JP2004294051A - 焼却炉及び焼却炉内清掃・補修方法 - Google Patents

焼却炉及び焼却炉内清掃・補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ごみ焼却炉等焼却炉の炉内点検、清掃・補修対象炉内の作業中における高温雰囲気及び飛灰が浮遊する作業環境を改善することならびに、炉内点検、清掃・補修対象炉内からの飛灰流出を抑止し得る焼却炉および清掃・補修作業方法を提供すること。
【解決手段】 複数基の焼却炉を有するごみ等の焼却工場における焼却炉であって、焼却炉後段燃焼室の閉鎖手段又は通気開閉手段を有する開口部に、その吸気端を着脱可能に臨ませ又は通気開閉手段を有せしめて接続するとともに、排気端を通気遮断手段又は通気開閉手段を介して燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方または双方に接続する清掃・補修用換気ダクトを配設した焼却炉及びこれを用いる炉内点検、清掃・補修方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、焼却炉、たとえばごみ焼却炉を複数基有する焼却工場においてなされる焼却炉内の点検、清掃・補修を行う方法及びそのための焼却炉に関する。
焼却炉、たとえばごみ焼却炉は、ごみを燃焼させる火格子、壁面および天井部から構成されるいわば燃焼室である。燃焼室は、燃焼による生成ガス流に沿って複数段設けられている。燃焼室壁面下部の、ごみと接触する部分は耐火れんが築造がなされており、上部には水管が張り巡らされている。而して焼却炉は、ごみの燃焼によって発生した熱を水管で熱交換するボイラーとして機能し、水の加熱によって発生した水蒸気を発電等に利用している。水管の、燃焼炎が当たる表面部分は不定形耐火物(castable refractory)で覆われており、燃焼炎が収束する部位から後段側に配設されている水管には不定形耐火物の被覆施工は施されていない。
而して、焼却炉の運転中、水管表面や炉壁には、ごみ等が燃焼したときに発生する飛灰が付着し、焼却炉運転時間の経過とともに硬化しクリンカーと呼ばれる固まりとなったり、飛灰の状態で付着成長していく。この肥大化したクリンカーは、焼却炉内でごみの流れを止めてしまったり、自重で剥落して炉床を破損したりする問題があるほか焼却灰出口(炉床下部)を塞いでしまったりする事故を惹起する。また,焼却炉壁や水管に付着した飛灰は、燃焼ガスの熱が水管壁を通して水へ移動することを阻害し燃焼廃棄温度の上昇を招く。従って、最終段燃焼室からの排気温度が基準温度たとえば300℃を超えるようになる前に、焼却炉内における飛灰を取り除く必要が生じる。一方、燃焼室壁面下部の耐火れんがや水管を被覆している不定形耐火物、水管等も定期的な補修或は取替え工事が必要となってくる。而して、焼却炉、たとえばごみ焼却炉は、定期的に、たとえば4箇月運転すると停止して焼却炉内の点検、清掃・補修が行われ、必要に応じて耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事がなされる。
この炉内の点検、清掃・補修作業や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事は、ダイオキシンや飛灰から作業者の身体を完全に保護すべく、全身を覆う通気性のない防護服を着用して遂行される。また、通常の防塵マスクでは防塵が完全でないため、密閉したエアラインマスクを着用し外部から新鮮な圧縮空気をエアホースで送給し、作業者はこの空気を呼吸しながら作業を行う。この作業は、金属製スクレーパー、箒を使用して水管表面に付着しているクリンカーや飛灰を掻き落としたり圧縮空気を吹付けて清掃を行う作業でありまた、耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事は、損傷耐火れんがの除去、新規築造さらに、不定形耐火物の除去および新規吹付けまた、水管についても損傷箇所の溶接補修や損傷部分の切断除去および新品との取替え溶接作業を伴う。これらの作業は、焼却炉内各燃焼室に作業足場を架設し、その足場に拠ってなされる。
処で、焼却炉内に配設されている水管中には多量の水たとえば焼却炉1基当り60トンの水が蓄えられており、焼却炉(ボイラー)運転中には水管内の水温は200℃に達している。而して、焼却炉の運転を停止しても水管中の比熱の高い水は急速に降温することなく、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉内雰囲気を高温にする要因となる。この雰囲気下に点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事を遂行する作業者の発汗量は多大なものとなり、肉体的負荷は言い表し得ない大きなものがある。また、水管に付着しているクリンカーや飛灰を落とす作業や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業に際しては、剥離した微細な飛灰がもうもうと漂い、これが作業者の視界を遮ったり、飛灰が焼却炉のマンホールから流出して工場全体に拡散して二次汚染を起こしたりする。
このような問題を解決するために、焼却炉内の清掃作業を人手によることなく遂行すべく、焼却炉内の灰を吸引ダクトで吸引・搬送し灰溜めに収納するようにした装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2001−090927
しかしながら、ごみ焼却炉といった焼却炉は一面、ボイラーであって多数の水管が天井部、側壁に6段〜7段といった多段に配設されており、燃焼ガスの熱を可及的に水管中の水に移行させるよう構成されている。而して、上記特許文献1に開示されているような手段では、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事を遂行することができず、人手による点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業を余儀なくされている。
本発明は、作業を苛酷なものとしている、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉内の高温雰囲気と、炉壁や水管表面等から剥離した微細な飛灰が浮遊する作業環境を改善することならびに、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉内からの飛灰の流出を抑止することができる炉内清掃・補修方法及びこの方法を遂行するための焼却炉を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、複数基の焼却炉を有するごみ等の焼却工場における焼却炉であって、焼却炉後段燃焼室の開閉手段又は開閉手段を有する開口部に、その吸気端を臨ませ又は通気開閉手段を有せしめて接続するとともに、排気端を通気遮断手段又は通気開閉手段を介して焼却炉の燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方又は双方に接続する清掃・補修用換気ダクトを配設した焼却炉である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の焼却炉において、清掃・補修対象焼却炉の運転を停止後所定時間冷却し、然る後、焼却炉前段燃焼室の閉鎖手段又は通気開閉手段を有する開口部を開いて吸気可能状態としまた、焼却炉後段燃焼室の閉鎖手段又は通気開閉手段を有する開口部に清掃・補修用換気ダクトの吸気端を装着接続固定するか又は通気開閉手段を開いて通気可能状態とするとともに、稼動中の焼却炉の燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方又は双方の吸気側通常吸入口を閉じ又は吸気量を減少せしめ、一方、清掃・補修用換気ダクトの排気端と稼動中の焼却炉の燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方又は双方の吸気側との接続部の通気遮断手段又は通気開閉手段を開にして通気可能状態とし、清掃・補修対象焼却炉内の空気を1基以上の稼動中の焼却炉の燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方又は双方によって吸引せしめて清掃・補修対象焼却炉内を負圧に維持するとともに、前記焼却炉前段燃焼室の閉鎖手段又は通気開閉手段を有する開口部から吸気された新鮮空気の流通下に焼却炉の清掃・補修作業を遂行するようにした焼却炉内清掃・補修方法である。
本発明によれば、焼却炉前段燃焼室に設けられている閉鎖手段または通気開閉手段を有する開口部から点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業中、常に新鮮な外気が吸引されて炉内に流通し、作業環境温度を低下させるとともに、発生した粉塵は後段燃焼室の開口部に接続されている清掃・補修用換気ダクトの吸気端から吸引・搬送除去され、作業環境を大きく改善することができる。また、清掃・補修用換気ダクトによる清掃・補修対象焼却炉内空気の、稼動中の焼却炉の燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方又は双方の吸気側への吸引・搬送により、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業が行われている炉内は常時、負圧に保たれ、炉内から飛灰が流れ出るようなことが全くない。
本発明は、簡潔な装置構成にしてしかもイニシアルコストおよびランニングコストを伴う新規な吸引送風機を設けることなく、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業を行い得る焼却炉を提供できる。
請求項2に記載の発明によるときは、換気が十分に行われかつ、粉塵の浮遊量の少ない環境下で、炉外に粉塵を流出せしめることなく30%〜40%短縮された工期で、焼却炉内の点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業を遂行できる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に則して説明する。
本発明の一実施形態に係る焼却炉としてK市のごみ焼却工場について、その概要を説明する。図1に、K市のごみ焼却工場の概要を示す。このごみ焼却工場は、3基の焼却炉を有する。図1に示すように、市内から収集されたごみはごみピット1に投入され、図示しないクレーンによってごみピット1から投入ホッパー2内に装入される。投入ホッパー2内に装入されたごみは、炉床(火格子)6上で燃焼する。このときの温度は、800℃〜1000℃である。炉床(火格子)6下部からは、燃焼一次空気が押込送風機(燃焼一次空気用送風機)3によって、この実施形態においては、36000Nm/hr吹き込まれる。また、押込送風機(燃焼一次空気用送風機)3の吸気端はごみピット1内上部空間に臨んでおり、ごみピット1内の臭気を併せ除去すべく機能している。炉床(火格子)6上部における燃焼炎に燃焼二次空気が燃焼二次空気用送風機4から、この実施形態においては、6000Nm/hr吹き込まれる。傾斜面を形成している炉床(火格子)6下方からは、ボトムアッシュが灰出し装置17から排出される。
炉床(火格子)6上でのごみの燃焼炎は、この実施形態においては、第1燃焼室〜第5燃焼室を経て壁面および天井面に多段に配設されているボイラー水管内の水と熱交換しながら降温していく。この実施形態においては、第1燃焼室における平均温度は約900℃であり、第5燃焼室内の平均温度は約300℃である。
焼却炉(ボイラー)5の後段燃焼室、この実施形態においては第5燃焼室からの排気は減温塔7においてさらに降温せしめられ、約200℃とされる。この減温塔7内には水ミストが噴射され、その蒸発潜熱および熱交換によって第5燃焼室からの排気の熱が奪われ降温せしめられる。これは、後段のバグフィルター8を熱による損傷から保護する目的でなされる。
バグフィルター8は耐熱性を有する化学繊維でできており、家庭用電気掃除機と同じ原理で排ガス(排気)中の浮遊飛灰を捕捉する。バグフィルター8は耐熱性を有する化学繊維で構成されているとはいえ、250℃を超える温度域では損傷を受けるので、前記減温塔7において排ガス(排気)が200℃以下に降温せしめられる。また、排ガス(排気)中には多量の塩化水素(HCl)が含まれており、これを除去すべく消石灰をバグフィルター8の前段で排ガス(排気)に噴霧して塩化水素(HCl)と反応させ、反応物をバグフィルター8で併せ捕捉する。バグフィルター8後段には、誘引送風機9が配設されている。
一方、焼却炉(ボイラー)5の運転を停止すると、排ガス(排気)温度が降下し、100℃を切る温度域となるとバグフィルター8に目詰まりを生じるようになる。これは、バグフィルターに付着している塩化水素(HCl)と反応した消石灰が飴状となりバグフィルターの目を塞ぐからである。従って、焼却炉(ボイラー)5の運転を停止するときは、排ガス(排気)温度が100℃以上の温度域ではバグフィルター8を通すが、100℃未満となる前にバグフィルター8前後のダンパーを完全に閉めるとともに、電気ヒーターの電源を入れてバグフィルターが100℃未満とならないようにする。このことが、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉のバグフィルター8後段の誘引送風機9を用いての焼却炉5内の換気を行えない理由となっている。
バグフィルター8で飛灰を除去された排ガスは、洗煙塔(湿式排ガス洗浄装置)10において注入される苛性ソーダ水溶液(NaOH)によってSO、HClの吸収除去がなされる。この段階で、排ガスは60℃前後の温度となっている。然る後、煙突12から排出されるガスが外気に触れて排ガス中の水蒸気が白煙化するのを防止すべく、蒸気式ガス加熱器11によって排ガスを再び140℃前後にまで加熱昇温せしめる。
上に述べたごみ焼却工場において、発明者らは、炉内点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉内で、(1)炉内点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業中に炉内で発生する粉塵を能く除去すること、(2)換気を良好ならしめて炉内温度を可及的に降下させて作業を行いやすくすること、(3)炉内点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉内から飛灰等の粉塵が流出するのを能く抑止すること、を目的として種々検討、工夫を加えた結果、本発明を完成させた。
図2に、本発明の一実施例を示す。図2において、14は燃焼二次空気吸込口、15はダクト遮断板であって、後述する共通ダクト21から分岐されたダクトにおける流路を遮断すべく機能する。遮断板15に代えて遮断弁を装着して流路を開閉するようにしてもよい。16は炉床部正面大扉(マンホール)であり、耐火物でライニングされた外部鉄皮製の、着脱可能なマンホールである。17は灰出し装置であって、炉床(火格子)6下方に設けられている。18は燃焼ガス出口であり、焼却炉(ボイラー)5の最後段、この実施例においては、第5燃焼室からの燃焼ガスがここを通過して減温塔7へ向けて送出される。19は投入ホッパー用ダンパーであり、投入ホッパー2におけるごみ装入口を開閉すべく機能する。
20は清掃・補修用換気ダクトであって、この実施例においては、亜鉛めっき帯鋼をスパイラル加工・溶接して管にしたものを用いており、その吸気端が焼却炉(ボイラー)5の最後段、この実施例においては、第5燃焼室下部のマンホールに着脱可能に設けられる。炉内清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事に際しては、耐火物でライニングされている鋼製のマンホール蓋を取り外し、マンホールに清掃・補修用換気ダクト20の吸気端を気密に装着する。
21は共通ダクトであり、各焼却炉(ボイラー)5の清掃・補修用換気ダクト20の排気端が接続されている。図2においては、簡単のため、図2でみて上の点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉5の清掃・補修用換気ダクト20のみを示している。共通ダクト21からは、この実施例においては、各焼却炉(ボイラー)5の燃焼二次空気用送風機4の吸気管にその排気端が遮断板15を介して接続されるダクトが分岐されている。
22は作業者であって、点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉5内に架設される作業用足場に拠って、炉内の点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業を行う。炉内の点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業は、図4に示すように、作業者22が完全装備を装着した後になされる。図4において、31はヘルメット、32は保護めがね、33はエアラインマスク、34は保護衣、35は懐中電灯、36は安全帯、37は手工具、38はエアホース、39は安全靴である。作業者22はかかる重装備で作業を遂行するわけであるから、炉内における十分な換気は勿論、浮遊粉塵の除去がきわめて重要となる。
図2において、24は燃焼二次空気用送風機吸込口ダンパーであり、燃焼二次空気用送風機4の吸気側流路を開閉すべく機能する。28は燃焼ガス出口ダンパーであって、燃焼ガス出口18におけるガス流路を開閉する。
この実施例においては、上に述べたように、清掃・補修用換気ダクト20の排気端を、共通ダクト21を介して燃焼二次空気用送風機4の吸気側に接続するよう構成しているけれども、図1に示す、押込送風機(燃焼一次空気用送風機)3の吸気側に接続することも勿論できる。このように、本発明においては、押込送風機(燃焼一次空気用送風機)3および燃焼二次空気用送風機4の何れか一方または双方の吸気側に清掃・補修用換気ダクト20の排気端を接続することができる。
次に、本発明の炉内清掃・補修方法について説明する。
先ず、焼却炉(ボイラー)5の3基全てが定常運転されているときの状態を説明する。図3に、3基の焼却炉(ボイラー)5が稼動している状態を示す。図3においては、簡単のため、3基の焼却炉(ボイラー)5全てに装備されている清掃・補修用換気ダクト20を省略している。図3に示すように、焼却炉(ボイラー)5の3基全てが稼動しているときは、燃焼二次空気用送風機4の吸気側に接続されている、共通ダクト21から分岐されているダクトにおけるダクト遮断板15によって、共通ダクト21と燃焼二次空気用送風機4の吸気側とは完全に遮断されている。而して、燃焼二次空気は、燃焼二次空気吸込口14のみから供給される。その際、燃焼二次空気用送風機吸込口ダンパー24は「開」の状態とされ、燃焼二次空気吸込口14からの吸気が燃焼二次空気用送風機4に吸気される流路が形成される。
一方、焼却炉(ボイラー)5の後段、この実施例においては題燃焼室の、清掃・補修用換気ダクト20の吸気端と接続すべきマンホールはマンホール蓋が装着されて完全に閉じられている。また、投入ホッパー2における投入ホッパー用ダンパー19は「開」の状態とされ、投入ホッパー2内へのごみ投入が可能な状態とされている。この状態で、図3に示すように、ごみ焼却炉(ボイラー)5は3基全てが定常運転状態で稼動している。
次に、何れかの焼却炉(ボイラー)5の、炉内点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事を行うときの状態を説明する。図2に、何れか1基の焼却炉(ボイラー)5の、炉内点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事を遂行するときの状態を示す。運転停止後、焼却炉(ボイラー)5は48時間程度冷却される。炉内冷却後、この実施例においては、第5燃焼室下部のマンホール蓋を取り外し、然る後、清掃・補修用換気ダクト20の吸気端をマンホールに気密に接続する。一方、図2に示すように、炉内点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉における燃焼二次空気吸込口ダンパー24、投入ホッパー用ダンパー19、および燃焼排ガス出口ダンパー28を閉じるとともに、共通用ダクト21から分岐されているダクトの流路を、ダクト遮断板15によって遮断する。さらに、炉床(火格子)6下方の、炉床部正面大扉(マンホール)を開いて外気を吸気可能な状態とする。
次いで、稼動中の他の2基の焼却炉(ボイラー)5における燃焼二次空気用送風機4の吸気側の、共通ダクト21からの分岐されているダクトの遮断板15を取り外して流路を「開」にするとともに燃焼二次空気吸込口14を閉じて、燃焼二次空気用送風機4の吸気を全て共通ダクト21からの分岐ダクト経由に切換える。而して、この実施例においては、稼動中の2基の焼却炉(ボイラー)5における燃焼二次空気用送風機4の吸気によって、12000Nm/hrの風量が、炉内点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉内から吸引される。これによって、炉内点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉内の換気が行われるとともに、炉内がマイナス数mm〜数十mmの負圧状態に維持され、炉内からの飛灰等の粉塵の流出が完全に抑止される。
次に、焼却炉(ボイラー)5内におけるそれぞれの燃焼室、この実施例においては、第1燃焼室〜第5燃焼室内に、炉内点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業用足場を架設する。
作業者22は、図4に示す装備を着用した上で、金属製スクレーパー、箒を用いて焼却炉(ボイラー)5内の水管表面に付着している飛灰を掻取り、圧縮空気の吹き付けによる清掃を行う。また、燃焼室壁面下部の耐火れんがや水管を被覆している不定形耐火物、水管等の補修或は取替えを行う。その際、多量の粉塵が発生するけれども、清掃・補修用換気ダクト20の吸気端からの多量の空気吸い込みによって、この実施例においては、浮遊粉塵が稼動中の他の2基の燃焼二次空気用送風機4に吸引・搬送され、迅速に清掃・補修対象炉内から除去される。
上記、清掃・補修用換気ダクト20による、炉内点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉内の換気、粉塵除去、および炉内の負圧状態の維持は、新たに吸引送風機を設けることなく達成される。これによって、炉内点検、清掃補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉内に外部からの新鮮な空気の流れが十分に発生するとともに、発生した粉塵も清掃・補修用換気ダクト20の吸気端から迅速に吸引・除去されて、視界も十分によくなった。また、空気呼吸器や気密性の高い防塵服を着用していることに起因して作業者の体感温度が非常に高く約30分間間隔の交代作業を余儀なくされていたものが、十分な空気流の発生によって大きく緩和され、作業者の負荷が軽減された。
図5に、この実施例における点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉の炉出口温度推移を、本発明を実施したとき(◆点列で示す)と本発明を適用しないとき(点線で示す)について示す。図5から明らかなように、本発明によれば、炉内作業を開始できる36℃の温度レベルに到達する時間が、本発明を実施しないときに比し約20時間短縮された。
本発明によって、炉内の点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業開始時間を約20時間短縮できたことに加えて作業開始時点以降においても常時、この実施例においては、12000Nm/hrと多量の換気がなされていることによる体感温度の低下効果はきわめて大きいものがある。
点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉内からの粉塵は、稼動中の焼却炉に吸引されるが、炉内に飛散している粉塵は量的に少なく、稼動中の燃焼二次空気用送風機4や焼却炉内への影響は皆無である。
一方、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉内での発生粉塵は、従来、視界が効かないほどであってその一部が焼却炉のマンホールから噴出し、ごみ焼却工場内を汚染していた。外部に流れ出た粉塵は、工場内各設備の上部に堆積し、作業者の歩行、風によって舞い上がり環境を悪化させていた。本発明によって、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉内を負圧に維持でき、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉外への粉塵の流出を完全に抑止できるとともに炉内における視界も良好となり、上記のような問題が解決された。
また、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉内の換気が格段に改善されたことによって、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業が15日間から11日間へと4日間短縮された。焼却炉は年間3回、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事がなされるから、3基のごみ焼却炉で年間36日間の工程短縮となった。
この実施例においては、何れか1基の焼却炉の点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事を行うに際しては、稼動中の2基の焼却炉の燃焼二次空気用送風機4の通常の吸込口14を完全に閉じて専ら清掃・補修用換気ダクト20からの排気を吸引させるようにしているけれども、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象炉内が負圧に維持されるとともに作業遂行に十分な換気量が得られるという条件下で、通常の吸込口14および清掃・補修用換気ダクトからの吸気量比率を制御するようにしても勿論よい。また、これを押込送風機(燃焼一次空気用送風機)3および燃焼二次空気用送風機4の何れか一方または双方について実施することも勿論できる。
ごみ焼却炉における処理フローを示すブロック図 本発明の一実施例に係る、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉および稼動中の焼却炉の換気空気流の模様を示す模式図 全ての焼却炉が稼動しているときの燃焼二次空気の流れおよび焼却炉の稼動の状態を示す模式図 点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え作業を遂行するときの、作業者の装備を示す正面図 本発明の一実施例に係る、点検、清掃・補修や耐火れんが、不定形耐火物、水管の補修或は取替え工事対象焼却炉内の温度推移を示すグラフ
符号の説明
1 ごみピット
2 投入ホッパー
3 押込送風機(燃焼一次空気用送風機)
4 燃焼二次空気用送風機
5 ごみ焼却炉(ボイラー)
6 炉床(火格子)
7 減温塔
8 バグフィルター
9 誘引送風機
10 洗煙塔
11 蒸気式ガス加熱器
12 煙突
14 燃焼二次空気吸込口
15 ダクト遮蔽板
16 炉床部正面大扉
17 灰出し装置
18 燃焼ガス出口
19 投入ホッパー用ダンパー
20 清掃・補修用ダクト
21 共通ダクト
22 作業者
24 燃焼二次空気用送風機吸込口ダンパー
28 燃焼ガス出口ダンパー
31 ヘルメット
32 保護めがね
33 エアラインマスク
34 保護衣
35 懐中電灯
36 安全帯
37 手工具、エアブロー用ノズル
38 エアホース
39 安全靴

Claims (2)

  1. 複数基の焼却炉を有するごみ等の焼却工場における焼却炉であって、焼却炉後段燃焼室の開閉手段又は開閉手段を有する開口部に、その吸気端を臨ませ又は通気開閉手段を有せしめて接続するとともに、排気端を通気遮断手段又は通気開閉手段を介して焼却炉の燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方又は双方に接続する清掃・補修用換気ダクトを配設したことを特徴とする焼却炉。
  2. 請求項1に記載の焼却炉において、清掃・補修対象焼却炉を停止後所定時間冷却し、然る後、焼却炉前段燃焼室の閉鎖手段又は通気開閉手段を有する開口部を開いて吸気可能状態としまた、焼却炉後段燃焼室の閉鎖手段又は通気開閉手段を有する開口部に清掃・補修用換気ダクトの吸気端を装着接続固定するか又は通気開閉手段を開いて通気可能状態とするとともに、稼動中の焼却炉の燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方又は双方の吸気側通常吸入口を閉じ又は吸気量を減少せしめ、一方、清掃・補修用換気ダクトの排気端と稼動中の焼却炉の燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方又は双方の吸気側との接続部の通気遮断手段又は通気開閉手段を開にして通気可能状態とし、清掃・補修対象焼却炉内の空気を1基以上の稼動中の焼却炉の燃焼一次空気用送風機および燃焼二次空気用送風機の何れか一方又は双方によって吸引せしめて清掃・補修対象焼却炉内を負圧に維持するとともに、前記焼却炉前段燃焼室の閉鎖手段又は通気開閉手段を有する開口部から吸気された新鮮空気の流通下に焼却炉の清掃・補修作業を遂行するようにしたことを特徴とする焼却炉内清掃・補修方法。
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