JP2004291976A - 薬剤包装装置及び薬剤分包装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】長手方向に沿って開放端が形成された長尺の包装シートP1,P2の該開放端から薬剤を投入する薬剤投入部20と、シール装置3A,3Bと、搬送装置40とを具備し、薬剤投入部20よりシート搬送方向X上流側に、殺菌用の紫外線Sを出射する紫外線ランプ51〜53が設けられており、ランプ51〜53により、前記開放端から薬剤投入部20にて薬剤が投入される包装シートP1,P2の内面に紫外線51〜53を照射する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤包装装置及びそれを備えた薬剤分包装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薬剤分包装置は、例えば、薬剤分配供給装置と薬剤包装装置とを備えており、薬剤分配供給装置から処方箋に対応する薬剤を薬剤包装装置に選択的に供給し、薬剤包装装置に供給された薬剤を該薬剤包装装置にて1分包ずつ自動的に包装する。
【0003】
従来、薬剤を包装する薬剤包装装置として、例えば、長手方向に沿って開放端が形成された長尺の包装シートの該開放端から薬剤を投入する薬剤投入部と、前記薬剤投入部により薬剤が投入された前記包装シートをシールして個々に区画された包装体を形成するシール装置と、前記包装シートをシート長手方向に沿って搬送する搬送装置とが設けられ、搬送装置にてシート長手方向に沿って搬送される包装シートに該シートの長手方向に沿って形成された開放端から薬剤投入部にて薬剤を投入し、この薬剤が投入された包装シートをシール装置にてシールすることにより、該薬剤を包装するものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような薬剤分包装置においては、シール装置の周辺が、通常、フロントパネル(カバー)で覆われているが、分包シートの交換時やさまざまなメンテナンス作業時に開閉されることがある。また、ユーザーによっては、フロントパネルが取り外されていることもある。このような状況では、分包シートは必ずしも衛生的ではなく、かかる衛生上の観点から、前記薬剤投入部にて薬剤を投入するにあたって前記包装シートを殺菌することが要求されている。
【0005】
そこで、本発明は、長手方向に沿って開放端が形成された長尺の包装シートの該開放端から薬剤を投入する薬剤投入部と、前記薬剤投入部により薬剤が投入された前記包装シートをシールして個々に区画された包装体を形成するシール装置と、前記包装シートをシート長手方向に沿って搬送する搬送装置とを具備する薬剤包装装置及び薬剤分包装置であって、前記薬剤投入部にて薬剤を投入するにあたり前記包装シートを殺菌することができる薬剤包装装置及び薬剤分包装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、長手方向に沿って開放端が形成された長尺の包装シートの該開放端から薬剤を投入する薬剤投入部と、前記薬剤投入部により薬剤が投入された前記包装シートをシールして個々に区画された包装体を形成するシール装置と、前記包装シートをシート長手方向に沿って搬送する搬送装置とを具備する薬剤包装装置において、前記薬剤投入部よりシート搬送方向上流側に、殺菌用の紫外線を出射する紫外線ランプが少なくとも一つ設けられており、前記紫外線ランプにより、前記開放端から前記薬剤投入部にて薬剤が投入される前記包装シートの内面に殺菌用の紫外線を照射することを特徴とする薬剤包装装置を提供する。
【0007】
本発明はまた、前記本発明に係る薬剤包装装置を備えたことを特徴とする薬剤分包装置も提供する。
【0008】
本発明に係る薬剤包装装置及び薬剤分包装置では、長手方向に沿って開放端が形成された前記長尺の包装シートが前記搬送装置にてシート長手方向に沿って搬送され、前記薬剤投入部よりシート搬送方向上流側に設けられた前記少なくとも一つの紫外線ランプにより、前記開放端から前記薬剤投入部にて薬剤が投入される前記包装シートの内面に殺菌用の紫外線が照射される。そして、紫外線が照射された前記包装シートは前記開放端から前記薬剤投入部にて薬剤が投入され、前記シール装置にてシールされて個々に区画された包装体が形成される。
【0009】
このように本発明に係る薬剤包装装置及び薬剤分包装置によると、前記薬剤投入部よりシート搬送方向上流側に設けられた前記紫外線ランプにより、前記開放端から前記薬剤投入部にて薬剤が投入される前記包装シートの内面に殺菌用の紫外線が照射されるので、前記薬剤投入部にて薬剤を投入するにあたり前記包装シートを殺菌することができる。
【0010】
前記紫外線ランプとしては、前記開放端から前記薬剤投入部にて薬剤が投入される前記包装シートの内面に殺菌用の紫外線を照射することができるものであれば、いずれのものを用いてもよいが、光源から出射される紫外線の指向性を考慮すると、光源が平面状に形成された平面型の紫外線殺菌用ランプを用いることが望ましい。
【0011】
前記殺菌用の紫外線の波長としては、紫外線波長域(例えば100nm程度〜380nm程度)の波長域のうち、前記包装シートを良好に殺菌できる程度の波長であれば、いずれの波長を採用してもよい。このうち殺菌作用が比較的強い波長としては、253.7nm程度を例示できる。
【0012】
本発明に係る薬剤包装装置及び薬剤分包装置において、前記長尺の包装シートが、長手方向に沿って開放端を形成している態様として、次の場合を挙げることができる。
(a)長尺のシートが長手方向に沿って二つ折りにされた前記長尺の包装シートが、長手方向に沿って開放端を形成している場合。
(b)無折り状態の長尺のシートが搬送経路中で長手方向に沿って二つ折りにされて前記長尺の包装シートが形成され、該二つ折りにされた長尺の包装シートが、長手方向に沿って開放端を形成している場合。
(c)無折り状態の一対の長尺シートが搬送経路中で長手方向に沿ってそれぞれの一方の面が互いに対向するように重ね合わされ、該重ね合わされたシートの短手方向一端部が長手方向に沿ってシールされて前記長尺の包装シートが形成され、該重ね合わされ、シールされた長尺の包装シートが、長手方向に沿って開放端を形成している場合。
【0013】
いずれにしても前記紫外線ランプのうち少なくとも一つは、前記包装シートに薬剤が投入される領域近傍に配設され、該シートの内面に殺菌用の紫外線を照射する場合、さらに具体的には、前記開放端が形成された前記包装シートの内側に配設され、該シート内側から該シート内面に殺菌用の紫外線を照射する場合を例示できる。この場合、例えば、前記包装シートの内側に配設される前記紫外線ランプを支持するランプ固定部材をさらに備えており、前記薬剤投入部は、薬剤を前記包装シートに導く薬剤投入ホッパーを備えており、前記ランプ固定部材は、前記ホッパーの前記包装シートが搬送される領域の幅より幅広のもので、前記ホッパーの前記包装シートが搬送される領域に面して前記ホッパーよりシート搬送方向上流側近傍に配設されており、さらに、前記包装シートの内側に配設される前記紫外線ランプが、前記ランプ固定部材の前記ホッパーとの対向面とは反対側の面に支持されていてもよい。このような構成では、前記ランプ固定部材が前記ホッパーの前記包装シートが搬送される領域に面して前記ホッパーよりシート搬送方向上流側近傍に配設されているので、該紫外線ランプを前記開放端が形成された前記包装シートの内側に固定することができ、且つ、該紫外線ランプから前記ランプ固定部材よりシート搬送方向上流側に殺菌用の紫外線を照射する一方、前記包装シートに投入される薬剤に紫外線を浴びせないようにすることができる。さらに、前記ランプ固定部材は前記ホッパーの前記包装シートが搬送される領域の幅より幅広であるので、この幅広のランプ固定部材によって前記包装シートの前記開放端を開くことができるとともに、前記ホッパーに前記包装シートを触れさせないようにすることができる。例えば、前記ホッパーに残ることがある薬剤を落下させるために該ホッパーを振動させる残薬処理を行うことがある。この場合、前記のような構成によれば、前記ホッパーに前記包装シートを触れさせないようにすることができるので、前記の残薬処理を行っても、搬送される前記包装シートが蛇行するといったシート流れに対する影響を十分抑制することができる。
【0014】
また、前記(b)の場合では、前記紫外線ランプのうち少なくとも一つが、無折り状態のシートが搬送経路中で二つ折りにされる領域近傍に配設され、前記無折り状態のシートの、前記包装シートの内面となるべき面に殺菌用の紫外線を照射してもよいし、前記(c)の場合では、前記紫外線ランプのうち少なくとも一つが、無折り状態の一対のシートが搬送経路中で重ね合わされる領域近傍に配設され、前記無折り状態のシートの、前記包装シートの内面となるべき面に殺菌用の紫外線を照射してもよい。さらに、前記(b)及び(c)の場合では、前記紫外線ランプのうち少なくとも一つが、無折り状態のシートを覆うケース内に配設され、該ケース内で前記無折り状態のシートの、前記包装シートの内面となるべき面に殺菌用の紫外線を照射してもよい。
【0015】
本発明に係る薬剤包装装置及び薬剤分包装置は、前記紫外線ランプを、前記シール装置駆動中のみ点灯するように構成することが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は本発明に係る薬剤分包装置の一例100Aに搭載された本発明に係る薬剤包装装置の一例Aの概略平面図であり、図2は本発明に係る薬剤分包装置の他の例100Bに搭載された本発明に係る薬剤包装装置の他の例Bの概略平面図である。なお、図1及び図2並びに後述する図3及び図4において同じ構成、作用を有する部品には同じ参照符号を付してある。
【0018】
薬剤分包装置100A及び100Bは、それぞれ前記の薬剤包装装置A,Bの他、主制御部CONT1及びCONT2並びに図示を省略した薬剤分配供給装置を備えている。前記主制御部は薬剤分包装置全体を制御するものであり、前記薬剤分配供給装置は薬剤を分配して供給するためのものである。
【0019】
薬剤分包装置100A及び100Bでは、前記の薬剤分配供給装置から処方箋に対応する散薬、錠剤、カプセル等の薬剤がそれぞれ薬剤包装装置A,Bに選択的に供給され、該薬剤包装装置A,Bに供給された薬剤がこの薬剤包装装置A,Bにて包装される。
【0020】
薬剤包装装置A,Bは、それぞれシート収容ケース1A,1B、案内部10A,10B及びシール装置(ここではヒートシール装置)3A,3Bを備えており、さらに薬剤投入部20、搬送装置40及びコンベア42を備えている。なお、図3においてシート収容ケース1Aは、また図3及び図4においてコンベア42は、図示を省略してある。
【0021】
この薬剤包装装置A,Bでは、シート収容ケース1A,1Bからそれぞれ引き出され、案内部10A,10Bに案内されて、後述するように長手方向に沿って開放端が形成された長尺の包装シート(ここではポリエチレン等のヒートシール可能なものからなる熱溶着性包装シート)P1,P2が、搬送装置40にて所定方向(図中X方向)に搬送され、薬剤投入部20にて薬剤(図示を省略)が投入され、ヒートシール装置3A,3Bにてヒートシールされて1分包ずつ自動的に包装される。
【0022】
図1に示すシート収容ケース1Aは、長尺の帯状シートP1’(P1)が長手方向に沿って二つ折りにされた状態でロール軸Rにロール状に巻き回された紙管体Q1を回転自在に収容するものである。この収容ケース1Aに収容される紙管体Q1の、長尺のシートP1’(P1)が長手方向に沿って二つ折りにされた長尺の包装シートP1には、長手方向に沿って開放端が形成されている。
【0023】
図3に図1に示す薬剤包装装置Aの要部概略斜視図を示す。案内部10Aは、案内バー11,12を備えている。なお、図1において案内バー12は図示を省略してある。
【0024】
案内バー11,12は、図3に示すように、軸線方向がシート短手方向に沿って配置されており、ロール状に巻かれたシートP1’(P1)を薬剤投入部20の方に向け案内することができる。
【0025】
薬剤包装装置Aは、さらにランプ固定部材14を備えている。このランプ固定部材14は、包装シートP1(P1’)の長手方向に沿って形成された開放端部分と係合するものであり、後述する薬剤投入ホッパー21の包装シートP1が搬送される領域の幅より幅広の正面視(正面から見て)略三角形状のものであり、ホッパー21の包装シートP1が搬送される領域に面して案内バー11よりシート搬送方向X下流側であってホッパー21よりシート搬送方向X上流側近傍に配置されている。これにより、案内バー11にて案内された包装シートP1(P1’)の長手方向に沿って形成された開放端を開くことができる。
【0026】
図2に示すシート収容ケース1Bは、長尺の帯状シートP2’が無折り状態でロール軸Rにロール状に巻き回された紙管体Q2を回転自在に収容するものであり、ロール軸Rの軸線方向がシート搬送方向Xに略直交し、且つ、薬剤投入方向に略直交するように配置される。また、シート収容ケース1Bは二つの案内バー13,13’を備えている。案内バー13は、収容ケース1Bの出口近傍に、案内バー13’は、案内バー13の下方に、いずれも軸線方向がシート短手方向に沿って配置されている。これにより、紙管体Q2から引き出された無折り状態のシートP2’を収容ケース1Bの出口へ導くことができる。
【0027】
図4に図2に示す薬剤包装装置Bの要部概略側面図を示す。案内部10Bは、ガイドバー12’及び三角板15を備えている。
【0028】
ガイドバー12’は、図4に示すように、軸線方向がシート短手方向に沿って配置されているとともに無折り状態のシートP2’をランプ固定部材14の方に向け案内することができる。
【0029】
三角板15は、包装シートP2の長手方向に沿って形成された開放端部分と係合するものであり、ホッパー21の包装シートP2が搬送される領域の幅より幅広の正面視(正面から見て)略三角形状のものであり、ガイドバー12’より下方、且つ、シート搬送方向X下流側であってホッパー21よりシート搬送方向X上流側近傍に配置されているとともに、三角形の頂点部分が無折りシートP2’の短手方向略中央部分に配置されている。これにより、平面状に搬送されてくる無折りシートP2’が三角板15によって長手方向に沿って二つ折りにされ、長尺方向に沿って二つ折りにされた長尺の包装シートP2が形成される。そして、この長尺方向に沿って二つ折りにされた長尺の包装シートP2には、長手方向に沿って開放端が形成されている。
【0030】
図1から図4に示す薬剤投入部20は、前記の薬剤投入ホッパー21を備えている。
【0031】
ホッパー21は、前記の図示を省略した薬剤分配供給装置から供給される所定量の薬剤を受け入れるとともに該受け入れられた薬剤を包装シートP1,P2に投入するものであり、薬剤を包装シートP1,P2へ排出する排出口21aを有している。このホッパー21は、排出口21aが前記のランプ固定部材14にて開かれた包装シートP1の開放端部内及び三角板15にて形成された包装シートP2の開放端部内に入り込むように配置されており、これにより、前記所定量の薬剤が飛散することなく、包装シートP1,P2内に装填される。
【0032】
図1及び図3に示すヒートシール装置3Aは、シート短手方向シール部31及びシート長手方向シール部32からなる断面L字形状の一対のシール部30を有しており、この一対のシール部30が包装シートP1を間にして対向配置される。
【0033】
シート短手方向シール部31は、包装シートP1の短手方向の長さよりも若干外側まで延びており、シート短手方向に沿って配置されている。
【0034】
シート長手方向シール部32は、長さが包装シートP1に形成される1分包長さよりも若干長く形成されており、シート長手方向に沿ってシート短手方向開放端側端部に配置されている。
【0035】
シール部30は、いずれもヒータを備えており、該ヒータにより加熱されるとともに長尺の包装シートP1を挟持することで、該シートP1をヒートシールすることができる。これによりシートP1を1分包ずつ自動的に包装できる。
【0036】
図2及び図4に示すヒートシール装置3Bは、一対のヒートローラ33を有しており、この各ヒートローラ33が包装シートP2を間にして対向配置される。
【0037】
一対のヒートローラ33は、その内部に加熱源を有したローラ対であり、図示を省略した駆動手段にて図2中矢印方向に回転駆動される。
【0038】
この一対のヒートローラ33は、図4に示すように、それぞれシート長手方向加熱部33A、シート短手方向加熱部33Bを有している。なお、図4では一方のみ図示しているが、他方も同様である。
【0039】
シート長手方向加熱部33Aは、周長が包装シートP2に形成される1分包長さであり、シート短手方向開放端側端部に配置されている。シート短手方向加熱部33Bは、シート長手方向加熱部33Aの周縁部の一部に形成されており、シート短手方向に沿って配置されているとともに包装シートP2の短手方向の長さよりも若干外側まで延びている。そして、一対のヒートローラ33は、前記の駆動手段にてそれぞれのシート短手方向加熱部33Bが互いに対向するように同期して回転駆動されることで、包装シートP2を送りつつ1回転ごとに1分包ずつ封着することができる。
【0040】
図1から図4に示す搬送装置40は、一対の送りローラ41を備えている。
【0041】
一対の送りローラ41は、図示を省略した駆動手段にて図中矢印方向に回転駆動される。これによりヒートシール装置3A,3Bによってヒートシールされた包装シートP1, P2をコンベア42に向けて搬送することができる。
【0042】
図1及び図2に示すコンベア42は、二組の3個のローラ421の各3個のローラ421にそれぞれベルト422が巻き掛けられたものである。各ローラ421は図示を省略した駆動手段にて図中矢印方向に回転駆動され、ベルト422の包装シートP1, P2に対向する側の表面がシート搬送方向Xに移動される。これにより搬送装置40によって搬送されてくる包装シートP1, P2を、図示を省略したシート収容部に送ることができる。
【0043】
図1から図4に示す薬剤包装装置A,Bはさらに、紫外線ランプを少なくとも一つ備えている。ここでは、図1及び図3に示す薬剤包装装置Aは、紫外線ランプ51を備えており、図2及び図4に示す薬剤包装装置Bは、紫外線ランプ52,53を備えている。紫外線ランプ51は、前記の主制御部CONT1に接続されており、紫外線ランプ52,53は、前記の主制御部CONT2に接続されており、いずれも殺菌用の紫外線Sを出射するもので、ここでは光源が平面状に形成された平面型のものである。なお、主制御部CONT1は紫外線ランプ51を、主制御部CONT2は紫外線ランプ52,53を、ここでは、それぞれヒートシール装置3A,3B駆動動作がスタートしてからこのシール駆動動作が終了するまでの間のみ点灯するように、薬剤分包装置100A,100Bを制御する。
【0044】
図1及び図3に示す紫外線ランプ51は、薬剤投入部20よりシート搬送方向X上流側であって薬剤が投入される領域近傍に配設されている。ここでは、ランプ固定部材14のホッパー21との対向面とは反対側の面に固定されている。これにより、包装シートP1の内面に殺菌用の紫外線Sを照射することができる。さらに言えば、前記開放端が形成された包装シートP1の内側から該シートP1内面に殺菌用の紫外線Sを照射することができる。
【0045】
図2及び図4に示す紫外線ランプ52,53のうち、紫外線ランプ52は、無折り状態のシートP2’が搬送経路中で二つ折りにされる領域近傍に配設されている。ここでは、一対のガイドバー12’よりシート搬送方向X上流側に配置されているとともに紫外線出射面が包装シートP2’の三角板15にて二つ折りにされる側の面に対向するように配置されている。これにより、開放端から薬剤投入部20にて薬剤が投入される包装シートP2の内面となるべき面に殺菌用の紫外線Sを照射することができる。
【0046】
また、紫外線ランプ53は、無折り状態のシートP2’を巻き回した紙管体Q2を覆うケース1B内に紫外線出射面が紙管体Q2のシート内側に対向するように配設されている。これにより、該ケース1B内で無折り状態のシートP2’の、包装シートP2の内面となるべき面に殺菌用の紫外線Sを照射することができる。
【0047】
なお、図1から図4に示す紫外線ランプ51〜53から出射される殺菌用の紫外線Sの波長は、ここでは紫外線波長域(例えば100nm程度〜380nm程度)のうちの殺菌作用が比較的強い253.7nm程度の波長である。
【0048】
以上説明した薬剤包装装置A,Bを備えた薬剤分包装置100A,100Bでは、長手方向に沿って開放端が形成された長尺の包装シートP1,P2が搬送装置40の送りローラ41にてシート長手方向に沿って搬送され、薬剤投入部20よりシート搬送方向X上流側に設けられた少なくとも一つの紫外線ランプ51〜53により、前記開放端から薬剤投入部20にて薬剤が投入される包装シートP1,P2の内面に殺菌用の紫外線Sが照射される。そして、紫外線Sが照射された包装シートP1,P2は前記開放端から薬剤投入部20のホッパー21にて薬剤が投入され、ヒートシール装置3A,3Bにてヒートシールされて個々に区画された包装体が形成される。
【0049】
このように薬剤包装装置A,B及び該薬剤包装装置A,Bを備えた薬剤分包装置100A,100Bによると、薬剤投入部20よりシート搬送方向X上流側に設けられた紫外線ランプ51〜53により、前記開放端から薬剤投入部20にて薬剤が投入される包装シートP1,P2の内面に殺菌用の紫外線Sを照射するので、薬剤投入部20にて薬剤を投入するにあたり包装シートP1,P2を殺菌することができる。
【0050】
また、図1及び図3に示す薬剤包装装置Aでは、ランプ固定部材14がホッパー21の包装シートP1が搬送される領域に面してホッパー21よりシート搬送方向X上流側近傍に配設されているので、紫外線ランプ51を前記開放端が形成された包装シートP1の内側に固定することができ、且つ、紫外線ランプ51からランプ固定部材14よりシート搬送方向X上流側に殺菌用の紫外線Sを照射できる一方、包装シートP1に投入される薬剤に紫外線Sを浴びせないようにすることができる。さらに、ランプ固定部材14はホッパー21の包装シートP1が搬送される領域の幅より幅広であるので、この幅広のランプ固定部材14によって包装シートP1の前記開放端を開くことができるとともに、ホッパー21に包装シートP1を触れさせないようにすることができる。例えば、ホッパー21に残ることがある薬剤を落下させるために該ホッパー21を振動させる残薬処理を行うことがある。この場合、前記のような構成によれば、ホッパー21に包装シートP1を触れさせないようにすることができるので、前記の残薬処理を行っても、搬送される包装シートP1が蛇行するといったシート流れに対する影響を十分抑制することができる。
【0051】
なお、図1及び図3に示す装置では、紫外線ランプ51が、長尺のシートP1’が長手方向に沿って二つ折りにされた長尺の包装シートP1に紫外線Sを照射し、図2及び図4に示す装置では、紫外線ランプ52,53が、無折り状態の長尺のシートP2’が搬送経路中で長手方向に沿って二つ折りにされて長尺の包装シートP2が形成され、該二つ折りにされた長尺の包装シートP2に紫外線Sを照射するが、無折り状態の一対の長尺シートが搬送経路中で長手方向に沿ってそれぞれの一方の面が互いに対向するように重ね合わされ、該重ね合わされたシートの短手方向一端部が長手方向に沿ってシールされて長尺の包装シートが形成され、該重ね合わされ、シールされた長尺の包装シートに殺菌用の紫外線を照射してもよい。例えば、紫外線ランプが、無折り状態の一対のシートが搬送経路中で重ね合わされる領域近傍に配設されることで、前記無折り状態のシートの、前記包装シートの内面となるべき面に殺菌用の紫外線を照射することができる。
【0052】
また、本発明に係る薬剤包装装置及び薬剤分包装置において、前記紫外線ランプを後付け可能な構成にしておき、工場出荷後、必要に応じて前記紫外線ランプを設けるようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、長手方向に沿って開放端が形成された長尺の包装シートの該開放端から薬剤を投入する薬剤投入部と、前記薬剤投入部により薬剤が投入された前記包装シートをシールして個々に区画された包装体を形成するシール装置と、前記包装シートをシート長手方向に沿って搬送する搬送装置とを具備する薬剤包装装置及び薬剤分包装置であって、前記薬剤投入部にて薬剤を投入するにあたり前記包装シートを殺菌することができる薬剤包装装置及び薬剤分包装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬剤分包装置の一例に搭載された本発明に係る薬剤包装装置の一例の概略平面図である。
【図2】本発明に係る薬剤分包装置の他の例に搭載された本発明に係る薬剤包装装置の他の例の概略平面図である。
【図3】図1に示す薬剤包装装置の要部概略斜視図である。
【図4】図2に示す薬剤包装装置の要部概略側面図である
【符号の説明】
14…ランプ固定部材 20…薬剤投入部 21…薬剤投入ホッパー
3A,3B…シール装置 40…搬送装置 51〜53…紫外線殺菌用ランプ
S…紫外線 100A,100B,100C…薬剤分包装置
A,B,C…薬剤包装装置 P1,P2…包装シート X…シート搬送方向
Claims (5)
- 長手方向に沿って開放端が形成された長尺の包装シートの該開放端から薬剤を投入する薬剤投入部と、前記薬剤投入部により薬剤が投入された前記包装シートをシールして個々に区画された包装体を形成するシール装置と、前記包装シートをシート長手方向に沿って搬送する搬送装置とを具備する薬剤包装装置において、
前記薬剤投入部よりシート搬送方向上流側に、殺菌用の紫外線を出射する紫外線ランプが少なくとも一つ設けられており、前記紫外線ランプにより、前記開放端から前記薬剤投入部にて薬剤が投入される前記包装シートの内面に殺菌用の紫外線を照射することを特徴とする薬剤包装装置。 - 前記紫外線ランプのうち少なくとも一つは、前記開放端が形成された前記包装シートの内側に配設され、該シート内側から該シート内面に殺菌用の紫外線を照射する請求項1記載の薬剤包装装置。
- 前記包装シートの内側に配設される前記紫外線ランプを支持するランプ固定部材をさらに備えており、
前記薬剤投入部は、薬剤を前記包装シートに導く薬剤投入ホッパーを備えており、
前記ランプ固定部材は、前記ホッパーの前記包装シートが搬送される領域の幅より幅広のもので、前記ホッパーの前記包装シートが搬送される領域に面して前記ホッパーよりシート搬送方向上流側近傍に配設されており、
前記包装シートの内側に配設される前記紫外線ランプが、前記ランプ固定部材の前記ホッパーとの対向面とは反対側の面に支持されている請求項2記載の薬剤包装装置。 - 前記紫外線ランプを、前記シール装置駆動中のみ点灯するように構成した請求項1から3のいずれかに記載の薬剤包装装置。
- 請求項1から4のいずれかに記載の薬剤包装装置を備えたことを特徴とする薬剤分包装置。
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