JP2004294296A - 赤外線センサアレイ - Google Patents

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Hisatoshi Hata
久敏 秦
Yoshiyuki Nakagi
義幸 中木
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Abstract

【課題】赤外線検出感度を向上させた赤外線センサアレイを提供する。
【解決手段】基板上に脚部で支持され、温度検知膜を有する赤外線検出部と、赤外線検出部の上に支持部で支持された赤外線吸収部とを含んだ赤外線センサを略直交する2軸方向に並置した赤外線センサアレイにおいて、赤外線センサが、互いに隣接するように配置された、基板からの距離がaである板状の赤外線吸収部を有する第1赤外線センサと、板状部分および板状部分の周囲に設けられ基板からの距離がaより大きい庇部分からなる赤外線吸収部を有する第2赤外線センサとからなり、第1赤外線センサと第2赤外線センサの赤外線吸収部が、基板の鉛直方向に離れて配置される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱型の赤外線センサアレイに関し、特に、赤外線吸収部の面積を大きくして赤外線の検出感度を向上させた熱型の赤外線センサアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱型の赤外線センサアレイでは、赤外線センサ(画素)ごとに、温度検出素子を含む温度検出部と、温度検出部上に支持部で支持された赤外線吸収部とを含む(例えば、特許文献1参照)。
赤外線吸収部に入射した赤外線は熱に変換され、支持部を経て温度検出部に伝えられる。温度検出部では、かかる温度を温度検出素子の特性変化として検出する。
従って、熱型赤外線センサアレイの赤外線検出感度を向上させるには、各画素(赤外線センサ)において、1つの画素が占める面積に対する、その画素に含まれる赤外線吸収部の面積の比、即ち、開口率を大きくする必要がある。従来の赤外線センサアレイでは、温度検出部と赤外線吸収部とが別々に形成されているため、温度検出部の大きさに依存せずに赤外線吸収部の面積を単独で大きくし、開口率を大きくできた。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−209418号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の熱型の赤外線センサアレイでは、各赤外線センサの赤外線吸収部が同一平面内に形成されているため、隣接する赤外線吸収部どうしを分離するためには、赤外線吸収部の間に分離溝を形成する必要があった。分離溝は所定の面積を占めるため、開口率の向上に対して制限となっていた。
【0005】
そこで、本発明は、従来の熱型の赤外線センサアレイより開口率を大きくし、赤外線の検出感度を向上させた赤外線センサアレイの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に脚部で支持され、温度検知膜を有する赤外線検出部と、赤外線検出部の上に支持部で支持された赤外線吸収部とを含んだ赤外線センサを、基板に含まれた略直交する2軸方向に並置した赤外線センサアレイにおいて、赤外線センサが、互いに隣接するように配置された、基板からの距離がaである板状の赤外線吸収部を有する第1赤外線センサと、板状部分および板状部分の周囲に設けられ基板からの距離がaより大きい庇部分からなる赤外線吸収部を有する第2赤外線センサとからなり、第1赤外線センサの赤外線吸収部と、第2赤外線センサの赤外線吸収部とが、基板の鉛直方向に離れて配置されたことを特徴とする赤外線センサアレイである。
かかる構造では、隣接する赤外線吸収部の間を鉛直方向(z軸方向)に分離できるため、赤外線吸収部と同一平面内に分離溝を形成して分離する必要がなくなり、赤外線吸収部の面積を大きくできる。
【0007】
また、本発明は、基板上に脚部で支持され、温度検知膜を有する赤外線検出部と、赤外線検出部の上に支持部で支持された板状の赤外線吸収部とを含んだ赤外線センサを、基板に含まれた略直交する2軸方向に並置した赤外線センサアレイにおいて、隣接する赤外線センサの間で、基板と赤外線検出部との距離bを異なるようにして、隣接する赤外線検出部どうしが基板の鉛直方向に離れて配置されたことを特徴とする赤外線センサアレイでもある。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、全体が200で表される、本発明の実施の形態1にかかる熱型の赤外線センサアレイの斜視図である。図1において、x軸、y軸、z軸は、互いに直交する3つの方向であり、x軸、y軸は基板の表面に含まれる軸であり、z軸は基板の法線軸である。
赤外線センサアレイ200は、シリコンからなる基板1を含む。基板1の上には、熱型の赤外線センサ100が、x軸方向およびy軸方向に、マトリックス状に配置されている。赤外線センサ100の周囲には、赤外線センサ100に電気的に接続された周辺回路部210が設けられている。それぞれの赤外線センサ100で検出された赤外線は、電気信号として周辺回路部210に送られる。周辺回路部210ではかかる電気信号を処理して画像データとする。
【0009】
図2は、全体が200で表される、本実施の形態1にかかる熱型の赤外線センサアレイの部分断面図である。図2は、図1のI−I方向の断面に相当し、3つの赤外線センサ100a、100bを含む。
赤外線センサアレイ200は、シリコンからなる基板1を含む。基板1には中空部30が設けられ、その上方には、2つの支持脚(断熱脚)20により赤外線検出部40が支持されている。基板1の上には配線層2が形成され、赤外線検出部40と周辺回路部210とを接続する。支持脚20は、酸化シリコンからなる絶縁膜、チタンや窒化チタンからなる薄膜配線層、酸化シリコンからなる絶縁膜8の3層からなる(図示せず)。配線層2と薄膜配線層とは電気的に接続されている。
【0010】
赤外線検出部40は、後述するように、絶縁膜を有し、その上には、薄膜配線層に接続された、例えば白金からなる電極が設けられている。更に、電極には、例えば、酸化バナジウム(VOx)等からなる検知膜が接続されている。検知膜の温度が変化した場合に、電気抵抗等の物性値が変化する。検知膜の上には、窒化シリコンからなる絶縁膜が設けられている。
【0011】
赤外線検出部40の上には、例えば、酸化シリコンからなる支持部10が設けられ、赤外線吸収部28が支持されている。赤外線センサアレイ200では、支持脚10の高さはすべて同じであるが、赤外線吸収部28の形状が交互に異なっている。
【0012】
即ち、赤外線センサ100aでは、支持脚10の上に、板状の赤外線吸収部28aが設けられ、更に、赤外線吸収部28aの周囲に、庇状の赤外線吸収部28bが設けられている。図2に示すように、庇状の赤外線吸収部28bは、赤外線吸収部28aの上に、支持部29を介して積層されている。赤外線吸収部28a、赤外線吸収部28bは、ともに、例えば、酸化シリコンからなる絶縁膜11、窒化バナジウムからなる赤外線吸収膜12、酸化シリコンからなる保護膜13の3層構造となっている。また、支持部29は、例えば、酸化シリコンから形成される。
【0013】
このように、本実施の形態1にかかる赤外線センサアレイ200では、板状の赤外線吸収部28と、板状と庇状の赤外線吸収部28a、28bからなる赤外線吸収部28とが、x軸方向およびy軸方向に交互に、マトリックス状に配置されている。このため、図2に示すように、隣接する赤外線吸収部28の間はz軸方向に分離され、x軸方向に分離する必要がない。従って、従来構造に比較して、赤外線吸収部28の面積を大きくでき、開口率が向上するため、赤外線の検出感度を高めることができる。
なお、赤外線センサ100aでは、板状の赤外線吸収部28aの面積と、庇状の赤外線吸収部28bの面積との和が、赤外線吸収部28の吸収面積となる。
【0014】
次に、図3〜図5を参照しながら、本実施の形態1にかかる赤外線センサアレイ200の製造方法について説明する。かかる製造方法は、以下の工程を含む。
【0015】
工程1:図3(a)に示すように、シリコンからなる基板1を準備し、赤外線センサ形成領域と、周辺回路形成領域とを規定する。続いて、周辺回路領域に、周辺回路を形成し(図示せず)、一方、赤外線センサ形成領域に配線層2、赤外線検出部40、支持脚20を形成する。
【0016】
工程2:図3(b)に示すように、基板1上に、例えば、膜厚1μmのネガ型のフォトレジストからなる第1犠牲層14を形成する。第1犠牲層14には、写真製版技術を用いて孔部9を形成する。第1犠牲層14を形成した後、約250℃でベークを行う。なお、第1犠牲層14には、ポジ型のフォトレジスト、ポリイミド等の他の有機材料を用いてもかまわない。
【0017】
工程3:図3(c)に示すように、プラズマCVD法により、例えば、酸化シリコンからなる絶縁膜11を形成する。絶縁膜11の膜厚は、0.1μmである。続いて、スパッタリング法を用いて、例えば、窒化バナジウムからなる赤外線吸収膜12を形成する。更に、プラズマCVD法を用いて、例えば、酸化シリコンからなる保護膜13を形成する。保護膜13の膜厚は、0.1μmである。
【0018】
工程4:図3(d)に示すように、写真製版技術、エッチング技術を用いて孔部22を形成する。これにより、赤外線センサ100bとなる領域には、かかる領域を覆うように赤外線吸収部28が形成される。一方、赤外線センサ100aとなる領域には、孔部22と赤外線吸収部28aとが形成される。従って、赤外線吸収部28aは赤外線吸収部28より面積が小さくなっている。
【0019】
工程5:図4(e)に示すように、第1犠牲層14と同じ材料、同じ膜厚で、第2犠牲層34を形成する。続いて、第2犠牲層34には、赤外線吸収部28aの周囲が露出するように孔部23が形成される。第2犠牲層34を形成した後、約250℃でベークを行う。
【0020】
工程6:図4(f)に示すように、絶縁膜24、赤外線吸収膜25、保護膜26を順次形成する。それぞれの膜の材料や膜厚、形成方法は、工程3と同じである。かかる工程で、絶縁膜24により孔部23が埋められる。
【0021】
工程7:図4(g)に示すように、絶縁膜24、赤外線吸収膜25、保護膜26をエッチングで除去し、孔部22、23の上部にのみこれらを残す。
【0022】
工程8:図5(h)に示すように、例えば、アッシング技術を用いて、第1および第2犠牲層14、34を除去する。これにより、赤外線センサ100aとなる領域には、板状の赤外線吸収部28aと庇状の赤外線吸収部28bとからなる赤外線吸収部28が形成される。一方、赤外線センサ100bとなる領域には、板状の赤外線吸収部28が形成される。
【0023】
工程9:図5(i)に示すように、例えば、TMAH(テトラ・メチル・アンモニウム・ヒドロオキシド)等のアルカリ性溶液を用いて基板1を異方性エッチングし、検出部40の下方に空洞部30を形成する。
以上の工程で、互いに隣接するように配置された、基板1からの距離がaである板状の赤外線吸収部28を有する第1赤外線センサ100bと、板状部分28aおよび板状部分の周囲に設けられ基板1からの距離がaより大きい庇部分28bからなる赤外線吸収部28を有する第2赤外線センサ100aとからなり、第1赤外線センサ100bの赤外線吸収部28と、第2赤外線センサ100bの赤外線吸収部28とが、基板1の鉛直方向に離れて配置された赤外線センサを含む赤外線センサアレイ200が完成する。
【0024】
なお、本実施の形態1にかかる赤外線センサアレイ200では、アルカリ性溶液を用いて基板1を異方性エッチングして空洞部30を形成したが、基板1中にエッチングストッパ層を形成した後、XeF等のエッチングガスを用いて基板1をエッチングし、空洞部30を形成してもかまわない。これは、後述の赤外線センサアレイ201、202においても同様である。
【0025】
また、本実施の形態1にかかる赤外線センサアレイ200では、赤外線検知膜7としてボロメータ膜を用いたが、代わりに、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸リチウム(LT)等の焦電体のような温度により分極状態が変化する材料、熱電対のような温度により熱起電力が変化する材料、ダイオードのように順方向電圧が温度依存性を有する材料等を用いても構わない。後述の赤外線センサアレイ201、202においても同様である。
【0026】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2にかかる赤外線センサアレイ201の断面図である。図6中、図2と同一符号は、同一又は相当箇所を示す。
【0027】
赤外線センサアレイ201は、赤外線吸収部38が赤外線の吸収効率を大きくするために共振構造となっている以外は、上述の赤外線センサアレイ200と同じ構造である。即ち、基板1、支持脚10、空洞部30、赤外線検出部40は、赤外線センサアレイ200と同じ構造である。
【0028】
赤外線センサ101bに含まれる赤外線吸収部38は、下層から順に、例えば酸化シリコンからなる絶縁膜11、例えば白金からなる赤外線反射膜31、例えば酸化シリコンからなる誘電体膜32、例えば窒化バナジウムからなる赤外線吸収膜12、および例えば酸化シリコンからなる保護膜13からなる。また、赤外線センサ101aに含まれる赤外線センサ38では、板状部分38a、庇状部分38bの双方が、かかる積層構造を有する。
更に、赤外線センサ101a、101bにおいて、赤外線反射膜31と赤外線吸収膜12との間の光学的距離(z軸方向の距離)が、赤外線センサ101a、101bで検出する赤外線の波長の、略4分の1の距離となっている。
かかる構造では、赤外線吸収膜12のシート抵抗は、好適には約377Ω/□である。
【0029】
このように、赤外線センサアレイ201では、開口率を大きくして赤外線の吸収効率を高めるとともに、光学的共振構造を採用することで、更に、赤外線の吸収効率を向上させることができる。
【0030】
実施の形態3.
図7は、全体が202で表される、本実施の形態3にかかる熱型の赤外線センサアレイの部分断面図である。図7は、図1のI−I方向の断面に相当し、3つの赤外線センサ102a、102bを含む。
【0031】
赤外線センサアレイ202は、シリコンからなる基板1を含む。基板1には中空部30が設けられ、その上方には、2つの支持脚(断熱脚)20により赤外線検出部40が支持されている。基板1の上には配線層2が形成され、赤外線検出部40と周辺回路部210とを接続する。支持脚20は、酸化シリコンからなる絶縁膜5、チタンや窒化チタンからなる薄膜配線層3a、3b、酸化シリコンからなる絶縁膜8の3層からなる。配線層2と薄膜配線層3a、3bとは電気的に接続されている。
【0032】
赤外線検出部40は絶縁膜5を含み、絶縁膜5の上には、薄膜配線層3aに接続された電極6b、薄膜配線層3bに接続された電極6aが設けられている。電極6a、6bは、例えば白金からなる。電極6a、6bには検知膜7が接続されている。検知膜7は、例えば、酸化バナジウム(VOx)等からなり、検知膜7の温度が変化した場合に、電気抵抗等の物性値が変化する。検知膜7の上には、窒化シリコンからなる絶縁膜8が設けられている。
なお、他の図では、図面の明確化のために、支持脚20、赤外線吸収部40の詳細な構造は記載しないが、実際には図7に示すような構造を有する。
【0033】
赤外線検出部40の上には、例えば、酸化シリコンからなる支持部10a、10bが設けられている。図7に示すように、支持部10aは、支持部10bより長くなるように形成されている。赤外線センサアレイ202では、長い支持部10aを有する赤外線センサ102aと、短い支持部10bを有する赤外線センサ102bとを交互に配置し、隣接する赤外線吸収部18の間で、基板1の表面からの高さ(z軸方向の位置)が異なるようになっている。
【0034】
支持部10a、10bの上には、板状の赤外線吸収部18が支持されている。
赤外線吸収部18は、例えば、酸化シリコンからなる絶縁膜11、窒化バナジウムからなる赤外線吸収膜12、酸化シリコンからなる保護膜13の積層構造からなる。赤外線吸収膜12には、窒化バナジウムの他に窒化チタン、窒化クロム、クロム等を用いてもかまわない。
【0035】
このように、長い支持部10aと短い支持部10bとを交互に配置して赤外線吸収部18を支持することにより、図7に示すように、隣接する赤外線吸収部18の間をz軸方向に分離できる。このため、従来のように、同一平面内にある赤外線吸収部の間に分離溝を形成して分離する必要がなく、赤外線吸収部の面積を大きくできる。
【0036】
赤外線センサアレイ202に、上方より入射した赤外線は、赤外線吸収部18に含まれる赤外線吸収膜12により吸収されて熱に変換される。かかる熱は、支持部10を通って赤外線検出部40に伝えられ、電気信号に変換される。
従って、本実施の形態3にかかる赤外線センサアレイ202では、従来構造よりも赤外線吸収部の面積を大きくでき開口率が向上するため、赤外線の検出感度を高めることができる。
【0037】
次に、図8〜図10を用いて、本実施の形態3にかかる赤外線センサアレイ202の作製方法について説明する。かかる製造方法は、以下の工程を含む。
【0038】
工程1:図8(a)に示すように、シリコンからなる基板1を準備する。基板1上に赤外線センサを形成する赤外線センサ形成領域と、読み出し回路等の周辺回路部を形成する周辺回路形成領域を規定し、まず、周辺回路形成領域に、周辺回路部を形成する(図示せず)。続いて、一般的な蒸着方法等を用いて、基板1上の赤外線センサ形成領域に赤外線検出部40、支持脚20を形成する。具体的には、酸化シリコンからなる絶縁膜5の上に、チタンの薄膜配線層3a、3b、白金の電極6a、6b、酸化バナジウムからなる検知膜7を形成する。更に、これらを覆うように窒化シリコンからなる絶縁膜8を形成する。これにより、赤外線検出部40、支持脚20が完成する。
なお、図8〜図10では、図面の明確化のために、支持脚20、赤外線吸収部40の詳細な構造は記載しない。また、配線層2を覆う絶縁膜5、8も同様に省略する。
【0039】
工程2:図8(b)に示すように、基板1上に例えば、膜厚1μmのネガ型フォトレジストからなる第1犠牲層14を形成する。第1犠牲層14を形成した後、約250℃でベークを行う。なお、第1犠牲層14には、ポジ型フォトレジスト、ポリイミド等のような他の有機材料、シリコン等の無機材料を用いてもかまわない。
【0040】
工程3:図8(c)に示すように、1画素おきに、膜厚1μmのネガ型のフォトレジストからなる第2犠牲層15を写真製版技術を用いて形成する。この際、第1犠牲層14はすでにベークしてあるため、第2犠牲層15の形成時に使用する現像液には不溶となっている。第2犠牲層15の形成後、再度、約250℃でベークを行う。
【0041】
工程4:図8(d)に示すように、例えば、膜厚0.1μmのCrからなる金属膜16を全面に形成する。続いて、写真製版技術、エッチング技術を用いて金属層16を開口する。
【0042】
工程5:図9(e)に示すように、金属膜16をマスクとして、第1犠牲層14、第2犠牲層15をエッチングして、支持部形成用の孔部9a、9bを形成する。続いて、金属膜16を、例えば、硝酸セリウムアンモニウム塩を用いたウエットエッチングにより除去する。
【0043】
工程6:図9(f)に示すように、プラズマCVD法により、例えば、酸化シリコンからなる絶縁膜11を形成する。絶縁膜11の膜厚は、0.1μmである。続いて、スパッタリング法を用いて、例えば、窒化バナジウムからなる赤外線吸収膜12を形成する。更に、プラズマCVD法を用いて、例えば、酸化シリコンからなる保護膜13を形成する。保護膜13の膜厚は、0.1μmである。
【0044】
工程7:図9(g)に示すように、蒸着法を用いて、例えば、Crからなる金属膜17を形成する。蒸着法を用いて金属膜17を形成した場合、金属膜17は第2犠牲層15の側壁には付着しない。このため、金属膜17を形成した後も、第2犠牲層15の側壁に形成された、酸化シリコンからなる保護膜13が露出している。
【0045】
工程8:図9(h)に示すように、基板1を弗化水素酸溶液に浸すことにより、第2犠牲層15の側壁に形成された絶縁膜11、赤外線吸収膜12、および保護膜13を除去する。かかるエッチング工程では、隣接する画素(赤外線センサ102)間の保護膜13等が除去される。これにより、縦方向、横方向のみならず、斜め方向に隣接する画素間の赤外線吸収部18の間も分離される。
【0046】
工程9:図10(i)に示すように、硝酸セリウムアンモニウム塩を用いたウエットエッチングにより金属膜17を除去する。
【0047】
工程10:図10(j)に示すように、例えば、アッシング工程を用いて、第2犠牲層15、第1犠牲層14を順次除去する。これにより、赤外線検出部40の上に、支持部10a、10bで支持された赤外線吸収部18が完成する。
【0048】
工程11:図10(k)に示すように、例えば、TMAH等のアルカリ性溶液を用いて基板1を異方性エッチングし、赤外線検出部40の下方に空洞部30を設ける。
以上の工程で、図7に示すような、隣接する赤外線センサ102a、102bの間で、基板1と赤外線検出部18との距離を異なるようにして、隣接する赤外線検出部18どうしが基板1の鉛直方向に分離して配置された赤外線センサを含む赤外線センサアレイ202が完成する。
なお、図8〜図10では、製造工程が理解しやすいように、隣接する赤外線吸収部18の、x軸方向の間隔を実際より大きく示したが、実際には、図7に示すように、x軸方向には殆ど間隔を有しない。
【0049】
このように、本実施の形態3にかかる製造方法では、第2犠牲層15の側壁に形成された、非常に薄い酸化シリコン層等(例えば、膜厚0.6μm)を除去することにより、基板1からの距離が異なるように設けられた隣接する赤外線吸収部18の間を分離することができる。このため、分離溝を設けて分離していた従来の赤外線センサアレイに比較して、赤外線吸収部18の面積を大きくすることができ、赤外線の検出感度を向上させることができる。
【0050】
赤外線センサアレイ202の赤外線吸収膜12のシート抵抗は、好適には、約150Ω/□以上で約300Ω/□以下であり、更に好適には、約180Ω/□以上で約240Ω/□以下である。かかるシート抵抗とすることにより、後述する共振構造を採用しなくても赤外線の吸収効率を向上できる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかる赤外線センサアレイでは、赤外線吸収部の面積を大きくし、赤外線の検出感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる赤外線センサアレイの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる赤外線センサアレイの断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる赤外線センサアレイの製造工程の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかる赤外線センサアレイの製造工程の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1にかかる赤外線センサアレイの製造工程の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる赤外線センサアレイの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3にかかる赤外線センサアレイの断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3にかかる赤外線センサアレイの製造工程の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3にかかる赤外線センサアレイの製造工程の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3にかかる赤外線センサアレイの製造工程の断面図である。
【符号の説明】
1 基板、2 配線層、3a、3b 薄膜配線層、5 絶縁膜、6a、6b 電極、7 検知膜、8 絶縁膜、10 支持部、11 絶縁膜、12 赤外線吸収膜、13 保護膜、18 赤外線吸収部、20 支持脚、30 空洞部、40赤外線検出部、100a、100b 赤外線センサ、200 赤外線センサアレイ。

Claims (5)

  1. 基板上に脚部で支持され、温度検知膜を有する赤外線検出部と、該赤外線検出部の上に支持部で支持された赤外線吸収部とを含んだ赤外線センサを、該基板に含まれた略直交する2軸方向に並置した赤外線センサアレイであって、
    該赤外線センサが、互いに隣接するように配置された、該基板からの距離がaである板状の該赤外線吸収部を有する第1赤外線センサと、該板状部分および該板状部分の周囲に設けられ該基板からの距離がaより大きい庇部分からなる該赤外線吸収部を有する第2赤外線センサとからなり、
    該第1赤外線センサの該赤外線吸収部と、該第2赤外線センサの該赤外線吸収部とが、該基板の鉛直方向に離れて配置されたことを特徴とする赤外線センサアレイ。
  2. 上記第1赤外線センサと上記第2赤外線センサとを、上記2軸方向に、交互に並置したことを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサアレイ。
  3. 上記赤外線吸収部が、絶縁膜、赤外線反射膜、誘電体膜、赤外線吸収膜および絶縁膜からなる積層構造を有し、該赤外線反射膜と該赤外線吸収膜との光学的距離が、上記赤外線センサで検出される波長の略4分の1の距離であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサアレイ。
  4. 基板上に脚部で支持され、温度検知膜を有する赤外線検出部と、該赤外線検出部の上に支持部で支持された板状の赤外線吸収部とを含んだ赤外線センサを、該基板に含まれた略直交する2軸方向に並置した赤外線センサアレイであって、
    隣接する該赤外線センサの間で、該基板と該赤外線検出部との距離bを異なるようにして、隣接する該赤外線検出部どうしが該基板の鉛直方向に離れて配置されたことを特徴とする赤外線センサアレイ。
  5. 上記距離bが互いに異なる2種類の上記赤外線センサを、上記2軸方向に交互に配置したことを特徴とする請求項4に記載の赤外線センサアレイ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007101213A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Ricoh Co Ltd 半導体装置、赤外線センサ、及び半導体装置の製造方法
JP2008241438A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Nec Corp ボロメータ型THz波検出器
WO2012029974A1 (ja) * 2010-09-03 2012-03-08 日本電気株式会社 赤外線検知センサおよび電子機器

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