JP2004294159A - グローブボックスのグローブユニット及びグローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】グローブポートに付着する汚染物質の量を低減する。
【解決手段】グローブポート15内に挿入されたグローブ25に円筒体33を挿入し、内側からグローブポート15の内面に押圧して固定することにより、グローブ25をポート15に押圧した位置で汚染物質を止めることができるから、その位置よりも手前側のポート15に汚染物質が付着することを抑制でき、グローブポート25に付着する汚染物質の量を低減できる。
【選択図】 図1
【解決手段】グローブポート15内に挿入されたグローブ25に円筒体33を挿入し、内側からグローブポート15の内面に押圧して固定することにより、グローブ25をポート15に押圧した位置で汚染物質を止めることができるから、その位置よりも手前側のポート15に汚染物質が付着することを抑制でき、グローブポート25に付着する汚染物質の量を低減できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グローブボックスのグローブポートにグローブを固定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、放射性物質などの汚染物質を取り扱う場合、作業員の安全性を確保するために、負圧に保たれたグローブボックスの内部で汚染物質を取り扱うようにしている。このグローブボックスは、例えば、ステンレス製の筐体の一側面に透明のアクリル製パネルを取り付けて密閉し、そのパネルに円形の開口孔を形成し、その開口孔に円筒内面を有するグローブポートを外側に突き出して設けた構成になっている。このように突き出されて形成されたグローブポートの筒端に、グローブの裾を被せ、帯バンドなどによって締め付けて装着した後、グローブの表裏を返してグローブポートからグローブボックス内にグローブの先端を挿入することにより、内部に設置された装置類などを操作できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。そして、グローブを使用していないときは、グローブが内部の装置類のスイッチなどに触れないように引出されて固定されている。
【0003】
【特許文献1】
実公昭64−3112号公報(第1−2頁、第1−2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、グローブポートからグローブを引出す際に、グローブの表面についた汚染物質やグローブボックス内の汚染物質がポートの内面に付着することがある。また、これらの汚染物質は、グローブポートのグローブが被せられた外面に付着することもある。グローブポートに付着した汚染物質の量が多くなると取り除く必要があるが、気密を保ちながらグローブポートの内外面を清掃するのは極めて困難である。
【0005】
本発明の課題は、グローブポートに付着する汚染物質の量を低減することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、グローブポート内に挿入されたグローブに円筒体を挿入し、内側からグローブポートの内面全周にわたって押圧して密着させることを特徴とする。これにより、グローブをグローブポートに密着させた位置で汚染物質を止めることができるから、その位置よりも手前側のポートに汚染物質が侵入することを防止できる。
【0007】
具体的には、グローブがグローブポートに挿入された状態で、グローブポート内に位置するグローブの外周に凸状かつ環状に形成された弾性を有する帯部を設け、この帯部の位置に合わせて円筒体を挿入する構成とする。このとき、円筒体の外面は、帯部がグローブポート内面を押圧可能に形成し、例えば、円筒体の外周面とグローブポート内面との隙間が、グローブの帯部の厚みよりも狭くなるように形成する。このように構成することで、グローブの帯部の弾性力で押圧することができる。なお、帯部は、グローブに一体に形成してもよいし、例えば、オーリングなどをグローブの外周に張り付けて形成してもよい。
【0008】
また、グローブに挿入する円筒体の外周面に帯部に対応する溝を形成することができる。これにより、帯部を溝に嵌め込むことができ、帯部と円筒体とがグローブポート内でずれることを防止できるので、グローブを安定してポート内面に押圧することができる。
【0009】
このように円筒体の溝に帯部を嵌め込む場合におけるグローブの挿入手順は、グローブ内側に円筒体を挿入し、その円筒体の溝に帯部を嵌め込んでから、グローブをグローブポートに挿入することが好ましい。しかし、この手順によれば、帯部の外面をグローブポートの内面に摺動させてグローブ挿入することになる。そこで、帯部の外面を、オルガノシロキサンポリマーで被覆することが好ましい。これにより、円筒体に固定されたグローブの挿入を容易に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図5を用いて説明する。図1は、本発明に係るグローブユニットの一実施形態の装着状態を示した断面図である。図2は、グローブボックスの全体構成を示す斜視図である。図3は、グローブポートの詳細構成を示す断面図である。図4は、本発明に係るグローブの一実施形態を示した図である。図5は、本発明に係るグローブユニットの交換作業を説明する断面図である。
【0011】
まず、グローブボックスの全体構成について図2を用いて説明する。グローブボックスは、図2に示すように、内部が外部と気密に隔離された箱体である。グローブボックスの側面の少なくとも一面は、開口を形成する格子状の枠体11と、この枠体11の方形の開口に填め込まれ、周縁部が枠体11に気密に取り付けられた方形平板状のパネル13とで構成されている。パネル13には、複数の円形の貫通穴が形成されており、このパネル13の貫通穴には、グローブポート15が気密に取り付けられている。
【0012】
グローブポート15は、図3に示すように、両端が開口された円筒状の部材であり、一端部側が漸次拡径されて鍔状に形成されている。この鍔状に形成された部分は、パネル13にグローブポート15を気密に取り付るための取付部17となっている。グローブポート15の取付部17が設けられた側の端部と反対側の端部は、作業者がグローブに腕を挿入するための挿入口部19となる。パネル13に形成された貫通穴は、グローブポート15の取付部17以外の部分が挿通可能な直径で形成されており、グローブポート15は、グローブボックスの内側から、パネル13に形成された貫通穴に挿通される。このとき、グローブポート15は、鍔状に形成された取付部17の挿入口部19側に向いた面がパネル13の貫通穴の周縁部に当接するが、取付部17とパネル13の貫通穴の周縁部にはシール材21が挟み込まれる。グローブポート15の挿入口部19、つまり、作業者の手前側に位置するポートの筒端の外周面には、オーリングに対応した2本の溝14が形成されている。
【0013】
このようにパネル13の貫通穴にグローブポート15を挿通した状態で、グローブポート15に、グローブポート15の取付部17の外径に対応する外径を有し、グローブポート15の取付部17以外の部分を挿通可能な径の貫通穴を有する円環状のフランジ23をはめる。すなわち、グローブポート15の挿入口部19側からグローブポート15をフランジ23の貫通穴に挿入し、フランジ23をパネル13のグローブボックスの外側に来る面に当接させた状態、または、フランジ23とパネル13のグローブボックスの外側に来る面との間にシール材21を挟み込んだ状態とする。そして、この状態で、フランジ23をグローブポート15にビス24などで固定することで、フランジ23とグローブポート15の鍔状に形成された取付部17がパネル13の開口の周縁部を挟持した状態となり、グローブポート15がパネル13に固定される。したがって、グローブポート15は、パネル13からグローブボックスの外側に向けて突出した状態で設けられる。なお、パネル13の開口の周縁部を把持した状態に設けられたコ字状の断面を有する環状のシール材21を設置した例を示しているが、シール材は、パネル13とグローブポート15の取付部17との対向する面のうち、少なくとも一面でシールできればよいため、平たい円環状のシール材などを用いることもできる。
【0014】
このように構成されたグローブボックスを使用する場合、図2に示すように、必要な位置のグローブポート15には、例えばクロロスルフォン化ポリエチレンなどのゴム製のグローブ25が取り付けられる。一方、グローブが取り付けられないグローブポート15は、図示していない気密用インナーリングが取り付けられ、気密に閉塞される。グローブ25は、使用しないときグローブボックスの外側に引き出された状態にされ、使用するときは、グローブポート15の挿入口部19側からグローブボックス内に挿入された状態にされ、作業者がグローブポート15の挿入口部19からグローブ25に腕を入れる。
【0015】
次に、本実施形態の特徴部であるグローブユニットについてグローブの装着部分の構成と合わせて説明する。グローブユニットは、図1に示すように、グローブ25と円筒体33で構成されている。グローブ25は、挿入口部19からグローブポートの外面に裾部を被せ、この裾部を帯バンド27によってグローブポート外面に締め付けることにより装着されている。裾部の溝14上の位置は、それぞれオーリング29で締め付けられ気密に保たれるようになっている。帯バンド27は、溝14よりも取付部17側、または溝部14上を締め付けるように留められる。グローブ25は、挿入口部19から表裏を返され、裏返されたグローブ25の指先がグローブポート15からグローブボックス内に挿入されている。
【0016】
本実施形態の特徴部であるグローブ25について、図4を参照して説明する。グローブ25の外周には、2本のオーリング35が接着または溶着などの方法で取り付けられ、凸状に形成された帯部を形成している。オーリング35は、例えばゴムなどの弾性を有する材質で形成され、その表面はオルガノシロキサンポリマーまたはこれを含む樹脂で被覆されている。オーリング35は、グローブ25がグローブポート15に装着挿入された状態で、グローブポート15内に位置する部分に配置され、オーリング35の外形は、グローブポート15の内面に合わせて形成されている。
【0017】
円筒体33は、図1に示すように、リング状に形成され、円筒体33の外周は、グローブポート15の内径からグローブ25の帯部以外の部分の厚みを引いた径よりも小さく、かつ、グローブポート15の内径からグローブ25の帯部の厚みを引いた径よりも大きく形成されている。この円筒体33の外周には、2本のオーリング35と同じ間隔で、かつ、オーリング35の断面形状に合わせて形成された2本の溝が形成されている。この溝は、円筒体33がグローブ25に挿入されてオーリング35の位置に配置された場合に、オーリング35をグローブポート15の内面に押圧するように形成されている。
【0018】
このような構成のグローブユニットの取付・交換作業について図5を参照して説明する。まず、円筒体33をグローブ25内に挿入し、円筒体33の溝にオーリング35の位置を合わせて嵌め込む。そして、グローブ25の指先側を丸めてグローブポート15の挿入口部19に嵌め、図5に示す押し込み治具で押し込む。グローブポート内に古いグローブユニットがある場合は、このグローブユニットごと押し込んで、古いグローブユニットをグローブボックス内に落とす。なお、押し込み治具は、貫通する螺子孔が形成されたベース板40、円筒体33の外形に合わせて形成された押し板41、外周に螺子が形成された螺子ロッド42、螺子ロッド42の一端に取り付けられたハンドル43を備えて構成されている。ベース板40をグローブボックスに取り付けて固定し、ハンドル43を廻して螺子孔に螺子ロッド42をねじ込み、押し板41を介してグローブユニットの円筒体33をグローブポートに押し込むように構成されている。
【0019】
このようにグローブユニットをグローブポート15に取り付けることで、オーリング35は、円筒体33によりグローブ25の内側からグローブポート15の内面に押圧されて固定される。グローブボックス内の汚染物質は、このグローブ25を固定した位置で止められるので、この固定位置よりも挿入口部19側には侵入しない。
【0020】
以上説明したように、本実施形態によれば、グローブ25をグローブポート15の内面に密着させた位置で汚染物質を止めることができるから、その位置よりも手前側のグローブポート15の内面及び外面に汚染物質が侵入して堆積することを防止できる。これにより、グローブポート15に付着した汚染物質を除去する作業を軽減または省略することができるのである。
【0021】
また、本実施形態によれば、グローブユニットは、円筒体33に溝を形成することで、オーリング35が設けられた比較的厚い部分を溝に嵌め込むことができ、グローブ25内で円筒体33の位置がずれることを防止できるので、グローブを確実にポート内面に押圧することができる。
【0022】
また、オーリング35の外面を、オルガノシロキサンポリマーで被覆したことで、グローブユニットの挿入を容易に行うことができる。
【0023】
なお、本実施形態では、オーリング35をグローブ25の外周に張り付ける構成としたが、グローブ25に一体に形成してもよい。また、本実施形態では、円筒体33は外周に溝が形成されたものとしたが、オーリング35と円筒体33がずれることを考慮しなければ溝を設けない構成とすることもできる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、グローブポートに付着する汚染物質の量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグローブユニットの一実施形態の装着状態を示した断面図である。
【図2】グローブボックスの全体構成を示す斜視図である。
【図3】グローブポートの詳細構成を示す断面図である。
【図4】本発明に係るグローブの一実施形態を示した図である。
【図5】本発明に係るグローブユニットの交換作業を説明する断面図である。
【符号の説明】
15 グローブポート
25 グローブ
33 円筒体
35 オーリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、グローブボックスのグローブポートにグローブを固定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、放射性物質などの汚染物質を取り扱う場合、作業員の安全性を確保するために、負圧に保たれたグローブボックスの内部で汚染物質を取り扱うようにしている。このグローブボックスは、例えば、ステンレス製の筐体の一側面に透明のアクリル製パネルを取り付けて密閉し、そのパネルに円形の開口孔を形成し、その開口孔に円筒内面を有するグローブポートを外側に突き出して設けた構成になっている。このように突き出されて形成されたグローブポートの筒端に、グローブの裾を被せ、帯バンドなどによって締め付けて装着した後、グローブの表裏を返してグローブポートからグローブボックス内にグローブの先端を挿入することにより、内部に設置された装置類などを操作できるようにしている(例えば、特許文献1参照)。そして、グローブを使用していないときは、グローブが内部の装置類のスイッチなどに触れないように引出されて固定されている。
【0003】
【特許文献1】
実公昭64−3112号公報(第1−2頁、第1−2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、グローブポートからグローブを引出す際に、グローブの表面についた汚染物質やグローブボックス内の汚染物質がポートの内面に付着することがある。また、これらの汚染物質は、グローブポートのグローブが被せられた外面に付着することもある。グローブポートに付着した汚染物質の量が多くなると取り除く必要があるが、気密を保ちながらグローブポートの内外面を清掃するのは極めて困難である。
【0005】
本発明の課題は、グローブポートに付着する汚染物質の量を低減することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、グローブポート内に挿入されたグローブに円筒体を挿入し、内側からグローブポートの内面全周にわたって押圧して密着させることを特徴とする。これにより、グローブをグローブポートに密着させた位置で汚染物質を止めることができるから、その位置よりも手前側のポートに汚染物質が侵入することを防止できる。
【0007】
具体的には、グローブがグローブポートに挿入された状態で、グローブポート内に位置するグローブの外周に凸状かつ環状に形成された弾性を有する帯部を設け、この帯部の位置に合わせて円筒体を挿入する構成とする。このとき、円筒体の外面は、帯部がグローブポート内面を押圧可能に形成し、例えば、円筒体の外周面とグローブポート内面との隙間が、グローブの帯部の厚みよりも狭くなるように形成する。このように構成することで、グローブの帯部の弾性力で押圧することができる。なお、帯部は、グローブに一体に形成してもよいし、例えば、オーリングなどをグローブの外周に張り付けて形成してもよい。
【0008】
また、グローブに挿入する円筒体の外周面に帯部に対応する溝を形成することができる。これにより、帯部を溝に嵌め込むことができ、帯部と円筒体とがグローブポート内でずれることを防止できるので、グローブを安定してポート内面に押圧することができる。
【0009】
このように円筒体の溝に帯部を嵌め込む場合におけるグローブの挿入手順は、グローブ内側に円筒体を挿入し、その円筒体の溝に帯部を嵌め込んでから、グローブをグローブポートに挿入することが好ましい。しかし、この手順によれば、帯部の外面をグローブポートの内面に摺動させてグローブ挿入することになる。そこで、帯部の外面を、オルガノシロキサンポリマーで被覆することが好ましい。これにより、円筒体に固定されたグローブの挿入を容易に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図5を用いて説明する。図1は、本発明に係るグローブユニットの一実施形態の装着状態を示した断面図である。図2は、グローブボックスの全体構成を示す斜視図である。図3は、グローブポートの詳細構成を示す断面図である。図4は、本発明に係るグローブの一実施形態を示した図である。図5は、本発明に係るグローブユニットの交換作業を説明する断面図である。
【0011】
まず、グローブボックスの全体構成について図2を用いて説明する。グローブボックスは、図2に示すように、内部が外部と気密に隔離された箱体である。グローブボックスの側面の少なくとも一面は、開口を形成する格子状の枠体11と、この枠体11の方形の開口に填め込まれ、周縁部が枠体11に気密に取り付けられた方形平板状のパネル13とで構成されている。パネル13には、複数の円形の貫通穴が形成されており、このパネル13の貫通穴には、グローブポート15が気密に取り付けられている。
【0012】
グローブポート15は、図3に示すように、両端が開口された円筒状の部材であり、一端部側が漸次拡径されて鍔状に形成されている。この鍔状に形成された部分は、パネル13にグローブポート15を気密に取り付るための取付部17となっている。グローブポート15の取付部17が設けられた側の端部と反対側の端部は、作業者がグローブに腕を挿入するための挿入口部19となる。パネル13に形成された貫通穴は、グローブポート15の取付部17以外の部分が挿通可能な直径で形成されており、グローブポート15は、グローブボックスの内側から、パネル13に形成された貫通穴に挿通される。このとき、グローブポート15は、鍔状に形成された取付部17の挿入口部19側に向いた面がパネル13の貫通穴の周縁部に当接するが、取付部17とパネル13の貫通穴の周縁部にはシール材21が挟み込まれる。グローブポート15の挿入口部19、つまり、作業者の手前側に位置するポートの筒端の外周面には、オーリングに対応した2本の溝14が形成されている。
【0013】
このようにパネル13の貫通穴にグローブポート15を挿通した状態で、グローブポート15に、グローブポート15の取付部17の外径に対応する外径を有し、グローブポート15の取付部17以外の部分を挿通可能な径の貫通穴を有する円環状のフランジ23をはめる。すなわち、グローブポート15の挿入口部19側からグローブポート15をフランジ23の貫通穴に挿入し、フランジ23をパネル13のグローブボックスの外側に来る面に当接させた状態、または、フランジ23とパネル13のグローブボックスの外側に来る面との間にシール材21を挟み込んだ状態とする。そして、この状態で、フランジ23をグローブポート15にビス24などで固定することで、フランジ23とグローブポート15の鍔状に形成された取付部17がパネル13の開口の周縁部を挟持した状態となり、グローブポート15がパネル13に固定される。したがって、グローブポート15は、パネル13からグローブボックスの外側に向けて突出した状態で設けられる。なお、パネル13の開口の周縁部を把持した状態に設けられたコ字状の断面を有する環状のシール材21を設置した例を示しているが、シール材は、パネル13とグローブポート15の取付部17との対向する面のうち、少なくとも一面でシールできればよいため、平たい円環状のシール材などを用いることもできる。
【0014】
このように構成されたグローブボックスを使用する場合、図2に示すように、必要な位置のグローブポート15には、例えばクロロスルフォン化ポリエチレンなどのゴム製のグローブ25が取り付けられる。一方、グローブが取り付けられないグローブポート15は、図示していない気密用インナーリングが取り付けられ、気密に閉塞される。グローブ25は、使用しないときグローブボックスの外側に引き出された状態にされ、使用するときは、グローブポート15の挿入口部19側からグローブボックス内に挿入された状態にされ、作業者がグローブポート15の挿入口部19からグローブ25に腕を入れる。
【0015】
次に、本実施形態の特徴部であるグローブユニットについてグローブの装着部分の構成と合わせて説明する。グローブユニットは、図1に示すように、グローブ25と円筒体33で構成されている。グローブ25は、挿入口部19からグローブポートの外面に裾部を被せ、この裾部を帯バンド27によってグローブポート外面に締め付けることにより装着されている。裾部の溝14上の位置は、それぞれオーリング29で締め付けられ気密に保たれるようになっている。帯バンド27は、溝14よりも取付部17側、または溝部14上を締め付けるように留められる。グローブ25は、挿入口部19から表裏を返され、裏返されたグローブ25の指先がグローブポート15からグローブボックス内に挿入されている。
【0016】
本実施形態の特徴部であるグローブ25について、図4を参照して説明する。グローブ25の外周には、2本のオーリング35が接着または溶着などの方法で取り付けられ、凸状に形成された帯部を形成している。オーリング35は、例えばゴムなどの弾性を有する材質で形成され、その表面はオルガノシロキサンポリマーまたはこれを含む樹脂で被覆されている。オーリング35は、グローブ25がグローブポート15に装着挿入された状態で、グローブポート15内に位置する部分に配置され、オーリング35の外形は、グローブポート15の内面に合わせて形成されている。
【0017】
円筒体33は、図1に示すように、リング状に形成され、円筒体33の外周は、グローブポート15の内径からグローブ25の帯部以外の部分の厚みを引いた径よりも小さく、かつ、グローブポート15の内径からグローブ25の帯部の厚みを引いた径よりも大きく形成されている。この円筒体33の外周には、2本のオーリング35と同じ間隔で、かつ、オーリング35の断面形状に合わせて形成された2本の溝が形成されている。この溝は、円筒体33がグローブ25に挿入されてオーリング35の位置に配置された場合に、オーリング35をグローブポート15の内面に押圧するように形成されている。
【0018】
このような構成のグローブユニットの取付・交換作業について図5を参照して説明する。まず、円筒体33をグローブ25内に挿入し、円筒体33の溝にオーリング35の位置を合わせて嵌め込む。そして、グローブ25の指先側を丸めてグローブポート15の挿入口部19に嵌め、図5に示す押し込み治具で押し込む。グローブポート内に古いグローブユニットがある場合は、このグローブユニットごと押し込んで、古いグローブユニットをグローブボックス内に落とす。なお、押し込み治具は、貫通する螺子孔が形成されたベース板40、円筒体33の外形に合わせて形成された押し板41、外周に螺子が形成された螺子ロッド42、螺子ロッド42の一端に取り付けられたハンドル43を備えて構成されている。ベース板40をグローブボックスに取り付けて固定し、ハンドル43を廻して螺子孔に螺子ロッド42をねじ込み、押し板41を介してグローブユニットの円筒体33をグローブポートに押し込むように構成されている。
【0019】
このようにグローブユニットをグローブポート15に取り付けることで、オーリング35は、円筒体33によりグローブ25の内側からグローブポート15の内面に押圧されて固定される。グローブボックス内の汚染物質は、このグローブ25を固定した位置で止められるので、この固定位置よりも挿入口部19側には侵入しない。
【0020】
以上説明したように、本実施形態によれば、グローブ25をグローブポート15の内面に密着させた位置で汚染物質を止めることができるから、その位置よりも手前側のグローブポート15の内面及び外面に汚染物質が侵入して堆積することを防止できる。これにより、グローブポート15に付着した汚染物質を除去する作業を軽減または省略することができるのである。
【0021】
また、本実施形態によれば、グローブユニットは、円筒体33に溝を形成することで、オーリング35が設けられた比較的厚い部分を溝に嵌め込むことができ、グローブ25内で円筒体33の位置がずれることを防止できるので、グローブを確実にポート内面に押圧することができる。
【0022】
また、オーリング35の外面を、オルガノシロキサンポリマーで被覆したことで、グローブユニットの挿入を容易に行うことができる。
【0023】
なお、本実施形態では、オーリング35をグローブ25の外周に張り付ける構成としたが、グローブ25に一体に形成してもよい。また、本実施形態では、円筒体33は外周に溝が形成されたものとしたが、オーリング35と円筒体33がずれることを考慮しなければ溝を設けない構成とすることもできる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、グローブポートに付着する汚染物質の量を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグローブユニットの一実施形態の装着状態を示した断面図である。
【図2】グローブボックスの全体構成を示す斜視図である。
【図3】グローブポートの詳細構成を示す断面図である。
【図4】本発明に係るグローブの一実施形態を示した図である。
【図5】本発明に係るグローブユニットの交換作業を説明する断面図である。
【符号の説明】
15 グローブポート
25 グローブ
33 円筒体
35 オーリング
Claims (5)
- グローブボックスに取り付けられる円筒内面を有するグローブポートの端部に裾を装着し、先端が前記グローブボックス内に挿入されるグローブと、該グローブに挿入される円筒体とを備えてなるグローブユニットであって、
前記グローブは、前記グローブポートに挿入された状態で、前記グローブポート内に位置する外周に凸状かつ環状に形成された弾性を有する帯部を有し、
前記円筒体は、前記円筒体の外周面と前記グローブポートの内面との隙間が、前記グローブの帯部の厚みよりも狭くなるように形成され、前記帯部の位置に合わせて配置されることを特徴とするグローブユニット。 - グローブボックスに取り付けられる円筒内面を有するグローブポートの端部に裾を装着し、先端が前記グローブボックス内に挿入されるグローブと、該グローブに挿入される円筒体とを備えてなるグローブユニットであって、
前記グローブは、前記グローブポートに挿入された状態で、前記グローブポート内に位置する外周に凸状かつ環状に形成された弾性を有する帯部を有し、
前記円筒体は、前記帯部に対応する溝が外周に形成され、該溝は、前記帯部が嵌め込まれた状態で前記帯部が前記グローブポート内面に押圧するように形成されていることを特徴とするグローブユニット。 - 前記帯部の少なくとも前記グローブポートの内面に当接する部分がオルガノシロキサンポリマーで被覆されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のグローブユニット。
- グローブボックスに取り付けられる円筒内面を有するグローブポートの端部に裾が取り付けられ、先端が前記グローブボックス内に挿入されるグローブであって、
前記グローブは、前記グローブポートに挿入された状態で、内側に円筒体が挿入され、前記円筒体の挿入位置に対応する前記グローブの外周に、前記円筒体の外周とグローブポートの内面との隙間よりも厚みがあり凸状かつ環状に形成された弾性を有する帯部を有することを特徴とするグローブ。 - 前記帯部の少なくとも前記グローブポートの内面に当接する部分がオルガノシロキサンポリマーで被覆されてなることを特徴とする請求項4に記載のグローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003084414A JP2004294159A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | グローブボックスのグローブユニット及びグローブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003084414A JP2004294159A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | グローブボックスのグローブユニット及びグローブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004294159A true JP2004294159A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33399589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003084414A Withdrawn JP2004294159A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | グローブボックスのグローブユニット及びグローブ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004294159A (ja) |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003084414A patent/JP2004294159A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |