JP2004296099A - 酵素反応を利用した電気エネルギー発生・貯蔵方法および装置 - Google Patents

酵素反応を利用した電気エネルギー発生・貯蔵方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオ燃料電池と呼ばれる、酵素反応を利用した電気エネルギー発生または貯蔵方法およびその装置において、その耐久性と効率を改良すること。
【解決手段】等価直径1mm以下のマイクロ流路(マイクロチャンネル)中で酵素反応を行うことを含む、電気エネルギー発生または貯蔵方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気エネルギー発生または貯蔵方法およびその装置に関する。より詳しくは、本発明は、マイクロ流路(マイクロチャンネル)中での酵素反応を利用した電気エネルギー発生または貯蔵方法、およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、燃料のエネルギーを直接電力に変換する装置で、クリーンで高効率であり、さらに石油代替燃料の使用が可能であることなど、21世紀のエネルギー変換装置として期待されている。その用途も、従来のコジェネレーション、自動車から携帯用機器にまで裾野を広げている。
【0003】
燃料電池として代表的なものに、燐酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)および高分子電解質型燃料電池(PEFC)の4種類がある。この中で近年活発に研究開発がなされているのは高分子型燃料電池である。
【0004】
高分子電解質型燃料電池は電解質として高分子膜を用いる燃料電池であるが、他の燃料電池方式と比べて多くの特長を有している。例えば、高分子電解質であることから電解質の飛散がなく振動に強く騒音が少ない、常温〜100℃の範囲で運転されるため起動時間が短い、軽量化が可能である等であり、そのため移動用電源としての期待が大きい。
【0005】
この方式の燃料電池の一つにメタノールを直接燃料として発電する燃料電池があり、ダイレクト(直接)メタノール型燃料電池(DMFC)と呼ばれる。この方法は水素ガスやメタノールを水素に改質する改質器を使わないため、ノートパソコン、カメラ一体型ビデオ、そしてデジタルスチルカメラ等のモバイル機器のマイクロ電源として期待されている。しかしながら、ダイレクトメタノール型燃料電池をこれらに実用できるものにするためには、更なる効率アップが必要であり、メタノール酸化力のより高い電極触媒(現在は白金触媒か白金−ルテニウム合金触媒)、メタノールが通り難い電解質膜の開発などが必要である。作動温度は現在60℃以上(通常80〜100℃)であり、実用できないレベルではないがマイクロ電源としてはより低温であることが好ましい。これらの改良は非常に難度の高い研究課題であり、多くの企業、大学等で現在取り組まれているが、未だ不十分なレベルである(例えば非特許文献1参照)。
【0006】
ダイレクトメタノール型燃料電池と同様にモバイル機器用電源として期待されている電池にバイオ燃料電池がある。この電池は体内埋め込み電源としての期待も大きい(例えば非特許文献2、3参照)。バイオ燃料電池は、生物エネルギー変換の仕組みそのものを利用する電池であり、白金触媒などの金属触媒の代わりに生体触媒を用いて電極反応を促進させる電池である。生体触媒は温和な条件で働き、それぞれの触媒は高い反応選択性を持っている。微生物や酵素を選べば、糖やアルコール、更には水素の酸化反応までも常温中性条件で触媒することができる。この機能を利用すれば、これまでの燃料電池に比べて低温で発電が可能になるかもしれないため、1990年代の後半頃から研究が開始された。
【0007】
金らは電子伝達媒介体を使用しない微生物を用いたバイオ燃料電池を発表した(特許文献1)。バイオ燃料電池に使用される人工電子伝達媒介体は燃料電池の効率を増加させるが毒性、環境汚染、微生物菌体に及ぼす不利な影響などにより使用量の制限性と、使用後処理においても問題点を有していた。そこで彼らは、循環電圧電流測定法において電子伝達媒介体なしで電極反応を行う微生物を用いることによりこれらの問題点を解決することを提案した。
【0008】
Liberatoreらは、第1室、第2室、および第1室と第2室を分離し、プロトン輸送部分を含む隔壁を備える酵素燃料電池を発表した(特許文献2)。彼らは一例としてグルコースの存在下において、グルコースオキシダーゼの触媒作用を受けたニコチンアミド−アデニンヌクレオチド水素化物(NADH)の酸化によりセルを駆動する方法を提案した。
【0009】
Willnerらは、互いに混合しない二層系を用いたバイオ燃料電池を発表した(非特許文献4)。彼らは金電極上のピロールキノリンキノンとフラビン・アデニン2核酸燐酸エステルの単層膜にアポ−グルコースを結合してグルコース酸化用の電極を、また同様にして金電極上にマイクロパーオキシダーゼを単層膜として結合してクメン過酸化物還元用の電極を作製した。そして、反応容器の中にグルコースを溶解した水系の電解液とクメン過酸化物を溶かしたジクロロメタンの非水系電解液を入れて作成した水/有機の上下二層系にこれらの電極を浸漬した。グルコース酸化用電極部分は上層の水層にのみ接触し、クメン過酸化物還元用電極部分は下層のジクロロメタン層にのみ接触するようにし、そして水/有機二層の液/液界面を隔壁の代わりに用いた。このようなバイオ燃料電池により、約1Vの電圧、約830μAcm−2の電流密度と最大出力520μWを実現している。
【0010】
軽部らはガラス基板の上に微細加工技術や蒸着技術等を用いて薄膜電極と反応槽(溝)を作製し、電極上にグルコースオキシダーゼを固定することにより小型酵素電池を作製できたと発表した(非特許文献5及び6)。グルコース溶液を電極間の反応槽(溝)にドロップすると発電が観測され、室温下400mV(約10分間)の電圧が得られた。電力はグルコース1g当たり3.94×10−5Whと計算している。また、同じ電池を基板上に3個作製し、それをつないで約1200mVの電圧を達成できたとしている。
【0011】
池田らは水素酸素バイオ燃料電池を発表した(非特許文献7)。この電池は、両電極に炭素フェルトを用い、アノード室はメチルビオローゲンを含む嫌気性微生物Desulfovibrio vulgaris (細胞内にヒドロゲナーゼを有す)を懸濁させたpH7.0の燐酸緩衝液、カソード室はメディエータである2,2’−azinobis(3−ethylbenzothiazolin−6−sulfonate)(ABTS)と ビリルビンオキシダーゼ(BOD)を含むpH7.0の燐酸緩衝液であり、隔膜(セパレータ)にはアニオン交換膜を用いている。そして、それぞれの液に水素、酸素を吹き込みながら発電させるものである。
【0012】
Hellerらはグルコースを燃料にしたミニチュアバイオ燃料電池を発表した(非特許文献8)。カソード反応触媒にはBODを用い、アノード反応触媒にはグルコースオキシダーゼを用い、彼らが開発したオスミウム錯体を側鎖に持つポリマーをメディエータとして酵素と共に炭素ファイバ電極に固定している。この電池により37℃、15mMグルコース、pH7.2の条件下、0.52Vの電圧で1.9μWの出力を得た。電流密度は1mA/cm程度である。池田らもグルコースデヒドロゲナーゼを用いて同様の電池を作製している。
【0013】
これまでの研究を総合すると、常温中性条件下で働く出力電圧0.5V、電流密度10mA/cm程度のバイオ燃料電池の可能性が見えてきたが、未だ不満足なレベルであり、かつ長時間連続使用問題も解決すべき問題として挙げられる。また、モバイル機器用途を可能にする形態をどうするかも残されている大きな課題である。
【0014】
尚、Whitesidesらはバナジウム(II)とバナジウム(V)の溶液を電極を有するマイクロ流路に流し込んで、隔壁が無くても電池反応が流路内で起きることを示した。しかしながら酵素反応で同様なことが可能かどうかについては言及していない(非特許文献9)。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−233226号公報(US5976716)
【特許文献2】
特開2002−527874号公報(US6500571)
【非特許文献1】
池田宏之助編著「燃料電池のすべて」、210〜219頁、2001年、日本実業出版社。
【非特許文献2】
加納健司、池田篤治、「電子材料」、2003年(3月号)、38〜43頁。
【非特許文献3】
Science, 296, 1223(2002)
【非特許文献4】
E.Katz,B.Filanovsky,I.Willner, New J.Chem., 1999, 481.
【非特許文献5】
S.Sasaki,I.Karube, Trends in Biotechnology, 1999, 17, 50.
【非特許文献6】
S.Sasaki,M.Takahashi,Y.Masuda,I.Karube, Electrochemistry, 2001, 69, 987.
【非特許文献7】
S.Tsujimura,M.Fujita,H.Tatsumi,K.Kano,T.Ikeda, Phys.Chem.Chem.Phys., 2001, 3, 1331.
【非特許文献8】
N.Mano,F.Mao,A.Heller, J.Am.Chem.Soc., 2002, 124, 12962.
【非特許文献9】
R.Ferrigno,A.D.Stroock,T.D.Clark,M.M.Mayer,G.M.Whitesides, J.Am.Chem.Soc., 2002, 124, 12930.
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、バイオ燃料電池と呼ばれる、酵素反応を利用した電気エネルギー発生または貯蔵方法およびその装置において、その耐久性と効率を改良することを解決すべき課題とした。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、マイクロ流路中の電極に固定した酵素を用いてフロー方式で酸化還元の酵素反応を行うことにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明はこれらの新しい知見に基づき完成したものである。
【0018】
すなわち、本発明によれば、等価直径1mm以下のマイクロ流路(マイクロチャンネル)中で酵素反応を行うことを含む、電気エネルギー発生または貯蔵方法が提供される。
【0019】
本発明の電気エネルギー発生または貯蔵方法の好ましい態様は以下の通りである
好ましくは、等価直径10μm以上500μm以下のマイクロ流路を使用する。
好ましくは、マイクロ流路は、固体基板上に微細加工技術を用いて作成されたものである。
好ましくは、マイクロ流路中に電極が存在する。
好ましくは、電極が負極(アノード)と正極(カソード)の二つの電極で構成され、それらが直接接触しないようにマイクロ流路に配置されている。
【0020】
好ましくは、電極を有するマイクロ流路であって、少なくとも2種以上の酵素または該酵素をその体内に有する微生物が流路壁に直接または間接に固定されているマイクロ流路を使用する。
好ましくは、酵素は酸化還元酵素である。
好ましくは、マイクロ流路は、その中に溶液または気体を導入するための少なくとも2つ導入口と接続している。
【0021】
好ましくは、マイクロ流路中を電子供与物質(負極活物質)を含む溶液または気体と電子受容物質(正極活物質)を含む溶液または気体が別々の層を形成して流れ、前者は電子供与物質を酸化できる酵素、または該酵素をその体内に有する微生物を直接または間接に固定した負極とのみ接触し、後者は電子受容物質を還元できる酵素、または該酵素をその体内に有する微生物を直接または間接に固定した正極とのみ接触する。
好ましくは、隔壁を用いず、層流(Laminer flow)を用いて二つの溶液層の分離を行う。
【0022】
本発明の別の側面によれば、電極を有する等価直径1mm以下のマイクロ流路(マイクロチャンネル)であって、少なくとも2種以上の酵素または該酵素をその体内に有する微生物が流路壁に直接または間接に固定されているマイクロ流路から構成される、電気エネルギー発生または貯蔵のための装置が提供される。
【0023】
本発明の電気エネルギー発生または貯蔵のための装置の好ましい態様は以下の通りである
好ましくは、マイクロ流路の等価直径が10μm以上500μm以下である。好ましくは、マイクロ流路が、固体基板上に微細加工技術を用いて作成されたものである。
好ましくは、電極が負極(アノード)と正極(カソード)の二つの電極で構成され、それらが直接接触しないようにマイクロ流路に配置されている。
好ましくは、酵素は酸化還元酵素である。
【0024】
好ましくは、マイクロ流路が、その中に溶液または気体を導入するための少なくとも2つ導入口と接続している。
好ましくは、電極を有する等価直径1mm以下のマイクロ流路(マイクロチャンネル)であって、少なくとも2種以上の酵素または該酵素をその体内に有する微生物が流路壁に直接または間接に固定されているマイクロ流路が2つ以上直列または並列に接合されている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本発明に用いられる酵素または微生物が酸化還元反応を行う空間は、等価直径1mm以下のマイクロ流路(マイクロチャンネル)である。等価直径について以下に説明する。
【0026】
等価直径(equivalent diameter)は相当(直)径、とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意断面形状の配管(本発明では流路)に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径を等価直径といい、A:配管の断面積、p:配管のぬれぶち長さ(周長)を用いて、deq=4A/pと定義される。円管に適用した場合、この等価直径は円管直径に一致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現象の空間的スケール(代表的長さ)を表す。等価直径は、一辺aの正四角形管ではdeq=4a/4a=a 、一辺aの正三角形管では、
【0027】
【式1】
Figure 2004296099
【0028】
流路高さhの平行平板間の流れではdeq=2hとなる(参照:(社)日本機械学会編「機械工学事典」1997年、丸善(株))。
【0029】
流路の等価直径が小さくなるにつれ、単位体積あたりの表面積(比表面積)は大きくなるが、本発明のように流路がマイクロスケールになると比表面積は格段に大きくなる。すなわちマイクロ流路を流れる流体は流路の器壁との接触面積が非常に大きくなる。そのため、流路壁に固定した酵素などの触媒と流路を流れる流体の接触確率が増大するが、それはすなわち触媒反応に有利であることを意味する。
【0030】
混合(質量伝達)に要する時間(t)は、拡散理論に従うとdeq /D(D:質量拡散率)に比例するので、等価直径が小さくなるほど拡散混合時間は短くなる。すなわち、等価直径が1/10になれば拡散混合時間は1/100になることになる。等価直径がマイクロスケールの流路内では、機械的攪拌を用いなくても分子輸送、反応および分離が分子の自発的挙動だけで速やかに行われるので、フロー方式で流路壁に固定した酵素による触媒反応には有利である。
【0031】
また流路中の熱伝達時間(t)も、拡散理論に従うとdeq /α(α:液の熱拡散率)に比例するので、等価直径が小さくなるほど熱伝達時間は短くなる。すなわち、等価直径が1/10になれば熱伝達時間は1/100になることになる。等価直径がマイクロスケールである場合、熱伝達速度は極めて速い。これは反応空間である流路中の温度コントロールに有利である。
【0032】
更に、マイクロスケールの空間では流体はレイノルズ数が小さく、重力よりも壁との相互作用(摩擦力等)に支配されるため、安定な層流を形成しやすい。これはマイクロ流路中の2層系の流れは安定な界面を保持することを意味し、酵素反応が進行中に電子供与性物質の溶液と電子受容性物質の溶液の2層の間に隔壁がなくても層分離が十分維持される可能性を意味する。
【0033】
このような等価直径がマイクロメートルサイズのマイクロ流路(マイクロチャンネル)を有する反応装置は、一般に「マイクロリアクター」と総称され、最近大きな発展を遂げている(W.Ehrfeld, V.Hessel, H.Lowe,”Microreactor”, 1Ed.(2000), WILEY−VCH)。
【0034】
本発明に用いられるマイクロ流路は、固体基板上に微細加工技術を用いて作成することができる。基板材料としては石英ガラス等のガラス基板、ポリジメチルシロキサン(PDMS)やポリメタアクリレート(PMMA)などのポリマー基板、セラミックス基板、ステンレス鋼、ハステロイ鋼(Ni−Fe系合金)、チタン鋼などの金属基板であるが、好ましくはガラス、ポリマー、またはセラミックス基板であり、特に好ましくはガラスまたはポリマー基板である。
【0035】
マイクロ流路を作成するための微細加工技術として代表的なものを挙げれば、X線やUV光を用いるフォトリソグラフィを用いる技術(LIGA技術等)、マイクロ放電加工法(μ−EDM)、またはダイアモンドのような硬い材料で作られたマイクロ工具を用いる機械的マイクロ切削加工法などがある。これらの方法を用いて加工したマイクロ流路をそのまま反応に用いても良いが、ポリマー材料などの場合は鋳型を上記加工法で作成し、それを元にマイクロ流路を大量に作製するホットエンボス法によりマイクロ流路をもったリアクターを作製する場合が多い。
【0036】
本発明に用いられる流路の等価直径は1mm以下であるが、好ましくは10〜500μmであり、特に好ましくは20〜300μmである。また流路の長さには特に制限はないが、好ましくは1mm以上1000mm以下であり、特に好ましくは10mm以上100mm以下である。
【0037】
本発明において用いる酵素は、酸化還元作用をもつ酵素であり、電子担体から他の組成物へ、または他の組成物から電子担体の酸化形態への電子の移送に触媒作用を及ぼすものである。酸化還元作用をもつ酵素として代表的なのは酸化還元酵素であり、その例を様式別に挙げれば、オキシダーゼ、デヒドロゲナーゼ、レダクターゼ、オキシゲナーゼ、ペルオキシダーゼ、トランスヒドロゲナーゼおよびカタラーゼなどである。酸化還元酵素ではないが、第二の特性としての酸化還元作用を有する酵素としては、例えばスーパーオキシドジスムターゼなどである。尚、本発明においては、微生物から単離させた酵素だけでなく、それを改質したり、その機能の一部を化学的に実現した酵素、すなわち人工酵素を使っても良い。
【0038】
好ましい具体的酵素の例を挙げれば、還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)デヒドロゲナーゼ、還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド燐酸塩(NADPH)トランスヒドロゲナーゼ、プロトンATPアーゼ、チトクロームオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、6−ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、グリセルアルデヒド−3−燐酸デヒドロゲナーゼ、α−ケトグルタレートデヒドロゲナーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、マイクロパーオキシダーゼ、またはビリルビンオキシダーゼ等である。
【0039】
本発明において用いられる微生物は、シワネラ属、シュドモナス属、サーモテラバクテリス属、またはチオバチルス属等である。具体的に述べれば、硫酸還元菌(Desulfovibro vulgaris)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、大腸菌(Escherichia coil)、アルカリゼンス・ユトロパス(Alcaligenes eutrophus)、アゾトバクタ・クロオコクム(Azotobacter chroocoum)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、シュドモナス・エアルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュドモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等である。好ましい微生物は、硫酸還元菌、プロテウス・ブルガリスまたは大腸菌である。
【0040】
酵素および微生物が直接電極と電子授受を行っても良いし、電子伝達媒介体(メディエーター)を介して電極と結合しても良い。電子伝達媒介体の例を挙げれば、チオニン、メチレンブルー、ブリリアントクレシルブルー、ベンジルビオロゲン 、2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホネート) 、オスミウム錯体、鉄錯体(フェロセンなど)、フェレドキシン、キノン系化合物(キノプロテイン等)、またはフラビン−アデニン−ジヌクレオチドリン酸エステル類等である。上記の化合物はポリマーと結合していても良い。
【0041】
本発明において使用される電極は金属やカーボン(グラファイト)から形成されるが、金属の具体例をあげれば、金、銀、銅、白金、ルテニウム、ニッケル、クロム、またはコバルトなどの金属である。これらの金属は混合して合金として用いても良い。好ましい電極は、金、銀、もしくは白金単独か、またはこれらの金属をカーボンに被覆したものである。
【0042】
電極の作成方法は、一般に化学蒸着法、電子ビーム法、スパッタリング法、分解法および電気メッキ法などを駆使してより金属を固体基板上にパターニングすることにより作製される。またカーボンを被覆後表面処理したその上に金属をパターニングしても良い。金属層の厚さは任意であるが、一般に5nm〜20μmであり、好ましくは10〜200nmである。
【0043】
本発明において使用される電子供与物質(負極活物質)は、一般に還元性の物質であり、例えば水素、糖類、ビタミン類、アルコール類およびアミン類等の負極に電子を供与可能な物質である。水素以外について具体例を挙げれば、グルコース、アスコルビン酸、トコフェロール、還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸塩(NADPH)、還元ニコチンアミドモノヌクレオチド、還元フラビンアデニンジヌクレオチド、還元フラビンモノヌクレオチド、還元コエンザイムA、プロトポルフィリンIX、シアノコバラミン、エタノール、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、またはヒスタミン等である。好ましくは、グルコース、アスコルビン酸、還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、エタノールまたはヒスタミンであるが、特に好ましくはグルコース、またはエタノールである。
【0044】
本発明において使用される電子受容物質(正極活物質)は、一般に酸化性の化合物であり、例えば酸素、過酸化物、キノン系化合物、酸化性の有機もしくは無機イオン等の正極から電子を受容できる化合物である。酸素以外について具体例を挙げれば、過酸化水素、クメンパーオキシド、t−ブチルパーオキシド、マグネシウムモノペルオキシフタレート、ベンゾキノン、ピロロキノリンキノン、過硫酸イオン、硝酸イオン、鉄(III)イオン、バナジウム(IV)イオン、またはコバルト(III)イオン等である。好ましくは酸素、過酸化水素、クメンパーオキシド、または鉄(III)イオンであり、特に好ましくは酸素、過酸化水素、またはクメンパーオキシドである。
【0045】
電子供与物質と電子受容物質は溶媒に溶かして溶液として用いられる場合が多いが、その場合に用いられる溶媒は、水または有機溶媒であり、有機溶媒としてはアルコール(メタノール、エタノールもしくはイソプロパノール)、アセトン、酢酸エステル、トルエン、アセトニトリルおよびジクロロメタンのような一般的溶媒、またはパーフルオロ化合物であるフルオラス溶媒等を用いることが出来る。電子供与物質を溶かす溶媒としては好ましくは水、またはアルコールであり、特に好ましくは水である。電子受容物質を溶かし溶媒として好ましくは、水、アルコール、トルエン、ジクロロメタン、またはフルオラス溶媒であり、特に好ましくは水、トルエン、またはフルオラス溶媒である。
【0046】
電子供与物質と電子受容物質を含む溶液の濃度は、特に限定はないが、好ましくは10−4〜5.0mol/Lであり、特に好ましくは、10−3〜1.0mol/Lである。
【0047】
本発明のマイクロ流路内においては、電子供与物質と電子受容物質の溶液は安定な層流を形成しやすいため、送液中に隔壁がなくても十分2層は分離した状態であるが、隔壁を用いて分離をより確実にしても良い。その場合に用いる隔壁は、イオン交換膜である。イオン交換膜としてはナイロン系またはテフロン系のポリマー材料が好ましく、それらを水素イオン、水酸イオンが透過できるように改質したもの(例えばスルホン酸基の導入)が特に好ましい。
【0048】
酵素を電極に固定化する方法は、酵素による酸化還元の結果としての電子移動が電極に行われる結合法による。代表的な方法としては、電極金属表面への物理吸着、イオン結合および共有結合による固定があるが、金属表面に網状の薄い膜を作製しその中に酵素を閉じ込める方法を用いても良い。好ましくは、KatzおよびWillnerらが用いている方法である(非特許文献4)。その方法は、金属表面にCystamineを反応させ、硫黄原子が電極材料の金属と結合しやすい性質を利用してエチレンアミン基を金属表面に形成し、それに酵素を反応させて金属表面に固定化する方法である。
【0049】
本発明において酵素反応を行う場合のマイクロ流路中の温度は、80℃以下であり、好ましくは50℃以下であり、特に好ましくは20℃〜40℃である。
【0050】
マイクロ流路の温度制御は、装置全体を温度制御された容器中に入れることにより制御しても良いし、金属抵抗線や、ポリシリコンなどのヒーター構造を装置内に作り込み、加熱についてはこれを使用し、冷却については自然冷却でサーマルサイクルを行ってもよい。温度のセンシングは、金属抵抗線ではヒーターと同じ抵抗線をもう一つ作り込んでおき、その抵抗値の変化に基づいて温度検出を行い、ポリシリコンについては熱電対を用いて検出を行う。また、ペルチェ素子をリアクターに接触させることによって外部から加熱、冷却を行っても良い。どの方法を用いるかは用途や装置本体の材料などに合わせて選択される。
【0051】
本発明において電子供与物質(負極活物質)および電子受容物質(正極活物質)は流路の中を流れながら酵素と反応する。すなわち連続または断続的フロー法で行われる。反応に要する時間、すなわち流路中に滞在する時間は、一般に24時間以下であり、好ましくは60分以下であり、特に好ましくは1秒以上30分以下である。
【0052】
本発明において用いられる流路は一本のみである必要はなく、必要に応じて流路を何本も並列化または直列化し(Numbering−up)、その処理用を増大させることが出来る。すなわち電圧、電流は並列化と直列化で調整が可能である。
【0053】
本発明の方法および装置は、電気エネルギーを発生する方法(すなわち一次電池)に使用することもできるし、また電気エネルギーを貯蔵する方法(すなわち二次電池)にも使用することもできるが、好ましくは電気エネルギーを発生する方法(すなわち一次電池)としての使用である。
以下に実施例に基づき本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0054】
【実施例】
実施例1:PDMS(ポリジメチルシロキサン)製マイクロ酵素電池
(1−1)アミノ基修飾金電極(A、B)の作成
ガラス基板にフォトレジスト法により電極のパターンを作成、ここに金を蒸着したのち不用部分を除去して、幅150μm長さ3cmの2種類の電極A、Bを300μmの間隙を置いて作成した(図1)。次ぎに電極A、BにCystamineを吸着させ,アミノ基修飾金電極を作成した。
【0055】
(1−2)GlucoseOxidase修飾電極(A)の作成
アミノ修飾電極Aに、▲1▼10mM のPQQ(PQQ:Pyrroloquinolinequinone)を含む20mMのEDC(EDC:1−ethly−3(3−dimethlaminopropyl)carbodiimide)溶液、▲2▼2mMの3−aminophenyl boronicacidを含む10mMのEDC溶液、▲3▼2mMのFAD(FAD:Flavin Adenine Dinucleotide)、▲4▼1mg/mlのApo−Glucoseoxidase溶液、を順次接触させ、それぞれ室温2時間放置した後、純水で洗浄することにより、GOD修飾電極を作成した(図2)。
【0056】
(1−3)Microperoxidase修飾電極(B)の作成
(1−2)と同様の方法でアミノ修飾電極BとMP(MP:Microperoxidase)EDC溶液を接触させMP修飾電極(B)を作成した。
【0057】
(1−4)PDMSによる流路/酵素電池の作成
シリコンウエファー上に厚膜フォトレジストのSU−8をスピンコートし、90℃で1時間予備加熱した。流路幅500μmのY字型流路パターンを描いてあるマスクを通してUV光を照射し、90℃1時間で光照射部分を硬化させた。未硬化部分をPGMEAにより溶解除去、水洗したのち乾燥し、シリコンウエファー/SU8凸型として使用した。
【0058】
シリコンウエファー凸型上に、PDMS/硬化液混合液(デュポン社製:Sylgard)を流し込み、80℃で2時間硬化させた後シリコンウエファー凸型より静かに剥がしとり、PDMS凹型を作成した。凹型の流路の幅は500μm 深さは40μmであった(図3)。この作成した流路(凹型)をガラス電極の上に貼り合わせ本発明のマイクロ酵素電池セルとした(図4)。
【0059】
前記と同様の方法で流路幅が2mmであることを除いてすべて同じある比較用PDMS製マイクロ酵素電池セルを作成した。
次に、A、Bの電極をそれぞれ別のガラス板上に作るという以外は、あとはすべて前記と同様の手法で比較電極A、Bを作製した。次にこの2種類の電極をナフィオン膜で隔てられたフラスコ中に10mMグルコース溶液(A)中と10mM過酸化水素溶液(B)中に挿入し、比較用フラスコ型酵素電池とした(図5)。
【0060】
本発明のマイクロ酵素電池と比較用酵素電池の比較
(1)流路幅の2mmの電池との比較
10mMグルコース溶液(A)をマイクロ酵素電池セルの電極A側に、10mM過酸化水素溶液(B)を電極B側にシリンジポンプにより注入した(図6及び図7)。本発明のPDMS製マイクロ酵素電池では溶液A、Bは流路中を安定な層流を形成して流れA、Bの2溶液は混じりあうことはなく、電池の起電力を測定したところ38mVであった。一方 比較用の流路幅の広い(2mm)マイクロ酵素電セルでは層流は安定せず、6mVの起電力しか得られなかった。これより、流路幅の狭い(500μm)本発明の酵素電池が起電力が大きいことはあきらかである。
【0061】
(2)フラスコ型酵素電池との比較
本発明のマイクロ酵素電池セルにA,Bの2液を送液すると、38mVの起電力が生じ、60分後でも変化はなかった。一方、比較例のフラスコ型酵素電池では、電極挿入直後は31mVであったが、60分後には10mVまで減衰した。これより、本発明の電池の安定性が高いことは明らかである。
【0062】
実施例2:3連型PDMS製マイクロ酵素電池
実施例1と同様の手法により、3連型PDMSマイクロ酵素電池セル(図8)を作製した。実施例1と同様にグルコース溶液と過酸化水素溶液を流したところ、92mVの起電力をえることができた。この実施例により、マイクロ酵素電池を並列化することにより起電力を向上させることが可能であることがあきらかになった。
【0063】
実施例3:石英ガラス製マイクロ酵素電池
(3−1)石英ガラス流路の作成
石英ガラス基板上にフォトレジスト法により電極のパターンを作成、ここに金を蒸着したのち不用部分を除去して、幅150μm長さ3cmの2種類の電極A、Bを300μmの間隙を置いて作成した。
石英ガラスの表面に流路パターンを、Au/Crのフォトリソグラフィにより形成し、そのパターンをマスクとしてフッ化水素酸でエッチング処理を行い流路を形成した。この流路と電極のついた石英を、フッ化水素酸接合法により張り合わせることにより、石英ガラス流路を作成した。
【0064】
(3−2)電極の修飾
実施例1と同様の条件で、電極AをGODで、電極BをMPで修飾した。まず、Cystamine溶液を石英流路内に送液し、アミノ修飾電極を作成した。次ぎに実施例1の(1−2)同様に▲1▼10mMのPQQ(PQQ:Pyrroloquinolinequinone)を含む20mMのEDC(EDC:1−ethly−3(3−dimethlaminopropyl)carbodiimide)溶液、▲2▼2mMの3−aminophenyl boronicacidを含む10mMのEDC溶液、▲3▼2mMのFAD(FAD:Flavin Adenine Dinucleotide)、▲4▼1mg/mlのApo−Glucoseoxidase溶液を順次シリンジポンプにより石英ガラス流路内に送液した。この時、反応液が電極Bに接触しないように、電極B側には、pH7.4リン酸緩衝液を送液することにより、2液が層流となり、混じり合わない条件下で修飾を行った。同様の方法で、電極B側のMP修飾を行った。
【0065】
(3−3)送液による発電反応
このようにして作製した石英ガラス製酵素電池の電極A側に10mMグルコース溶液(A)を、0.05mMのTBATFB(Tetrabutylammonium tetrafluoroborate)を含む20mM CumenPeroxideの dichlolromethane 溶液(B)を電池の電極B側にシリンジポンプにより注入した。溶液A、Bは流路中を安定な層流を形成して流れ、A、Bの2溶液は混じりあうことはなかった。電極A、B間に外部抵抗及び電圧計をつなぎ、電池の起電力を測定したところ40mVであった。
この結果は、隔壁をもたないマイクロ流路を用いて、有機溶媒を使用するマイクロ酵素電池を作成できることを明らかにしている。
【0066】
【発明の効果】
本発明により隔壁を必要としない酵素電池可能になり、小型電池の作製が可能となる。また、マイクロ空間での酵素反応効率が向上して発電効率が高まる。更に、連続フローで燃料を送り込むため、安定した電圧・電流が長時間得られる。これにより酵素電池の実用可能性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で使用した電極を示す。
【図2】図2は、本発明で使用した修飾電極を示す。
【図3】図3は、本発明で使用したY字型流路を示す。
【図4】図4は、本発明のマイクロ酵素電池セルを示す。
【図5】図5は、比較例のフラスコ型酵素電池を示す。
【図6】図6は、本発明のマイクロ酵素電池セルの使用例を示す。
【図7】図7は、電極での反応を示す。
【図8】図8は、3連型マイクロ酵素セルを示す。

Claims (17)

  1. 等価直径1mm以下のマイクロ流路(マイクロチャンネル)中で酵素反応を行うことを含む、電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  2. 等価直径10μm以上500μm以下のマイクロ流路を使用する、請求項1に記載の電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  3. マイクロ流路が、固体基板上に微細加工技術を用いて作成されたものである、請求項1又は2に記載の電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  4. マイクロ流路中に電極が存在する、請求項1から3の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  5. 電極が負極(アノード)と正極(カソード)の二つの電極で構成され、それらが直接接触しないようにマイクロ流路に配置されている、請求項1から4の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  6. 電極を有するマイクロ流路であって、少なくとも2種以上の酵素または該酵素をその体内に有する微生物が流路壁に直接または間接に固定されているマイクロ流路を使用する、請求項1から5の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  7. 酵素が酸化還元酵素である、請求項1から6の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  8. マイクロ流路が、その中に溶液または気体を導入するための少なくとも2つ導入口と接続している、請求項1から7の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  9. マイクロ流路中を電子供与物質(負極活物質)を含む溶液または気体と電子受容物質(正極活物質)を含む溶液または気体が別々の層を形成して流れ、前者は電子供与物質を酸化できる酵素、または該酵素をその体内に有する微生物を直接または間接に固定した負極とのみ接触し、後者は電子受容物質を還元できる酵素、または該酵素をその体内に有する微生物を直接または間接に固定した正極とのみ接触する、請求項1から8の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  10. 隔壁を用いず、層流(Laminer flow)を用いて二つの溶液層の分離を行う、請求項9に記載の電気エネルギー発生または貯蔵方法。
  11. 電極を有する等価直径1mm以下のマイクロ流路(マイクロチャンネル)であって、少なくとも2種以上の酵素または該酵素をその体内に有する微生物が流路壁に直接または間接に固定されているマイクロ流路から構成される、電気エネルギー発生または貯蔵のための装置。
  12. マイクロ流路の等価直径が10μm以上500μm以下である、請求項11に記載の電気エネルギー発生または貯蔵のための装置。
  13. マイクロ流路が、固体基板上に微細加工技術を用いて作成されたものである、請求項11又は12に記載の電気エネルギー発生または貯蔵のための装置。
  14. 電極が負極(アノード)と正極(カソード)の二つの電極で構成され、それらが直接接触しないようにマイクロ流路に配置されている、請求項11から13の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵のための装置。
  15. 酵素が酸化還元酵素である、請求項11から14の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵のための装置。
  16. マイクロ流路が、その中に溶液または気体を導入するための少なくとも2つ導入口と接続している、請求項11から15の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵のための装置。
  17. 電極を有する等価直径1mm以下のマイクロ流路(マイクロチャンネル)であって、少なくとも2種以上の酵素または該酵素をその体内に有する微生物が流路壁に直接または間接に固定されているマイクロ流路が2つ以上直列または並列に接合されている、請求項11から16の何れかに記載の電気エネルギー発生または貯蔵のための装置。
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