JP2004291252A - 親液処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体と接触状態で加熱した時に後退接触角が低下し、インク等の液体に対し親液性を示す状態(親液状態)となり、且つ液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇し、前記液体に対し疎液性を示す状態(撥液状態)となる記録材料よりなる記録層を有する記録体1に対して、記録体表面の親液処理を行う親液処理装置において、記録体1を搬送する手段2,7a〜7f,11と、記録体1を加熱状態の液体4に接触させる手段7a,7bと、液体4と接触した状態で冷却する手段と、冷却後に液体を除去・洗浄する手段8,9と、記録体1を乾燥する手段10を備え、加熱状態の液体を格納する容器3に、液体を攪拌する手段6、または加熱する手段、あるいはその両方を有する構成とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱濡れ性変化を利用した印刷機、プリンター等の画像形成方法及び装置に用いられる記録体の画像形成前の記録体表面処理に関するものであり、より詳細には、感熱濡れ性材料からなる記録体に対して、該記録体表面の親液処理を行う親液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は先に、感熱濡れ性材料からなる記録体を利用した画像形成方法及び装置等を提案している(特許文献1参照)。この感熱濡れ性材料からなる記録体は、液体と接触状態で加熱した時に後退接触角が低下し、インク等の液体に対し親液性を示す状態(以下、親液状態と記す)となり、且つ液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇し、インク等の液体に対し疎液性を示す状態(以下、撥液状態と記す)となる記録材料よりなる記録層を有しており、この記録層の感熱濡れ性変化を利用して画像形成や記録を行うことができる。また、特許文献1には、記録体の表面処理として、記録体表面を親液処理する方法が提案されている。
【0003】
ここで特許文献1において提案された親液処理方法に関して以下に説明する。この親液処理方法では、表面の後退接触角が高い状態(撥液状態)、または、画像形成済みの記録体全面を、後退接触角低下開始温度以上に加熱された液体に接触し、該液体に接触したまま冷却することにより、記録体表面を親液状態にする。また、表面が撥液状態である記録体表面に、除去可能な液体層保持手段を用いて液体を接触したまま加熱し、そのまま冷却することにより記録体表面を親液状態にする。
【0004】
このようして親液処理した記録体では、親液状態に必要な加熱臨界温度(T1)と撥液状態に必要な加熱臨界温度(T2)はほぼ一致する(T1≒T2)。しかし、記録体の親液状態に必要な加熱臨界温度(T1)が撥液状態に必要な加熱臨界温度(T2)よりも低ければ、親液処理時の液体接触加熱後の高温状態のままの基板により記録体表面が再加熱されても撥液状態に戻ることはありえない。また、撥液状態となる臨界温度(T2)以下で加熱した場合、基板温度は臨界温度以下であるため、記録体から液体除去後に記録体が撥液状態に戻ることはない。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−276663号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の特許文献1に記載の発明においては、記録体の特性上の親液処理方法については詳細に記載されている。しかしながら、具体的な親液処理手段については一切記載されていなかった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、撥液状態(初期状態)にある記録体表面を、均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
より詳しく述べると、本発明は、
(1)記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
(2)記録体表面に接触する液体の温度を維持し、且つ記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
(3)記録体表面に接触する液体の温度を効率的に維持し、且つ記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
(4)記録体表面を液体と接触中に、記録体表面を加熱することで記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
(5)加熱手段と記録体搬送手段を統合することで装置構成を簡素化し、且つ記録体表面を液体と接触中に、記録体表面を加熱することで記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
(6)記録体表面が液体と接触中に、効率的に記録体表面を加熱することで記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
(7)加熱手段と記録体搬送手段を統合することで装置構成を簡素化し、記録体表面が液体と接触中に、効率的に記録体表面を加熱することで記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
(8)液槽を半密閉状態とすることで該液槽からの熱の拡散を防止し、効率的に記録体表面を加熱することで記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
(9)記録体表面が液体と接触中に、記録体裏面を該液体と接触させることなく加熱することで記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
(10)記録体表面が液体と接触中に、記録体裏面を該液体と接触させることなく且つ連続して加熱することで記録体表面を均一に親液状態とする手段を備えた親液処理装置を提供すること、
を目的(課題)としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明では以下のような構成を採用している。
第1の構成は、液体と接触状態で加熱した時に後退接触角が低下し、液体(例えばインク等の液体)に対し親液性を示す状態(以下、親液状態と記す)となり、且つ液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇し、液体(例えばインク等の液体)に対し疎液性を示す状態(以下、撥液状態と記す)となる記録材料よりなる記録層を有する記録体に対して、該記録体表面の親液処理を行う親液処理装置において、前記記録体を搬送する手段と、該記録体を加熱状態の液体に接触させる手段と、該液体と接触した状態で冷却する手段と、冷却後に前記液体を除去・洗浄する手段と、前記記録体を乾燥する手段を備え、加熱状態の液体を格納する容器(液槽)に、液体を攪拌する手段、または加熱する手段、あるいはその両方を有することを特徴としている(請求項1)。
【0009】
第2の構成は、第1の構成の親液処理装置において、加熱状態の液体を格納する容器の底面に、該液体を加熱する手段を有することを特徴としている(請求項2)。
第3の構成は、第1の構成の親液処理装置において、加熱状態の液体を格納する容器内部に、該液体を加熱する手段を有することを特徴としている(請求項3)。
第4の構成は、第1の構成の親液処理装置において、前記記録体が液体と接触中に、該記録体裏面に接触して記録体と液体を加熱する手段を有することを特徴としている(請求項4)。
第5の構成は、第1の構成の親液処理装置において、前記記録体が液体と接触中に、該記録体裏面に接触して記録体と液体を加熱し、且つ記録体搬送を補助する手段を有することを特徴としている(請求項5)。
第6の構成は、第1の構成の親液処理装置において、前記記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に接触して加熱する手段を有することを特徴としている(請求項6)。
第7の構成は、第1の構成の親液処理装置において、前記記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に接触して加熱し、且つ記録体搬送を補助する手段を有することを特徴としている(請求項7)。
第8の構成は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の親液処理装置において、加熱状態の液体を格納する容器(液槽)を半密閉状態とすることを特徴としている(請求項8)。
【0010】
第9の構成は、第1の構成の親液処理装置において、前記記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に加熱した気体を噴射して加熱する手段を有することを特徴としている(請求項9)。
第10の構成は、第1の構成の親液処理装置において、前記記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に非接触状態で加熱する手段を有することを特徴としている(請求項10)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作及び作用を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は本発明の第1の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図1において、記録体1はロール状に記録体供給ロール2に巻装されており、記録体供給ロール2より順次供給され、複数のローラ7a〜7fに支持されて図中に矢印で示すような経路を通り、加熱状態の液体4を格納する容器(以下、液槽と記す)3と、洗浄液9を格納する洗浄用水槽8を順に通過し、スポンジローラ10で液を拭き取られて乾燥され、記録体巻取ロール11に巻き取られて収納される。
【0013】
図1に示す液槽3には図示しない加熱装置により親液状態に必要な加熱臨界温度(T1)以上に加熱した液体4が満たされており、記録体1がローラ7a,7bに支持されて液体中を通過することにより親液処理される。このとき液槽3中の液体4は、記録体表面を破壊・変質しないものであれば如何なる液体でもよく、望ましくはT1以上において高い粘性があり、例としてはポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール水溶液等が挙げられる。液槽3により親液処理された記録体1の表面は、液体と接触した状態で液槽3から出てローラ7c、7dを通過する過程で冷却されるが、冷却後の記録体1の表面には、処理に用いた液体4が残留している可能性があるので、それは洗浄用水槽8において洗浄液9で洗浄除去される。そして、洗浄後の記録体1は洗浄用水槽8より取り出され、表面に付着した洗浄液9は乾燥手段により除去される。図1においては乾燥手段としてスポンジローラ10が示されており、このスポンジローラ10により洗浄液が拭き取られて乾燥されるが、これに限るものではなく、記録体表面を破壊・変質しない機構であれば如何なる手段でもよい。また、洗浄液9としては前述の液槽3中の液体4に対し相溶性があり、乾燥後表面に残留しない性質を有する液体が望ましい。洗浄液9の例としては水、望ましくはイオン交換水等が挙げられる。
【0014】
液層3で記録体1に塗布した液体の冷却機構は示さないが、記録体1が液槽3から出てローラ7c,7dを通過し、洗浄用水槽8で液体を除去するまでの間に、撥液状態の加熱臨界温度(T2)以下まで冷却するのが望ましく、そのような冷却能力を有するのであれば、自然乾燥、強制空冷等、如何なる機構でもかまわない。また、冷却機構については後述の実施例2〜10でも共通の構成であるから、以後の各実施例の説明においては省略する。
【0015】
図1中に示した液槽3には加熱した液体4が満たされているが、該液槽3内に加熱機構を持たない場合は、液表面より徐々に温度が低下する。その時、液面及び液層内部温度は均一ではなく、温度分布が存在している。図2に示すように、記録体1は液温により後退接触角が変化するため、この様な液体に接触した記録体表面の後退接触角は一定ではなく、不均一となる。また、記録体表面の後退接触角は図3に示すように画像濃度に影響し、後退接触角が低いほど画像濃度は向上する。従って後退接触角が不均一である場合、濃度ムラを招き、画像品質の低下を引き起こす要因となる。
【0016】
そこで本実施例においては、図1に示すように液層3にモータ5とプロペラ6からなる攪拌手段を設け、液槽3内の液体4を攪拌手段のプロペラ6で攪拌することによって液槽3内の温度分布を解消し、記録体表面の後退接触角を均一にすることで、記録体全面を均一に親液処理することができ、良好な画像品質が得られる記録体を得ることができる。
【0017】
(実施例2)
図4は本発明の第2の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図4において図1と同符号を付した部材は同じ構成部材であり、既に実施例1で説明しているので、ここでは説明を省略する。
本実施例は、液槽3の下部の底面に液槽内の液体4を加熱する手段(例えばヒータ)12を有した親液処理装置を示している。また、本実施例においては図示しない温度センサにより液槽3内の液体温度を管理しており、該センサからの信号により加熱手段12を調整し、液体4の温度を一定に保っている。また、図示しないが、液槽3内の液体4の温度を均一にするために、図1に示したような攪拌手段を設けるとよい。
【0018】
実施例1においては液温により記録体表面の後退接触角が変化することを説明したが、本実施例の如く液槽3の下部に加熱手段(例えばヒータ)12と温度センサ(図示せず)を設けることにより、液槽3内の液温を所望の温度に保つことができ、記録体表面の後退接触角を均一にすることで、記録体全面を均一に親液処理することができ、良好な画像品質が得られる記録体を得ることができる。
【0019】
(実施例3)
図5は本発明の第3の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図5において図1と同符号を付した部材は同じ構成部材であり、既に実施例1で説明しているので、ここでは説明を省略する。
本実施例は、液槽3の内部(図では液層内の底面)に液体4を加熱する手段(例えばヒータ)13を有した親液処理装置を示している。
【0020】
実施例2においては、液槽3の外部の底面に液体4を加熱する手段12を設けた構成を提案したが、この場合、加熱手段12の構成が簡便である反面、液槽3の底部を隔てて液体4を加熱しているため、ある程度の熱効率の低下は避けられない。それに対して本実施例においては、液槽3の内部に加熱手段13を設けているため、効率的に液体4を加熱することができる。また、図示しないが、液槽3内の液体の温度を均一にするために、図1に示したような攪拌手段を設けるとよい。
尚、本実施例においては、液槽3の内部の液中に加熱手段13が存在するため、加熱手段13に防水機構を備える必要があり、若干の装置の複雑化は避けられない。
【0021】
(実施例4)
図6は本発明の第4の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図6において図1と同符号を付した部材は同じ構成部材であり、既に実施例1で説明しているので、ここでは説明を省略する。
本実施例は、液槽3内で記録体1の表面が液体4と接触している際、記録体1の裏面に接触し該記録体1と液体4を加熱する手段(例えばヒータ)14を有する親液処理装置を示している。
【0022】
本実施例においては、加熱手段(例えばヒータ)14により、液体4と接触している記録体1と、その周辺の液体のみを加熱すればよく、熱効率的に極めて優れており、また、液体4の攪拌手段を設ける必要がなく、装置構成を大幅に簡素化できる。
一方、実施例2,3の構成においては、液槽3内の液体全体を加熱するため熱容量の大きな加熱手段を設ける必要があり、また、実施例2,3においては、液槽3内の液体4の温度を一定に保つために攪拌手段を設ける必要があり、装置構成が複雑で高価になる。
【0023】
(実施例5)
図7は本発明の第5の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図7において図1と同符号を付した部材は同じ構成部材であり、既に実施例1で説明しているので、ここでは説明を省略する。
本実施例は、液槽3内で記録体1の表面が液体4と接触している際、記録体1の裏面に接触し記録体1の搬送を補助すると同時に、該記録体1と液体4を加熱する手段(例えばヒータ)を内蔵したローラ状部材(ヒータ内蔵ローラ)7a’,7b’を有する親液処理装置を示している。
本実施例では、図6の実施例と比較して液槽3内の加熱手段(ヒータ)14が省略され、装置構成が簡素化されているが、ヒータ内蔵ローラ7a’,7b’が液槽3内の記録体裏面及び液体4と接触し、記録体1及び液体4を加熱しているため、図6の構成と同等の機能を有している。
【0024】
(実施例6)
図8は本発明の第6の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図8において図1と同符号を付した部材は同じ構成部材であり、既に実施例1で説明しているので、ここでは説明を省略する。
本実施例は、記録体1の表面が液槽3内の液体4と接触し且つ記録体1の裏面が液体4と非接触状態にあるようにし(例えば図8に示すように、液槽3内で記録体1を支持し搬送を補助するローラ7a,7bを液体4の液面すれすれに配置し、記録体1の表面のみを液体4に接触させるようにし)、且つ記録体1の裏面に接触して該記録体1を加熱する手段(例えばヒータ)15を有する親液処理装置を示している。
【0025】
本発明に用いている液体4は、記録体1を液槽3より取り出し、撥液状態の加熱臨界温度(T2)以下に冷却するまでの間、記録体表面に液膜として存在していなければならない。その時、用いるべき液体4の特徴としては、加熱温度において蒸発することなく十分な粘性を有しており、且つ記録体1を変質しない特性を有していなければならない。具体的にはポリエチレングリコール、イソプロパノール等の高沸点溶剤が望ましい。しかし、この様な高沸点溶剤を除去するためには、水洗・拭き取り手段が不可欠であり、記録体裏面に液体4が付着した状態でロール状に巻き取った場合、良好な画像形成を妨げる可能性が高い。また、記録体両面の洗浄手段と拭き取り手段を設けることによりこの問題は解決するが、その際、装置構成は複雑で高価になる。
【0026】
そこで、図8に示す実施例では、あらかじめ記録体1の裏面に液体4が接触することなしに記録体1の表面のみを液体4に接触させる手段を用いる(例えば液槽3内で記録体1を支持し搬送を補助するローラ7a,7bを液体4の液面すれすれに配置し、記録体1の表面のみを液体4に接触させるようにする)ことにより、記録体裏面に液体4が付着することによる画像劣化の問題を防止し、且つ記録体1の裏面に接触して記録体1を加熱する手段(例えばヒータ)15を設けることにより記録体表面を均一に加熱して、記録体全面を均一に親液処理することができる。
【0027】
(実施例7)
図9は本発明の第7の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図9において図1と同符号を付した部材は同じ構成部材であり、既に実施例1で説明しているので、ここでは説明を省略する。
本実施例は、記録体1の表面が液槽3内の液体4と接触し且つ記録体1の裏面が液体4と非接触状態にあるようにし、且つ記録体1の裏面に接触し記録体1の搬送を補助すると同時に、該記録体1を加熱する手段(例えばヒータ)を内蔵したローラ状部材(ヒータ内蔵ローラ)7a’,7b’を有する親液処理装置を示している。すなわち、本実施例では、液槽3内で記録体1の裏面に接触し記録体1の搬送を補助するローラ7a’,7b’を液体4の液面すれすれに配置し、記録体1の表面のみを液体4に接触させるようにすると同時に、そのローラ7a’,7b’内に記録体1を加熱する手段(例えばヒータ)を内蔵したものである。
【0028】
本実施例では、図8の実施例と比較して液槽3内のヒータ15が省略され装置構成が簡素化されているが、ヒータ内蔵ローラ7a’,7b’が液槽3内の記録体裏面と接触し、記録体1及び液体4を加熱しているため、図8の構成と同等の機能を有している。
【0029】
(実施例8)
図10は本発明の第8の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図10において図1,8と同符号を付した部材は同じ構成部材であり、既に実施例1,8で説明しているので、ここでは説明を省略する。
本実施例は、図8と略同様な構成の親液処理装置において、加熱状態の液体4を格納する容器として半密閉状態の液槽3’を用いたものである。
【0030】
実施例1〜7で示した構成においては、加熱手段(ヒータまたはヒータ内蔵ローラ)により加熱された液体4は温度の低い外気と接しているため、液槽中の液体の温度を維持するためには常時加熱しつづける必要がある。一方、本実施例では、図10の液槽3’の上部に示された破線部3aは記録体1の搬送路であり、液槽3’はその個所を除いて密閉され外部とは遮断されている。従って液槽3’内の空間も同様に加熱されるため、液温を維持するために常時加熱し続ける必要はない。また、外気との接触も最小限であるため、液槽3’内の熱の放出も最小限に抑えられ、効率的に液体4を加熱することができ、記録体表面を均一に加熱して、記録体全面を均一に親液処理することができる。
【0031】
(実施例9)
図11は本発明の第9の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図11において図1と同符号を付した部材は同じ構成部材であり、既に実施例1で説明しているので、ここでは説明を省略する。
本実施例は、記録体1の表面が液槽3内の液体4と接触し且つ記録体1の裏面が液体と非接触状態にあるようにし(例えば図11に示すように、液槽3内で記録体1を支持し搬送を補助するローラ7a,7bを液体4の液面すれすれに配置し、記録体1の表面のみを液体4に接触させるようにし)、且つ記録体1の裏面に加熱した気体を噴射して加熱する手段(例えばエアーノズル)16を有する親液処理装置を示している。
【0032】
実施例6(図8)や実施例7(図9)においては、記録体1の裏面に液体4が接触するのを防止する具体的な手段を講じていないが、液体4の表面張力が低い場合、稼動中の振動や、液体4の攪拌により記録体1の裏面に液体4が接触する可能性がある。これに対して、本実施例においては、エアーノズル16により加熱した気体を記録体1の裏面に噴射することで記録体1を加熱すると同時に、記録体裏面への液体4の接触をその圧力により防止することができるので、これにより記録体裏面に液体4が付着することによる画像劣化の問題を確実に防止しつつ、記録体表面を均一に加熱することができ、記録体全面を均一に親液処理することができる。
【0033】
(実施例10)
図12は本発明の第10の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。図12において図1と同符号を付した部材は同じ構成部材であり、既に実施例1で説明しているので、ここでは説明を省略する。
本実施例は、記録体1の表面が液槽3内の液体4と接触し且つ記録体1の裏面が液体4と非接触状態にあるようにし(例えば図12に示すように、液槽3内で記録体1を支持し搬送を補助するローラ7a,7bを液体4の液面すれすれに配置し、記録体1の表面のみを液体4に接触させるようにし)、且つ記録体1の裏面に非接触状態で加熱する手段(例えば熱線ヒータ)17を有する親液処理装置を示している。
【0034】
図11に示した実施例9の構成においては、記録体1の裏面よりエアーノズル16で気体を噴射することで記録体1の加熱及び記録体裏面への液体4の接触防止の手段を提案したが、その際に発生する振動により記録体1の搬送不良や騒音の発生が引き起こされる可能性がある。これに対して、本実施例においては、熱線ヒータ17などによる放射熱・輻射熱を利用して記録体1を加熱するため、実施例9と同様の効果を得ながら、振動や騒音が全く発生することがなく、加熱手段による搬送不良が発生することがない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の構成の親液処理装置においては、加熱状態の液体を格納する容器に、液体を攪拌する手段、または加熱する手段、あるいはその両方を有することにより、親液処理時の容器(液槽)内の液体温度を均一にすることができるので、記録体全面を均一に親液処理することができ、良好な画像品質が得られる記録体を得ることができる。
第2の構成の親液処理装置においては、第1の構成及び効果に加えて、加熱状態の液体を格納する容器の底面に、該液体を加熱する手段を有することにより、親液処理時の容器内の液体温度を一定且つ均一に保つことができる。
第3の構成の親液処理装置においては、第1の構成及び効果に加えて、加熱状態の液体を格納する容器内部に、該液体を加熱する手段を有することにより、親液処理時の容器内の液体温度を効率的に一定且つ均一に保つことができる。
第4の構成の親液処理装置においては、第1の構成及び効果に加えて、記録体が液体と接触中に、該記録体裏面に接触して記録体と液体を加熱する手段を有することにより、記録体表面を効率的に加熱することができる。
第5の構成の親液処理装置においては、第1の構成及び効果に加えて、記録体が液体と接触中に、該記録体裏面に接触して記録体と液体を加熱し、且つ記録体搬送を補助する手段を有することにより、記録体搬送手段と加熱手段を統合し、且つ記録体裏面より接触して加熱することができ、記録体表面を簡素な装置構成で効率的に加熱することができる。
第6の構成の親液処理装置においては、第1の構成及び効果に加えて、記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に接触して加熱する手段を有することにより、記録体裏面が液体と接触しないようにして、記録体表面を効率的に加熱することができる。従って、記録体裏面に液体4が付着することによる画像劣化の問題を防止しつつ、記録体表面を均一に加熱することができ、記録体全面を均一に親液処理することができる。
第7の構成の親液処理装置においては、第1の構成及び効果に加えて、記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に接触して加熱し、且つ記録体搬送を補助する手段を有することにより、記録体搬送手段と加熱手段を統合でき、且つ記録体表面が液体と接触し且つ裏面が非接触の状態で、記録体裏面より加熱することができ、記録体表面を簡素な装置構成で効率的に加熱することができる。従って、記録体裏面に液体4が付着することによる画像劣化の問題を防止しつつ、記録体表面を均一に加熱することができ、記録体全面を均一に親液処理することができる。
第8の構成の親液処理装置においては、第1〜7のいずれかの構成及び効果に加えて、親液処理時の容器を半密閉状態にし、容器内の熱の拡散を防止することにより、記録体表面を効率的に加熱することができる。
【0036】
第9の構成の親液処理装置においては、第1の構成及び効果に加えて、記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に加熱した気体を噴射して加熱する手段を有することにより、記録体表面を加熱し且つ記録体裏面への液体の接触を防ぐことができる。従って、記録体裏面に液体4が付着することによる画像劣化の問題を確実に防止しつつ、記録体表面を均一に加熱することができ、記録体全面を均一に親液処理することができる。
第10の構成の親液処理装置においては、第1の構成及び効果に加えて、記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に非接触状態で加熱する手段を有することにより、記録体表面を加熱し且つ記録体裏面への液体の接触を防ぐことができる。従って、記録体裏面に液体4が付着することによる画像劣化の問題を確実に防止しつつ、記録体表面を均一に加熱することができ、記録体全面を均一に親液処理することができる。また、非接触状態で加熱する手段を用いたことにより、振動や騒音が発生することがなく、加熱手段による搬送不良が発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【図2】記録体を親液処理する際の液体の液温と記録体表面の後退接触角の関係を示す図である。
【図3】記録体表面の後退接触角と画像濃度の関係を示す図である。
【図4】本発明の第2の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第3の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【図6】本発明の第4の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【図7】本発明の第5の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第6の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【図9】本発明の第7の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【図10】本発明の第8の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第9の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【図12】本発明の第10の構成の実施例を示す親液処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1:記録体
2:記録体供給ロール
3:液槽(加熱状態の液体を格納する容器)
3’:半密閉状態の液槽
3a’:記録体搬送路
4:液体
5:モータ
6:プロペラ(攪拌手段)
7a〜7f:ローラ(搬送補助手段)
7a’,7b’:ヒータ内蔵ローラ(加熱・搬送補助手段)
8:洗浄用水槽
9:洗浄液
10:スポンジローラ
11:記録体巻取ロール
12〜15:ヒータ(加熱手段)
16:エアーノズル(加熱気体噴射手段)
17:熱線ヒータ(非接触加熱手段)
Claims (10)
- 液体と接触状態で加熱した時に後退接触角が低下し、液体に対し親液性を示す状態(以下、親液状態と記す)となり、且つ液体と非接触状態で加熱した時に後退接触角が上昇し、液体に対し疎液性を示す状態(以下、撥液状態と記す)となる記録材料よりなる記録層を有する記録体に対して、該記録体表面の親液処理を行う親液処理装置において、
前記記録体を搬送する手段と、該記録体を加熱状態の液体に接触させる手段と、該液体と接触した状態で冷却する手段と、冷却後に前記液体を除去・洗浄する手段と、前記記録体を乾燥する手段を備え、加熱状態の液体を格納する容器に、液体を攪拌する手段、または加熱する手段、あるいはその両方を有することを特徴とする親液処理装置。 - 請求項1記載の親液処理装置において、
加熱状態の液体を格納する容器の底面に、該液体を加熱する手段を有することを特徴とする親液処理装置。 - 請求項1記載の親液処理装置において、
加熱状態の液体を格納する容器内部に、該液体を加熱する手段を有することを特徴とする親液処理装置。 - 請求項1記載の親液処理装置において、
前記記録体が液体と接触中に、該記録体裏面に接触して記録体と液体を加熱する手段を有することを特徴とする親液処理装置。 - 請求項1記載の親液処理装置において、
前記記録体が液体と接触中に、該記録体裏面に接触して記録体と液体を加熱し、且つ記録体搬送を補助する手段を有することを特徴とする親液処理装置。 - 請求項1記載の親液処理装置において、
前記記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に接触して加熱する手段を有することを特徴とする親液処理装置。 - 請求項1記載の親液処理装置において、
前記記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に接触して加熱し、且つ記録体搬送を補助する手段を有することを特徴とする親液処理装置。 - 請求項1〜7のいずれか一つに記載の親液処理装置において、
加熱状態の液体を格納する容器(液槽)を半密閉状態とすることを特徴とする親液処理装置。 - 請求項1記載の親液処理装置において、
前記記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に加熱した気体を噴射して加熱する手段を有することを特徴とする親液処理装置。 - 請求項1記載の親液処理装置において、
前記記録体の記録面が液体と接触中で、該記録体裏面が前記液体と非接触状態にあるときに、前記記録体裏面に非接触状態で加熱する手段を有することを特徴とする親液処理装置。
Priority Applications (1)
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JP2003083024A JP2004291252A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 親液処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004291252A true JP2004291252A (ja) | 2004-10-21 |
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JP (1) | JP2004291252A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7744948B2 (en) | 2005-07-26 | 2010-06-29 | Seiko Epson Corporation | Method for manufacturing electroluminescence device |
-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003083024A patent/JP2004291252A/ja active Pending
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