JP2004291988A - 容器の口栓 - Google Patents
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Abstract
【課題】口栓の筒状部内に納まっている開封用の被引治具の引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出せるようにした。
【解決手段】内部が閉塞壁2により閉塞されている筒状部3を備えた合成樹脂製の口栓本体1と該口栓本体1の筒状部3の外周に嵌着するキャップ6とからなり、前記筒状部3を閉塞する閉塞壁2に立設した被引治具9を引っ張って、閉塞壁2に設けられた薄肉線部8を引き裂き、該薄肉線部8で囲まれた閉塞壁2を取り除いて開封する容器の口栓において、前記閉塞壁2に立設した被引治具9の先端には引っ張り作用部10を有しており、前記引っ張り作用部10には、引っ張り作用部10を筒状部3の外に引っ張り出す引っ張り代11を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】内部が閉塞壁2により閉塞されている筒状部3を備えた合成樹脂製の口栓本体1と該口栓本体1の筒状部3の外周に嵌着するキャップ6とからなり、前記筒状部3を閉塞する閉塞壁2に立設した被引治具9を引っ張って、閉塞壁2に設けられた薄肉線部8を引き裂き、該薄肉線部8で囲まれた閉塞壁2を取り除いて開封する容器の口栓において、前記閉塞壁2に立設した被引治具9の先端には引っ張り作用部10を有しており、前記引っ張り作用部10には、引っ張り作用部10を筒状部3の外に引っ張り出す引っ張り代11を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は容器に取り付けられる口栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙を基材とし、内側及び外側にヒートシールに優れたポリオレフィン系を代表とする熱可塑性樹脂をラミネートした容器が、牛乳、ジュース、清酒、醤油等の液体を充填する容器、更には米等の固形粒体等を充填する容器として広く使用されている。
【0003】
これらの容器の多くは、該容器から液体内容物、又は固形粒体内容物を注出するため、合成樹脂製の口栓が取り付けられており、この口栓として、衛生上やタンパーエビデントといった観点から、内部が閉塞壁により閉塞されている筒状部を備えた合成樹脂製の口栓本体と該口栓本体の筒状部の外周に嵌着するキャップとからなり、開封の際、キャップを外し、口栓本体の筒状部内に指を差し込んで前記筒状部を閉塞する閉塞壁に立設した被引治具を引っ張ることにより、閉塞壁に設けられた薄肉線部を引き裂き、該薄肉線部で囲まれた閉塞壁を取り除いて開封する口栓が知られている。
【0004】
前記口栓にあって、閉塞壁に立設した被引治具は、一般に、プルリングに代表される指掛け部を有しており、プルリングに指を掛けて引っ張るようになっているが、前記プルリングは口栓本体の筒状部内にあるため、プルリング内径はこの筒状部内径よりも小さく設計されていて、特に筒状部の内径が小さい口栓は指がプルリングに入り難くなり、それに加えて指をプルリングに差し込もうとすることでプルリングを筒状部の奥へ押し込んでしまうといったことがあり、被引治具の引っ張りによる口栓の開封を面倒なものとしている。
【0005】
これを解決するためには、口栓本体の筒状部の内径を大きくすればよいが、この種の口栓が取り付けられる容器の取り付け面の広さとの関係で口栓はできるだけ小さくすることが求められている。その結果として、口栓本体の筒状部の内径の小さな口栓においても開封を容易にする試みがなされてきた。
【0006】
例えば、キャップを閉めた時、プルリングに指を差し込む時に邪魔になる口栓本体の筒状部の上縁がキャップの天板の下面よりも大きく下がった位置にあり、その一部はプルリングの下縁付近にまで下がった位置に設定され、尚かつ傾斜しており、更には、キャップを外した時にプルリングのうちで支柱から遠い部分が上方に持ち上がる等してプルリングに指を差し込んで引っ張り易くした口栓(例えば、特許文献1参照)や、口栓本体の筒状部内でプルリングが折れ曲がって筒状部内に納まるように成形されていることで注出筒内径よりも大きな内径のプルリングを得ることを可能とし、更に、プルリング上端を筒状部の上縁より高くすることでプルリングを注出筒から引き出し易くした口栓(例えば、特許文献2参照)や、口栓本体の筒状部内のプルリングの支柱部分を裂けて広がるようにし、結果的にプルリング内径を筒状部内径よりも大きくすることで小さな口栓でもプルリングに指を挿入し易くした口栓(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
実開昭59−106859号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平9−301391号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2002−240846号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1で提案されている口栓にあっては、プルリング外径が筒状部の内径よりも小さいことから、筒状部の内径が小さい口栓では指をプルリングに挿入し難くなってしまうといったことや、筒状部が短かすぎると筒状部から内容物を円滑に注ぎ出せなくなるために筒状部は短かすぎてはいけないという制約があるため、いきおい口栓の高さが高くなってしまうことになり、容器がゲーブルトップ型カートンである場合、口栓を取り付ける上部パネルが斜めであるため、これに取り付けた口栓が斜め上方に延びて水平方向に張り出すことになり、充填機で内容液を充填する時に充填機の部品に接触したり、複数本が入る流通用のクレートにカートンを出し入れする時に、キャップが隣のカートンに引っ掛かったりして支障がでてしまうといったことや、搬送時にカートンが嵩張るといった問題がある。
【0011】
また、前記特許文献2で提案されている口栓にあっては、筒状部内という制約された狭い空間内でプルリングが折れ曲がって筒状部内に略納まるように成形されたもので、キャップを外し被引冶具であるプルリングの弾性変形が解除された状態においても、プルリングの殆どが筒状部の上端縁よりも下の制約された狭い注出筒内に納まったままなので、筒状部の小さな口栓においては、略筒内に納まっているプルリングに指を深く挿入し力を入れて引っ張れる地点まで筒状部から引き出さなければならないが、プルリングを構成する樹脂は表面が滑り易く平らであるので、爪を掛けたり指で摘んでの引き出しに苦労するといった問題がある。
【0012】
また、前記特許文献3で提案されている口栓にあっても、キャップを取り除き被引冶具であるプルリングの弾性変形が解除されても、プルリングはその殆どが筒状部内に納まっており、これに指先を引っ掛ける等してプルリングに指を深く挿入し、力を入れて引っ張れる地点まで引き出さなければならないが、特許文献2で提案されている口栓と同様にプルリングの引き出しに苦労するといった問題がある。
【0013】
本発明の目的は、口栓の筒状部内に納まっている開封用の被引治具の引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出せるようにした容器の口栓を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内部が閉塞壁により閉塞されている筒状部を備えた合成樹脂製の口栓本体と該口栓本体の筒状部の外周に嵌着するキャップとからなり、前記筒状部を閉塞する閉塞壁に立設した被引治具を引っ張って、閉塞壁に設けられた薄肉線部を引き裂き、該薄肉線部で囲まれた閉塞壁を取り除いて開封する容器の口栓において、前記閉塞壁に立設した被引治具の先端には引っ張り作用部を有しており、前記引っ張り作用部には、引っ張り作用部を筒状部の外に引っ張り出す引っ張り代が設けられていることを特徴とする。
【0015】
かかる構成から、開封に際し、被引治具の先端に有する引っ張り作用部に設けられている引っ張り代を指先で引っかける或いは摘むことにより、引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出すことができる。これにより、引っ張り出した引っ張り作用部をしっかりと捕らえることができ、被引治具を力を込めて引っ張り閉塞壁に設けられた薄肉線部を引き裂いて、該薄肉線部で囲まれた閉塞壁を取り除いて開封することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記引っ張り作用部に設けた引っ張り代が、引っ張り作用部から筒状部外方向に向けて突出する突出部からなり、この突出部は前記筒状部にキャップを嵌着した状態で口栓本体の筒状部内とキャップの天板との間に形成された空間に弾性変形して収容され、前記筒状部からキャップを外したとき、弾性変形からの復元力により筒状部の外に飛び出すように構成されていることを特徴とする。
【0017】
かかる構成から、開封に際し、口栓本体の筒状部からキャップを外したとき、筒状部内とキャップの天板との間に形成された空間に弾性変形して収容されていた突出部からなる引っ張り代がキャップによる応力から開放され、その復元力により筒状部の外に飛び出すので、この飛び出している突出部を指先で摘むことにより、引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部をしっかりと捕らえることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の、前記引っ張り作用部に設けた引っ張り代は、引っ張り作用部に設けられた指先係止部からなることを特徴とする。
【0019】
かかる構成から、開封に際し、被引治具の先端に有する引っ張り作用部に設けられている指先係止部からなる引っ張り代を指先で引っかける或いは摘むことにより、引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部をしっかりと捕らえることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第1例を示した縦断面図、図2は図1に示す口栓のキャップを外した状態を示す一部省略一部切欠斜視図である。
【0021】
図において、1は合成樹脂製の口栓本体であり、内部が閉塞壁2により閉塞されている筒状部3と、筒状部3の下端外周に形成されたフランジ部4を備えている。前記筒状部3の外周にはねじ山5が形成されている。
【0022】
6は前記筒状部3の外周に着脱可能に嵌着されるキャップであり、本例では、筒状部3の外周に螺着されるようになっている。キャップ6の内周には、前記筒状部3の外周に形成されたねじ山5と螺合するねじ溝7が形成されている。また、図示しないが、キャップ6の内側には、シール用パッキンを設けてもよい。
【0023】
前記筒状部3の外周に着脱可能に嵌着されるキャップ6にあっては、本例では螺合といった手段が採用されているが、凹凸嵌合によるワンタッチ方式のものであってもよい。
【0024】
前記閉塞壁2には、該閉塞壁2の全周を一巡して開口部輪郭を形成する略円形の環状の薄肉線部8が設けられている。9は前記閉塞壁2の前記薄肉線部8内に立設した被引治具であり、該被引治具9を引っ張ることにより閉塞壁2に設けられた薄肉線部8を引き裂き、該薄肉線部8で囲まれた閉塞壁2aを取り除くようになっている。
【0025】
前記被引治具9はその殆どが前記筒状部3内に納まり、閉塞壁2に立設した基部9aの先端に引っ張り作用部10を設けた構成となっている。この引っ張り作用部10にあっては、指でしっかりと摘み或いは掛け強く引っ張ることのできるものであれば特に限定されるものではなく、本例では、基部9aの先端にプルリング10aが設けられ、このプルリング10aを引っ張り作用部10としている。
【0026】
前記引っ張り作用部10には、該引っ張り作用部10を筒状部3の外に引っ張り出す引っ張り代11が設けられている。この引っ張り代11にあっては、指で容易に且つ確実に摘み或いは掛けることができるものであれば特に限定されるものではなく、本例では前記プルリング10aの先端側上面に、弾性変形可能な棒状の突出部11aが筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられ、この突出部11aを引っ張り代11としている。
【0027】
前記突出部11aは、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに弾性変形して収容され、前記筒状部3からキャップ6を外したとき、弾性変形からの復元力により筒状部3の外に飛び出すように構成されている。
【0028】
前記のように、内部が閉塞壁2により閉塞されている筒状部3、筒状部3の下端外周に形成されたフランジ部4及び閉塞壁2に立設した被引治具9で構成される口栓本体1は、軟質性の合成樹脂の射出成形によって一体成形されている。
【0029】
このように構成された本例によれば、開封に際し、口栓本体1の筒状部3からキャップ6を外したとき、筒状部3内とキャップ6の天板との間に形成された空間Sに弾性変形して収容されていた突出部11aからなる引っ張り代11がキャップ6による応力から開放され、その復元力により筒状部3の外に飛び出すので、この飛び出している突出部11aを指先で摘むことにより、プルリング10aからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っぱり出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0030】
図3,図4は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第2例を示すもので、図3はキャップ6を外した状態の一部省略斜視図、図4は図3の側面図である。
【0031】
本例では、前記閉塞壁2に立設した基部9aの先端に設けた引っ張り作用部10に指先係止部11bが設けられ、この指先係止部11bを引っ張り代11としている。この指先係止部11bは、指先で引っかけ或いは摘み引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができるものであれば、特に限定されるものではなく、本例では、引っ張り作用部10となるプルリング10aの先端側上面に筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられた、指先で引っかける或いは摘めるようになっている膨出部からなっている。
【0032】
このように構成された本例によれば、開封に際し、引っ張り作用部10となるプルリング10aの先端側上面に筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられた膨出部からなる指先係止部11bを指先で引っかける或いは摘むことにより、プルリング10aからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っぱり出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0033】
図5,図6は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第3例を示すもので、図5はキャップ6を外した状態の一部省略斜視図、図6は図5のA−A線縦断面図である。
【0034】
本例は、前記第2例の引っ張り作用部10に設けられた指先係止部11bの他例を示すものであって、本例の指先係止部11bは、引っ張り作用部10となるプルリング10aの先端側両側面に設けられた、指先が引っかかるようになっている溝部からなっている。
【0035】
このように構成された本例によれば、開封に際し、引っ張り作用部10となるプルリング10aの先端側両側面に設けられた溝部からなる指先係止部11bに爪を引っかけることにより、プルリング10aからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0036】
図7は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第4例を示すもので、キャップ6を外した状態の一部省略斜視図である。
【0037】
本例は、筒状部3を閉塞している閉塞壁2に立設した被引治具9を構成する基部9aが折り畳み可能な板状体となっており、伸ばしたときその長さが、少なくとも先端に有する引っ張り作用部10が筒状部3の外で、指によりしっかりと捕らえることができ、且つ折り畳むことにより筒状部3内に収容される長さに設定されている。前記基部9aとなる板状体には、折り畳みを容易にする折目12が付してある。
【0038】
前記基部9aの先端に設けた引っ張り作用部10にあっては、本例では基部9aの先端に基部9aと交差する方向に伸びる棒状部10bを形成し、これを引っ張り作用部10としている。
【0039】
前記棒状部10bからなる引っ張り作用部10には、該引っ張り作用部10を筒状部3の外に引っ張り出す引っ張り代11が設けられている。この引っ張り代11にあっては、本例では前記棒状部10bに、前記第1例と同様の弾性変形可能な棒状の突出部11aが、被引治具9の基部9aを折り畳んで筒状部3内に収容したとき筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられ、この突出部11aを引っ張り代11としている。
【0040】
前記突出部11aは、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに弾性変形して収容され、前記筒状部3からキャップ6を外したとき、弾性変形からの復元力により筒状部3の外に飛び出すように構成されている。
【0041】
このように構成された本例によれば、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに、前記基部9aが折り畳まれて収容され且つ前記突出部11aが弾性変形して収容され、開封に際し、口栓本体1の筒状部3からキャップ6を外したとき、筒状部3内とキャップ6の天板との間に形成された空間Sに弾性変形して収容されていた突出部11aからなる引っ張り代11がキャップ6による応力から開放され、その復元力により筒状部3の外に飛び出すので、この飛び出している突出部11aを指先で摘み、前記折り畳まれて収容されている基部9aを引っ張って伸ばすことにより、棒状部10bからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0042】
図8は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第5例を示すもので、キャップ6を外した状態の一部省略斜視図である。本例は、筒状部3を閉塞している閉塞壁2に立設した被引治具9を構成する基部9aがコイル体となっており、伸ばしたときその長さが、少なくとも先端に有する引っ張り作用部10が筒状部3の外で、指によりしっかりと捕らえることができ、縮めることにより筒状部3内に収容される長さに設定されている。
【0043】
前記コイル体からなる基部9aの先端に設けた引っ張り作用部10にあっては、本例では基部9aの先端に基部9aと交差する方向に伸びる楕円球状部10cを形成し、これを引っ張り作用点10としている。
【0044】
前記楕円球状部10cからなる引っ張り作用部10には、該引っ張り作用部10を筒状部3の外に引っ張り出す引っ張り代11が設けられている。この引っ張り代11にあっては、本例では前記楕円球状部10cに、前記第1例と同様の弾性変形可能な棒状の突出部11aが、被引治具9の基部9aを縮めて筒状部3内に収容したとき、筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられ、この突出部11aを引っ張り代11としている。
【0045】
前記突出部11aは、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに弾性変形して収容され、前記筒状部3からキャップ6を外したとき、弾性変形からの復元力により筒状部3の外に飛び出すように構成されている。
【0046】
このように構成された本例によれば、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに、前記基部9aが縮められて収容され且つ前記突出部11aが弾性変形して収容され、開封に際し、口栓本体1の筒状部3からキャップ6を外したとき、筒状部3内とキャップ6の天板との間に形成された空間Sに弾性変形して収容されていた突出部11aからなる引っ張り代11がキャップ6による応力から開放され、その復元力により筒状部3の外に飛び出すので、この飛び出している突出部11aを指先で摘み、前記縮められて収容されている基部9aを引っ張って伸ばすことにより、楕円球状部10cからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0047】
なお、前記した内部が閉塞壁2により閉塞されている筒状部3、筒状部3の下端外周に形成されたフランジ部4及び引っ張り代11を設けた引っ張り作用部10を先端に有する被引治具9で構成される口栓本体1を成形する合成樹脂にあっては、低密度ポリエチレンが一般的であるが、シングルサイト系触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、その他のポリオレフィン類、変性ポリエチレンテレフタレート等の軟質合成樹脂であれば特に限定されるものではない。
【0048】
また、キャップ6を成形する合成樹脂にあっては、高密度ポリエチレンが一般的であるが、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、シングルサイト系触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ABS樹脂、ポリカーボネート、アラミド樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂等から選ばれた熱可塑性樹脂も使用される。
【0049】
また、前記例では被引治具9の先端に有する引っ張り作用部10として、プルリング10a、棒状部10b、楕円球状部10cを挙げているが、これらに限定されるものではなく、指で容易に且つ確実に捕らえることができる形状であればよい。
【0050】
また、前記閉塞壁2にあっては、筒状部3を閉塞するものであれば、筒状部3のどの位置に設けられていてもよく、例えば、筒状部3の中間部に設けられていてもよく、また、閉塞壁2に設けられる薄肉線部8の形状は、上記例では、略円形となっているが、これに限られるものではなく、楕円形、矩形、馬蹄形等どのような形状であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る容器の口栓によれば、開封に際し、被引治具の先端に有する引っ張り作用部に設けられている引っ張り代を指先で引っかける或いは摘むことにより、引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出すことができるので、引っ張り出した引っ張り作用部をしっかりと捕らえて被引治具を引っ張ることができることから、口栓の筒状部の内径の大きさに拘らず開封用の被引治具の引っ張りを容易に行うことができ、これにより、口栓全体の小型化も可能となり、従来困難或いは不可能視されていた小型容器の口栓としても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の一例を示す縦断面図。
【図2】図1に示す口栓のキャップを外した状態を示す一部省略一部切欠斜視図。
【図3】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の他例を示すキャップを外した状態の一部省略斜視図。
【図4】図3の側面図。
【図5】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の他例を示すキャップを外した状態の一部省略斜視図。
【図6】図5のA−A線縦断面図。
【図7】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の他例を示すキャップを外した状態の一部省略斜視図。
【図8】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の他例を示すキャップを外した状態の一部省略斜視図。
【符号の説明】
1 口栓本体
2 閉塞壁
2a 薄肉線部で囲まれた閉塞壁
3 筒状部
4 フランジ部
5 ねじ山
6 キャップ
6a 天板
7 ねじ溝
8 薄肉線部
9 被引治具
9a 基部
10 引っ張り作用部
10a プルリング
10b 棒状部
10c 楕円球状部
11 引っ張り代
11a 突出部
11b 指先係止部
12 折目
【発明の属する技術分野】
本発明は容器に取り付けられる口栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙を基材とし、内側及び外側にヒートシールに優れたポリオレフィン系を代表とする熱可塑性樹脂をラミネートした容器が、牛乳、ジュース、清酒、醤油等の液体を充填する容器、更には米等の固形粒体等を充填する容器として広く使用されている。
【0003】
これらの容器の多くは、該容器から液体内容物、又は固形粒体内容物を注出するため、合成樹脂製の口栓が取り付けられており、この口栓として、衛生上やタンパーエビデントといった観点から、内部が閉塞壁により閉塞されている筒状部を備えた合成樹脂製の口栓本体と該口栓本体の筒状部の外周に嵌着するキャップとからなり、開封の際、キャップを外し、口栓本体の筒状部内に指を差し込んで前記筒状部を閉塞する閉塞壁に立設した被引治具を引っ張ることにより、閉塞壁に設けられた薄肉線部を引き裂き、該薄肉線部で囲まれた閉塞壁を取り除いて開封する口栓が知られている。
【0004】
前記口栓にあって、閉塞壁に立設した被引治具は、一般に、プルリングに代表される指掛け部を有しており、プルリングに指を掛けて引っ張るようになっているが、前記プルリングは口栓本体の筒状部内にあるため、プルリング内径はこの筒状部内径よりも小さく設計されていて、特に筒状部の内径が小さい口栓は指がプルリングに入り難くなり、それに加えて指をプルリングに差し込もうとすることでプルリングを筒状部の奥へ押し込んでしまうといったことがあり、被引治具の引っ張りによる口栓の開封を面倒なものとしている。
【0005】
これを解決するためには、口栓本体の筒状部の内径を大きくすればよいが、この種の口栓が取り付けられる容器の取り付け面の広さとの関係で口栓はできるだけ小さくすることが求められている。その結果として、口栓本体の筒状部の内径の小さな口栓においても開封を容易にする試みがなされてきた。
【0006】
例えば、キャップを閉めた時、プルリングに指を差し込む時に邪魔になる口栓本体の筒状部の上縁がキャップの天板の下面よりも大きく下がった位置にあり、その一部はプルリングの下縁付近にまで下がった位置に設定され、尚かつ傾斜しており、更には、キャップを外した時にプルリングのうちで支柱から遠い部分が上方に持ち上がる等してプルリングに指を差し込んで引っ張り易くした口栓(例えば、特許文献1参照)や、口栓本体の筒状部内でプルリングが折れ曲がって筒状部内に納まるように成形されていることで注出筒内径よりも大きな内径のプルリングを得ることを可能とし、更に、プルリング上端を筒状部の上縁より高くすることでプルリングを注出筒から引き出し易くした口栓(例えば、特許文献2参照)や、口栓本体の筒状部内のプルリングの支柱部分を裂けて広がるようにし、結果的にプルリング内径を筒状部内径よりも大きくすることで小さな口栓でもプルリングに指を挿入し易くした口栓(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
実開昭59−106859号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平9−301391号公報
【0009】
【特許文献3】
特開2002−240846号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1で提案されている口栓にあっては、プルリング外径が筒状部の内径よりも小さいことから、筒状部の内径が小さい口栓では指をプルリングに挿入し難くなってしまうといったことや、筒状部が短かすぎると筒状部から内容物を円滑に注ぎ出せなくなるために筒状部は短かすぎてはいけないという制約があるため、いきおい口栓の高さが高くなってしまうことになり、容器がゲーブルトップ型カートンである場合、口栓を取り付ける上部パネルが斜めであるため、これに取り付けた口栓が斜め上方に延びて水平方向に張り出すことになり、充填機で内容液を充填する時に充填機の部品に接触したり、複数本が入る流通用のクレートにカートンを出し入れする時に、キャップが隣のカートンに引っ掛かったりして支障がでてしまうといったことや、搬送時にカートンが嵩張るといった問題がある。
【0011】
また、前記特許文献2で提案されている口栓にあっては、筒状部内という制約された狭い空間内でプルリングが折れ曲がって筒状部内に略納まるように成形されたもので、キャップを外し被引冶具であるプルリングの弾性変形が解除された状態においても、プルリングの殆どが筒状部の上端縁よりも下の制約された狭い注出筒内に納まったままなので、筒状部の小さな口栓においては、略筒内に納まっているプルリングに指を深く挿入し力を入れて引っ張れる地点まで筒状部から引き出さなければならないが、プルリングを構成する樹脂は表面が滑り易く平らであるので、爪を掛けたり指で摘んでの引き出しに苦労するといった問題がある。
【0012】
また、前記特許文献3で提案されている口栓にあっても、キャップを取り除き被引冶具であるプルリングの弾性変形が解除されても、プルリングはその殆どが筒状部内に納まっており、これに指先を引っ掛ける等してプルリングに指を深く挿入し、力を入れて引っ張れる地点まで引き出さなければならないが、特許文献2で提案されている口栓と同様にプルリングの引き出しに苦労するといった問題がある。
【0013】
本発明の目的は、口栓の筒状部内に納まっている開封用の被引治具の引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出せるようにした容器の口栓を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内部が閉塞壁により閉塞されている筒状部を備えた合成樹脂製の口栓本体と該口栓本体の筒状部の外周に嵌着するキャップとからなり、前記筒状部を閉塞する閉塞壁に立設した被引治具を引っ張って、閉塞壁に設けられた薄肉線部を引き裂き、該薄肉線部で囲まれた閉塞壁を取り除いて開封する容器の口栓において、前記閉塞壁に立設した被引治具の先端には引っ張り作用部を有しており、前記引っ張り作用部には、引っ張り作用部を筒状部の外に引っ張り出す引っ張り代が設けられていることを特徴とする。
【0015】
かかる構成から、開封に際し、被引治具の先端に有する引っ張り作用部に設けられている引っ張り代を指先で引っかける或いは摘むことにより、引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出すことができる。これにより、引っ張り出した引っ張り作用部をしっかりと捕らえることができ、被引治具を力を込めて引っ張り閉塞壁に設けられた薄肉線部を引き裂いて、該薄肉線部で囲まれた閉塞壁を取り除いて開封することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記引っ張り作用部に設けた引っ張り代が、引っ張り作用部から筒状部外方向に向けて突出する突出部からなり、この突出部は前記筒状部にキャップを嵌着した状態で口栓本体の筒状部内とキャップの天板との間に形成された空間に弾性変形して収容され、前記筒状部からキャップを外したとき、弾性変形からの復元力により筒状部の外に飛び出すように構成されていることを特徴とする。
【0017】
かかる構成から、開封に際し、口栓本体の筒状部からキャップを外したとき、筒状部内とキャップの天板との間に形成された空間に弾性変形して収容されていた突出部からなる引っ張り代がキャップによる応力から開放され、その復元力により筒状部の外に飛び出すので、この飛び出している突出部を指先で摘むことにより、引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部をしっかりと捕らえることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の、前記引っ張り作用部に設けた引っ張り代は、引っ張り作用部に設けられた指先係止部からなることを特徴とする。
【0019】
かかる構成から、開封に際し、被引治具の先端に有する引っ張り作用部に設けられている指先係止部からなる引っ張り代を指先で引っかける或いは摘むことにより、引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部をしっかりと捕らえることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第1例を示した縦断面図、図2は図1に示す口栓のキャップを外した状態を示す一部省略一部切欠斜視図である。
【0021】
図において、1は合成樹脂製の口栓本体であり、内部が閉塞壁2により閉塞されている筒状部3と、筒状部3の下端外周に形成されたフランジ部4を備えている。前記筒状部3の外周にはねじ山5が形成されている。
【0022】
6は前記筒状部3の外周に着脱可能に嵌着されるキャップであり、本例では、筒状部3の外周に螺着されるようになっている。キャップ6の内周には、前記筒状部3の外周に形成されたねじ山5と螺合するねじ溝7が形成されている。また、図示しないが、キャップ6の内側には、シール用パッキンを設けてもよい。
【0023】
前記筒状部3の外周に着脱可能に嵌着されるキャップ6にあっては、本例では螺合といった手段が採用されているが、凹凸嵌合によるワンタッチ方式のものであってもよい。
【0024】
前記閉塞壁2には、該閉塞壁2の全周を一巡して開口部輪郭を形成する略円形の環状の薄肉線部8が設けられている。9は前記閉塞壁2の前記薄肉線部8内に立設した被引治具であり、該被引治具9を引っ張ることにより閉塞壁2に設けられた薄肉線部8を引き裂き、該薄肉線部8で囲まれた閉塞壁2aを取り除くようになっている。
【0025】
前記被引治具9はその殆どが前記筒状部3内に納まり、閉塞壁2に立設した基部9aの先端に引っ張り作用部10を設けた構成となっている。この引っ張り作用部10にあっては、指でしっかりと摘み或いは掛け強く引っ張ることのできるものであれば特に限定されるものではなく、本例では、基部9aの先端にプルリング10aが設けられ、このプルリング10aを引っ張り作用部10としている。
【0026】
前記引っ張り作用部10には、該引っ張り作用部10を筒状部3の外に引っ張り出す引っ張り代11が設けられている。この引っ張り代11にあっては、指で容易に且つ確実に摘み或いは掛けることができるものであれば特に限定されるものではなく、本例では前記プルリング10aの先端側上面に、弾性変形可能な棒状の突出部11aが筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられ、この突出部11aを引っ張り代11としている。
【0027】
前記突出部11aは、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに弾性変形して収容され、前記筒状部3からキャップ6を外したとき、弾性変形からの復元力により筒状部3の外に飛び出すように構成されている。
【0028】
前記のように、内部が閉塞壁2により閉塞されている筒状部3、筒状部3の下端外周に形成されたフランジ部4及び閉塞壁2に立設した被引治具9で構成される口栓本体1は、軟質性の合成樹脂の射出成形によって一体成形されている。
【0029】
このように構成された本例によれば、開封に際し、口栓本体1の筒状部3からキャップ6を外したとき、筒状部3内とキャップ6の天板との間に形成された空間Sに弾性変形して収容されていた突出部11aからなる引っ張り代11がキャップ6による応力から開放され、その復元力により筒状部3の外に飛び出すので、この飛び出している突出部11aを指先で摘むことにより、プルリング10aからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っぱり出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0030】
図3,図4は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第2例を示すもので、図3はキャップ6を外した状態の一部省略斜視図、図4は図3の側面図である。
【0031】
本例では、前記閉塞壁2に立設した基部9aの先端に設けた引っ張り作用部10に指先係止部11bが設けられ、この指先係止部11bを引っ張り代11としている。この指先係止部11bは、指先で引っかけ或いは摘み引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができるものであれば、特に限定されるものではなく、本例では、引っ張り作用部10となるプルリング10aの先端側上面に筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられた、指先で引っかける或いは摘めるようになっている膨出部からなっている。
【0032】
このように構成された本例によれば、開封に際し、引っ張り作用部10となるプルリング10aの先端側上面に筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられた膨出部からなる指先係止部11bを指先で引っかける或いは摘むことにより、プルリング10aからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っぱり出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0033】
図5,図6は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第3例を示すもので、図5はキャップ6を外した状態の一部省略斜視図、図6は図5のA−A線縦断面図である。
【0034】
本例は、前記第2例の引っ張り作用部10に設けられた指先係止部11bの他例を示すものであって、本例の指先係止部11bは、引っ張り作用部10となるプルリング10aの先端側両側面に設けられた、指先が引っかかるようになっている溝部からなっている。
【0035】
このように構成された本例によれば、開封に際し、引っ張り作用部10となるプルリング10aの先端側両側面に設けられた溝部からなる指先係止部11bに爪を引っかけることにより、プルリング10aからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0036】
図7は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第4例を示すもので、キャップ6を外した状態の一部省略斜視図である。
【0037】
本例は、筒状部3を閉塞している閉塞壁2に立設した被引治具9を構成する基部9aが折り畳み可能な板状体となっており、伸ばしたときその長さが、少なくとも先端に有する引っ張り作用部10が筒状部3の外で、指によりしっかりと捕らえることができ、且つ折り畳むことにより筒状部3内に収容される長さに設定されている。前記基部9aとなる板状体には、折り畳みを容易にする折目12が付してある。
【0038】
前記基部9aの先端に設けた引っ張り作用部10にあっては、本例では基部9aの先端に基部9aと交差する方向に伸びる棒状部10bを形成し、これを引っ張り作用部10としている。
【0039】
前記棒状部10bからなる引っ張り作用部10には、該引っ張り作用部10を筒状部3の外に引っ張り出す引っ張り代11が設けられている。この引っ張り代11にあっては、本例では前記棒状部10bに、前記第1例と同様の弾性変形可能な棒状の突出部11aが、被引治具9の基部9aを折り畳んで筒状部3内に収容したとき筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられ、この突出部11aを引っ張り代11としている。
【0040】
前記突出部11aは、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに弾性変形して収容され、前記筒状部3からキャップ6を外したとき、弾性変形からの復元力により筒状部3の外に飛び出すように構成されている。
【0041】
このように構成された本例によれば、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに、前記基部9aが折り畳まれて収容され且つ前記突出部11aが弾性変形して収容され、開封に際し、口栓本体1の筒状部3からキャップ6を外したとき、筒状部3内とキャップ6の天板との間に形成された空間Sに弾性変形して収容されていた突出部11aからなる引っ張り代11がキャップ6による応力から開放され、その復元力により筒状部3の外に飛び出すので、この飛び出している突出部11aを指先で摘み、前記折り畳まれて収容されている基部9aを引っ張って伸ばすことにより、棒状部10bからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0042】
図8は本発明に係る容器の口栓の実施の形態の第5例を示すもので、キャップ6を外した状態の一部省略斜視図である。本例は、筒状部3を閉塞している閉塞壁2に立設した被引治具9を構成する基部9aがコイル体となっており、伸ばしたときその長さが、少なくとも先端に有する引っ張り作用部10が筒状部3の外で、指によりしっかりと捕らえることができ、縮めることにより筒状部3内に収容される長さに設定されている。
【0043】
前記コイル体からなる基部9aの先端に設けた引っ張り作用部10にあっては、本例では基部9aの先端に基部9aと交差する方向に伸びる楕円球状部10cを形成し、これを引っ張り作用点10としている。
【0044】
前記楕円球状部10cからなる引っ張り作用部10には、該引っ張り作用部10を筒状部3の外に引っ張り出す引っ張り代11が設けられている。この引っ張り代11にあっては、本例では前記楕円球状部10cに、前記第1例と同様の弾性変形可能な棒状の突出部11aが、被引治具9の基部9aを縮めて筒状部3内に収容したとき、筒状部3の外方向に向けて突出するように設けられ、この突出部11aを引っ張り代11としている。
【0045】
前記突出部11aは、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに弾性変形して収容され、前記筒状部3からキャップ6を外したとき、弾性変形からの復元力により筒状部3の外に飛び出すように構成されている。
【0046】
このように構成された本例によれば、前記筒状部3にキャップ6を嵌着した状態で筒状部3内とキャップ6の天板6aとの間に形成された空間Sに、前記基部9aが縮められて収容され且つ前記突出部11aが弾性変形して収容され、開封に際し、口栓本体1の筒状部3からキャップ6を外したとき、筒状部3内とキャップ6の天板との間に形成された空間Sに弾性変形して収容されていた突出部11aからなる引っ張り代11がキャップ6による応力から開放され、その復元力により筒状部3の外に飛び出すので、この飛び出している突出部11aを指先で摘み、前記縮められて収容されている基部9aを引っ張って伸ばすことにより、楕円球状部10cからなる引っ張り作用部10を筒状部3の外に容易に引っ張り出すことができ、これにより、引っ張り出した引っ張り作用部10をしっかりと捕らえることができる。
【0047】
なお、前記した内部が閉塞壁2により閉塞されている筒状部3、筒状部3の下端外周に形成されたフランジ部4及び引っ張り代11を設けた引っ張り作用部10を先端に有する被引治具9で構成される口栓本体1を成形する合成樹脂にあっては、低密度ポリエチレンが一般的であるが、シングルサイト系触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、その他のポリオレフィン類、変性ポリエチレンテレフタレート等の軟質合成樹脂であれば特に限定されるものではない。
【0048】
また、キャップ6を成形する合成樹脂にあっては、高密度ポリエチレンが一般的であるが、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、シングルサイト系触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ABS樹脂、ポリカーボネート、アラミド樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂等から選ばれた熱可塑性樹脂も使用される。
【0049】
また、前記例では被引治具9の先端に有する引っ張り作用部10として、プルリング10a、棒状部10b、楕円球状部10cを挙げているが、これらに限定されるものではなく、指で容易に且つ確実に捕らえることができる形状であればよい。
【0050】
また、前記閉塞壁2にあっては、筒状部3を閉塞するものであれば、筒状部3のどの位置に設けられていてもよく、例えば、筒状部3の中間部に設けられていてもよく、また、閉塞壁2に設けられる薄肉線部8の形状は、上記例では、略円形となっているが、これに限られるものではなく、楕円形、矩形、馬蹄形等どのような形状であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る容器の口栓によれば、開封に際し、被引治具の先端に有する引っ張り作用部に設けられている引っ張り代を指先で引っかける或いは摘むことにより、引っ張り作用部を筒状部の外に容易に引っ張り出すことができるので、引っ張り出した引っ張り作用部をしっかりと捕らえて被引治具を引っ張ることができることから、口栓の筒状部の内径の大きさに拘らず開封用の被引治具の引っ張りを容易に行うことができ、これにより、口栓全体の小型化も可能となり、従来困難或いは不可能視されていた小型容器の口栓としても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の一例を示す縦断面図。
【図2】図1に示す口栓のキャップを外した状態を示す一部省略一部切欠斜視図。
【図3】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の他例を示すキャップを外した状態の一部省略斜視図。
【図4】図3の側面図。
【図5】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の他例を示すキャップを外した状態の一部省略斜視図。
【図6】図5のA−A線縦断面図。
【図7】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の他例を示すキャップを外した状態の一部省略斜視図。
【図8】本発明に係る容器の口栓の実施の形態の他例を示すキャップを外した状態の一部省略斜視図。
【符号の説明】
1 口栓本体
2 閉塞壁
2a 薄肉線部で囲まれた閉塞壁
3 筒状部
4 フランジ部
5 ねじ山
6 キャップ
6a 天板
7 ねじ溝
8 薄肉線部
9 被引治具
9a 基部
10 引っ張り作用部
10a プルリング
10b 棒状部
10c 楕円球状部
11 引っ張り代
11a 突出部
11b 指先係止部
12 折目
Claims (3)
- 内部が閉塞壁により閉塞されている筒状部を備えた合成樹脂製の口栓本体と該口栓本体の筒状部の外周に嵌着するキャップとからなり、前記筒状部を閉塞する閉塞壁に立設した被引治具を引っ張って、閉塞壁に設けられた薄肉線部を引き裂き、該薄肉線部で囲まれた閉塞壁を取り除いて開封する容器の口栓において、
前記閉塞壁に立設した被引治具の先端には引っ張り作用部を有しており、前記引っ張り作用部には、引っ張り作用部を筒状部の外に引っ張り出す引っ張り代が設けられていることを特徴とする容器の口栓。 - 前記引っ張り作用部に設けた引っ張り代は、引っ張り作用部から筒状部外方向に向けて突出する突出部からなり、この突出部は前記筒状部にキャップを嵌着した状態で口栓本体の筒状部内とキャップの天板との間に形成された空間に弾性変形して収容され、前記筒状部からキャップを外したとき、弾性変形からの復元力により筒状部の外に飛び出すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器の口栓。
- 前記引っ張り作用部に設けた引っ張り代は、引っ張り作用部に設けられた指先係止部からなることを特徴とする請求項1に記載の容器の口栓。
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JP2003084583A JP2004291988A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 容器の口栓 |
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JP2003084583A JP2004291988A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 容器の口栓 |
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JP2003084583A Withdrawn JP2004291988A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 容器の口栓 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007020970A (ja) * | 2005-07-20 | 2007-02-01 | Sanritsu Kk | 液体塗布具 |
JP2007070488A (ja) * | 2005-09-07 | 2007-03-22 | Mikasa Sangyo Kk | 生分解性を有するキャップ |
JP2007077367A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Mikasa Sangyo Kk | 生分解性を有するキャップ |
JP2011031948A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Yoshino Kogyosho Co Ltd | 指掛けリング |
JP2013177202A (ja) * | 2012-02-03 | 2013-09-09 | Toppan Printing Co Ltd | 注出口栓および包装容器 |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003084583A patent/JP2004291988A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
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