケジュール管理部53は、グローバルアドレスデータGAD「GA101」を読み出す。
【0072】
スケジュール管理部53は、グローバルアドレスデータGADを読み出すと、スケジュール情報SCD1及びグローバルアドレスデータGAD「GA101」を通信制御部56に出力し、これらのデータSCD1、GADを通話端末103に返信するように指令する。これを受けて通信制御部56は、グローバルアドレスデータGAD「GA101」を格納したスケジュール情報SCD1を、通話端末103に返信すると共に、当該スケジュール情報SCD1に基づいて、通話品質評価データを測定するように指令する。
【0073】
図8は、通話端末103に送信されるスケジュール情報SCD1の一例を示している。送信されるスケジュール情報SCD1は、図8に示すように、図中上方から、通話端末103の識別データIDD「ID103」、該識別データIDDに対応するグローバルアドレスデータGAD「GA103」、従識別データSID「ID101」、該従識別データSIDに対応するグローバルアドレスデータGAD「GA101」、測定日時データMTD「開始時間」、測定条件データMCD「条件」などが格納されている。
【0074】
なお、図8に示すスケジュール情報SCD1には、識別データIDDに対応するグローバルアドレスデータGAD「GA103」が格納されているが、当該グローバルアドレスデータGADは格納されていなくてもよい。また、図中、測定日時データMTDとして「開始時間」、測定条件データMCDとして「条件」と示しているが、実際には、測定日時データMTDには、図7で示した測定日時データMTDのように、具体的な日時が示され、また、測定条件データMCDには、図7で示した測定条件データMCDのように、予め各通話品質モニタ部3に準備されている測定条件のうち、いずれかを選択する記号(例えば「A」や「B」)などが示される。
【0075】
通話端末103の通信制御部31は、ネットワーク通話管理装置50から、グローバルアドレスデータGAD「GA101」が格納されたスケジュール情報SCD1と、通話品質評価データを測定する指令とを、ネットワーク接続装置23を介して受信すると、通話品質モニタ部3の音質品質評価演算部34は、受信したスケジュール情報SCD1に基づいて、通話品質評価データの測定処理を実行する。
【0076】
通話品質モニタ部3の音質品質評価演算部34は、現在の日時が、スケジュール情報SCD1の測定日時データMTD「開始時間」に達した際に、まず、スケジュール情報SCD1に格納されたグローバルアドレスデータGAD「GA101」を、宛先グローバルアドレスデータGADTOとして、パケットPKの宛先パケット部TOP(図4参照)に格納する。また、スケジュール情報SCD1の測定条件データMCD「条件」を、上記パケットPKのデータ部DTPに格納する。そして、音質品質評価演算部34は、該パケットPKを、通信制御部31を介してネットワーク接続装置23に出力する。
【0077】
ネットワーク接続装置23の通話端入出力部42は、上記パケットPKを受けると、アドレス変換部43が、上述と同様に、パケットPKの送信元パケット部FMPに、自己のグローバルアドレスデータGAD「GA103」を、送信元グローバルアドレスデータGADFMとして格納し、パケット送受信部41は、当該パケットPKを通話端末101のネットワーク接続装置21に送信する。
【0078】
通話端末101のネットワーク接続装置21は、図4に示すように、グローバルアドレスデータGAD「GA101」が割り当てられているので、ネットワーク接続装置21のパケット送受信部41は、通信ネットワーク2を流れる多数のパケットPKの送信元パケット部FMPに格納された送信元グローバルアドレスデータGADFMに基づいて、ネットワーク接続装置23が送信したパケットPKを識別して、取り込む。
【0079】
ネットワーク接続装置21のパケット送受信部41は、取り込んだパケットPKを、通話端入出力部42を介して通話端末101に出力する。すると、通話端末101の通信制御部31は、当該パケットPKを通話端末101における通話品質モニタ部3の音声品質評価演算部34に出力し、これを受けた音声品質評価演算部34は、パケットPKのデータ部DTPに格納されている、測定条件データMCD「条件」に基づいて所定のデータを測定し、測定した所定のデータを通話端末103に返信する。
【0080】
こうして、通話端末103の音声品質評価演算部34は、通話端末101、103間で通信を行い、通話端末101を測定地点とする通話品質評価データを測定する。
【0081】
通話品質評価データとしては、例えば、パケットPKの到達遅れ、到達時間の揺らぎ(ジッタ)、パケットPKの消失、遅延、往復遅延時間、客観的音質評価に関するデータ、又はそれらからそれぞれ演算される通話品質評価値や客観的音質評価値があり、音声品質評価演算部34は、これらを通話品質パラメータ毎に生データを取得し、その取得された生データから重み付けやテーブルなどで、その時点の通話品質評価データを測定する。往復遅延時間は、送信側の通話端末103と受信側の通話端末101との間で計測する。また、客観的音質評価値を測定する際は、通話端末103の音声品質評価演算部34が、通話端末103における通話品質モニタ部3のエンコード済データ記録部38から、エンコード済データを読み出し、該エンコード済データを通話端末101に送信し、通話端末101、103間で所定のデータをやり取りすることにより、客観的音質評価値を演算するためのデータを得る。
【0082】
こうして、通話端末103の音声品質評価演算部34は、通話品質パラメータ毎に取得した生データから通話品質評価値を演算することにより、また、客観的音質評価値を演算することにより、通話品質評価データを取得すると、通信制御部31は、取得した通話品質評データを、ネットワーク接続装置23を介して、図3に示すネットワーク通話管理装置50に送信し、これにより、スケジュール情報SCD1に基づく通話品質評データの測定が終了する。
【0083】
スケジュール情報SCD1に基づく通話品質評価データの測定が終了すると、通話端末103側は、これに続くスケジュールに従って通話品質評価データを測定するために、通話端末103のスケジュール照会部37は、上述と同様な、現時点に直近のスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を格納したパケットPKを、所定時間(例えば20秒)毎にネットワーク接続装置23を介してネットワーク接続装置50に送信する。
【0084】
すると、ネットワーク通話管理装置50のスケジュール管理部53は、上述したように、スケジュール管理部53が上記パケットPKを受信した時点に直近のスケジュール情報SCDを、図7に示すスケジュールリストSCLから検索する。スケジュール情報SCD1に続くスケジュール情報は、図7に示すようにSCD3なので、直近のスケジュール情報SCDとして、スケジュール情報SCD3を読み出す。
【0085】
スケジュール管理部53は、図6に示す状態管理リストCMLから、上記スケジュール情報SCD3の従識別データSID「ID101」(図7参照)に一致する、識別データIDD「ID101」に対応するグローバルアドレスデータGAD「GA101」を読み出す。そして、ネットワーク接続装置50の通信制御部56は、グローバルアドレスデータGAD「GA101」を格納した、スケジュール情報SCD3を通話端末103に返信すると共に、当該スケジュール情報SCD3に基づく通話品質評価データを測定するように指令する。これを受けて通話端末103の音声品質評価演算部34は、再び、上述と同様に、通話端末101を測定地点とする通話品質評価データを測定する。
【0086】
また、他の通信端末101、102、104、… についても、各通話品質モニタ部3のスケジュール照会部37が、現時点に直近のスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を格納したパケットPKを、所定時間毎にネットワーク通話管理装置50に送信するので、各通信端末101、102、104、… における各通話品質モニタ部3の音声品質評価演算部34は、それぞれ、通話品質評価データを測定し、各通信制御部31は、測定した通話品質評価データを、ネットワーク接続装置21、22、24、… を介してネットワーク通話管理装置50に送信する。
【0087】
こうして、ネットワーク通話管理装置50の通話品質評価データ収集部57は、各通信端末101、102、103、… から通話品質評価データを受信すると、受信した通話品質評価データを、データメモリ55に格納していく。そして、ある時点の通信ネットワーク2に接続された全ての(あるいは特定の)通話端末100から、通話品質評価データの収集が完了したところで、ネットワーク通話管理装置50の品質解析部58は、それらの通話品質評価データから、所定の評価基準に基づいて、その時点における通信ネットワーク2全体の通話品質を評価してネットワーク通話品質評価値を求め、該求められたネットワーク通話品質評価値を、表示部59に表示する。これにより、ネットワーク管理者は、表示部59に表示されたネットワーク通話品質評価値により、音声品質の劣化を直ちに認識することが出来る。
【0088】
以上のように、本発明に係るネットワーク通話の品質評価設備1は、状態管理リストCMLにより、通話品質評価データの測定に必要な最新のグローバルアドレスGAを簡単に知ることが出来るので、スケジュールに従った通話品質評価データの測定を円滑に実行することが出来る。これにより、ネットワーク通話管理装置50は、ネットワーク通話品質評価値を求めるために必要な通話品質評価データを収集することが出来、音声品質が劣化する原因を容易に特定することが可能となり、通話端末100のオペレータは、ヘッドセット8を介して良好な音質の音声通話を行うことが出来る。
【0089】
また、上記スケジュールは、ネットワーク管理者が予め決めることが出来るので、特に音声品質が劣化し易い、通信ネットワークが混雑する時間、地域などに応じて、スケジュールを組むことにより、音声品質が劣化する原因を効率良く特定することが出来る。また、識別データIDDは、通話品質評価データを測定する通話端末だけを識別できればよいので、IPアドレスのように複雑な構成にする必要がなく、簡単な番号や記号で構成することが出来るので、識別データIDDの取り扱いが容易となり、ネットワーク管理者は、スケジュールの構築や追加を容易に行うことが出来る。
【0090】
更に、ネットワーク通話管理装置50は、通話端末100側がスケジュール情報SCDを照会する形で、スケジュール情報SCDを送信するので、起動されていない通話端末100にスケジュール情報を送信することがなくなり、スケジュール情報SCDの送信処理について無駄を省くことが出来る。
【0091】
なお、上述した実施の形態において、各通話端末100側から、スケジュール情報SIDを照会する旨の所定信号を定期的にネットワーク通話管理装置50に送信する例を示したが、該所定信号を送信する間隔は、必ずしも定期的である必要はなく、不規則であってもよい。不規則であっても比較的短い間隔で上記所定信号を送信することにより、上述と同様に、スケジュールに従った通話品質評価データの測定を円滑に実行することが出来る。
【0092】
また、上述した実施の形態において、ネットワーク通話管理装置50は、現時点に直近のスケジュール情報SCDのみを通話端末100に送信する例を示したが、現時点から所定期間までのスケジュール情報SCDをまとめて送信することも可能である。但し、上記所定期間を過剰に長く設定すると、スケジュール情報SCDを送信したにもかかわらず、通話端末100が通話品質評価データを測定することが出来ない状態になっている場合があるので、上記所定期間を比較的短く設定することが望ましい。
【0093】
更に、上述した実施の形態において、ネットワーク通話管理装置50は、通話端末100側からのスケジュール情報SCDの照会に応じて、対応するスケジュール情報SCDを送信する例を示したが、常に、対応するスケジュール情報SCDを送信することなく、例えば、ネットワーク通話管理装置50が各通話端末100間におけるネットワーク通信の状態(例えば、通信制御部31の制御状態や通信ネットワーク2自体の接続状態など)を監視し、その状態に応じてスケジュール情報SCDを送信するようにしてもよい。以下に、ネットワーク通話管理装置50がネットワーク通信の状態に応じてスケジュール情報SCDを送信する一例について、説明する。
【0094】
図6に示す状態管理リストCMLには、既にに述べたように、各識別データIDDに対応して、更新日時RT、通信可否CPとして、更新日時データRTD、通信可否データCPDが格納されている。ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、送信元グローバルアドレスデータGADFMが変更された場合に、グローバルアドレスデータGADを書き替えた日時を、対応する識別データIDDの更新日時データRTDとして格納する。
【0095】
例えば、状態管理部52は、図6に示すように、識別データID103のグローバルアドレスデータGADを、「YY年MM月20日、10時10分00秒」の時点で書き替えると、識別データID103について、その時点の日時を示す更新日時データRTD「YY/MM/20、10:10:00」を、状態管理リストCMLに格納し、同時に、通信が可能であることを意味する通信可否データCPD「可」を、状態管理リストCMLに格納することにより、当該状態管理リストCMLを更新する。
【0096】
そして、状態管理部52は、ネットワーク通話管理装置50に設けられているクロック(図示せず)により、識別データID103、ID101、ID106、…毎に、それぞれの更新日時データRTDが示す日時から、経過時間を計数し、所定時間(例えば1時間)が経過したか否かを判定する。
【0097】
状態管理部52は、所定時間が経過していないと判定した場合、通信可否データCPDを書き替えることなく、状態管理リストCMLをそのまま維持する。一方、所定時間が経過したと判定した場合、対応する識別データIDDの通信可否データCPDを「可」から、「不可」に書き替えて、状態管理リストCMLを更新する。例えば、識別データIDD「ID102」の更新日時データRTD「YY/MM/19、23:10:00」が示す日時から、所定時間が経過したと判定した場合、状態管理部52は、図6に示すように、更新日時データRTD「可」を「不可」に書き替えることにより、状態管理リストCMLが更新する。
【0098】
この状態で、ネットワーク通話管理装置50が、例えば通信端末106から、スケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を受信し、スケジュール管理部53が、図7に示すスケジュールリストSCLから、識別データIDD「ID106」に対応したスケジュール情報SCDのうち、スケジュール情報SCD5を読み出したとする。すると、スケジュール管理部53は、図6に示す状態管理リストCMLから、読み出したスケジュール情報SCD5の従識別データSID「ID102」に一致する、識別データ「ID102」対応した通信可否データCPDを読み出す。
【0099】
識別データIDD「ID102」に対応する通信可否データCPDは、上述したように、「不可」に書き替えられているので、スケジュール管理部53は、上記読み出したスケジュール情報SCD5を、通信制御部56に出力することなく、通信制御部56は、スケジュール情報SCD5を通話端末106に送信しない。通信端末106側では、ネットワーク通話管理装置50から、スケジュール情報SCDが送信されないので、通話品質評価データを測定することなく、その後の処理を実行する。
【0100】
このように、ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52が、各通話端末100間におけるネットワーク通信の状態を監視することにより、例えば、測定地点となる通話端末100側の電源が落とされているために、当該通話端末100との通信を失敗して初めて通話品質評価データを測定することが出来ないことを認識するような、測定の無駄を省くことが出来、通話品質評価データを効率良く測定することが出来る。
【0101】
また、通信可否データCPDが示す各通話端末100の通信状態に応じてスケジュール情報SCDを送信するだけでなく、例えば、通話品質モニタ部3による通話品質評価データの測定の実行状況を監視することにより、各通話端末100が測定可能な通話端末100の端末数に応じて、スケジュール情報SCDを送信することも可能である。
【0102】
すなわち、図6に示す状態管理リストCMLには、既にに述べたように、各識別データIDDに対応して、測定数MN、最大測定数XNとして、測定数データMND、最大測定数データXNDが格納されている。測定数データMNDは、通話端末100が現在、通話品質評価データを測定するために通信している端末数を示している。また、最大測定数データXNDは、通話端末100が通話品質評価データを測定するために同時に通信することの出来る最大の端末数を示している。
【0103】
なお、最大測定数データXNDは、各通話品質モニタ部3や通話端末100の仕様などにより、予め決まっているので、図6に示す最大測定数データXNDが格納された状態管理リストCMLは、ネットワーク管理者により、予めデータメモリ55に格納されているものとする。
【0104】
例えば、通話端末103が、現在、通話品質評価データを測定するために、通話端末101、104と通信している場合、通話端末103は、現在通信している端末数「2」を測定数MNとして、ネットワーク通話管理装置50に送信する。これを受けてネットワーク通話管理装置50の状態管理部52は、状態管理リストCMLの識別データIDD「ID103」に対応する測定数データMNDとして、図6に示すように、「2」を格納する。
【0105】
この状態で、ネットワーク通話管理装置50が、例えば、通話端末105から、現時点に直近のスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号が受信すると、スケジュール管理部53は、図7に示すスケジュールリストSCLから、スケジュール管理部53が上記パケットPKを受信した時点に直近のスケジュール情報SCDとして、スケジュール情報SCD2を読み出す。
【0106】
そして、スケジュール管理部53は、データメモリ55から図6に示す状態管理リストCMLを読み出す。状態管理リストCMLでは、図6に示すように、スケジュール情報SCD2の従識別データSID「ID103」と一致する識別データIDD「ID103」に対応する通信可否データCPDは、「可」となっているが、測定数データMND「2」が、最大測定数データXND「2」に達しているので(つまり、通話端末103は通話品質評価データをこれ以上測定することが出来ないので)、スケジュール管理部53は、上記読み出したスケジュール情報SCD2を、通信制御部56に出力することなく、通信制御部56は、スケジュール情報データSCD2を通話端末105に送信しない。
【0107】
一方、通話端末105は、現時点に直近のスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を定期的に送信するので、通話端末105が当該所定信号を再度送信した際に、例えば通話端末103と通話端末101との通信が終了していたため、状態管理リストCMLが測定数データMNDを「1」として更新されている場合は、測定数データMND「1」が、最大測定数データXND「2」に達していないので(つまり、通話端末103は通話品質評価データを測定することが出来るので)、スケジュール管理部53は、上記読み出したスケジュール情報SCD2を、通信制御部56に出力して、通信制御部56は、スケジュール情報データSCD2を通話端末105に送信する。
【0108】
このように、ネットワーク通話管理装置50の状態管理部52が、各通話端末100が現在通話品質評価データを測定するために通信している通話端末100の端末数を監視することにより、測定地点となる通話端末100が、通信が可能であるが通話品質評価データを測定できない場合に、当該通話端末100との通信を失敗して初めて通話品質評価データを測定することが出来ないことを認識するような、測定の無駄を省くことが出来る。また、通話端末100からスケジュール情報SCDを照会する旨の所定信号を定期的に送信しているので、通話品質評価データの測定が可能になった際に、直ちに通話品質評価データを測定することが出来る。これにより、通話品質評価データを更に効率良く測定することが出来る。
【0109】
なお、上述した実施の形態において、ネットワーク接続装置20に割り当てられるグローバルアドレスが動的アドレス(ネットワーク接続装置の電源を入れるたびに変更されるIPアドレス)である場合について説明したが、必ずしも動的アドレスである必要はなく、静的アドレス(ネットワーク事業者との契約により割り当てられる固定のIPアドレス)であっても、本発明を適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されるネットワーク通話の品質評価設備の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、ネットワーク接続装置とこれに接続された通話端末との一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、ネットワーク通話管理装置の一例を示すブロック図である。
【図4】図4は、識別データの送信・登録処理とスケジュール情報に基づく通話品質評価データの測定についての説明図である。
【図5】図5は、識別データを格納するパケットの一例を示す図である。
【図6】図6は、状態管理リストの一例を示す図である。
【図7】図7は、スケジュールリストの一例を示す図である。
【図8】図8は、通話端末に送信されるスケジュール情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
1……ネットワーク通話の品質評価設備
2……通信ネットワーク
3……通話品質モニタ装置(通話品質モニタ部)
101、102、103、… ……通話端末
21、22、23、… ……ネットワーク接続装置
34……通話品質評価データ測定手段(通話品質モニタ部の音声品質評価演算部)
35……識別子送信手段(通話品質モニタ部の識別データ送信部)
36……通話端末識別子格納手段(通話品質モニタ部の識別データ記録部)
37……スケジュール情報照会手段(通話品質モニタ部のスケジュール照会部)
50……ネットワーク通話管理装置
52……IPアドレス変更判定手段、アドレスリスト更新手段、IPアドレス検索手段、通信可否情報リスト更新手段、通信可否判定手段、測定実行情報リスト更新手段、通話品質評価データ測定可否判定手段(ネットワーク通話管理装置の状態管理部)
53……スケジュール情報検索手段、通話品質評価データ測定指令手段(ネットワーク通話管理装置のスケジュール管理部)
55……アドレスリスト生成格納手段、スケジュールリスト格納手段、通信可否情報リスト格納手段、測定実行情報リスト格納手段(ネットワーク通話管理装置のデータメモリ)
56……測定情報送信手段(ネットワーク通話管理装置の通信制御部)
57……通話品質評価手段(ネットワーク通話管理装置の通話品質評価データ収集部)
58……通話品質評価手段(ネットワーク通話管理装置の品質解析部)
CML……アドレスリスト、通信可否情報リスト、測定実行情報リスト(状態管理リスト)
CPD……通信可否情報(通信可否データ)
GAD……IPアドレス(グローバルアドレスデータ)
IDD……通話端末識別子(識別データ)
LAD……IPアドレス(ローカルアドレスデータ)
MTD……測定日時に関するデータ(測定日時データ)
PK……パケット
SCD1、SCD2、SCD3、… ……スケジュール情報
SCL……スケジュールリスト
Claims (7)
- 複数の通話端末が、それぞれ、ネットワーク接続装置を介して通信ネットワークに接続され、前記複数の通話端末間で、前記通話端末相互のIPアドレスが格納されたパケットを前記通信ネットワークを介して送受信することの出来る、ネットワーク通信において、前記パケットの送受信により行われる音声通話の通話品質を評価する、ネットワーク通話の品質評価設備であって、
前記通信ネットワークに接続されたネットワーク通話管理装置を設け、
前記複数の通話端末にそれぞれ通話品質モニタ装置を設け、
前記通話品質モニタ装置は、
通話品質モニタ装置が設けられた通話端末間で前記パケットの送受信により行われる音声通話に関する通話品質評価データを測定する、通話品質評価データ測定手段と、
当該通話品質モニタ装置が設けられた通話端末を識別することの出来る通話端末識別子を格納する、通話端末識別子格納手段と、
前記通話端末識別子を、前記IPアドレスが格納されたパケットに格納し前記ネットワーク通話管理装置に送信することの出来る、識別子送信手段とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置は、
前記通話品質モニタ装置から送信されてくる前記パケットに格納された前記IPアドレスに基づいて、各通話端末のIPアドレスを示すアドレスリストを生成・格納するアドレスリスト生成格納手段と、
前記通話品質モニタ装置から送信されてくる前記パケットに格納された前記IPアドレスに基づいて、前記各通話端末のIPアドレスが変更されたか否かを判定する、IPアドレス変更判定手段と、
前記IPアドレス変更判定手段が、前記各通話端末のIPアドレスが変更されたと判定した場合に、前記アドレスリストに示された当該通話端末のIPアドレスを更新する、アドレスリスト更新手段と、
前記アドレスリストから前記各通話端末に対応した前記IPアドレスを前記アドレスリストから検索する、IPアドレス検索手段と、
前記IPアドレス検索手段が検索したIPアドレスを前記通話品質モニタ装置に送信する、測定情報送信手段と、
各前記通話品質モニタ装置が測定した通話品質評価データを収集し、該収集した通話品質評価データに基づいて前記音声通話の通話品質を評価する、通話品質評価手段と、
を有することを特徴とするネットワーク通話の品質評価設備。 - 前記ネットワーク通話管理装置は、
前記通話品質評価データの測定に関するスケジュール情報を、前記通話端末毎に示したスケジュールリストを格納したスケジュールリスト格納手段と、
前記スケジュールリスト格納手段に格納されたスケジュールリストから、前記各通話端末の通話品質評価データの測定に関する前記スケジュール情報を検索する、スケジュール情報検索手段とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置のIPアドレス検索手段は、前記スケジュール情報検索手段が検索したスケジュール情報に基づいて、前記通話品質評価データの測定を行うべき他の通話端末のIPアドレスを前記アドレスリストから検索し、
前記ネットワーク通話管理装置の測定情報送信手段は、前記検索されたIPアドレスとスケジュール情報を、前記通話品質評価データを測定すべき前記通話品質モニタ装置に送信し、
前記ネットワーク通話管理装置は、更に、前記通話品質評価データを測定すべき前記通話品質モニタ装置に対して、前記測定情報送信手段が送信したスケジュール情報に基づいて、前記通話品質評価データを測定するように指令する、通話品質評価データ測定指令手段を有する、
ことを特徴とする、請求項1記載のネットワーク通話の品質評価設備。 - 前記通話品質モニタ装置は、当該通話品質モニタ装置が設けられた前記通話端末に関するスケジュール情報を、前記ネットワーク通話管理装置に照会する、スケジュール情報照会手段を有し、
前記ネットワーク通話管理装置のスケジュール情報検索手段は、前記スケジュール情報が照会された前記通話端末の前記スケジュール情報を検索する、
ことを特徴とする、請求項2記載のネットワーク通話の品質評価設備。 - 前記スケジュール情報は、測定日時に関するデータを含み、
前記ネットワーク通話管理装置のスケジュール情報検索手段は、前記測定日時に関するデータに基づいて、前記各通話端末の現時点以降の前記スケジュール情報のうち、現時点に直近のスケジュール情報を検索する、
ことを特徴とする、請求項2記載のネットワーク通話の品質評価設備。 - 前記ネットワーク通話管理装置は、
前記通話端末におけるネットワーク通信の可否を示す通信可否情報を、各前記通話端末について示した通信可否情報リストを格納する、通信可否情報リスト格納手段と、
前記各通話端末におけるネットワーク通信の可否を判定し、その判定結果に基づいて前記通信可否情報リストを更新する、通信可否情報リスト更新手段と、
前記通信可否情報リストに基づいて、前記通話端末間の前記ネットワーク通信が可能か否かを判定する、通信可否判定手段とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置の測定情報送信手段は、前記通信可否判定手段が、前記ネットワーク通信が可能と判定した場合に、前記IPアドレスを、前記通話品質モニタ装置に送信する、
ことを特徴とする、請求項1記載のネットワーク通話の品質評価設備。 - 前記通信可否情報リスト更新手段は、前記通話品質モニタ装置の識別子送信手段からの前記パケットを受信してから所定時間が経過した場合に、対応する前記通話端末について前記ネットワーク通信が不可能と判定する、
ことを特徴とする、請求項5記載のネットワーク通話の品質評価設備。 - 前記ネットワーク通話管理装置は、
前記通話品質モニタ装置間で行う前記通話品質評価データの測定の実行状況を各前記通話端末について示した測定実行情報リストを格納する、測定実行情報リスト格納手段と、
前記各通話品質モニタ装置における前記通話品質評価データの測定状態を監視して、その監視結果に基づいて前記測定実行情報リストを更新する測定実行情報リスト更新手段と、
前記測定実行情報リスト格納手段に格納された測定実行情報リストに基づいて、前記各通話品質モニタ装置間での前記通話品質評価データの測定が可能か否かを判定する、通話品質評価データ測定可否判定手段とを有し、
前記ネットワーク通話管理装置の測定情報送信手段は、前記通話品質評価データ測定可否判定手段が前記通話品質評価データを測定することが可能と判定した場合に、前記IPアドレスを、前記通話品質評価データを測定すべき前記通話品質モニタ装置に送信する、
ことを特徴とする、請求項1記載のネットワーク通話の品質評価設備。
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JP2003087470A JP2004297473A (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | ネットワーク通話の品質評価設備 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006157507A (ja) * | 2004-11-30 | 2006-06-15 | Oki Electric Ind Co Ltd | 音声品質情報取得システム |
JP2008538685A (ja) * | 2005-04-21 | 2008-10-30 | クゥアルコム・インコーポレイテッド | 無線通信装置上の音声品質を監視するための方法および装置 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003087470A patent/JP2004297473A/ja active Pending
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