JP2004295375A - 情報転送装置、情報受信装置および処理プログラム。 - Google Patents

情報転送装置、情報受信装置および処理プログラム。 Download PDF

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俊幸 岩井
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Abstract

【課題】ネットワーク資源が無駄に使用されるのを防止すること。
【解決手段】情報転送装置は、BSまたはCS放送のストリーム情報を受信する情報受信手段と、転送開始時刻を取得する転送開始時刻取得手段と、時刻を計時するタイマ手段と、タイマ手段にて転送開始時刻が計時されたことを条件に、情報受信装置との通信が可能な通信可能状態を確立するための通信確立手段(S2302)と、通信確立手段により通信可能状態が確立された情報受信装置に、アンテナ信号入力部により受信されたストリーム情報を送信するための情報送信手段(S2309,S2310)を備える。転送開始時刻になって初めて情報受信装置との通信確立情報が確立されるので、転送開始時刻になるまでネットワークを利用することがない。
【選択図】 図26

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報転送装置、情報受信装置および処理プログラムに関し、特に情報を入力して受信装置に転送する情報転送装置、情報転送装置から情報を受信する受信装置、および、情報転送装置または情報受信装置で実行される処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭内に設置されたテレビチューナで受信したテレビ番組の情報を、他の機器へ転送するシステムが知られている。このシステムは、テレビチューナとアンテナを備えたパーソナルコンピュータ(以下「PC」という)からなるサーバ装置とテレビ番組を出力するためのPCであるクライアント装置とをネットワークで接続する。そして、サーバ装置は、チューナで受信したテレビ映像をネットワークの帯域内に転送できるようにリアルタイムでエンコード処理して、ネットワークを介してクライアント装置に転送する。そして、クライアント装置では、受信したテレビ映像をデコードしてディスプレイに出力する(たとえば非特許文献1)。このようなシステムでは、予め定められた利用者にのみ映像の転送を可能とするため、サーバ装置に利用者登録機能を備え、接続されたクライアント装置が利用者登録されていることが確認されなければ、映像信号を転送しないようにしている。また、サーバ装置に同時に接続可能なクライアント装置を1台として、映像出力を1つのディスプレイに制限する。
【0003】
また、特開2002−185900号公報(特許文献1)には、テレビ放送録再配信システムが記載されている。このテレビ放送録再配信システムは、インターネット等の通信ネットワークに、携帯電話機等の情報通信端末およびテレビ放送録再配信ステーションが接続されている。ステーションは、情報通信端末から録画(予約)要求があると、所望のテレビ放送番組を録画する。その後、情報通信端末から再生予約があると、ネットワークを介して再生された画像データを情報通信端末に送信する。
【0004】
さらに、同一世帯内に設置された2台以上のテレビジョン受信機それぞれで、有料TV放送を視聴可能にするための有料テレビジョン放送受信システムが、特開2000−324465号公報(特許文献2)に記載されている。この有料テレビジョン放送受信システムは、有料TV放送を受信可能な親TV受信機及び子TV受信機を有する。契約した有料TV放送の受信用の暗号解読キー信号が親TV受信機がから子TV受信機に伝送される。子TV受信機では、親TV受信機がから受信された暗号解読キー信号を使用して親TV受信機が契約した有料TV放送を受信可能にする。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−185900号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2000−324465号公報
【0007】
【非特許文献1】
株式会社インフォシティの”ドコデモTV”、[online]、平成14年7月24日検索、インターネット<URL:http://www.dokodemotv.com/>
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非特許文献1に記載のシステムでは、受信する番組を予約しておき、予約した時間になったときに映像を受信したいと望む場合には、予約した時点からクライアント装置をサーバ装置に接続しておかなければならない。このため、ネットワークの使用が時間により課金(時間課金方式という)される場合または送信するデータ量により課金(データ量課金方式という)される場合等には、予約した時点から予約時刻までネットワーク使用料が課金されてしまうといった問題がある。また、テレビ番組を受信しない間もネットワークを使用することになり、ネットワーク資源を無駄に使用することになる。
【0009】
また、クライアント装置の利用者は、予約時刻になってテレビ番組の受信が開始されたことを知ることはできない。特に、クライアント装置が、利用者に携帯される携帯電話、PDA等の場合、クライアント装置は常に利用者の目の前にあるわけではなくポケット等に収納されることがある。この場合、利用者は、テレビ番組の情報が受信されたことを知ることはできず、そのテレビ番組を見逃してしまうといった問題がある。
【0010】
特許文献1に記載のテレビ放送再配信システムでは、情報通信端末側からのアクセスにより、テレビ放送録再配信ステーションにより録画された番組の情報が再生されて送信されるため、上述したネットワークが時間課金方式またはデータ量課金方式の場合の問題点は解決されるものの、予約した時刻に番組をリアルタイムに視聴することができないといった問題がある。
【0011】
一般的に有料テレビ放送の課金方法は、契約したテレビチューナー以外の機器で有料放送が視聴される場合には、契約したテレビチューナでの視聴契約に加えてさらにもう1台分の視聴契約がされる。特許文献2に記載の有料テレビジョン放送受信システムでは、1つのテレビチューナで受信した有料テレビ放送を、複数のテレビジョンで出力可能となるため、テレビジョン単位で視聴料を課金することができない。このため、視聴可能なテレビジョンの台数がわかっている場合には、複数台のテレビジョンで視聴することを前提として視聴料を課金するしかない。したがって、利用者は、たとえ1台のテレビジョンでしか視聴していないにも係わらず、複数台分の視聴料を支払わなければならない。
【0012】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、ネットワーク資源が無駄に使用されるのを防止した情報転送装置、情報受信装置およびそれらで実行される処理プログラムを提供することである。
【0013】
この発明の他の目的は、利用者に所望の情報を確実に提供することが可能な情報受信装置およびそれに実行される処理プログラムを提供することである。
【0014】
この発明のさらに他の目的は、情報の出力先を制限することが可能な情報転送装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、情報転送装置は、外部から情報を入力するための情報入力手段と、転送開始時刻を取得する転送開始時刻取得手段と、時刻を計時するタイマ手段と、タイマ手段にて取得された転送開始時刻が計時されたことを条件に、情報受信装置との通信が可能な通信可能状態を確立するための通信確立手段と、通信確立手段により通信可能状態が確立された情報受信装置に、情報入力手段により受信された情報を送信するための情報送信手段とを備える。
【0016】
この発明に従えば、転送開始時刻が計時されたことを条件に、情報受信装置との通信が可能な通信可能状態が確立され、通信可能状態が確立された情報受信装置に、外部より受信された情報が送信される。このため、予約された時刻になると、たとえば放送番組等の外部から受信された情報が情報受信装置に送信される。しかも、たとえば転送予約した時などの転送開始時刻が取得された時からたとえば放送番組等の外部から受信された情報が送信されるまでの間、情報転送装置と情報受信装置とを通信確立状態にしない。これにより、情報転送装置と情報受信装置との通信に用いられるネットワーク資源を無駄に使用するのを防止した情報転送装置を提供することができる。例えば、ネットワーク資源が時間課金される場合には、コストを削減することができる。
【0017】
好ましくは、情報入力手段は、外部から複数種類の情報を入力し、情報入力手段から複数種類の情報のうちからいずれかを指定するための選択情報を取得する選択情報入力手段をさらに備え、情報送信手段は、情報入力手段により受信された複数種類の情報の中から取得された選択情報により特定される情報を送信する。
【0018】
この発明に従えば、情報受信装置から複数種類の情報のうちからいずれかを指定するための選択情報が取得され、受信された複数種類の情報の中から選択情報により特定される情報が送信される。このため、情報受信装置を利用する利用者に対して、その利用者が所望する情報を提供することができる。
【0019】
この発明の他の局面によれば、情報受信装置は、利用者による転送開始時刻の入力を受付ける転送開始時刻入力手段と、転送開始時刻入力手段による転送開始時刻の入力に応じて、転送開始時刻を情報転送装置に送信する転送開始時刻送信手段と、通信開始要求を受信する通信開始要求受信手段と、通信開始要求受信手段により受信された通信開始要求が、転送開始時刻送信手段により送信された転送開始時刻に対応するか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果に基づいて、情報転送装置との通信が可能な通信可能状態を確立するための通信確立手段と、通信可能状態が確立された情報転送装置から情報を受信する情報受信手段と、受信された情報を出力する情報出力手段とを備える。
【0020】
この発明に従えば、利用者による転送開始時刻の入力に応じて、転送開始時刻が情報転送装置に送信され、受信された通信開始要求が、送信した転送開始時刻に対応するか否かの判定され、その判定結果に基づいて、情報転送装置との通信が可能な通信可能状態が確立される。そして、通信可能状態が確立された情報転送装置から情報が受信されて、受信された情報が出力される。このため、情報受信装置から、たとえば放送番組等の情報の送信を予約することができる。また、転送開始時刻を入力してから情報が受信されるまでの間、情報受信装置と情報転送装置通信との通信を確立しないので、情報転送装置と情報受信装置との通信に用いられるネットワーク資源を無駄に使用するのを防止した情報転送装置を提供することができる。例えば、ネットワーク資源が時間課金される場合には、コストを削減することができる。さらに、受信された通信開始要求が、送信した転送開始時刻に対応するか否かが判定されるので、利用者が予約した情報のみを受信することが可能となり、予約していない情報の受信を防ぐことができる。
【0021】
好ましくは、判定手段は、転送開始時刻送信手段により転送開始時刻が送信された情報転送装置の識別情報と、通信開始要求受信手段により受信された通信開始要求を出力した情報転送装置の識別情報とを比較する比較手段を含む。
【0022】
この発明に従えば、転送開始時刻が送信された情報転送装置の識別情報と、受信された通信開始要求を出力した情報転送装置の識別情報とが比較される。識別情報とは、例えば、URL等のネットワークアドレスである。このため、受信される情報が利用者が予約した情報か否かを確実、かつ、容易に判定することができる。
【0023】
好ましくは、通信確立要求手段による通信確立要求の受信に応じて、情報転送装置から情報が受信されることを報知する報知手段をさらに備える。
【0024】
この発明に従えば、通信確立要求の受信に応じて、情報転送装置から情報が受信されることを報知するので、利用者が、情報受信装置から出力される予約した情報を見逃すのを防止することができる。
【0025】
好ましくは、利用者による情報受信手段による情報の受信許可の入力を受付けるための許可入力手段をさらに備え、通信確立手段は、許可入力手段による許可の入力受付を条件に、情報転送装置との通信が可能な通信可能状態を確立する。
【0026】
この発明に従えば、利用者により情報の受信許可の入力が受付けられたことを条件に、情報転送装置との通信が可能な通信可能状態が確立される。このため、利用者が送信を予約した情報の受信をキャンセルすることができる。たとえば、利用者が予約時刻に、受信した情報を視聴できなくなるように予約時刻入力時から状況が変化したような場合に、視聴されない情報が受信されるのを防止することができる。さらに、情報の受信が有料の場合、または、情報転送装置と情報受信装置との間の通信に用いられるネットワークの使用が時間課金されるような場合に、コストを削減することができる。
【0027】
この発明のさらに他の局面によれば、情報受信装置は、利用者による転送開始時刻の入力を受付ける転送開始時刻入力手段と、時刻を計時するタイマ手段と、タイマ手段にて入力された転送開始時刻が計時されたことを報知するための報知手段と、タイマ手段にて入力された転送開始時刻が計時されたことを条件に、情報転送装置に通信確立要求を送信する通信確立要求送信手段と、通信確立要求送信手段により送信された通信確立要求に基づき情報転送装置との通信が可能な通信可能状態を確立する通信確立手段と、通信可能状態が確立された情報転送装置から情報を受信する情報受信手段と、情報受信手段により受信された情報を出力する情報出力手段とを備える。
【0028】
この発明に従えば、入力された転送開始時刻が計時されたことを条件に、情報転送装置に通信確立要求が送信され、送信された通信確立要求に基づき情報転送装置との通信が可能な通信可能状態が確立される。そして、通信可能状態が確立された情報転送装置から情報が受信されて、受信された情報が出力される。このため、たとえば放送番組等の情報を情報転送装置から受信するのを予約することができる。また、転送開始時刻が入力されてから情報が受信されるまでの間、情報受信装置と情報転送装置通信との通信を確立しないので、情報転送装置と情報受信装置との通信に用いられるネットワーク資源を無駄に使用するのを防止した情報受信装置を提供することができる。例えば、ネットワーク資源が時間課金される場合には、コストを削減することができる。
【0029】
好ましくは、タイマ手段にて入力された転送開始時刻が計時されたことを条件に、前記情報転送装置から情報が受信されることを利用者に報知する。
【0030】
この発明に従えば、利用者による転送開始時刻の入力が受付けられ、入力された転送開始時刻が計時されたことが報知される。このため、利用者が、情報受信装置から出力される予約した情報を見逃すのを防止することができる。
【0031】
好ましくは、利用者による情報受信手段による情報の受信許可の入力を受付けるための許可入力手段をさらに備え、通信確立要求送信手段は、許可入力手段による許可の入力受付を条件に、情報転送装置に通信確立要求を送信する。
【0032】
この発明に従えば、利用者による情報の受信許可の入力が受付けられたことを条件に、情報転送装置に通信確立要求が送信される。このため、利用者が転送開始時刻入力時に送信を予約した情報の受信をキャンセルすることができる。たとえば、利用者が転送開始時刻に受信した情報を視聴できない状況に、転送開始時刻の入力時の状況から変化したような場合に、視聴されない情報が受信されるのを防止することができる。さらに、情報の受信が有料の場合、または、情報転送装置と情報受信装置との間の通信に用いられるネットワークの使用が時間課金されるような場合に、コストを削減することができる。
【0033】
この発明のさらに他の局面によれば、情報転送装置は、外部から情報を入力するための情報入力手段と、情報を出力するための出力手段と、情報受信装置と通信する通信手段と、受信された情報の出力先を、通信手段により情報受信装置から受信された出力先切替情報に基づき、出力手段と通信手段のいずれかに切換える切替手段とを備える。
【0034】
この発明に従えば、外部から受信された情報の出力先が、情報受信装置から受信された出力先切替情報に基づいて、出力手段と通信手段のいずれかに切換えられる。これにより、受信された情報が、出力手段と通信手段とから同時に出力されることはない。その結果、情報の出力先を制限することが可能な情報転送装置を提供することができる。また、情報受信装置から情報転送装置の出力先を切替えることができる。さらに、情報転送装置に出力先を設定するためのスイッチを設ける必要がない。
【0035】
好ましくは、情報受信装置から通信確立要求を受信する通信確立要求受信手段と、通信確立要求受信手段により通信確立要求が受信されたことに応じて、該通信確立要求を送信した情報受信装置との通信が可能な通信可能状態を確立する通信確立手段とをさらに備え、切替手段は、通信確立要求受信手段による通信確立要求の受信に応じて、出力先を通信手段に切替える。
【0036】
情報受信装置から通信確立要求が受信されたことに応じて、その通信確立要求を送信した情報受信装置との通信が可能な通信可能状態が確立される。また、通信確立要求の受信に応じて、出力先が通信手段に切替えられる。このため、、情報受信装置から通信確立要求が受信された場合には、情報転送装置と情報受信装置との通信が可能な通信可能状態が優先して確立される。
【0037】
好ましくは、情報受信装置との間で確立した通信の切断を検出する通信切断検出手段をさらに備え、切替手段は、通信切断検出手段が通信の切断を検出したときは、出力先を出力手段に切替える。
【0038】
この発明に従えば、通信確立状態にある情報受信装置が存在しないときは、情報の出力先が出力手段に切替えられる。このため、通信確立状態にある情報受信装置が存在しないときは、受信した情報が情報転送装置から優先して出力される。
【0039】
好ましくは、情報受信装置から通信確立要求を受信する通信確立要求受信手段と、通信確立要求受信手段による通信確立要求の受信に応じて、切替手段により出力先が通信手段に切替えられていることを条件に、該通信確立要求を送信した情報受信装置との通信が可能な通信可能状態を確立する通信確立手段とをさらに備えた。
【0040】
この発明に従うと、情報受信装置から通信確立要求が受信されたことに応じて、出力先が通信手段に切替えられていることを条件に、その通信確立要求を送信した情報受信装置との通信が可能な通信可能状態が確立される。このため、出力先が通信手段に切替えられていない場合には、通信確立要求を送信した情報受信装置との通信が可能な通信可能状態が確立されない。その結果、情報転送装置からの出力が優先されるので、例えばネットワークの使用が時間課金される場合にコストを削減することができる。
【0041】
好ましくは、通信確立手段は、同時に複数の情報受信装置と通信可能状態を確立可能であり、通信確立要求受信手段による通信確立要求の受信に応じて、既に通信可能状態が確立されている情報受信装置の数が予め定められた最大機器数に達していないことを判定する判定手段を含み、判定手段により最大機器数に達していないと判定されたことを条件に、通信確立要求を送信した情報受信装置との通信確立状態を確立する。
【0042】
この発明に従えば、通信確立要求の受信に応じて、既に通信可能状態が確立されている情報受信装置の数が予め定められた最大機器数に達していないことが判定され、判定手段により最大機器数に達していないと判定されたことを条件に、通信確立要求を送信した情報受信装置との通信確立状態が確立される。このため、通信確立状態とされる情報受信装置の数を最大機器数以下とすることできるので、情報の最大の出力先数を保証することが可能な情報転送装置を提供することができる。
【0043】
好ましくは、切替手段は、通信確立状態にある情報受信装置が1以上存在するときに、出力先を通信手段に切替える。
【0044】
この発明に従えば、通信確立状態にある情報受信装置が1以上存在するときに、出力先が通信手段に切替えられる。このため、情報受信装置から通信確立要求が受信された場合には、情報転送装置と情報受信装置との通信が可能な通信可能状態が優先して確立される。
【0045】
好ましくは、切替手段は、通信確立状態にある情報受信装置が存在しないときは、出力先を出力手段に切替える。
【0046】
この発明に従えば、通信確立状態にある情報受信装置が存在しないときは、出力先が出力手段に切替えられる。このため、通信確立状態にある情報受信装置が存在しないときは、受信した情報が情報転送装置から優先して出力される。
【0047】
この発明のさらに他の局面による処理プログラムは、上述した情報転送装置または情報受信装置をコンピュータで実現するために、そのコンピュータで実行される処理プログラムである。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、図中同一符号は同一または相当する部材を示し、重複する説明は繰返さない。
【0049】
(ストリーム情報転送システムの基本構成)
図1は、本発明の1つの実施の形態におけるストリーム情報転送システムの基本構成を表わす概略図であり、ストリーム情報転送システムは、通信にて接続されたクライアント装置100とサーバ装置200とを含む。クライアント装置100とサーバ装置200との間の通信は、有線あるいは無線の通信を用いたパケット通信が用いられる。有線通信の場合、LAN(Local Area Network)、電話回線、あるいは電力線通信(PLC:Power Line Communication)などを用いることができる。無線通信の場合、IEEE802.11bに規定されたTCP/IPベースの無線LAN、近距離無線通信であるBluetooth、あるいは携帯電話の電話機と基地局との間の無線通信などを用いることができる。クライアント装置100とサーバ装置200とは、例えば有線で直結されていたり直接電波を送受信したりする必要はなく、中継装置を介したりインターネットを介したりして通信を行なう構成であってもよい。
【0050】
クライアント装置100は、具体的にはパソコン(パーソナルコンピュータ)、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)、あるいは携帯電話などで構成することができ、映像と音声等の情報を出力する機能を有する。
【0051】
サーバ装置200は、例えばデジタル放送データを扱うチューナーや、DVD(Digital Versatile Disk)などのデジタル蓄積データの再生装置などである。また、連続して再生可能な映像または音声から構成されるデータを入力するものであれば、家庭に設置されるホームゲートウェイ装置や、放送局に設置される交換機などであってもよい。また本実施例ではサーバ装置200の入力としてデジタルデータを例に説明する、入力がアナログデータであってもかまわない。
【0052】
図2は、サーバ装置200の構成を表わす概略図である。この例ではサーバ装置200は、デジタル放送データを扱うチューナーである。サーバ装置200は、通信部201、アンテナ信号入力部202、アナログ出力部203、チャンネル指示部204、出力切替指示部205、セッション管理部206、認証処理部207、チャンネル選択部208、スクランブル解除処理部209、出力切替部210、送信データ生成部211、ストリームデータ送信部212、デコード処理部213、付加情報生成部214、受領データ確認部215、付加情報管理部216、制御データ受信部217、制御処理部218および出力先管理部219を含む。
【0053】
通信部201は有線あるいは無線通信を用いてクライアント装置100とパケット通信を行なうデバイスである。アンテナ信号入力部202は、例えばデジタルBS(Broadcasting Satellite)放送あるいはデジタルCS(Communication Satellite)放送のアンテナからのRF信号の入力端子が相当する。
【0054】
アナログ出力部203は、アナログの映像信号または音声信号を出力するデバイスであり、例えばNTSC(National Television Systems Committee)の映像出力端子、音声出力端子が相当する。画像情報(動画)を出力するデバイスであるディスプレイやモニタ装置、音声情報を出力するデバイスであるスピーカーやヘッドホンやイヤホンなどの出力装置をサーバ装置200内に組み込む場合には、アナログ出力部203は、それらの出力装置として構成される。
【0055】
チャンネル指示部204は、アンテナ信号入力部202からの入力データが複数のチャンネルに相当する場合に利用者がチャンネルを選択するためのデバイスであり、サーバ装置200に付属するボタンスイッチや赤外線リモコンなどで構成される。
【0056】
出力切替指示部205は、アンテナ信号入力部202からの入力データをデコードして映像や音声データを生成した場合に、出力をサーバ装置200のアナログ出力部203に行なうか通信部201を介してクライアント装置100に行なうかを選択するためのデバイスであり、サーバ装置200に付属するボタンスイッチや赤外線リモコンなどで構成される。
【0057】
セッション管理部206はクライアント装置100とサーバ装置200とのセッション(コネクション)を管理する部位であり、通信部201を介してクライアント装置100からのセッション確立要求を受信して、クライアント装置100との間にセッション(コネクション)を確立する。または、出力先管理部219からの指示を受けて、通信部201を介してクライアント装置100へセッション確立要求を送信して、クライアント装置100との間にセッション(コネクション)を確立する。さらに、クライアント装置100またはサーバ装置200からの指示により、クライアント装置100とのセッション(コネクション)を切断する。
【0058】
認証処理部207はクライアント装置100との間でセッションを確立する際に認証を行なう部位である。セッション管理部206からの指示に応じて、クライアント装置100から受信した認証情報を調べてクライアント装置100とセッション(コネクション)を確立してよいかを判断する。
【0059】
チャンネル選択部208は、アンテナ信号入力部202からの入力データに対してチャンネルを選択し、所望のチャンネルのデジタルデータを取り出す部位である。取り出したデジタルデータはスクランブル解除処理部209に渡される。
【0060】
スクランブル解除処理部209は、チャンネル選択部208で取り出したデジタルデータがスクランブル処理されていたり暗号化されていたりする場合には、スクランブルの解除処理あるいは復号化処理を行なう。必要に応じて、チャンネルあるいは番組の契約情報を表わすICカードの読取装置や、スクランブルや暗号の解除コード情報が送られてくるための電話回線などと組み合わせて用いてもよい。スクランブルを解除処理あるいは復号化処理を行なったデジタルデータは出力切替部210に渡される。また、チャンネル選択部208で取り出したデジタルデータに対して、スクランブル処理や暗号化処理がなされていない場合には、スクランブル解除処理部209を設ける必要はない。
【0061】
出力切替部210は、出力先管理部219からの指示に基づき、デジタルデータを送信データ生成部211に渡す、または、デコード処理部213に渡す。
送信データ生成部211は、出力切替部210から受け取ったデジタルデータに付加情報生成部214から受け取った付加情報を加えて送信データを生成する。また、必要に応じてデジタルデータの加工処理も行なう。デジタルデータの加工処理を行なう場合には、デジタルデータのままで加工処理を行なってもよいし、一旦アナログデータにデコードして加工処理を行ない、再度エンコードしてデジタルデータを生成してもよい。
【0062】
ストリームデータ送信部212は、送信データ生成部211が生成した送信データを取り出して通信パケットを生成し、通信部201を介してクライアント装置100へ通信パケットを送る。
【0063】
デコード処理部213は、出力切替部210から受け取ったデジタルデータをデコードし、アナログの映像信号または音声信号を取り出す。取り出したアナログの映像信号または音声信号はアナログ出力部203に渡される。
【0064】
付加情報生成部214は、送信データ生成部211が送信データを生成する際に付加する付加情報を生成する。
【0065】
受領データ確認部215は、送信データ生成部211が生成した送信データをクライアント装置100が受け取った際にクライアント装置100が送信する受領確認を受信し、受領確認の内容を調べる。受領確認の内容が、それに先立って付加情報生成部214が生成した付加情報に対応するかを調べ、対応していれば付加情報生成部214に指示して次の付加情報を生成し、送信データ生成部211が次の送信データを生成できるようにする。受領確認の内容が、それに先立って付加情報生成部214が生成した付加情報に対応していない場合には、セッション管理部206に指示してクライアント装置100とのセッション(コネクション)を切断する。
【0066】
付加情報管理部216は、付加情報生成部214が生成した付加情報および関連情報を保持する。
【0067】
制御データ受信部217は、クライアント装置200から送られてくる制御データを受信し、制御処理部218に渡す。
【0068】
制御処理部218は、クライアント装置100から送られてくる制御データの指示に従ってサーバ装置200を制御する。例えば、チャンネル選択部208を制御してチャンネルを変更したり、送信データ生成部211を制御してデジタルデータの加工処理を行なったりすることができる。クライアント装置100がサーバ装置200を制御できるのは、基本的には送信データがクライアント装置100に送られている場合のみであり、出力切替部210からのデジタルデータが送信データ生成部211に渡されていない状態ではサーバ装置200を制御できない。例えば制御処理部218がチャンネル選択部208を制御してチャンネルを変更する場合、出力先管理部219を参照して出力切替部210からのデジタルデータが送信データ生成部211に渡されていることを確認してからチャンネルを変更する。
【0069】
出力先管理部219は、出力切替部210がデジタルデータを送信データ生成部211に渡すかデコード処理部213に渡すかを、出力切替部210に指示する。例えば、出力先管理部219が出力切替指示部205から指示を受けた場合には、出力切替指示部205からの指示に従って、出力切替部210がデジタルデータを送信データ生成部211に渡すかデコード処理部213に渡すかを設定する。また例えばクライアント装置100とサーバ装置とのセッション(コネクション)が確立された場合には、セッション管理部206からの指示に従って、出力切替部210がデジタルデータを送信データ生成部211に渡すように設定する。また例えばクライアント装置100とサーバ装置とのセッション(コネクション)が切断された場合には、セッション管理部206からの指示に従って、出力切替部210がデジタルデータをデコード処理部213に渡すように設定する。
【0070】
図3は、クライアント装置100の構成を表わす概略図である。クライアント装置100は、通信部101、アナログ出力部102、指示入力部103、セッション管理部104、認証処理部105、ストリームデータ受信部106、デコード処理部107、受領データ生成部108、受領データ送信部109、付加情報蓄積部110、および制御データ送信部111を含む。
【0071】
通信部101は有線あるいは無線通信を用いてサーバ装置200とパケット通信を行なうデバイスである。
【0072】
アナログ出力部102は、アナログの映像信号または音声信号を出力するデバイスであり、例えばNTSC(National Television Systems Committee)の映像出力端子、音声出力端子が相当する。また、画像情報(動画)を出力するデバイスであるディスプレイやモニタ装置、音声情報を出力するデバイスであるスピーカーやヘッドホンやイヤホンなどの出力装置をクライアント装置100内に組み込む場合には、アナログ出力部102は、それらの出力装置として構成される。
【0073】
指示入力部103は、利用者がクライアント装置100またはサーバ装置200に対する指示を入力するデバイスであり、ボタンスイッチ、テンキー、キーボード、マウスなどで構成される。
【0074】
セッション管理部104は、クライアント装置100とサーバ装置200とのセッション(コネクション)を管理する。セッション管理部104は、指示入力部103からの指示を受けて、通信部101を介してサーバ装置200へセッション確立要求を送信して、サーバ装置200との間にセッション(コネクション)を確立する。または、通信部101を介してサーバ装置200からのセッション確立要求を受信して、サーバ装置200との間にセッション(コネクション)を確立する。さらに、クライアント装置100またはサーバ装置200からの指示により、サーバ装置200とのセッション(コネクション)を切断する。
【0075】
認証処理部105は、サーバ装置200との間でセッションを確立する際に認証を行なう。セッション管理部104からの指示に応じて、サーバ装置200から受信した認証情報を調べてサーバ装置200とセッション(コネクション)を確立してよいかを判断する。
【0076】
ストリームデータ受信部106は、通信部101を介してサーバ装置200から通信パケットを受信し、受信データに含まれるデジタルデータをデコード処理部107へ、付加情報を受領データ生成部108へ、それぞれ渡す処理を行なう。
【0077】
デコード処理部107は、ストリームデータ受信部106から受け取ったデジタルデータをデコードし、アナログの映像信号または音声信号を取り出す。デコード時には、付加情報蓄積部110に蓄積された付加情報を参照する。取り出したアナログの映像信号または音声信号はアナログ出力部102に渡される。
【0078】
受領データ生成部108は、ストリームデータ受信部106から受け取った付加情報を付加情報蓄積部110に蓄積するとともに、付加情報に対応する受領確認を生成し受領データ送信部109に渡す。
【0079】
受領データ送信部109は、受領データ生成部108が生成した受領確認を通信部101を介して送信する。
【0080】
付加情報蓄積部110は、付加情報を保持(記憶)する。
制御データ送信部111は、指示入力部103の指示に基づきサーバ装置200への制御データを生成し、通信部101を介してサーバ装置200へ送信する。
【0081】
以下、本発明のストリーム情報転送システムにおけるクライアント装置100とサーバ装置200の処理について説明する。なお、以下の説明では、図中において、クライアント装置100で実行される処理を示す符号の先頭に文字「C」を付し、サーバ装置200で実行される処理を示す符号の先頭に文字「S」を付している。
【0082】
(サーバ装置が単体でデジタル放送データを扱うチューナーとして動作する処理)
図4は、サーバ装置200が単体でデジタル放送データを扱うチューナーとして動作する処理のフローチャートである。アンテナ信号入力部202においてデジタルBS放送あるいはデジタルCS放送のアンテナからのRF信号を入力すると(S0401)、チャンネル選択部208において入力データに対してチャンネルを選択し所望のチャンネルのデジタルデータを取り出す(S0402)。なお、ここではRF信号に含まれる放送データはMPEG(Moving Picture Coding Experts Group)として知られるデジタル動画圧縮されたデータであるとする。デジタルデータがスクランブル処理されていたり暗号化されていたりする場合にはスクランブルの解除処理あるいは復号化処理を行なう(S0403)。
【0083】
この例ではサーバ装置200が単体でデジタル放送データを扱うチューナーとして動作するので、デジタルデータは出力切替部210からデコード処理部213に渡される(S0404)。このとき、デジタルデータは出力切替部210から送信データ生成部211へは渡されない。
【0084】
デジタルデータはデコード処理部213にてデコードされ(S0405)、取り出されたアナログの映像信号または音声信号はアナログ出力部203から出力される(S0406)。アナログ出力部はディスプレイとスピーカーで構成される出力機器であってもよいし、アナログ信号を出力する出力端子であってもよい。
【0085】
なお、サーバ装置200が単体でデジタル放送データを扱うチューナーとして動作する場合には、利用者はチャンネル指示部204を用いて所望のチャンネルを選択することが可能である。チャンネル指示部204からの指示はチャンネル選択部208に渡されてチャンネルが設定される。
【0086】
(クライアント装置とサーバ装置とのセッション確立処理)
本実施の形態におけるストリーム情報転送システムでは、セッション(コネクション)確立のプロトコルとしてSIP(Session Initiation Protocol)を用いる。なお、本実施例ではセッション(コネクション)確立のプロトコルとしてSIPを用いて説明しているが、プロトコルはSIPに限定されることはなく、クライアント装置100とサーバ装置200との間でのデータ転送のための設定情報をネゴシエーションする任意のプロトコルを用いることができる。さらに、クライアント装置100とサーバ装置200との間で、データ転送のための設定情報をあらかじめ共通に保持している場合には、セッション(コネクション)確立処理そのものを省略してもかまわない。
【0087】
図5は、情報転送システムにおいてSIPにおけるセッション(コネクション)確立のイベントフローを示す図である。図5に示すように、(1)クライアント装置100からサーバ装置200への情報INVITEの送信、(2)サーバ装置200からクライアント装置100への情報OKの送信、(3)クライアント装置100からサーバ装置200への情報ACKの送信によって、セッションが確立される。
【0088】
図6は、クライアント装置100とサーバ装置200との間でセッション(コネクション)を確立する処理のフローチャートである。クライアント装置100の利用者がサーバ装置200のサービス、すなわちデジタル放送データを扱うチューナーを利用しようとする場合には、まず指示入力部103から処理の開始を指示する(C0601)。指示入力部103からの指示は、接続先情報(例えばサーバ装置200のSIPアドレス)や認証情報(例えば利用者IDとパスワード)が含まれる。
【0089】
するとセッション管理部104は、サーバ装置200との間に1対1のセッション(コネクション)を確立しようとするために、通信部101を介して情報INVITEを送信する(C0602)。情報INVITEには、指示入力部103からの入力された接続先情報(例えばサーバ装置200のSIPアドレス)や認証情報(例えば利用者IDとパスワード)、ストリームデータや制御データ転送のためのプロトコル(例えば、ストリームデータ転送にはRTP(real time transport protocol)を、制御データ転送にはHTTP(hypertext transfer protocol)を用いる)を提案する情報、ストリームデータの転送レートや圧縮率などを提案する情報が含まれる。
【0090】
サーバ装置200のセッション管理部206は、通信部201を介して情報INVITEを受信する(S0603)。セッション管理部206は、認証処理部207を用いてクライアント装置100から送られてきた認証情報(利用者IDとパスワード)を調べ、クライアント装置100がサーバ装置200と通信を行なう資格があるかを検証する(S0604)。なお、情報INVITEに認証情報を含まない場合にはこのステップは必要ない。
【0091】
セッション管理部206は、情報INVITEに含まれるストリームデータや制御データ転送のためのプロトコル提案、ストリームデータの転送レートまたは圧縮率などの提案のうち、受け入れ可能なプロトコル、転送レートまたは圧縮率を含む情報OKを作成し、通信部201を介して情報OKを送信する(S0605)。情報OKには必要に応じて認証情報(例えばサーバ装置200の装置IDとパスワード)が含まれる。
【0092】
クライアント装置100のセッション管理部104は、通信部101を介して情報OKを受信する(C0606)。セッション管理部104は、認証処理部105を用いてサーバ装置200から送られてきた認証情報(装置IDとパスワード)を調べ、サーバ装置200がクライアント装置100と通信を行なう資格があるかを検証する(C0607)。なお、情報OKに認証情報を含まない場合にはこのステップは必要ない。
【0093】
その後、クライアント装置100は情報ACKを作成し、通信部101を介して送信する(C0608)。この時点で、クライアント装置100側のセッション(コネクション)確立処理は完了する。一方、サーバ装置は、通信部201を介して情報ACKを受信する(S0609)。セッション管理部206は、出力先管理部219に指示して、出力切替部210がスクランブル解除処理部209から受けたデジタルデータを渡す先を送信データ生成部211とするように設定を行なう(S0610)。この時点で、サーバ装置200側のセッション(コネクション)確立処理は完了する。
【0094】
(接続先設定の方法について)
ここで、クライアント装置100が接続先としてサーバ装置200を設定する方法について説明する。クライアント装置100とサーバ装置200にはIP(internet protocol)アドレスが割り当てられているとする。クライアント装置100およびサーバ装置200は、IPアドレス(例えば「133.159.12.34」と記述される)またはIPアドレスに対応づけられた機器名(例えば、「machine1.sharp.co.jp」として記述される)を用いて接続先の機器を特定することができる。IPアドレスと機器名との対応付けは、DNS(domain name system)サーバを用いて解決される。
【0095】
ところでSIPで規定されたSIPアドレスは、SIPでの接続先の名前の記述方法を指定して機器名とその機器の利用者名との組み合わせを用いることを規定している(記述方法としては、「利用者名@機器名」である)。ここで、利用者名の使い方として2つの例をあげる。
【0096】
図7は、クライアント装置がサーバ装置上の機能を指定するためのSIPアドレスの設定例の一例を示す第1の図である。図7を参照して、利用者名を使用する第1の方法は、サーバ機器200上の機能を指定するために「利用者名」を指定する方法である。本実施例ではサーバ装置200としてデジタル放送データを扱うチューナーを想定しているが、例えばサーバ装置200上に、BSデジタルチューナー機能とCSデジタルチューナー機能、さらに、DVD再生機能が搭載されている。接続先に機器名しか記述できない場合にはこれらの機能を区別して使用することはできない。しかしながら、利用者名で機能を指定することにより、1つのサーバ装置200に搭載されているこれらの機能を使い分けることが可能となる。例えば、BSデジタルチューナー機能の指定は「bs#tuner@machine1.sharp.co.jp」、CSデジタルチューナー機能の指定は「cs#tuner@machine1.sharp.co.jp」、さらに、DVD再生機能の指定は「dvd@machine1.sharp.co.jp」のように行なう。
【0097】
図8は、クライアント装置がサーバ装置上の機能を指定するためのSIPアドレスの設定例の一例を示す第2の図である。図8を参照して、利用者名を使用する第2の方法は、アンテナ信号入力部202からの入力データが複数のチャンネルに相当する場合に、クライアント装置100がチャンネルを選択するために利用する方法である。例えば、デジタル放送データを扱うチューナーが「2」「4」「6」というチャンネルをサポートしている場合、それぞれのチャンネル番号を利用者名として設定する。例えば、2チャンネルの指定は「cannnel#2@machine1.sharp.co.jp」、4チャンネルの指定は「cannnel#4@machine1.sharp.co.jp」、6チャンネルの指定は「cannnel#6@machine1.sharp.co.jp」のように行なう。
【0098】
サーバ装置200では、セッション管理部206がSIPアドレスの利用者名領域からチャンネル番号を取り出し、チャンネル選択部208に指示してチャンネルを設定する。なお、図2では、セッション管理部206からチャンネル選択部208への指示を図示するのを省略している。
【0099】
また、サーバ装置200の指定方法としてIP電話番号を用いる方法を図9に示す。IP電話番号も接続先の機器を特定するための機器名指定の方法であり、IPアドレスとIP電話番号との対応付けはDNSサーバを用いて解決される。例えば、11桁のIP電話番号があるとすると(03012345678)、上位3桁(030)をIP電話番号であることの識別に、次の3桁(123)をプロバイダの識別に、残りの5桁(45678)をプロバイダ内で管理される機器の識別にそれぞれ使用することが可能である。これにより、クライアント装置100の指示入力部103では、テンキーのみでサーバ装置200を指定することができる。
【0100】
ここでも、IP電話番号の使い方として2つの例をあげる。IP電話番号を使用する第1の方法を図10に示す。IP電話番号を使用する第1の方法は、サーバ機器200上の機能を指定するためにIP電話番号を使用する方法である。例えばサーバ装置200上に、BSデジタルチューナー機能とCSデジタルチューナー機能、さらに、DVD再生機能が搭載されているとする。11桁のIP電話番号の後ろに、例えば3桁の機能識別のコードを付加する。これにより、1つのサーバ装置200に搭載されているこれらの機能を使い分けることが可能となる。例えば、BSデジタルチューナー機能の識別コードが「111」であればIP電話番号は14桁の「03012345678111」を、CSデジタルチューナー機能の識別コードが「222」であればIP電話番号は14桁の「03012345678222」を、DVD再生機能の識別コードが「333」であればIP電話番号は14桁の「03012345678333」を、それぞれ指定する。
【0101】
IP電話番号を使用する第2の方法を図11に示す。IP電話番号を使用する第2の方法は、アンテナ信号入力部202からの入力データが複数のチャンネルに相当する場合に、クライアント装置100がチャンネルを選択するために利用する方法である。例えば、上記のBSデジタルチューナー機能を扱うチューナーが「2」「4」「6」というチャンネルをサポートしている場合、14桁のIP電話番号「03012345678111」の後ろに2桁のチャンネル識別コードを付加する。例えば、2チャンネルの識別コードが「02」であればIP電話番号は16桁の「0301234567811102」を、4チャンネルの識別コードが「04」であればIP電話番号は16桁の「0301234567811104」を、6チャンネルの識別コードが「06」であればIP電話番号は16桁の「0301234567811106」を、それぞれ指定する。
【0102】
図12は、情報INVITEを送信するイベントを構成する処理を説明する概念図である。ここでは、利用者が指示したIP電話番号を、機器を指定する部分と機能およびチャンネルを指定する部分とに分離し、情報INVITEに含める。SIPアドレスを用いてサーバ機器200上の機能やチャンネルを指定する場合は情報INVITEの接続先名にSIPアドレスを直接記述することができるが、IP電話番号の場合は機器の識別に用いられる11桁の部分しかプロトコル的には規定されていない。そこで、クライアント装置100は、指示入力部103から16桁のIP電話番号としてたとえば「0301234567811102」が指定された場合、セッション管理部104は入力されたIP電話番号を、機器を指定する部分(11桁の「03012345678」)と、機能およびチャンネルを指定する部分(5桁の「11106」)とに分離し、機器を指定する部分(11桁の「03012345678」)をIPアドレスまたはSIPアドレスに変換して情報INVITEの接続先情報として設定し、機能およびチャンネルを指定する部分の情報を情報INVITEのパラメタとして設定する。
【0103】
(クライアント装置とサーバ装置とのセッション切断処理)
本実施の形態におけるストリーム情報転送システムでは、セッション(コネクション)切断のプロトコルとしてSIP(Session Initiation Protocol)を用いる。図13は、SIPにおけるセッション(コネクション)切断のイベントフローを示す図である。は、図13に示すように、(1)クライアント装置100からサーバ装置200へ情報BYEの送信、(2)サーバ装置200からクライアント装置100へ情報OKの送信によって行なわれる。
【0104】
図14は、クライアント装置100とサーバ装置200との間でセッション(コネクション)を切断する処理のフローチャートである。クライアント装置100の利用者がサーバ装置200のサービス、すなわちデジタル放送データを扱うチューナーの利用を終了しようとする場合には、まず指示入力部103から処理の終了を指示する(C1401)。するとセッション管理部104は、サーバ装置200とのセッション(コネクション)を切断するために、通信部101を介して情報BYEを送信する(C1402)。
【0105】
サーバ装置200のセッション管理部206は、通信部201を介して情報BYEを受信すると(S1403)、セッション管理部206は、出力先管理部219に指示して、出力切替部210がスクランブル解除処理部209から受けたデジタルデータを渡す先をデコード処理部213とするように設定を行なう(S1404)。
【0106】
そして、セッション管理部206はセッション終了処理を行ない(S1405)、通信部201を介して情報OKを送信する(S1406)。この時点で、サーバ装置200側のセッション(コネクション)切断処理は完了する。
【0107】
クライアント装置100のセッション管理部104は、通信部101を介して情報OKを受信する(C1407)。セッション管理部104はセッション終了処理を行ない(C1408)、クライアント装置100側のセッション(コネクション)切断処理は完了する。
【0108】
(サーバ装置からクライアント装置へのストリームデータ転送処理)
図15は、サーバ装置200からクライアント装置100へストリームデータを転送する処理のフローチャートである。なお、ストリームデータ転送のプロトコルとして、RTP(Real−Time Transport Protocol)を用いるものとして説明する。
【0109】
サーバ装置200では、アンテナ信号入力部202においてデジタルBS放送あるいはデジタルCS放送のアンテナからのRF信号を入力すると(S1501)、チャンネル選択部208において入力データに対してチャンネルを選択し所望のチャンネルのデジタルデータを取り出す(S1502)。なお、ここではRF信号に含まれる放送データはMPEG(Moving Picture Coding Experts Group)として知られるデジタル動画圧縮されたデータであるとする。デジタルデータがスクランブル処理されていたり暗号化されていたりする場合にはスクランブルの解除処理あるいは復号化処理を行ない(S1503)、デジタルデータは出力切替部210から送信データ生成部211に渡される(S1504)。このとき、デジタルデータは出力切替部210からデコード処理部213へは渡されない。
【0110】
送信データ生成部211では、付加情報生成部214から受け取った付加情報を加えて送信データを生成する(S1505)。付加情報の使用方法については後で詳しく説明する。ストリームデータ送信部212では当該セッション(コネクション)で折衝したパケットサイズに合わせて送信データが分割され通信パケットが構成され(S1506)、通信部201からクライアント装置100に対して通信パケットが送信される(S1507)。
【0111】
クライアント装置100では、ストリームデータ受信部106が通信部101を介してサーバ装置200からの通信パケットを受信し(C1508)、分割された通信パケットを組み立てて受信データに含まれるデジタルデータを取り出す(C1509)。また、受信データに含まれる付加情報を取り出し受領データ生成部108に渡す処理も含む。付加情報の使用方法については後で詳しく説明する。
【0112】
取り出されたデジタルデータはデコード処理部107にてデコードされ(C1510)、取り出されたアナログの映像信号または音声信号はアナログ出力部102から出力される(C1511)。アナログ出力部102はディスプレイとスピーカーで構成される出力機器であってもよいし、アナログ信号を出力する出力端子であってもよい。
【0113】
これにより、サーバ装置200でRF信号から取り出されたデジタルデータは、アナログデータに変換されることなくクライアント装置100へ転送され、クライアント装置100にてデコードされ出力される。サーバ装置200でRF信号から取り出されたデジタルデータとクライアント装置100でデコードされるデジタルデータは同一であり、通信媒体上で映像データや音声データが劣化することはない。
【0114】
(サーバ装置における出力先の設定)
図16は、サーバ装置における出力先の設定を説明するための概念図である。サーバ装置200でRF信号から取り出されたデジタルデータが同報通信を用いて複数のクライアント装置100に転送されると、実質的にデジタルデータの複製が配布されることになってしまう。これを防ぐために、サーバ装置200のセッション管理部206は、同時に1つのセッション(コネクション)しか確立しない。すなわち、あるクライアント装置100とセッションを確立している場合に、別のクライアント装置からセッション(コネクション)確立要求(情報INVITE)が送られてきても、セッション(コネクション)確立要求を拒否する(図16(a))。これにより、デジタルデータの送信先を1箇所に限定することができる。
【0115】
また、サーバ装置200の出力先管理部219は、出力切替部210がデジタルデータを送信データ生成部211に渡すかデコード処理部213に渡すかを設定する。これにより、サーバ装置200のアナログ出力部203とクライアント装置100のアナログ出力部102のどちらかにしかデジタルデータを出力できないように管理することができる(図16(b))。これにより、デジタルデータの出力先を1箇所に限定することができる。
【0116】
クライアント装置100からセッション確立要求を受けた時に、出力切替部210のデジタルデータを送信データ生成部211に渡す設定にした上でセッションを確立する処理のフローチャートについては、図6を用いて既に説明を行なった。また、クライアント装置100からセッション切断要求を受けた時に、出力切替部210のデジタルデータをデコード処理部213に渡す設定に戻す処理のフローチャートについては、図14を用いて説明を行なった。なお、サーバ装置200側からセッションを切断する場合にも、出力切替部210のデジタルデータをデコード処理部213に渡す設定に戻す処理を行なうことが望ましいが、詳細な説明は省略する。
【0117】
なお、デジタルデータの出力先を1箇所にすることの変形例として、例えばデジタルデータの転送先を3箇所までなら認めるとか、サーバ装置200のアナログ出力部203への出力は常に認めて、それに加えてデジタルデータの送信先を1箇所だけ認める、といった実装も考えられる。
【0118】
図17は、サーバ装置における出力先の設定処理の変形例の流れを示すフローチャートである。設定処理の変形例においては、サーバ装置200のセッション管理部206は、初期状態で同時に通信可能状態になることが可能な最大相手機器数が設定されており、現在通信可能状態になっている接続相手機器数が管理される。なお、デジタルデータの出力先を1箇所にする場合には、最大相手機器数は1である。
【0119】
図17を参照して、サーバ装置200のセッション管理部206が、通信部201を介して情報INVITEを受信すると(S4601)、セッション管理部206は最大相手機器数と現在の接続相手機器数を調べる(S4602)。現在の接続相手機器数が最大相手機器数より小さい場合にはS4604に進み、現在の接続相手機器数が最大相手機器数に達している場合にはS4606に進む(S4603)。
【0120】
S4604では、セッション管理部206は出力先管理部219を介して出力切替部210の設定を調べる。出力切替部210が、デジタルデータをデコード処理部213に渡す設定になっている場合にはS4606に進み、デジタルデータを送信データ生成部211に渡す設定になっている場合にはS4607に進む(S4605)。
【0121】
セッションを確立できないと判断された場合の処理としては、S4606にて、ビジー状態でセッションが確立できないという理由パラメタを含めた情報Client−Errorを作成し、通信部201を介して情報Client−Errorを送信し、処理を終了する。
【0122】
セッションを確立できると判断された場合の処理としては、S4607にて、現在の接続相手機器数を1増やし、情報OKを作成し通信部201を介して情報OKを送信する(S4608)。その後サーバ装置200は、通信部201を介して情報ACKを受信し(S4609)、処理を終了する。
【0123】
図49は、サーバ装置における出力先の設定処理のさらなる変形例の流れを示すフローチャートである。図17に示した変形例では、出力切替部210がデジタルデータを送信データ生成部211に渡す設定になっている場合のみセッション確立が成功するが、図49に示す変形例では、出力切替部210がデコード処理部213に渡す設定になっている場合には、設定を送信データ生成部211に渡す設定に変更した上でセッションを確立する。なお、図49の処理S4901〜S4903及びS4906〜S4909は、図17に示した処理S4601〜S4603及びS4606〜S4609と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0124】
S4903において現在の接続相手機器数が最大相手機器数より小さいと判定された場合にはS4904に進む。S4904では、出力先管理部219を介して出力切替部210の設定を調べる。出力切替部210が、デジタルデータをデコード処理部213に渡す設定になっている場合にはS4910に進み、デジタルデータを送信データ生成部211に渡す設定になっている場合にはS4907に進む(S4905)。S4910では、出力先管理部219は出力切替部210をデジタルデータを送信データ生成部211に渡すように設定して、S4907に進む。S4907では現在の接続相手機器数を1増やし、以降の処理が継続する。
【0125】
なお、図49のフローチャートを用いて確立したセッションが切断される場合、切断したセッション以外のセッションが1つも確立されていない状態になった場合には、出力先管理部219は出力切替部210をデジタルデータをデコード処理部213に渡すように設定することが望ましい。
【0126】
サーバ装置200における出力先の設定を外部から操作できないように、サーバ装置200が一体化された機器として実装されていたり、部品化されていないソフトウェアで構成されていたりすることにより、サーバ装置200の各部位はブラックボックス化されていることが望ましい。
【0127】
同様に、クライアント装置100が受信したデジタルデータをデジタルデータのままで出力できないように、クライアント装置100が一体化された機器として実装されていたり、部品化されていないソフトウェアで構成されていたりすることにより、クライアント装置100の各部位はブラックボックス化されていることが望ましい。
【0128】
(クライアント装置が行なうサーバ装置の制御処理)
次に、クライアント装置100がサーバ装置200を制御する処理に関して説明を行なう。ここでは代表して、チャンネルを選択する処理、画像をズームイン/ズームアウトする処理、および、出力切替部210の設定を変更する処理、に関して説明を行なうが、他の制御処理も同様の方法で可能である。制御データ転送のプロトコルとして、HTTP(HyperText Transfer Protocol)を用いるものとして説明する。
【0129】
図18は、クライアント装置100がサーバ装置200のチャンネルを設定する処理のフローチャートである。クライアント装置100では、利用者が指示入力部103に対して設定するチャンネル番号を入力すると(C1701)、制御データ送信部111で設定されたチャンネル番号を含む制御データを生成し(C1702)、通信部101を介してサーバ装置200へ送信する(C1703)。
【0130】
サーバ装置200では、制御データ受信部217が通信部201を介してクライアント装置100からの制御データを受信し(S1704)、設定されたチャンネル番号に従って制御処理部218はチャンネル選択部208のチャンネルを設定する(S1705)。
【0131】
これにより、サーバ装置200のアンテナ信号入力部202からのRF信号が複数のチャンネルを含んでいる場合であっても、クライアント装置100がチャンネルを選択することが可能となる。
【0132】
図19は、クライアント装置100が映像のズームインまたはズームアウトをサーバ装置200に指示する処理のフローチャートである。クライアント装置100では、利用者が指示入力部103に対してズームインまたはズームアウトの指示を入力すると(C1801)、制御データ送信部111でズームインまたはズームアウト指示を含む制御データを生成し(C1802)、通信部101を介してサーバ装置200へ送信する(C1803)。
【0133】
サーバ装置200では、制御データ受信部217が通信部201を介してクライアント装置100からの制御データを受信し(S1804)、設定されたズームインまたはズームアウト指示に従って制御処理部218は送信データ生成部211の設定を変更し記憶する(S1805)。送信データ生成部211では、出力切替部210から受けたデジタルデータに対して、設定されたズームインまたはズームアウト指示に従って映像の加工を行ない、加工されたデジタルデータを基に送信データを作成してストリームデータ送信部212へ渡す(S1806)。
【0134】
なお、S1805の処理は設定を行なうだけであるため、実際にはS1806の処理は設定が変更されるまで繰り返し行なわれることとなる。なお、送信データ生成部211でデジタルデータを加工する場合、必要であれば、一旦アナログデータに変換して加工を行ない再びデジタルデータに変換する処理を行なってもよい。
【0135】
利用者が指示入力部103に対して入力するズームインの指示(C1801)には、画面のどの部分をズームアップ(ズームイン)するかの情報が含まれる。ここで、電話に備えられたテンキーを用いて画面のどの部分をズームアップ(ズームイン)するかを指示する方法について説明する。
【0136】
図20は、携帯電話に備えられたテンキーとズームアップする領域との対応の一例を示す図である。ここでは、画面を上下および左右にそれぞれ3分割して、合計9つの領域に画面を分割する。図20を参照して、電話機のテンキーは、最上段が左から「1」「2」「3」、第2段には左から「4」「5」「6」、第3段には左から「7」「8」「9」、最下段には左から「*」「0」「#」のボタンが配置されている。これらのボタンを用いて、「1」は左上の領域をズームアップする処理、「2」は上部中央の領域をズームアップする処理、「3」は右上の領域をズームアップする処理、「4」は左中央の領域をズームアップする処理、「5」は中央付近の領域をズームアップする処理、「6」は右中央の領域をズームアップする処理、「7」は左下の領域をズームアップする処理、「8」は下部中央の領域をズームアップする処理、「9」は右下の領域をズームアップする処理の実行を指示するボタンとしてそれぞれ用いる。また、「0」はズームアップを元に戻す(ズームアウト)処理を指示するボタンとして用いる。
【0137】
クライアント装置100からサーバ装置200に送られる、ズームインまたはズームアウト指示を含む制御データには、ズームアップあるいはズームアウトを指示する情報と、ズームアップあるいはズームアウトする領域を指示する情報と、当該領域をどの大きさにまで拡大または縮小するかの画面サイズ情報とが含まれる。例えば、制御データにはズームアップする領域を示す情報として、四隅の座標値を含む例((120,100)(360,100)(360,260)(120,260)といったパラメタ)が考えられる。また、これらのズームアップ/ズームアウトの指示を含む制御データは、サーバ装置200からクライアント装置100へ出力映像ストリーム情報が送信されている最中に、クライアント装置100からサーバ装置200へ送ってよい。
【0138】
ここで、画像の縮小処理をサーバ装置200で実行することの意義を図21を用いて説明する。図21(a)は、クライアント装置100で画像の縮小処理を実行する場合を説明する図であり、図21(b)は、サーバ装置200で画像の縮小処理を実行する場合を説明する図である。
【0139】
例えば、クライアント装置100が携帯電話の場合、アナログ出力部102が携帯電話に備えられた小さなディスプレイに相当する。
【0140】
サーバ装置200のアンテナ信号入力部202から入力されたRF信号からチャンネル選択部208が取り出したデジタルデータの画像が大きなディスプレイ(例えばVGA(video graphics area)サイズ)に対応した解像度の場合、その画像を携帯電話の小さなディスプレイ(例えばQVGA(quarter VGA)サイズ)に表示するためには画像サイズを小さくする解像度変換処理を行なわなければならない。
【0141】
図21(a)および(b)に示したように、画像の縮小処理をサーバ装置200で実行する場合には、クライアント装置100で実行する場合に比べて、通信回線を介して送信する送信データ量が少なくなる。携帯電話の通信回線の伝送能力を考慮すると、通信データ量はできるだけ小さくしたほうが望ましい。また、通信データ量が少ない方が、通信データを送信する通信時間を短くすることができる。このように、表示画像のサイズを小さくする処理を、クライアント装置100で行なうのではなく、サーバ装置200で行なった方がよい。
【0142】
この縮小処理は送信データ生成部211で行なう。すなわち、送信データ生成部211は、出力切替部210から受けたデジタルデータに対して、映像の縮小処理を行ない、加工されたデジタルデータを基に送信データを作成してストリームデータ送信部212へ渡す。必要であれば、一旦アナログデータに変換して加工を行ない再びデジタルデータに変換する処理を行なってもよい。
【0143】
次に、ズームアップ(ズームイン)の処理をサーバ装置200で実行することの意義について図22を用いて説明する。上述したように画像全体を縮小したデジタルデータがクライアント装置100に送信されるが、クライアント装置100でこの受信されたデジタルデータに対してズームアップ(ズームイン)処理を行なうと、受信した画像の解像度は変わらないため拡大するとぼやけた画像になってしまう。図22(a)を参照して、例えば野球中継放送を視聴しているとき、携帯電話の小さな画面では得点表示が見えないので、それが表示された領域をズームアップ(ズームイン)しようとしても、受信した画像の解像度は向上しないので結局得点表示の内容を知ることはできない。
【0144】
これに対して、図22(b)を参照して、サーバ装置200側でズームアップ(ズームイン)処理を実行する場合、スームアップ(ズームスン)が指定された領域が、縮小処理を行なう前のデジタルデータから取り出され、取り出された領域をクライアント装置100のディスプレイの画面サイズ(解像度)に合わせたサイズに解像度変換して送信するため、クライアント装置100のディスプレイに表示される画像の解像度が向上する。たとえば、画面中の得点が表示された領域をズームアップ(ズームイン)指定すると、得点表示のような細かな情報が表示される。
【0145】
図23は、ズームインやズームアウトが設定された際の、サーバ装置200の送信データ生成部211で実行される処理のフローチャートである。まず、出力切替部210からデジタルデータを受け (S2101)、 デジタルデータを変換してアナログの映像データを作成する(S2102)。次に、ズームアップ(ズームイン)が設定されているかどうかを調べ(S2103)、ズームアップ(ズームイン)が設定されている場合にはS2104へ、ズームアップ(ズームイン)が設定されていない場合にはS2105へ、それぞれ進む。
【0146】
ズームアップ(ズームイン)が設定されている場合には、ズームアップ(ズームイン)での設定に従いアナログの映像データのうち表示に必要な矩形領域を設定し(S2104)、S2106へ進む。表示に必要な矩形領域は、図20に示した9つの領域のいずれかである。なお、ここでは、9つの矩形領域を例に説明しているが、矩形領域の指定はこれに限定されることなく、画像中の任意の位置および大きさの矩形領域としてもよいし、矩形に限らず形状も円形、楕円形などであってもよい。
【0147】
ズームアップ(ズームイン)が設定されていない場合には、アナログの映像データのうち表示に必要な矩形領域として映像データの表示全体を設定し(S2105)、S2106へ進む。
【0148】
次に、設定された矩形領域の映像データを、出力先であるクライアント装置100のアナログ出力部102のディスプレイサイズに合わせて変換する(S2106)。クライアント装置100のアナログ出力部102のディスプレイサイズは、セッション(コネクション)確立時にセッション管理部206から設定されているものとする。出力先のディスプレイサイズに合わせられたアナログの映像データはデジタルデータに変換され(S2107)、付加情報生成部214から受け取った付加情報を加えて送信データを生成しストリームデータ送信部212 に渡す(S2108)。
【0149】
なお、図23のS2106で示したアナログ出力部102のディスプレイサイズは、例えばクライアント装置100とサーバ装置200との間のセッション(コネクション)を確立する際に、クライアント装置100からサーバ装置200に渡す構成も考えられる。渡すパラメタとしては、例えばVGA(video graphics area)サイズ、QVGA(Quarter VGA)サイズ、などが考えられる。この場合、機器ごとに最適な出力映像画面サイズとなるよう出力映像ストリーム情報を生成し、送信することができる。
【0150】
図24は、クライアント装置100がサーバ装置200に指示して出力切替部210の設定を切り替える処理のフローチャートである。クライアント装置100では、利用者が指示入力部103に対して出力切替の指示を入力すると(C4501)、制御データ送信部111で出力切替の指示を含む制御データを生成し(C4502)、通信部101を介してサーバ装置200へ送信する(C4503)。出力切替の指示とは、サーバ装置200のアンテナ信号入力部202から入力したストリームデータの出力先を示す情報であり、出力先をサーバ装置200のアナログ出力部203とするか、または、クライアント装置100とするかを示す情報である。
【0151】
サーバ装置200では、制御データ受信部217が通信部201を介してクライアント装置100からの制御データを受信し(S4504)、制御処理部218は設定された出力切替の指示に従って出力先管理部219を制御し出力切替部210の設定を変更する(S4505)。これにより、ストリーム情報転送装置に利用者が出力先切替を入力するためのスイッチを設けなくとも、他の機器から出力先切替を行なうことができる。
【0152】
(ストリームデータ送信の予約)
次に、サーバ装置200からクライアント装置100へストリームデータを転送する処理を予約する予約方法について説明する。第1の予約方法は、サーバ装置200の側で予約時刻を管理する方法である。図25は、クライアント装置100がサーバ装置200に予約時刻を設定する処理のフローチャートである。図26は予約時刻になったときにサーバ装置200がクライアント装置100へストリームデータを送信する処理のフローチャートである。
【0153】
まず、クライアント装置100がサーバ装置200に予約時刻を設定する処理を説明する。図25を参照して、クライアント装置100では、利用者が指示入力部103に対して接続先情報と予約時刻および予約チャンネルを指示すると(C2201)、セッション管理部104はサーバ装置200との間でセッション(コネクション)を確立する(C2202)。なお、セッション確立の処理の詳細は既に説明してあるので、ここでの説明は繰返さない。
【0154】
次に、制御データ送信部111で予約時刻および予約チャンネルを含む制御データを作成し通信部101を介してサーバ装置200へ制御データを送信するとともに、送信時に設定したサーバ装置200のアドレスを保持する(C2203)。
【0155】
サーバ装置200では、制御データ受信部217が通信部201を介してクライアント装置100からの制御データを受信する(S2204)。制御処理部218では制御データから予約時刻および予約チャンネルを取り出し、予約時刻をタイマにセットするとともに(S2205)、予約チャンネルおよびクライアント装置100のアドレスを保持する(S2206)。クライアント装置100のアドレスは、セッション(コネクション)確立時にクライアント装置100からサーバ装置200へ送られているので、これを利用する。そして、セッション管理部206に指示してクライアント装置100とのセッションを切断する(S2207)。なお、図2では、制御処理部218からセッション管理部206への指示を図示するのを省略している。セッション切断の処理の詳細は既に説明してあるので、ここでの説明は説明を繰返さない。既に説明したセッション切断の処理はクライアント装置100から起動される処理であったが、サーバ装置200から起動されるセッション切断の処理は、クライアント装置100から起動される処理と、情報の送信側と受信側が逆になる。
【0156】
次いで、予約時刻になったときにサーバ装置200がクライアント装置100へストリームデータを転送する処理を説明する。図26を参照して、制御処理部218内のタイマが予約時刻になると(S2301)、クライアント装置100のアドレスをもとにセッション管理部206に指示してクライアント装置100に対してセッションを要求する(S2302)。なお、セッション確立の処理の詳細は既に説明してあるので、ここでは説明を繰返さない。なお、セッション確立の応答として受諾と拒否を説明で用いるが、セッション確立拒否のシーケンスの詳細な説明は省略する。既に説明したセッション確立の処理はクライアント装置100から起動される処理であったが、サーバ装置200から起動されるセッション確立の処理は、クライアント装置100から起動される処理と、情報の送信側と受信側が逆になる。
【0157】
クライアント装置100のセッション管理部104は、サーバ装置200からセッション確立要求を受けると(C2303)、予約時刻設定処理で保持していたアドレスと、セッション確立要求で送られてきたアドレスとを比較する(C2304)。比較したアドレスが異なっていれば、クライアント装置100のセッション管理部104はサーバ装置200にセッション確立拒否を返す(C2305)。サーバ装置200のセッション管理部206がクライアント装置100からセッション確立拒否を受けると(S2306)処理は終了し、サーバ装置200からクライアント装置100へのストリームデータ転送は行なわれない。
【0158】
C2304において比較したアドレスが一致すれば、クライアント装置100のセッション管理部104はサーバ装置200にセッション確立受諾を返す(C2307)。なお、セッション確立受諾をサーバ装置200に返すことにより、クライアント装置100は当該セッションを介してサーバ装置100から送られてくるストリームデータを受信する準備ができる。
サーバ装置200のセッション管理部206がクライアント装置100からセッション開始受諾を受けると(S2308)、出力先管理部219に指示して、出力切替部210がスクランブル解除処理部209から受けたデジタルデータを渡す先を送信データ生成部211とするように設定する(S2309)。さらに、チャンネル選択部208を操作して、チャンネルをクライアント装置100から送られてきた制御データに含まれる予約チャンネルに設定する(S2310)。これらの処理により、予約時刻になるとサーバ装置200からクライアント装置100へストリームデータを送信する処理が開始される。
【0159】
予約時刻になったときにサーバ装置200とクライアント装置100とのセッション(コネクション)が確立する際に、クライアント装置100はセッション(コネクション)確立を要求するイベントの送信元アドレスと、図25のC2203で保持したサーバ装置200のアドレスとを比較し、異なっている場合にはセッション(コネクション)の確立を拒否する。これにより、予約時刻を設定したサーバ装置200以外からストリームデータが送られてくることを防ぐことができる。なお、予約時刻を設定したサーバ装置200からのセッション(コネクション)確立要求であることを確認する方法としては、上記に述べたようにセッション(コネクション)確立要求の送信先アドレスを用いる方法以外にも、例えば、予約時刻設定時にクライアント装置100が予約IDをサーバ装置200に渡して、予約時刻にサーバ装置200から送られてくるセッション(コネクション)確立要求に当該予約IDが含まれているかをクライアント装置100で確認する方法、サーバ装置200から送られてくるセッション(コネクション)確立要求がクライアント装置100が設定した予約時刻に送られてきているかをクライアント装置100で確認する方法、などが考えられる。
【0160】
また、予約時刻になったときにサーバ装置200とクライアント装置100とのセッション(コネクション)が確立されたときに、クライアント装置100側でアナログ出力部102に接続された機器(ディスプレイやスピーカー)の電源を入れ、入力切替の設定を行なう処理を含めてもよい。
【0161】
さらに、予約時刻になりストリームデータの受信が開始されたことを示すために、アラームや振動により利用者に報知する処理を含めてもよい。このとき、クライアント装置100の構成には、アラームや振動を用いた報知手段が付加される(図示せず)。例えば携帯電話で予約したストリームデータを受信する場合、携帯電話をポケットやカバンに入れておいたとしても、利用者はストリームデータの受信が開始されたことを知ることができる。
【0162】
さらに、上記の利用者に報知する処理は、セッション(コネクション)が確立される前に行ない、利用者が通信確立許可を入力した後にセッション(コネクション)を確立し、その後ストリームデータの受信が開始されるようにしてもよい。このとき、クライアント装置100には、利用者が通信確立許可を入力するためのボタンスイッチ等の入力装置が付加される(図示せず)。これは、クライアント装置100とサーバ装置200とが、一般公衆回線などの時間課金される通信回線を用いて通信が確立される場合に有効である。クライアント装置100が接続要求(情報INVITE)を受け取ると、どんな番組の転送が開始されるかの情報がクライアント装置100のディスプレイに表示される。その後、利用者が本当に番組を視聴したいかどうかは、ボタン操作により選択ができるので、ストリーム情報の受信時に利用者が別の仕事を行なっており、放送番組を視聴できないような場合に、不要な放送番組を受信するのを防止することができるので、不要な通信料が課金されない。
【0163】
サーバ装置200からクライアント装置100へストリームデータを転送する処理を予約する第2の方法は、クライアント装置100の側で予約時刻を管理する方法である。図27は、クライアント装置100が予約時刻を設定する処理のフローチャートである。図28は、予約時刻になったときにクライアント装置100がサーバ装置200に要求して、サーバ装置200からクライアント装置100へのストリームデータ送信を開始させる処理のフローチャートである。
【0164】
まず、クライアント装置100が予約時刻を設定する処理を説明する。図27を参照して、クライアント装置100では、利用者が指示入力部103に対して接続先情報と予約時刻および選択チャンネルを指示すると(C2401)、制御データ送信部111では予約時刻をタイマにセットするとともに(C2402)、接続先情報および選択チャンネルを保持する(C2403)。
【0165】
次いで、予約時刻になったときにクライアント装置100がサーバ装置200に要求して、サーバ装置200からクライアント装置100へのストリームデータ送信を開始させる処理を説明する。図28を参照して、制御データ送信部111内のタイマが予約時刻になると(C2501)、接続先情報をもとにセッション管理部104に指示してサーバ装置200とのセッションを確立する(C2502) 。なお、図3には制御データ送信部111からセッション管理部104への指示を図示するのを省略している。また、セッション確立の処理の詳細は既に説明してあるので、ここでの説明は繰返さない。
【0166】
そして、アナログ出力部102に接続された機器(ディスプレイやスピーカー)の電源を入れ、入力切替の設定を行ない(C2503)、アラームや振動により利用者に報知する(C2504)。そして、制御データ送信部111で選択チャンネルを含む制御データを作成し通信部101を介してサーバ装置200へ制御データを送信する(C2505)。
【0167】
サーバ装置200では、制御データ受信部217が通信部201を介してクライアント装置100からの制御データを受信する(S2506)。制御処理部218では出力先管理部219に指示して、出力切替部210がスクランブル解除処理部209から受けたデジタルデータを渡す先を送信データ生成部211とするように設定する(S2507)。さらに、制御データから選択チャンネルを取り出し、チャンネル選択部208を操作して、チャンネルをクライアント装置100から送られてきた制御データに含まれる選択チャンネルに設定する(S2508)。これらの処理により、予約時刻になるとサーバ装置200からクライアント装置100へストリームデータを送信する処理が開始される。
【0168】
上記の利用者に報知する処理(C2504)は、セッション(コネクション)が確立される前に行ない、利用者が通信確立許可を入力した後にセッション(コネクション)を確立し、その後ストリームデータの受信が開始されるようにしてもよい。このとき、クライアント装置100には、利用者が通信確立許可を入力するためのボタンスイッチ等の入力装置(図示せず)を備える必要がる。
【0169】
次に、ネットワークにおけるセキュリティの問題とその対策について説明する。
【0170】
(要求したクライアント装置に対してのみストリームデータを送る方法)
次いで、サーバ装置200からクライアント装置100に対して安全にストリームデータを送信する方法について述べる。ここでは、セキュリティ問題のうち主に盗聴を防止する方法に関して述べる。
【0171】
本実施の形態においては、基本的に、既知の技術である一般的な「共通鍵暗号法」「公開鍵暗号法」を使用する。「共通鍵暗号法」とは暗号化と復号化に同じ鍵を用いる方法であり、「公開鍵暗号法」とは暗号化と復号化に異なる鍵を使う暗号法である。「公開鍵暗号法」では、他の機器に公開する公開鍵と、自機器内に秘匿する秘密鍵との異なった鍵を一対として暗号化・復号化を行なうものである。
【0172】
なお、本発明で共通鍵として記述している処理は、ほとんどが公開鍵と秘密鍵の組み合わせによっても可能な処理である。
【0173】
図29は、サーバ装置200からクライアント装置100に対してストリームデータを送信する際のイベントフロー図である。なお、ここでイベントCEVTはクライアント装置100からサーバ装置200へ送られるイベント、イベントSEVTはサーバ装置200からクライアント装置100へ送られるイベントをそれぞれ示す。また、コンテンツAが共通鍵Xで暗号化された場合の記法を「共通鍵X[コンテンツA]」、コンテンツAがクライアント装置100の公開鍵Yで暗号化された場合の記法を「C公開鍵Y[コンテンツA]」、コンテンツAがサーバ装置200の公開鍵Zで暗号化された場合の記法を「S公開鍵Z[コンテンツA]」、コンテンツAが暗号化されていない場合の記法を「NON[コンテンツA]」とする。
【0174】
まず、クライアント装置100はサーバ装置200に対して、クライアント装置100のC公開鍵1を送付し、C公開鍵1に対応するC秘密鍵1を保持する(CEVT2601:NON[C公開鍵1])。
【0175】
次に、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、サーバ装置200が生成した共通鍵1をC公開鍵1で暗号化して送付する(SEVT2602:C公開鍵1[共通鍵1])。サーバ装置200はC秘密鍵1で復号して共通鍵1を得る。C秘密鍵1を保持するのはクライアント装置100のみであるため、共通鍵1はクライアント装置100のみが入手できる。
【0176】
次に、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、ストリームデータを分割したコンテンツ1を共通鍵1で暗号化して送付する(SEVT2603:共通鍵1[コンテンツ1])。コンテンツ1を暗号化する際にC公開鍵1を用いず共通鍵1を用いている理由としては、複数のクライアント装置100に対してマルチキャストでコンテンツ1を送付する場合を想定しているためである。すなわち、別のクライアント装置100に対しては、当該クライアント装置100のC公開鍵を用いて共通鍵1を送付すれば、同じ共通鍵1で暗号化したコンテンツ1は複数のクライアント装置100で復号することができる。
【0177】
上記の処理は一定回数あるいは一定時間繰り返される。例えば、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、コンテンツ1に続けてストリームデータを分割したコンテンツ2、コンテンツ3を共通鍵1で暗号化して送付する(SEVT2604:共通鍵1[コンテンツ2]、SEVT2605:共通鍵1[コンテンツ3])。
【0178】
次に、同一の共通鍵1で暗号化したコンテンツを送信した後、クライアント装置100はサーバ装置200に対して、C公開鍵の変更要求を送付する(SEVT2606:NON[公開鍵の変更要求])。これは、同じ共通鍵やC公開鍵を続けて使用すると暗号が破られる恐れがあるからである。公開鍵の変更要求を受けると、クライアント装置100は新しいC公開鍵2とC秘密鍵2のペアを生成し、サーバ装置200に対してC公開鍵2を送付し、C秘密鍵2を保持する(CEVT2607:NON[C公開鍵1])。
【0179】
次に、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、サーバ装置200が生成した新しい共通鍵2をC公開鍵2で暗号化して送付する(SEVT2608:C公開鍵2[共通鍵2])。続けて、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、ストリームデータを分割したコンテンツ4、コンテンツ5、コンテンツ6を共通鍵2で暗号化して送付する(SEVT2609:共通鍵2[コンテンツ4]、SEVT2610:共通鍵2[コンテンツ5]、SEVT2611:共通鍵2[コンテンツ6])。
【0180】
以下、同様に上記の処理を繰り返す。
図30は、図29のイベント処理を行なうためのサーバ装置200内の処理を表わすフローチャートである。なお、デジタルデータが送信データ生成部211へ渡されるまでの処理については図15のフローチャートを用いて説明したので、ここでは説明を繰返さない。
【0181】
図30を参照して、サーバ装置200は、セッションが確立した(S2801)後、サーバ装置200の受領データ確認部215は通信部201を介してクライアント装置100からクライアント装置100の公開鍵を受信し(S2802)、付加情報管理部216にクライアント装置100の公開鍵を保持する(S2803)。次いで付加情報生成部214は、共通鍵を生成し付加情報管理部216に保持するとともに(S2804) 送信データ生成部211 へ渡す。送信データ生成部211 では、共通鍵をクライアント装置100の公開鍵で暗号化して (S2805)、ストリームデータ送信部212から通信部201を介してクライアント装置100へ送信する(S2806)。
【0182】
次に送信データ生成部211では、付加情報管理部216に保持されている共通鍵を付加情報生成部214から受け取り(S2807)、出力切替部210から受け取ったデジタルデータを共通鍵で暗号化して送信データを生成し(S2808)、ストリームデータ送信部212から通信部201を介してクライアント装置100へ送信する(S2809)。この時点で送信すべきデジタルデータがなければ、処理を終了する(S2810)。
【0183】
S2807からS2809までの処理は、一定時間(例えば1分間)あるいは一定回数(例えば3回)繰り返す。一定時間が経過したかあるいは一定回数繰り返したかを判断し(S2811)、一定時間が経過したかあるいは一定回数繰り返していない場合にはS2807へ戻り、一定時間が経過したかあるいは一定回数繰り返した場合にはS2812へ進む。
【0184】
次に送信データ生成部211では、公開鍵の変更要求を含むイベントを作成し、ストリームデータ送信部212から通信部201を介してクライアント装置100へ送信し(S2812)、クライアント装置100からの応答を待つ。
【0185】
サーバ装置200の受領データ確認部215は通信部201を介してクライアント装置100から新しいクライアント装置100の公開鍵を受信すると(S2813)、付加情報管理部216に保持された過去の公開鍵と比較する(S2814)。受信した公開鍵が過去に当該セッション(コネクション)で使用された公開鍵と同じである場合には(S2815でYES)処理を終了する。受信した公開鍵が過去に当該セッション(コネクション)で使用されていない場合には(S2815でNO)、クライアント装置100の新しい公開鍵を付加情報管理部216に保持する(S2816)。その後S2804へ戻り、新しい公開鍵を用いて処理を続ける。
【0186】
図31は、図29のイベント処理を行なうためのクライアント装置100内の処理を表わすフローチャートである。セッションが確立した(C2901)後、受領データ生成部108は公開鍵と秘密鍵との対を生成し(C2902)、秘密鍵を付加情報蓄積部110に保持するとともに(C2903)、受領データ送信部109から通信部101を介して公開鍵をサーバ装置200へ送信する(C2904)。
【0187】
ストリームデータ受信部106が通信部101を介してイベントを受信すると(C2905)、受信したイベントに応じて、公開鍵で暗号化された共通鍵を受信した場合にはC2907以下の処理を、共通鍵で暗号化されたデジタルデータを受信した場合にはC2909以下の処理を、公開鍵の変更要求を含むイベントを受信した場合にはC2912以下の処理を、それぞれ行なう(C2906)。
【0188】
公開鍵で暗号化された共通鍵を受信した場合には、受領データ生成部108は付加情報蓄積部110で保持された秘密鍵で共通鍵を復号し(C2907)、共通鍵を付加情報蓄積部110に保持して(C2908)、C2905の処理へ戻る。共通鍵で暗号化されたデジタルデータを受信した場合には、デコード処理部107は付加情報蓄積部110に保持された共通鍵でデジタルデータを復号し(C2909)、アナログの映像信号または音声信号にデコードしてアナログ出力部102から出力する(C2910)。デジタルデータが最後のデータであれば処理を終了し、最後のデータでなければC2905の処理へ戻る(C2911)。
【0189】
公開鍵の変更要求を含むイベントを受信した場合には、受領データ生成部108は公開鍵と秘密鍵との新たな対を生成し(C2912)、新たな秘密鍵を付加情報蓄積部110に保持するとともに(C2913)、受領データ送信部109から通信部101を介して新たな公開鍵をサーバ装置200へ送信した後(C2914)、C2905の処理へ戻る。
【0190】
図32は、2つのクライアント装置A,Bに対してマルチキャストでコンテンツを送付する場合のイベントフロー図である。サーバ装置200は、クライアント装置Aに対してはクライアント装置AのCA公開鍵を用いて共通鍵1を送付し、クライアント装置Aに対してはクライアント装置BのCB公開鍵を用いて共通鍵1を送付する、そして、共通鍵1で暗号化したコンテンツ1,2,3をクライアント装置A,Bにマルチキャストで送信する。これにより、クライアント装置A,Bそれぞれは、同じ共通鍵1でコンテンツ1、2,3を復号することができる。
【0191】
図26のフローチャートにおいては、SEVT2602で共通鍵1を送信し、SEVT2603でコンテンツ1を送信するものであった。このため、共通鍵1とコンテンツ1とを分けて送信しなければならなかった。この2つのイベントをまとめる方法を、図33に示す。
【0192】
図33は、クライアントL、クライアントM、クライアントNそれぞれに対して各公開鍵でコンテンツ1を暗号化して送信するイベントを示す図である。クライアントL向けのイベントとしてはC公開鍵Lで暗号化したコンテンツ1(C公開鍵L[コンテンツ1])が、クライアントM向けのイベントとしてはC公開鍵Mで暗号化したコンテンツ1(C公開鍵M[コンテンツ1])が、クライアントN向けのイベントとしてはC公開鍵Nで暗号化したコンテンツ1(C公開鍵N[コンテンツ1])が、それぞれ存在する。この場合コンテンツ1を暗号化したイベントを3通り生成しなければならない。
【0193】
この3通りのイベントを1つにまとめる方法について説明する。ここでは、クライアントLは公開鍵(C公開鍵L)を公開するとともに対になるC秘密鍵Lを保持し、クライアントMは公開鍵(C公開鍵M)を公開するとともに対になるC秘密鍵Mを保持し、クライアントNは公開鍵(C公開鍵N)を公開するとともに対になるC秘密鍵Nを保持しているとする。
【0194】
図34は、コンテンツ1を送信するためのイベント例を表わす概念図である。イベントは4つの部分、すなわち、1)C公開鍵Lで暗号化した共通鍵(C公開鍵L[共通鍵])、2)C公開鍵Mで暗号化した共通鍵(C公開鍵M[共通鍵])、3)C公開鍵Nで暗号化した共通鍵(C公開鍵N[共通鍵])、4)共通鍵で暗号化したコンテンツ1(共通鍵[コンテンツ1])から構成される。例えばクライアントMでは、まず「C公開鍵Mで暗号化した共通鍵」をC秘密鍵Mを用いて復号して共通鍵を得て、次にその共通鍵を用いて「共通鍵で暗号化したコンテンツ1」を復号してコンテンツ1を得る。
【0195】
このように、図34で示した技術では、コンテンツ1を暗号化した部分を3つのクライアント向けに共通化できるために、生成する総イベント長が少なくてすむという利点がある。
【0196】
(携帯電話を用いた公開鍵および共通鍵の安全な交換)
図29のイベントフロー図で説明した方法では、クライアント装置100の秘密鍵やサーバ装置200の共通鍵が漏洩した場合には、別のクライアント装置100を用いてストリームデータの盗聴が可能となってしまう。本実施の形態におけるストリーム情報転送システムでは、クライアント装置100に通信部101と別の第2通信部121を、サーバ装置200に通信部201と別の第2通信部221を備える。
【0197】
図35は、クライアント装置100が第2通信部121を備え、サーバ装置200が第2通信部221を備えたストリーム情報転送システムの概略を示す図である。ここでは、クライアント装置100の通信部101とサーバ装置200の通信部201との間の通信を第1通信手段といい、クライアント装置100の通信部121とサーバ装置200の通信部221との間の通信を第2通信手段という。
【0198】
第2通信手段は第1通信手段に比べて、1)相手機器の特定がより容易であり他の機器がなりすましを行ないにくい、2)別の機器が盗聴しにくい、という特徴をもつ。具体的には第2通信手段としては、例えば有線ケーブルによる直結や携帯電話通信網などを想定する。
【0199】
図36は図29のイベントフローの変形例を示す図である。サーバ装置200からクライアント装置100に対してストリームデータを送信する際に、サーバ装置200が生成した共通鍵を第2通信手段を用いてクライアント装置100へ送信する例を表わすイベントフロー図である。
【0200】
第2通信手段が携帯電話網である場合には、第1通信手段を用いてセッション(コネクション)が確立すると、当該セッション(コネクション)を用いてクライアント装置100またはサーバ装置200いずれかが相手機器に対して自機器の携帯電話番号を送信する。第1通信手段により相手機器の携帯電話番号を受信した側の機器は、携帯電話網(第2通信手段)を用いて相手機器に電話をかけ、第2通信手段での通信を可能とする。なお、第2通信手段が有線ケーブルによる直結である場合には、物理的にケーブルを接続することによって第2通信手段による通信を可能にする。
【0201】
次に、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、サーバ装置200が生成した共通鍵を第2通信手段を用いて送付する(SEVT3301:第2通信手段による共通鍵1の送付)。共通鍵の送付が終わったら、第2通信手段は切断してもよい。すなわち、携帯電話の切断、有線ケーブルをはずすなどが相当する。
【0202】
その後、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、ストリームデータを分割したコンテンツ1、コンテンツ2、コンテンツ3を共通鍵で暗号化して第1通信手段を用いて送付する(SEVT3302:共通鍵[コンテンツ1]、SEVT3303:共通鍵[コンテンツ2]、SEVT3304:共通鍵[コンテンツ3])。
【0203】
なお、図29を用いて説明したように、一定時間あるいは一定回数同じ共通鍵を使用した場合に共通鍵を変更してもよい。サーバ装置200の生成した新しい共通鍵は、第2通信手段を用いてクライアント装置100に送信してもよいし、図29の例に準じてクライアント装置100の公開鍵を用いて暗号化して第1通信手段を用いて送付してもよい。
【0204】
図37は、図29のイベントフローの別の変形例を示す図であり、サーバ装置200からクライアント装置100に対してストリームデータを送信する際に、クライアント装置100が生成した公開鍵を第2通信手段を用いてクライアント装置100へ送信する例を表わすイベントフロー図である。
【0205】
まず、クライアント装置100はサーバ装置200に対して、クライアント装置100のC公開鍵1を第1通信手段を用いて送付し、C公開鍵1に対応するC秘密鍵1を保持する(CEVT3401:NON[C公開鍵1])。
【0206】
次に、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、サーバ装置200が生成した共通鍵1をC公開鍵1で暗号化して第1通信手段を用いて送付する(SEVT3402:C公開鍵1[共通鍵1])。サーバ装置200はC秘密鍵1で復号して共通鍵1を得る。
【0207】
次に、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、一定回数あるいは一定時間、ストリームデータを分割したコンテンツを共通鍵1で暗号化して第1通信手段を用いて送付する(SEVT3403:共通鍵1[コンテンツ1]、(SEVT3404:共通鍵1[コンテンツ2]、SEVT3405:共通鍵1[コンテンツ3])。
【0208】
一方、第1通信手段を用いてSEVT3403、SEVT3404、SEVT3405によりコンテンツを送信している間に並行して、サーバ装置200はクライアント装置100に対して第2通信手段による呼を確立する。すなわち、第1通信手段のセッション(コネクション)確立時に入手したクライアント装置100の携帯電話番号を用いて、サーバ装置200がクライアント装置100に対して携帯電話をかける。
【0209】
第2通信手段が確立すると、サーバ装置200は署名用共通鍵を生成し、第2通信手段を用いてクライアント装置100に署名用共通鍵を送付する(SEVT3406:第2通信手段による署名用共通鍵の送付)。その後、第2通信手段は切断する。
【0210】
次に、同一の共通鍵1で暗号化したコンテンツを送信した後、クライアント装置100はサーバ装置200に対して、C公開鍵の変更要求を第1通信手段を用いて送付する(SEVT3407:NON[公開鍵の変更要求])。
【0211】
公開鍵の変更要求を受けると、クライアント装置100は新しいC公開鍵2とC秘密鍵2のペアを生成する。C公開鍵2は署名用共通鍵で暗号化してサーバ装置200に対して第12通信手段を用いて送付し、C秘密鍵2を保持する(CEVT3408:署名用共通鍵[C公開鍵2])。サーバ装置200側では署名用共通鍵を用いてC公開鍵1を復号する。復号できたことにより、サーバ装置200はクライアント装置100が第2通信手段で接続したクライアント装置と同一であることを確認できる。
【0212】
次に、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、サーバ装置200が生成した新しい共通鍵2をC公開鍵2で暗号化して第1通信手段を用いて送付する(SEVT3409:C公開鍵2[共通鍵2])。
【0213】
続けて、サーバ装置200はクライアント装置100に対して、ストリームデータを分割したコンテンツ4、コンテンツ5、コンテンツ6を共通鍵2で暗号化して第1通信手段を用いて送付する(SEVT3410:共通鍵2[コンテンツ4]、SEVT3411:共通鍵2[コンテンツ5]、SEVT3412:共通鍵2[コンテンツ6])。
【0214】
上記の技術により、サーバ装置200は、第1接続手段でC公開鍵を送付してきた相手クライアント装置100が、携帯電話(第2接続手段)をかけた相手と同一であることを知ることができるとともに、携帯電話をかけている間も途切れることなくクライアント装置100にコンテンツを送付することができる。
【0215】
図37のイベントフローを実現するサーバ装置200の処理は、図30のフローチャートに変形した流れとなるため、図30を用いて説明する。図37のイベントフロー実現のために図30のフローチャートで異なる点は、S2812における公開鍵の変更要求を含むイベントの作成において、公開鍵の変更要求に加えてサーバ装置200の署名用鍵を含める点である。
【0216】
したがって、S2813においてクライアント装置100の新しい公開鍵を受け取るが、この新しい公開鍵がS2812で送信した署名鍵で署名された公開鍵でない場合には正しい公開鍵でないと判断され、処理を終了する。この処理を含むことにより、S2802で受信した最初に使用する公開鍵はサーバ装置200の署名用鍵で署名された公開鍵でなくてもよく、S2813で受信した所定時間経過後に使用する公開鍵はサーバ装置200の署名用鍵で署名された公開鍵でなくてはならない。
【0217】
図37のイベントフローを実現するクライアント装置100の処理を図31のフローチャートの変形例として説明を行なう。C2905において公開鍵の変更要求を含むイベントを受信した場合はC2912へ進み、C2914で新たな公開鍵をサーバ装置200に送信している。このとき、公開鍵の変更要求にサーバ装置200の署名用鍵が含まれる。その場合、C2914で送信される新たな公開鍵はサーバ装置200の署名用鍵を用いて署名される。この処理を含むことにより、C2904で送信した最初に使用する公開鍵はサーバ装置200の署名用鍵で署名された公開鍵でなくてもよく、C2914で送信した所定時間経過後に使用する公開鍵はサーバ装置200の署名用鍵で署名された公開鍵でなくてはならない。
【0218】
(サーバ装置情報のコンテンツ内への埋め込み)
サーバ装置200から送信されたストリーミングデータが、クライアント装置100でサーバ装置200の許可なしにコピーされたり再配布されたりした場合に、ストリーミングデータがサーバ装置200から送出されたことを示す情報をストリーミングデータ内に埋め込む処理に関して説明する。この処理は、サーバ装置200の送信データ生成部211にて行なわれる。
【0219】
1つの方法としては、送信データ生成部211は出力切替部210から受け取ったデジタルデータを一旦デコードして、サーバ装置200から送出されたことを示す情報を埋め込み、再びデジタルデータとしてエンコードする方法が考えられる。
【0220】
情報を埋め込む方法としては、人間の目や耳では知覚し難いノイズという形で埋め込む方法(既知の電子透かし技術を利用)や、逆に人間に知覚できる形で埋め込む方法である。図38は、デジタルデータに情報を人間に知覚できる形態で埋め込んだ一例を示す図である。図38では、画像の右下隅に「チューナID:1234−5678−9012」の文字が埋め込まれている。埋め込む情報は、サーバ装置200を特定する情報(IPアドレスや、サーバ装置200の物理アドレスや、BS/CSチューナのID番号など)が望ましい。また、人間に知覚できる形態で埋め込む場合には、たとえば「このデータはサーバ装置から送信されたデータです」といった一般的な警告文であってもよい。
【0221】
また、デジタルデータが複数のフレームで構成される映像の場合には、デジタルデータの各フレームの画面の右下隅に白または黒の矩形領域を埋め込んで1ビットの情報とし、それらのビット情報を組合わせてサーバ装置200から送出されたことを示すこともできる。図39は、複数のフレームで構成される映像のデジタルデータに情報を埋め込む一例を示す図である。
【0222】
人間の目には、右下隅の1ビット程度の表示情報はほとんど無視できるため、デジタル映像データを見る際にはほとんど無視できる。例えば、サーバ装置200から送出されたことを示す情報として、スタートビットが「0000」、サーバ装置200のID番号が「101011110010」であるような場合には、「0000101011110010」を情報として埋め込む。この場合には、1,2,3,4,6,8,13,14,16枚目のフレームの右下隅には白の矩形が、5,7,9,10,11,12,15枚目のフレームの右下隅には黒の矩形が、それぞれ表示される。また、17枚目以降のフレームは、1〜16枚目のフレームに表示したのと同じパターンの矩形を繰り返し表示する。
【0223】
図40は、デジタルデータに情報を人間に知覚できる形態で埋め込んだ一例を示す別の図である。図40(a)は、画像の四隅に矩形を配置して1フレームで4ビットの情報を表わす例を示す。図40(b)は、画像に2次元コードを配置して1フレームで複数ビットの情報を表わす例を示す。また、2次元コードではなく1次元のバーコードを配置してもよい。図40(c)は、白黒ではなく色情報を用いて1フレームで複数ビットの情報を表わす例を示す図である。
【0224】
ストリーミングデータがサーバ装置200から送出されたことを示す情報をストリーミングデータ内に埋め込むもう1つの方法としては、送信データ生成部211は出力切替部210から受け取ったデジタルデータを完全にデコードせずに、サーバ装置200から送出されたことを示す情報を埋め込む方法である。
【0225】
ここでは、MPEG−1ビデオのコーデック方法に準拠したストリーミングデータに対して、ストリーミングデータがサーバ装置200から送出されたことを示す情報を埋め込む手法について説明する。
【0226】
図41は、MPEG−1ビデオのコーデック方法を説明するための図である。MPEG−1ビデオでは、空間領域における冗長性の除去としてブロックと呼ばれる8×8画素単位でDCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)を行なう。さらに、データ量の異なる3種類のピクチャにより時間領域における冗長性の除去を行なっている。ピクチャには、他のピクチャの影響を受けないIピクチャ、過去のフレームから一方向のフレーム間予測を行ない差分を符号化したPピクチャ、過去と未来の2つのフレームから二方向のフレーム間予測を行ない差分を符号化したBピクチャがある。Bピクチャは未来のフレームを予測に用いるため、その符号化に先がけて、予測に用いる未来のフレームが符号化されていなくてはならない。そこで符号化時にフレームの並べ替えが行なわれる。図42に、MPEG−1ビデオにおけるフレームの並べ替えの概念を示す。
【0227】
本発明では、上記3種類のピクチャのうち、Iピクチャに対してのみサーバ装置200から送出されたことを示す情報を埋め込む。埋め込む方法としては、図39で示したのと同様に、フレームの画面の右下隅に、白または黒の矩形領域を用いて1ビットの情報を表わし、複数のフレームで構成される複数ビットを用いてサーバ装置200から送出されたことを示す情報を表現する。
【0228】
図43は、サーバ装置200から送出されたことを示す情報をMPEG−1ビデオに埋め込む処理を説明するフローチャートであり、図44は同処理を説明する概念図である。
【0229】
図43および図44を参照して、送信データ生成部211が出力切替部210からデジタルデータを受け取ると(S4001)、デジタルデータからIピクチャを取り出す(S4002)。次に、Iピクチャの右下のブロック(図41のブロック)を取り除き(S4003)、代わりに記録するビット情報に応じて白または黒をDCTで変換したブロックを作成し(S4004)、取り除いた右下のブロックの代わりに挿入する(S4005)。なお、この処理で例えばIピクチャの右下のブロックを完全に入れ替えてしまうのではなく、元のブロックの領域の一部にビット情報を表わす矩形を上書きしてもよい。
【0230】
そして、新しいIピクチャと、変更を加えていないPピクチャ、Bピクチャを合わせて新しいデジタルデータを生成する(S4006)。
【0231】
PピクチャとBピクチャはIピクチャからフレームの予測しているため、Iピクチャが変更されればPピクチャとBピクチャから復元されるフレームは変わってしまうことになる。しかしながら影響するノイズは画面右下隅近辺に限定されるため、人間が見る際にはそれほど問題にならないと考えられる。逆に本発明により、デジタルデータをすべてデコードすることなしに、サーバ装置200から送出されたことを示す情報を埋め込む処理が可能となる。
【0232】
図45は、サーバ装置200において記録すべき情報を入力し、記録すべき情報を分割して複数のIピクチャに情報を埋め込む処理を説明するフローチャートである。この処理で使用できるビット情報は白または黒からなる2値であるとする。記録すべき情報は送信データ生成部211において2進数の数として桁ごとの数値に分解される(S4701)。なお、記録すべき情報とは、サーバ装置200を識別する値として送信データ生成部211が固定的にもっていてもよいし、いずれかの部位から入力されてもよい。
【0233】
送信データ生成部211は複数のIピクチャのそれぞれに2進数の数として桁ごとの数値を割り振り(S4702)、2進数の数値が0ならば白ブロック、1ならば黒ブロックとなるように、右下のブロックを置き換える(S4703)。なお、具体的な置き換え手順に関しては図43で示した通りである。
【0234】
図46は、クライアント装置100においてサーバ装置200から送出されたことを示す情報を読み出す処理を説明するフローチャートである。デコード処理部107はストリームデータ受信部106からMPEG−1ビデオを受け取ると(S4801)、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャに分けてIピクチャのみを取り出す(S4802)。次にIピクチャをデコードして画像データを取り出し(S4803)、画像データの右下のDCT変換した1ブロックに相当する領域が白であるか黒であるかを調べる(S4804)。白であれば0を、黒であれば1を割り当てて2進数の1つの桁に相当する数値とみなし(S4805)、複数のIピクチャが2進数の各桁を表わすとみなして元の記録された2進数の数値を取り出す(S4806)。
【0235】
そして、Iピクチャの右下のDCT変換した1ブロックに相当する領域を、当該領域の右に隣接する領域の色で塗りつぶし(S4807)、Pピクチャ、Bピクチャのデコード処理も行ない、最終的に構成されたアナログ映像データをアナログ出力部102から出力する(S4808)。S4807において、右下の領域の右に隣接する領域の色で塗りつぶすことにより、出力されるアナログ映像データには、サーバ装置200から送出されたことを示す情報は残らない。
【0236】
なお、ここでは画像データの右下のDCT変換した1ブロックに相当する領域全体が白または黒を示し1枚の画像に2値の情報を記録する例を示しているが、矩形ではなく2次元コードを配置して1フレームで複数ビットの情報を表わしたり(図40(b)参照)、2次元コードではなく1次元のバーコードを配置したり、白黒ではなく色情報を用いて1フレームで複数ビットの情報を表わしたり(図40(c)参照)することによって、1枚の画像に多値の情報を記録することができる。これらの場合においても、図46に示したのと同様の処理を用いて情報を読み出すことができる。
【0237】
(サーバ装置DVD等のストリームデータ再生装置である場合)
さて、ここまでサーバ装置200としてはデジタル放送データを扱うチューナーを想定して説明を続けてきたが、例えばサーバ装置200がDVD(Digital Versatile Disk)やVTR(Video Tape Recorder)などのストリームデータ再生装置、あるいは、ストリームデータ再生装置からアナログ入力またはデジタル入力するストリームデータを扱う機器であるような場合にも適用が可能である。
【0238】
図47は、図2に示したサーバ装置200を変形したサーバ装置250の構成を表わす概略図である。サーバ装置250は、DVDメディアやビデオテープなどのストリームデータ記録媒体を再生する装置を含む。図2に示したサーバ装置200との違いは、アンテナ信号入力部202、チャンネル指示部204、チャンネル選択部208、スクランブル解除処理部209がなく、代わりに、記録メディア読取部251、読取制御指示部252、読取制御部253を含む。
【0239】
記録メディア読取部251は、DVDメディアやビデオテープなどの記録媒体からストリームデータを読み出す部位である。記録媒体としてはデジタルデータを記録する記録媒体を想定するが、アナログデータを記録する記録媒体であっても特に問題はない。アナログデータを記録する記録媒体の場合には、送信データ生成部211にはアナログデータからデジタルデータを生成する処理が追加され、また、デコード処理部213は不要となる。
【0240】
読取制御指示部252は、記録媒体の読み取りの制御を入力するためのデバイスであり、サーバ装置200に付属するボタンスイッチや赤外線リモコンなどで構成される。記録媒体の読み取りの制御としては、再生、停止、早送り、巻き戻しなどが考えられる。
【0241】
読取制御部253は、記録メディア読取部251または制御処理部218からの指示に基づき記録メディア読取部251を操作してデジタルデータを取得し、出力切替部253へ渡す部位である。
【0242】
図48はクライアント装置100がサーバ装置250の記録メディア読取部251を制御して、再生、停止、早送り、巻き戻しを行なう処理を表わす処理のフローチャートである。クライアント装置100では、利用者が指示入力部103に対して制御情報(再生、停止、早送り、巻き戻しなど)を入力すると(C4301)、制御データ送信部111で設定された制御情報を含む制御データが生成し(C4302)、通信部101を介してサーバ装置250へ送信する(C4303)。
【0243】
サーバ装置250では、制御データ受信部217が通信部201を介してクライアント装置100からの制御データを受信し(S4304)、設定された制御情報に従って読取制御部253は記録メディア読取部251を操作(再生、停止、早送り、巻き戻しなど)する(S4305)。
【0244】
これにより、本発明のクライアント装置100とサーバ装置250を用いて、DVDやビデオをリモートで視聴することが可能となる。
【0245】
(プログラムとしての実現)
なお、図3に示したクライアント装置100、図2に示したサーバ装置200、図47に示したサーバ装置250は、これらの装置で実行される処理を記述した処理プログラムをコンピュータに実行させることによっても実現可能である。
【0246】
この処理プログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されており、各処理は上記プログラムがコンピュータに読込まれ、実行されることによって実現される。記録媒体の例としては、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピー(R)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVDなどの光ディスクなどからなるディスク系、ICカードや光カード等のカード系、マスクROM、FPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体などいずれであってもよい。
【0247】
以上説明したように、本実施の形態における情報転送システムによれば、クライアント装置100からテレビ番組などを予約することが可能である。また、予約時間になって初めてクライアント装置100とサーバ装置200または250との通信回線を接続してテレビ番組の転送を行なうため、通信回線を有効に利用することができ、通信回線が時間課金の場合にはコストを削減することができる。さらに、テレビ番組の受信が開始されたことが利用者に報知されるので、利用者は転送されてきた番組を忘れずに視聴することができる。
【0248】
さらに、本実施の形態における情報転送システムによれば、クライアント装置100とサーバ装置200とのいずれかからのみテレビ番組を出力しないので、テレビ番組が出力される装置の台数を保証する情報転送システムを実現することができる。例えば番組の供給業者は1契約につき必ず出力が1つの機器であることを前提とした、契約条件設定や料金設定を行なうことができる。
【0249】
【発明の効果】
この発明によれば、転送開始時刻が計時されたことを条件に、情報受信装置との通信が可能な通信可能状態が確立され、通信可能状態が確立された情報受信装置に、外部より受信された情報が送信される。このため、予約された時刻になると、たとえば放送番組等の外部から受信された情報が情報受信装置に送信される。しかも、たとえば転送予約した時などの転送開始時刻が取得された時からたとえば放送番組等の外部から受信された情報が送信されるまでの間、情報転送装置と情報受信装置とを通信確立状態にしないので、情報転送装置と情報受信装置との通信に用いられるネットワーク資源を無駄に使用するのを防止することができる。例えば、ネットワーク資源が時間課金される場合には、コストを削減することができる。
【0250】
また、利用者による転送開始時刻の入力が受付けられ、入力された転送開始時刻が計時されたことが報知されるので、利用者が、情報受信装置から出力される予約した情報を見逃すのを防止することができる。
【0251】
さらに、外部から受信された情報の出力先が、出力手段と通信手段のいずれかに切換えられるので、受信された情報が、出力手段と通信手段とから同時に出力されることはない。その結果、情報の出力先を制限することができる。
【0252】
さらに、通信確立要求の受信に応じて、既に通信可能状態が確立されている情報受信装置の数が予め定められた最大機器数に達していないことが判定されたことを条件に、通信確立要求を送信した情報受信装置との通信確立状態が確立されるので、通信確立状態とされる情報受信装置の数を最大機器数以下とすることできる。このため、情報の出力先数を保証することができる。
【0253】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施形態における情報転送システムの基本構成を表わす概略図である。
【図2】本実施の形態における情報転送システムを構成するサーバ装置の構成を表わす概略図である。
【図3】本実施の形態における情報転送システムを構成するクライアント装置の構成を表わす概略図である。
【図4】サーバ装置が単体でデジタル放送データを扱うチューナーとして動作する処理のフローチャートである。
【図5】情報転送システムにおいてSIPを用いてセッション確立のイベントフローを示す図である。
【図6】クライアント装置とサーバ装置との間でセッションを確立する処理のフローチャートである。
【図7】クライアント装置がサーバ装置上の機能を指定するためのSIPアドレスの設定例の一例を示す第1の図である。
【図8】クライアント装置がサーバ装置上の機能を指定するためのSIPアドレスの設定例の一例を示す第2の図である。
【図9】IP電話番号の一般的な運用例を説明する概念図である。
【図10】クライアント装置がサーバ装置上の機能を指定するためのIP電話番号の設定例を表わす概念図である。
【図11】クライアント装置がサーバ装置上のチューナーのチャンネルを指定するためのIP電話番号の設定例を表わす概念図である。
【図12】情報INVITEを送信するイベントを構成する処理を説明する概念図である。
【図13】SIPを用いてセッション切断のイベントフローを示す図である。
【図14】クライアント装置とサーバ装置との間でセッションを切断する処理のフローチャートである。
【図15】サーバ装置からクライアント装置へストリームデータを転送する処理のフローチャートである。
【図16】サーバ装置における出力先の設定を説明するための概念図である。
【図17】サーバ装置における出力先の設定処理の変形例の流れを示すフローチャートである。
【図18】クライアント装置100がサーバ装置200のチャンネルを設定する処理のフローチャートである。
【図19】クライアント装置100が映像のズームインまたはズームアウトをサーバ装置200に指示する処理のフローチャートである。
【図20】携帯電話に備えられたテンキーとズームアップする領域との対応の一例を示す図である。
【図21】画像の縮小処理をサーバ装置で実行することの意義を説明するための図である。
【図22】ズームアップ(ズームイン)の処理をサーバ装置で実行することの意義を説明するための図である。
【図23】ズームインやズームアウトが設定された際の、サーバ装置の送信データ生成部で実行される処理のフローチャートである。
【図24】クライアント装置100がサーバ装置200に指示して出力切替部の設定を切り替える処理のフローチャートである。
【図25】クライアント装置がサーバ装置に予約時刻を設定する処理のフローチャートである。
【図26】予約時刻になったときにサーバ装置がクライアント装置へストリームデータを転送する処理のフローチャートである。
【図27】クライアント装置が予約時刻を設定する処理のフローチャートである。
【図28】予約時刻になったときにクライアント装置がサーバ装置に要求して、サーバ装置からクライアント装置へのストリームデータ送信を開始させる処理のフローチャートである。
【図29】サーバ装置からクライアント装置に対してストリームデータを送信する際のイベントフロー図である。
【図30】図29のイベント処理を行なうためのサーバ装置内の処理を表わすフローチャートである。
【図31】図29のイベント処理を行なうためのクライアント装置100内の処理を表わすフローチャートである。
【図32】2つのクライアント装置A,Bに対してマルチキャストでコンテンツを送付する場合のイベントフロー図である。
【図33】クライアントL、クライアントM、クライアントNそれぞれに対して各公開鍵でコンテンツ1を暗号化して送信するイベントを示す図である。
【図34】コンテンツを送信するためのイベント例を表わす概念図である。
【図35】クライアント装置が第2通信部を備え、サーバ装置が第2通信部を備えたストリーム情報転送システムの概略を示す図である。
【図36】図29のイベントフローの変形例を示す図である。
【図37】図29のイベントフローの別の変形例を示す図である。
【図38】デジタルデータに情報を人間に知覚できる形態で埋め込んだ一例を示す図である。
【図39】複数のフレームで構成される映像のデジタルデータに情報を埋め込む一例を示す図である。
【図40】デジタルデータに情報を人間に知覚できる形態で埋め込んだ一例を示す別の図である。
【図41】MPEG−1ビデオにおいて1枚のピクチャを圧縮処理する方法を説明する概念図である。
【図42】MPEG−1ビデオにおけるフレームの並べ替えの概念を示す。
【図43】サーバ装置から送出されたことを示す情報をMPEG−1ビデオに埋め込む処理を説明するフローチャートである。
【図44】サーバ装置から送出されたことを示す情報をMPEG−1ビデオに埋め込む処理のフローチャートである。
【図45】サーバ装置において記録すべき情報を入力し、記録すべき情報を分割して複数のIピクチャに情報を埋め込む処理を説明するフローチャートである。
【図46】クライアント装置においてサーバ装置から送出されたことを示す情報を読み出す処理を説明するフローチャートである。
【図47】図2に示したサーバ装置を変形したサーバ装置の構成を表わす概略図である。
【図48】クライアント装置が変形されたサーバ装置の記録メディア読取部を制御して、再生、停止、早送り、巻き戻しを行なう処理を表わす処理のフローチャートである。
【図49】サーバ装置における出力先の設定処理の別の変形例の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100 クライアント装置、101,201 通信部、102,203 アナログ出力部、103 指示入力部、104,206 セッション管理部、105,207 認証処理部、106 ストリームデータ受信部、107 デコード処理部、108 受領データ生成部、109 受領データ送信部、110 付加情報蓄積部、111 制御データ送信部、121,221 第2通信部、200 サーバ機器、202 アンテナ信号入力部、204 チャンネル指示部、205出力切替指示部、208 チャンネル選択部、209 スクランブル解除処理部、210 出力切替部、211 送信データ生成部、212 ストリームデータ送信部、213 デコード処理部、214 付加情報生成部、215 受領データ確認部、216 付加情報管理部、217 クライアント装置、217 制御データ受信部、218 制御処理部、219 出力先管理部、250 サーバ装置、251 記録メディア読取部、252 読取制御指示部、253 出力切替部、253 読取制御部。

Claims (17)

  1. 外部から情報を入力するための情報入力手段と、
    転送開始時刻を取得する転送開始時刻取得手段と、
    時刻を計時するタイマ手段と、
    前記タイマ手段にて前記取得された転送開始時刻が計時されたことを条件に、情報受信装置との通信が可能な通信可能状態を確立するための通信確立手段と、前記通信確立手段により通信可能状態が確立された情報受信装置に、前記情報入力手段により受信された情報を送信するための情報送信手段とを備えた、情報転送装置。
  2. 前記情報入力手段は、外部から複数種類の情報を入力し、
    前記情報入力手段から前記複数種類の情報のうちからいずれかを指定するための選択情報を取得する選択情報入力手段をさらに備え、
    前記情報送信手段は、前記情報入力手段により入力された複数種類の情報の中から前記取得された選択情報により特定される情報を送信する、請求項1に記載の情報転送装置。
  3. 利用者による転送開始時刻の入力を受付ける転送開始時刻入力手段と、
    前記転送開始時刻入力手段による転送開始時刻の入力に応じて、前記転送開始時刻を情報転送装置に送信する転送開始時刻送信手段と、
    通信開始要求を受信する通信開始要求受信手段と、
    前記通信開始要求受信手段により受信された通信開始要求が、前記転送開始時刻送信手段により送信された転送開始時刻に対応するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段による判定結果に基づいて、情報転送装置との通信が可能な通信可能状態を確立するための通信確立手段と、
    通信可能状態が確立された前記情報転送装置から情報を受信する情報受信手段と、
    前記受信された情報を出力する情報出力手段とを備えた、情報受信装置。
  4. 前記判定手段は、前記転送開始時刻送信手段により転送開始時刻が送信された情報転送装置の識別情報と、前記通信開始要求受信手段により受信された通信開始要求を出力した情報転送装置の識別情報とを比較する比較手段を含む、請求項3に記載の情報受信装置。
  5. 前記通信確立要求手段による通信確立要求の受信に応じて、前記情報転送装置から情報が受信されることを報知する報知手段をさらに備えた、請求項3または4に記載の情報受信装置。
  6. 利用者による前記情報受信手段による情報の受信許可の入力を受付けるための許可入力手段をさらに備え、
    前記通信確立手段は、前記許可入力手段による許可の入力受付を条件に、前記情報転送装置との通信が可能な通信可能状態を確立する、請求項5に記載の情報受信装置。
  7. 利用者による転送開始時刻の入力を受付ける転送開始時刻入力手段と、
    時刻を計時するタイマ手段と、
    前記タイマ手段にて前記入力された転送開始時刻が計時されたことを条件に、情報転送装置に通信確立要求を送信する通信確立要求送信手段と、
    前記通信確立要求送信手段により送信された通信確立要求に基づき情報転送装置との通信が可能な通信可能状態を確立する通信確立手段と、
    前記通信可能状態が確立された情報転送装置から情報を受信する情報受信手段と、
    前記情報受信手段により受信された情報を出力する情報出力手段とを備えた、情報受信装置。
  8. 前記タイマ手段にて前記入力された転送開始時刻が計時されたことを条件に、前記情報転送装置から情報が受信されることを報知する報知手段をさらに備えた、請求項7に記載の情報受信装置。
  9. 利用者による前記情報受信手段による情報の受信許可の入力を受付けるための許可入力手段をさらに備え、
    前記通信確立要求送信手段は、前記許可入力手段による許可の入力受付を条件に、前記情報転送装置に通信確立要求を送信する、請求項8に記載の情報受信装置。
  10. 外部から情報を入力するための情報入力手段と、
    情報を出力するための出力手段と、
    情報受信装置と通信する通信手段と、
    前記受信された情報の出力先を、前記通信手段により前記情報受信装置から受信された出力先切替情報に基づき、前記出力手段と前記通信手段のいずれかに切換える切替手段とを備えた、情報転送装置。
  11. 情報受信装置から通信確立要求を受信する通信確立要求受信手段と、
    前記通信確立要求受信手段により通信確立要求が受信されたことに応じて、該通信確立要求を送信した情報受信装置との通信が可能な通信可能状態を確立する通信確立手段とをさらに備え、
    前記切替手段は、前記通信確立要求受信手段による通信確立要求の受信に応じて、出力先を前記通信手段に切替える、請求項10に記載の情報転送装置。
  12. 情報受信装置との間で確立した通信の切断を検出する通信切断検出手段をさらに備え、
    前記切替手段は、通信切断検出手段が通信の切断を検出したときは、出力先を前記出力手段に切替える、請求項10に記載の情報転送装置。
  13. 情報受信装置から通信確立要求を受信する通信確立要求受信手段と、
    前記通信確立要求受信手段による通信確立要求の受信に応じて、前記切替手段により出力先が前記通信手段に切替えられていることを条件に、該通信確立要求を送信した情報受信装置との通信が可能な通信可能状態を確立する通信確立手段とをさらに備えた、請求項10に記載の情報転送装置。
  14. 前記通信確立手段は、同時に複数の情報受信装置と通信可能状態を確立可能であり、
    前記通信確立要求受信手段による通信確立要求の受信に応じて、既に通信可能状態が確立されている情報受信装置の数が予め定められた最大機器数に達していないことを判定する判定手段を含み、
    前記判定手段により最大機器数に達していないと判定されたことを条件に、前記通信確立要求を送信した情報受信装置との通信確立状態を確立する、請求項13に記載の情報転送装置。
  15. 前記切替手段は、通信確立状態にある情報受信装置が1以上存在するときに、出力先を前記通信手段に切替える、請求項13または14に記載の情報転送装置。
  16. 前記切替手段は、通信確立状態にある情報受信装置が存在しないときは、出力先を前記出力手段に切替える、請求項13または14に記載の情報転送装置。
  17. 請求項1〜16に記載の情報転送装置ならびに情報受信装置をコンピュータで実現するために、該コンピュータで実行される処理プログラム。
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