JP2004295844A - 検針範囲表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電気、ガス、水道等のユーティリティのメータ検針業務に関し、検針員への負荷分散を考慮するべく所定地域の顧客を検針日グループ毎に分割した場合に、当該顧客分割の再編をコンピュータ処理により支援する。
【解決手段】所定地域の顧客を所定数で区分けした区画の占有領域を地図画面上に表示可能な区画エリアデータ4と、所定の地理的範囲を含む地図データ3と、区画エリアデータ4を地図データ3と重ねて、他の区画と区別可能に、表示端末上に画面表示させる地図表示手段5と、表示された区画を、画面上での選択指示入力に基づき選択する区画選択手段6と、区画選択手段6で選択された区画の属性の変更入力を受け付ける属性変更受付手段7と、属性変更受付手段7が変更入力を受け付けた属性に関し、属性が共通する区画の負荷指数の合計を、属性単位で個別表示または一覧表示する負荷指数合計表示手段8とを備えてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】所定地域の顧客を所定数で区分けした区画の占有領域を地図画面上に表示可能な区画エリアデータ4と、所定の地理的範囲を含む地図データ3と、区画エリアデータ4を地図データ3と重ねて、他の区画と区別可能に、表示端末上に画面表示させる地図表示手段5と、表示された区画を、画面上での選択指示入力に基づき選択する区画選択手段6と、区画選択手段6で選択された区画の属性の変更入力を受け付ける属性変更受付手段7と、属性変更受付手段7が変更入力を受け付けた属性に関し、属性が共通する区画の負荷指数の合計を、属性単位で個別表示または一覧表示する負荷指数合計表示手段8とを備えてなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気、ガス、水道等のユーティリティを利用する顧客のユーティリティ使用量を検針員によって検針する検針業務に関し、検針業務負荷を分散させるべく所定の地理的範囲に属する複数の顧客を検針期間内の複数の検針日に分割した場合に、当該顧客分割の再編をコンピュータのデータ処理を用いて統合的に支援可能な検針範囲表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、一営業所が管轄する所定の地理的範囲に属する複数の顧客を、検針期間(例えば、1ヶ月)内の複数の検針日(例えば、各月1日から17日までの17日間)に分割して検針業務負荷を分散させる場合、従来は下記のように検針業務に精通した担当者によって完全な手作業で上記顧客分割が行われていた。
【0003】
先ず、顧客単位の分割を行うとすれば、組み合わせの数が膨大であるため、所定の地理的範囲に属する複数の顧客を所定数の区画に区分けし、全ての顧客を何れかの区画に属するように配分し、この区画は固定のものとする。ここで、区画は、例えば住居表示に従い決定することとする。具体的には、○○市△△町1丁目1番地で1区画、同2番地で1区画という具合に一定の基準に基づき区画を決定する。従って、各区画内の住宅の形態等、住宅地か商業区域かの違い、或いは、戸建てか集合住宅かの違いなどで、各区画内の顧客数は一定ではなく、1から100超の範囲でばらつき、平均的には概ね40前後となる。
【0004】
例えば、ある営業所の管轄内に6500区画、26万の顧客が存在すると仮定すれば、それを17検針日で分割すると平均的には、1検針日当たり大体382区画となるが、上述の如く区画毎の顧客数が夫々異なるので、1検針日当たりの顧客数が約15300と略等しくなるように、更に住居表示に従い隣接する区画同士を寄せ集めて、17の検針日グループに区分する。ここで、市販の表計算シフトウェア等を用いることで、1検針日当たりの顧客数の平準化を手早く行うことができる。
【0005】
次に、一営業所内で検針業務に就いている検針担当者が一定数(例えば、50人)いるとすれば、各検針日で検針担当者当たりの顧客数を約306と略等しくなるように、各検針日の区画に検針担当者を割り当てる。ここで、効率的な検針が行えるように同じ検針担当者の区画は夫々一塊となるようにする。ここで、同じ検針担当者の区画が一塊で構成されていても、鉄道線路、川、幹線道路等を跨いでいる場合には、検針順路途中でこれらを迂回する必要が生じ効率的な検針業務が阻害されるので、地図を参考にしながら、検針順路上に大きな迂回が発生しないように、注意を払いながら微調整が行われる。以上の作業は、現場での経験や土地勘で左右されるので、検針業務に精通した担当者によって完全な手作業で行われる。
【0006】
ところで、一営業所が管轄する所定の地理的範囲に属する顧客数は、住宅地の造成や集合住宅の建設等によって年々変化し、営業所数も事業の統廃合により変化する場合があり、区画の増減も生じ、また、検針日の増減、或いは、検針担当者数の増減の必要も生じる。かかる場合には、現状運用されている顧客分割(各区画の検針日グループや検針担当者の割り当て)を変更して新たな顧客分割を再編する必要が生じる。
【0007】
例えば、検針日グループ数を17から18に1日増やす場合を想定すると、顧客分割の再編に当たり、上記の分割条件に加えて別途新たな制約条件を満たす必要が生じる。つまり、検針日が現状の検針日から変更となる顧客が相当数発生することになるが、検針日が大きく変更するとすれば、変更直後のユーティリティ使用量が前月と比較して大きく変化することになり、それに基づく使用料の課金額に一時的ではあるが大幅な変動が生じ、顧客側にすれば、供給者側の都合で一時的にも大きな出費を余儀なくされることになり、これを回避する必要がある。また、区画毎に割り当てた検針担当者を変更しないとすれば、各検針日で検針担当者間の仕事量の差が大きくなる虞があり、区画毎の検針担当者の割り当ても再編する必要が生じる。
【0008】
従来、このような検針日の増減に伴う各区画の検針日グループや検針担当者を再編する場合は、特に上記のような煩雑な制約条件を考慮する必要から、検針業務に精通した担当者によって完全な手作業で行われていた。
【0009】
尚、かかる作業は上述の如く一部においてコンピュータによる集計処理等を行うとしても、各区画をどの検針日グループ及びどの検針担当者に割り当てるかの作業は、完全に人手作業に頼っているのが現状であり、本願発明者の知る限りにおいて、コンピュータ処理を用いてかかる作業を統合的にサポートするシステムは現時点では存在しないと考える。従って、かかるシステムに関する公知資料は現時点では見当たらない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の顧客分割の再編作業において多くの制約条件から煩雑な作業が要求されるという問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率的な検針業務のための顧客分割の再編作業をコンピュータのデータ処理を用いて統合的に支援可能な検針範囲表示システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る検針範囲表示システムの第一の特徴構成は、電気、ガス、水道等のユーティリティを利用する顧客であって、所定の地理的範囲に属する複数の顧客を、所定数の区画に区分けし、前記区画毎に、検針日グループ、検針担当者、及び、区画毎の検針負荷を示す1または複数の負荷指数を少なくとも登録してなる区画検針データベースと、前記区画毎の夫々の占有領域を地図画面上に表示可能な区画エリアデータと、前記所定の地理的範囲を含む地図データと、前記区画エリアデータの一つの前記区画と他の前記区画を相互に区別可能に、前記区画エリアデータを前記地図データと重ねて表示端末上に画面表示させる地図表示手段と、前記表示端末上に画面表示された前記区画エリアデータの一または複数の区画を、表示画面上での選択指示入力に基づき選択する区画選択手段と、前記区画選択手段で選択された一または複数の区画に対する前記検針日グループと前記検針担当者の少なくとも何れか一方の属性の変更入力を受け付ける属性変更受付手段と、前記属性変更受付手段が前記変更入力を受け付けた前記属性に関し、前記属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計を、前記属性単位で個別表示または一覧表示する負荷指数合計表示手段と、を備えてなる点にある。
【0012】
上記検針範囲表示システムの第一の特徴構成によれば、顧客分割、つまり、どの区画(顧客の集合)がどの検針日グループに属し、どの区画にどの検針担当者が割り当てられているかの区画編成を変更する場合に、地図表示手段により、区画同士を識別可能に地図データと重ねて区画エリアデータを表示するので、変更作業者が、表示端末上に画面表示された区画エリアデータの内の変更に係る区画を、地図データに示された情報を基に適切に選択指示できる。特に、地図データに含まれる鉄道線路、川、幹線道路等の情報は、検針順路上で検針担当者が迂回しなくてよい効率的な検針順路となる区画編成を試みる場合に有用である。ここで、区画エリアデータは、色分け表示や境界線の強調表示等によって一つの区画と他の区画を相互に区別可能に表示されているので、選択しようとしている区画の全体と、周辺の地理的条件との関係を適切に把握できる。更に、区画選択手段がその選択指示入力に基づき変更に係る区画を選択すると、属性変更受付手段が当該変更に係る区画に対し、検針日グループと検針担当者の少なくとも何れか一方の属性の変更入力を、変更作業者の入力操作から受け付けることができる。負荷指数合計表示手段は、その変更入力を受け付けた属性、つまり、検針日グループと検針担当者の少なくとも何れか一方に関し、その属性が共通する区画の負荷指数の合計を、属性単位で個別表示または一覧表示するので、変更作業者は区画の属性を変更した結果が所期の目的に適っているかの確認が即座にできる。
【0013】
また、本特徴構成の検針範囲表示システムによれば、複数の区画を同時に選択することにより、一括して属性変更ができるので、効率的な変更作業が可能となる。
【0014】
更に、前記負荷指数合計表示手段が、前記属性変更受付手段が前記変更入力を受け付けた前記属性に関し、前記変更入力の受け付け前後における前記属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計と前記受け付け前後での前記合計の差の少なくとも何れか一方を、前記属性単位で個別表示または一覧表示可能に構成することもできる。
【0015】
かかる構成によれば、変更入力の受け付け前後における負荷指数の合計の変化を確認できるので、その変化が妥当かどうかの判断が容易となる。
【0016】
また、前記負荷指数合計表示手段が、前記属性変更受付手段が前記変更入力を受け付けた前記属性に関し、前記属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計を、前記合計の平均値とともに、前記属性単位で個別表示または一覧表示可能に構成することもできる。
【0017】
かかる特徴構成によれば、例えば、検針日グループの属性変更入力の受け付け後における各検針日グループに夫々属する区画の負荷指数の合計と、各検針日グループの当該合計の平均値とを、夫々対比できるので、属性変更入力が適切であったかどうかの判断が容易となる。
【0018】
同検針範囲表示システムの第二の特徴構成は、上記第一の特徴構成に加え、前記属性変更受付手段が、前記検針日グループと前記検針担当者の何れか一方の属性変更入力を受け付けた場合に、前記負荷指数合計表示手段が、前記検針日グループと前記検針担当者の両方の属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計を、前記検針日グループと前記検針担当者について個別表示または一覧表示可能に構成されている点にある。
【0019】
上記検針範囲表示システムの第二の特徴構成によれば、例えば、検針日グループの編成を変更した場合に、変更後の各検針日グループにおいて、同じ検針担当者に属する区画の負荷指数の合計が均等に分散しているか否かの確認が可能となる。同様に、検針担当者の編成を変更した場合においても、各検針日グループにおいて、同じ検針担当者に属する区画の負荷指数の合計が均等に分散しているか否かの確認が可能となる。
【0020】
同検針範囲表示システムの第三の特徴構成は、上記第一または第二の特徴構成に加え、前記地図表示手段は、前記検針日グループまたは前記検針担当者またはその両方の属性が同じ前記区画同士を前記属性の異なる他の区画と区別して、前記区画エリアデータを表示可能に構成されている点にある。
【0021】
上記検針範囲表示システムの第三の特徴構成によれば、属性が同じ区画同士が一塊となっているかどうかの確認ができ、更に、その一塊の区画の集合が、地図上のどのような地域に配置されるかを確認できる。例えば、特定の検針日グループと検針担当者に属する区画範囲が、特異な地形や構造物(川や鉄道線路等を跨いでいないか、或いは、特定の区画範囲に上り坂などが集中していないか等の確認ができる。
【0022】
同検針範囲表示システムの第四の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記負荷指数の1つが、前記各区画に含まれる検針対象の前記顧客の数である点にある。
【0023】
上記検針範囲表示システムの第四の特徴構成によれば、検針日グループ毎の顧客数を均等に配分できる。これにより、各検針日の顧客単位で発生する処理にかかる負荷の平準化が可能になる。更に、検針担当者毎の各月の顧客数を均等に配分できる。これにより、検針担当者の報酬を検針した顧客数に応じた歩合制とする場合に、検針担当者間で報酬のバラツキを抑制することができる。更に、検針担当者毎の各検針日の顧客数を均等に配分できる。これにより、特定の検針日に特定の検針担当者の検針数が多くなり、過度の負担を強いるという不都合を回避できる。
【0024】
同検針範囲表示システムの第五の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記負荷指数の1つが、前記各区画に含まれる検針対象の前記顧客の検針に関係する属性情報で決定される所定の検針困難度の総和である点にある。
【0025】
ここで、各顧客の検針に係る属性として、例えば、戸建てか集合住宅か、外メータか内メータか、内メータの場合に検針のための訪問時刻の制約があるかどうか、検針に加えて請求書の発行を要するかどうか、隣家との距離、飼い犬がいるかどうか等の種々の検針負荷変動要因が考えられる。従って、顧客毎の検針負荷が異なるので、同じ顧客数の区画であっても、区画全体での検針負荷は様々である。そこで、上記検針範囲表示システムの第五の特徴構成によれば、顧客毎の検針負荷の違いを考慮した区画編成が可能となる。例えば、検針担当者間で顧客数を均等に配分しつつ、検針困難度の総和を等しくすることで、同じ報酬に対し、特定の検針担当者に検針困難な顧客が集中しないようにすることができる。また、検針困難度に応じて報酬額を加減する場合は、当該報酬額の調整が容易となる。
【0026】
同検針範囲表示システムの第六の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記負荷指数の1つが、過去の検針実績データに基づいて定められた前記各区画の検針に要する標準的な検針時間である点にある。
【0027】
上記検針範囲表示システムの第六の特徴構成によれば、特定の検針日に検針に要する総時間が他日より多くなることを回避でき、その結果、各検針日を同じ検針担当者数で処理可能となる。また、特定の検針日に特定の検針担当者の検針時間が長くなり、過度の負担を強いるという不都合を回避できる。
【0028】
この目的を達成するための本発明に係る検針範囲表示用プログラムの特徴構成は、上記第一乃至第六の特徴構成の何れかの一つを具備する本発明に係る検針範囲表示システムの前記地図表示手段、前記区画選択手段、前記属性変更受付手段、及び、前記負荷指数合計表示手段を、コンピュータ上で夫々実行することによりソフトウェア処理によって実現するコンピュータプログラムを有する点にある。
【0029】
上記検針範囲表示用プログラムの特徴構成によれば、上記コンピュータプログラムを上記第一乃至第六の特徴構成の検針範囲表示システムを構成するコンピュータ上で実行することにより、本発明に係る検針範囲表示システムと同様の上記作用効果を奏する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に係る検針範囲表示システム及び方法(以下、適宜「本発明システム」及び「本発明方法」という。)の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。
【0031】
本発明システム1は、電気、ガス、水道等のユーティリティを利用する顧客のユーティリティ使用量を検針員によって検針する検針業務に関し、検針業務負荷を分散させるべく所定の地理的範囲に属する複数の顧客を検針期間内の複数の検針日に分割した場合に、当該顧客分割の再編をコンピュータのデータ処理を用いて統合的に支援可能な検針範囲表示システムであり、図1に示すように、区間検針データベース2、地図データ3、区間エリアデータ4、地図表示手段5、区間選択手段6、属性変更受付手段7、負荷指数合計表示手段8を備えて構成されている。
【0032】
本発明システム1は、コンピュータのハードウェアとそのハードウェア上で実行されるソフトウェアで構成されており、地図表示手段5、区画選択手段6、属性変更受付手段7、負荷指数合計表示手段8は、コンピュータ上で各手段5、6、7、8の機能を実現するプログラムをソフトウェア処理によって実行することで、コンピュータと接続可能な、例えば、入力装置であるマウスや、キーボード、タッチパネル、出力装置であるディスプレイといった各種周辺装置を相互に作動させて所期の機能を発揮するように構成されている。ここで、本発明システム1を構成する各手段5、6、7、8は、同一のコンピュータ上に形成されずに、複数のコンピュータ上に分散して形成されていても構わない。本実施形態では、コンピュータはネットワーク9を介して表示端末機能と入力装置機能を備えた入出力端末10と接続されており、入出力端末10は本発明システム1から送信された情報を画面表示するのみではなく、マウスやキーボード等の入力装置11から入力指示された情報を、コンピュータに対し送信する。
【0033】
以下に、本発明システム1の各手段及び各データベース、データについて説明する。
【0034】
区画検針データベース2は、図2に例示するように、例えば住居表示に従い決定された区画毎に、例えば「33−44−771−01」といった、他の区画と識別可能にする区画番号と、各区画に該当する住所と、検針日グループ、検針担当者名、検針作業に係る負荷指数として、例えば区画に含まれる検針対象の顧客数を並べて1つのデータレコードで管理している。尚、ユーティリティ供給者の全ての顧客(検針作業対象)は、区画検針データベース2に登録されている何れかの区画に、必ず、含まれている。ここで、区画検針データベース2に備えられている検針日グループとは、該当区間に含まれる顧客に対し、担当検針員が検針業務を実施する日を表しており、例えば、顧客の検針期間(メータ検針間隔)が1ヶ月で、検針員の検針業務が1ヶ月に17日間活動しているとすると、検針日グループは第1日から第17日まであり、例えば、検針日グループが第3日の区間に含まれる顧客の場合、検針員は、例えば毎月3日目の検針日にメータ検針を行うこととなる。区画検針データベース2を用いることによって、例えば、一営業所が管轄する所定の地理的範囲に属する複数の顧客の検針業務を各検針員へ割り当てる際や、各顧客の検針日を決定するのに際し、これら作業を能率的に行うことが可能となる。
【0035】
地図データ3は、例えば縮尺1/25000の広域図を示す地図データ3a、縮尺1/1500の住宅地図を示す地図データ3bといったデータ密度の異なる複数種の地図データ3a、3b等からなるデータ群で、その他に、独自に作成した、例えば、検針負荷を考慮する際の参考になる、顧客の住居の形態が一戸建てか、または集合住宅か、また、低層棟マンションか、高層マンションかの区別をエリアで表す地図データ3cを格納可能に構成されている。地図データ3(3a、3b、3c等)同士は同じ絶対座標で重ね合わされた多層構造を形成しており、本発明システム1に接続されている記憶領域内の地図レイヤ領域R1に予め格納され、地図表示手段5によって、後述で説明する区画エリアデータ4を格納可能な区画レイヤ領域R2と重ねて表示することにより、各区画の占有領域が地図上のどこの位置にあるのかを視覚的に確認することが可能となる。地図レイヤ領域R1の各層にある地図データ3は、同時に検索したり、各層何れかの地図データ3を検索したりすることも可能である。
【0036】
区画エリアデータ4は、区画検針データベース2に登録されている全ての区画毎の夫々の占有領域を表す位置座標情報で、区画毎に固有の識別子、例えば区画番号で識別可能になっている。区画エリアデータ4は区画検針データベース2との関連付けが可能であり、一または複数の区画検針データベース2のデータレコードを指定することで、表示する区画エリアデータ4を指定することができ、また逆に、区画エリアデータ4を指定することで、指定した区画エリアデータ4と対応した区画検針データベース2のデータレコード情報を読み込むことが可能である。区画エリアデータ4は、地図表示手段5によって、入出力端末10の画面上で各区間の占有領域を表示可能なポリゴンデータPaとして、予め、本発明システム1に接続されている記憶領域内の区画レイヤ領域R2に格納されている。また、区画レイヤ領域R2は多層構造になっており、予め区画レイヤ領域R2に格納されている全ての区画の区画エリアデータ4のポリゴンデータPaの一部を、新たに格納するためのシミュレーション用レイヤLが複数あり、1つのシミュレーション用レイヤLに新たに格納された、1つまたは複数の区画の区画エリアデータ4のポリゴンデータPaを集成して1つのポリゴンデータPbとして入出力端末10の画面上に表示することが可能となっている。
【0037】
地図表示手段5は、入出力端末10から受信した指定地域範囲に基づいて、区画エリアデータ4の1つの区画と他の区画を相互に区別可能にして、区画エリアデータ4を地図データ3と重ねて、入出力端末10上に画面表示させることが可能である。また、区画エリアデータ4を画面表示する際に、検針日グループまたは検針担当者またはその両方の属性が同じ区画同士を属性の異なる他の区画と区別して表示することも可能である。具体的に説明すると、例えば、A営業所が管轄する所定の地理的範囲に属する全ての区画を検針日グループ別に画面表示する、といった要求入力を、入出力端末10から本発明システム1が受信すると、地図表示手段5は、先ず、A営業所の管轄している地理的範囲を含む表示領域内の地図データ3(3a、3b、3c)のデータ量が、入出力端末10の表示能力に応じた適切なデータ量を超えないように、複数種の地図データ3(3a、3b、3c)の中から適切な地図データを選択する。そして、区画エリアデータ4を画面表示する際に、検針日グループが同じ区画同士を検針日グループが異なる他の区画と区別して表示するために、先ず、区画検針データベース2の各データレコードを検針日グループ毎にグループ分けし、各検針日グループに属する各区間の区間番号を求め、求めた区画番号を用いて、区画レイヤ領域R2に予め格納されている全ての区画エリアデータ4のポリゴンデータPaの中から、検針日グループが同じ区画同士の区画エリアデータ4の複数からなるポリゴンデータPaを、夫々1つのシミュレーション用レイヤLへ新たに格納し、画像処理用関数を用いて検針グループ毎に1つのポリゴンデータPbとして、既に区画レイヤ領域R2に格納されている全ての区画の区画エリアデータ4と、地図データ3と重ねて表示する。
【0038】
ここで例えば、既に入出力端末10上に、縮尺1/25000の広域図の地図データ3に重ねて検針日グループ別のポリゴンデータPbが画面表示されているおり、入出力端末10から、例えば、検針日グループが第17日のポリゴンデータPbが指定された場合、検針日グループが「第17日」のポリゴンデータPbを構成している区画エリアデータ4のポリゴンデータPaを、縮尺1/1500の住宅地図と重ねて表示するといった機能が、地図表示手段5に備えられていても良い。
【0039】
区画選択手段6は、地図表示手段5が入出力端末上10に画面表示した一または複数の区画の区画エリアデータ4を、表示されている入出力端末10の画面上から入力装置11を用いて行う選択指示入力に基づいて、選択する処理手段である。入力装置11としてはマウス等の入力デバイスがあり、入出力端末10の画面上で、入力装置11の選択位置座標を示すポインタを選択する区画エリアデータ4の上に合わせて、例えば、ダブルクリックといった選択指示入力を行うと、入力装置11の選択位置座標が入出力端末10から本発明システム1に送信され、本発明システム1が位置座標を受信した後引き続き、区画選択手段6によって位置座標を含む区画エリアデータ4が選択され、選択された区画エリアデータ4に対応する区画番号が取得されるように構成されている。ここで、選択指示入力できるのは1つの区間の区画エリアデータ4だけではなく、例えば、キーボードで「shiftキー」を押しながら、マウスで複数の位置座標を選択することや、マウスで、例えばドラッグ等を行うことで領域選択するといった方法で、入力装置11の選択位置座標、または選択領域を含む一または複数からなる区画エリアデータ4の区画を選択することも可能である。
【0040】
属性変更受付手段7は、区画選択手段6で選択された一または複数の区画に対して、例えば図3に例示するような属性変更用画面を入出力端末10上に画面表示することで、検針日グループと検針担当者の少なくとも何れか一方の属性の変更入力を受け付け可能に構成されている。図3の例示では、区画選択手段6で選択された区画1つに関して1つのウィンドウからなる属性変更用画面が入出力端末10上に表示されるようになっており、画面上には区画の識別子である区画番号と、区画の情報である該当住所、さらには検針日グループ、検針担当者といった情報が、区画選択手段6で選択された区画番号を用いて区画検針データベース2を検索することによって、予め表示されている。そして更に、検針日グループ、検針担当者といった、各区画の属性の変更情報の入力項目が備えられており、少なくとも何れか一方の変更情報を入力し画面上の更新ボタンをクリックすることによって、変更入力が受け付けられる。
【0041】
負荷指数合計表示手段8は、属性変更受付手段7が変更入力を受け付けた属性に関し、属性が共通する区画の負荷指数の合計を、属性単位で個別表示または一覧表示可能に構成されており、例えば、図3に例示するように、現行の検針日グループが「第17日」であるのを、「第18日」に変更するといった変更入力が、変更受付手段7によって受け付けられたとすると、図4に示すように、検針日グループが「第18日」である区画の、例えば、検針対象の顧客数といった検針作業に係る負荷指数が集計され、他の検針日グループ別負荷指数一覧と並んで表示されるようになっている。
【0042】
詳述すると、属性変更受付手段7が属性の変更入力を受け付けた後引き続き、負荷指数合計表示手段8は、先ず、変更された区画の区画番号「33−44−771−01」と、変更された属性「検針日グループ」と入力された変更情報「18」を用いて、区画検針データベース2に登録されている該当区画の情報を更新登録する。次に、変更された属性「検針日グループ」毎に区画検針データベース2の全てのデータレコードの、例えば、区画に含まれる検針対象の顧客数といった負荷指数を集計し、例えば、属性変更受付手段7が変更入力を受け付けた属性変更用画面上に一覧表示する。
【0043】
ここで、「検針担当者」が「神戸次郎」から「大阪太郎」に変更された場合は、区画検針データベース2の全データレコードの負荷指数を検針担当者別に集計し、検針担当者が「大阪太郎」である区画の負荷指数と並べて一覧表示することになる。また、変更された属性が、「検針日グループ」「検針担当者」の両方である場合、「検針日グループ」が「第18日」で、尚且つ、「検針担当者」が「大阪太郎」である区画の負荷指数と、区画検針データベース2の全データレコードの負荷指数を検針グループ別と、検針担当者別の2つの一覧表した内容と並べて表示を行う。また、更に、属性変更受付手段7が検針日グループと検針担当者の何れか一方の属性変更入力を受け付けた場合、負荷指数合計表示手段8は、検針部グループと検針担当者の両方の属性が共通する区間の負荷指数の合計を、検針日グループと検針担当者について一覧表示するとしてもよい。具体的には、「検針日グループ」を「第18日」に変更し、「検針担当者」は「神戸次郎」のままで変更がなかったとすると、負荷指数合計表示手段8は、入出力端末10上の画面に、検針担当者が「神戸次郎」の全ての区間について検針日グループ別に負荷指数を集計し、検針日グループが「第18日」の場合の負荷指数とともに一覧表示する。
【0044】
次に、本発明システム10の処理手順、並びに、本発明システム10を用いた作業手順について、図5のフローチャートに基づき説明する。尚、本実施形態においては、本発明システム1はユーティリティ供給者のA営業所上に設置されているとし、今までA営業所が管轄する所定の地理的範囲(管轄地域)に属する複数の顧客を、検針期間1ヶ月内に17日間で検針作業を行っていたが、新しく18日間で検針作業を行う必要が生じたため、検針日の増加に伴う各区画の検針日グループや検針担当者の再編を行う場合を実施形態としている。また、本実施形態では、各データベース、各データには少なくともA営業所の管轄地域に属する複数の顧客に係る情報が登録されていることとし、検針作業に伴う区画毎の作業負荷指数を、検針対象である顧客数で表すこととする。
【0045】
先ず、ユーティリティ供給者は、各検針日グループ当たりの検針作業に係る負荷を均一にするために、全顧客数を新しい検針日数(18日)で割り、各検針日グループ当たりの顧客数を求め、現行と検針日増加後との各検針日グループ当たりの顧客数の比較を行う(#S1)。図6に現行と検針日増加後の検針日グループ当たりの顧客数とその差分を示した比較表を例示する。比較の結果、検針日数増加後の各検針日グループにおける顧客数の変更値が概ね定まるため、次に、本発明システム1を用いて、各区画の検針日グループ及び検針担当者の再編を行う。
【0046】
詳述すると、先ず、A営業所の再編者は入出力端末10からA営業所の管轄地域の画面表示要求を送信すると、地図表示手段5によって入出力端末10の画面上に管轄地域の地図データ3とA営業所が管轄している区画の区画エリアデータ4を検針日グループ別にグループ分けされた形で重ねて表示される(#S2)。次に、画面表示された検針日グループ別の区画エリアデータ4の中から、図6の比較表に表示されている現行と検針日増加後の顧客数の差分を参考にしながら、再編者が属性の変更を行いたい検針日グループを、入力装置11を用いて選択指示入力する。すると、地図表示手段5によって選択指示入力された検針日グループに属する各区画の区画エリアデータ4が地図データ3と重ねられて、入出力端末10上に画面表示される(#S3)。更に、再編者が画面表示上から属性の変更を行う区画の区画エリアデータ4を選択指示入力すると、区画選択手段6によって区画エリアデータ4が選択され、選択された区画エリアデータ4の区画の属性の変更入力を受け付ける画面が入出力端末10上の画面に表示される(#S4)。再編者は、入出量端末10の画面上から、例えば、検針グループの変更値「18」を入力し(#S5)、更新ボタンをクリックすると、属性変更受付手段7によって変更を受け付けられ、更には、負荷指数合計表示手段8によって、変更に伴う負荷指数合計の変化が一覧で、入出力端末10の画面上に表示される(#S6)。再編者は画面上に表示された負荷指数合計の一覧を参考にしながら、更なる属性の変更入力が必要かどうか判断する(#S7)。その結果、変更内容は適切であり、また、他の区間に対して属性の変更入力の必要がないと判断した場合は処理を終了し、変更内容が不適切か、または他の区間に対して属性の変更入力が必要であると判断した場合は、更なる変更入力の必要がないと判断できるまで、(#S2)から(#S6)までの何れかの処理を行う。
【0047】
ここで、地図表示手段5、区画選択手段6、属性変更受付手段7、負荷指数合計表示手段8は機能的手段であり、本発明システム1を構成するコンピュータ装置のハードウェア資源を利用して、各機能を実現する各コンピュータプログラムを当該コンピュータ装置の中央演算処理装置が実行することによってソフトウェア的に実現されるものである。ここで、本発明システム1をソフトウェア的に実現する本発明に係る検針範囲表示プログラムは、上記各プログラムを具備して構成される。
【0048】
以下に、別の実施形態につき説明する。
<1>上記実施形態では、負荷指数の1つが、各区画に含まれる検針対象の顧客の数としているが、これに限らず、各区画に含まれる検針対象の顧客の検針に関係する属性情報で決定される所定の検針困難度の総和であってもよい。具体的に説明すると、顧客の居住場所の形態によって、例えば、集合住宅であり、尚且つ各戸のユーティリティのメータは1箇所に集中して設置されている場合は、検針困難度が1ポイントで、一戸建て住宅であり、メータは各戸様々な場所に設置されている場合は、検針困難度が4ポイントといったものが例示される。
【0049】
<2>上記実施形態では、負荷指数の1つが、各区画に含まれる検針対象の顧客の数としているが、これに限らず、過去の検針実績データに基づいて定められた各区画の検針に要する標準的な検針時間であってもよい。具体的に説明すると、検針員が各区画に含まれる顧客のメータ検針を行う際に、最初の顧客のメータ検針を行った時から、最終の顧客のメータ検針を終了した時点までに費やした時間を、例えば標準的な検針時間として、その時間が長いほど検針作業にかかる負荷が高いことを示すとしてもよい。
【0050】
<3>負荷指数は、各区画に含まれる検針対象の顧客の数と、顧客の検針に関係する属性情報で決定される所定の検針困難度の総和と、過去の検針実績データに基づいて定められた各区間の検針に要する標準的な検針時間、のうち何れかを含む組合せであってもよい。これら複数の負荷指数を併用することによって、検針業務にかかる負荷を多角的に検討することが可能になり、より精度の高い検針員の負荷分散が実現可能となる。
【0051】
<4>区画検針データベース2、地図データ3、区画エリアデータ4は、他のシステムと共用する形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検針範囲表示システム及び方法の一実施例を示す回路ブロック図
【図2】区画検針データベースの一例を示す説明図
【図3】本発明に係る検針範囲表示システムの属性変更受付手段が行う処理を説明する図
【図4】本発明に係る検針範囲表示システムの負荷指数合計表示手段が行う処理を説明する図
【図5】本発明に係る検針範囲表示システムの一実施形態を示すフロー図
【図6】検針日増加前後の検針日グループ当たりの顧客数とその差分を示した比較表の一例を示す説明図
【符号の説明】
1: 本発明システム
2:区画検針データベース
3:地図データ
4:区画エリアデータ
5:地図表示手段
6:区画選択手段
7:属性変更受付手段
8:負荷指数合計表示手段
9:ネットワーク
10:入出力端末
11:入力装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気、ガス、水道等のユーティリティを利用する顧客のユーティリティ使用量を検針員によって検針する検針業務に関し、検針業務負荷を分散させるべく所定の地理的範囲に属する複数の顧客を検針期間内の複数の検針日に分割した場合に、当該顧客分割の再編をコンピュータのデータ処理を用いて統合的に支援可能な検針範囲表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、一営業所が管轄する所定の地理的範囲に属する複数の顧客を、検針期間(例えば、1ヶ月)内の複数の検針日(例えば、各月1日から17日までの17日間)に分割して検針業務負荷を分散させる場合、従来は下記のように検針業務に精通した担当者によって完全な手作業で上記顧客分割が行われていた。
【0003】
先ず、顧客単位の分割を行うとすれば、組み合わせの数が膨大であるため、所定の地理的範囲に属する複数の顧客を所定数の区画に区分けし、全ての顧客を何れかの区画に属するように配分し、この区画は固定のものとする。ここで、区画は、例えば住居表示に従い決定することとする。具体的には、○○市△△町1丁目1番地で1区画、同2番地で1区画という具合に一定の基準に基づき区画を決定する。従って、各区画内の住宅の形態等、住宅地か商業区域かの違い、或いは、戸建てか集合住宅かの違いなどで、各区画内の顧客数は一定ではなく、1から100超の範囲でばらつき、平均的には概ね40前後となる。
【0004】
例えば、ある営業所の管轄内に6500区画、26万の顧客が存在すると仮定すれば、それを17検針日で分割すると平均的には、1検針日当たり大体382区画となるが、上述の如く区画毎の顧客数が夫々異なるので、1検針日当たりの顧客数が約15300と略等しくなるように、更に住居表示に従い隣接する区画同士を寄せ集めて、17の検針日グループに区分する。ここで、市販の表計算シフトウェア等を用いることで、1検針日当たりの顧客数の平準化を手早く行うことができる。
【0005】
次に、一営業所内で検針業務に就いている検針担当者が一定数(例えば、50人)いるとすれば、各検針日で検針担当者当たりの顧客数を約306と略等しくなるように、各検針日の区画に検針担当者を割り当てる。ここで、効率的な検針が行えるように同じ検針担当者の区画は夫々一塊となるようにする。ここで、同じ検針担当者の区画が一塊で構成されていても、鉄道線路、川、幹線道路等を跨いでいる場合には、検針順路途中でこれらを迂回する必要が生じ効率的な検針業務が阻害されるので、地図を参考にしながら、検針順路上に大きな迂回が発生しないように、注意を払いながら微調整が行われる。以上の作業は、現場での経験や土地勘で左右されるので、検針業務に精通した担当者によって完全な手作業で行われる。
【0006】
ところで、一営業所が管轄する所定の地理的範囲に属する顧客数は、住宅地の造成や集合住宅の建設等によって年々変化し、営業所数も事業の統廃合により変化する場合があり、区画の増減も生じ、また、検針日の増減、或いは、検針担当者数の増減の必要も生じる。かかる場合には、現状運用されている顧客分割(各区画の検針日グループや検針担当者の割り当て)を変更して新たな顧客分割を再編する必要が生じる。
【0007】
例えば、検針日グループ数を17から18に1日増やす場合を想定すると、顧客分割の再編に当たり、上記の分割条件に加えて別途新たな制約条件を満たす必要が生じる。つまり、検針日が現状の検針日から変更となる顧客が相当数発生することになるが、検針日が大きく変更するとすれば、変更直後のユーティリティ使用量が前月と比較して大きく変化することになり、それに基づく使用料の課金額に一時的ではあるが大幅な変動が生じ、顧客側にすれば、供給者側の都合で一時的にも大きな出費を余儀なくされることになり、これを回避する必要がある。また、区画毎に割り当てた検針担当者を変更しないとすれば、各検針日で検針担当者間の仕事量の差が大きくなる虞があり、区画毎の検針担当者の割り当ても再編する必要が生じる。
【0008】
従来、このような検針日の増減に伴う各区画の検針日グループや検針担当者を再編する場合は、特に上記のような煩雑な制約条件を考慮する必要から、検針業務に精通した担当者によって完全な手作業で行われていた。
【0009】
尚、かかる作業は上述の如く一部においてコンピュータによる集計処理等を行うとしても、各区画をどの検針日グループ及びどの検針担当者に割り当てるかの作業は、完全に人手作業に頼っているのが現状であり、本願発明者の知る限りにおいて、コンピュータ処理を用いてかかる作業を統合的にサポートするシステムは現時点では存在しないと考える。従って、かかるシステムに関する公知資料は現時点では見当たらない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の顧客分割の再編作業において多くの制約条件から煩雑な作業が要求されるという問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率的な検針業務のための顧客分割の再編作業をコンピュータのデータ処理を用いて統合的に支援可能な検針範囲表示システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る検針範囲表示システムの第一の特徴構成は、電気、ガス、水道等のユーティリティを利用する顧客であって、所定の地理的範囲に属する複数の顧客を、所定数の区画に区分けし、前記区画毎に、検針日グループ、検針担当者、及び、区画毎の検針負荷を示す1または複数の負荷指数を少なくとも登録してなる区画検針データベースと、前記区画毎の夫々の占有領域を地図画面上に表示可能な区画エリアデータと、前記所定の地理的範囲を含む地図データと、前記区画エリアデータの一つの前記区画と他の前記区画を相互に区別可能に、前記区画エリアデータを前記地図データと重ねて表示端末上に画面表示させる地図表示手段と、前記表示端末上に画面表示された前記区画エリアデータの一または複数の区画を、表示画面上での選択指示入力に基づき選択する区画選択手段と、前記区画選択手段で選択された一または複数の区画に対する前記検針日グループと前記検針担当者の少なくとも何れか一方の属性の変更入力を受け付ける属性変更受付手段と、前記属性変更受付手段が前記変更入力を受け付けた前記属性に関し、前記属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計を、前記属性単位で個別表示または一覧表示する負荷指数合計表示手段と、を備えてなる点にある。
【0012】
上記検針範囲表示システムの第一の特徴構成によれば、顧客分割、つまり、どの区画(顧客の集合)がどの検針日グループに属し、どの区画にどの検針担当者が割り当てられているかの区画編成を変更する場合に、地図表示手段により、区画同士を識別可能に地図データと重ねて区画エリアデータを表示するので、変更作業者が、表示端末上に画面表示された区画エリアデータの内の変更に係る区画を、地図データに示された情報を基に適切に選択指示できる。特に、地図データに含まれる鉄道線路、川、幹線道路等の情報は、検針順路上で検針担当者が迂回しなくてよい効率的な検針順路となる区画編成を試みる場合に有用である。ここで、区画エリアデータは、色分け表示や境界線の強調表示等によって一つの区画と他の区画を相互に区別可能に表示されているので、選択しようとしている区画の全体と、周辺の地理的条件との関係を適切に把握できる。更に、区画選択手段がその選択指示入力に基づき変更に係る区画を選択すると、属性変更受付手段が当該変更に係る区画に対し、検針日グループと検針担当者の少なくとも何れか一方の属性の変更入力を、変更作業者の入力操作から受け付けることができる。負荷指数合計表示手段は、その変更入力を受け付けた属性、つまり、検針日グループと検針担当者の少なくとも何れか一方に関し、その属性が共通する区画の負荷指数の合計を、属性単位で個別表示または一覧表示するので、変更作業者は区画の属性を変更した結果が所期の目的に適っているかの確認が即座にできる。
【0013】
また、本特徴構成の検針範囲表示システムによれば、複数の区画を同時に選択することにより、一括して属性変更ができるので、効率的な変更作業が可能となる。
【0014】
更に、前記負荷指数合計表示手段が、前記属性変更受付手段が前記変更入力を受け付けた前記属性に関し、前記変更入力の受け付け前後における前記属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計と前記受け付け前後での前記合計の差の少なくとも何れか一方を、前記属性単位で個別表示または一覧表示可能に構成することもできる。
【0015】
かかる構成によれば、変更入力の受け付け前後における負荷指数の合計の変化を確認できるので、その変化が妥当かどうかの判断が容易となる。
【0016】
また、前記負荷指数合計表示手段が、前記属性変更受付手段が前記変更入力を受け付けた前記属性に関し、前記属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計を、前記合計の平均値とともに、前記属性単位で個別表示または一覧表示可能に構成することもできる。
【0017】
かかる特徴構成によれば、例えば、検針日グループの属性変更入力の受け付け後における各検針日グループに夫々属する区画の負荷指数の合計と、各検針日グループの当該合計の平均値とを、夫々対比できるので、属性変更入力が適切であったかどうかの判断が容易となる。
【0018】
同検針範囲表示システムの第二の特徴構成は、上記第一の特徴構成に加え、前記属性変更受付手段が、前記検針日グループと前記検針担当者の何れか一方の属性変更入力を受け付けた場合に、前記負荷指数合計表示手段が、前記検針日グループと前記検針担当者の両方の属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計を、前記検針日グループと前記検針担当者について個別表示または一覧表示可能に構成されている点にある。
【0019】
上記検針範囲表示システムの第二の特徴構成によれば、例えば、検針日グループの編成を変更した場合に、変更後の各検針日グループにおいて、同じ検針担当者に属する区画の負荷指数の合計が均等に分散しているか否かの確認が可能となる。同様に、検針担当者の編成を変更した場合においても、各検針日グループにおいて、同じ検針担当者に属する区画の負荷指数の合計が均等に分散しているか否かの確認が可能となる。
【0020】
同検針範囲表示システムの第三の特徴構成は、上記第一または第二の特徴構成に加え、前記地図表示手段は、前記検針日グループまたは前記検針担当者またはその両方の属性が同じ前記区画同士を前記属性の異なる他の区画と区別して、前記区画エリアデータを表示可能に構成されている点にある。
【0021】
上記検針範囲表示システムの第三の特徴構成によれば、属性が同じ区画同士が一塊となっているかどうかの確認ができ、更に、その一塊の区画の集合が、地図上のどのような地域に配置されるかを確認できる。例えば、特定の検針日グループと検針担当者に属する区画範囲が、特異な地形や構造物(川や鉄道線路等を跨いでいないか、或いは、特定の区画範囲に上り坂などが集中していないか等の確認ができる。
【0022】
同検針範囲表示システムの第四の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記負荷指数の1つが、前記各区画に含まれる検針対象の前記顧客の数である点にある。
【0023】
上記検針範囲表示システムの第四の特徴構成によれば、検針日グループ毎の顧客数を均等に配分できる。これにより、各検針日の顧客単位で発生する処理にかかる負荷の平準化が可能になる。更に、検針担当者毎の各月の顧客数を均等に配分できる。これにより、検針担当者の報酬を検針した顧客数に応じた歩合制とする場合に、検針担当者間で報酬のバラツキを抑制することができる。更に、検針担当者毎の各検針日の顧客数を均等に配分できる。これにより、特定の検針日に特定の検針担当者の検針数が多くなり、過度の負担を強いるという不都合を回避できる。
【0024】
同検針範囲表示システムの第五の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記負荷指数の1つが、前記各区画に含まれる検針対象の前記顧客の検針に関係する属性情報で決定される所定の検針困難度の総和である点にある。
【0025】
ここで、各顧客の検針に係る属性として、例えば、戸建てか集合住宅か、外メータか内メータか、内メータの場合に検針のための訪問時刻の制約があるかどうか、検針に加えて請求書の発行を要するかどうか、隣家との距離、飼い犬がいるかどうか等の種々の検針負荷変動要因が考えられる。従って、顧客毎の検針負荷が異なるので、同じ顧客数の区画であっても、区画全体での検針負荷は様々である。そこで、上記検針範囲表示システムの第五の特徴構成によれば、顧客毎の検針負荷の違いを考慮した区画編成が可能となる。例えば、検針担当者間で顧客数を均等に配分しつつ、検針困難度の総和を等しくすることで、同じ報酬に対し、特定の検針担当者に検針困難な顧客が集中しないようにすることができる。また、検針困難度に応じて報酬額を加減する場合は、当該報酬額の調整が容易となる。
【0026】
同検針範囲表示システムの第六の特徴構成は、上記何れか一つの特徴構成に加え、前記負荷指数の1つが、過去の検針実績データに基づいて定められた前記各区画の検針に要する標準的な検針時間である点にある。
【0027】
上記検針範囲表示システムの第六の特徴構成によれば、特定の検針日に検針に要する総時間が他日より多くなることを回避でき、その結果、各検針日を同じ検針担当者数で処理可能となる。また、特定の検針日に特定の検針担当者の検針時間が長くなり、過度の負担を強いるという不都合を回避できる。
【0028】
この目的を達成するための本発明に係る検針範囲表示用プログラムの特徴構成は、上記第一乃至第六の特徴構成の何れかの一つを具備する本発明に係る検針範囲表示システムの前記地図表示手段、前記区画選択手段、前記属性変更受付手段、及び、前記負荷指数合計表示手段を、コンピュータ上で夫々実行することによりソフトウェア処理によって実現するコンピュータプログラムを有する点にある。
【0029】
上記検針範囲表示用プログラムの特徴構成によれば、上記コンピュータプログラムを上記第一乃至第六の特徴構成の検針範囲表示システムを構成するコンピュータ上で実行することにより、本発明に係る検針範囲表示システムと同様の上記作用効果を奏する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に係る検針範囲表示システム及び方法(以下、適宜「本発明システム」及び「本発明方法」という。)の実施の形態につき、図面に基づいて説明する。
【0031】
本発明システム1は、電気、ガス、水道等のユーティリティを利用する顧客のユーティリティ使用量を検針員によって検針する検針業務に関し、検針業務負荷を分散させるべく所定の地理的範囲に属する複数の顧客を検針期間内の複数の検針日に分割した場合に、当該顧客分割の再編をコンピュータのデータ処理を用いて統合的に支援可能な検針範囲表示システムであり、図1に示すように、区間検針データベース2、地図データ3、区間エリアデータ4、地図表示手段5、区間選択手段6、属性変更受付手段7、負荷指数合計表示手段8を備えて構成されている。
【0032】
本発明システム1は、コンピュータのハードウェアとそのハードウェア上で実行されるソフトウェアで構成されており、地図表示手段5、区画選択手段6、属性変更受付手段7、負荷指数合計表示手段8は、コンピュータ上で各手段5、6、7、8の機能を実現するプログラムをソフトウェア処理によって実行することで、コンピュータと接続可能な、例えば、入力装置であるマウスや、キーボード、タッチパネル、出力装置であるディスプレイといった各種周辺装置を相互に作動させて所期の機能を発揮するように構成されている。ここで、本発明システム1を構成する各手段5、6、7、8は、同一のコンピュータ上に形成されずに、複数のコンピュータ上に分散して形成されていても構わない。本実施形態では、コンピュータはネットワーク9を介して表示端末機能と入力装置機能を備えた入出力端末10と接続されており、入出力端末10は本発明システム1から送信された情報を画面表示するのみではなく、マウスやキーボード等の入力装置11から入力指示された情報を、コンピュータに対し送信する。
【0033】
以下に、本発明システム1の各手段及び各データベース、データについて説明する。
【0034】
区画検針データベース2は、図2に例示するように、例えば住居表示に従い決定された区画毎に、例えば「33−44−771−01」といった、他の区画と識別可能にする区画番号と、各区画に該当する住所と、検針日グループ、検針担当者名、検針作業に係る負荷指数として、例えば区画に含まれる検針対象の顧客数を並べて1つのデータレコードで管理している。尚、ユーティリティ供給者の全ての顧客(検針作業対象)は、区画検針データベース2に登録されている何れかの区画に、必ず、含まれている。ここで、区画検針データベース2に備えられている検針日グループとは、該当区間に含まれる顧客に対し、担当検針員が検針業務を実施する日を表しており、例えば、顧客の検針期間(メータ検針間隔)が1ヶ月で、検針員の検針業務が1ヶ月に17日間活動しているとすると、検針日グループは第1日から第17日まであり、例えば、検針日グループが第3日の区間に含まれる顧客の場合、検針員は、例えば毎月3日目の検針日にメータ検針を行うこととなる。区画検針データベース2を用いることによって、例えば、一営業所が管轄する所定の地理的範囲に属する複数の顧客の検針業務を各検針員へ割り当てる際や、各顧客の検針日を決定するのに際し、これら作業を能率的に行うことが可能となる。
【0035】
地図データ3は、例えば縮尺1/25000の広域図を示す地図データ3a、縮尺1/1500の住宅地図を示す地図データ3bといったデータ密度の異なる複数種の地図データ3a、3b等からなるデータ群で、その他に、独自に作成した、例えば、検針負荷を考慮する際の参考になる、顧客の住居の形態が一戸建てか、または集合住宅か、また、低層棟マンションか、高層マンションかの区別をエリアで表す地図データ3cを格納可能に構成されている。地図データ3(3a、3b、3c等)同士は同じ絶対座標で重ね合わされた多層構造を形成しており、本発明システム1に接続されている記憶領域内の地図レイヤ領域R1に予め格納され、地図表示手段5によって、後述で説明する区画エリアデータ4を格納可能な区画レイヤ領域R2と重ねて表示することにより、各区画の占有領域が地図上のどこの位置にあるのかを視覚的に確認することが可能となる。地図レイヤ領域R1の各層にある地図データ3は、同時に検索したり、各層何れかの地図データ3を検索したりすることも可能である。
【0036】
区画エリアデータ4は、区画検針データベース2に登録されている全ての区画毎の夫々の占有領域を表す位置座標情報で、区画毎に固有の識別子、例えば区画番号で識別可能になっている。区画エリアデータ4は区画検針データベース2との関連付けが可能であり、一または複数の区画検針データベース2のデータレコードを指定することで、表示する区画エリアデータ4を指定することができ、また逆に、区画エリアデータ4を指定することで、指定した区画エリアデータ4と対応した区画検針データベース2のデータレコード情報を読み込むことが可能である。区画エリアデータ4は、地図表示手段5によって、入出力端末10の画面上で各区間の占有領域を表示可能なポリゴンデータPaとして、予め、本発明システム1に接続されている記憶領域内の区画レイヤ領域R2に格納されている。また、区画レイヤ領域R2は多層構造になっており、予め区画レイヤ領域R2に格納されている全ての区画の区画エリアデータ4のポリゴンデータPaの一部を、新たに格納するためのシミュレーション用レイヤLが複数あり、1つのシミュレーション用レイヤLに新たに格納された、1つまたは複数の区画の区画エリアデータ4のポリゴンデータPaを集成して1つのポリゴンデータPbとして入出力端末10の画面上に表示することが可能となっている。
【0037】
地図表示手段5は、入出力端末10から受信した指定地域範囲に基づいて、区画エリアデータ4の1つの区画と他の区画を相互に区別可能にして、区画エリアデータ4を地図データ3と重ねて、入出力端末10上に画面表示させることが可能である。また、区画エリアデータ4を画面表示する際に、検針日グループまたは検針担当者またはその両方の属性が同じ区画同士を属性の異なる他の区画と区別して表示することも可能である。具体的に説明すると、例えば、A営業所が管轄する所定の地理的範囲に属する全ての区画を検針日グループ別に画面表示する、といった要求入力を、入出力端末10から本発明システム1が受信すると、地図表示手段5は、先ず、A営業所の管轄している地理的範囲を含む表示領域内の地図データ3(3a、3b、3c)のデータ量が、入出力端末10の表示能力に応じた適切なデータ量を超えないように、複数種の地図データ3(3a、3b、3c)の中から適切な地図データを選択する。そして、区画エリアデータ4を画面表示する際に、検針日グループが同じ区画同士を検針日グループが異なる他の区画と区別して表示するために、先ず、区画検針データベース2の各データレコードを検針日グループ毎にグループ分けし、各検針日グループに属する各区間の区間番号を求め、求めた区画番号を用いて、区画レイヤ領域R2に予め格納されている全ての区画エリアデータ4のポリゴンデータPaの中から、検針日グループが同じ区画同士の区画エリアデータ4の複数からなるポリゴンデータPaを、夫々1つのシミュレーション用レイヤLへ新たに格納し、画像処理用関数を用いて検針グループ毎に1つのポリゴンデータPbとして、既に区画レイヤ領域R2に格納されている全ての区画の区画エリアデータ4と、地図データ3と重ねて表示する。
【0038】
ここで例えば、既に入出力端末10上に、縮尺1/25000の広域図の地図データ3に重ねて検針日グループ別のポリゴンデータPbが画面表示されているおり、入出力端末10から、例えば、検針日グループが第17日のポリゴンデータPbが指定された場合、検針日グループが「第17日」のポリゴンデータPbを構成している区画エリアデータ4のポリゴンデータPaを、縮尺1/1500の住宅地図と重ねて表示するといった機能が、地図表示手段5に備えられていても良い。
【0039】
区画選択手段6は、地図表示手段5が入出力端末上10に画面表示した一または複数の区画の区画エリアデータ4を、表示されている入出力端末10の画面上から入力装置11を用いて行う選択指示入力に基づいて、選択する処理手段である。入力装置11としてはマウス等の入力デバイスがあり、入出力端末10の画面上で、入力装置11の選択位置座標を示すポインタを選択する区画エリアデータ4の上に合わせて、例えば、ダブルクリックといった選択指示入力を行うと、入力装置11の選択位置座標が入出力端末10から本発明システム1に送信され、本発明システム1が位置座標を受信した後引き続き、区画選択手段6によって位置座標を含む区画エリアデータ4が選択され、選択された区画エリアデータ4に対応する区画番号が取得されるように構成されている。ここで、選択指示入力できるのは1つの区間の区画エリアデータ4だけではなく、例えば、キーボードで「shiftキー」を押しながら、マウスで複数の位置座標を選択することや、マウスで、例えばドラッグ等を行うことで領域選択するといった方法で、入力装置11の選択位置座標、または選択領域を含む一または複数からなる区画エリアデータ4の区画を選択することも可能である。
【0040】
属性変更受付手段7は、区画選択手段6で選択された一または複数の区画に対して、例えば図3に例示するような属性変更用画面を入出力端末10上に画面表示することで、検針日グループと検針担当者の少なくとも何れか一方の属性の変更入力を受け付け可能に構成されている。図3の例示では、区画選択手段6で選択された区画1つに関して1つのウィンドウからなる属性変更用画面が入出力端末10上に表示されるようになっており、画面上には区画の識別子である区画番号と、区画の情報である該当住所、さらには検針日グループ、検針担当者といった情報が、区画選択手段6で選択された区画番号を用いて区画検針データベース2を検索することによって、予め表示されている。そして更に、検針日グループ、検針担当者といった、各区画の属性の変更情報の入力項目が備えられており、少なくとも何れか一方の変更情報を入力し画面上の更新ボタンをクリックすることによって、変更入力が受け付けられる。
【0041】
負荷指数合計表示手段8は、属性変更受付手段7が変更入力を受け付けた属性に関し、属性が共通する区画の負荷指数の合計を、属性単位で個別表示または一覧表示可能に構成されており、例えば、図3に例示するように、現行の検針日グループが「第17日」であるのを、「第18日」に変更するといった変更入力が、変更受付手段7によって受け付けられたとすると、図4に示すように、検針日グループが「第18日」である区画の、例えば、検針対象の顧客数といった検針作業に係る負荷指数が集計され、他の検針日グループ別負荷指数一覧と並んで表示されるようになっている。
【0042】
詳述すると、属性変更受付手段7が属性の変更入力を受け付けた後引き続き、負荷指数合計表示手段8は、先ず、変更された区画の区画番号「33−44−771−01」と、変更された属性「検針日グループ」と入力された変更情報「18」を用いて、区画検針データベース2に登録されている該当区画の情報を更新登録する。次に、変更された属性「検針日グループ」毎に区画検針データベース2の全てのデータレコードの、例えば、区画に含まれる検針対象の顧客数といった負荷指数を集計し、例えば、属性変更受付手段7が変更入力を受け付けた属性変更用画面上に一覧表示する。
【0043】
ここで、「検針担当者」が「神戸次郎」から「大阪太郎」に変更された場合は、区画検針データベース2の全データレコードの負荷指数を検針担当者別に集計し、検針担当者が「大阪太郎」である区画の負荷指数と並べて一覧表示することになる。また、変更された属性が、「検針日グループ」「検針担当者」の両方である場合、「検針日グループ」が「第18日」で、尚且つ、「検針担当者」が「大阪太郎」である区画の負荷指数と、区画検針データベース2の全データレコードの負荷指数を検針グループ別と、検針担当者別の2つの一覧表した内容と並べて表示を行う。また、更に、属性変更受付手段7が検針日グループと検針担当者の何れか一方の属性変更入力を受け付けた場合、負荷指数合計表示手段8は、検針部グループと検針担当者の両方の属性が共通する区間の負荷指数の合計を、検針日グループと検針担当者について一覧表示するとしてもよい。具体的には、「検針日グループ」を「第18日」に変更し、「検針担当者」は「神戸次郎」のままで変更がなかったとすると、負荷指数合計表示手段8は、入出力端末10上の画面に、検針担当者が「神戸次郎」の全ての区間について検針日グループ別に負荷指数を集計し、検針日グループが「第18日」の場合の負荷指数とともに一覧表示する。
【0044】
次に、本発明システム10の処理手順、並びに、本発明システム10を用いた作業手順について、図5のフローチャートに基づき説明する。尚、本実施形態においては、本発明システム1はユーティリティ供給者のA営業所上に設置されているとし、今までA営業所が管轄する所定の地理的範囲(管轄地域)に属する複数の顧客を、検針期間1ヶ月内に17日間で検針作業を行っていたが、新しく18日間で検針作業を行う必要が生じたため、検針日の増加に伴う各区画の検針日グループや検針担当者の再編を行う場合を実施形態としている。また、本実施形態では、各データベース、各データには少なくともA営業所の管轄地域に属する複数の顧客に係る情報が登録されていることとし、検針作業に伴う区画毎の作業負荷指数を、検針対象である顧客数で表すこととする。
【0045】
先ず、ユーティリティ供給者は、各検針日グループ当たりの検針作業に係る負荷を均一にするために、全顧客数を新しい検針日数(18日)で割り、各検針日グループ当たりの顧客数を求め、現行と検針日増加後との各検針日グループ当たりの顧客数の比較を行う(#S1)。図6に現行と検針日増加後の検針日グループ当たりの顧客数とその差分を示した比較表を例示する。比較の結果、検針日数増加後の各検針日グループにおける顧客数の変更値が概ね定まるため、次に、本発明システム1を用いて、各区画の検針日グループ及び検針担当者の再編を行う。
【0046】
詳述すると、先ず、A営業所の再編者は入出力端末10からA営業所の管轄地域の画面表示要求を送信すると、地図表示手段5によって入出力端末10の画面上に管轄地域の地図データ3とA営業所が管轄している区画の区画エリアデータ4を検針日グループ別にグループ分けされた形で重ねて表示される(#S2)。次に、画面表示された検針日グループ別の区画エリアデータ4の中から、図6の比較表に表示されている現行と検針日増加後の顧客数の差分を参考にしながら、再編者が属性の変更を行いたい検針日グループを、入力装置11を用いて選択指示入力する。すると、地図表示手段5によって選択指示入力された検針日グループに属する各区画の区画エリアデータ4が地図データ3と重ねられて、入出力端末10上に画面表示される(#S3)。更に、再編者が画面表示上から属性の変更を行う区画の区画エリアデータ4を選択指示入力すると、区画選択手段6によって区画エリアデータ4が選択され、選択された区画エリアデータ4の区画の属性の変更入力を受け付ける画面が入出力端末10上の画面に表示される(#S4)。再編者は、入出量端末10の画面上から、例えば、検針グループの変更値「18」を入力し(#S5)、更新ボタンをクリックすると、属性変更受付手段7によって変更を受け付けられ、更には、負荷指数合計表示手段8によって、変更に伴う負荷指数合計の変化が一覧で、入出力端末10の画面上に表示される(#S6)。再編者は画面上に表示された負荷指数合計の一覧を参考にしながら、更なる属性の変更入力が必要かどうか判断する(#S7)。その結果、変更内容は適切であり、また、他の区間に対して属性の変更入力の必要がないと判断した場合は処理を終了し、変更内容が不適切か、または他の区間に対して属性の変更入力が必要であると判断した場合は、更なる変更入力の必要がないと判断できるまで、(#S2)から(#S6)までの何れかの処理を行う。
【0047】
ここで、地図表示手段5、区画選択手段6、属性変更受付手段7、負荷指数合計表示手段8は機能的手段であり、本発明システム1を構成するコンピュータ装置のハードウェア資源を利用して、各機能を実現する各コンピュータプログラムを当該コンピュータ装置の中央演算処理装置が実行することによってソフトウェア的に実現されるものである。ここで、本発明システム1をソフトウェア的に実現する本発明に係る検針範囲表示プログラムは、上記各プログラムを具備して構成される。
【0048】
以下に、別の実施形態につき説明する。
<1>上記実施形態では、負荷指数の1つが、各区画に含まれる検針対象の顧客の数としているが、これに限らず、各区画に含まれる検針対象の顧客の検針に関係する属性情報で決定される所定の検針困難度の総和であってもよい。具体的に説明すると、顧客の居住場所の形態によって、例えば、集合住宅であり、尚且つ各戸のユーティリティのメータは1箇所に集中して設置されている場合は、検針困難度が1ポイントで、一戸建て住宅であり、メータは各戸様々な場所に設置されている場合は、検針困難度が4ポイントといったものが例示される。
【0049】
<2>上記実施形態では、負荷指数の1つが、各区画に含まれる検針対象の顧客の数としているが、これに限らず、過去の検針実績データに基づいて定められた各区画の検針に要する標準的な検針時間であってもよい。具体的に説明すると、検針員が各区画に含まれる顧客のメータ検針を行う際に、最初の顧客のメータ検針を行った時から、最終の顧客のメータ検針を終了した時点までに費やした時間を、例えば標準的な検針時間として、その時間が長いほど検針作業にかかる負荷が高いことを示すとしてもよい。
【0050】
<3>負荷指数は、各区画に含まれる検針対象の顧客の数と、顧客の検針に関係する属性情報で決定される所定の検針困難度の総和と、過去の検針実績データに基づいて定められた各区間の検針に要する標準的な検針時間、のうち何れかを含む組合せであってもよい。これら複数の負荷指数を併用することによって、検針業務にかかる負荷を多角的に検討することが可能になり、より精度の高い検針員の負荷分散が実現可能となる。
【0051】
<4>区画検針データベース2、地図データ3、区画エリアデータ4は、他のシステムと共用する形態であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る検針範囲表示システム及び方法の一実施例を示す回路ブロック図
【図2】区画検針データベースの一例を示す説明図
【図3】本発明に係る検針範囲表示システムの属性変更受付手段が行う処理を説明する図
【図4】本発明に係る検針範囲表示システムの負荷指数合計表示手段が行う処理を説明する図
【図5】本発明に係る検針範囲表示システムの一実施形態を示すフロー図
【図6】検針日増加前後の検針日グループ当たりの顧客数とその差分を示した比較表の一例を示す説明図
【符号の説明】
1: 本発明システム
2:区画検針データベース
3:地図データ
4:区画エリアデータ
5:地図表示手段
6:区画選択手段
7:属性変更受付手段
8:負荷指数合計表示手段
9:ネットワーク
10:入出力端末
11:入力装置
Claims (7)
- 電気、ガス、水道等のユーティリティを利用する顧客であって、所定の地理的範囲に属する複数の顧客を、所定数の区画に区分けし、前記区画毎に、検針日グループ、検針担当者、及び、区画毎の検針負荷を示す1または複数の負荷指数を少なくとも登録してなる区画検針データベースと、
前記区画毎の夫々の占有領域を地図画面上に表示可能な区画エリアデータと、
前記所定の地理的範囲を含む地図データと、
前記区画エリアデータの一つの前記区画と他の前記区画を相互に区別可能に、前記区画エリアデータを前記地図データと重ねて表示端末上に画面表示させる地図表示手段と、
前記表示端末上に画面表示された前記区画エリアデータの一または複数の区画を、表示画面上での選択指示入力に基づき選択する区画選択手段と、
前記区画選択手段で選択された一または複数の区画に対する前記検針日グループと前記検針担当者の少なくとも何れか一方の属性の変更入力を受け付ける属性変更受付手段と、
前記属性変更受付手段が前記変更入力を受け付けた前記属性に関し、前記属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計を、前記属性単位で個別表示または一覧表示する負荷指数合計表示手段と、を備えてなることを特徴とする検針範囲表示システム。 - 前記属性変更受付手段が、前記検針日グループと前記検針担当者の何れか一方の属性変更入力を受け付けた場合に、
前記負荷指数合計表示手段が、前記検針日グループと前記検針担当者の両方の属性が共通する前記区画の前記負荷指数の合計を、前記検針日グループと前記検針担当者について個別表示または一覧表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の検針範囲表示システム。 - 前記地図表示手段は、前記検針日グループまたは前記検針担当者またはその両方の属性が同じ前記区画同士を前記属性の異なる他の区画と区別して、前記区画エリアデータを表示可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の検針範囲表示システム。
- 前記負荷指数の1つが、前記各区画に含まれる検針対象の前記顧客の数であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の検針範囲表示システム。
- 前記負荷指数の1つが、前記各区画に含まれる検針対象の前記顧客の検針に関係する属性情報で決定される所定の検針困難度の総和であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の検針範囲表示システム。
- 前記負荷指数の1つが、過去の検針実績データに基づいて定められた前記各区画の検針に要する標準的な検針時間であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の検針範囲表示システム。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載の検針範囲表示システムの前記地図表示手段、前記区画選択手段、前記属性変更受付手段、及び、前記負荷指数合計表示手段を、コンピュータ上で夫々実行することによりソフトウェア処理によって実現するコンピュータプログラムを有することを特徴とする検針範囲表示用プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003091025A JP2004295844A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 検針範囲表示システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003091025A JP2004295844A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 検針範囲表示システム |
Publications (1)
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JP2004295844A true JP2004295844A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33404500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003091025A Withdrawn JP2004295844A (ja) | 2003-03-28 | 2003-03-28 | 検針範囲表示システム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004295844A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012203674A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Osaka Gas Co Ltd | 販売量推定装置、及び、利益推定装置 |
-
2003
- 2003-03-28 JP JP2003091025A patent/JP2004295844A/ja not_active Withdrawn
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