JP2004294103A - 測距装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の測距装置は、測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、光束の反射光を受光し出力信号を出力する受光手段と、出力信号に応じて積分コンデンサを放電または充電して出力信号を積算して積分する積分手段と、測距ルーチンを所定回数繰り返した後、積分コンデンサの電圧をAD変換するAD変換手段と、AD変換された変換信号に基づいて測距対象物までの距離を検出する検出手段と、を備える測距装置において、測距ルーチンの繰り返し回数は、測距対象物が近距離警告位置にあるとき測距ルーチンの繰り返しにより積分コンデンサが飽和する回数に設定されている、ことを特徴とする。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測距対象物までの距離を測定する測距装置に関し、特に、カメラ等に好適に用いられるアクティブ型の測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラ等に用いられるアクティブ型の測距装置としては、赤外線発光ダイオード(以下、「IRED」という。)から測距対象物に向けて光束を投光し、その投光された光束の反射光を位置検出素子(以下、「PSD」という。)により受光し、このPSDから出力される信号を信号処理回路および演算回路により演算処理して距離情報として出力し、CPUにより測距対象物までの距離を検出するものが知られている。また、1回のみの投光による測距では誤差が生じることがあるので、投光手段による投光、受光手段による受光、受光手段による出力信号の出力及び積分コンデンサの放電または充電の測距ルーチンを複数回行って複数の距離情報を求め、その複数の距離情報を積分回路により一定期間ずつ積算することで積分して平均化するのが望ましい。その積分回路による距離情報の積算は、積分コンデンサを放電し、その状態から距離情報に対応した電圧を印加し電荷を蓄積することにより行われる。
【0003】
このような測距装置によれば、上記測距ルーチンを繰り返す回数(以下「測距ルーチン回数」という)は、製品個体ごとに積分電流及び積分コンデンサの容量がバラついているにも関わらず一律に決定され、バラツキ範囲で積分コンデンサの容量が最も小さくかつ積分電流が最も大きい個体を想定し、かかる個体において最も蓄積電荷量が多い(測距対象物が近い)場合であっても蓄積された電荷量が積分コンデンサの容量を越えないような回数として一律に設定されていた。
【0004】
しかしながら、上述した測距装置にあっては、測距ルーチン回数を一律に設定するため、製品バラツキにより積分コンデンサの容量が大きい場合や積分電流が小さい場合等には積分コンデンサの容量を十分に利用して積分動作を行うことができず、測定精度が十分なものとはならない場合がある。
【0005】
図8はカメラが撮影可能な最至近距離で測距を行った場合の、従来の測距装置のタイミングチャートであり、横軸は積分時間、縦軸は積分コンデンサの電圧を表している。従来は測距ルーチン回数が個体に依らず固定されていたので図に示すように、積分コンデンサの容量が最も小さくかつ積分電流が最も大きい個体(測距装置1)においては積分コンデンサの電圧がほぼ最大値に達するまで電荷が蓄積されることにより使用可能なAD信号値の範囲を有効に利用することができるが、多くの平均的な個体(測距装置2)の場合は積分コンデンサが最大電圧に達するまで充電されることはないため期待したAD信号の分解能が得られず測距精度が得られなくなる。さらに積分コンデンサの容量が最も大きくかつ積分電流が最も小さい個体(測距装置3)にあっては積分コンデンサ容量や使用可能なAD信号値の範囲の利用率が最も低くなってしまう。
【0006】
このような問題を解決するため特開平5−280973号公報(特許文献1)に開示された測距装置は測距ごとに測距ルーチン回数、積分時間、積分コンデンサ容量等のダイナミックレンジを変化させる要素を制御するようにしている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−280973号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この測距装置では要素を測距ごとに変化させることとしているため距離を算出する演算が複雑で測距時間が長くなってしまう。測距装置の測距時間が長くなってしまうとカメラ等に用いた場合には適切なシャッターチャンスが捕らえられなくなる等の弊害が生じる。
【0009】
そこで本発明は上記課題を解決し、複雑な測距処理を必要とせず測距精度の向上が図れる測距装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の測距装置は、測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、測距対象物に投光された光束の反射光を受光し測距対象物までの距離に応じた出力信号を出力する受光手段と、出力信号に応じて積分コンデンサを放電または充電して出力信号を積算して積分する積分手段と、投光手段による投光、受光手段による受光、受光手段による出力信号の出力及び積分コンデンサの放電または充電の測距ルーチンを所定回数繰り返した後、積分コンデンサの電圧をAD変換するAD変換手段と、AD変換された変換信号に基づいて測距対象物までの距離を検出する検出手段と、を備える測距装置において、測距ルーチンの繰り返し回数は、測距対象物が近距離警告位置にあるとき測距ルーチンの繰り返しにより積分コンデンサが飽和する回数に設定されている、ことを特徴とする。
【0011】
上記測距装置によれば、製品ごとの積分電流、積分コンデンサの容量等のバラツキに合わせて測距ルーチン回数を設定し、近距離警告位置における積分コンデンサ電圧がちょうど飽和する値となるので、積分コンデンサの容量の範囲を十分に利用して積分動作を行うことができる。ここで、「近距離警告位置」とは、カメラにおいてピントぼけせずに正常な撮影が可能である近距離側の限界として定められた位置をいい、カメラはこの位置よりも近い位置に測距対象物がある場合には警告を発し撮影を行わないよう設計されている。また、「積分コンデンサが飽和する」とは、充電することによって出力信号の積分を行う場合においては積分コンデンサが容量一杯まで充電された状態を意味し、放電することによって出力信号の積分を行う場合においては積分コンデンサ電圧が0Vとなった状態を意味する。この場合、完全に容量一杯や完全に0Vとなった状態ばかりでなく、積分コンデンサの容量の範囲を十分に利用したと言える程度にほぼ容量一杯やぼぼ0Vとなった状態も含まれる。
【0012】
また、本発明の測距装置は、測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、測距対象物に投光された光束の反射光を受光し測距対象物までの距離に応じた出力信号を出力する受光手段と、出力信号に応じて積分コンデンサを放電または充電して出力信号を積算して積分する積分手段と、投光手段による投光、受光手段による受光、受光手段による出力信号の出力及び積分コンデンサの放電または充電の測距ルーチンを所定回数繰り返した後、積分コンデンサの電圧をAD変換するAD変換手段と、AD変換された変換信号に基づいて測距対象物までの距離を検出する検出手段と、を備え、カメラに用いられる測距装置において、測距ルーチンの繰り返し回数は、測距対象物が撮影可能な最至近位置に相当する距離にあるとき測距ルーチンの繰り返しにより積分コンデンサが飽和する回数に設定されている、ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は、本実施形態の測距装置が用いられるカメラ40の正面斜視図である。同図に示すようにカメラ40には、被写体像を銀塩フイルムに結像する撮影レンズを備えたズームレンズ鏡胴41と、ストロボ光が発光されるストロボ発光窓43と、撮影者が被写体を確認するファインダ窓45と、被写体へ向けて赤外線の投光を行うIRED(赤外線発光ダイオード)が内蔵されたAF窓(投光)47aと、被写体からの反射光を受光するPSD(位置検出素子)が内蔵されたAF窓(受光)47bと、被写体の明るさを測定する測光センサが内蔵されている測光窓49と、撮影者がシャッタレリーズを指示する際に操作するシャッタボタン51等が設けられている。
【0015】
図2は、カメラ40の背面斜視図である。同図に示すようにカメラ40には、設定されている撮影モード等や日付情報等を表示するLCD表示パネル53と、ストロボの発光モードを設定するフラッシュボタン55と、セルフタイマーのモードを設定するセルフタイマーボタン56と、日付や時刻を設定する日付ボタン57と、撮影画角をワイド方向又はテレ方向に指示するズームボタン58とが設けられている。
【0016】
図3に本実施形態に係る測距装置の構成図を示す。図3に示すように、本実施形態に係る測距装置100には、CPU1が設けられている。CPU1は、測距装置100を備えるカメラ全体の制御を行うものであり、EEPROM2に予め記憶されているプログラム及びパラメータに基づいて測距装置100を含むカメラ全体の制御を行う。
【0017】
測距装置100には、IRED(赤外線発光ダイオード)4が設けられている。IRED4は、発光により測距対象物へ投光ビームを投光する投光手段として機能する。このIRED4は、ドライバ3を介してそれぞれCPU1に接続されており、CPU1に発光制御されている。
【0018】
ドライバ3は、カメラに内蔵されるバッテリ(図示なし)の電源供給を受けCPU1の制御信号に従って、IRED4のほか、AFIC10などのカメラの構成部品に電源供給を行うものであり、例えばドライバICなどが用いられる。
【0019】
また、測距装置100には、PSD(位置検出素子)5が設けられている。PSD5は、各IRED4から測距対象物に投光された投光ビームの各反射ビームを受光する受光手段として機能するものである。
【0020】
更に、測距装置100には、自動焦点用IC(以下「AFIC」という。)10が設けられている。AFIC10は、PSD5の出力信号を処理する信号処理手段として機能するものであり、このAFIC10の動作はCPU1により制御され、AFIC10から出力されるAF信号(積分信号)はCPU1に入力される。
【0021】
IRED4から赤外光である投光ビームが出射されると、その投光ビームはIRED4の前面に配置された投光レンズ(図示せず)を介して測距対象物に投光される。その投光ビームの一部が反射され、PSD5の前面に配置された受光レンズ(図示せず)を介してPSD5の受光面上の何れかの位置で受光される。この受光位置は、測距対象物までの距離に応じたものである。そして、PSD5は、その受光位置に応じた2つの信号I1及びI2を出力する。
【0022】
信号I1は、受光光量が一定であれば距離が近いほど大きな値となる近側信号であり、信号I2は、受光光量が一定であれば距離が遠いほど大きな値となる遠側信号である。信号I1及びI2の和は、PSD5が受光した反射光の光量を表す。近側信号I1はAFIC10のPSDN端子に入力され、遠側信号I2はAFIC10のPSDF端子に入力される。ただし、実際には外界条件により近側信号I1 及び遠側信号I2それぞれに定常光成分I0が付加された信号がAFIC10に入力される。
【0023】
AFIC10は、集積回路(IC)であって、第1信号処理回路11、第2信号処理回路12、演算回路14及び出力回路15を備えて構成されている。
【0024】
第1信号処理回路11は、PSD5から出力された信号I1+I0の入力を受け、その信号に含まれる定常光成分I0を除去して近側信号I1を出力する。また、第2信号処理回路12は、PSD5から出力された信号I2+I0の入力を受け、その信号に含まれる定常光成分I0を除去して遠側信号I2を出力する。
【0025】
演算回路14は、第1信号処理回路11から出力された近側信号I1と、第2信号処理回路12から出力された遠側信号I2との入力を受け、出力比(I1/(I1+I2))を演算し、その結果を表す出力比信号を出力する。なお、この出力比(I1/(I1+I2))は、PSD5の受光面上の受光位置、即ち測距対象物までの距離を表す。
【0026】
出力回路15は、この出力比信号の入力を受け、AFIC10のCINT端子に接続された積分コンデンサ6とともにその出力比を多数回積算するものであり、これによりS/N比の改善が図られる。このとき、積分コンデンサ6への出力比の積算は、放電した状態の積分コンデンサ6に出力比信号に応じて徐々に充電していくことにより行われる。
【0027】
そして、その積算された出力比は、AF信号(積分信号)としてAFIC10のSOUT端子から出力される。CPU1は、AFIC10から出力されたAF信号の入力を受け、所定の演算を行ってAF信号を距離信号に変換し、その距離信号をレンズ駆動回路7に送出する。レンズ駆動回路7は、その距離信号に基づいて撮影レンズ8を合焦動作させる。
【0028】
図4にAFIC10の第1信号処理回路11、出力回路15の具体的な構成図を示す。なお、第2信号処理回路12も、第1信号処理回路11と同様な回路構成を有している。
【0029】
図4に示すように、第1信号処理回路11は、PSD5から出力された定常光成分I0を含む近側信号I1を入力し、定常光成分I0を除去して、近側信号I1を出力するものである。PSD5の近距離側端子から出力される電流(I1+I0)は、AFIC10のPSDN端子を経て、第1信号処理回路11のオペアンプ20の−入力端子に入力される。オペアンプ20の出力端子はトランジスタ21のベース端子に接続されており、トランジスタ21のコレクタ端子は、トランジスタ22のベース端子に接続されている。トランジスタ22のコレクタ端子には、オペアンプ23の−入力端子が接続され、このコレクタ端子には圧縮ダイオード24のカソード端子が接続されている。また、オペアンプ23の+入力端子には圧縮ダイオード25のカソード端子が接続されており、圧縮ダイオード24及び25のそれぞれのアノード端子には第1基準電源26が接続されている。
【0030】
また、AFIC10のCHF端子には、定常光除去コンデンサ27が外付けされている。この定常光除去コンデンサ27は、第1信号処理回路11内の定常光除去用トランジスタ28のベース端子に接続されている。定常光除去コンデンサ27とオペアンプ23は、スイッチ29を介して接続されており、このスイッチ29のオンオフはCPU1により制御される。定常光除去用トランジスタ28のコレクタ端子はオペアンプ20の−入力端子に接続されており、トランジスタ28のエミッタ端子は他端が接地された抵抗30に接続されている。
【0031】
一方、図4において、出力回路15は、AFIC10のCINT端子に外付けされた積分コンデンサ6を備えている。積分コンデンサ6は、スイッチ60を介して演算回路14の出力端子に接続され、スイッチ62を介して定電流源63に接続され、スイッチ64を介して接地されている。これらのスイッチ60、62及び64は、CPU1からの制御信号により制御される。スイッチ62がオンすることにより、定電流源63から積分コンデンサ6に充電が行える。一方、スイッチ64をオンすることにより、積分コンデンサ6を放電することができる。
【0032】
次に、本実施形態に係る測距装置の動作について説明する。図5に測距装置の動作に係るタイミングチャートを示す。シャッタレリーズなどのカメラ操作により、測距処理が開始され、AFIC10に電源供給が開始される。すなわち、CPU1からドライバ3に制御信号が出力され、ドライバ3からAFIC10に電源電圧が供給される。AFIC10では電源供給を受けて、積分コンデンサ6の充電が行われる。この積分コンデンサ6の充電は、積分コンデンサ6の誘電体吸収対策として行われるものである。
【0033】
そして、積分コンデンサ6の充電から一定時間経過後、CPU1からAFIC10にコントロール信号(制御信号:CONT)として、パルスP1が入力される。このパルスP1の立ち下がりにより、積分コンデンサ6の充電電圧が放電され、定常光除去コンデンサ27の急速充電が行われる。その後、CPU1からコントロール信号として、パルスP2が入力され、定常光除去コンデンサ27の急速充電が終了する。
【0034】
そして、コントロール信号のパルスP3の入力により、補正積分が行われる。この補正積分は、積分コンデンサ6に一定時間に一定電流を流すことにより行われる。そして、コントロール信号のパルスP4が入力され、積分コンデンサ6の充電電圧がA/D変換され、CPU1に読み込まれる。
【0035】
CPU1では、A/D変換された電圧値から積分コンデンサ6の容量を算出する。この実測の容量に基づいて測距演算結果に補正を行うことにより、測距精度の向上が図れる。
【0036】
そして、コントロール信号のパルスP5が入力され、このパルスP5の立ち下がりにより積分コンデンサ6の放電が行われ、定常光除去コンデンサ27の急速充電が行われる。その後、コントロール信号としてパルスP6が入力され、定常光除去コンデンサ27の急速充電が終了する。
【0037】
そして、測距ルーチンが所定回数行われる。即ち、IRED4が所定時間間隔で測距対象物に向けて所定回数投光し、その投光ごとにPSD5が測距対象物からの反射光を受光し近側信号及び遠側信号を出力する。出力された近側信号及び遠側信号に基づいて出力比信号を演算し、その出力比信号に応じた電圧が積分コンデンサ6に繰り返し充電される。そして、所定回数の充電を完了したら、積分コンデンサ6の充電電圧がA/D変換されCPU1に読み込まれ、そのA/D変換値に基づいて測距対象物までの距離が算出される。なお、この測距動作は、積分コンデンサ6に一定の電圧を予め充電しておき、出力比信号に応じた電圧を繰り返し放電するものであってもよい。
【0038】
次に、本実施形態に係る測距装置の測距ルーチン回数の設定について図6のフロー図を参照しながら説明する。この設定とは、製品個体ごとの適切な測距ルーチン回数を工場出荷前に求めておきEEPROM2に予め記憶させておくものである。最初に測距装置から近距離警告位置に赤外線反射率36%の測距対象物を準備する(S102)。この測距対象物を対象とし、まず測距装置の測距ルーチン回数を仮の回数(n回)にセットして(S104)測距動作を行いAD信号を得る。すなわち、投光手段から測距対象物に向けて光束を投光し(S106)、受光手段で受光した反射光に応じて、演算手段により出力比信号を出力し(S108)積分コンデンサに電荷を蓄積する(S110)。上記の動作がパルス光ごとにn回繰り返されて(S112)、積分手段の積分コンデンサに電荷がn回分蓄積されることとなる。電荷が蓄積された積分コンデンサの電圧をAD変換手段によってAD信号へ変換する(S114)。この場合のnは、想定されるバラツキ範囲で積分コンデンサの容量が最も小さく、かつ積分電流が最も大きい個体において積分コンデンサが飽和に達しないような適当な回数が選択される。よってS114で得られたAD信号値(「AFDATA」とする)は積分コンデンサが飽和したときに得られるAD信号値(「ADMAX」とする)よりも必ず小さい値となる。
【0039】
この測距装置個体の適切な測距ルーチン回数(n2とする)はADMAXとAFDATAとの比をnに乗じた回数として求める。すなわちn2は次式(1)で求められる(S116)。
n2=n・ADMAX/AFDATA …(1)
求めたn2をその測距装置の測距ルーチン回数として設定し(S118)、回数の設定を終了する。
【0040】
測距ルーチン回数とAD信号値はおよそ比例し、比例定数は測距装置個体の回路の特性及び対象物の距離による。このため、式(1)により求めたn2回の測距ルーチン回数により近距離警告位置にある測距対象物を測距した場合のAD信号値はおよそADMAXと等しい値を示し、すなわちこのときには積分コンデンサが飽和の状態となる。
【0041】
図7はカメラが撮影可能な最至近距離で測距を行った場合における、本実施形態の測距装置のタイミングチャートであり、横軸は積分時間、縦軸は積分コンデンサの電圧を表している。図に示すように、積分コンデンサの容量が最も小さくかつ積分電流が最も大きい個体(測距装置1)においては小さい測距ルーチン回数Aが設定される。逆に積分コンデンサの容量が最も大きくかつ積分電流が最も小さい個体(測距装置3)にあっては大きい測距ルーチン回数Cが設定される。また多くの平均的な個体(測距装置2)においては両者の中間の測距ルーチン回数Bが適宜設定され、いずれの測距装置においても回路特性に応じた適切な測距ルーチン回数が設定されることによって積分コンデンサの電圧がほぼ飽和状態に達するまで電荷が蓄積されることとなる。
【0042】
上記のように近距離警告位置で得られる積分コンデンサ電圧が最大値となるように設定すれば、測距対象として想定されている近距離警告位置から無限遠までの距離の範囲が積分コンデンサ電圧の最大から最小の範囲にそのまま対応することとなる。よって積分コンデンサ電圧を全範囲にわたって利用することができるため、測距装置の分解能を向上することができ、測距精度の向上を図ることができる。
【0043】
なお、上述した調整方法により測距ルーチン回数を決定すれば、図7に示すとおり従来の測距装置の測距ルーチン回数よりも多い回数が設定されることとなる。すなわち、従来の測距装置よりも測距時間が長くなることとなる。よって上記調整方法を用いる測距装置においては測距時間を短く抑えるため積分コンデンサの容量を従来よりも小さく設計することが望ましい。
【0044】
また、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。上記した実施形態では本発明をアクティブ測距方式のカメラに適用している。本発明は、アクティブ測距方式を用いたカメラであればフィルムカメラに限られず例えば、電子スチルカメラ、ビデオカメラにも適用することもできる。
【0045】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、複雑な測距処理を必要とせず測距精度の向上が図れる測距装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の測距装置が用いられるカメラの正面斜視図である。
【図2】本実施形態の測距装置が用いられるカメラの背面斜視図である。
【図3】本実施形態に係る測距装置の構成図である。
【図4】本実施形態に係る測距装置における第1信号処理回路および積分回路の回路図である。
【図5】本実施形態に係る測距装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図6】本実施形態の測距装置の調整方法を説明するフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る測距装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【図8】従来の測距装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…CPU、2…EEPROM、3…ドライバ、4…IRED(発光ダイオード)、5…PSD(位置検出素子)、6…積分コンデンサ、7…レンズ駆動回路、8…撮影レンズ、10…AFIC(自動焦点用IC)、11…第1信号処理回路、12…第2信号処理回路、14…演算回路、15…積分回路。
Claims (2)
- 測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、
前記測距対象物に投光された前記光束の反射光を受光し前記測距対象物までの距離に応じた出力信号を出力する受光手段と、
前記出力信号に応じて積分コンデンサを放電または充電して前記出力信号を積算して積分する積分手段と、
前記投光手段による投光、前記受光手段による受光、前記受光手段による出力信号の出力及び積分コンデンサの放電または充電の測距ルーチンを所定回数繰り返した後、前記積分コンデンサの電圧をAD変換するAD変換手段と、
前記AD変換された変換信号に基づいて前記測距対象物までの距離を検出する検出手段と、
を備える測距装置において、
前記測距ルーチンの繰り返し回数は、前記測距対象物が近距離警告位置にあるとき前記測距ルーチンの繰り返しにより前記積分コンデンサが飽和する回数に設定されている、ことを特徴とする測距装置。 - 測距対象物に向けて光束を投光する投光手段と、
前記測距対象物に投光された前記光束の反射光を受光し前記測距対象物までの距離に応じた出力信号を出力する受光手段と、
前記出力信号に応じて積分コンデンサを放電または充電して前記出力信号を積算して積分する積分手段と、
前記投光手段による投光、前記受光手段による受光、前記受光手段による出力信号の出力及び積分コンデンサの放電または充電の測距ルーチンを所定回数繰り返した後、前記積分コンデンサの電圧をAD変換するAD変換手段と、
前記AD変換された変換信号に基づいて前記測距対象物までの距離を検出する検出手段と、
を備え、カメラに用いられる測距装置において、
前記測距ルーチンの繰り返し回数は、前記測距対象物が前記カメラで撮影可能な最至近位置に相当する距離にあるとき前記測距ルーチンの繰り返しにより前記積分コンデンサが飽和する回数に設定されている、ことを特徴とする測距装置。
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