JP2004294221A - スパッタリングターゲットの検査方法および検査用枠体ならびに検査用組み立て体 - Google Patents
スパッタリングターゲットの検査方法および検査用枠体ならびに検査用組み立て体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の検査方法は、ボンディング材からなる接合層を介してターゲット材がバッキングプレートに接合されたスパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査する方法であって、該スパッタリングターゲット上に、枠体を使用して、超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、該ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することを特徴としている。
【効果】本発明の検査方法によれば、低コストで簡易かつ効率的に、スパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、超音波を用いて検査することができる。
【選択図】 図1
【効果】本発明の検査方法によれば、低コストで簡易かつ効率的に、スパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、超音波を用いて検査することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、ボンディング材からなる接合層を介したスパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、超音波を用いて検査する方法およびこれに用いる枠体ならびに組み立て体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
スパッタリングに用いられるターゲットは、スパッタリング時にプラズマ状態の不活性ガスなどによる衝撃を受け続けることにより、その内部に熱量が蓄積し、高温となる。このため、一般にCuやCu系合金などの熱伝導性の良い材料からなるバッキングプレートをターゲット材にボンディング材を介して接合し、このバッキングプレートを冷却することにより、スパッタリングターゲット全体の熱を逃がすようにしている。
【0003】
このような場合に、スパッタリングターゲットの接合状態が良好でないと、すなわち、ターゲット材とバッキングプレートとの間に空隙などがあると、スパッタリング時にターゲット材がバッキングプレートから剥離する恐れがある。
このためスパッタリングターゲット製造の際には、ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を検査する必要が生じる。
【0004】
このような検査としては、従来、スパッタリングターゲットを水没させて、超音波探傷子を備えたプローブを走査させる検査、具体的には、水没させたスパッタリングターゲットの表面を超音波探傷子を備えたプローブで走査し、超音波探傷子からの送信波を基準として、一定時間後の反射エコーの有無や反射エコーの高さを計測して、該反射エコーの高さを輝度または色に変換して、カラーまたはモノクロCRTに表示させて、超音波の反射エコー変化を観察する検査が行われていた。
【0005】
たとえば、従来技術として、超音波を利用したスパッタリング用ターゲットの検査方法において、ボンディング材であるハンダ層の厚さを100μm以上とするスパッタリング用ターゲットの検査方法が提案されているが、この方法においても導電性基台上にハンダ層を介してターゲット材を接合したターゲットは、水などの液体中に浸漬されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このようにスパッタリングターゲットを水没させて超音波測定する検査方法では検査対象となるスパッタリングターゲットの大きさに応じて、それを超えた大きさの水槽が必要になるところ、現在、スパッタリングターゲットの大きさはその用途にもよるが最大で1.4m×1.7mであり、今後さらに大型化されることが予想される。
【0007】
このような状況下で、大型化していくスパッタリングターゲットに見合った巨大な水槽を作製していくのはコスト面で非常に不利である上、非効率的である。本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意研究した結果、そのような巨大な水槽を準備せずとも、スパッタリングターゲット上に、枠体を使用して、超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、この収容凹部に超音波伝達媒体を収容することにより、ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を効率的に検査することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−129434号公報
【0009】
【発明の目的】
本発明は、低コストで簡易かつ効率的に、スパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、超音波を用いて検査する方法およびこれに用いる検査用枠体ならびに検査用組み立て体を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明の検査方法は、ボンディング材からなる接合層を介してターゲット材がバッキングプレートに接合されたスパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査する方法であって、
該スパッタリングターゲット上に、枠体を使用して、超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、該ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することを特徴としている。
【0011】
このように構成することによって、スパッタリングターゲットよりも大きな水槽を準備する必要がなくなり、低コストかつ効率的にスパッタリングターゲットの接合状態を検査することができる。
具体的には、本発明の検査方法では、前記枠体の一方の開口部の縁部にシール材層が設けられており、該シール材層がバッキングプレートに当接するように、該枠体をスパッタリングターゲット上に載置することにより、枠体とバッキングプレートにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、
該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することが好ましい。
【0012】
このように構成することによって、枠体が載置されたスパッタリングターゲット全体が水槽の役目を果たし、スパッタリングターゲット上に直接、超音波伝達媒体を保持することができる。
また、本発明の検査方法では、前記枠体の一方の開口部に開口部を閉塞するようにシートが貼着されており、
(1)該枠体とシートにより形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部に超音波伝達媒体を収容した後、該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査するか、あるいは、
(2)該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置することにより、枠体とシートにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することも好ましい。
【0013】
このように構成することによって、シートが貼着された枠体が水槽の役目を果たし、該シートを介して間接的にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を保持することができる。しかも、この場合には、枠体の大きさとスパッタリングターゲットの大きさを合わせる必要がなく、どのような大きさのスパッタリングターゲットでも検査をすることが可能である。たとえば、枠体の大きさがスパッタリングターゲットより大きい場合はもとより、枠体の大きさがスパッタリングターゲットより小さい場合でも、スパッタリングターゲットの部分ごとに検査して、結果的にすべての領域を検査することができる。
【0014】
また、本発明の検査方法では、大きさの異なる2以上の枠体を重ねてシートを狭持することにより、前記枠体の一方の開口部がシートで閉塞されており、
(1)該枠体とシートにより形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部に超音波伝達媒体を収容した後、該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査するか、あるいは
(2)該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置することにより、枠体とシートにより超音波伝達媒体を収容する凹部を形成し、該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することも好ましい。
【0015】
このように構成することによって、シートを枠体に貼着せずとも枠体に固定でき、シートが固定された枠体が水槽の役目を果たし、該シートを介して間接的にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を保持することができる。しかも、この場合には、枠体の大きさとスパッタリングターゲットの大きさを合わせる必要がなく、どのような大きさのスパッタリングターゲットでも検査をすることが可能である。たとえば、枠体の大きさがスパッタリングターゲットより大きい場合はもとより、枠体の大きさがスパッタリングターゲットより小さい場合でも、スパッタリングターゲットの部分ごとに検査して、結果的にすべての領域を検査することができる。
【0016】
さらに、本発明の検査方法では、前記シートに設けられた粘着材層を介して、スパッタリングターゲット上に枠体を仮着固定することが望ましい。
このように構成することによって、スパッタリングターゲット表面とシートとを密着させ、良好に超音波を伝達させることができる。
また、本発明の検査方法では、前記シートとスパッタリングターゲットを、超音波伝達媒体を介して当接させることも好ましい。
【0017】
このように構成することによって、超音波伝達媒体を介してスパッタリングターゲット表面とシートとを密着させ、良好に超音波を伝達させることができる。さらに、本発明の検査方法では、検査対象である前記スパッタリングターゲットに粘着材層を有する保護シートが貼着されていてもよい。
このように構成することによって、検査対象であるスパッタリングターゲット表面に超音波伝達媒体を直接、接触させずに検査を行うことが可能になる。
【0018】
本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体は、基材からなる枠体の一方の開口部の縁部にシール材層が設けられていることを特徴としている。
このように構成することにより、枠体を、水槽を構成する側壁として使用することができる。
また、本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体は、基材からなる枠体の一方の開口部に、開口部を閉塞するようにシートが貼着されていることを特徴としている。
【0019】
このように構成することにより、シートが貼着された枠体を水槽として使用することができる。
また、本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体は、基材からなる大きさの異なる2以上の枠体を重ねてシートを狭持することにより、枠体の一方の開口部がシートで閉塞されていることを特徴としている。
【0020】
このように構成することにより、シートを貼着せずとも枠体に固定することができ、この枠体を水槽として使用することが可能となる。
さらに、本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体がシートを有する構成を採る場合には、該シートに粘着材層が設けられていることが好ましい。
【0021】
このように構成することによって、スパッタリングターゲット表面とシートとを密着させ、良好に超音波を伝達させることができる。
本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用組み立て体は、前記超音波検査用枠体が、スパッタリングターゲット上に着脱可能に設置されてなることを特徴としている。
【0022】
このように構成することにより、スパッタリングターゲットの大きさに応じた水槽を別途準備することなく、超音波検査用組み立て体に形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部に、超音波伝達媒体を収容し、容易に検査を行うことができる。しかも、前記超音波検査用枠体は着脱可能であるため、検査終了後は、この超音波検査用枠体をスパッタリングターゲットから外して、スパッタリングターゲットを出荷することが可能である。また、超音波検査用枠体がシートを有する構成を採る場合には、シート、シートに設けられた粘着材層、および収容凹部に収容された超音波媒体などに劣化などがなければ、そのままの状態で次のスパッタリングターゲットの検査に再利用できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1(a)は、本発明の超音波検査用枠体の実施例の斜視図、図1(b)は、スパッタリングターゲットの一例の斜視図であり、図1(c)は、本発明の超音波検査用組み立て体の実施例の斜視図であり、図2は、図1(c)のI−I線での断面図である。
【0024】
図1(a)において、1は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。超音波検査用枠体(以下、単に検査用枠体ともいう。)1は、基材からなる枠体(以下、単に枠体ともいう。)3と、枠体3の一方の開口部の縁部に設けられたシール材層5とから構成されている。
この場合、前記シール材層5は、接着剤によって枠体3に固定することが好ましい。この接着剤としては、公知のものを用いることができ、特に限定されないが、たとえば、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤などの溶剤型、無溶剤型、水溶液型、エマルジョン型、固体状などの各種形状の接着剤が挙げられる。
【0025】
なお、検査用枠体1の形状は、図1では矩形であるが、特にこれに限定されず、検査対象のスパッタリングターゲットの形状に応じて、矩形、丸型、三角、多角などいずれの形状でもよい。また、検査用枠体1の大きさは、検査対象のスパッタリングターゲットの大きさに応じて設定することが好ましい。
前記枠体3を構成する基材は、公知のものから適宜選択することができるが、軽量で適度な強度がある点から、Al合金または木材であることが好ましい。
【0026】
また、前記基材の高さは、検査用枠体1をスパッタリングターゲット上に載置して、超音波検査用組み立て体(図1(c)参照)を形成し、超音波伝達媒体を収容する収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、この超音波伝達媒体を介してスパッタリングターゲット上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査した際に、空気の巻き込みが超音波探傷子まで達しない程度まで超音波伝達媒体をためて保持することができればよく、プローブの走査速度に応じて適宜決定することができる。たとえば、本実施例で用いた装置では、深さ5〜20cmまで超音波伝達媒体をためて保持することができればよく、基材の高さは15〜25cmが好ましい。
【0027】
前記基材の厚みは、超音波伝達媒体を保持する際の強度を考慮して選択すればよく、たとえば、Al合金の場合には0.3〜2cmであることが好ましい。
さらに、枠体3は、取り扱い容易である点からは、分解可能なように構成することが望ましい。
前記シール材層5を構成するシール材としては、枠体3と当接させる際のバッキングプレートの傷つき防止、および、検査用枠体1とスパッタリングターゲットとの密着性を向上させ超音波伝達媒体を良好に保持できる点からは、弾性体から構成するのが望ましい。このような弾性体としては、具体的には、たとえば、シリコーンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、二トリルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴムなどが好ましく挙げられ、これらのうちでは、シリコーンゴムがより好ましい。
【0028】
図1(b)において、7は全体で本発明の検査方法に用いられるスパッタリングターゲットの一例を示している。スパッタリングターゲット7は、バッキングプレート11と、バッキングプレート11の上面にボンディング材からなる接合層10を介して接合されたターゲット材9とから構成されている。
この場合、ターゲット材9は、一般にITO、Al、Al合金、Ti、Ti合金、Mo、Mo合金などからなり、バッキングプレート11は、CuまたはCu合金などからなり、接合層10のボンディング材は、In、In−SnなどのIn合金からなる。
【0029】
図1(c)および図2においては、12は全体で、本発明の超音波検査用組み立て体を示している。超音波検査用組み立て体12は、検査用枠体1をスパッタリングターゲット7上に、シール材層5がバッキングプレート11に当接するように載置して構成されている。
この場合の載置は、そのまま検査用枠体1の自重で載置してもよいが、別途図示しない固定装置で固定することにより載置してもよい。
【0030】
このように構成することによって、検査用枠体1とバッキングプレート11により超音波伝達媒体を収容する収容凹部8が形成される。この収容凹部8に超音波伝達媒体を注入することにより、収容凹部8に超音波伝達媒体を収容させる。なお、前記超音波伝達媒体は、水、含水ゲル、グリセリン系ペーストであることが好ましく、上記のように超音波伝達媒体が直接、スパッタリングターゲットに接触する場合には、検査後の処理が容易である点から水であることがより好ましい。
【0031】
なお、図1(c)および図2では、検査用枠体1をスパッタリングターゲット7上に載置した際に、ターゲット材9が収容凹部8側に位置する場合を示しているが、この場合には、超音波伝達媒体を介して、ターゲット材9上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査することができる。このため、超音波の伝達に際して、バッキングプレート11の内部構造(たとえば、水冷管など)の影響を受けずに済む点で好ましい。その一方で、ターゲット材9が収容凹部8側に位置しており、ターゲット材9が直接、水などの超音波伝達媒体と接触するため、超音波検査終了後にターゲット材9に付着した水分を乾燥させる必要がある。
【0032】
図3は、本発明の超音波検査用組み立て体の別の実施例の斜視図である。なお、図3において、図1および2と同じ構成部材については同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
図3において、13は全体で、本発明の超音波検査用組み立て体を示し、該超音波検査用組み立て体13は、検査用枠体1をスパッタリングターゲット7上に載置した際に、ターゲット材9が収容凹部8の反対側に位置するように構成されている。
【0033】
このように、ターゲット材9が収容凹部8の反対側に位置する場合には、ターゲット材9に超音波伝達媒体が直接、接触しないため、水分が付着しない点で好ましい。その一方で、超音波伝達媒体を介して、スパッタリングターゲット7上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査する際に、バッキングプレート11側を走査することになるため、超音波の伝達に際して、バッキングプレート11の内部構造(たとえば、水冷管など)の影響を受ける。このため、図3の構成は、水冷管などのない単純な構造のバッキングプレートの場合に好適である。その他のバッキングプレートの場合には、バッキングプレートの内部構造の影響を低減させるため、水冷管に水を充填するなどの措置を講じることが好ましい。
【0034】
また、スパッタリングターゲットを水などの超音波伝達媒体と直接、接触させたくない場合には、検査対象であるスパッタリングターゲットに粘着材層を有する保護シートを貼着してもよい。
前記保護シートとしては、超音波を吸収散乱しないものが好ましく、具体的には、フッ素樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリフェニレンサルファイトフィルム、ナイロンフィルムなどが挙げられる。
【0035】
前記保護シートの厚みは、その強度および超音波を良好に伝達させることを考慮すれば、好ましくは0.01〜2.0mmの範囲である。
また、保護シートに設けられる粘着材層の粘着材としては、アクリル系粘着材、ゴム系粘着材、シリコーン系粘着材などが挙げられる。
次に、このような超音波検査用枠体1(あるいは超音波検査用組み立て体12、13)を用いた本発明の検査方法の一例について具体的に説明する。
【0036】
まず、前記検査用枠体1のシール材層5がバッキングプレート11に当接するように検査用枠体1をスパッタリングターゲット7上に載置する(すなわち、前記超音波検査用組み立て体12または13を形成する)ことにより、検査用枠体1とバッキングプレート11により超音波伝達媒体を収容する収容凹部8を形成する。
【0037】
次に、前記収容凹部8に超音波伝達媒体を注入して収容させ、この超音波伝達媒体を介して、スパッタリングターゲット7上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査する(図示せず)。
そして、通常の超音波による検査方法に基づいて、超音波探傷子からの送信波を基準として、一定時間後の反射エコーの有無や反射エコーの高さを計測して、該反射エコーの高さを輝度または色に変換して、カラーまたはモノクロCRTに表示させて、超音波の反射エコー変化を観察することによって、ターゲット材9とバッキングプレート11との接合状態を検査する。
【0038】
図4は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。なお、図4において、図1〜3と同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
図4において、14は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。超音波検査用枠体(以下、単に検査用枠体ともいう。)14は、基材からなる枠体(以下、単に枠体ともいう。)3と、シート15からなり、前記枠体3の開口部の一方を閉塞するようにシート15が枠体3に貼着され構成されている。
【0039】
この場合には、前記シート15がスパッタリングターゲットに当接するように、検査用枠体14をスパッタリングターゲット上に載置して検査を行うため、シート15が図1〜3のシール材層5の役割を果たす。したがって、シール材層5は、通常設けなくてよい。
前記シート15は、粘着材を介して、前記枠体3に貼着されており、前記枠体3の一方の開口部の縁部に粘着材を塗布して、シート15を貼着してもよく、シート15に粘着材を塗布して、枠体3に貼着してもよい。
【0040】
また、検査用枠体14の形状は、図4では矩形であるが、特にこれに限定されず、検査対象のスパッタリングターゲットの形状に応じて、矩形、丸型、三角、多角などいずれの形状でもよい。
この場合、検査用枠体14の大きさは、後述するように検査対象であるスパッタリングターゲットの大きさと合わせる必要がないため、特に限定されない。
【0041】
前記シート15としては、超音波を吸収散乱しないものが好ましく、具体的には、フッ素樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリフェニレンサルファイトフィルム、ナイロンフィルムなどが挙げられる。
【0042】
前記シート15の厚みは、その強度および超音波を良好に伝達させることを考慮すれば、好ましくは0.01〜2.0mmの範囲である。
また、シート15を枠体3に貼着する際に用いる粘着材としては、アクリル系粘着材、ゴム系粘着材、シリコーン系粘着材などが挙げられる。
このように構成することによって、枠体3とシート15とにより(あるいは、検査用枠体14とスパッタリングターゲットにより)、超音波伝達媒体を収容する収容凹部8が形成される。この収容凹部8に超音波伝達媒体を注入することにより、収容凹部8に超音波伝達媒体を収容させる。すなわち、シート15が貼着された検査用枠体14が水槽の役目を果たし、該シート15を介して間接的にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を保持することができる。
【0043】
しかも、この場合には、検査用枠体14の大きさとスパッタリングターゲットの大きさとを合わせる必要がなく、どのような大きさのスパッタリングターゲットでも検査をすることが可能である。すなわち、検査用枠体14よりもスパッタリングターゲットが小さい場合には、前記シート15がスパッタリングターゲット全体を覆うように検査用枠体14をスパッタリングターゲット上に載置すればよく、検査用枠体14よりもスパッタリングターゲットが大きい場合には、検査用枠体14を移動させて、必要な領域すべての検査を行えばよい。また、検査用枠体14よりも小さいスパッタリングターゲットを複数枚並べて、検査用枠体14を載置して、複数のスパッタリングターゲットを一括して検査することも可能である。
【0044】
さらに、一端注入した超音波伝達媒体を交換することなく複数回の検査を行えるため、より効率的であり工業的にも優れている。
図5は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。なお、図5において、図4と同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0045】
図5において、16は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。超音波検査用枠体(以下、単に検査用枠体ともいう。)16は、基材からなる枠体(以下、単に枠体ともいう。)3と、シート15からなり、前記枠体3の開口部の一方を閉塞するようにシート15が枠体3に貼着され構成されている。
この場合、シート15においてスパッタリングターゲットに当接する側には粘着材層17が設けられている。
【0046】
このように構成することにより、前記検査用枠体16のシート15がスパッタリングターゲットに当接するように、検査用枠体16をスパッタリングターゲット上に載置した場合に、粘着材層17を介して、スパッタリングターゲット上に検査用枠体16を仮着固定させることができる。すなわち、スパッタリングターゲット表面とシート15とを粘着材層17を介して密着させることができるため、超音波を良好に伝達させることができる。
【0047】
粘着材層17を構成する粘着材としては、前述した粘着材が挙げられる。
なお、この場合には、粘着材層17の粘着性が持続する限り何度でもスパッタリングターゲットをセットしなおすことができ、同一のスパッタリングターゲットの異なる箇所あるいは複数のスパッタリングターゲットを検査することができる。
【0048】
また、前記粘着材層17の代わりに超音波伝達媒体を介して、シート15とスパッタリングターゲットとを当接させるように構成してもよい。
この場合には、シート15においてスパッタリングターゲットと当接する側に、予め超音波伝達媒体を塗布するか、検査前にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を散布して、スパッタリングターゲットとシート15とを超音波伝達媒体を介して当接させ、密着させることが好ましい。
【0049】
前記超音波伝達媒体としては、前述した水、含水ゲル、グリセリン系ペーストなどが挙げられ、好ましくは水である。
なお、この場合は粘着材層を利用する場合に比べ、シートの交換頻度を減少させることができ、効率的でコスト面でも有利である。
さらに、スパッタリングターゲットを超音波伝達媒体と直接、接触させたくない場合には、前述したように、検査対象であるスパッタリングターゲットに粘着材層を有する保護シートを貼着してもよい。
【0050】
次に、前記検査用枠体14または16を用いた、本発明の検査方法の一例(I−1)について説明する。
検査方法(I−1)では、まず、枠体3の一方の開口部に開口部を閉塞するようにシート15が貼着された検査用枠体14または16において、枠体3とシート15により形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部8に超音波伝達媒体を収容する。
【0051】
その後、該シート15がスパッタリングターゲットに当接するように検査用枠体14または16をスパッタリングターゲット上に載置して、収容凹部8に収容された超音波伝達媒体を介して、スパッタリングターゲット上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査する。
そして、通常の超音波による検査方法に基づいて、超音波探傷子からの送信波を基準として、一定時間後の反射エコーの有無や反射エコーの高さを計測して、該反射エコーの高さを輝度または色に変換して、カラーまたはモノクロCRTに表示させて、超音波の反射エコー変化を観察することによって、ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を検査する。
【0052】
なお、検査用枠体14または16をスパッタリングターゲット上に載置する場合のスパッタリングターゲットの向きは、ターゲット材が上面に位置してもよく、逆にバッキングプレートが上面に位置してもよい。
これらのうちでは、ターゲット材が上面に位置する方が、収容凹部8に収容された超音波伝達媒体を介して、ターゲット材上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査することができ、超音波の伝達に際してバッキングプレートの内部構造(たとえば、水冷管など)の影響を受けずに済むため好ましい。
【0053】
また、前記検査用枠体14または16を用いる場合には、上記の方法(I−1)によるほか、下記の方法(I−2)によってもよい。
方法(I−2)では、まず、枠体3の一方の開口部に開口部を閉塞するようにシート15が貼着された検査用枠体14または16において、該シート15がスパッタリングターゲットに当接するように検査用枠体14または16をスパッタリングターゲット上に載置することにより、検査用枠体14または16とスパッタリングターゲットにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部8を形成する。
【0054】
その後、該収容凹部8に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査する。
超音波を用いた具体的な検査方法、その他の条件については、上述した方法(I−1)と同様である。
図6は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。なお、図6において図1〜4と同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0055】
図6において、18は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。超音波検査用枠体(以下、単に検査用枠体ともいう。)18は、基材からなる枠体(以下単に枠体ともいう。)3aおよび3bと、これらの枠体を重ねて枠体の一方の開口部を閉塞するように狭持されたシート15とから構成されている。
この場合には、前記シート15がスパッタリングターゲットに当接するように、検査用枠体18をスパッタリングターゲット上に載置して検査を行うため、シート15が図1〜3のシール材層5の役割を果たす。したがって、シール材層5は、通常設けなくてよい。
【0056】
図6には、大きさの異なる枠体3aおよび3bが記載されているが、これらの大きさの異なる枠体は、重ねた際に枠体の一方の開口部を閉塞するようにシート15を狭持することができればよく、その大きさは特に限定されない。
また、使用する枠体の数は、通常2以上であれば足り、好ましくは2つである。なお、これら複数の枠体3a、3bを構成する基材は同じでも異なってもよいが、好ましくは同じである。
【0057】
なお、検査用枠体18の形状は、図6においては矩形であるが、特にこれに限定されず、検査対象のスパッタリングターゲットの形状に応じて、矩形、丸型、三角、多角などいずれの形状でもよい。
このように構成することにより、シート15を貼着せずとも枠体に固定することができ、枠体3a、3bとシート15とにより(あるいは、検査用枠体18とスパッタリングターゲットにより)、超音波伝達媒体を収容する収容凹部8が形成される。この収容凹部8に超音波伝達媒体を注入することにより、収容凹部8に超音波伝達媒体を収容させる。すなわち、シート15が狭持された検査用枠体18が水槽の役目を果たし、該シート15を介して間接的にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を保持することができる。
【0058】
しかも、この場合、検査用枠体18の大きさとスパッタリングターゲットの大きさを合わせる必要がなく、どのような大きさのスパッタリングターゲットでも検査をすることが可能である。
すなわち、検査用枠体18よりもスパッタリングターゲットが小さい場合には、前記シート15がスパッタリングターゲット全体を覆うように検査用枠体18をスパッタリングターゲット上に載置すればよく、検査用枠体18よりもスパッタリングターゲットが大きい場合には、検査用枠体18を移動させて、必要な領域すべての検査を行えばよい。また、検査用枠体18よりも小さいスパッタリングターゲットを複数枚並べて、この上に検査用枠体18を載置して、複数のスパッタリングターゲットを一括して検査することも可能である。
【0059】
また、一端注入した超音波伝達媒体を交換することなく複数回の検査を行えるため、より効率的であり工業的にも優れている。
図7は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。なお、図7において、図6と同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0060】
図7において、19は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。この場合、シート15においてスパッタリングターゲットに当接する側には粘着材層17が設けられている。
このように構成することにより、前記検査用枠体19のシート15がスパッタリングターゲットに当接するように、検査用枠体19をスパッタリングターゲット上に載置した場合に、粘着材層17を介して、スパッタリングターゲット上に検査用枠体19を仮着固定させることができる。すなわち、スパッタリングターゲット表面とシート15とを粘着材層17を介して密着させることができるため、超音波を良好に伝達させることができる。
【0061】
粘着材層17を構成する粘着材としては、前述した粘着材が挙げられる。
なお、この場合には、粘着材層17の粘着性が持続する限り何度でもスパッタリングターゲットをセットしなおすことができ、同一のスパッタリングターゲットの異なる箇所あるいは複数のスパッタリングターゲットを検査することができる。
【0062】
また、前記粘着材層17の代わりに超音波伝達媒体を介して、シート15とスパッタリングターゲットとを当接させるように構成してもよい。
この場合には、シート15においてスパッタリングターゲットと当接する側に、予め超音波伝達媒体を塗布するか、検査前にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を散布して、スパッタリングターゲットとシート15とを超音波伝達媒体を介して当接させ、密着させることが好ましい。
【0063】
前記超音波伝達媒体としては、図5において述べたものと同様のものが挙げられる。
なお、この場合は粘着材層を利用する場合に比べ、シートの交換頻度を減少させることができ、効率的でコスト面でも有利である。
さらに、スパッタリングターゲットを超音波伝達媒体と直接、接触させたくない場合には、前述したように、検査対象であるスパッタリングターゲットに粘着材層を有する保護シートを貼着してもよい。
【0064】
次に、前記検査用枠体18または19を用いた、本発明の検査方法の一例(II−1)について説明する。
検査方法(II−1)では、まず、枠体3aおよび3bを重ねて枠体の一方の開口部を閉塞するようにシート15が狭持された検査用枠体18または19において、枠体3aおよび3bとシート15により形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部8に超音波伝達媒体を収容する。
【0065】
その後、該シート15がスパッタリングターゲットに当接するように検査用枠体18または19をスパッタリングターゲット上に載置して、収容凹部8に収容された超音波伝達媒体を介して、スパッタリングターゲット上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査する。
そして、通常の超音波による検査方法に基づいて、超音波探傷子からの送信波を基準として、一定時間後の反射エコーの有無や反射エコーの高さを計測して、該反射エコーの高さを輝度または色に変換して、カラーまたはモノクロCRTに表示させて、超音波の反射エコー変化を観察することによって、ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を検査する。
【0066】
なお、検査用枠体18または19をスパッタリングターゲット上に載置する場合のスパッタリングターゲットの向きは、ターゲット材が上面に位置してもよく、逆にバッキングプレートが上面に位置してもよい。
これらのうちでは、ターゲット材が上面に位置する方が、収容凹部8に収容された超音波伝達媒体を介して、ターゲット材上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査することができ、超音波の伝達に際してバッキングプレートの内部構造(たとえば、水冷管など)の影響を受けずに済むため好ましい。
【0067】
また、前記検査用枠体18または19を用いる場合には、上記の方法(II−1)によるほか、下記の方法(II−2)によってもよい。
方法(II−2)では、まず、枠体3aおよび3bを重ねて枠体の一方の開口部を閉塞するようにシート15が狭持された検査用枠体18または19において、該シート15がスパッタリングターゲットに当接するように検査用枠体18または19をスパッタリングターゲット上に載置することにより、検査用枠体18または19とスパッタリングターゲットにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部8を形成する。
【0068】
その後、該収容凹部8に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査する。
超音波を用いた具体的な検査方法、その他の条件については、上述した方法(II−1)と同様である。
なお、上記のようにシートを使用して、スパッタリングターゲット上に、超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成する場合、枠体を使用せずにシートのみで、あるいは枠体以外の手段で、収容凹部を形成し、超音波伝達媒体を保持できる場合には、枠体を必ずしも使用しなくてもよいが、枠体を使用した方が効率的かつ簡便で、安定した検査を行うことができる点から好ましい。
【0069】
【発明の効果】
本発明の検査方法によれば、低コストで簡易かつ効率的に、スパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、超音波を用いて検査することができる。
本発明の検査用枠体または検査用組み立て体によれば、スパッタリングターゲットの大きさに応じた巨大な水槽を準備することなく、スパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、効率的かつ簡便に安定して検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の超音波検査用枠体の実施例の斜視図である。
図1(b)は、スパッタリングターゲットの一例の斜視図である。
図1(c)は、本発明の超音波検査用組み立て体の実施例の斜視図である。
【図2】図2は、図1(c)のI−I線での断面図である。
【図3】図3は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【図6】図6は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1、14、16、18、19 超音波検査用枠体
3、3a、3b 基材からなる枠体
5 シール材層
7 スパッタリングターゲット
8 収容凹部
9 ターゲット材
10 ボンディング材からなる接合層
11 バッキングプレート
12、13 超音波検査用組み立て体
15 シート
17 粘着材層
【発明の技術分野】
本発明は、ボンディング材からなる接合層を介したスパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、超音波を用いて検査する方法およびこれに用いる枠体ならびに組み立て体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
スパッタリングに用いられるターゲットは、スパッタリング時にプラズマ状態の不活性ガスなどによる衝撃を受け続けることにより、その内部に熱量が蓄積し、高温となる。このため、一般にCuやCu系合金などの熱伝導性の良い材料からなるバッキングプレートをターゲット材にボンディング材を介して接合し、このバッキングプレートを冷却することにより、スパッタリングターゲット全体の熱を逃がすようにしている。
【0003】
このような場合に、スパッタリングターゲットの接合状態が良好でないと、すなわち、ターゲット材とバッキングプレートとの間に空隙などがあると、スパッタリング時にターゲット材がバッキングプレートから剥離する恐れがある。
このためスパッタリングターゲット製造の際には、ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を検査する必要が生じる。
【0004】
このような検査としては、従来、スパッタリングターゲットを水没させて、超音波探傷子を備えたプローブを走査させる検査、具体的には、水没させたスパッタリングターゲットの表面を超音波探傷子を備えたプローブで走査し、超音波探傷子からの送信波を基準として、一定時間後の反射エコーの有無や反射エコーの高さを計測して、該反射エコーの高さを輝度または色に変換して、カラーまたはモノクロCRTに表示させて、超音波の反射エコー変化を観察する検査が行われていた。
【0005】
たとえば、従来技術として、超音波を利用したスパッタリング用ターゲットの検査方法において、ボンディング材であるハンダ層の厚さを100μm以上とするスパッタリング用ターゲットの検査方法が提案されているが、この方法においても導電性基台上にハンダ層を介してターゲット材を接合したターゲットは、水などの液体中に浸漬されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このようにスパッタリングターゲットを水没させて超音波測定する検査方法では検査対象となるスパッタリングターゲットの大きさに応じて、それを超えた大きさの水槽が必要になるところ、現在、スパッタリングターゲットの大きさはその用途にもよるが最大で1.4m×1.7mであり、今後さらに大型化されることが予想される。
【0007】
このような状況下で、大型化していくスパッタリングターゲットに見合った巨大な水槽を作製していくのはコスト面で非常に不利である上、非効率的である。本発明者らは、上記実情に鑑みて鋭意研究した結果、そのような巨大な水槽を準備せずとも、スパッタリングターゲット上に、枠体を使用して、超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、この収容凹部に超音波伝達媒体を収容することにより、ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を効率的に検査することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−129434号公報
【0009】
【発明の目的】
本発明は、低コストで簡易かつ効率的に、スパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、超音波を用いて検査する方法およびこれに用いる検査用枠体ならびに検査用組み立て体を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明の検査方法は、ボンディング材からなる接合層を介してターゲット材がバッキングプレートに接合されたスパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査する方法であって、
該スパッタリングターゲット上に、枠体を使用して、超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、該ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することを特徴としている。
【0011】
このように構成することによって、スパッタリングターゲットよりも大きな水槽を準備する必要がなくなり、低コストかつ効率的にスパッタリングターゲットの接合状態を検査することができる。
具体的には、本発明の検査方法では、前記枠体の一方の開口部の縁部にシール材層が設けられており、該シール材層がバッキングプレートに当接するように、該枠体をスパッタリングターゲット上に載置することにより、枠体とバッキングプレートにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、
該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することが好ましい。
【0012】
このように構成することによって、枠体が載置されたスパッタリングターゲット全体が水槽の役目を果たし、スパッタリングターゲット上に直接、超音波伝達媒体を保持することができる。
また、本発明の検査方法では、前記枠体の一方の開口部に開口部を閉塞するようにシートが貼着されており、
(1)該枠体とシートにより形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部に超音波伝達媒体を収容した後、該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査するか、あるいは、
(2)該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置することにより、枠体とシートにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することも好ましい。
【0013】
このように構成することによって、シートが貼着された枠体が水槽の役目を果たし、該シートを介して間接的にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を保持することができる。しかも、この場合には、枠体の大きさとスパッタリングターゲットの大きさを合わせる必要がなく、どのような大きさのスパッタリングターゲットでも検査をすることが可能である。たとえば、枠体の大きさがスパッタリングターゲットより大きい場合はもとより、枠体の大きさがスパッタリングターゲットより小さい場合でも、スパッタリングターゲットの部分ごとに検査して、結果的にすべての領域を検査することができる。
【0014】
また、本発明の検査方法では、大きさの異なる2以上の枠体を重ねてシートを狭持することにより、前記枠体の一方の開口部がシートで閉塞されており、
(1)該枠体とシートにより形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部に超音波伝達媒体を収容した後、該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査するか、あるいは
(2)該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置することにより、枠体とシートにより超音波伝達媒体を収容する凹部を形成し、該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することも好ましい。
【0015】
このように構成することによって、シートを枠体に貼着せずとも枠体に固定でき、シートが固定された枠体が水槽の役目を果たし、該シートを介して間接的にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を保持することができる。しかも、この場合には、枠体の大きさとスパッタリングターゲットの大きさを合わせる必要がなく、どのような大きさのスパッタリングターゲットでも検査をすることが可能である。たとえば、枠体の大きさがスパッタリングターゲットより大きい場合はもとより、枠体の大きさがスパッタリングターゲットより小さい場合でも、スパッタリングターゲットの部分ごとに検査して、結果的にすべての領域を検査することができる。
【0016】
さらに、本発明の検査方法では、前記シートに設けられた粘着材層を介して、スパッタリングターゲット上に枠体を仮着固定することが望ましい。
このように構成することによって、スパッタリングターゲット表面とシートとを密着させ、良好に超音波を伝達させることができる。
また、本発明の検査方法では、前記シートとスパッタリングターゲットを、超音波伝達媒体を介して当接させることも好ましい。
【0017】
このように構成することによって、超音波伝達媒体を介してスパッタリングターゲット表面とシートとを密着させ、良好に超音波を伝達させることができる。さらに、本発明の検査方法では、検査対象である前記スパッタリングターゲットに粘着材層を有する保護シートが貼着されていてもよい。
このように構成することによって、検査対象であるスパッタリングターゲット表面に超音波伝達媒体を直接、接触させずに検査を行うことが可能になる。
【0018】
本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体は、基材からなる枠体の一方の開口部の縁部にシール材層が設けられていることを特徴としている。
このように構成することにより、枠体を、水槽を構成する側壁として使用することができる。
また、本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体は、基材からなる枠体の一方の開口部に、開口部を閉塞するようにシートが貼着されていることを特徴としている。
【0019】
このように構成することにより、シートが貼着された枠体を水槽として使用することができる。
また、本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体は、基材からなる大きさの異なる2以上の枠体を重ねてシートを狭持することにより、枠体の一方の開口部がシートで閉塞されていることを特徴としている。
【0020】
このように構成することにより、シートを貼着せずとも枠体に固定することができ、この枠体を水槽として使用することが可能となる。
さらに、本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体がシートを有する構成を採る場合には、該シートに粘着材層が設けられていることが好ましい。
【0021】
このように構成することによって、スパッタリングターゲット表面とシートとを密着させ、良好に超音波を伝達させることができる。
本発明のスパッタリングターゲットの超音波検査用組み立て体は、前記超音波検査用枠体が、スパッタリングターゲット上に着脱可能に設置されてなることを特徴としている。
【0022】
このように構成することにより、スパッタリングターゲットの大きさに応じた水槽を別途準備することなく、超音波検査用組み立て体に形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部に、超音波伝達媒体を収容し、容易に検査を行うことができる。しかも、前記超音波検査用枠体は着脱可能であるため、検査終了後は、この超音波検査用枠体をスパッタリングターゲットから外して、スパッタリングターゲットを出荷することが可能である。また、超音波検査用枠体がシートを有する構成を採る場合には、シート、シートに設けられた粘着材層、および収容凹部に収容された超音波媒体などに劣化などがなければ、そのままの状態で次のスパッタリングターゲットの検査に再利用できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1(a)は、本発明の超音波検査用枠体の実施例の斜視図、図1(b)は、スパッタリングターゲットの一例の斜視図であり、図1(c)は、本発明の超音波検査用組み立て体の実施例の斜視図であり、図2は、図1(c)のI−I線での断面図である。
【0024】
図1(a)において、1は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。超音波検査用枠体(以下、単に検査用枠体ともいう。)1は、基材からなる枠体(以下、単に枠体ともいう。)3と、枠体3の一方の開口部の縁部に設けられたシール材層5とから構成されている。
この場合、前記シール材層5は、接着剤によって枠体3に固定することが好ましい。この接着剤としては、公知のものを用いることができ、特に限定されないが、たとえば、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤などの溶剤型、無溶剤型、水溶液型、エマルジョン型、固体状などの各種形状の接着剤が挙げられる。
【0025】
なお、検査用枠体1の形状は、図1では矩形であるが、特にこれに限定されず、検査対象のスパッタリングターゲットの形状に応じて、矩形、丸型、三角、多角などいずれの形状でもよい。また、検査用枠体1の大きさは、検査対象のスパッタリングターゲットの大きさに応じて設定することが好ましい。
前記枠体3を構成する基材は、公知のものから適宜選択することができるが、軽量で適度な強度がある点から、Al合金または木材であることが好ましい。
【0026】
また、前記基材の高さは、検査用枠体1をスパッタリングターゲット上に載置して、超音波検査用組み立て体(図1(c)参照)を形成し、超音波伝達媒体を収容する収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、この超音波伝達媒体を介してスパッタリングターゲット上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査した際に、空気の巻き込みが超音波探傷子まで達しない程度まで超音波伝達媒体をためて保持することができればよく、プローブの走査速度に応じて適宜決定することができる。たとえば、本実施例で用いた装置では、深さ5〜20cmまで超音波伝達媒体をためて保持することができればよく、基材の高さは15〜25cmが好ましい。
【0027】
前記基材の厚みは、超音波伝達媒体を保持する際の強度を考慮して選択すればよく、たとえば、Al合金の場合には0.3〜2cmであることが好ましい。
さらに、枠体3は、取り扱い容易である点からは、分解可能なように構成することが望ましい。
前記シール材層5を構成するシール材としては、枠体3と当接させる際のバッキングプレートの傷つき防止、および、検査用枠体1とスパッタリングターゲットとの密着性を向上させ超音波伝達媒体を良好に保持できる点からは、弾性体から構成するのが望ましい。このような弾性体としては、具体的には、たとえば、シリコーンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、二トリルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、エピクロルヒドリンゴムなどが好ましく挙げられ、これらのうちでは、シリコーンゴムがより好ましい。
【0028】
図1(b)において、7は全体で本発明の検査方法に用いられるスパッタリングターゲットの一例を示している。スパッタリングターゲット7は、バッキングプレート11と、バッキングプレート11の上面にボンディング材からなる接合層10を介して接合されたターゲット材9とから構成されている。
この場合、ターゲット材9は、一般にITO、Al、Al合金、Ti、Ti合金、Mo、Mo合金などからなり、バッキングプレート11は、CuまたはCu合金などからなり、接合層10のボンディング材は、In、In−SnなどのIn合金からなる。
【0029】
図1(c)および図2においては、12は全体で、本発明の超音波検査用組み立て体を示している。超音波検査用組み立て体12は、検査用枠体1をスパッタリングターゲット7上に、シール材層5がバッキングプレート11に当接するように載置して構成されている。
この場合の載置は、そのまま検査用枠体1の自重で載置してもよいが、別途図示しない固定装置で固定することにより載置してもよい。
【0030】
このように構成することによって、検査用枠体1とバッキングプレート11により超音波伝達媒体を収容する収容凹部8が形成される。この収容凹部8に超音波伝達媒体を注入することにより、収容凹部8に超音波伝達媒体を収容させる。なお、前記超音波伝達媒体は、水、含水ゲル、グリセリン系ペーストであることが好ましく、上記のように超音波伝達媒体が直接、スパッタリングターゲットに接触する場合には、検査後の処理が容易である点から水であることがより好ましい。
【0031】
なお、図1(c)および図2では、検査用枠体1をスパッタリングターゲット7上に載置した際に、ターゲット材9が収容凹部8側に位置する場合を示しているが、この場合には、超音波伝達媒体を介して、ターゲット材9上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査することができる。このため、超音波の伝達に際して、バッキングプレート11の内部構造(たとえば、水冷管など)の影響を受けずに済む点で好ましい。その一方で、ターゲット材9が収容凹部8側に位置しており、ターゲット材9が直接、水などの超音波伝達媒体と接触するため、超音波検査終了後にターゲット材9に付着した水分を乾燥させる必要がある。
【0032】
図3は、本発明の超音波検査用組み立て体の別の実施例の斜視図である。なお、図3において、図1および2と同じ構成部材については同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
図3において、13は全体で、本発明の超音波検査用組み立て体を示し、該超音波検査用組み立て体13は、検査用枠体1をスパッタリングターゲット7上に載置した際に、ターゲット材9が収容凹部8の反対側に位置するように構成されている。
【0033】
このように、ターゲット材9が収容凹部8の反対側に位置する場合には、ターゲット材9に超音波伝達媒体が直接、接触しないため、水分が付着しない点で好ましい。その一方で、超音波伝達媒体を介して、スパッタリングターゲット7上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査する際に、バッキングプレート11側を走査することになるため、超音波の伝達に際して、バッキングプレート11の内部構造(たとえば、水冷管など)の影響を受ける。このため、図3の構成は、水冷管などのない単純な構造のバッキングプレートの場合に好適である。その他のバッキングプレートの場合には、バッキングプレートの内部構造の影響を低減させるため、水冷管に水を充填するなどの措置を講じることが好ましい。
【0034】
また、スパッタリングターゲットを水などの超音波伝達媒体と直接、接触させたくない場合には、検査対象であるスパッタリングターゲットに粘着材層を有する保護シートを貼着してもよい。
前記保護シートとしては、超音波を吸収散乱しないものが好ましく、具体的には、フッ素樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリフェニレンサルファイトフィルム、ナイロンフィルムなどが挙げられる。
【0035】
前記保護シートの厚みは、その強度および超音波を良好に伝達させることを考慮すれば、好ましくは0.01〜2.0mmの範囲である。
また、保護シートに設けられる粘着材層の粘着材としては、アクリル系粘着材、ゴム系粘着材、シリコーン系粘着材などが挙げられる。
次に、このような超音波検査用枠体1(あるいは超音波検査用組み立て体12、13)を用いた本発明の検査方法の一例について具体的に説明する。
【0036】
まず、前記検査用枠体1のシール材層5がバッキングプレート11に当接するように検査用枠体1をスパッタリングターゲット7上に載置する(すなわち、前記超音波検査用組み立て体12または13を形成する)ことにより、検査用枠体1とバッキングプレート11により超音波伝達媒体を収容する収容凹部8を形成する。
【0037】
次に、前記収容凹部8に超音波伝達媒体を注入して収容させ、この超音波伝達媒体を介して、スパッタリングターゲット7上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査する(図示せず)。
そして、通常の超音波による検査方法に基づいて、超音波探傷子からの送信波を基準として、一定時間後の反射エコーの有無や反射エコーの高さを計測して、該反射エコーの高さを輝度または色に変換して、カラーまたはモノクロCRTに表示させて、超音波の反射エコー変化を観察することによって、ターゲット材9とバッキングプレート11との接合状態を検査する。
【0038】
図4は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。なお、図4において、図1〜3と同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
図4において、14は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。超音波検査用枠体(以下、単に検査用枠体ともいう。)14は、基材からなる枠体(以下、単に枠体ともいう。)3と、シート15からなり、前記枠体3の開口部の一方を閉塞するようにシート15が枠体3に貼着され構成されている。
【0039】
この場合には、前記シート15がスパッタリングターゲットに当接するように、検査用枠体14をスパッタリングターゲット上に載置して検査を行うため、シート15が図1〜3のシール材層5の役割を果たす。したがって、シール材層5は、通常設けなくてよい。
前記シート15は、粘着材を介して、前記枠体3に貼着されており、前記枠体3の一方の開口部の縁部に粘着材を塗布して、シート15を貼着してもよく、シート15に粘着材を塗布して、枠体3に貼着してもよい。
【0040】
また、検査用枠体14の形状は、図4では矩形であるが、特にこれに限定されず、検査対象のスパッタリングターゲットの形状に応じて、矩形、丸型、三角、多角などいずれの形状でもよい。
この場合、検査用枠体14の大きさは、後述するように検査対象であるスパッタリングターゲットの大きさと合わせる必要がないため、特に限定されない。
【0041】
前記シート15としては、超音波を吸収散乱しないものが好ましく、具体的には、フッ素樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリフェニレンサルファイトフィルム、ナイロンフィルムなどが挙げられる。
【0042】
前記シート15の厚みは、その強度および超音波を良好に伝達させることを考慮すれば、好ましくは0.01〜2.0mmの範囲である。
また、シート15を枠体3に貼着する際に用いる粘着材としては、アクリル系粘着材、ゴム系粘着材、シリコーン系粘着材などが挙げられる。
このように構成することによって、枠体3とシート15とにより(あるいは、検査用枠体14とスパッタリングターゲットにより)、超音波伝達媒体を収容する収容凹部8が形成される。この収容凹部8に超音波伝達媒体を注入することにより、収容凹部8に超音波伝達媒体を収容させる。すなわち、シート15が貼着された検査用枠体14が水槽の役目を果たし、該シート15を介して間接的にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を保持することができる。
【0043】
しかも、この場合には、検査用枠体14の大きさとスパッタリングターゲットの大きさとを合わせる必要がなく、どのような大きさのスパッタリングターゲットでも検査をすることが可能である。すなわち、検査用枠体14よりもスパッタリングターゲットが小さい場合には、前記シート15がスパッタリングターゲット全体を覆うように検査用枠体14をスパッタリングターゲット上に載置すればよく、検査用枠体14よりもスパッタリングターゲットが大きい場合には、検査用枠体14を移動させて、必要な領域すべての検査を行えばよい。また、検査用枠体14よりも小さいスパッタリングターゲットを複数枚並べて、検査用枠体14を載置して、複数のスパッタリングターゲットを一括して検査することも可能である。
【0044】
さらに、一端注入した超音波伝達媒体を交換することなく複数回の検査を行えるため、より効率的であり工業的にも優れている。
図5は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。なお、図5において、図4と同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0045】
図5において、16は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。超音波検査用枠体(以下、単に検査用枠体ともいう。)16は、基材からなる枠体(以下、単に枠体ともいう。)3と、シート15からなり、前記枠体3の開口部の一方を閉塞するようにシート15が枠体3に貼着され構成されている。
この場合、シート15においてスパッタリングターゲットに当接する側には粘着材層17が設けられている。
【0046】
このように構成することにより、前記検査用枠体16のシート15がスパッタリングターゲットに当接するように、検査用枠体16をスパッタリングターゲット上に載置した場合に、粘着材層17を介して、スパッタリングターゲット上に検査用枠体16を仮着固定させることができる。すなわち、スパッタリングターゲット表面とシート15とを粘着材層17を介して密着させることができるため、超音波を良好に伝達させることができる。
【0047】
粘着材層17を構成する粘着材としては、前述した粘着材が挙げられる。
なお、この場合には、粘着材層17の粘着性が持続する限り何度でもスパッタリングターゲットをセットしなおすことができ、同一のスパッタリングターゲットの異なる箇所あるいは複数のスパッタリングターゲットを検査することができる。
【0048】
また、前記粘着材層17の代わりに超音波伝達媒体を介して、シート15とスパッタリングターゲットとを当接させるように構成してもよい。
この場合には、シート15においてスパッタリングターゲットと当接する側に、予め超音波伝達媒体を塗布するか、検査前にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を散布して、スパッタリングターゲットとシート15とを超音波伝達媒体を介して当接させ、密着させることが好ましい。
【0049】
前記超音波伝達媒体としては、前述した水、含水ゲル、グリセリン系ペーストなどが挙げられ、好ましくは水である。
なお、この場合は粘着材層を利用する場合に比べ、シートの交換頻度を減少させることができ、効率的でコスト面でも有利である。
さらに、スパッタリングターゲットを超音波伝達媒体と直接、接触させたくない場合には、前述したように、検査対象であるスパッタリングターゲットに粘着材層を有する保護シートを貼着してもよい。
【0050】
次に、前記検査用枠体14または16を用いた、本発明の検査方法の一例(I−1)について説明する。
検査方法(I−1)では、まず、枠体3の一方の開口部に開口部を閉塞するようにシート15が貼着された検査用枠体14または16において、枠体3とシート15により形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部8に超音波伝達媒体を収容する。
【0051】
その後、該シート15がスパッタリングターゲットに当接するように検査用枠体14または16をスパッタリングターゲット上に載置して、収容凹部8に収容された超音波伝達媒体を介して、スパッタリングターゲット上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査する。
そして、通常の超音波による検査方法に基づいて、超音波探傷子からの送信波を基準として、一定時間後の反射エコーの有無や反射エコーの高さを計測して、該反射エコーの高さを輝度または色に変換して、カラーまたはモノクロCRTに表示させて、超音波の反射エコー変化を観察することによって、ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を検査する。
【0052】
なお、検査用枠体14または16をスパッタリングターゲット上に載置する場合のスパッタリングターゲットの向きは、ターゲット材が上面に位置してもよく、逆にバッキングプレートが上面に位置してもよい。
これらのうちでは、ターゲット材が上面に位置する方が、収容凹部8に収容された超音波伝達媒体を介して、ターゲット材上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査することができ、超音波の伝達に際してバッキングプレートの内部構造(たとえば、水冷管など)の影響を受けずに済むため好ましい。
【0053】
また、前記検査用枠体14または16を用いる場合には、上記の方法(I−1)によるほか、下記の方法(I−2)によってもよい。
方法(I−2)では、まず、枠体3の一方の開口部に開口部を閉塞するようにシート15が貼着された検査用枠体14または16において、該シート15がスパッタリングターゲットに当接するように検査用枠体14または16をスパッタリングターゲット上に載置することにより、検査用枠体14または16とスパッタリングターゲットにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部8を形成する。
【0054】
その後、該収容凹部8に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査する。
超音波を用いた具体的な検査方法、その他の条件については、上述した方法(I−1)と同様である。
図6は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。なお、図6において図1〜4と同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0055】
図6において、18は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。超音波検査用枠体(以下、単に検査用枠体ともいう。)18は、基材からなる枠体(以下単に枠体ともいう。)3aおよび3bと、これらの枠体を重ねて枠体の一方の開口部を閉塞するように狭持されたシート15とから構成されている。
この場合には、前記シート15がスパッタリングターゲットに当接するように、検査用枠体18をスパッタリングターゲット上に載置して検査を行うため、シート15が図1〜3のシール材層5の役割を果たす。したがって、シール材層5は、通常設けなくてよい。
【0056】
図6には、大きさの異なる枠体3aおよび3bが記載されているが、これらの大きさの異なる枠体は、重ねた際に枠体の一方の開口部を閉塞するようにシート15を狭持することができればよく、その大きさは特に限定されない。
また、使用する枠体の数は、通常2以上であれば足り、好ましくは2つである。なお、これら複数の枠体3a、3bを構成する基材は同じでも異なってもよいが、好ましくは同じである。
【0057】
なお、検査用枠体18の形状は、図6においては矩形であるが、特にこれに限定されず、検査対象のスパッタリングターゲットの形状に応じて、矩形、丸型、三角、多角などいずれの形状でもよい。
このように構成することにより、シート15を貼着せずとも枠体に固定することができ、枠体3a、3bとシート15とにより(あるいは、検査用枠体18とスパッタリングターゲットにより)、超音波伝達媒体を収容する収容凹部8が形成される。この収容凹部8に超音波伝達媒体を注入することにより、収容凹部8に超音波伝達媒体を収容させる。すなわち、シート15が狭持された検査用枠体18が水槽の役目を果たし、該シート15を介して間接的にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を保持することができる。
【0058】
しかも、この場合、検査用枠体18の大きさとスパッタリングターゲットの大きさを合わせる必要がなく、どのような大きさのスパッタリングターゲットでも検査をすることが可能である。
すなわち、検査用枠体18よりもスパッタリングターゲットが小さい場合には、前記シート15がスパッタリングターゲット全体を覆うように検査用枠体18をスパッタリングターゲット上に載置すればよく、検査用枠体18よりもスパッタリングターゲットが大きい場合には、検査用枠体18を移動させて、必要な領域すべての検査を行えばよい。また、検査用枠体18よりも小さいスパッタリングターゲットを複数枚並べて、この上に検査用枠体18を載置して、複数のスパッタリングターゲットを一括して検査することも可能である。
【0059】
また、一端注入した超音波伝達媒体を交換することなく複数回の検査を行えるため、より効率的であり工業的にも優れている。
図7は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。なお、図7において、図6と同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
【0060】
図7において、19は全体で本発明の超音波検査用枠体を示している。この場合、シート15においてスパッタリングターゲットに当接する側には粘着材層17が設けられている。
このように構成することにより、前記検査用枠体19のシート15がスパッタリングターゲットに当接するように、検査用枠体19をスパッタリングターゲット上に載置した場合に、粘着材層17を介して、スパッタリングターゲット上に検査用枠体19を仮着固定させることができる。すなわち、スパッタリングターゲット表面とシート15とを粘着材層17を介して密着させることができるため、超音波を良好に伝達させることができる。
【0061】
粘着材層17を構成する粘着材としては、前述した粘着材が挙げられる。
なお、この場合には、粘着材層17の粘着性が持続する限り何度でもスパッタリングターゲットをセットしなおすことができ、同一のスパッタリングターゲットの異なる箇所あるいは複数のスパッタリングターゲットを検査することができる。
【0062】
また、前記粘着材層17の代わりに超音波伝達媒体を介して、シート15とスパッタリングターゲットとを当接させるように構成してもよい。
この場合には、シート15においてスパッタリングターゲットと当接する側に、予め超音波伝達媒体を塗布するか、検査前にスパッタリングターゲット上に超音波伝達媒体を散布して、スパッタリングターゲットとシート15とを超音波伝達媒体を介して当接させ、密着させることが好ましい。
【0063】
前記超音波伝達媒体としては、図5において述べたものと同様のものが挙げられる。
なお、この場合は粘着材層を利用する場合に比べ、シートの交換頻度を減少させることができ、効率的でコスト面でも有利である。
さらに、スパッタリングターゲットを超音波伝達媒体と直接、接触させたくない場合には、前述したように、検査対象であるスパッタリングターゲットに粘着材層を有する保護シートを貼着してもよい。
【0064】
次に、前記検査用枠体18または19を用いた、本発明の検査方法の一例(II−1)について説明する。
検査方法(II−1)では、まず、枠体3aおよび3bを重ねて枠体の一方の開口部を閉塞するようにシート15が狭持された検査用枠体18または19において、枠体3aおよび3bとシート15により形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部8に超音波伝達媒体を収容する。
【0065】
その後、該シート15がスパッタリングターゲットに当接するように検査用枠体18または19をスパッタリングターゲット上に載置して、収容凹部8に収容された超音波伝達媒体を介して、スパッタリングターゲット上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査する。
そして、通常の超音波による検査方法に基づいて、超音波探傷子からの送信波を基準として、一定時間後の反射エコーの有無や反射エコーの高さを計測して、該反射エコーの高さを輝度または色に変換して、カラーまたはモノクロCRTに表示させて、超音波の反射エコー変化を観察することによって、ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を検査する。
【0066】
なお、検査用枠体18または19をスパッタリングターゲット上に載置する場合のスパッタリングターゲットの向きは、ターゲット材が上面に位置してもよく、逆にバッキングプレートが上面に位置してもよい。
これらのうちでは、ターゲット材が上面に位置する方が、収容凹部8に収容された超音波伝達媒体を介して、ターゲット材上を、超音波探傷子を備えたプローブで走査することができ、超音波の伝達に際してバッキングプレートの内部構造(たとえば、水冷管など)の影響を受けずに済むため好ましい。
【0067】
また、前記検査用枠体18または19を用いる場合には、上記の方法(II−1)によるほか、下記の方法(II−2)によってもよい。
方法(II−2)では、まず、枠体3aおよび3bを重ねて枠体の一方の開口部を閉塞するようにシート15が狭持された検査用枠体18または19において、該シート15がスパッタリングターゲットに当接するように検査用枠体18または19をスパッタリングターゲット上に載置することにより、検査用枠体18または19とスパッタリングターゲットにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部8を形成する。
【0068】
その後、該収容凹部8に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査する。
超音波を用いた具体的な検査方法、その他の条件については、上述した方法(II−1)と同様である。
なお、上記のようにシートを使用して、スパッタリングターゲット上に、超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成する場合、枠体を使用せずにシートのみで、あるいは枠体以外の手段で、収容凹部を形成し、超音波伝達媒体を保持できる場合には、枠体を必ずしも使用しなくてもよいが、枠体を使用した方が効率的かつ簡便で、安定した検査を行うことができる点から好ましい。
【0069】
【発明の効果】
本発明の検査方法によれば、低コストで簡易かつ効率的に、スパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、超音波を用いて検査することができる。
本発明の検査用枠体または検査用組み立て体によれば、スパッタリングターゲットの大きさに応じた巨大な水槽を準備することなく、スパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を、効率的かつ簡便に安定して検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の超音波検査用枠体の実施例の斜視図である。
図1(b)は、スパッタリングターゲットの一例の斜視図である。
図1(c)は、本発明の超音波検査用組み立て体の実施例の斜視図である。
【図2】図2は、図1(c)のI−I線での断面図である。
【図3】図3は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【図6】図6は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の超音波検査用枠体の別の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1、14、16、18、19 超音波検査用枠体
3、3a、3b 基材からなる枠体
5 シール材層
7 スパッタリングターゲット
8 収容凹部
9 ターゲット材
10 ボンディング材からなる接合層
11 バッキングプレート
12、13 超音波検査用組み立て体
15 シート
17 粘着材層
Claims (14)
- ボンディング材からなる接合層を介してターゲット材がバッキングプレートに接合されたスパッタリングターゲットのターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査する方法であって、
該スパッタリングターゲット上に、枠体を使用して、超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、
該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、該ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することを特徴とする検査方法。 - 前記枠体の一方の開口部の縁部にシール材層が設けられており、
該シール材層がバッキングプレートに当接するように、該枠体をスパッタリングターゲット上に載置することにより、枠体とバッキングプレートにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、
該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。 - 前記枠体の一方の開口部に開口部を閉塞するようにシートが貼着されており、該枠体とシートにより形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部に超音波伝達媒体を収容した後、
該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。 - 前記枠体の一方の開口部に開口部を閉塞するようにシートが貼着されており、該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置することにより、枠体とシートにより超音波伝達媒体を収容する収容凹部を形成し、
該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。 - 大きさの異なる2以上の枠体を重ねてシートを狭持することにより、前記枠体の一方の開口部がシートで閉塞されており、
該枠体とシートにより形成された超音波伝達媒体を収容する収容凹部に超音波伝達媒体を収容した後、
該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。 - 大きさの異なる2以上の枠体を重ねてシートを狭持することにより、前記枠体の一方の開口部がシートで閉塞されており、
該シートがスパッタリングターゲットに当接するように該枠体をスパッタリングターゲット上に載置することにより、枠体とシートにより超音波伝達媒体を収容する凹部を形成し、
該収容凹部に超音波伝達媒体を収容して、前記ターゲット材とバッキングプレートとの接合状態を超音波で検査することを特徴とする請求項1に記載の検査方法。 - 前記シートに設けられた粘着材層を介して、スパッタリングターゲット上に枠体を仮着固定することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の検査方法。
- 前記シートとスパッタリングターゲットを、超音波伝達媒体を介して当接させることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の検査方法。
- 前記スパッタリングターゲットに粘着材層を有する保護シートが貼着されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の検査方法。
- 基材からなる枠体の一方の開口部の縁部にシール材層が設けられたスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体。
- 基材からなる枠体の一方の開口部に、開口部を閉塞するようにシートが貼着されたスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体。
- 基材からなる大きさの異なる2以上の枠体を重ねてシートを狭持することにより、枠体の一方の開口部がシートで閉塞されたスパッタリングターゲットの超音波検査用枠体。
- 前記シートに粘着材層が設けられていることを特徴とする請求項11または12に記載の超音波検査用枠体。
- 請求項10〜13のいずれかに記載の超音波検査用枠体がスパッタリングターゲット上に着脱可能に設置されてなる、スパッタリングターゲットの超音波検査用組み立て体。
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Effective date: 20080408 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |