JP2004296620A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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利至 竹脇
Hiroyuki Kunishima
浩之 國嶋
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Abstract

【課題】低誘電率膜を用いた半導体装置の歩留まりを向上させる。また、低誘電率膜を用いた半導体装置の製造過程におけるフォトレジスト膜の形成不良を抑制する。また、低誘電率膜を用いた半導体装置の製造過程におけるバリアメタル膜の成膜不良を抑制する。また、低誘電率膜を用いた半導体装置を長期間安定に利用可能とする。
【解決手段】下層配線255、銅プラグ228を形成し、SiCN膜213上にL−Ox膜216、SiO膜217をこの順に形成する。フォトレジストをマスクとして、SiO膜217とL−Ox膜216をエッチングにより除去する。剥離液によりエッチング残渣を除去したら、熱処理を行った後、Ta/TaN膜220を成膜し、上層配線270を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、層間絶縁膜として梯子型水素化シロキサンまたはSiOCを用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の微細化および高速化に伴い、銅(Cu)配線とともにいわゆる低誘電率膜を用いることが要求されている。中でも、梯子型水素化シロキサンは、低誘電率で優れた特性を有するため、銅配線と組み合わせることにより半導体装置の性能を向上させることが期待されている。銅配線の形成方法としては、配線間絶縁膜に配線溝を形成した後、銅を埋め込み、その後配線溝外部の不要な部分の銅を化学機械研磨法(CMP:Chemical Mechanical polishing)により除去するダマシン法が用いられている。
【0003】
ダマシンプロセスには、配線のみをダマシンプロセスで形成するシングルダマシン法と、配線溝の埋め込みとともに接続孔の埋め込みも行い、接続プラグと配線とを同時に形成するデュアルダマシン法とがある。従来、シングルダマシン法においては、接続プラグをタングステン等の高融点金属で形成していたが、デュアルダマシン法では、配線と同様に接続プラグをも銅含有金属で形成するため、配線構造の低抵抗化を図ることができ、半導体装置の高速化実現に寄与することができる。
【0004】
ところで、従来のAl配線では、層間絶縁膜としてSOG(Spin On Glass)の塗布法またはTEOS(テトラエトキシシリケート)−CVD法で形成される膜が用いられていた。ところが、これらの膜は、膜自体の水分含量が大きいため、膜中の水分が半導体装置特性に影響を与えていた。このため、配線間絶縁膜の水分を除去する方法として、SOGの塗布法またはTEOS−CVD法で形成される膜を用いる場合に膜中の水分を除去する方法が提案されている(特許文献1)。
【0005】
一方、ダマシン法により銅含有金属の配線構造を形成する場合、配線間絶縁膜として低誘電率膜を用いることにより、配線間の寄生容量を低減することができる。特に、梯子型水素化シロキサン膜またはSiOC膜は優れた特性を有しており、銅配線の配線間絶縁膜として有望な材料である。
【0006】
ところが、配線間絶縁膜として梯子型水素化シロキサン膜またはSiOC膜を用いてダマシン法で銅配線を形成した場合、銅配線の埋め込み不良や、フォトレジスト膜の形成不良が生じる場合があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−343534号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この原因について本発明者が検討したところ、梯子型水素化シロキサン膜またはSiOC膜にウエットプロセスを行った後にバリアメタルを成膜した際に成膜不良が生じ、銅膜の埋め込み不良をもたらすことが明らかになった。また、低誘電率膜形成後にウエットプロセスを行い、その後トレジスト膜のパターニングを行おうとした場合、レジストパターンの形成不良(ポイゾニング)が生じることが明らかになった。そしてこれらの現象は、膜形成後のウエットプロセスによって梯子型水素化シロキサン膜中またはSiOC膜中の水分含量が増加することに起因することが確かめられた。
【0009】
梯子型水素化シロキサン膜またはSiOCを配線間絶縁膜として用いる場合、前述の特許文献1に記載の膜の場合とは異なり、成膜時の配線間絶縁膜自体の水分含量はその後のプロセスで問題となる大きさではない。一方、膜形成後のレジスト除去の工程にウエットプロセスが採用され、このウエットプロセスによって膜中に水分が浸透することがわかった。特に、ドライエッチング後のウエットプロセスの際に、これらの低誘電率膜は吸水しやすく、吸水して水分含量が増加した状態では、膜の劣化が生じやすいことが明らかになった。
【0010】
以上のように、梯子型水素化シロキサン膜またはSiOCを配線間絶縁膜として用いた際のレジストパターンのポイゾニングやバリアメタル膜の成膜不良が生じ、それらがウエットプロセスに起因することは、本発明者の検討の結果、はじめて明らかになった新たな課題である。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低誘電率膜を用いた半導体装置の歩留まりを向上させる技術を提供することにある。また、本発明の別の目的は、低誘電率膜を用いた半導体装置の製造過程におけるフォトレジスト膜の形成不良を抑制する技術を提供することにある。また、本発明の別の目的は、低誘電率膜を用いた半導体装置の製造過程におけるバリアメタル膜の成膜不良を抑制する技術を提供することにある。また、本発明のさらに別の目的は、低誘電率膜を用いた半導体装置を長期間安定に利用可能とする技術を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、半導体基板上に梯子型水素化シロキサンまたはSiOCを含む絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜をドライエッチングにより選択的に除去することにより凹部を形成する工程と、前記絶縁膜の形成された基板面に対して、水を含む処理液を用いてウエット処理を行う工程と、ウエット処理を行う前記工程の後、前記絶縁膜を加熱して、ウエット処理を行う前記工程で前記絶縁膜中に浸透した水分を除去する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0013】
本発明は、ウエット処理を行う工程の後、絶縁膜を加熱して絶縁膜中に浸透した水分を除去する工程を含む。梯子型水素化シロキサンまたはSiOCを含む膜は、前述のようにドライエッチングのウエット処理において水分が浸透しやすい膜であるが、こうすることにより、浸透した水分を簡便かつ確実に除去することができる。このため、ウエット処理後の工程において、浸透した水分が移動することにより生じる膜の劣化が抑制される。またウエット処理後、水分を予め除去することにより、以降の工程において、浸透した水分が凹部の側面や底面から蒸発して、絶縁膜の上層の安定的な形成を阻害することが抑制される。
【0014】
なお、本発明において、SiOC膜は、Si、O、C、Hを構成元素として含み、CVD法により形成することができる。
【0015】
本発明の半導体装置の製造方法において、前記凹部が配線接続孔または配線溝であってもよい。こうすることにより、接続孔または配線溝を安定的に形成することができる。
【0016】
本発明の半導体装置の製造方法において、水分を除去する前記工程の後、前記凹部を被覆するバリアメタル膜を形成する工程をさらに含んでもよい。こうすることにより、絶縁膜中に浸透した水分が除去され、バリアメタル膜の形成時または形成後の水分移動または蒸発によりバリアメタル膜の形成不良を抑制することができる。
【0017】
本発明の半導体装置において、前記絶縁膜を選択的に除去する前記工程により配線溝を形成する工程と、前記配線溝を被覆する前記バリアメタル膜を形成し、前記バリアメタル膜の形成された前記凹部を銅含有金属により埋設することにより、配線を形成する工程と、を含んでもよい。こうすることにより、絶縁膜として梯子型水素化シロキサンまたはSiOCを用いた際にも、配線溝を安定的に製造することができる。
【0018】
本発明の半導体装置の製造方法において、水分を除去する前記工程の後、前記絶縁膜の上部にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターニングを行う工程をさらに含んでもよい。本発明に係る製造方法においては、水分を除去する工程の後、凹部の周囲にフォトレジスト膜を形成する。このため、フォトレジスト膜のパターニングを阻害する絶縁膜中の水分が除去されており、確実にパターニングを行うことができる。
【0019】
たとえば本発明の製造方法をデュアルダマシンプロセスに適用することができる。この場合、最初のウエット処理の後に熱処理を行うことにより、絶縁膜中に浸透した水分が反射防止膜中を拡散して上層のエッチング用のフォトレジスト膜に到達することにより生じるレジストパターンの形成不良を好適に抑制することができる。具体的には、たとえばビアファースト法において、配線溝形成のためのフォトレジスト膜のパターニング等を確実に行うことができる。なお、フォトレジストを塗布する前記工程は、たとえば化学増幅型のフォトレジストを塗布する工程を含んでもよい。
【0020】
本発明によれば、半導体基板上に金属膜を形成する工程と、前記金属膜上に梯子型水素化シロキサンまたはSiOCを含む絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜に所定の開口部を有するレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクとして前記絶縁膜を選択的に除去し、前記金属膜に到達する凹部を形成する工程と、前記凹部の形成された基板面に対して、水を含むレジスト剥離液を用いてウエット処理を行う工程と、ウエット処理を行う前記工程の後、前記絶縁膜を加熱して、ウエット処理を行う前記工程で前記絶縁膜中に浸透した水分を除去する工程と、ウエット処理を行う前記工程の後、前記凹部を被覆するバリアメタル膜を形成する工程と、前記バリアメタル膜の形成された前記凹部を銅含有金属により埋設する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0021】
本発明に係る製造方法においては、バリアメタル膜を形成する前に、水分を除去する工程が行われるため、バリアメタルの形成時に絶縁膜に形成された凹部の表面から水分が蒸発することにより生じるバリアメタル膜の形成不良が確実に抑制される。このため、バリアメタル膜上に銅含有金属を埋設する工程についても、銅含有金属膜の成膜性が向上する。よって、配線構造を安定的に形成することができる。
【0022】
本発明の半導体装置の製造方法において、前記金属膜は金属配線であってもよい。また、前記金属膜は接続プラグであってもよい。本発明においては、水分を除去する工程の後にバリアメタル膜が形成されるため、配線溝または接続プラグを安定的に形成することができる。
【0023】
本発明の半導体装置の製造方法において、前記レジスト剥離液がアミン化合物を含有する剥離液であってもよい。こうすることにより、化学増幅型のレジスト膜に対するレジスト剥離液がアミン化合物である場合でも、レジスト膜のパターニングを確実に行い、ポイゾニングを抑制することができる。
【0024】
本発明の半導体装置の製造方法において、水分を除去する前記工程は、前記半導体基板を150℃以上の温度で10分以上30分以下加熱する工程を含んでもよい。150℃以上の温度に加熱することにより、また、10分以上加熱することにより、絶縁膜中に浸透した水分を確実に除去することができる。また、250℃以上とすることにより、より一層確実に水分を除去することができる。また、30分以下加熱し、また、450℃以上の温度とすれば、半導体装置の劣化を抑制し、すぐれた特性を確実に維持することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態において、配線が形成される配線間絶縁膜は、梯子型水素化シロキサン等の低誘電率材料により構成された低誘電率膜を含む。
【0026】
以下、梯子型水素化シロキサン膜の構造を説明する。梯子型水素化シロキサンとは梯子型の分子構造を有するポリマーのことであり、配線遅延防止の観点から誘電率2.9以下のものが好ましく、また膜密度が低いものが好ましい。たとえば、膜密度が1.50g/cm以上1.58g/cm以下、633nmの屈折率が1.38以上1.40以下であることが好ましい。こうした膜材料の具体例としてラダーオキサイドとよばれるL−OxTM(商標)(以下単にL−Oxと示す。)等を例示することができる。なお、L−Oxをポーラス化した絶縁材料を用いることもできる。
【0027】
図18に梯子型水素化シロキサン構造を有するL−Oxの構造を示す。図中、nは1以上の正の数である。このような構造を有するL−Oxの物性データを図19に示す。
【0028】
L−Oxが図18の構造を有することは、図20に示すFT−IRの観測結果により確認されている。図20のチャートで特徴的なのは、約830cm−1に現れるシャープなSi−H結合であり、このスペクトルの急峻さが、L−Oxが2次元構造を有することを示唆している。また870cm−1付近の高波数側にもうひとつのSi−H結合のピークと想定されるものが極端に小さくなっており、このことも測定対象物質が2次元構造を有していることを示すものと考えられる。
【0029】
L−Oxは焼成条件によっても物性が変動する。このことを図21に基づいて説明する。
【0030】
窒素等の不活性ガス雰囲気、200℃以上400℃以下で焼成したL−Oxは、以下のような特性を有している。図21中、R.I.は633nmの波長での屈折率を示す。屈折率は誘電率に直接影響するパラメータであり、この値は、1.38〜1.40の間で推移する。200℃未満の温度および400℃よりも高い温度では1.40を超える値を示した。
【0031】
また、密度は、200℃以上400℃以下で焼成したL−Oxは1.50〜1.58g/cmを示した。400℃を超える温度では、1.60g/cmを超える値を示した。200℃未満では測定できなかった。
【0032】
また200℃未満では、FTIRスペクトルより、約3650cm−1に現れるSi−OH(シラノール)と想定される結合が観測された。400℃をこえる焼成温度では、密度の上昇が顕著となる。
【0033】
以上のことから、L−Oxを含む絶縁膜の成膜の際、200℃以上400℃以下の雰囲気温度で焼成することにより、低誘電率の優れた特性のL−Oxが安定的に得られることがわかる。
【0034】
図22は、従来知られている3次元的なかご型の分子構造をもつ水素化シルセスキオキサン構造のHSQ(Hydrogen Silsesquioxane)の分子骨格を示す(「semiconductor technology outlook 1998年:p.431−435」より引用。)。
【0035】
上記した2つの構造の材料は、製造プロセスにおける膜安定性が大きく相違し、L−Oxの方が顕著に優れた膜安定性を示す。これは、HSQに比べてL−Oxの方がSi−H減少量が少ないことによるものと考えられる。また、絶縁膜中の水素原子の結合の態様が異なることも原因となっているものと考えられる。すなわち、HSQにおいては、その立方体構造の角部分に水素原子が結合しているのに対し、L−Oxでは、梯子構造の側面に水素原子が結合している。したがって、HSQの方が水素原子の周りの密度が低く、HSQの水素結合はL−Oxに比較し反応性に富む構造となっているものと考えられる。
【0036】
以下、低誘電率層間絶縁膜としてL−Oxを用いる半導体装置について、図面を参照して説明する。
【0037】
(第一の実施の形態)
本実施の形態は、シングルダマシン法で多層配線構造を形成する際に本発明を適用した例である。図1は本実施形態に係る配線構造の構造を示す断面図である。本実施の形態に係る半導体装置は、下層配線255が銅プラグ228を介して上層配線270に接続された構成を有している。
【0038】
下層配線255は積層膜に形成された溝部に設けられている。その溝部は、半導体基板(不図示)上に成膜された下地絶縁膜201、SiCN膜202、梯子型の水素化シロキサンであるL−Ox(日本電気株式会社の商標)膜203およびSiO膜204からなる積層膜に形成されている。L−Ox膜とは、ラダーオキサイドとよばれる梯子型の水素化シロキサンである。下層配線255の側面と底面はTa/TaN膜208に覆われている。
【0039】
なお、本実施形態および以下の実施形態において、積層された保護膜は、「上層/下層」のように表す。たとえば、Ta/TaN膜208では、Ta膜が上層となり、TaN膜が下層となる。
【0040】
ここで、梯子型水素化シロキサンとは梯子型の分子構造を有するポリマーのことであり、配線遅延防止の観点から誘電率2.9以下のものが好ましく、また膜密度が低いものが好ましい。たとえば、膜密度が1.50g/cm以上1.58g/cm以下、633nmの屈折率が1.38以上1.40以下であることが好ましい。こうした膜材料の具体例としてL−Ox等を例示することができる。なお、L−Oxのポーラス化した絶縁材料を用いることもできる。
【0041】
銅プラグ228は、SiO膜204上のSiCN膜211およびSiO膜212からなる積層膜に形成された孔部に設けられている。その孔部の側面と底面はTa/TaN膜226に覆われている。
【0042】
上層配線270は積層膜に形成された溝部に設けられている。その溝部は、SiCN膜213、L−Ox膜216およびSiO膜217からなる積層膜に形成されている。上層配線270の側面と底面はTa/TaN膜220に覆われ、上層配線270の上面にはSiCN膜222が形成されている。
【0043】
次に、本実施の形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。図2〜図6は本実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0044】
まず、図2に示した方法で下層配線255までを形成する。半導体素子を有する基板上に成膜された下地絶縁膜201上に、第1溝配線の溝部形成のためのエッチングストッパー膜としてSiCN膜202をプラズマCVD法により50nm成膜する。次に、第1の銅溝配線の層間絶縁膜として低誘電率層間絶縁膜であるL−Ox膜203を塗布法により300nm成膜する。次に、SiO膜204をプラズマCVD法により100nm成膜する。その後、SiO膜204とL−Ox膜203をドライエッチングして、第1溝配線パターン207を形成する。
【0045】
次に、ドライエッチングによりエッチングストッパー膜であるSiCN膜202のエッチバックを行い、下地半導体素子との導通面を開口し、エッチング残渣除去のためのウエット剥離を行い、第1溝配線パターン207を形成する。レジストの剥離液としては、たとえばコリン等のアミン化合物を含む剥離液を用いることができる。また、剥離液に防食剤を含有させることにより、下層配線255が露出した際に、大気中の酸化剤と反応することによる腐食を防止することができる。ドライエッチング後のL−Ox膜203は吸湿しやすいため、ウエット剥離の工程では、図2(a)中に矢印で示したように、L−Ox膜203中には、水等の剥離液成分が浸透する。
【0046】
そこで次に、浸透した水分等を蒸発させ、除去するための熱処理を行う(図2(b))。熱処理の条件は、たとえばH、N、Ar等の不活性ガス中、250℃以上450℃以下の温度で、10分以上30分以下とする。250℃以上の温度で10分以上加熱することにより、L−Ox膜203中に浸透した水分が確実に除去される。また、450℃以下の温度とし、また30分以下とすることにより、半導体装置の劣化を抑制し、すぐれた特性を確実に維持することができる。
【0047】
熱処理を行った後、バリアメタルとしてTa/TaN膜208を30nmスパッタリング法により成膜し、つづいて、Ta/TaN膜208の上にCu膜209を膜厚100nmでスパッタリング法により成膜する。本実施形態においては、ウエット剥離後、熱処理を行っているため、バリアメタルの成膜不良が抑制され、均一な膜が全面に形成される。その後、電解メッキ法によりCu膜209を700nm成膜し、第1溝配線パターン207を埋め込んでから、銅のグレインを成長させるためにN雰囲気で400℃、30分の熱処理を行う(図2(c))。
【0048】
次に、SiO膜204上のCu膜209およびTa/TaN膜208をCMP(Chemical Mechanical polishing)により除去し、シュウ酸処理、純水リンスを経て、第1の銅溝配線が形成される(図2(d))。なお、防食剤による表面処理を行ってもよい。こうすれば、Cu表面の酸化が防止される。
【0049】
そして、Cu拡散防止膜となるSiCN膜211(膜厚50nm)、層間絶縁膜となるSiO膜212(膜厚400nm)を順次成膜する。こうして、図3(a)の構造が得られる。
【0050】
次に、成膜したSiO膜212上に反射防止膜225とフォトレジスト214を塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いて、ビア用レジストパターン215を形成する(図3(b))。フォトレジスト214としては、化学増幅型が好適に用いられ、たとえばポジ型レジストとする。
【0051】
さらに、ドライエッチング技術によりビアレジストパターンからSiO膜212をエッチングして、ビア用パターンを形成する。その後、アッシングを行い、フォトレジスト214と反射防止膜225を除去する(図3(c))。次に、ビア底のSiCN膜211をエッチバックする。次に、剥離液によりエッチング残渣を除去する(図3(d))。
【0052】
ここで、下層配線255とビア用パターンとに目ずれが生じた場合、図3(d)中の右側のビア用パターンに矢印で示したように、剥離液を用いたウエット処理の際に、下層配線255の層間絶縁膜であるL−Ox膜203が露出し、露出部分から剥離液中の水分等がL−Ox膜203中に浸透する。そこで、ビアの形成においても、ウエット処理した後に下層配線255の形成の際と同様に、熱処理を施す(図4(e))。こうすれば、L−Ox膜203中に浸透した水分等が蒸発し、確実に除去されるため、バリアメタルの成膜性が向上する。
【0053】
その後、スパッタリング法により、バリアメタルとして膜厚30nmのTa/TaN膜226を成膜し、この上にシード用のCu膜(不図示)を形成した後、電解メッキ法によりCu膜227を700nm成膜し、ビアパターンに埋め込む。その後、グレインを成長させるために400℃の熱処理を行う(図4(f))。
【0054】
そして、SiO膜212上のCu膜227およびTa/TaN膜226をCMPにより除去し、シュウ酸処理、純水リンス処理を行い、銅プラグ228を形成する(図4(g))。そして、下層配線255を形成した際と同じ工程により第2のCu拡散防止膜としてSiCN膜213を50nm成膜する(図5(h))。
【0055】
次に、第2の層間絶縁膜としてL−Ox膜216を300nm塗布、焼成する。このとき、200℃以上400℃以下の雰囲気温度で焼成することにより、前述したように優れた特性のL−Ox膜216を安定的に形成することができる。L−Ox膜216の上にSiO膜217を100nm成膜する。次に、反射防止膜225とフォトレジスト218を塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いて、フォトレジスト218に第2溝配線用レジストパターン219を形成する(図5(i))。
【0056】
次に、フォトレジスト218をマスクにして、第2溝配線の層間絶縁膜であるSiO膜217とL−Ox膜216をエッチングする。次に、アッシングによりフォトレジスト218と反射防止膜225を除去する。次に、全面エッチバックにより、第2のCu拡散防止膜のSiCN膜213を除去する。次に、剥離液によりエッチング残渣を除去する(図5(j))。このとき、図5(j)中に矢印で示したように、L−Ox膜216中には、水等の剥離液成分が浸透する。
【0057】
そこで、前述した下層配線255の形成と同様の条件で、SiO膜212中に浸透した水分を除去するための熱処理を行う(図6(k))。熱処理により、L−Ox膜中に浸透した水分等が蒸発し、後述するバリアメタル膜の成膜性が向上する。
【0058】
その後、スパッタリング法により、Ta/TaN膜220を30nm成膜し、Ta/TaN膜220の上にシード用のCu膜(不図示)を100nm成膜する。次に、電解メッキ法によりCu膜を700nm成膜し、次いでCMPにより、上層配線270を形成する(図6(l))。その後、上層配線270表面を、シュウ酸水溶液を用いて洗浄し、銅表面の酸化層を除去し、純水リンスを行い、残存するシュウ酸や不純物を除去する。そして、Cu拡散防止膜となるSiCN膜222(膜厚50nm)を成膜する(図6(m))。こうして、図1の配線構造が得られる。
【0059】
以上のように、本実施形態では、剥離液によるウエット処理において低誘電率層間絶縁膜中に浸透した水分が熱処理により除去されるため、バリアメタル膜の成膜不良が抑制され、均一な膜を形成することができる。また、バリアメタル膜の成膜後に低誘電率層間絶縁膜中から水分が移動することによる配線構造の損傷が抑制されるため、信頼性の高い配線構造が得られる。さらに、本実施形態では、シングルダマシン構造を採用しているため、ビアと上層配線の間にバリアメタル膜が介在する構造となるため、ストレスマイグレーション耐性が向上する。
【0060】
(第二の実施形態)
本実施形態は、デュアルダマシン法で多層配線構造を形成する際に本発明を適用した例である。ここでは、いわゆるビアファースト法で配線およびビアを形成する方法を例として説明する。本実施形態において、第一の実施形態と同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0061】
図7は本実施形態に係る配線構造の構造を示す断面図である。この配線構造は、下層配線255がビアプラグを介して上層配線260に接続された構成を有する。
【0062】
下層配線255は積層膜に形成された溝部に設けられている。この溝部は、半導体基板(不図示)上に成膜された下地絶縁膜201、SiCN膜202、L−Ox膜203およびSiO膜204からなる積層膜に形成されている。下層配線255の側面と底面はTa/TaN膜208に覆われている。
【0063】
ビアプラグは、SiO膜204上のSiCN膜211およびSiO膜212からなる積層膜に形成された孔部に設けられている。その孔部の側面と底面はTa/TaN膜220に覆われている。
【0064】
上層配線260は積層膜に形成された溝部に設けられている。その溝部は、SiO膜212、SiCN膜213、L−Ox膜216およびSiO膜217からなる積層膜に形成されている。上層配線260の側面はTa/TaN膜220に覆われ、上層配線260の上面にはSiCN膜222が形成されている。
【0065】
次に、図7の配線構造の製造方法について説明する。図8〜図12は、図7の配線構造の製造工程を示す断面図である。なお、すでに述べた実施の形態と同様な工程については、その詳細な説明は省略する。
【0066】
まず、半導体素子を有する基板上に成膜された下地絶縁膜201上に、SiCN膜202、L−Ox膜203、SiO膜204をこの順に成膜する。その後、SiO膜204とL−Ox膜203をドライエッチングして、第1溝配線パターン207を形成する(図8(a))。
【0067】
次に、ドライエッチングによりSiCN膜202のエッチバックを行い、下地半導体素子との導通面を開口し、エッチング残渣除去のためのウエット剥離を行い、第1溝配線パターン207を形成する。そして、第一の実施形態と同様にして熱処理を行い、L−Ox膜203中に浸透した剥離液成分を蒸発させ、除去する(図8(b))。次いで、バリアメタルとしてTa/TaN膜208、Cu膜209をこの順にスパッタリング法により成膜する。その後、電解メッキ法によりCu膜209を700nm成膜し、第1溝配線パターン207を埋め込んでから、銅のグレインを成長させるためにN雰囲気で400℃、30分の熱処理を行う(図8(c))。
【0068】
次に、SiO膜204上のCu膜209およびTa/TaN膜208をCMPにより除去し、シュウ酸処理、純水リンスを行う。純水リンスについて、防食剤を含む液体によって表面処理してもよい。これにより、Cu表面に防食剤が付着して酸化が防止されるため好ましい。以上のようにして、第1の銅溝配線が形成される(図8(d))。
【0069】
その後、SiCN膜211、SiO膜212、SiCN膜213を順次成膜する。その上に第2溝配線の層間絶縁膜としてL−Ox膜216を300nm塗布・焼成し、その上にSiO膜217を成膜する。つづいて反射防止膜225とフォトレジスト214を塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いて、フォトレジストにビア用レジストパターン215を形成する(図9(e))。
【0070】
次に、ビア用レジストパターン215を用いてドライエッチングを行い、SiCN膜211の上部に到達する孔を形成する(図9(f))。その後、アッシングと剥離液処理により、フォトレジスト214、反射防止膜225およびレジスト残渣を除去する。
【0071】
この剥離液によるウエット処理により、L−Ox膜216中に剥離液中の成分が浸透し、膜中の水分含量が増加する。この状態のまま、後述する配線溝形成のためのフォトレジスト膜を形成した場合、レジスト膜の化学増幅を膜中の水分が妨害し、レジストパターンの形成不良が生じる。そこで、本実施形態においては、上述の条件で熱処理を行い、L−Ox膜216中の水分を蒸発、除去する(図10(g))。こうすることにより、配線溝のレジストパターン(図10(h)を用いて後述するフォトレジスト218)が精度よく形成され、製造工程での歩留まりが向上する。
【0072】
次に、再び反射防止膜225を塗布、焼成し、その上にフォトレジスト218を塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いて、フォトレジストに第2溝配線用レジストパターン219を形成する(図10(h))。
【0073】
つづいて、第2溝配線用レジストパターン219から、SiO膜217、L−Ox膜216、および反射防止膜225をエッチングストッパー膜となるSiCN膜213までエッチングする。その後、アッシングを行い、第2溝配線用のフォトレジスト218および反射防止膜225を除去し、エッチングによりビア底のSiCN膜211を除去する。次に、剥離液によりエッチング残渣を除去する(図11(i))。そして、L−Ox膜216中に浸透した剥離液成分を除去するための熱処理を行う(図11(j))。
【0074】
その後、電解メッキ法によりCu膜を700nm成膜した後、CMPを行い、図11(k)に示すように、上部配線260およびビアプラグを構成する銅膜を形成する。
【0075】
次に、第1の銅溝配線と同様にして、シュウ酸処理、純水リンスを行い、SiCN膜222を成膜する(図12(l))。以上により、図7の配線構造が得られる。
【0076】
本実施形態では、デュアルダマシンプロセスにおいて、ビアホール形成後のウエット処理の後、熱処理を行った後に第2の銅溝配線のフォトレジストの化学増幅を行っている。従来のプロセスでは、この熱処理を行っていなかったため、L−Ox膜216中に浸透した水分が反射防止膜225中を経由してフォトレジスト218中に浸透し、レジストパターンの形成不良を生じていたが、本実施形態では、これが効果的に防止され、配線構造製造の歩留まりが上昇する。また、バリアメタル膜の成膜性にも優れ、安定的に使用可能な配線構造が得られる。
【0077】
(第三の実施形態)
図7の配線構造は、デュアルダマシン法のうち、いわゆるトレンチファースト法によっても作製することができる。そこで、以下、トレンチファースト法により形成される銅配線構造について図13、図14を参照して説明する。なお、本実施形態において、第一または第二の実施形態と同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0078】
まず、第二の実施形態と同様にして、図8(a)〜図8(d)の工程により、第1の銅溝配線を形成する(図8(d))。次に、第二の実施形態と同様にして、SiCN膜211、SiO膜212、SiCN膜213を順次成膜する。その上に第2溝配線の層間絶縁膜としてL−Ox膜216を300nm塗布・焼成し、その上にSiO膜217を成膜する。つづいて反射防止膜225とフォトレジスト214を塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いて、フォトレジストに第2溝配線用レジストパターンを形成する(図13(e))。
【0079】
次に、第2溝配線用レジストパターンを用いてドライエッチングを行い、SiCN膜213の上部に到達する孔を形成する(図13(f))。その後、アッシングと剥離液処理により、フォトレジスト214、反射防止膜225およびレジスト残渣を除去する。
【0080】
この剥離液によるウエット処理により、L−Ox膜216中に剥離液中の成分が浸透し、膜中の水分含量が増加する。本実施形態においても、この状態のまま、後述するビア形成のためのフォトレジスト膜を形成した場合、レジスト膜の化学増幅を膜中の水分が妨害し、レジストパターンの形成不良が生じる。そこで、本実施形態においては、上述の条件で熱処理を行い、L−Ox膜216中の水分を蒸発、除去する(図14(g))。こうすることにより、ビアホールのレジストパターンが精度よく形成され、製造工程での歩留まりが向上する。
【0081】
次に、再び反射防止膜225を塗布・焼成し、その上にフォトレジスト218を塗布し、フォトリソグラフィー技術を用いて、フォトレジストにビア用レジストパターン215を形成する(図14(h))。そして、以降の工程は、図11〜図12を用いて前述したプロセスにより、図7の配線構造が得られる。
【0082】
このように、トレンチファースト法の場合にも、第2銅溝配線形成後のウエット処理の後、熱処理を行った後にビアホールのフォトレジストの化学増幅を行っているため、ポイゾニングやバリアメタル膜の成膜不良が効果的に防止される。
【0083】
以上、本発明を実施形態に基づき説明した。これらの実施形態は例示であり様々な変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0084】
たとえば、L−Ox膜203またはL−Ox216膜の上部にそれぞれSiO膜204、SiO膜217をそれぞれ形成した。これらの膜は設けなくてもよいが、SiO膜を設けることにより低誘電率層間絶縁膜と拡散防止膜との密着性が向上し、好ましい。
【0085】
また、バリアメタル膜としてTaNおよびTaがこの順に積層したTa/TaN膜を用いた。他の材料として、たとえばTi、W、Ta等の高融点金属を含んでもよい。好ましいバリアメタル膜としては、たとえば、Ti、TiN、W、WN、Tn、TnN等が例示される。また、TnNおよびTnがこの順に積層したTn/TnN膜としてもよい。
【0086】
また、拡散防止膜としては、種々のものを用いることができるが、たとえばSiC、SiCN、SiOC、またはSiONを用いることが好ましい。このような誘電率の低い材料を用いることにより、配線間容量を低減することができる。
【0087】
また、以上の実施形態においては、下層配線255と上層配線270との間に形成される層間絶縁膜を、L−Ox膜203またはL−Ox216膜とした。L−Ox膜は前述のように低誘電率膜として好ましく用いられるが、他の材料として、SiOC膜を用いてもよい。SiOC膜は、Si、O、C、Hを構成元素として含み、CVD法により形成することができる。
【0088】
【実施例】
(実施例1)
本実施例では、第二の実施形態に記載の方法により、ビアファースト法により下層配線と上層配線とがビアで接続された二層銅配線構造を作製した。そして、図10(h)における第2溝配線用レジストパターン219の形成状態を、図10(g)における熱処理の有無で比較した。
【0089】
図15は、図10(h)のプロセスで形成された第2溝配線用レジストパターン219の上面を観察したSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。図15(a)は、図10(g)における熱処理を施さずに第2溝配線用レジストパターン219を形成した試料であり、図15(b)は、熱処理を行った後に第2溝配線用レジストパターン219を形成した試料である。
【0090】
図15(a)より、図10(g)の工程での熱処理を行わないと、第2溝配線用レジストパターン219のポイゾニングが生じていることがわかる。これに対し、図15(b)より、図10(g)の工程でL−Ox膜216中の水分を蒸発、除去することにより、フォトレジスト218のパターニングが精密に行われ、第2溝配線用レジストパターン219のポイゾニングが防止されていることがわかる。
【0091】
(実施例2)
本実施例では、第三の実施形態に記載の方法により、トレンチファースト法により下層配線と上層配線とがビアで接続された二層銅配線構造を作製した。そして、図14(h)におけるビア用レジストパターン215の形成状態を、図14(g)における熱処理の有無で比較した。
【0092】
図16は、図14(h)のプロセスで形成されたビア用レジストパターン215の上面を観察したSEM写真である。図16(a)は、図14(g)における熱処理を施さずにビア用レジストパターン215を形成した試料であり、図16(b)は、熱処理を行った後にビア用レジストパターン215を形成した試料である。
【0093】
図16(a)より、図14(g)の工程での熱処理を行わないと、ビア用レジストパターン215のポイゾニングが生じていることがわかる。これに対し、図16(b)より、図14(g)の工程でL−Ox膜216中の水分を蒸発、除去することにより、フォトレジスト218のパターニングが精密に行われ、ビア用レジストパターン215のポイゾニングが防止されていることがわかる。
【0094】
実施例1および実施例2の結果より、低誘電率層間絶縁膜を用いたデュアルダマシンプロセスにおいて、レジスト膜のパターニングを行う前に熱処理を施すことにより、L−Ox膜中の水分等が除去され、レジストパターンのポイゾニングが抑制され、精密なパターニングが可能となることが明らかになった。
【0095】
(実施例3)
本実施例では、第一の実施形態に記載の配線構造を作製し、図4(g)における銅プラグ228の側面および底面に形成されるTa/TaN膜226の成膜性について検討を行った。
【0096】
図17は、下層配線上に形成されたビアプラグの断面を観察したTEM(透過型電子顕微鏡)写真である。図17(a)は、図3(d)における熱処理を施さずにビアプラグを形成した試料であり、図17(b)は、熱処理を行った後にビアプラグを形成した試料である。なお、図3(d)では、一つの下層配線255上に二つの銅プラグ228が形成された様子を示しているが、本実施例では、図17(a)および図17(b)に示したように、二つのビアプラグをそれぞれ異なる下層配線上に形成した。
【0097】
図17(a)より、図3(d)の工程での熱処理を行わないと、バリアメタル膜が均一に成膜されず、側面に成膜不良が生じていることがわかる。これに対し、図17(b)より、図3(d)の工程でL−Ox膜中の水分を蒸発、除去することにより、バリアメタル膜が均一に成膜されていることがわかる。
【0098】
本実施例より、低誘電率層間絶縁膜を用いたダマシンプロセスにおいて、剥離液を用いたウエットプロセスの後に熱処理を施すことにより、バリアメタル膜の成膜性が向上することが明らかになった。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、低誘電率膜を用いた半導体装置の歩留まりを向上させることができる。また、本発明によれば、低誘電率膜を用いた半導体装置の製造過程におけるフォトレジスト膜の形成不良を抑制することができる。また、本発明によれば、低誘電率膜を用いた半導体装置の製造過程におけるバリアメタル膜の成膜不良を抑制することができる。また、本発明によれば、低誘電率膜を用いた半導体装置を長期間安定に利用可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る配線構造の構造を示す断面図である。
【図2】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図3】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図4】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図5】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図6】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図7】本実施形態に係る配線構造を示す断面図である。
【図8】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図9】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図10】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図11】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図12】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図13】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図14】本実施形態に係る配線構造の製造工程を示す断面図である。
【図15】実施例の配線構造のSEM写真を示す上面図である。
【図16】実施例の配線構造のSEM写真を示す上面図である。
【図17】実施例の配線構造のTEM写真を示す断面図である。
【図18】梯子型水素化シロキサン構造を有するL−Ox(商標)の構造を示す図である。
【図19】L−Oxの物性データを示す図である。
【図20】L−OxのFT−IRの観測結果を示す図である。
【図21】L−Oxの物性を説明するための図である。
【図22】従来知られている3次元的な構造をもつ水素化シルセスキオキサン構造のHSQ (Hydrogen Silsesquioxane)の分子骨格を示す図である。
【符号の説明】
201 下地絶縁膜
202 SiCN膜
203 L−Ox膜
204 SiO
207 第1溝配線パターン
208 Ta/TaN膜
209 Cu膜
211 SiCN膜
212 SiO
213 SiCN膜
214 フォトレジスト
215 ビア用レジストパターン
216 L−Ox膜
217 SiO
218 フォトレジスト
219 第2溝配線用レジストパターン
220 Ta/TaN膜
222 SiCN膜
225 反射防止膜
226 Ta/TaN膜
227 Cu膜
228 銅プラグ
255 下層配線
260 上層配線
270 上層配線

Claims (11)

  1. 半導体基板上に梯子型水素化シロキサンまたはSiOCを含む絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜をドライエッチングにより選択的に除去することにより凹部を形成する工程と、
    前記絶縁膜の形成された基板面に対して、水を含む処理液を用いてウエット処理を行う工程と、
    ウエット処理を行う前記工程の後、前記絶縁膜を加熱して、ウエット処理を行う前記工程で前記絶縁膜中に浸透した水分を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、前記凹部が配線接続孔または配線溝であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、水分を除去する前記工程の後、前記凹部を被覆するバリアメタル膜を形成する工程をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記絶縁膜を選択的に除去する前記工程により配線溝を形成する工程と、
    前記配線溝を被覆する前記バリアメタル膜を形成し、前記バリアメタル膜の形成された前記凹部を銅含有金属により埋設することにより、配線を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の半導体装置の製造方法において、水分を除去する前記工程の後、前記絶縁膜の上部にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜のパターニングを行う工程をさらに含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5に記載の半導体装置の製造方法において、フォトレジストを塗布する前記工程は、化学増幅型のフォトレジストを塗布する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 半導体基板上に金属膜を形成する工程と、
    前記金属膜上に梯子型水素化シロキサンまたはSiOCを含む絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜に所定の開口部を有するレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜をマスクとして前記絶縁膜を選択的に除去し、前記金属膜に到達する凹部を形成する工程と、
    前記凹部の形成された基板面に対して、水を含むレジスト剥離液を用いてウエット処理を行う工程と、
    ウエット処理を行う前記工程の後、前記絶縁膜を加熱して、ウエット処理を行う前記工程で前記絶縁膜中に浸透した水分を除去する工程と、
    水分を除去する前記工程の後、前記凹部を被覆するバリアメタル膜を形成する工程と、
    前記バリアメタル膜の形成された前記凹部を銅含有金属により埋設する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、前記金属膜が金属配線であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項7に記載の半導体装置の製造方法において、前記金属膜が接続プラグであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項7乃至9いずれかに記載の半導体装置の製造方法において、前記レジスト剥離液がアミン化合物を含有する剥離液であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項1乃至10いずれかに記載の半導体装置の製造方法において、水分を除去する前記工程は、前記半導体基板を150℃以上の温度で10分以上30分以下加熱する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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