JP2004294892A - 電気光学装置の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線の長時間照射による弊害を防止しながらも紫外線硬化樹脂の硬化を確実に行い、作業効率を向上させることの可能な電気光学装置の製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明の電気光学装置の製造方法は、紫外線硬化性を備えたシール材15を介して2枚の基板11,12を貼り合わせる基板貼り合せ工程と、その後に、シール材15を硬化させるシール材硬化工程とを含む電気光学装置のパネル10の製造方法において、シール材硬化工程では、紫外線照射手段21による紫外線照射と、加熱用の赤外線照射手段22による赤外線照射とを並行して行うことによりシール材15を硬化させることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の電気光学装置の製造方法は、紫外線硬化性を備えたシール材15を介して2枚の基板11,12を貼り合わせる基板貼り合せ工程と、その後に、シール材15を硬化させるシール材硬化工程とを含む電気光学装置のパネル10の製造方法において、シール材硬化工程では、紫外線照射手段21による紫外線照射と、加熱用の赤外線照射手段22による赤外線照射とを並行して行うことによりシール材15を硬化させることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学装置の製造方法及び製造装置に係り、より詳しくは紫外線硬化型樹脂からなるシール材を用いた電気光学装置の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気光学装置は、シール材によって互いに貼り合わされた2枚の基板を備え、これらの2枚の基板とシール材により画成されたセル空間に電気光学物質が封入されたものを備える。
【0003】
このような電気光学装置を製造する場合には、例えば図5に示すように、まず、ガラスやプラスチックなどで構成される基板11,12の内面上に、ITO(インジウムスズ酸化物)その他の透明導電体などの電極及び配線を構成する導電パターンを有し、必要に応じてTFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)などのスイッチング素子や配向膜、カラーフィルタなどを含む内面構造を形成する。その後、一方の基板11に注入口を設けた所定の枠状にシール材を塗布または印刷し、必要に応じてシール材を仮焼成する。また、必要に応じて2枚の基板のうちのどちらか一方の基板にスペーサを散布し、その後、2枚の基板を貼り合わせる。しかる後に、シール材を硬化させ、電気光学装置のセル構造が形成される。
【0004】
このようにしてセル構造が形成されたら、次に、セルの注入口を電気光学物質皿に真空下で浸漬し、その後、複圧することなどによりシール材で設けられた電気光学物質注入口を通じてセル構造内に電気光学物質を注入する。この後、電気光学装置をセル厚が均一となるように加圧し、注入口から溢れる余剰の電気光学物質を払拭し、電気光学物質注入口に封止材を塗布し、紫外線照射等によって封止材を硬化させるといった電気光学物質封入工程を実施する。これにより、セル空間内に電気光学物質が封止される。
【0005】
ここで、シール材としては熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂が使用されるが、熱硬化性樹脂を使用した場合、シール材硬化処理だけで4時間以上を要するため、作業時間の短縮などのため、紫外線硬化樹脂が多用されるようになった。紫外線硬化樹脂を使用した場合、紫外線の照射だけでも硬化しないことはないが、紫外線照射だけでは充分な硬化度を得ることが困難であり、また、紫外線照射を長時間行うことによって電気光学物質や配向膜などに悪影響を及ぼす可能性がある。そこで、図5に示すように、紫外線照射処理の後に、熱風炉(クリーンオーブン)などにより加熱処理を行う方法が一般的である(特許文献1、2参照)。
【0006】
また、他の電気光学装置の製造方法としては、図6に示すように、シール材として紫外線硬化樹脂を用い、これを対向する2枚の基板11,12のうち一方の基板11の内側面にディスペンサまたは印刷などにより額縁状にシール材を配置し、その額縁状のシール材の内側、或いは、これに対向する基板12の対応位置に電気光学物質を滴下し、真空下で2枚の基板を重ね合わせ、周囲の圧力を戻すことにより密着させるといった、基板貼り合わせ工程を実施するものがある。この場合でも、基板貼り合せ後に紫外線を照射し、シール材を硬化させるが、このシール材硬化工程では、先に説明した方法と同様に、紫外線照射処理の後に加熱処理が行われる。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−127174号公報
【特許文献2】
特開2002−98975号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、紫外線照射後に、加熱処理を行う方法では、処理内容の異なる2つの段階を必要とするため、電気光学装置の移し変え作業などが余分に必要となり、生産性が低下するという問題点がある。また、シール材硬化工程に必要な設備が多くなり、工程の設備費の増大や装置の設置面積の増大を招くという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、紫外線の長時間照射による弊害を防止しながらも紫外線硬化樹脂の硬化を確実に行うことができ、しかも、生産性の向上及び工程の設備費や装置の設置面積の低減を図ることのできる電気光学装置の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、発明者らは種々の検討の結果、シール材硬化工程において紫外線と赤外線を並行して照射することにより、紫外線硬化樹脂の硬化を確実に行うことができ、しかも、生産性の向上、工程の設備費や装置の設置面積を低減することができることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明の電気光学装置の製造方法は、紫外線硬化性を備えたシール材を介して2枚の基板を貼り合わせる基板貼り合せ工程と、その後に、前記シール材を硬化させるシール材硬化工程とを含む電気光学装置の製造方法において、前記シール材硬化工程では、紫外線照射手段による紫外線照射と、加熱用の赤外線照射手段による赤外線照射とを並行して行うことにより前記シール材を硬化させることを特徴とする。
【0012】
この方法により、シール材としての紫外線硬化樹脂の硬化を確実に行うことができるとともに、シール材硬化工程を1段階の処理で行うことができる。ここで、赤外線照射手段としては、赤外線ランプに限らず、遠赤外線を放出する発熱体(たとえば抵抗加熱式のヒータ)なども含まれ、結果として赤外線を照射できる手段(放射熱を与えることのできる手段)であればよい。赤外線照射手段は、ガラス基板などの内側に配置されたシール材を効率的に加熱することができる。
【0013】
本発明において、前記紫外線照射と前記赤外線照射とを同時に開始することが好ましい。紫外線照射と赤外線照射とを同時に開始することによって、シール材の紫外線硬化と、シール材の加熱処理とを同時に行うことができる。この場合、通常、紫外線硬化反応が先行して行われ、赤外線照射による温度上昇は徐々に生じてくるので、熱硬化反応は実質的には紫外線硬化反応の後に開始されることになる。このとき、紫外線硬化反応の後に熱硬化反応が続けて生ずることになるため、硬化処理効率が向上し、より短時間に処理を完了させることが可能になる。
【0014】
本発明において、前記紫外線照射と前記赤外線照射とを並行して行った後に、前記紫外線照射を先に停止することが好ましい。通常、紫外線照射による上述の弊害を低減するために、紫外線照射時間は短く設定される。したがって、紫外線照射と赤外線照射とを並行して行った後に、たとえば、紫外線照射手段の消灯や紫外線の遮蔽などにより紫外線照射を先に停止することにより、そのまま赤外線照射のみが継続して行われることになり、加熱処理への移行がスムーズに行われる。
【0015】
たとえば、電気光学装置のシール材として使用される紫外線硬化型樹脂は、商品によって異なるが、一般的に、紫外線照射は2000〜4000mJ/cm2(100mW/cm2で20〜40秒)程度のエネルギーを要する。また、このシール材は、上記の紫外線照射に加えて、さらに例えば110〜120℃で60〜90分程度の加熱処理を受けることにより、安定した硬化度を得ることができる。したがって、本発明に関して言えば、例えば紫外線照射と赤外線照射を同時に照射して紫外線照射を20〜40秒程度で停止し、赤外線照射をさらに60〜90分程度継続することによりシール材としての紫外線硬化樹脂の硬化を確実に行うことができる。
【0016】
次に、本発明の電気光学装置の製造装置は、紫外線硬化性を備えたシール材を介して2枚の基板を貼り合わせてなるセル構造に対して、前記シール材を硬化させるシール材硬化処理を行う電気光学装置の製造装置において、紫外線照射を行う紫外線照射手段と、加熱用の赤外線照射を行う赤外線照射手段とを有し、前記紫外線照射手段による前記紫外線照射と、前記赤外線照射手段による前記赤外線照射とを同時に実施可能な共通処理領域を有することを特徴とする。この発明は、換言すれば、紫外線照射手段による紫外線照射範囲と、赤外線照射手段による赤外線照射範囲とが上記共通処理領域において重なるものである。この場合に、上記セル構造の一方側から紫外線照射と赤外線照射とを同時に実施可能に構成してもよく、或いはまた、セル構造の一方側から紫外線照射が行われ、セル構造の他方側から赤外線照射が行われるように構成してもよい。この発明によれば、作業効率の向上及び製造装置のコンパクト化に大きく寄与することができる。
【0017】
本発明において、前記紫外線照射手段及び前記赤外線照射手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記紫外線照射手段による前記紫外線照射と、前記赤外線照射手段による前記赤外線照射とを並行して行うことが好ましい。
【0018】
本発明において、前記制御手段は、前記紫外線照射と前記赤外線照射とを同時に開始することが好ましい。
【0019】
本発明において、前記紫外線照射と前記赤外線照射とを並行して行った後に、前記紫外線照射を先に停止することが好ましい。
【0020】
本発明において、前記共通処理領域とは別に、前記赤外線照射のみを実施可能な加熱処理領域を有することが好ましい。これによって、紫外線照射と赤外線照射とを並行して行う処理と、赤外線照射のみを行う処理とを適宜に選択できる。
【0021】
本発明において、前記セル構造を前記共通処理領域から前記加熱処理領域へ移動させる移動手段を有することが望ましい。これによって、当初は共通処理領域においてシール材に対して紫外線照射と赤外線照射とを並行して施し、その後、移動手段によって加熱処理領域に移動させることによって、シール材に対して赤外線照射のみを施すことができる。ここで、移動手段としては、処理対象物(セル構造)を移動させるコンベアなどの各種移動機構が挙げられる。
【0022】
なお、上記の電気光学装置の製造方法としては、上記基板貼り合せ工程で、2枚の基板のうち、一方の基板の内側となる面上に紫外線硬化型樹脂からなるシール材を所望の額縁形状に形成させ、この額縁形状の内側または他方の基板の内側となる面上に電気光学物質を滴下し、2枚の基板をシール材を介して貼り合わせる場合がある。このように、対向する2枚の基板のうち一方の基板の内側面にシール材で額縁を形成させ、額縁内に電気光学物質を滴下し、真空下で2枚の基板を重ね合わせて、複圧後シール材を硬化させ、電気光学物質を充填させる電気光学装置の製造法は、電気光学装置のパネル(セル)形成後電気光学物質を注入し、注入口を封止する製造法に比し、工程数が少なく、作業時間を短縮でき、加圧装置を必要としないなどのメリットがある。この電気光学物質を滴下する電気光学装置の製造法の場合、シール材を熱硬化性樹脂でなく、紫外線硬化型樹脂にすることにより作業時間を短縮化できるが、さらに本発明を採用することにより、さらなる作業効率の向上を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、実施例においては電気光学装置として液晶装置を例にとって説明するが、本発明の適用範囲はそれに限られるものではなく、例えばエレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電界放出表示装置、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置などの電気光学装置にも適用が可能である。
【0024】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る液晶装置の製造装置20の模式的な構成図である。本実施形態の処理対象物としての液晶パネル(セル構造)10は、上述の図5又は図6に示す製造過程に従ってシール材硬化工程前までの工程が実施されることにより構成されたものである。この液晶パネル10は、シール材15を介して基板11と12とが貼り合わされてなる。基板11の内面上には、ITO(インジウムスズ酸化物)などの透明導電体で構成された電極や配線などの導体パターンを備え、さらに必要に応じて、形成されるTFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)などのスイッチング素子やカラーフィルタなどを含む内面構造13が形成されている。また、他方の基板12の内面上にも、上記と同様の内面構造14が形成されている。
【0025】
ここで、上記図5に示す製造工程による場合には、基板11,12とシール材15によって囲まれた空間は空状態であり、上記図6に示す製造工程による場合には液晶16が封入されている。すなわち、上記処理対象物である液晶パネル10には、液晶16が封入されていることを前提に図示してあるが、液晶16が封入されていない状態(空セル状態)であっても構わない。
【0026】
シール材15は、紫外線硬化性を備えた合成樹脂であり、たとえば、変性アクリレートなどのアクリル系樹脂が用いられる。推奨される硬化条件は、紫外線照射量として、波長365nm又は405nmの光を基準とした場合、光照射量が2000mJ〜4000mJ/cm2程度、また、加熱処理量としては、110〜120℃で60〜90分程度である。外観は白色若しくは乳白色、或いは、僅かに黄色や褐色を帯びた白色若しくは乳白色である。また、未硬化状態における粘度は、170〜550Pa・s(25℃のとき)程度である。
【0027】
本実施形態の製造装置20は、処理対象物(液晶パネル10)が設置される基台27の上方に配置される水銀灯などの紫外線照射手段21と、赤外線ランプ、加熱ヒータなどの赤外線照射手段22とを有する。紫外線照射手段21及び赤外線照射手段22の上方には反射鏡25が配置され、両照射手段から放出された光が液晶パネル10に均一に当るように設定される。紫外線照射手段21及び赤外線照射手段22の照射エネルギーや照射距離は、上記の硬化条件に合うように調節する。例えば紫外線照射手段21の照射エネルギー密度は100mW/cm2程度になるように設定され、赤外線照射手段22の放射エネルギー密度は、液晶パネル10が110〜120℃程度になるように調節される。
【0028】
なお、処理対象物である液晶パネル10の上部(あるいは上方)には液晶パネル10の内部に充填されている液晶16又は配向膜などの内面構造13、14の紫外線照射による損傷を防止するため、紫外線をカットする遮光マスク(図示せず)を配置することが好ましい。また、シール材を硬化させるための紫外線よりも高エネルギーの光(たとえば330nm未満の光など)をカットするフィルタを液晶パネル10上に全面的に配置してもよい。
【0029】
上記の製造装置20においては、基台27上に液晶パネル10を設置した後、紫外線ランプ21と赤外線ランプ22を同時に点灯する。紫外線照射手段21は、シール材15に必要な紫外線照射量を与える時間(例えば20〜40秒)経過後に消灯し、赤外線照射手段22は照射を継続する。そして、シール材15の加熱処理に必要な時間(例えば60〜90分)を経過した後赤外線照射手段22も消灯し、または、液晶パネル10を基台27上から取り出す。なおこの場合、紫外線照射手段21や赤外線照射手段22を点灯及び消灯させるのではなく、遮蔽板(図示せず)などの遮蔽手段を動作させて光を通過させたり遮蔽したりしてもよい。
【0030】
上記のようにしてシール材の硬化処理を行うことにより、従来のように2段階の処理方法に較べて処理対象物の出し入れなどの作業が不要になるため、作業効率の向上を図ることができ、また、単一の装置で処理することができるため、設備費用の削減及び装置の設置面積の低減を図ることができる。
【0031】
[第2実施形態]
図2は本発明の第2実施形態に係る液晶装置の製造装置30の模式的な構成図である。この製造装置30は、液晶パネル10を構成する2枚の基板11、12が共に透明な場合に適用することができる。この装置30では、処理対象物の一側(図示下側)に紫外線照射手段31が配置され、処理対象物の他側(図示上側)に赤外線照射手段22が配置されている。処理対象物(液晶パネル10)は基台37上に配置される。基台37には、紫外線照射手段31により照射される紫外線を透過する光学開口部37aが設けられている。光学開口部37aとしては、ガラス板などを用いることができる。この装置においても、紫外線照射手段31と赤外線照射手段32を同時に処理対象物に対して光を照射し始め、紫外線照射手段31は所要時間経過後光照射を停止し、赤外線照射手段32はその後も光照射を継続し、加熱所要時間経過後に、光照射を停止する。
【0032】
この装置によれば、処理対象物の一側から紫外線を照射し、他側から赤外線を照射しているため、紫外線照射手段と赤外線照射手段との物理的な抵触を考慮する必要がなくなることから、紫外線及び赤外線をより均一にシール材に対して照射することが可能になる。この場合、ガラス板などの光透過材に対する赤外線透過率を考慮すると、処理対象物に直接赤外線を照射できるように、上記のように上方殻赤外線照射を行い、下方から紫外線照射を行う構成とすることが加熱効率を高める上で好ましい。なお、紫外線照射手段31と赤外線照射手段32を共に、処理対象物である液晶パネル10の両側(図示上方及び下方)にそれぞれ設置しても構わない。これによって、紫外線及び赤外線を共に表裏から照射することができ、照射効率が向上して、迅速に処理を行うことができる。
【0033】
[第3実施形態]
図3は本発明に係る第3実施形態の液晶装置の製造装置40の模式的な構成図である。この実施形態では、装置内において、紫外線照射手段41及び赤外線照射手段42を有する共通照射部40Aと、赤外線照射手段43を有する加熱照射部40Bとが設けられ、これに対応して、紫外線と赤外線の双方が照射される共通処理領域R1と、赤外線のみが照射される加熱処理領域R2とが設けられている。共通照射部40Aには、紫外線照射手段41及び赤外線照射手段42から放出される光を反射する反射鏡45が配置されている。また、加熱照射部40Bには、赤外線照射手段43の放出する光を反射する反射鏡46が配置されている。
【0034】
この装置40によれば、共通処理領域R1に液晶パネル10を配置することによって紫外線硬化処理と加熱硬化処理の双方を行うことができ、また、加熱処理領域R2に液晶パネル10を配置することによって加熱硬化処理のみを行うことができる。したがって、最初に共通処理領域R1に液晶パネル10を配置し、紫外線硬化に必要な時間が終了した後に、加熱処理領域R2に液晶パネル10を配置することにより、加熱処理を継続することができる。また、液晶パネル10を加熱処理領域R2に移動させた後に、別の液晶パネル10を共通処理領域R1に配置して処理するなど、複数の液晶パネル10を装置内において並行して処理することも可能である。
【0035】
本実施形態では、共通処理領域R1から加熱処理領域R2に向けて処理対象物を移動させることの可能な移動手段(コンベアなど)が設けられている。この移動手段には、たとえば、図示例のようにコンベアベルト47及びガイドローラ(或いは駆動ローラ)48が設けられる。
【0036】
上記の移動手段を設けることにより、液晶パネル10を最初に共通処理領域R1に投入し、移動手段によって共通処理領域R1において徐々に移動させながら紫外線照射及び赤外線照射を並行して行い、その後、所定時間が経過すると、液晶パネル10が加熱処理領域R2に導入され、紫外線照射が停止されて赤外線のみが照射されるようにすることができる。これによって、複数の処理対象物、すなわち液晶パネル10を連続投入して連続的に処理していくことが可能になる。
【0037】
上記のような処理を行う場合には、移動手段による移動時間と、共通処理領域R1及び加熱処理領域R2の移動方向の距離とを、処理条件に合致するように設定すればよい。
【0038】
[第4実施形態]
最後に、図4を参照して、本発明に係る第4実施形態について説明する。この実施形態の装置50は基本的に第3実施形態とほぼ同様の構成を有し、共通照射部50Aと加熱照射部50Bを有し、これらに対応して共通処理領域R1及び加熱処理領域R2を備えている。加熱照射部50Bの赤外線照射手段53及び反射鏡56は上記第3実施形態と同様である。また、移動手段として、上記第3実施形態と同様のコンベアベルト57及び案内ローラ(駆動ローラ)58を有する。
【0039】
この実施形態が第3実施形態と異なる点は、共通照射部50Aにおいて、紫外線照射手段51と赤外線照射手段52が処理対象物の配置される位置に対して相互に反対側にそれぞれ配置されている点にある。図示例では、共通照射部50Aにおいて、液晶パネル10の一側(図示下方)に紫外線照射手段51及び反射鏡54が配置され、液晶パネル10の他側(図示下方)に赤外線照射手段52及び反射鏡55が配置されている。
【0040】
この実施形態では、加熱処理部50Bにおいて、紫外線照射手段51から放射される紫外線をカットする遮光板59が配置されている。この遮光板59によって、加熱処理領域R2に導入された液晶パネル10に対して、共通処理領域R1から漏れた紫外線が照射されないように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の液晶装置の製造装置の模式的な構成図。
【図2】第2実施形態の液晶装置の製造装置の模式的な構成図。
【図3】第3実施形態の液晶装置の製造装置の模式的な構成図。
【図4】第4実施形態の液晶装置の製造装置の模式的な構成図。
【図5】液晶装置の製造過程を示す概略フローチャート。
【図6】液晶装置の別の製造過程を示す概略フローチャート。
【符号の説明】
10…液晶パネル、11,12…基板、13,14…内面構造、15…シール材、16…液晶、20…製造装置、21…紫外線照射手段、22…赤外線照射手段、25…反射鏡、47…コンベアベルト、48…案内ローラ(駆動ローラ)
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学装置の製造方法及び製造装置に係り、より詳しくは紫外線硬化型樹脂からなるシール材を用いた電気光学装置の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電気光学装置は、シール材によって互いに貼り合わされた2枚の基板を備え、これらの2枚の基板とシール材により画成されたセル空間に電気光学物質が封入されたものを備える。
【0003】
このような電気光学装置を製造する場合には、例えば図5に示すように、まず、ガラスやプラスチックなどで構成される基板11,12の内面上に、ITO(インジウムスズ酸化物)その他の透明導電体などの電極及び配線を構成する導電パターンを有し、必要に応じてTFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)などのスイッチング素子や配向膜、カラーフィルタなどを含む内面構造を形成する。その後、一方の基板11に注入口を設けた所定の枠状にシール材を塗布または印刷し、必要に応じてシール材を仮焼成する。また、必要に応じて2枚の基板のうちのどちらか一方の基板にスペーサを散布し、その後、2枚の基板を貼り合わせる。しかる後に、シール材を硬化させ、電気光学装置のセル構造が形成される。
【0004】
このようにしてセル構造が形成されたら、次に、セルの注入口を電気光学物質皿に真空下で浸漬し、その後、複圧することなどによりシール材で設けられた電気光学物質注入口を通じてセル構造内に電気光学物質を注入する。この後、電気光学装置をセル厚が均一となるように加圧し、注入口から溢れる余剰の電気光学物質を払拭し、電気光学物質注入口に封止材を塗布し、紫外線照射等によって封止材を硬化させるといった電気光学物質封入工程を実施する。これにより、セル空間内に電気光学物質が封止される。
【0005】
ここで、シール材としては熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂が使用されるが、熱硬化性樹脂を使用した場合、シール材硬化処理だけで4時間以上を要するため、作業時間の短縮などのため、紫外線硬化樹脂が多用されるようになった。紫外線硬化樹脂を使用した場合、紫外線の照射だけでも硬化しないことはないが、紫外線照射だけでは充分な硬化度を得ることが困難であり、また、紫外線照射を長時間行うことによって電気光学物質や配向膜などに悪影響を及ぼす可能性がある。そこで、図5に示すように、紫外線照射処理の後に、熱風炉(クリーンオーブン)などにより加熱処理を行う方法が一般的である(特許文献1、2参照)。
【0006】
また、他の電気光学装置の製造方法としては、図6に示すように、シール材として紫外線硬化樹脂を用い、これを対向する2枚の基板11,12のうち一方の基板11の内側面にディスペンサまたは印刷などにより額縁状にシール材を配置し、その額縁状のシール材の内側、或いは、これに対向する基板12の対応位置に電気光学物質を滴下し、真空下で2枚の基板を重ね合わせ、周囲の圧力を戻すことにより密着させるといった、基板貼り合わせ工程を実施するものがある。この場合でも、基板貼り合せ後に紫外線を照射し、シール材を硬化させるが、このシール材硬化工程では、先に説明した方法と同様に、紫外線照射処理の後に加熱処理が行われる。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−127174号公報
【特許文献2】
特開2002−98975号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、紫外線照射後に、加熱処理を行う方法では、処理内容の異なる2つの段階を必要とするため、電気光学装置の移し変え作業などが余分に必要となり、生産性が低下するという問題点がある。また、シール材硬化工程に必要な設備が多くなり、工程の設備費の増大や装置の設置面積の増大を招くという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、紫外線の長時間照射による弊害を防止しながらも紫外線硬化樹脂の硬化を確実に行うことができ、しかも、生産性の向上及び工程の設備費や装置の設置面積の低減を図ることのできる電気光学装置の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、発明者らは種々の検討の結果、シール材硬化工程において紫外線と赤外線を並行して照射することにより、紫外線硬化樹脂の硬化を確実に行うことができ、しかも、生産性の向上、工程の設備費や装置の設置面積を低減することができることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明の電気光学装置の製造方法は、紫外線硬化性を備えたシール材を介して2枚の基板を貼り合わせる基板貼り合せ工程と、その後に、前記シール材を硬化させるシール材硬化工程とを含む電気光学装置の製造方法において、前記シール材硬化工程では、紫外線照射手段による紫外線照射と、加熱用の赤外線照射手段による赤外線照射とを並行して行うことにより前記シール材を硬化させることを特徴とする。
【0012】
この方法により、シール材としての紫外線硬化樹脂の硬化を確実に行うことができるとともに、シール材硬化工程を1段階の処理で行うことができる。ここで、赤外線照射手段としては、赤外線ランプに限らず、遠赤外線を放出する発熱体(たとえば抵抗加熱式のヒータ)なども含まれ、結果として赤外線を照射できる手段(放射熱を与えることのできる手段)であればよい。赤外線照射手段は、ガラス基板などの内側に配置されたシール材を効率的に加熱することができる。
【0013】
本発明において、前記紫外線照射と前記赤外線照射とを同時に開始することが好ましい。紫外線照射と赤外線照射とを同時に開始することによって、シール材の紫外線硬化と、シール材の加熱処理とを同時に行うことができる。この場合、通常、紫外線硬化反応が先行して行われ、赤外線照射による温度上昇は徐々に生じてくるので、熱硬化反応は実質的には紫外線硬化反応の後に開始されることになる。このとき、紫外線硬化反応の後に熱硬化反応が続けて生ずることになるため、硬化処理効率が向上し、より短時間に処理を完了させることが可能になる。
【0014】
本発明において、前記紫外線照射と前記赤外線照射とを並行して行った後に、前記紫外線照射を先に停止することが好ましい。通常、紫外線照射による上述の弊害を低減するために、紫外線照射時間は短く設定される。したがって、紫外線照射と赤外線照射とを並行して行った後に、たとえば、紫外線照射手段の消灯や紫外線の遮蔽などにより紫外線照射を先に停止することにより、そのまま赤外線照射のみが継続して行われることになり、加熱処理への移行がスムーズに行われる。
【0015】
たとえば、電気光学装置のシール材として使用される紫外線硬化型樹脂は、商品によって異なるが、一般的に、紫外線照射は2000〜4000mJ/cm2(100mW/cm2で20〜40秒)程度のエネルギーを要する。また、このシール材は、上記の紫外線照射に加えて、さらに例えば110〜120℃で60〜90分程度の加熱処理を受けることにより、安定した硬化度を得ることができる。したがって、本発明に関して言えば、例えば紫外線照射と赤外線照射を同時に照射して紫外線照射を20〜40秒程度で停止し、赤外線照射をさらに60〜90分程度継続することによりシール材としての紫外線硬化樹脂の硬化を確実に行うことができる。
【0016】
次に、本発明の電気光学装置の製造装置は、紫外線硬化性を備えたシール材を介して2枚の基板を貼り合わせてなるセル構造に対して、前記シール材を硬化させるシール材硬化処理を行う電気光学装置の製造装置において、紫外線照射を行う紫外線照射手段と、加熱用の赤外線照射を行う赤外線照射手段とを有し、前記紫外線照射手段による前記紫外線照射と、前記赤外線照射手段による前記赤外線照射とを同時に実施可能な共通処理領域を有することを特徴とする。この発明は、換言すれば、紫外線照射手段による紫外線照射範囲と、赤外線照射手段による赤外線照射範囲とが上記共通処理領域において重なるものである。この場合に、上記セル構造の一方側から紫外線照射と赤外線照射とを同時に実施可能に構成してもよく、或いはまた、セル構造の一方側から紫外線照射が行われ、セル構造の他方側から赤外線照射が行われるように構成してもよい。この発明によれば、作業効率の向上及び製造装置のコンパクト化に大きく寄与することができる。
【0017】
本発明において、前記紫外線照射手段及び前記赤外線照射手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記紫外線照射手段による前記紫外線照射と、前記赤外線照射手段による前記赤外線照射とを並行して行うことが好ましい。
【0018】
本発明において、前記制御手段は、前記紫外線照射と前記赤外線照射とを同時に開始することが好ましい。
【0019】
本発明において、前記紫外線照射と前記赤外線照射とを並行して行った後に、前記紫外線照射を先に停止することが好ましい。
【0020】
本発明において、前記共通処理領域とは別に、前記赤外線照射のみを実施可能な加熱処理領域を有することが好ましい。これによって、紫外線照射と赤外線照射とを並行して行う処理と、赤外線照射のみを行う処理とを適宜に選択できる。
【0021】
本発明において、前記セル構造を前記共通処理領域から前記加熱処理領域へ移動させる移動手段を有することが望ましい。これによって、当初は共通処理領域においてシール材に対して紫外線照射と赤外線照射とを並行して施し、その後、移動手段によって加熱処理領域に移動させることによって、シール材に対して赤外線照射のみを施すことができる。ここで、移動手段としては、処理対象物(セル構造)を移動させるコンベアなどの各種移動機構が挙げられる。
【0022】
なお、上記の電気光学装置の製造方法としては、上記基板貼り合せ工程で、2枚の基板のうち、一方の基板の内側となる面上に紫外線硬化型樹脂からなるシール材を所望の額縁形状に形成させ、この額縁形状の内側または他方の基板の内側となる面上に電気光学物質を滴下し、2枚の基板をシール材を介して貼り合わせる場合がある。このように、対向する2枚の基板のうち一方の基板の内側面にシール材で額縁を形成させ、額縁内に電気光学物質を滴下し、真空下で2枚の基板を重ね合わせて、複圧後シール材を硬化させ、電気光学物質を充填させる電気光学装置の製造法は、電気光学装置のパネル(セル)形成後電気光学物質を注入し、注入口を封止する製造法に比し、工程数が少なく、作業時間を短縮でき、加圧装置を必要としないなどのメリットがある。この電気光学物質を滴下する電気光学装置の製造法の場合、シール材を熱硬化性樹脂でなく、紫外線硬化型樹脂にすることにより作業時間を短縮化できるが、さらに本発明を採用することにより、さらなる作業効率の向上を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、実施例においては電気光学装置として液晶装置を例にとって説明するが、本発明の適用範囲はそれに限られるものではなく、例えばエレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電界放出表示装置、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置などの電気光学装置にも適用が可能である。
【0024】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る液晶装置の製造装置20の模式的な構成図である。本実施形態の処理対象物としての液晶パネル(セル構造)10は、上述の図5又は図6に示す製造過程に従ってシール材硬化工程前までの工程が実施されることにより構成されたものである。この液晶パネル10は、シール材15を介して基板11と12とが貼り合わされてなる。基板11の内面上には、ITO(インジウムスズ酸化物)などの透明導電体で構成された電極や配線などの導体パターンを備え、さらに必要に応じて、形成されるTFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)などのスイッチング素子やカラーフィルタなどを含む内面構造13が形成されている。また、他方の基板12の内面上にも、上記と同様の内面構造14が形成されている。
【0025】
ここで、上記図5に示す製造工程による場合には、基板11,12とシール材15によって囲まれた空間は空状態であり、上記図6に示す製造工程による場合には液晶16が封入されている。すなわち、上記処理対象物である液晶パネル10には、液晶16が封入されていることを前提に図示してあるが、液晶16が封入されていない状態(空セル状態)であっても構わない。
【0026】
シール材15は、紫外線硬化性を備えた合成樹脂であり、たとえば、変性アクリレートなどのアクリル系樹脂が用いられる。推奨される硬化条件は、紫外線照射量として、波長365nm又は405nmの光を基準とした場合、光照射量が2000mJ〜4000mJ/cm2程度、また、加熱処理量としては、110〜120℃で60〜90分程度である。外観は白色若しくは乳白色、或いは、僅かに黄色や褐色を帯びた白色若しくは乳白色である。また、未硬化状態における粘度は、170〜550Pa・s(25℃のとき)程度である。
【0027】
本実施形態の製造装置20は、処理対象物(液晶パネル10)が設置される基台27の上方に配置される水銀灯などの紫外線照射手段21と、赤外線ランプ、加熱ヒータなどの赤外線照射手段22とを有する。紫外線照射手段21及び赤外線照射手段22の上方には反射鏡25が配置され、両照射手段から放出された光が液晶パネル10に均一に当るように設定される。紫外線照射手段21及び赤外線照射手段22の照射エネルギーや照射距離は、上記の硬化条件に合うように調節する。例えば紫外線照射手段21の照射エネルギー密度は100mW/cm2程度になるように設定され、赤外線照射手段22の放射エネルギー密度は、液晶パネル10が110〜120℃程度になるように調節される。
【0028】
なお、処理対象物である液晶パネル10の上部(あるいは上方)には液晶パネル10の内部に充填されている液晶16又は配向膜などの内面構造13、14の紫外線照射による損傷を防止するため、紫外線をカットする遮光マスク(図示せず)を配置することが好ましい。また、シール材を硬化させるための紫外線よりも高エネルギーの光(たとえば330nm未満の光など)をカットするフィルタを液晶パネル10上に全面的に配置してもよい。
【0029】
上記の製造装置20においては、基台27上に液晶パネル10を設置した後、紫外線ランプ21と赤外線ランプ22を同時に点灯する。紫外線照射手段21は、シール材15に必要な紫外線照射量を与える時間(例えば20〜40秒)経過後に消灯し、赤外線照射手段22は照射を継続する。そして、シール材15の加熱処理に必要な時間(例えば60〜90分)を経過した後赤外線照射手段22も消灯し、または、液晶パネル10を基台27上から取り出す。なおこの場合、紫外線照射手段21や赤外線照射手段22を点灯及び消灯させるのではなく、遮蔽板(図示せず)などの遮蔽手段を動作させて光を通過させたり遮蔽したりしてもよい。
【0030】
上記のようにしてシール材の硬化処理を行うことにより、従来のように2段階の処理方法に較べて処理対象物の出し入れなどの作業が不要になるため、作業効率の向上を図ることができ、また、単一の装置で処理することができるため、設備費用の削減及び装置の設置面積の低減を図ることができる。
【0031】
[第2実施形態]
図2は本発明の第2実施形態に係る液晶装置の製造装置30の模式的な構成図である。この製造装置30は、液晶パネル10を構成する2枚の基板11、12が共に透明な場合に適用することができる。この装置30では、処理対象物の一側(図示下側)に紫外線照射手段31が配置され、処理対象物の他側(図示上側)に赤外線照射手段22が配置されている。処理対象物(液晶パネル10)は基台37上に配置される。基台37には、紫外線照射手段31により照射される紫外線を透過する光学開口部37aが設けられている。光学開口部37aとしては、ガラス板などを用いることができる。この装置においても、紫外線照射手段31と赤外線照射手段32を同時に処理対象物に対して光を照射し始め、紫外線照射手段31は所要時間経過後光照射を停止し、赤外線照射手段32はその後も光照射を継続し、加熱所要時間経過後に、光照射を停止する。
【0032】
この装置によれば、処理対象物の一側から紫外線を照射し、他側から赤外線を照射しているため、紫外線照射手段と赤外線照射手段との物理的な抵触を考慮する必要がなくなることから、紫外線及び赤外線をより均一にシール材に対して照射することが可能になる。この場合、ガラス板などの光透過材に対する赤外線透過率を考慮すると、処理対象物に直接赤外線を照射できるように、上記のように上方殻赤外線照射を行い、下方から紫外線照射を行う構成とすることが加熱効率を高める上で好ましい。なお、紫外線照射手段31と赤外線照射手段32を共に、処理対象物である液晶パネル10の両側(図示上方及び下方)にそれぞれ設置しても構わない。これによって、紫外線及び赤外線を共に表裏から照射することができ、照射効率が向上して、迅速に処理を行うことができる。
【0033】
[第3実施形態]
図3は本発明に係る第3実施形態の液晶装置の製造装置40の模式的な構成図である。この実施形態では、装置内において、紫外線照射手段41及び赤外線照射手段42を有する共通照射部40Aと、赤外線照射手段43を有する加熱照射部40Bとが設けられ、これに対応して、紫外線と赤外線の双方が照射される共通処理領域R1と、赤外線のみが照射される加熱処理領域R2とが設けられている。共通照射部40Aには、紫外線照射手段41及び赤外線照射手段42から放出される光を反射する反射鏡45が配置されている。また、加熱照射部40Bには、赤外線照射手段43の放出する光を反射する反射鏡46が配置されている。
【0034】
この装置40によれば、共通処理領域R1に液晶パネル10を配置することによって紫外線硬化処理と加熱硬化処理の双方を行うことができ、また、加熱処理領域R2に液晶パネル10を配置することによって加熱硬化処理のみを行うことができる。したがって、最初に共通処理領域R1に液晶パネル10を配置し、紫外線硬化に必要な時間が終了した後に、加熱処理領域R2に液晶パネル10を配置することにより、加熱処理を継続することができる。また、液晶パネル10を加熱処理領域R2に移動させた後に、別の液晶パネル10を共通処理領域R1に配置して処理するなど、複数の液晶パネル10を装置内において並行して処理することも可能である。
【0035】
本実施形態では、共通処理領域R1から加熱処理領域R2に向けて処理対象物を移動させることの可能な移動手段(コンベアなど)が設けられている。この移動手段には、たとえば、図示例のようにコンベアベルト47及びガイドローラ(或いは駆動ローラ)48が設けられる。
【0036】
上記の移動手段を設けることにより、液晶パネル10を最初に共通処理領域R1に投入し、移動手段によって共通処理領域R1において徐々に移動させながら紫外線照射及び赤外線照射を並行して行い、その後、所定時間が経過すると、液晶パネル10が加熱処理領域R2に導入され、紫外線照射が停止されて赤外線のみが照射されるようにすることができる。これによって、複数の処理対象物、すなわち液晶パネル10を連続投入して連続的に処理していくことが可能になる。
【0037】
上記のような処理を行う場合には、移動手段による移動時間と、共通処理領域R1及び加熱処理領域R2の移動方向の距離とを、処理条件に合致するように設定すればよい。
【0038】
[第4実施形態]
最後に、図4を参照して、本発明に係る第4実施形態について説明する。この実施形態の装置50は基本的に第3実施形態とほぼ同様の構成を有し、共通照射部50Aと加熱照射部50Bを有し、これらに対応して共通処理領域R1及び加熱処理領域R2を備えている。加熱照射部50Bの赤外線照射手段53及び反射鏡56は上記第3実施形態と同様である。また、移動手段として、上記第3実施形態と同様のコンベアベルト57及び案内ローラ(駆動ローラ)58を有する。
【0039】
この実施形態が第3実施形態と異なる点は、共通照射部50Aにおいて、紫外線照射手段51と赤外線照射手段52が処理対象物の配置される位置に対して相互に反対側にそれぞれ配置されている点にある。図示例では、共通照射部50Aにおいて、液晶パネル10の一側(図示下方)に紫外線照射手段51及び反射鏡54が配置され、液晶パネル10の他側(図示下方)に赤外線照射手段52及び反射鏡55が配置されている。
【0040】
この実施形態では、加熱処理部50Bにおいて、紫外線照射手段51から放射される紫外線をカットする遮光板59が配置されている。この遮光板59によって、加熱処理領域R2に導入された液晶パネル10に対して、共通処理領域R1から漏れた紫外線が照射されないように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の液晶装置の製造装置の模式的な構成図。
【図2】第2実施形態の液晶装置の製造装置の模式的な構成図。
【図3】第3実施形態の液晶装置の製造装置の模式的な構成図。
【図4】第4実施形態の液晶装置の製造装置の模式的な構成図。
【図5】液晶装置の製造過程を示す概略フローチャート。
【図6】液晶装置の別の製造過程を示す概略フローチャート。
【符号の説明】
10…液晶パネル、11,12…基板、13,14…内面構造、15…シール材、16…液晶、20…製造装置、21…紫外線照射手段、22…赤外線照射手段、25…反射鏡、47…コンベアベルト、48…案内ローラ(駆動ローラ)
Claims (9)
- 紫外線硬化性を備えたシール材を介して2枚の基板を貼り合わせる基板貼り合せ工程と、その後に、前記シール材を硬化させるシール材硬化工程とを含む電気光学装置の製造方法において、
前記シール材硬化工程では、紫外線照射手段による紫外線照射と、加熱用の赤外線照射手段による赤外線照射とを並行して行うことにより前記シール材を硬化させることを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記紫外線照射と前記赤外線照射とを同時に開始することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記紫外線照射と前記赤外線照射とを並行して行った後に、前記紫外線照射を先に停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置の製造方法。
- 紫外線硬化性を備えたシール材を介して2枚の基板を貼り合わせてなるセル構造に対して、前記シール材を硬化させるシール材硬化処理を行う電気光学装置の製造装置において、
紫外線照射を行う紫外線照射手段と、加熱用の赤外線照射を行う赤外線照射手段とを有し、前記紫外線照射手段による前記紫外線照射と、前記赤外線照射手段による前記赤外線照射とを同時に実施可能な共通処理領域を有することを特徴とする電気光学装置の製造装置。 - 前記紫外線照射手段及び前記赤外線照射手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は、前記紫外線照射手段による前記紫外線照射と、前記赤外線照射手段による前記赤外線照射とを並行して行うことを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置の製造装置。
- 前記制御手段は、前記紫外線照射と前記赤外線照射とを同時に開始することを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置の製造装置。
- 前記紫外線照射と前記赤外線照射とを並行して行った後に、前記紫外線照射を先に停止することを特徴とする請求項5又は6に記載の電気光学装置の製造装置。
- 前記共通処理領域とは別に、前記赤外線照射のみを実施可能な加熱処理領域を有することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造装置。
- 前記セル構造を前記共通処理領域から前記加熱処理領域へ移動させる移動手段を有することを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置の製造装置。
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KR100733240B1 (ko) | 2006-07-06 | 2007-06-28 | 삼성전기주식회사 | 임프린팅 리소그라피 공정에 적용하기 위한 기판용 절연 재료의 제조방법 |
US7972192B2 (en) | 2009-02-20 | 2011-07-05 | Beijing Boe Optoelectronics Technology Co., Ltd. | Curing device and manufacturing method for liquid crystal display |
JP2011143350A (ja) * | 2010-01-14 | 2011-07-28 | Fujikura Ltd | 光照射装置 |
JP2016090625A (ja) * | 2014-10-30 | 2016-05-23 | ホロニクス・インターナショナル株式会社 | 樹脂硬化用光源装置 |
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2003
- 2003-03-27 JP JP2003088802A patent/JP2004294892A/ja not_active Withdrawn
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