JP2004296445A - セラミックヒータ、セラミックヒータの製造方法およびセラミックヒータの製造システム - Google Patents

セラミックヒータ、セラミックヒータの製造方法およびセラミックヒータの製造システム Download PDF

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Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Abstract

【課題】 精密にその抵抗値が調整された抵抗発熱体パターンを比較的低コストで形成することが可能なセラミックヒータを提供すること。
【解決手段】 セラミック基板上に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータであって、抵抗発熱体にトリミングが施されてなることを特徴とするセラミックヒータ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に、半導体の製造や検査のために用いられるセラミックヒータ(ホットプレート)、その製造方法、および、セラミックヒータの製造システムに関する。
従来、エッチング装置や化学的気相成長装置等を含む半導体製造・検査装置等として、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用いたヒータやウエハプローバ等が用いられてきた。
しかし、金属製のヒータは、ヒータ板が厚いため、ヒータの重量が重く、嵩張る等の問題があり、さらに、これらに起因して温度追従性にも問題があった。
そこで、特許文献1等には、基板として、熱伝導率が高く、強度も大きい窒化物セラミックや炭化物セラミックを使用し、これらのセラミックからなる板状体(セラミック基板)の表面に、金属粒子を焼結して形成した発熱体を設けてなるセラミックヒータが開示されている。
このようなセラミックヒータを製造する際に抵抗発熱体を形成する方法としては、以下のような方法が挙げられる。
まず初めに、所定形状のセラミック基板を製造するが、この後、塗布法で抵抗発熱体を形成する場合には、続いて、このセラミック基板の表面に、スクリーン印刷等の方法を用いて発熱体パターンの導体ペースト層を形成し、加熱、焼成を行って、抵抗発熱体を形成していた。
また、スパッタリング等の物理的蒸着法やめっき法を用いて抵抗発熱体を形成する場合には、セラミック基板の所定領域に、これらの方法により金属層を形成しておき、その後、発熱体パターンの部分を覆うようにエッチングレジストを形成した後、エッチング処理を施すことにより、所定パターンの抵抗発熱体を形成していた。
また、初めに、発熱体パターン以外の部分を樹脂等を被覆しておき、この後、上記処理を施すことにより、一度の処理でセラミック基板の表面に所定パターンの抵抗発熱体を形成することもできる。
特開平11−40330号公報
しかしながら、スパッタリングやめっき等の方法では、精密なパターンを形成することができるものの、所定パターンの抵抗発熱体を形成するために、セラミック基板表面にフォトリソグラフィーの手法を用いてエッチングレジストやめっきレジスト等を形成する必要があるため、コストが高くつくという問題があった。
一方、導体ペーストを用いる方法では、上記したように、スクリーン印刷等の手法を用いることにより、比較的低コストで抵抗発熱体を形成することができるものの、精密なパターンを作製しようとすると、印刷時のわずかなミスで短絡等が発生してしまい、精密なパターンの抵抗発熱体を形成するのが難しいという問題があった。また、印刷の厚さがばらつくため抵抗値にばらつきが発生するという問題を抱えていた。
本発明者らは、上述した問題点に鑑み、精密な発熱体パターンを比較的低コストで形成することを目的に鋭意研究を行った結果、例えば、所定幅の同心円形状の導体層を形成した後、レーザ光照射装置または研磨装置等を用いて、発熱体パターン以外の部分を除去することにより、精密な発熱体パターンの形成が可能なことを見出した。
また、上記方法により抵抗発熱体を形成する際、または、抵抗発熱体を形成した後、レーザ光を照射するか、または、研磨を行うことにより、抵抗発熱体の厚みを調整したり、抵抗発熱体の一部を除去することで抵抗値を調整することができることも同時に見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、セラミック基板上に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータであって、抵抗発熱体にトリミングが施されてなることを特徴とするセラミックヒータである。
第一の本発明において、上記トリミングは、抵抗発熱体の表面、または、側面を含む部分を除去するものであってもよく、全体として電気回路が形成されていれば、その一部を断線させるように除去するものであってもよい。このようなトリミングにより、抵抗値(抵抗率)の調整が可能になる。このため、抵抗発熱体を導体ペーストの印刷により製造した場合でも、厚さのばらつきをトリミングで調整することができるのである。
また、第一の本発明では、セラミック基板上に、金属を含む導体ペーストまたは金属と酸化物とを含む導体ペーストを用いて抵抗発熱体を形成するため、特にレーザ光でトリミングしやすい。金属はレーザで蒸発除去されるが、セラミックは除去されないからである。
上記トリミングは、抵抗発熱体の側面を含む部分に形成されていることが望ましい。側面を含む部分のトリミングの形態としては、図8〜10に示すように、シングルカット(図8(a)参照)、ダブルリバースカット(図8(b)参照)、Jカット(図8(c)参照)、バーニャ付きLカット(図8(d)参照)、ダブルカット(図9(e)参照)、サーペントカット(図9(f)参照)、Cカット(図9(g)参照)、Tカット(図9(h)参照)、Lカット(図10(i)参照)などが挙げられる。
また、図11に示すように、抵抗発熱体12の表面に1以上の溝120を形成するトリミングも可能である。この方法であれば、発熱体を断線させるおそれがなく、耐久性にも優れる。
第二の本発明は、セラミック基板上に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータであって、上記抵抗発熱体は、並列回路の少なくとも一部にトリミングが施されて形成されてなることを特徴とするセラミックヒータである。
具体的にいうならば、セラミック基板上に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータであって、上記抵抗発熱体は、互いに並行に形成されてなり、並行に形成された上記抵抗発熱体間に、両者を電気的に接続する接続用抵抗発熱体が形成されるとともに、上記接続用抵抗発熱体および並行に形成された上記抵抗発熱体の少なくとも一部にトリミングが施されてなることを特徴とするセラミックヒータである。
第二の本発明では、梯子状などのように、並列に形成された抵抗発熱体の一部を、適宜トリミングして切断することにより抵抗値を調整する。
例えば、図12Aに示したように、並行に形成された抵抗発熱体22a、22bの間に接続用抵抗発熱体22cを設けて、梯子状の抵抗発熱体とし、この梯子状の抵抗発熱体の一部をBやCに示したようにトリミングすることにより、抵抗値を調整する。Bに示したように接続用抵抗発熱体22cの一部をトリミングするとその抵抗値は下がり、Cに示したように、並行に形成された抵抗発熱体22a、22bをトリミングして、抵抗発熱体の長さが実質的に長くなるようにすると、抵抗値が上がる。
第三の本発明は、セラミック基板上に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータであって、上記抵抗発熱体の所定区域の厚さが、その他の部分の厚さと異なることを特徴とするセラミックヒータである。
第三の本発明では、抵抗発熱体の厚さを変えることにより抵抗発熱体の抵抗値(抵抗率)を調整する。抵抗発熱体の厚さを薄くすれば抵抗値(抵抗率)が大きくなる。ある所定箇所の抵抗値(抵抗率)が大きい場合には、それ以外の抵抗発熱体の厚さを薄くし、逆にある所定箇所の抵抗値(抵抗率)が小さい場合は、その部分の厚さを薄くすることにより抵抗発熱体の抵抗値(抵抗率)を調整することができるのである。
第四の本発明は、セラミック基板表面の所定領域に導体層を形成した後、
上記導体層の一部をトリミングすることにより、所定パターンの抵抗発熱体を形成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法である。
上記導体層の一部をトリミングすることにより、面状の導体層から所定のパターン(渦巻き、同心円、屈曲など)を得ることができる。また、前述のように、導体層の側面を含む部分または表面の一部を除去することにより抵抗値を調整することができる。さらに、抵抗発熱体の厚さを調整することにより、抵抗発熱体の抵抗値(抵抗率)を調整することが可能となる(図2参照)。
第五の本発明は、セラミック基板表面の所定領域に導体層を形成した後、
上記導体層にレーザ光を照射してその一部をトリミングすることにより、所定パターンの抵抗発熱体を形成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法である。
セラミック基板の上に抵抗発熱体を金属を含む導体ペーストまたは金属と酸化物とを含む導体ペーストを用いて形成するため、特にレーザ光でトリミングしやすい。金属はレーザで蒸発除去されるがセラミックは除去されないからである。
また、セラミックは、耐熱性に優れ、レーザ光によるトリミングで変性したり、抵抗発熱体が剥離したりすることはない。
従って、半導体ウエハやプリント配線板上のレーザトリミングとは全く異なり、レーザ光出力を加減しなくてすみ、除去残渣がなく、精度のよいトリミングを実現することができる。
第六の本発明は、セラミック基板表面の所定領域に導体ペースト層を形成し、加熱、焼成を行って導体層とした後、レーザ光を照射して上記導体層の一部をトリミングし、所定パターンの抵抗発熱体を形成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法である。
第六の本発明では、導体ペーストを焼成して抵抗発熱体を形成した後に、レーザ光でトリミングする。焼成後であるため、焼成により生じた抵抗発熱体の抵抗率の変動をレーザによるトリミングで修正することができる。
第七の本発明は、セラミック基板表面に発熱体パターンの導体ペースト層を形成した後、または、発熱体パターンの導体層を形成した後、
上記導体ペースト層または上記導体層にレーザ光を照射して、抵抗発熱体の厚みを調整することを特徴とするセラミックヒータの製造方法である。
第七の本発明では、レーザにより厚さを調整するため、除去した発熱体が付着したりせず、また、均一な厚さの制御を短時間で実現することができる。
第八の本発明は、セラミック基板表面の導体層をトリミングして抵抗発熱体パターンを形成することによりセラミックヒータを製造する際に用いられる製造システムであって、
セラミック基板を載置するテーブル、導体層を撮像するカメラ、データを記憶する記憶部、レーザ光を偏向するガルバノミラー、データを入力する入力部、データを演算する演算部、ならびに、テーブルおよび/またはガルバノミラーを制御する制御部からなり、
抵抗発熱体パターンおよび/またはトリミングのデータを入力部から入力して、これを記憶部に格納し、カメラにより導体層の位置を読み取り、この位置データおよびパターンおよび/またはトリミングのデータから演算部にてトリミングのためのテーブルおよび/またはガルバノミラーを制御する制御データを演算して、記憶部に格納し、さらに、この制御データを記憶部から制御部に送信してレーザを導体層に照射し、トリミングを行うように構成されていることを特徴とするセラミックヒータの製造システムである。
第八の本発明に係る製造システムを用いることにより、発熱体パターン(渦巻き、同心円、屈曲)の形成、発熱体の表面の一部除去、側面を含む部分の除去、膜の厚さ制御等を迅速に行うことができる。
第九の本発明は、セラミック基板表面の導体層をトリミングして抵抗発熱体パターンを形成することによりセラミックヒータを製造する際に用いられる製造システムであって、
セラミック基板を載置するテーブル、導体層を撮像するカメラ、データを記憶する記憶部、レーザ光を偏向するガルバノミラー、データを入力する入力部、データを演算する演算部、テーブルおよび/またはガルバノミラーを制御する制御部、ならびに、抵抗測定部からなり、
抵抗発熱体パターン、トリミングおよび所望の抵抗値から選ばれるいずれか少なくとも1種のデータを入力部から入力して、これを記憶部に格納し、また、導体層の抵抗値を測定して、抵抗値データを記憶部に格納し、カメラにより導体層の位置を読み取り、この位置データ、抵抗値データとともに、抵抗発熱体パターン、トリミングおよび所望の抵抗値から選ばれるいずれか少なくとも1種のデータをもって演算部にてトリミングのためのテーブルおよび/またはガルバノミラーを制御する制御データを演算して記憶部に格納し、さらに、この制御データを記憶部から制御部に送信して、レーザを導体層に照射し、トリミングを行うように構成されていることを特徴とするセラミックヒータの製造システムである。
第九の本発明に係る製造システムでは、抵抗値を測定し、所望とする抵抗値とするためにどのようなトリミングを行うべきか制御データを演算し、この制御データに従って、トリミングを行うものである。
第九の本発明では、例えば、図13に示したように、抵抗発熱体12パターンを複数の区画(l1 〜l6 )に分割し、各区画毎に抵抗値(抵抗率)を測定し、各区画毎にトリミングを行う。このため、発熱体パターンの抵抗値のバラツキを精度良く修正することができる。
第十の本発明は、セラミック基板表面の所定領域に導体層を形成した後、
研磨処理を施すことにより、導体層をトリミングして発熱体パターンを形成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法である。
第十の本発明では、研磨処理を施すことにより、導体層をトリミングして発熱体パターンとするため、広い面積の抵抗値の調整が可能になる。また、セラミック基板の上に導体層を形成しているため、樹脂や半導体ウエハ上に形成されるものとは全く異なり、研磨処理による振動や応力でセラミック基板が破損したりすることはない。
研磨処理を施す際には、上記導体層が形成されたセラミック基板の表面に導体層を覆うように形成されたマスクを載置し、ついで研磨処理を施す。
図14に示したベルトサンダー60(研磨テープをコンタクトローラで回転させる装置)のような研磨装置を使用する場合には、このようなマスクは不要である。具体的には、セラミック基板11の表面に所定パターンの抵抗発熱体12を形成した後、この抵抗発熱体12に研磨処理を施すことにより、その厚みを調整し、抵抗値(抵抗率)を調整する。
このベルトサンダー60を用いる場合、研磨テープの幅:1〜5000mm、砥粒:#100〜#10000、被研磨物(発熱体)の移動速度:10〜3000mm/分、テープの移動速度:10〜5000mm/分、コンタクトローラゴムの硬度:10〜100度で研磨を行う。
本発明によれば、加熱面の温度均一性に優れたセラミックヒータが得られ、ヒータ設計の自由度が上がる。また、抵抗発熱体の印刷精度を考慮する必要もないため、生産性にも優れる。さらに製品の抵抗値を修正することができるため、不良品の発生を低減させることができる。
以下、上述した第一〜第十の本発明を発明の実施形態に則して説明する。これらの発明は、互いに重複した部分を有するので、以下においては、これらの発明の番号付けは行わず、適宜、これらの発明を説明することとする。
本発明のセラミックヒータは、セラミック基板上に抵抗発熱体を形成したセラミックヒータであって、抵抗発熱体にトリミングが施されてなることを特徴とするセラミックヒータである。
このセラミックヒータは、発熱体形成面の反対側面が、被加熱物を載置したり、セラミック基板上に設置した支持ピン等を介して基板表面と一定の間隔を保ちながら加熱する面(以下、加熱面という)となっており、抵抗発熱体にはトリミング処理が施されて抵抗値が調整され、全体的に均一な抵抗値(抵抗率)となっている。その結果、このセラミックヒータを用いてシリコンウエハ等の被加熱物を加熱すると、加熱面の温度分布が均一になり、上記被加熱物を均一に加熱することができる。
上記トリミングは、抵抗発熱体の側面を含む部分または抵抗発熱体の表面に形成されている。
図8は、側面を含む部分にトリミングを施した場合の抵抗発熱体の形態を示した斜視図である。側面を含む部分のトリミングには、図8〜10に示すように、シングルカット(図8(a)参照)、ダブルリバースカット(図8(b)参照)、Jカット(図8(c)参照)、バーニャ付きLカット(図8(d)、図10(j)参照)、ダブルカット(図9(e)参照)、サーペントカット(図9(f)参照)、Cカット(図9(g)参照)、Tカット(図9(h)参照)、Lカット(図10(i)参照)、スキャンカット(図10(k)参照)などが挙げられる。なお、これらの図では、トリミングにより、形成した溝からセラミック基板が露出しているが、セラミック基板を露出させるまで深くトリミングせず、表面に溝を形成してもよい。
また、図11は、表面にトリミングが施された抵抗発熱体12を示す斜視図であるが、このように抵抗発熱体12の表面に溝120を形成することにより、抵抗値(抵抗率)を調整することができる。
表面トリミングの方法としては、抵抗発熱体12の表面に直線、曲線を描画する方法が挙げられる。直線や曲線は複数であってもよい。
また、トリミングは、図2に示すように厚さ方向に施されてもよい。トリミングは、所定区画毎に行われるため、抵抗値(抵抗率)が低い区域の抵抗発熱体の厚さが、その他の部分の厚さより相対的に小さくなり、これにより各区画における抵抗値(抵抗率)が同じになるので、発熱量も同じになり、局所的な発熱の不均一が是正される。
さらに、図12A〜Cに示すように、梯子状の抵抗発熱体を形成した後、トリミング処理を施して、その一部を切断することにより、抵抗値を調整することもできる。
すなわち、図12Aに示したように、並行に形成された抵抗発熱体22a、22b間に接続用抵抗発熱体22cを設けて、梯子状の抵抗発熱体22とし、この梯子状の抵抗発熱体22の一部をBやCに示したようにトリミングして切断ことにより、抵抗値を調整することができる。Bに示したように接続用抵抗発熱体22cの一部をトリミングするとその抵抗値は下がり、Cに示したように、並行に形成された抵抗発熱体22a、22bをトリミングして、抵抗発熱体の長さが実質的に長くなるようにすると、抵抗値は上がる。
表面や側面のトリミングは、溝や切断部分の幅が1〜100μm程度になるように形成することが望ましい。幅が広すぎると断線などが発生しやすくなるからである。厚さ方向にトリミングする場合は、元の厚さの5〜80%の部分をトリミングする。トリミング量が多すぎると断線を招くからである。レーザ光のスポット径は、1〜100μmで調整する。また、トリミングの形態によっては、1〜200mmのような大きなスポット径でもよい。
トリミングは、抵抗値(抵抗率)を測定し、その測定値に基づいて行うことが望ましい。抵抗値(抵抗率)の精度よい調整が可能になるからである。
抵抗値(抵抗率)を測定する際には、図13に示すように、抵抗発熱体12をl1 〜l6 の区画に分割し、各区画について抵抗値(抵抗率)を測定する。そして、抵抗値(抵抗率)が低い区画についてトリミング処理を実施すればよい。
トリミング処理が終わった後、再度抵抗値の測定を実施し、必要があればさらにトリミングを実施することができる。つまり、抵抗値測定とトリミングは1回だけではなく、2回以上実施してもよい。
トリミングは、抵抗発熱体ペーストを印刷した後焼成し、その後に実施することが望ましい。焼成により抵抗値が変動するからである。
また、最初に抵抗発熱体ペーストを面状(いわゆるベタ状)に印刷し、トリミングすることによりパターン化してもよい。この方法では、最初からパターン状に印刷しようとすると、印刷方向により厚さのばらつきが発生するが、面状に印刷する場合には均一な厚さで印刷できるため、これをトリミングしてパターン化することにより、均一な厚さの発熱体パターンを得ることができる。
トリミングは、レーザ光を照射する方法が挙げられるほか、サンドブラスト、ベルトサンダーなどの研磨処理方法を採用することができる。
レーザ光としては、YAGレーザ、エキシマレーザ(KrF)、炭酸ガスレーザなどを使用することができる。
次に、本発明のトリミングシステムについて説明する。
図1は、本発明のセラミックヒータの製造システムを構成するレーザトリミング装置の概要を示すブロック図である。
このレーザトリミングを行う際には、図1に示したように、形成する抵抗発熱体の回路を含むように、例えば、所定幅の同心円形状に導体層12mが形成された円板状のセラミック基板11をテーブル13上に固定する。
このテーブル13には、モータ等(図示せず)が設けられているとともに、このモータ等は制御部17に接続されており、制御部17からの信号でモータ等を駆動させることにより、テーブル13をxy方向(あるいはこれに加えてθ方向:上下方向)に自由に移動させることができるようになっている。
一方、このテーブル13の上方には、ガルバノミラー15が設けられているが、このガルバノミラー15は、モータ16により自由に回転できるようになっており、同じくテーブル13の上方に配置されたレーザ照射装置14から照射されたレーザ光22が、このガルバノミラー15に当たって、反射し、セラミック基板11を照射するように構成されている。
また、モータ16およびレーザ照射装置14は、制御部17に接続されており、制御部17からの信号でモータ16やレーザ照射装置14を駆動させることにより、ガルバノミラー15を所定の角度回転させ、セラミック基板11上のy方向について、照射位置を自由に設定することができるようになっている。
このように、セラミック基板11を載置したテーブル13およびガルバノミラー15を動かすことにより、セラミック基板11上の任意の位置にレーザ光22を照射することができる。
一方、テーブル13の上方には、カメラ21も設置されており、これにより、セラミック基板11の位置(x,y)を認識することができるようになっている。このカメラ21は、記憶部18に接続され、これによりセラミック基板11の導体層12mの位置(x,y)等を認識し、その位置にレーザ光22を照射する。
また、入力部20は、記憶部18に接続されるとともに、端末としてキーボード等(図示せず)を有しており、記憶部18やキーボード等を介して、所定の指示等が入力されるようになっている。
さらに、このレーザトリミング装置は、演算部19を備えており、カメラ21により認識されたセラミック基板11の位置や厚さ等のデータに基づいて、レーザ光22の照射位置、照射速度、レーザ光の強度等を制御するための演算を行い、この演算結果に基づいて制御部17からモータ16、レーザ照射装置14等に指示を出し、ガルバノミラー15を回転させ、テーブル13を移動させながらレーザ光22を照射し、導体層12mの不要部分のトリミングを行う。このようにして、所定パターンの抵抗発熱体を形成するのである。
また、このレーザトリミング装置は、必要に応じて抵抗測定部23を有していてもよい。抵抗測定部23は、複数のテスタピン24を備えており、抵抗発熱体パターンを複数の区画に区分し、各区画毎にテスタピン24を接触させて、抵抗発熱体の抵抗値を測定し、レーザ光を該当する区画に照射してトリミングするのである。
次に、このようなレーザトリミング装置を用いたセラミックヒータの製造方法について具体的に説明する。ここでは、本発明の要部であるレーザトリミング工程ついて詳しく説明し、それ以外の工程については簡単に説明する。なお、これらトリミング以外の工程については、後でより詳しく説明する。
最初に、セラミック基板の製造を行うが、まず、セラミック粉末と樹脂とからなる生成形体を作製する。この生成形体の作製方法としては、セラミック粉末と樹脂とを含む顆粒を製造した後、これを金型等に投入してプレス圧をかけることにより作製する方法と、グリーンシートを積層圧着することにより作製する方法とがあり、内部に静電電極等の他の導体層を形成するか否か等により、より適切な方法を選択する。この後、生成形体の脱脂、焼成を行うことにより、セラミック基板を製造する。
この後、セラミック基板にリフターピンを挿通するための貫通孔の形成、測温素子を埋設するための有底孔の形成等を行う。
次に、このセラミック基板11上に、抵抗発熱体となる部分を含む広い領域(例えば、図1に示したような所定幅を有する同心円形状)に、スクリーン印刷等により導体ペースト層を形成し、焼成することにより導体層12mとする。
めっき法やスパッタリング等の物理蒸着法を用いて導体層を形成してもよい。めっきの場合には、めっきレジストを形成することにより、スパッタリング等の場合には、選択的なエッチングを行うことにより、所定領域に導体層12mを形成することができる。
また、導体層は、後述するように抵抗発熱体パターンとして形成されていてもよい。
このようにして所定領域に導体層12mが形成されたセラミック基板11をテーブル13の所定位置に固定する。
予め、トリミングデータ、抵抗発熱体パターンのデータ、または、トリミングデータと抵抗発熱体パターンのデータとの両方を入力部20から入力し、記憶部18に格納する。つまり、トリミングにより形成しようとする形状のデータを記憶しておくのである。トリミングデータは、抵抗発熱体パターンの側面や表面のトリミングもしくは厚さ方向のトリミング、または、梯子状のパターンのトリミングを行う場合に使用されるデータであり、抵抗発熱体パターンデータは、面状(いわゆるベタ状)に印刷された導体層をトリミングして抵抗発熱体パターンを形成する場合に使用される。無論、これらを併用することもできる。
さらに、これらのデータに加えて、所望とする抵抗値データを入力し、記憶部18に格納しておいてもよい。これは抵抗測定部23において抵抗値(抵抗率)を実測し、所望とする抵抗値(抵抗率)とどれだけ相違があるかを演算し、これを所望とする抵抗値(抵抗率)に補正するために、どのようなトリミングを行うかを演算し、制御データを生成させるのである。
次に、固定されたセラミック基板11をカメラ21で撮影することにより、導体層12mの形成位置が記憶部18に記憶される。
この導体層の位置のデータ、トリミングにより形成しようとする形状のデータ、および、必要となる抵抗値データに基づいて、演算部19で演算が行われ、その結果が制御データとして記憶部18に記憶される。
そして、この演算結果に基づいて、制御部17から制御信号を発生させ、ガルバノミラー15のモータ16およびテーブル13のモータを駆動させながら、レーザ光を照射することにより、導体層12mの不必要な部分を除去し、あるいは、すでにパターンとして形成された抵抗発熱体の側面、表面、厚さ等をトリミングして所定パターンの抵抗発熱体12を完成する。
その後、外部端子の接続、測温素子の設置等を経て、セラミックヒータの製造が終了する。
この工程では、セラミック基板11上に導体層を形成した後、レーザ光により不必要部分の除去を行って、発熱体パターンとしたが、先に説明したように、予め、抵抗発熱体のパターンを形成しておき、厚さ方向、側面もしくは表面をトリミングし、または、梯子状のパターンの一部をトリミングすることもできる。
例えば、セラミック基板の表面に発熱体パターンの導体ペースト層を形成した後、または、発熱体パターンの導体層を形成した後、上記導体ペースト層または上記導体層にレーザ光を照射して、抵抗発熱体の厚みを調節する場合、レーザ光を導体層や導体ペースト層の除去のみでなく、導体層の厚さを調整するために用いる。すなわち、セラミック基板11上に、発熱体パターンの導体層12mや導体ペースト層を形成した後、図2(a)に示すように、発熱体パターンの部分全体にレーザ光を照射し、上層の部分のみを蒸発させることにより、図2(b)に示すように、導体層等の厚みを調整することができる。
このような方法を用いて導体層の厚みを調整することができれば、例えば、抵抗発熱体を形成した際、一部に厚い部分ができたり、全体的に設計値よりも厚くなったりした場合や、抵抗発熱体は設計どおりに形成されているが、セラミック基板の熱容量が設計よりも大きくなったりした場合等において、抵抗発熱体の厚みを薄くして抵抗値(体積抵抗率)を増大させることにより発熱量を多くすることができる。
このように、抵抗発熱体の発熱量の制御をより精密に行うことができるため、加熱面の温度の制御が一層容易になる。
抵抗値の制御は、図13に示すように、抵抗発熱体12を2以上の部分に区画(11 〜l6 )し、各区画毎に抵抗値の制御を行う。
また、図8〜12に示すように、抵抗発熱体の一部に溝を形成するか、回路長さを変えることで抵抗値を制御することができる。
導体層等の不要部分を除去する際には、レーザ光照射により導体層等の不要部分は完全に除去するものの、その下に存在するセラミック基板には、レーザ光照射により大きな影響を与えないことが重要になる。
従って、レーザ光は、導体層等を構成する金属粒子等には良好に吸収され、一方、セラミック基板に吸収されにくいものを選定する必要がある。このようなレーザの種類としては、例えば、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、UV(紫外線)レーザ等が挙げられる。
これらのレーザのなかでは、YAGレーザ、エキシマ(KrF)レーザが最適である。
また、セラミック基板11は、レーザ光が吸収されにくい材質のものが好ましく、例えば、窒化アルミニウム基板の場合には、炭素含有量が5000ppm以下の少ないものが好ましい。また、表面の面粗度をJIS B0601 Raで10μm以下にすることが望ましい。面粗度が大きい場合は、レーザ光を吸収してしまうからである。
YAGレーザとしては、日本電気製のSL432H、SL436G、SL432GT、SL411Bなどを採用できる。
図3は、このような方法により製造された抵抗発熱体12を有するセラミック基板11を模式的に示す平面図であり、図4は、その部分拡大断面図である。
このセラミックヒータ30では、抵抗発熱体12(12a〜12d)は、ウエハ加熱面11aの全体の温度が均一になるように加熱するため、セラミック基板11の底面11bに同心円形状のパターンと屈曲線形状のパターンにより形成されている。
抵抗発熱体12a、12bのように、配線間が広いパターンの場合には、スクリーン印刷により抵抗発熱体を形成する方が容易であるが、抵抗発熱体12c、12dのような間隔の狭いパターンや、屈曲形状のパターンでも、その間隔が狭く込み入ったパターンを形成する場合には、上記したレーザ光を用いたトリミングにより、抵抗発熱体を形成する方法が有効である。
なお、このセラミックヒータ30では、中央に近い部分に、シリコンウエハ39を運搬等するリフターピン36を挿通するための貫通孔35が形成され、さらに、測温素子を挿入するための有底孔34が形成されている。
本発明のセラミックヒータ30では、シリコンウエハ39等の被加熱物をセラミック基板11の加熱面11aに接触させた状態で載置して加熱するほか、図4に示すように、セラミック基板11に貫通孔35を設け、この貫通孔35にリフターピン36を挿入し、このリフターピン36でシリコンウエハ39等の被加熱物を保持することにより、セラミック基板11より一定の距離離間させた状態で被加熱物を加熱してもよい。
また、このリフターピン36を上下させることにより、搬送機からシリコンウエハ39等の被加熱物を受け取ったり、被加熱物をセラミック基板11上に載置したり、被加熱物を支持したまま加熱したりすることができる。
さらに、セラミック基板に凹部や貫通孔等を形成し、この凹部等に先端が尖塔状または半球状の支持ピンを先端がセラミック基板の表面よりわずかに突出した状態で挿入、固定し、シリコンウエハ39等の被加熱物をこの支持ピンで支持することにより、セラミック基板との間に一定の間隔を保って保持してもよい。
本発明のセラミックヒータのように、セラミック基板の表面(底面)に抵抗発熱体を設ける場合は、加熱面は抵抗発熱体形成面の反対側であることが望ましい。セラミック基板が熱拡散の役割を果たすため、加熱面の温度均一性を向上させることができるからである。
本発明のセラミックヒータにおけるセラミック基板は、円板であることが望ましく、その直径は190mmを超えるものが望ましい。このような直径が大きいものほど加熱面での温度ばらつきが大きくなるからである。
また、本発明のセラミックヒータのセラミック基板の厚さは、25mm以下であることが望ましい。上記セラミック基板の厚さが25mmを超えると温度追従性が低下するからである。
また、その厚さは、1.5mmを超え5mm以下であることがより望ましい。5mmより厚くなると、熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率が低下する傾向が生じ、一方、1.5mm以下であると、セラミック基板中を伝搬する熱が充分に拡散しないため加熱面に温度ばらつきが発生することがあり、また、セラミック基板の強度が低下して破損する場合があるからである。
本発明のセラミックヒータ10では、基板の材料としてセラミックを使用しているが、セラミックとしては特に限定されず、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミックおよび酸化物セラミック等を挙げることができる。
セラミック基板11の材料として、これらのなかでは、窒化物セラミックや炭化物セラミックが好ましい。熱伝導特性に優れるからである。
上記窒化物セラミックとしては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上記炭化物セラミックとしては、炭化珪素、炭化チタン、炭化硼素等が挙げられる。さらに、上記酸化物セラミックとしては、アルミナ、コージェライト、ムライト、シリカ、ベリリア等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、窒化アルミニウムが最も好ましい。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
ただし、セラミック基板は、レーザ光を吸収しないように、カーボンの量を少なくする、あるいは表面を研磨してJIS B0601 Raで10μm以下に調整するなどの工夫が必要になる。また必要に応じて、抵抗発熱体とセラミック基板の間に耐熱性セラミック層を設けてもよい。例えば、非酸化物系セラミックの場合は、表面に酸化物セラミックを形成しておいてもよい。
セラミック基板の表面または内部に形成される抵抗発熱体は、少なくとも2以上の回路に分割されていることが望ましい。回路を分割することにより、各回路に投入する電力を制御して発熱量を変えることができ、シリコンウエハの加熱面の温度を調整することができるからである。
抵抗発熱体のパターンとしては、例えば、同心円、渦巻き、偏心円、屈曲線などが挙げられるが、セラミック基板全体の温度を均一にすることができる点から、図1に示したような同心円状のものか、または、同心円形状と屈曲形状とを組み合わせたものが好ましい。
上記レーザを用いて抵抗発熱体を形成する場合には、配線同士の間隔が狭く混み合ったパターンとなる場合が有利である。
抵抗発熱体をセラミック基板の表面に形成する方法としては、上述した方法を用いる。すなわち、セラミック基板の所定領域に導体ペーストを塗布し、次に、導体ペースト層を形成した後にレーザによるトリミング処理を行うか、または、導体ペーストを焼き付けた後、レーザによるトリミング処理を行い、所定パターンの抵抗発熱体を形成する。焼成によりセラミック基板の表面で金属粒子を焼結させることができる。なお、金属の焼結は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックとが融着していれば充分である。トリミングは焼成後が最適である。焼成により抵抗値の変動があるため、焼成後の方が精度よく抵抗値制御ができるからである。
なお、めっき法やスパッタリング等の方法を用いて所定領域に導体層を形成し、レーザによるトリミング処理を行ってもよい。
セラミック基板の表面に抵抗発熱体を形成する場合には、抵抗発熱体の厚さは、1〜30μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。また、抵抗発熱体の幅は、0.1〜20mmが好ましく、0.1〜5mmがより好ましい。
抵抗発熱体は、その幅や厚さにより抵抗値に変化を持たせることができるが、上記した範囲が最も実用的である。この抵抗値(体積抵抗率)は、上述したように、レーザ光を用いることにより調整することができる。
抵抗発熱体は、断面形状が矩形であっても楕円であってもよいが、偏平であることが望ましい。偏平の方が加熱面に向かって放熱しやすいため、加熱面の温度分布ができにくいからである。
断面のアスペクト比(抵抗発熱体の幅/抵抗発熱体の厚さ)は、10〜5000であることが望ましい。
この範囲に調整することにより、抵抗発熱体の抵抗値を大きくすることができるとともに、加熱面の温度の均一性を確保することができるからである。
抵抗発熱体の厚さを一定とした場合、アスペクト比が上記範囲より小さいと、セラミック基板の加熱面方向への熱の伝搬量が小さくなり、抵抗発熱体のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまい、逆にアスペクト比が大きすぎると抵抗発熱体の中央の直上部分が高温となってしまい、結局、抵抗発熱体のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまう。従って、温度分布を考慮すると、断面のアスペクト比は、10〜5000であることが好ましいのである。
上記導体ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好ましい。
上記金属粒子としては、例えば、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。
上記導電性セラミックとしては、例えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これら金属粒子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなるからである。
上記金属粒子の形状は、球状であっても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよい。
上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しやすくなり、抵抗発熱体と窒化物セラミック等との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるため有利である。
導体ペーストに使用される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースなどが挙げられる。
導体ペーストには、金属粒子に金属酸化物を添加し、抵抗発熱体と金属粒子および金属酸化物とを焼結させたものとすることが望ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、セラミック基板である窒化物セラミック等と金属粒子とをより密着させることができる。
金属酸化物を混合することにより、窒化物セラミック等との密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面や窒化物セラミック等の表面は、わずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミック等とが密着するのではないかと考えられる。また、セラミック基板を構成するセラミックが酸化物セラミックの場合は、当然に表面が酸化物からなるので、密着性に優れた導体層が形成される。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの酸化物は、抵抗発熱体12の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子と窒化物セラミック等との密着性を改善することができるからである。
上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整されていることが望ましい。
これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミック等との密着性を改善することができる。
上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。また、このような構成の導体ペーストを使用して抵抗発熱体12を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好ましい。
面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、セラミック基板の表面に抵抗発熱体12を設けたセラミック基板11では、その発熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
また、必要に応じて面積抵抗率を50mΩ/□〜10Ω/□にすることができる。面積抵抗率を大きくすると、パターンを幅を広くすることができるため、断線の問題がない。
抵抗発熱体がセラミック基板の表面に形成される場合には、抵抗発熱体の表面部分に、金属被覆層が形成されていることが望ましい。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。形成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。
金属被覆層を形成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。
抵抗発熱体には、電源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半田を介して抵抗発熱体に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止するからである。接続端子としては、例えば、コバール製のものが挙げられる。
次に、レーザ処理を含む本発明のセラミックヒータの製造方法について、レーザ処理工程以外の工程に関し、図5に基づいてさらに詳しく説明する。レーザ処理工程については、前に詳しく説明したので、ここでは、簡単に説明する。
図5(a)〜(d)は、レーザ処理を含む本発明のセラミックヒータの製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
(1) セラミック基板の作製工程
窒化アルミニウム等のセラミックの粉末に、必要に応じて、イットリア(Y23 )等の焼結助剤、Na、Caを含む化合物、バインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。
次に、生成形体に、必要に応じて、シリコンウエハ39等の被加熱物を運搬等するためのリフターピン36を挿入する貫通孔35となる部分や熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔となる部分等を形成する。
次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定の形状に加工することにより、セラミック基板11を作製する(図5(a)参照)が、焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよい。また、例えば、上下より加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔のないセラミック基板11を製造することが可能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、例えば、窒化物セラミックでは、1000〜2500℃である。
なお、通常は、焼成を行った後に、貫通孔35や測温素子を挿入するための有底孔(図示せず)を設ける。貫通孔35等は、表面研磨後に、SiC粒子等を用いたサンドブラスト等のブラスト処理を行うことにより形成することができる。
(2) セラミック基板に導体ペーストを印刷する工程
導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からなる粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリーン印刷などを用い、抵抗発熱体を設けようとする領域一体に印刷を行うことにより、導体ペースト層12mを形成する(図5(b))。
抵抗発熱体のパターンは、セラミック基板全体を均一な温度にする必要があることから、図3に示すような同心円形状と屈曲形状とからなるパターンとすることが望ましいが、導体ペースト層は、これらのパターンを含むように、幅広の同心円形状、または、円形状のパターンとする。
(3) 導体ペーストの焼成
セラミック基板11の底面に印刷した導体ペースト層を加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒子を焼結させ、セラミック基板11の底面に焼き付け、所定の幅を有する導体層を形成(図1参照)した後、上述したレーザによるトリミング処理を行うことにより、所定パターンの抵抗発熱体12を形成する(図5(c)参照)。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好ましい。
また、最初に同心円、渦巻き、屈曲パターンなどのパターンを形成しておき、その一部をトリミング処理して抵抗発熱体12としてもよい。
(4) 金属被覆層の形成
抵抗発熱体12表面には、図4に示したように、金属被覆層120を設けることが望ましい。金属被覆層120は、電解めっき、無電解めっき、スパッタリング等により形成することができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。なお、図5には、金属被覆層120を示していない。
(5) 端子等の取り付け
抵抗発熱体12のパターンの端部に電源との接続のための端子(外部端子33)を半田を介して取り付ける(図5(d)参照)。また、有底孔34に熱電対を挿入し、ポリイミド等の耐熱樹脂等を用いて封止し、セラミックヒータの製造を終了する。
なお、本発明のセラミックヒータでは、セラミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電チャックとして使用することができ、また、表面にチャップトップ導体層を設け、内部にガード電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバとして使用することができる。
次に、研磨装置を用いて導体層等のトリミング等を行う発明について説明する。この発明は、セラミック基板表面の所定領域に導体層を形成した後、
研磨処理を施すことにより、導体層をトリミングして発熱体パターンを形成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法である。
本発明において用いるセラミック基板は、前述のセラミック基板と同様であり、セラミック基板表面の所定領域に導体層を形成する方法も同様である。
このようにしてセラミック基板上の所定領域に導体層を形成した後、セラミック基板の表面に発熱体パターンとなる部分を覆うように形成されたマスクを載置し、続いて、研磨処理を施すことにより、発熱体パターン以外の導体層を除去し、発熱体パターンを形成する。
あるいは、この後、マスクから露出した発熱体パターン表面を研磨して厚さ調整してもよい。
図6は、このような研磨処理を施す際に用いるマスクを模式的に示した平面図である。
このマスク40は、セラミック基板上の円環形状の導体層が形成された部分と重なるように開口部41が形成され、開口部の内部に抵抗発熱体のパターンからなるマスク部42aが形成されている。また、マスク部42aを外側や内側のマスク部42b、42cと連結するために連結部420が形成されている。
従って、セラミック基板上に開口部41が導体層と重なるようにマスク40を載置、固定し、研磨を行うことにより、発熱体パターン以外の部分の導体層を削除することができ、これにより抵抗発熱体のパターンを形成することができる。
ただし、マスク40に連結部420が存在する部分は、削除されずに残存してしまうので、その部分のみを後で削除する必要がある。
また、図7に示すように、発熱体パターンの端部が導体層の端部と重なるようにセラミック基板上に導体層を形成し、発熱体パターンのマスク部52aの内側や外側の端部が、開口部51の内側や外側のマスク部52b、52cと直接連結されるように構成されたマスク50を作製しておけば、後で連結部を削除する必要はなくなる。
マスク40は、研磨装置で容易に研磨されないような材質のものが好ましく、例えば、ステンレス、ニッケル、銅等が挙げられる。
また、その厚さは、5〜2000μmが好ましい。
また、研磨装置としては、通常、セラミック基板表面の研磨に用いる装置を用いることができ、サンドブラスト、ベルトサンダー(図14参照)を使用することができる。研磨材としては、ダイヤモンドの微粉末、SiC、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。
また、通常の方法で抵抗発熱体を形成した後、研磨処理を施すことにより、抵抗発熱体の厚さを調整してもよい。上述したような導体層を削除する場合よりも弱い研磨処理を施すことにより、抵抗発熱体の厚さを調整することができる。
この場合は、特にマスクを必要とせず、図14に示すようなベルトサンダーで研磨してもよい。この場合は広い面積を研磨できるため、抵抗発熱体の厚さの調整が容易である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
(実施例1)セラミックヒータの製造(レーザ光照射による一部導体ペースト層の除去、図1参照)
(1) 窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
(2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
(3) 次に、この生成形体を1800℃、圧力:20MPaでホットプレスし、厚さがほぼ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。
次に、この板状体から直径210mmの円板体を切り出し、セラミック製の板状体(セラミック基板11)とした。このセラミック基板にドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピン16を挿入する貫通孔15、熱電対を埋め込むための有底孔14(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した(図5(a)参照)。
(4) 上記(3) で得たセラミック基板11に、スクリーン印刷にて導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、形成しようとする抵抗発熱体の各回路を含むように塗布された所定幅を有する同心円形状と円形状のパターンであった(図5(b)参照)。
上記導体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。
この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
(5) さらに、発熱体パターンの導体ペースト層を形成した後、セラミック基板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミック基板11に焼き付けた。
(6) 次に、波長が1060nmのYAGレーザ(日本電気社製 S143AL 出力5W、パルス周波数 0.1〜40kHz)を用いてトリミングを行った。この装置は、X−Yステージ、ガルバノミラー、CCDカメラ、Nd:YAGレーザを備え、また、ステージとガルバノミラーを制御するコントローラを内蔵している。このコントローラは、コンピュータ(日本電気社製 FC−9821)に接続されている。また、上記コンピュータは、演算部と記憶部を兼ねるCPUを有しているとともに、記憶部と入力部を兼ねるハードディスクと3.5インチFDドライブを有している。
このコンピュータにFDドライブから発熱体パターンデータを入力し、さらに、導体層の位置を読み取って(読み取りは、導体層の特定箇所またはセラミック基板に形成されたマーカを基準にする)、必要な制御データを演算し、導体ペースト層の発熱体パターン形成予定領域以外の部分にレーザ光を照射し、その部分の導体ペースト層を除去し、抵抗発熱体12を形成した(図5(c)参照)。銀−鉛の抵抗発熱体は、厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
(7) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(6) で作製したセラミック基板11を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体12の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)12aを析出させた。
(8) 電源との接続を確保するための外部端子13を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田層を形成した。
次いで、半田層の上にコバール製の外部端子13を載置して、420℃で加熱リフローし、外部端子13を抵抗発熱体12の表面に取り付けた(図5(d)参照)。
(9) 温度制御のための熱電対をポリイミドで封止し、セラミックヒータ10を得た。
上記工程を経て得られたセラミックヒータに通電したところ、抵抗発熱体に短絡は発生せず、設定通りにセラミック基板の温度を上昇させることができ、昇温後のセラミック基板の加熱面の温度も均一であった。
(実施例2)セラミックヒータの製造(レーザ光照射による一部導体層の除去)(1) 実施例1と同様にして、セラミック基板11を製造した後、このセラミック基板にドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピン16を挿入する貫通孔15、熱電対を埋め込むための有底孔14(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
(2) 次に、セラミック基板に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、形成しようとする抵抗発熱体の各回路を含むように塗布された所定幅を有する同心円形状のパターンであった。導体ペーストは、実施例1と同様のものを用いた。
(3) このようにして、所定幅を有する同心円形状の導体ペースト層を形成した後、セラミック基板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミック基板11に焼き付け、所定幅の同心円形状のパターンからなる導体層を形成した。
銀−鉛の抵抗発熱体は、厚さが5μm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
(4) 次に、実施例1で使用したYAGレーザ装置のコンピュータに抵抗測定装置に日置電気株式会社製 ハイミリオームテスタ3220を接続した。このテスタは、プローブピンを備えており、抵抗発熱体の抵抗値(抵抗率)を測定することができるようになっている。そこで、抵抗発熱体を100分割して、各区画毎にテスタのプローブピンを当てて抵抗値(抵抗率)を測定し、これをコンピュータの記憶部に格納した。
さらに、FDから所望の抵抗値とパターンデータおよびトリミングデータを入力し、演算部にて、所定の抵抗値にするためのトリミング制御データを演算した。この制御データにより、発熱体パターンの所定箇所にレーザ光を照射し、その部分の導体層の表面または側面の一部を除去し、設計通りのパターンの抵抗発熱体12を得た。得られた抵抗発熱体の幅は、2.4mmであった。
(5) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(4) で作製したセラミック基板11を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体12の表面に厚さ2μmの金属被覆層(ニッケル層)120を析出させた。
(6) 電源との接続を確保するための外部端子13を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田層を形成した。
次いで、半田層の上にコバール製の外部端子13を載置して、420℃で加熱リフローし、外部端子13を抵抗発熱体12の表面に取り付けた。
(7) 温度制御のための熱電対をポリイミドで封止し、セラミックヒータ10を得た。
上記工程を経て得られたセラミックヒータに通電したところ、抵抗発熱体に短絡は発生せず、設定通りにセラミック基板の温度を上昇させることができ、昇温後のセラミック基板の加熱面の温度も均一であった。
(実施例3)セラミックヒータの製造(レーザ光照射による導体層の厚みの調整)
実施例2とほぼ同様であるが、セラミック基板表面に形成する導体ペーストのパターンを発熱体パターンとし、焼成によりセラミック基板上に所定パターンの抵抗発熱体を形成した。抵抗発熱体の幅は、2.4mmであり、厚さの平均値は、7μmであった。
次に、抵抗発熱体の抵抗値(抵抗率)を実測して、抵抗値が低い部分を5μm、抵抗値が高い場所は、その厚さが6μmとなるようにレーザ光によるトリミングで調整した。
上記工程を経て得られたセラミックヒータに通電したところ、抵抗発熱体に短絡は発生せず、設定通りにセラミック基板の温度を上昇させることができ、昇温後のセラミック基板の加熱面の温度も均一であった。
(実施例4)セラミックヒータの製造(研磨による一部導体層の除去)
(1) 実施例1と同様にして、セラミック基板11を製造した後、このセラミック基板にドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピン16を挿入する貫通孔15、熱電対を埋め込むための有底孔14(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
(2) 次に、セラミック基板に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、形成しようとする抵抗発熱体の各回路を含むように塗布された所定幅を有する同心円形状のパターンであった。導体ペーストは、実施例1と同様のものを用いた。
(3) このようにして、所定幅を有する導体ペースト層を形成した後、セラミック基板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミック基板11に焼き付け、所定幅の同心円形状のパターンからなる導体層を形成した。
銀−鉛の抵抗発熱体は、厚さが5μm、面積抵抗率が7.7Ω/□であった。
(4) 次に、導体層が形成された部分に開口部が形成され、開口部の内部に発熱体パターンのマスク部が形成されマスクをセラミック基板上に載置し、しっかり固定した後、平均粒子径3μmのSiC粒子を用いたサンドブラストでステンレス製マスクを介して研磨処理を行い、発熱体パターン部分以外の導体層を除去した。マスクは、ステンレス製で、その厚さは、0.5mmであった。
この研磨工程により、設計通りのパターンの抵抗発熱体を得た。抵抗発熱体の幅は、2.4mmであった。
なお、この場合、図7に示したような形状のマスクを用いたため、2度研磨を行う必要はなかった。
(5) 次に、硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(4) の工程を経たセラミック基板11を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)を析出させた。
(6) 電源との接続を確保するための外部端子13を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田層を形成した。
次いで、半田層の上にコバール製の外部端子13を載置して、420℃で加熱リフローし、外部端子13を抵抗発熱体12の表面に取り付けた。
(7) 温度制御のための熱電対をポリイミドで封止し、セラミックヒータ10を得た。
上記工程を経て得られたセラミックヒータに通電したところ、抵抗発熱体に短絡は発生せず、設定通りにセラミック基板の温度を上昇させることができ、昇温後のセラミック基板の加熱面の温度も均一であった。
(実施例5)セラミックヒータの製造(研磨による導体層の厚みの調整)
(1) 〜(4) の工程で、その厚さが6μmとなるように、所定パターンの抵抗発熱体をセラミック基板上に形成し、この後、抵抗発熱体形成部分にベルトサンダー60により研磨し、その厚みを5μmに調整したほかは、実施例4と同様にして、セラミックヒータを製造した。
研磨時のラッピングテープの幅:500mm、砥粒:#4000、研磨荷重:18kg、セラミックヒータの移動速度:300mm/分、テープの移動速度:600mm/分、コンタクトローラゴムの硬度:60度の条件で研磨処理を行った。
得られた、発熱体パターンの厚さを面粗さ計で測定したチャートを図15(a)(b)に記載する。(b)が研磨前で、(a)が研磨後である。厚みが均一(厚さのばらつきが10%以下に調整されている)になっていることが分かる。
上記工程を経て得られたセラミックヒータに通電したところ、抵抗発熱体に短絡は発生せず、設定通りにセラミック基板の温度を上昇させることができ、昇温後のセラミック基板の加熱面の温度も均一であった。
(比較例1)
実施例3と同様に抵抗発熱体を有するセラミック基板を製造したが、レーザ光によるトリミングを行わなかった。
具体的には、300℃まで昇温してサーモビュア(日本電子データム社製 IR−162012−0012)により測定し、最低温度と最高温度の差ΔTをもとめた。
実施例1では、3℃、実施例2では2℃、実施例3では2℃、実施例4では3℃、実施例5では3℃、比較例1では6℃であった。
このように上記実施例で得られたセラミックヒータは、精密なパターンが形成され、その厚みも調整することができるため、ヒータ設計の自由度が増し、より精密な特性を有するセラミックヒータを製造することができる。また、加熱面の温度の均一性にも優れている。
本発明のセラミックヒータの製造システムの概要を示すブロック図である。 (a)〜(b)は、レーザ光を用いた抵抗発熱体の厚みの調整方法を模式的に示す断面図である。 本発明のセラミックヒータの製造方法により製造されたセラミックヒータの一例を模式的に示す平面図である。 図3に示したセラミックヒータの一部を模式的に示す部分拡大断面図である。 (a)〜(d)は、セラミックヒータの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。 本発明のセラミックヒータの製造方法において用いるマスクを模式的に示す平面図である。 本発明のセラミックヒータの製造方法において用いる別のマスクを模式的に示す平面図である。 抵抗発熱体の側面を含む部分にトリミングを施した際の形態を模式的に示す斜視図である。 抵抗発熱体の側面を含む部分にトリミングを施した際の形態を模式的に示す斜視図である。 抵抗発熱体の側面を含む部分にトリミングを施した際の形態を模式的に示す斜視図である。 抵抗発熱体の表面にトリミングを施した際の形態を模式的に示す斜視図である。 A〜Cは、梯子状の抵抗発熱体と該抵抗発熱体にトリミングを施した際の形態を模式的に示す平面図である。 抵抗発熱体を複数の区画に分割した様子を示す斜視図である。 抵抗発熱体にベルトサンダー研磨を施す様子を模式的に示す断面図である。 (a)は、研磨後の抵抗発熱体の厚さを示すチャートであり、(b)は、研磨前の抵抗発熱体の厚さを示すチャートである。
符号の説明
11 セラミック基板
11a 加熱面
11b 底面
12(12a〜12d)、22a、22b、22c 抵抗発熱体
12m 導体層
13 テーブル
14 レーザ照射装置
15 ガルバノミラー
16 モータ
17 制御部
18 記憶部
19 演算部
20 入力部
21 カメラ
22 レーザ光
23 抵抗測定部
24 テスターピン
33 外部端子
34 有底孔
35 貫通孔
36 リフターピン
39 シリコンウエハ
40、50 マスク
41、51 開口部
42a、42b、42c、52a、52b、52c マスク部
60 ベルトサンダー
120 溝
420 連結部

Claims (15)

  1. セラミック基板上に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータであって、前記抵抗発熱体にトリミングが施されてなることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記トリミングは、抵抗発熱体の側面を含む部分に形成されている請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記トリミングは、抵抗発熱体の表面に形成されている請求項1に記載のセラミックヒータ。
  4. セラミック基板上に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータであって、
    前記抵抗発熱体は、並列回路の少なくとも一部にトリミングが施されて形成されてなることを特徴とするセラミックヒータ。
  5. セラミック基板上に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータであって、
    前記抵抗発熱体は、互いに並行に形成されてなり、並行に形成された前記抵抗発熱体間に、両者を電気的に接続する接続用抵抗発熱体が形成されるとともに、
    上記接続用抵抗発熱体および並行に形成された前記抵抗発熱体の少なくとも一部にトリミングが施されてなることを特徴とするセラミックヒータ。
  6. セラミック基板上に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒータであって、前記抵抗発熱体の所定区域の厚さが、その他の部分の厚さと異なることを特徴とするセラミックヒータ。
  7. セラミック基板表面の所定領域に導体層を形成した後、
    前記導体層の一部をトリミングすることにより、所定パターンの抵抗発熱体を形成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
  8. セラミック基板表面の所定領域に導体層を形成した後、
    前記導体層にレーザ光を照射してその一部をトリミングすることにより、所定パターンの抵抗発熱体を形成する請求項7記載のセラミックヒータの製造方法。
  9. セラミック基板表面の所定領域に導体ペースト層を形成し、加熱、焼成を行って導体層とした後、レーザ光を照射して前記導体層の一部をトリミングし、所定パターンの抵抗発熱体を形成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
  10. セラミック基板表面に発熱体パターンの導体ペースト層を形成した後、または、発熱体パターンの導体層を形成した後、
    前記導体ペースト層または前記導体層にレーザ光を照射して、抵抗発熱体の厚みを調整することを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
  11. セラミック基板表面の導体層をトリミングして抵抗発熱体パターンを形成することによりセラミックヒータを製造する際に用いられる製造システムであって、
    セラミック基板を載置するテーブル、導体層を撮像するカメラ、データを記憶する記憶部、レーザ光を偏向するガルバノミラー、データを入力する入力部、データを演算する演算部、ならびに、テーブルおよび/またはガルバノミラーを制御する制御部からなり、
    抵抗発熱体パターンおよび/またはトリミングのデータを入力部から入力して、これを記憶部に格納し、カメラにより導体層の位置を読み取り、この位置データおよびパターンおよび/またはトリミングのデータから演算部にてトリミングのためのテーブルおよび/またはガルバノミラーを制御する制御データを演算して、記憶部に格納し、さらに、この制御データを記憶部から制御部に送信してレーザを導体層に照射し、トリミングを行うように構成されていることを特徴とするセラミックヒータの製造システム。
  12. セラミック基板表面の導体層をトリミングして抵抗発熱体パターンを形成することによりセラミックヒータを製造する際に用いられる製造システムであって、
    セラミック基板を載置するテーブル、導体層を撮像するカメラ、データを記憶する記憶部、レーザ光を偏向するガルバノミラー、データを入力する入力部、データを演算する演算部、テーブルおよび/またはガルバノミラーを制御する制御部、ならびに、抵抗測定部からなり、
    抵抗発熱体パターン、トリミングおよび所望の抵抗値から選ばれるいずれか少なくとも1種のデータを入力部から入力して、これを記憶部に格納し、また、導体層の抵抗値を測定して、抵抗値データを記憶部に格納し、カメラにより導体層の位置を読み取り、この位置データ、抵抗値データとともに、抵抗発熱体パターン、トリミングおよび所望の抵抗値から選ばれるいずれか少なくとも1種のデータをもって演算部にてトリミングのためのテーブルおよび/またはガルバノミラーを制御する制御データを演算して記憶部に格納し、さらに、この制御データを記憶部から制御部に送信して、レーザを導体層に照射し、トリミングを行うように構成されていることを特徴とするセラミックヒータの製造システム。
  13. セラミック基板表面の所定領域に導体層を形成した後、
    研磨処理を施すことにより、導体層をトリミングして発熱体パターンを形成することを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
  14. 前記導体層が形成されたセラミック基板の表面に導体層を覆うように形成されたマスクを載置する請求項13に記載のセラミックヒータの製造方法。
  15. セラミック基板表面に所定パターンの抵抗発熱体を形成した後、研磨処理を施すことにより、抵抗発熱体の厚みを調整することを特徴とする請求項13に記載のセラミックヒータの製造方法。
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JP2018022759A (ja) * 2016-08-03 2018-02-08 日本特殊陶業株式会社 保持装置の製造方法

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