JP2004291576A - 加圧式の筆記具 - Google Patents

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小林  清一
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Abstract

【目的】ペン先が詰まりやすいインキであっても、問題なく使用できるサインペンまたはマーカー等の加圧式の筆記具を提供可能とする。
【構成】先端にサインペンまたはマーカー等のペン芯を有し、後方のインキ収容部にインキとインキの後端にインキと追随するフォロアが配設され、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式の筆記具に於いて、加圧機構は、外周部が後軸筒の内周部に密接し、前後退可能に後軸筒に係止されるノック機構部と、そのノック機構部の前方に加圧空気を疎通させる弁機構が設けられて、ノック機構部を前進させた時に空間部が圧縮されてフォロアの後端が加圧される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インキの後端にインキと追随するフォロアが設けられ、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式の筆記具に関する
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】実公平6−32220
【特許文献2】実公平6−4940
【特許文献3】実公平6−1266
【特許文献4】特開平8−108683
【特許文献5】特開2001−150865
(特許文献1)
多孔質体からなるペン芯、繊維集合体あるいは連通多孔質体からなる塗布液吸蔵体等で構成され、毛細管力によってインキが導出される。このものは、インキの粘度が所定以上に高かったり、あるいは着色微粒子が所定以上に大きい場合にペン先が詰まって筆記不可となる問題が存在する。
(特許文献2)
ノック体を作動させて弁部の開閉を行い、弁部を開口してペン先にインキを導出させる。このものは、ペン先にインキを保有させるため、ノックでペン先がインキの保有能力以上となった場合にインキがボタ落ちする問題が存在する。
(特許文献3)
回転操作体を回動することでピストンを前進させてインキを毛質状のペン先に供給する。このものは、やはりペン先にインキを保有させるため、ピストンで強制的にインキが供給されてペン先がインキの保有能力以上となった場合にインキがボタ落ちする問題が存在する。
(特許文献4)
インキ収容部とペン先との間に前後2箇所の弁部を設けて、弁部と弁部の間に弁室を形成し、ペン先を押圧後退させた時に弁室の圧縮によって前方の弁部が開口してペン先側にインキが吐出され、押圧を解除してペン先が戻るときに吸引作用により後方の弁部が開口してインキ収容部から弁室内にインキが補充される。このものは、ペン先を押圧してインキが吐出されるため、塗布には適するが通常の筆記等に使用する場合にはインキの吐出量を安定させることが難しく、また構造がやや複雑で安価に提供しえない問題が存在する。
(特許文献5)
軸筒の後端にポンピング式の加圧機構部が設けられ、更にその前方で且つインキの後端に接触してインキの消耗と共に追随するよう配設されたフォロアの後端に位置して弁機構が配設され、加圧機構部の前進作動によって軸筒の後端孔に空気が押し込まれて、その際に所定圧で弁が開いてフォロアの後端が加圧されることによってインキのチップ側への流動性が支援される。
このものは、初期筆記でインキ切れしやすいインキを使用したボールペン、乾燥しやすいインキを使用したボールペン、インキに種々のフィラーが混入されたボールペン、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキが充填されたボールペン、誤記等を白色のインキで隠蔽することで修正可能とするボールペンなどの改良を目的としたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
課題1として、
先端に連続気孔を有した多孔質体、軸方向に複雑な毛細管が形成されて成る所謂プラ芯、繊維集合体、などからなるペン芯をペン先としたサインペン、マーカー等の筆記具に於いて、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキ、誤記等を白色で隠蔽する所謂修正インキ、メタリックカラーインキ、ラメを配したインキ、パール調インキ、筆記描線の乾燥が極めて速いインキなどのように、顔料粒子、高分子粒子、金属粉、金属箔、雲母などをインキ中に含み、高固形分濃度で粘度が高く、剪断減粘性を有するインキ、などのインキを使用可能とし、インキの粘度が所定以上に高かったり、あるいは着色微粒子が所定以上に大きい場合であってもペン先が詰まって筆記不可となる問題を回避可能とする。
【0004】
課題2として、
課題1を解決する筆記具であって、インキの後端にインキと追随するフォロアが設けられ、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式の筆記具に於いて、フォロアの後端を押圧する加圧力を外気圧から徐々に上げていくとインキの流出量が増加して筆記描線の濃度や線幅がやや太くなることから、加圧力を変換することによって筆記描線が細字〜太字に変換可能となる便利な加圧式の筆記具を提供可能とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成する為に以下の構成を有する。
請求項1に記載の発明に係る加圧式の筆記具は、先端にサインペンまたはマーカー等のペン芯を有し、後方のインキ収容部にインキとインキの後端にインキと追随するフォロアが配設され、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式の筆記具に於いて、加圧機構は、外周部が後軸筒の内周部に密接し、前後退可能に後軸筒に係止されるノック機構部と、そのノック機構部の前方に加圧空気を疎通させる弁機構が設けられて、ノック機構部を前進させた時に空間部が圧縮されてフォロアの後端が加圧されるように構成されてなる。
【0006】
請求項2に記載の発明に係る加圧式の筆記具は、請求項1に記載の加圧式の筆記具に於いて、ノック棒を前進して空間部を適宜圧縮した状態で、弁機構が解放状態となるように弁機構の後端またはノック棒の前端の何れかに相互が当接する凸部が設けられてなる。
【0007】
請求項3に記載の発明に係る加圧式の筆記具は、請求項1に記載の加圧式の筆記具に於いて、ノック機構部の前端と弁機構部の後端との間に形成される空間部の間隔が調節可能に構成されて、加圧力の設定が変換可能となる。
加圧式の筆記具。
【0008】
【実施例】
図1乃至図4は本発明の実施例1である加圧式の筆記具1を示している。
先ず、筆記具1は、前軸筒2、ペン芯9、弁体6、受け座部材4、インキ10、フォロア11、フォロア棒12、後軸筒13、後軸筒後端に設けられるポンピング式の加圧機構で構成され、通常、筆記具の最終形態としては先軸部3に被嵌するキャップ(図示せず)が設けられる。
【0009】
前軸筒2は樹脂成形品(通常は透明樹脂)で、先方に先軸3が螺子接合等で気密状に接合され、その際、インキ保持体8,受け座部材4、前受け座部材7等が挟着状態で配設、固定されている。先軸3の軸心には、前端にペン先を突出させてペン芯9が挿通、固着され、また、受け座部材4と前受け座部材7の間に弁室5が形成され、弁室内には弁体6が遊嵌されている。
筆記先端部の形態は上記実施例に限定されず、基本的には、通常のサインペンやマーカー等で構成される形態で対応可能である。また必要によって、ペン芯は、積極的な係止部によって先軸に固着したり、ペン芯の外周部と先軸の挿通孔周面との間にインキ漏れ防止部が設けられる。また、上記弁機構部は、インキの逆流を防止するために設けられるものであるが、仕様上必要に応じて設けられる。
また、インキとフォロアが充填されるインキ収容部の後方に接合部(雌螺子部2b)が設けられている。尚、前軸筒2、先軸3等は一例としてPP樹脂やナイロン樹脂成形品等が使用される。
【0010】
前軸筒2のインキ収容部内には、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキ、誤記等を白色で隠蔽する所謂修正インキ、メタリックカラーインキ、ラメを配したインキ、パール調インキ、筆記描線の乾燥が極めて速いインキなどのように、顔料粒子、高分子粒子、金属粉、金属箔、雲母などをインキ中に含み、高固形分濃度で粘度が高く、剪断減粘性を有するインキ、など低粘度や高粘度のインキや剪断減粘性を有するインキが充填され、そのインキの後端にインキの消耗と共にインキと追随するグリース状のフォロア11が充填されている。また、フォロア11はインキと相溶性が無く、インキの蒸発を防止する性能を有している。また、必要に応じてフォロア内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒12が浸漬される。尚、フォロアは例えばシリコンゴム等の追従体とすることも可能である。
【0011】
ポンピング式の加圧機構は、弁機構部と、弁機構部の後方に形成される空間部を圧縮するように設けられたノック機構部とで構成されている。
後軸筒13は、後端にノック棒17を有し、ポンピングによって圧縮空気を送り込むように加圧機構が配設された筒部の前方に継ぎ手19が取付けられ、その継ぎ手19の前方に接合部(雄螺子部13g)が設けられ、さ更に前方の外周部に円周状の凸部となされたシール部19dが形成されている。このシール部19dは、後軸筒13が前軸筒2に螺合等によって結合されたときに、前軸筒の内面に摺接して気密効果を上げることが可能となる。
【0012】
継ぎ手19は、中央の鍔部19eの後方に外周に凸状の係合部19fを備えた軸部と、その後方に後端に傾斜面を有したカム部19aとが形成され、更に鍔部前方に雄螺子部19cとシール部19dが一体に形成されてなる。
後軸筒13は、後端にノック棒17を有し、ポンピングによって圧縮空気を送り込むように加圧機構が配設され、前端の内孔には凹状の係合部13gが形成されてなる。
継ぎ手19は、その鍔部19eを後軸筒13の前端に当接し、前記係合部19fを備えた軸部を後軸筒内孔に嵌着して、係合部19fが後軸筒の係合部13gに係止されると共に、後軸筒13に対して回転可能に取付けられる。
【0013】
圧力調節筒14は、軸心に形成された内孔部略後端にテーパー状または球面状の受け座14bと更に後端に貫通してやや小径となした通気口14cが設けられ、弁体15が受け座14bに密接する状態に弁体と上記継ぎ手19の内段部19bとの間にスプリング16が敷設されている。
また、圧力調節筒14の略前端外周には溝部14eにゴム等の弾性体よりなるシールリング14fが止着され、圧力調節筒14の後方外周には凸部14dが形成され、更に圧力調節筒14の後端には傾斜面を有したカム部14aが形成されている。尚、シールリング部は軸部外周に一体に形成することも可能である。
一方、後軸筒13は、係合部13gの後方内孔部周面に縦溝部13fが形成されており、その縦溝部13fに圧力調節筒14の凸部14dが嵌装する状態で圧力調節筒14が後軸筒13に対して軸方向には摺動可能に、回転方向には一体となるように取付けられる。以上によって、常時は、弁体15が受け座14bに密接して通気口14cが閉塞され、後軸筒の内孔を気密状に分断する。
また、圧力調節筒のカム部14aと継ぎ手のカム部19aが当接しており、継ぎ手19に対して後軸筒13を回転することで圧力調節筒14が前後退する。
尚、継ぎ手19に対する後軸筒13の回転方向は、カム形状を選ぶことにより、一方方向に回転することも、左右に回転することも、また左右で回転阻止することも可能である。また、相互の回転部位に係合部を設けるなどにより、回転角度で区切って適宜停止できるように係止することも可能である。
【0014】
弁機構部の後方にノック機構部が配設される。
ノック機構部は以下のように構成されている。
後軸筒13の後端部側面に、後端側から先方に向かって細くなるテーパー状のスリット部13cが形成され、その前端に後段部13dを有して軸方向前方所定長さのスリット部13bが形成されている。
【0015】
またノック棒17は、後端に鍔状の摘み部17bとその前方に軸部が形成され、軸部外周の略中間に突部17aと軸部外周の略前端に周状の溝部17cが設けられて、その溝部17cに一例としてゴム等の弾性体や弾性のある成形樹脂などより成るシールリング17gが止着されている。
尚、シールリング17gは、気密性、滑り性のよいものが選択される。また、他潤滑剤を介在させるなど配慮される。また、シールリング部は軸部外周に一体に形成することも可能である。
またノック棒17の前端には、前端から後方に向かって適宜深さの凹部17eが形成され、その凹部17eの軸心に軸部17dが形成され、更に軸部17dの前方にノック棒の前端面よりさらに突出した凸部17fが形成されている。
【0016】
またノック棒17は、後軸筒13の後端から挿入され、上記凹部17eの後端と圧力調節筒14の後端との間にノックスプリング18が敷設されると共に、突部17aが上記テーパー状のスリット部13bを弾性的に拡開して、突部17aがスリット部13aの後段部13cの前面に係止され、ノックスプリング18によって後軸筒13に対してノック棒17は常時後方に附勢される。また、ノックスプリング18は、圧力調節筒14を前後退させるのに十分な強さに設定されている。(尚、継ぎ手後方部と圧力調節筒前方部を螺子接合して、圧力調節筒を前後退せることも可能であり、その場合にはノックスプリングの強さは直接関係しない。)また、シールリング18の外周部はスリット部13aの前段部13dから僅か後方に位置されている。従って、通気口14cとノック棒17の前端との間に形成される空間部20は外気と連通している。
【0017】
即ち、ノック棒17の前進作動の直前において、後軸筒13の空間部20は外気と連通され、ノック棒17が適宜前進した直後においてシールリング17gの外周部が後軸筒の内周部13eに密接することで外気と遮断され、空間部20の縮小と共に加圧されるよう構成されている。
また、ノック棒17を前進して空間部20を適宜圧縮した状態で、弁体15の受け座14bとの密接状態が解除されるようにノック棒17の前端に設けられた凸部17fが弁体15の後端に当接する。
【0018】
以上で、前軸筒2の雌螺子部2bに継ぎ手19の雄螺子部19cを螺合することによって、フォロア11の後端部空間が外気と遮断される。
尚、前軸筒と継ぎ手を結合させる接合部は、螺子部に限らず、凹凸部の弾性係合によっても達成することが可能である。
【0019】
また、図5は実施例2である加圧式の筆記具で、後軸筒部位を示している。
上述した実施例との相違点について説明する。
弁機構部は以下のように構成されている。
テーパー状または球面状の当接面を有した弁体25がその当接面を圧力調節筒14の受け座14bに密接する状態に設けられ、更に弁体25前方の内段部25bと継ぎ手の内孔前方に設けられた内段部との間にスプリング26が敷設されると共に、弁体25の当接面の後方に軸状の凸部25aが設けられ、その凸部25aが通気口14cを貫通した状態に遊挿されて構成されている。以上によって、常時は、弁体25が受け座14bに密接して通気口14cが閉塞され、後軸筒13の内孔を気密状に分断する。また、ノック棒24を前進して、ノック棒の前端部24aが弁体の凸部25aに当接した時に弁体が解放される。
【0020】
また、図7は実施例3である加圧式の筆記具で、後軸筒部位を示している。
上述した実施例との相違点について説明する。
このものは、後軸筒28の前方孔に雌螺子部28aが設けられ、継ぎ手29は、中央の鍔部29bの後方に雄螺子部29aが設けられた後軸部29cが形成され、鍔部前方に雄螺子部29dとシール部29eが一体に形成されて、その鍔部29bが前軸筒2の後端に当接した状態で螺着され、鍔部29b後方の後軸部29cが後軸筒28の雌螺子部28aに螺合されて、継ぎ手29に対して後軸筒28を回動させて後軸筒28を前後動可能とし、後軸部29cの後端とノック棒27の前端との間に形成される空間部33の間隔が伸縮可能となされている。
また、継ぎ手29の軸心に形成された内孔部略後端に受け座と更に後端に貫通して通気口が設けられ、その受け座に密接するように弁体15がスプリング31で押圧され、そのスプリング31の前端に当接して圧入筒30が継ぎ手29の前端側内孔に固着されて、圧入筒30の後端部と受け座との間に弁室が形成されると共に、圧入筒30の軸心には弁室に連通する貫通孔が設けられて、弁機構部が構成されている。
【0021】
また、弁機構部とノック機構部とで構成されるポンピング式の加圧機構の基本構成を上記で説明したが、弁機構部やノック機構部は設計都合によって種々の形態が採用可能である。また実施例では、インキが充填された筆記部からなる前軸筒に加圧機構を備えた後軸筒を接合して設けているが、後端に加圧機構を備えた軸筒内に筆記部(前軸筒側)を替え芯として搭載するように構成することも可能である。
【0022】
【作用】
次に、ポンピング式の加圧機構の作用を以下に説明する。
実施例1について、
図2に示す状態からノック棒17の後端を押圧して前進すると、図3に示すように、シールリング17gの外周部が後軸筒の内周部13eに密接した時点で空間部20が外気と遮断されると共に、ノック棒17が更に前進することによってシールリング17gの外周部が内周部13eに密接して摺動し、空間部20の縮小と共に内圧が上昇する。また、ノック棒17を前進して空間部20を適宜圧縮した状態で、弁体15の受け座14bとの密接状態が解除されるようにノック棒17の前端に設けられた凸部17fが弁体15の後端に当接し、加圧された空気が弁体の前方に押し込まれることによって、フォロア11の後端が加圧されてインキのペン芯側への流動性が支援される。
【0023】
そのことは、ペン先からのインキの流出量を決定する。フォロアの後端を押圧する加圧力を増加すると、ペン先からのインキの流出量が増加し、筆記描線の濃度や線幅がやや太くなり、加圧力を段階的に選ぶことによって筆記描線が細字、中字、太字にイメージングされることとなる。
【0024】
また、インキの特性などによって適正な加圧力が設定される。その場合、シールリング18の外周部が後軸筒13の内周部全周に密接する時の空間部20の容積とノック棒17の前端に設けられた凸部17fが弁体15の後端に当接した時の空間部の容積を幾らにするか、シール部のリーク値などを勘案して設定することが可能となる。また、凸部17fで弁体15の後端に当接することによって、弁体15を押圧するスプリング16の強さが所定の強さより強い方にばらついても所定の加圧力が設定可能である。
【0025】
上記の状態から後軸筒13を一方に回転(ノック棒の摘み部17bを一方に回転することでもよい。)すると、継ぎ手19のカム部19aに対して圧力調節筒14のカム部14aが摺動して、カム部19aの頂点とカム部14aの頂点が係合して圧力調節筒14が最大に後退した状態となる。(図4参照)このとき、空間部20の間隔が一番狭い状態となる。尚、上述したようにカム部の形状や回動部に係合部を設定することで空間部20の間隔を適宜係止した状態で段階的に変換可能とすることができる。また、例えば、圧力調節筒の摺動ストロークを大きくとって、圧力調節筒が最も後退した時に、ノック棒の前端の凸部が弁体に当接して弁部が開口した状態となるように構成すれば、フォロアの後端と外気が連通した状態になすことが可能とも可能である。
尚、他の実施例に於いては、操作上の差異はあるが、基本的には同じなので説明は省略する。
【0026】
次に、ペン芯と筆記具の機能について説明する。
例えば、消しゴムで容易に消去可能とするインキの場合、インキの着色微粒子が小さいと紙の繊維内に染みこんで消去性が悪くなる問題がある。また、大きすぎる場合、着色微粒子の分散安定性が低下してペン先が詰まったり、発色が悪く、鮮明な色の描線が得られないなどの問題があり、着色微粒子の粒径は1〜20μ、望ましくは2〜10μ程度と言われている。
【0027】
また、インキの粘度は、粘度が低すぎると着色微粒子が分離しやすく、粘度が高すぎるとペン先を出したまま放置しておくと極めて短時間でペン芯が詰まって筆記不可となる問題があり、インキの粘度は5〜35mpa.sec程度、繊維集合体よりなるペン芯は10mpa.sec以下にすべきとも言われている。
【0028】
本発明に使用されるペン芯は、連続気孔を有した多孔質体(ウレタン状のものもしくは硬質の焼結体)、押出し成形等で軸方向に針葉状の複雑な毛細管が形成される所謂プラ芯、繊維集合体、などからなるが、インキの流出機能としてインキの自重や毛管作用のみに依存しないことにある。
また、通常のペン芯に適用するインキの粘度範囲の上限を超えたものや、着色微粒子の粒径の上限を超えたインキの対応を可能とし、ペン先に詰まりを生じない気孔を有し、必要に応じて、インキの濡れを低下させる。(例えば、インキの表面張力より小さく、インキをはじく状態となるようにペン芯の材質選定や表面処理が施される。)
すなわち、インキの筆記に伴う流出は加圧作用に支援されて可能となるものである。
また、携帯時や長期間使用しない状況下に於いて、フォロアの後端と外気が連通するように設ければ、ペン先からのインキのボタ落ちやペン先の詰まりが確実に防止可能となる。
【0029】
また、フォロア棒は、インキ収容部が大径である場合に使用される。
即ち、グリース状のフォロアは、インキ収容部が大径の場合に衝撃などの影響で変形を受け破壊されやすいという問題がある。フォロア内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒を浸漬させることにより剛性を上げることが可能となる。
しかしながら、フォロア棒や弁体を有したインキの逆流防止構造は、インキ収容部が大径で逆流しやすい場合や、上向き筆記を繰り返した時や衝撃が掛かった時に性能を発揮するものであって構成要素として必須のものではなく、特に誤記修正用のボールペンは上向きに使用されることはまず無いので必ずしも必要としない。
【0030】
【発明の効果】
本発明の加圧式の筆記具の構成及び作用は以上の如くであり、先端に連続気孔を有した多孔質体、軸方向に複雑な毛細管が形成されて成る所謂プラ芯、繊維集合体、などからなるペン芯をペン先としたサインペン、マーカー等の筆記具に於いて、紙面に筆記した筆跡が消しゴムでの擦過により容易に消去できるインキ、誤記等を白色で隠蔽する所謂修正インキ、メタリックカラーインキ、ラメを配したインキ、パール調インキ、筆記描線の乾燥が極めて速いインキなどのように、顔料粒子、高分子粒子、金属粉、金属箔、雲母などをインキ中に含み、高固形分濃度で粘度が高く、剪断減粘性を有するインキ、などのインキを使用可能とし、インキの粘度が所定以上に高かったり、あるいは着色微粒子が所定以上に大きい場合であってもペン先が詰まって筆記不可となる問題が回避可能となる。
【0031】
また、フォロアの後端を押圧する加圧力を変換することでインキの流出量が増減することから、同じペン芯を有した筆記体に対して、ポンピングによる加圧力を段階的に選ぶことによって筆記描線の濃度や線幅が変換可能となる便利な加圧式の筆記具が提供可能となる。
また、ノック棒の前端に設けられた凸部を弁体の後端に当接させることによってインキの特性などによって適正な加圧力が設定可能となり、弁体を押圧するスプリングの強さが所定の強さより強い方にばらついても所定の加圧力に設定可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1である加圧式の筆記具の前軸筒側の要部を示す縦断面図である。
【図2】実施例1である加圧式の筆記具の前軸筒側後方部と後軸筒側を示す縦断面図である。
【図3】加圧が解除された状態を拡大して示した断面図である。
【図4】後軸筒を回転して、圧縮可能な空間部を縮小した状態を示す図である。
【図5】実施例2である加圧式の筆記具の前軸筒側後方部と後軸筒側を示す縦断面図である。
【図6】実施例3である加圧式の筆記具の前軸筒側後方部と後軸筒側を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 筆記具
2 前軸筒
2b 雌螺子部
3 先軸
4 受け座部材
4a 弁体受け座
4b 導孔
5 弁室
6 弁体
7 前受け座部材
7a リブ
7b 前受け座
8 インキ保持体
9 ペン芯
10 インキ
11 フォロア
12 フォロア棒
13 後軸筒
13a スリット部
13b テーパー状のスリット部
13c 後段部
13d 前段部
13e 内周部
13f 縦溝部
13g 係合部
14 圧力調節筒
14a カム部
14b 受け座
14c 通気口
14d 凸部
14e 溝部
14f シールリング
15 弁体
16 スプリング
17 ノック棒
17a 突部
17b 摘み部
17c 溝部
17d 軸部
17e 凹部
17f 凸部
17g シールリング
18 ノックスプリング
19 継ぎ手
19a カム部
19b 内段部
19c 雄螺子部
19d シール部
19e 鍔部
19f 係合部
20 空間部
24 ノック棒
24a 前端部
25 弁体
25a 凸部
25b 内段部
26 スプリング
27 ノック棒
27a 凸部
28 後軸筒
28a 雌螺子部
28b 内周部
29 継ぎ手
29a 雄螺子部
29b 鍔部
29c 後軸部
29d 雄螺子部
29e シール部
30 圧入筒
31 スプリング
32 シールリング
33 空間部

Claims (3)

  1. 先端にサインペンまたはマーカー等のペン芯を有し、後方のインキ収容部にインキとインキの後端にインキと追随するフォロアが配設され、更にその後方にポンピング式の加圧機構が設けられてなる加圧式の筆記具に於いて、加圧機構は、外周部が後軸筒の内周部に密接し、前後退可能に後軸筒に係止されるノック機構部と、そのノック機構部の前方に加圧空気を疎通させる弁機構が設けられて、ノック機構部を前進させた時に空間部が圧縮されてフォロアの後端が加圧されるように構成されてなる加圧式の筆記具。
  2. ノック棒を前進して空間部を適宜圧縮した状態で、弁機構が解放状態となるように弁機構の後端またはノック棒の前端の何れかに相互が当接する凸部が設けられてなる請求項1に記載の加圧式の筆記具。
  3. ノック機構部の前端と弁機構部の後端との間に形成される空間部の間隔が調節可能に構成されて、加圧力の設定が変換可能となる加圧式の筆記具。
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