JP2004290649A - 止血用の傷用包帯およびその製造方法 - Google Patents

止血用の傷用包帯およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた止血性および抗菌性を示し、さらに/または、酸に感応性のある各種の物質に対して相容性であることのできる傷用包帯、およびこのような傷用包帯を調製するための方法を提供する。
【解決手段】一定のポリマーに対応する溶媒中に溶解している一定の水溶性または水膨潤性で生体相容性のポリマーの溶液を供給する工程、第1の表面部分および当該第1の表面部分と反対側の第2の表面部分を有する一定の布地の支持体を供給する工程を含み、これにより、上記布地の支持体の第1および第2の各表面部分およびその内部において実質的に均質に分布している一定の多孔質のポリマー基材が形成され、この基材は凍結乾燥した上記水溶性または水膨潤性のポリマーにより形成されている。
【選択図】 図14

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は一定の布地の支持体および当該支持体の上およびその内部に配置されている一定の多孔質で水溶性または水膨潤性の高分子基材を含む止血用の傷用包帯に関連しており、さらに、このような止血用の傷用包帯を作成する方法に関連している。
【背景技術】
【0002】
血液の損失を最小にして、手術後の合併症を減少し、手術室内における外科手術の継続時間を短縮するために各種の外科処置において出血を調整することが不可欠であり重要である。以下においてカルボキシル酸化したセルロースと表現されている、カルボン酸の部分を含むように酸化されているセルロースは、その生体崩壊性、殺菌性、および止血性により、神経外科手術、腹部外科手術、心臓血管外科手術、胸部外科手術、頭部および頸部の外科手術、骨盤外科手術、および皮膚および皮下組織の各種処置を含む種々の外科処置における一定の局所的止血用の傷用包帯として長期にわたり用いられている。
【0003】
現在において利用されている止血用の傷用包帯はカルボキシル酸化したセルロースにより構成されている編み状または不織状の布地を含む。また、現在において利用されている酸化した再生セルロースは反応性のカルボン酸基を含むカルボキシル酸化した再生セルロースであり、このセルロースはそのセルロース繊維の均質性を高めるように処理されている。市場において入手可能な上記のような止血性の傷用包帯の例はサージセル(Surgicel)(登録商標)と言う吸収性の止血物質、サージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と言う吸収性の止血物質、およびサージセル(Surgicel)(登録商標)フィブリラー(Fibrillar)と言う吸収性止血物質を含み、全て、ジョンソン・アンド・ジョンソン・カンパニー社(Johnson & Johnson Company)であるニュージャージー州ソマービルのエシコン社(Ethicon Inc.)の一事業部であるジョンソン・アンド・ジョンソン・ウーンド・マネージメント・ワールドワイド社(Johnson & Johnson Wound Management Worldwide)から入手可能である。また、カルボキシル酸化したセルロースを含有している商業的な吸収性の止血物質の別の例はニュージャージー州モリス・プレインズのベクトン・デイッキンソン・アンド・カンパニー社(Becton Dickinson and Company)からのオキセル(Oxycel)(登録商標)と言う吸収性のセルロース外科用傷用包帯を含む。これらの酸化セルロースの止血物質は止血を行なうために有効な一定の多孔質構造を有する編み状の布地である。これらは良好な引張強度および圧縮強度を示し、一定の医者がその止血物質の位置を有効に配置して特定の処置が行なわれている間にその包帯を操作できるような柔軟性を有している。
【0004】
カルボキシル酸化したセルロースを利用している傷用包帯は、その酸性のpH値により、接触時において、トロンビンまたはフィブリノゲンを含む、酸に感応性で止血性の種々のタンパク質を速やかに変性することが知られている。従って、トロンビンおよびフィブリノゲン、ならびに、その他の酸に感応性の生物学的物質および薬剤等のような、酸に感応性の各種の物質に対応する一定のキャリヤーとして上記のようなカルボキシル酸化したセルロールを使用することは不都合である。
【0005】
「酸に感応性の(acid-sensitive)」物質、例えば、各種のタンパク質、薬物等に対する従来のカルボキシル酸化したセルロースの相容性に関する問題に加えて、現在において入手可能な酸化セルロースの止血物質における体液の吸収性および止血作用は穏やかなまたは適度な出血が生じる場合の用途に対して適しているが、比較的に多量の血液が比較的に速い速度で失われる深刻な出血の場合において止血を行ないこれを維持するために有効であることが知られていない。このような場合、例えば、動脈の穿刺、肝臓の切除、閉塞性肝臓傷害、閉塞性脾臓傷害、大動脈瘤、または過剰な抗凝固剤を伴う患者または血友病等のような凝血異常を伴う患者からの出血等のような場合に、高度な止血が緊急に必要とされる。
【0006】
改善された止血性を達成するための努力において、トロンビン、フィブリンおよびフィブリノゲン等のような血液凝固剤がゼラチンを基材とする各種のキャリヤーおよび一定のコラーゲン基材を含む上記のような物質のための別のキャリヤーまたは支持体と共に組み合わされている。さらに、中和したカルボキシル酸化セルロースを含む止血用の傷用包帯およびトロンビン、フィブリノゲンおよびフィブリン等のようなタンパク質を基材とする止血物質が知られている。このような中和したカルボキシル酸化セルロースはこのカルボキシル酸化セルロースを一定の弱い有機酸の塩基性の塩の水溶液またはアルコール溶液により処理して上記トロンビンの添加の前にこのセルロースにおける酸性の基を中和してこのカルボキシル酸化セルロースのpH値を5乃至8に高めてトロンビンに対して相容性にすることにより調製される。このような中和したセルロースはトロンビンに対して相容性になることができるが、その酸性の性質により与えられるこのようなカルボキシル酸化したセルロースにおける抗菌性の活性が失われるので、もはや殺菌性ではない。
【0007】
トロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリンのような止血物質は、上記のような支持体に化学的または物理的に有効に結合していなければ、一定の傷の部位における血液によりすすぎ流される可能性がある。さらに、このような未結合の物質が血液の流れの中に移動する可能性があり、このことは望ましくない。一定のヨウ素含有化合物および酸化窒素による連続的な処理による2段階の酸化を含む、止血材料としてセルロースの高度に酸化されている各種のトリ−カルボン酸誘導体を製造する方法がロシア国特許第2146264号(RU2146264)およびインド国特許第159322号(IN159322)において開示されている。これらの特許明細書において開示されているように、各種の酸化したセルロース材料がメタ過ヨウ素酸塩または過ヨウ素酸による予備的な酸化により調製されて過ヨウ素酸塩酸化したジアルデヒド・セルロースが得られ、これにより、カルボキシル酸化したセルロースを形成するための中間体が形成される。その後、このジアルデヒド・セルロース中間体はさらにNO2 により酸化されて上記のカルボキシル酸化したセルロースが得られ、この材料はその後に一定の止血性で抗菌性の傷治癒用の物質として使用される。
【0008】
従って、従来のカルボキシル酸化セルロース含有の止血用傷用包帯と同等またはこれよりも優れた止血性および抗菌性を示し、さらに、「酸性に感応性の(acid-sensitive)」各種物質に対して相容性であるだけでなく、各種の止血物質を血流中に移動する危険性を伴わずに上記のことが行なえる一定の止血用の傷用包帯を提供することが有利であると考えられる。
【0009】
また、深刻な出血の場合において止血を行ないこれを維持し、さらに、一定の医者により体内または身体上において配置および操作するために必要な強度および柔軟性を含む一定の傷用包帯としての使用において必要とされる物理的な諸特性を維持する一定の止血用の傷用包帯を提供することが有利であると考えられる。さらに、包帯を一定の工業的スケールで製造できるような、上記包帯の効率的で経済的な製造を可能にするような傷用包帯を作成する方法を提供することが有利であると考えられる。
【0010】
【特許文献1】
ロシア国特許第2146264号(RU2146264)明細書
【特許文献2】
インド国特許第159322号(IN159322)明細書
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は従来のカルボキシル酸化したセルロースを基材とする止血用の傷用包帯と同等かこれよりも優れている止血性および抗菌性を示し、さらに/または、「酸に感応性の(acid-sensitive)」各種の物質に対して相容性であることのできる傷用包帯、およびこのような傷用包帯を調製するための改善された方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は一定の繊維の布地の支持体を備えている止血用の傷用包帯を作成する方法に関連しており、この方法は一定のポリマーに対応する溶媒中に溶解している一定の水溶性または水膨潤性で生体相容性のポリマーを含む一定のポリマー溶液を供給する工程、第1の表面部分および当該第1の表面部分と反対側の第2の表面部分を有する一定の布地の支持体を供給する工程を含み、この布地の支持体が一定の止血物質として使用するために有効な諸特性を有していて、一定の生体相容性のポリマーにより調製されている繊維により構成されており、さらに上記方法は、上記布地の支持体を上記ポリマー溶液に対して当該布地の第1および第2の各表面部分およびその内部において上記ポリマー溶液が実質的に均質に分布するために有効な諸条件下において接触させる工程、上記ポリマー溶液が内部において実質的に均質に分布している上記布地の支持体を当該布地の支持体の上およびその内部において均質に分布している状態を維持するために有効な諸条件下において一定の凍結乾燥装置に移す工程、上記ポリマー溶液が内部において分布している上記布地の支持体を凍結する工程、および上記布地の支持体から溶媒を除去することにより、当該布地の支持体の第1および第2の各表面部分およびその内部において実質的に均質に分布している一定の多孔質のポリマー基材を形成する工程を含み、この基材は上記水溶性または水膨潤性のポリマーを含んでおり、さらに、本発明は上記方法により調製される傷用包帯に関連している。
【発明の効果】
【0013】
従って、本発明によれば、従来のカルボキシル酸化したセルロースを基材とする止血用の傷用包帯と同等かこれよりも優れている止血性および抗菌性を示し、さらに/または、「酸に感応性の(acid-sensitive)」各種の物質に対して相容性であることのできる傷用包帯、およびこのような傷用包帯を調製するための改善された方法が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明者は一定の支持体として一定の布地を利用している特定の止血用の傷用包帯を発見しており、この場合に、上記布地の支持体は一定の生体相容性のポリマーにより調製されている複数の繊維により構成されていて、第1の表面部分、当該第1の表面部分と反対側の第2の表面部分を有しており、さらに、例えば、強度、柔軟性および多孔度等のような、一定の止血物質としての使用に適している特性を有している。上記布地のさらに詳細な説明は以下において記載されている。この傷用包帯はさらに上記布地の支持体における第1および第2の各表面部分および当該支持体の内部において実質的に均質に分散されている一定の多孔質な高分子基材を備えている。これら第1および第2の表面部分のいずれかを傷に対する接触のために使用することができる。本発明の止血用の傷用包帯は止血を必要としている一定の傷に供給される場合に有効な止血を行ないこれを維持する。有効な止血とは、本明細書において用いられているように、止血の技術分野における熟練者により認識されているような、一定の有効な時間内に毛細血管、静脈、または小動脈の出血を調整および/または軽減するための能力である。さらに、この有効な止血の指示は政府の法規等により規定できる。
【0015】
全て、ジョンソン・アンド・ジョンソン・カンパニー社(Johnson & Johnson Company)であるニュージャージー州ソマービルのエシコン社(Ethicon Inc.)の一事業部であるジョンソン・アンド・ジョンソン・ウーンド・マネージメント・ワールドワイド社(Johnson & Johnson Wound Management Worldwide)から入手可能であるサージセル(Surgicel)(登録商標)と言う吸収性の止血物質、サージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と言う吸収性の止血物質、およびサージセル(Surgicel)(登録商標)フィブリラー(Fibrillar)と言う吸収性の止血物質、ならびに、ニュージャージー州モリス・プレインズのベクトン・デイッキンソン・アンド・カンパニー社(Becton Dickinson and Company)からのオキセル(Oxycel)(登録商標)と言う吸収性のセルロース外科用包帯等のような、従来の止血用の傷用包帯において利用されている各種の布地が本発明による傷用包帯の調製において使用可能である。特定の実施形態において、本発明の傷用包帯は深刻な出血の場合に止血を行ないこれを維持することにおいて有効である。本明細書において用いられているように、深刻な出血は比較的に多量の血液が比較的に速い速度で失われる出血の各種の場合を含むことを意味する。このような深刻な出血の例は動脈の穿刺、肝臓の切除、閉塞性肝臓傷害、閉塞性脾臓傷害、大動脈瘤、または過剰な抗凝固剤を伴う患者または血友病等のような凝血異常を伴う患者からの出血等による出血を含むがこれらに限らない。このような傷用包帯は、例えば、一定の診断的なまたは介入的な脈管内の処置後における治療の現行の基準よりも速く一定の患者が歩行することを可能にする。
【0016】
本発明の特定の実施形態において、上記の傷用包帯はさらに本明細書において以下に詳細に説明されているような種々の薬物および薬剤を含む一定の止血物質またはその他の生物学的なまたは治療用の各種の化合物、部分または物質を含むことができる。これらの物質は上記の高分子基材の中、ならびに、上記布地の表面部分および/または当該布地の内部に結合できる。また、これらの物質は、これらが血液に対する接触時に上記傷用包帯から体内に移動しないように結合している限りにおいて、化学的または物理的な手段により結合できる。また、上記止血用の物質は上記布地および/または高分子基材の内部において部分的にまたは均質に分散することができる。本発明の一部の実施形態において、上記の止血物質、またはその他の生物学的なまたは治療用の各種の化合物、またはその各部分または各物質、例えば、従来のカルボキシル酸化した止血用の傷用包帯により示されるような、酸性のpH値により崩壊または変性する可能性があり、あるいは、その酸性のpH値により悪影響を受ける可能性のあることを意味する、「酸に感応性(acid-sensitive)」である可能性がある。
【0017】
本発明において利用されている上記布地の支持体は、その布地が止血用の傷用包帯において使用するために必要な物理的な諸特性を有する限りにおいて、織り状または不織状にすることができる。好ましい織り状の布地は一定の高密度な編み状の構造を有しており、この構造は上記止血用の傷用包帯に対応する形態および形状を構成している。このような布地が米国特許第4,626,253号において記載されており、この特許の内容はその全体が引用されているものとして本明細書に参考文献として含まれる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態において、上記吸収性の止血用布地は白色レーヨン糸により構成されている縦編み状のトリコット布地であり、この布地はその後に当該布地に生体崩壊性および抗菌性を賦与するために有効な量でカルボキシルまたはアルデヒドの部分を含むように酸化される。この布地はその単一の層が少なくとも約0.5mmの厚さ、少なくとも約0.03g/cm2 の密度、約150cm3 /秒/cm2 よりも小さい空気の多孔度、およびこの布地の乾燥重量の少なくとも約3倍および当該布地の少なくとも約0.1g/cm2 の液体の吸収能力を有することを特徴としている。
【0019】
上記編み状の布地は過度の重量を伴わない良好な容積を有しており、軟質でドレープ形成が可能であり、これらが供給される表面の形態に良く一致する。また、この布地は切断したエッジ部分に沿ってほつれたり擦り切れることなく適当な寸法および形状に切断できる。酸化後の布地の強度は一定の外科用の止血物質としての使用に適している。
【0020】
本発明において使用する好ましい止血用の布地は酸化したセルロースを含み、上述したような、厚さ、容積、多孔度、および液体吸収能力により最良に特徴付けられる。これらの特性を有する適当な布地は12の編み品質(knit quality)における32ゲージの機械において60デニールの18本フィラメント型のレーヨン糸を編むことにより構成できる。適当なトリコット布地の構成はフロント−バー1−0、10−11、バック−バー2−3、1−0である。このフロント・バーに伝えられる延伸状の揺動(shog movement)はバック・ガイド・バーに対する70インチのランナーに対比して188インチのランナーを生じて、その布地の容積および密度を増している。この特定の構成におけるフロント・バーのバック・バーに対する比率は1:2.7である。
【0021】
上述したように製造した好ましい布地の一般的な物理的および止血性の特性が以下の表1において記載されている。
【表1】
Figure 2004290649
【0022】
本発明において利用されているトリコット布地は約40乃至80の合計のデニール値の白色レーヨン糸により構成できる。各糸は10乃至25本の個別のフィラメントを含むことができるが、個々のフィラメントは延長される吸収時間を避けるために5デニール以下であることが好ましい。上記のような大きな容積および布地の密度は約10または12の布地品質(40乃至48個の経路/インチ(2.54cm))における28ゲージまたはそれ以下、好ましくは32ゲージにおいて編むことにより得られる。少なくとも6個の針の間隔、好ましくは8乃至12個の間隔の一定の長いガイド・バーの揺動はさらに上記布地の厚さおよび密度を増大する。
【0023】
もちろん、同等の物理的な特性を生じる別の縦編み状のトリコット布地の構成もまた本発明の改善された止血用の布地および傷用包帯の製造に利用可能であり、このような構成は当該技術分野における熟練者において明らかになる。
【0024】
本発明の傷用包帯における布地の支持体を調製することにおいて有用なポリマーはコラーゲン、アルギン酸カルシウム、キチン、ポリエステル、ポリプロピレン、多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレン・オキシド)、ポリアルキレン、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、脂質を含む各種ポリマー、およびこれらの混合物を含むがこれらに限らない。好ましい繊維は酸化した再生多糖類、特に酸化再生セルロースを含む。
【0025】
好ましくは、酸化した多糖類が本発明の傷用包帯を調製するために使用されている。さらに好ましくは、酸化セルロースが本発明の傷用包帯において使用する布地を調整するために用いられている。このセルロースは、それぞれ本明細書において定められていて説明されているように、カルボキシル酸化したセルロースでもよく、あるいは、アルデヒド酸化したセルロースでもよい。さらに好ましくは、酸化した再生セルロースが本発明の傷用包帯において使用する布地の支持体を調製するために用いられている。再生セルロースは再生されていないセルロースに対するその比較的に高い均一性の程度により好ましいと考えられる。このような再生セルロースおよび再生した酸化セルロースを作成するための方法についての詳細な説明が米国特許第3,364,200号および米国特許第5,180,398号において記載されており、これらの内容はそれぞれその全体が引用されているものとして本明細書に参考文献として含まれる。従って、再生した酸化セルロースおよびこれを作成する方法に関連する各種の教示は止血用の傷用包帯の技術分野における熟練者の知識の中に十分に存在している。
【0026】
本発明の特定の傷用包帯は布地に生体崩壊性および抗菌性を賦与するために有効な量でカルボキシル部分を含むように酸化されている布地の支持体を利用している。米国特許第3,364,200号は一定のフレオン(Freon)媒体中における四酸化二窒素等のような一定の酸化剤によるカルボキシル酸化したセルロースの調製を開示している。また、米国特許第5,180,398号は一定のペルフルオロカーボン溶媒中における二酸化窒素等のような一定の酸化剤によるカルボキシル酸化したセルロースの調製を開示している。さらに、これらのいずれかの方法により酸化したのちに、この布地は四塩化炭素等のような一定の溶媒により完全に洗浄されたのちに、50%イソプロピル・アルコール(IPA)の水溶液により洗浄され、最終的に99%IPAにより洗浄される。また、上記の酸化処理の前に、上記布地は一定の止血物質としての使用に適している所望の織り状または不織状の構成に作成される。このような布地を利用している本発明による特定の傷用包帯は深刻な出血の場合に止血を行ないこれを維持することが既に分かっている。
【0027】
上記布地の支持体がカルボキシル酸化したセルロースを含む場合に、この布地の支持体の上およびその内部におけるポリマー溶液の均質な分布を行なうためにそのポリマー溶液による飽和および凍結乾燥処理の前に調整されていることが好ましいことが分かっている。このような布地の調整は少なくとも6ヶ月にわたり周囲条件下で室温においてその布地を保管することにより達成でき、あるいは、この布地の調整を加速することもできる。好ましくは、この布地は約1時間乃至48ヶ月の一定時間にわたり、約5%乃至約90%の相対湿度において、約4℃乃至約90℃の諸条件に曝される。さらに好ましくは、この布地は約72時間乃至48ヶ月の一定時間にわたり、約30%乃至約90%の相対湿度において、約4℃乃至約60℃の諸条件に曝される。さらに好ましくは、この布地は約72時間乃至366時間の一定時間にわたり、約60%乃至約80%の相対湿度において、約18℃乃至約50℃の諸条件に曝される。最も好ましくは、この布地は約168時間の一定時間にわたり、約70%の相対湿度において、約50℃の一定温度において調整される。さらに、この布地は適当な調整を可能にするようにそれぞれの布地の支持体の間に間隔を設けるように注意しながら、一定の調整された環境の中において水平方向に配置できる。この布地はまた調整を可能にするために垂直方向に吊り下げてもよい。
【0028】
上記カルボキシル酸化したセルロース布地の調整の結果として、この布地は少なくとも約3重量%の水溶性の各種分子を含む。一般に、このような水溶性の分子は約5個またはそれ以下の糖環構造を含む酸置換したオリゴ糖である。好ましくは、この布地は約3乃至約30重量%の水溶性の各種分子を含んでいる。なお、上記のような水溶性の各種分子の含有量が、上記布地の重量に基づいて、約8%、好ましくは約10重量%に到達する場合に、止血が初期的に達成されている一定の傷の再出血の発生を含む、カルボキシル酸化した上記のようなセルロース布地の支持体を含む傷用包帯の止血の効率が改善されることが分かっている。このような布地はまた約3乃至約20重量%の水を含有している。
【0029】
酸に感応性の各種の物質に対して相容性を有する本発明の傷用包帯は一定の生体相容性のアルデヒド酸化した多糖類により調製されている布地の各種支持体を含む。このような傷用包帯において、上記多糖類は好ましくはその変性した多糖類を生体崩壊性にするために有効な一定のアルデヒド分子を含み、このことは、身体により吸収可能であるか、身体を容易に通過できる各種の成分にこの多糖類がその身体により崩壊可能であることを意味する。特に、このように生体崩壊した各種の成分はこれらが身体により吸収される場合に永久的で慢性的な異物反応を生じることがなく、その成分の永久的な痕跡または残留がその移植部位において維持されることが全くない。
【0030】
本発明において使用するアルデヒド酸化した多糖類はセルロース、セルロース誘導体、例えば、アルキル・セルロース、例えば、メチル・セルロース、ヒドロキシアルキル・セルロース、アルキルヒドロキシアルキル・セルロース、硫酸セルロース、カルボキシメチル・セルロースの塩、カルボキシメチル・セルロース、カルボキシエチル・セルロース、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体を含むがこれらに限らず、これらはそれぞれ抗菌性において有効量のアルデヒド部分を含むように酸化されている。
【0031】
上記のようなアルデヒド酸化した多糖類を利用している好ましい実施形態において、この多糖類はそのアルデヒド酸化した多糖類が確実に生体崩壊性になるように本明細書において説明されているように酸化されている。このような生体崩壊性のアルデヒド酸化した多糖類は以下の構造式Iにより示すことができる。
【化1】
Figure 2004290649
この場合に、xおよびyはそれぞれモル%値を示しており、x+yは100%に等しく、xは約95乃至約5であり、yは約5乃至約95であり、
RはCH2 OR3 、COOR4 、スルホン酸、またはホスホン酸とすることができ、R3 およびR4 はH、アルキル、アリール、アルコキシまたはアリールオキシとすることができ、R1 およびR2 はH、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、スルホニルまたはホスホリルとすることができる。
【0032】
本発明の特定の実施形態において、上記生体相容性で生体崩壊性の止血用傷用包帯は一定の生体相容性で生体崩壊性のアルデヒド酸化した再生セルロースにより調製されている。特に、好ましいアルデヒド酸化した再生セルロースは以下の構造式IIの反復単位を含む材料である。
【化2】
Figure 2004290649
この場合に、xおよびyはそれぞれモル%値を示しており、x+yは100%に等しく、xは約95乃至約5であり、yは約5乃至約95であり、RはCH2 OHであり、R1 およびR2 はHである。
【0033】
本発明の好ましい実施形態において、上記アルデヒド酸化した再生多糖類、例えば、セルロースはそのアルデヒド部分以外に官能性または反応性の部分を実質的に含まない。この実質的に含まないとは、上記多糖類がそのアルデヒド酸化した多糖類の特性を変えること、または約4.5よりも低い、さらに好ましくは約5よりも低い、あるいは、約9よりも高い、好ましくは約9.5よりも高い一定のpH値を有する多糖類により構成されている布地を提供することにおいて有効な量でそのような官能性のまたは反応性の部分を含まないことを意味する。このような部分はカルボキシル酸化したセルロースにより作成される傷用包帯において一般的に存在している各種カルボン酸の部分を含むがこれらに限らない。さらに、過剰量のカルボン酸部分は上記布地および包帯のpH値を下げるので、これらの材料は、例えば、トロンビン等のような一定の低いpH値により崩壊または変性する可能性のある酸に感応性の物質に対する使用において相容性を有することができない。また、別の実質的に除外されている部分はスルホニルまたはホスホニルの各種部分を含むがこれらに限らない。
【0034】
上述したように、本発明の傷用包帯は上記布地の支持体の第1および第2の表面部分の上および当該支持体の内部において実質的に均質に分散されている一定の多孔質の高分子材料を含む。本発明の傷用包帯における上記多孔質の高分子基材を調製するために使用するポリマーは一定の生体相容性で水溶性または水膨潤性のポリマーである。このような水溶性または水膨潤性のポリマーは血液またはその他の体液を速やかに吸収して、組織に対して接触した状態で配置される場合に、その組織に対して接着する粘着性または接着性のゲルを形成する。この流体吸収性のポリマーは、一定の乾燥した濃縮された状態の場合に、一定の水和過程を介して体液に対して相互作用する。一定の出血部位に供給される場合に、このポリマーは一定の水和過程を介して血液中の水分に対して相互作用する。この水和力は上記止血物質が出血部位に接着することを補助する一定の接着性の相互作用を生じる。このような接着により、その止血用包帯と出血部位との間に一定のシール層が形成されて、血液の流れが停止する。
【0035】
上記基材を作成するために使用する好ましいポリマーは各種の多糖類を含む。このような多糖類はセルロース、アルキル・セルロース、例えば、メチル・セルロース、アルキルヒドロキシアルキル・セルロース、ヒドロキシアルキル・セルロース、硫酸セルロース、カルボキシメチル・セルロースの塩、カルボキシメチル・セルロース、カルボキシエチル・セルロース、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体を含むがこれらに限らない。本発明の複合的な止血物質は極めて柔軟性であることを維持し、一定の出血部位に一致し、供給中の取り扱いに耐えるための良好な引張強度および圧縮強度を維持する。この止血物質は一定の外科的な必要性に適合するために異なる寸法および形状に切断できる。また、この止血物質は不規則な解剖学的構造に巻き付けること、あるいは、当該構造の中に詰め込むことができる。深刻な出血の場合に止血を行ないこれを維持することのできる一定の好ましい実施形態における上記の布地は、ニュージャージー州ソマービルのエシコン社(Ethicon Inc.)から入手可能なサージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)等のような一定の編み状のカルボキシル酸化した再生セルロースである。
【0036】
上述したように、本発明の特定の実施形態においては、従来のカルボキシル酸化したセルロース含有の傷用包帯の低いpH値に対して感応する可能性のある、一定の生物学的物質、薬物、止血物質、薬剤、またはこれらの一定の組み合わせ物を包帯に組み込む前にそのpH値を調節することを必要とせずに本発明の傷用包帯に組み込むことができる。このような止血用の傷用包帯を作成するために、一定の薬物または物質を一定の適当な溶媒中に溶かすことができる。その後、上記の布地をこの薬物溶液により塗布して、その溶媒を除去することができる。好ましい生物学的物質、薬物および薬剤は鎮痛薬、抗感染剤、抗生物質、接着防止剤、凝固促進剤、および傷治癒用の各種増殖因子を含む。
【0037】
本発明による傷用包帯において使用できる止血物質は各種の凝固促進用の酵素、タンパク質およびペプチドを含むがこれらに限らず、これらは天然のもの、組換えによるもの、または合成したものとすることができ、プロトロンビン、トロンビン、フィブリノゲン、フィブリン、フィブロネクチン、ヘパリナーゼ、第X/Xa因子、第VII/VIIa因子、第IX/IXa因子、第XI/XIa因子、第XII/XIIa因子、組織因子、バトロキソビン(batroxobin)、アンクロド、エカリン(ecarin)、フォン・ウィレブランド(von Willebrand)因子、コラーゲン、エラスチン、アルブミン、ゼラチン、血小板表面糖タンパク質、バソプレシンおよびバソプレシン類似体、エピネフリン、セレクチン、凝固促進ベノム、プラスミノゲン活性因子抑制因子、血小板活性化剤、止血活性を有する合成ペプチド、およびこれらの誘導体およびこれらの任意の組み合わせ物から成る群から選択できる。なお、本発明において好ましい止血物質はトロンビン、フィブリノゲンおよびフィブリンである。
【0038】
トロンビン、フィブリンまたはフィブリノゲン等のようなタンパク質を基材とする止血物質は、傷用包帯に結合した場合に、アルデヒド酸化した再生セルロースの傷用包帯の止血特性を高めて血流中に移動する遊離の止血物質により生じる血栓症の危険性を減少する。各種の止血物質が化学的または物理的な手段により上記の傷用包帯に結合可能である。これらの物質は一例において上記多糖類におけるアルデヒド基の側鎖に対して共役的に結合し、これにより、この物質をその傷用包帯に対して化学的に結合させることができる。好ましくは、これらの止血物質は上記のアルデヒド酸化した多糖類の布地の上またはその内部に分散されている高分子基材における組み込みを介してその傷用包帯に物理的に結合し、さらに、凍結乾燥処理により固定、すなわち、結合している。
【0039】
本発明の止血用の傷用包帯は深刻な出血の場合に速やかな止血を行ない有効な止血状態を維持するために有効な一定の量でトロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリンを含むがこれらに限らない止血物質を含有している。この傷用包帯中の止血物質の濃度が過度に低いと、この止血物質は血液または血液の血漿に接触する時に速やかな凝固物形成を促進するために有効な凝固促進活性を示さない。このような傷用包帯におけるトロンビンの好ましい濃度範囲は約0.001乃至約1重量%である。さらに好ましい傷用包帯中のトロンビンの濃度は約0.01乃至約0.1重量%である。また、上記傷用包帯におけるフィブリノゲンの好ましい濃度範囲は約0.1乃至約50重量%である。さらに好ましい傷用包帯中のフィブリノゲンの濃度は約2.5乃至約10重量%である。また、上記傷用包帯におけるフィブリンの好ましい濃度範囲は約0.1乃至約50重量%である。さらに好ましい傷用包帯中のフィブリンの濃度は約2.5乃至約10重量%である。
【0040】
特定の実施形態において、本発明の傷用包帯において使用する布地は当該包帯において一定のアルデヒド反応性の部分を担持している一定の止血物質と共役的に結合した状態を含むことができる。このような実施形態において、上記アルデヒド酸化した再生多糖類におけるアルデヒド部分はトロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリンにおけるアミノ酸側鎖またはN−末端残基において存在している各種のアミン基に対して容易に反応して、一定の可逆的なイミン結合を介して共役的に連結している止血物質とアルデヒド酸化した再生多糖類における一定の結合状態を形成できる。さらに、このようにイミン結合したアルデヒド酸化した再生多糖類/止血物質の結合体は水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウム等のような一定の還元剤と反応して一定の不可逆的な第二級アミン結合を形成する。本発明のこのような実施形態において、上記止血物質は、上記アルデヒド酸化した多糖類に対して可逆的または不可逆的に、少なくともその布地の表面部分において、好ましくは、その布地構造の内部において少なくとも部分的に分散されている。
【0041】
過ヨウ素酸(またはその任意のアルカリ金属塩)による一定の炭化水素における2,3−位の各近位ヒドロキシ基の酸化は一定のジアルデヒドまたは各種のジアルデヒド誘導体を形成する。これらのアルデヒド部分(−RCH(O))はその後に、各種タンパク質におけるアミノ酸側鎖またはN−末端残基において存在しているような、第一級アミンの部分(−NH2 )と容易に反応して、その反応性生物、すなわち、一定の比較的に不安定な可逆的なイミン部分(−N=CHR)により共役的に結合している、一定のタンパク質と炭化水素との結合において一定の平衡状態を生じることができる。この生体分子と支持体の表面との間の結合を安定化するために、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、および水素化ホウ素アミン等のような還元剤(すなわち、安定化剤)を用いてそのイミン部分の後続の還元性のアルキル化を行なうことにより、一定の第二級アミン(−NH−CH2 −R)が形成される。このようにアルデヒド酸化した再生セルロースの傷用包帯に対して結合した止血物質の特徴は結合中にその複合体の止血物質を形成するための諸条件を選択することにより所望の用途に適合するように調整できる。
【0042】
上記のような本発明の実施形態において、トロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリン等のような止血物質は上記傷用包帯の布地の内部において実質的に均質に分散している。このような場合に、アルデヒド酸化した再生セルロース布地をトロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリンの溶液中に浸漬することにより、その傷用包帯の内部において均質な分布状態にすることができる。
【0043】
本発明の特定の実施形態において、上記アルデヒド酸化した再生セルロース布地のトロンビン結合体はさらに水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウム等のような還元剤と反応して一定の第二級アミン結合を形成する。この場合のアルデヒド酸化した再生セルロース布地は所望量のトロンビンの水溶液に浸漬した後に、凍結乾燥処理の前にリン酸塩緩衝液(PH=8)中において再構成した水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムの水溶液に対して反応する。
【0044】
上記アルデヒド酸化した再生セルロース−トロンビンの結合体の還元された形態はその第二級アミン結合の性質により比較的に安定である。この実施形態における止血用の傷用包帯は改善された止血特性、ならびに、高められた安定性を有しており、トロンビンが血流中に移動して深刻な血栓症を生じることなく速やかな止血を行なうことができる。
【0045】
本発明の好ましい実施形態において、上記のトロンビン、フィブリノゲンまたはフィブリン等のような止血物質は、上述したような、メチル・セルロース、ヒドロキシアルキル・セルロース、水溶性キトサン、カルボキシメチル・カルボキシエチル・セルロースの塩、キチン、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、ポリ−N−グルコサミンおよびこれらのアルデヒド酸化した各種誘導体等の一定の非酸性で水溶性または水膨潤性のポリマーの水溶液中において構成されている。この場合のアルデヒド酸化した再生セルロース布地は所望量の止血物質および水溶性または水膨潤性のポリマーの水溶液に浸漬して、治療的な活性を維持する既知の各種方法により速やかに凍結乾燥できる。このように構成されている場合に、上記止血物質は凍結乾燥処理中に形成される上記高分子基材の内部において実質的に均質に分散される。
【0046】
当該技術分野における熟練者であれば、本発明の開示の恩恵を受けた後に、特定の状況および特定の傷用包帯に求められる諸特性に応じて、上記の適当な止血物質、水溶性または水膨潤性のポリマーおよび溶媒、さらに、これらポリマーおよび止血物質の両方の使用量を選択することが可能になる。
【0047】
上記の多孔質で高分子の基材を作成する一例の方法は、上記布地の基材を当該布地の各表面部分において、およびその内部において実質的に均質に溶解したポリマーが配置されるように、適当量のポリマー容積に接触させて、これらのポリマーおよび布地をフラッシュ凍結させた後に、減圧下にその凍結した構造体から溶媒を除去する、すなわち、凍結乾燥処理による方法である。このような新規の多孔質構造の調製に関連する工程は凍結乾燥する適当なポリマーをそのポリマーに対応する適当な溶媒中に溶かして一定の均質なポリマー溶液を調製することである。その後、上記布地をこのポリマー溶液に接触させてそのポリマー溶液により飽和する。この布地の支持体および当該布地の高密度な構造の中に取り込まれたポリマー溶液はその後に一定の凍結処理および真空乾燥処理を受ける。この凍結/乾燥工程の段階において、昇華により溶媒が除去されて、その布地の支持体の上およびその内部に配置されている一定の多孔質のポリマー基材構造が残る。このような好ましい凍結乾燥方法により、上記のような水溶性または水膨潤性のポリマーを含む一定の布地の支持体を備えていて、微孔質(マイクロメートル単位またはナノメートル単位の多孔質)の構造を有する傷用包帯が得られる。上記凍結乾燥処理の諸条件は上記包帯が止血を必要としている一定の傷に供給された後に体液が相互作用できる止血物質の中に一定の大きな基材の表面積を形成するためにその新規な多孔質構造において重要である。
【0048】
上記の凍結乾燥処理中に、止血用の傷用包帯において用いるために適している種々の機械的特性を有する傷用包帯を製造するために数種のパラメーターまたは要因および処置が重要である。このような微孔質構造の特徴は凍結乾燥中にその複合的な止血物質を形成する適当な諸条件を選択することにより一定の所望の用途に適合するように調整できる。このような凍結乾燥中に形成される微孔質の形態の種類は、溶液の熱力学、凍結速度、凍結温度、および溶液の濃度等のような、各種要因の一定の関数である。本発明の多孔質基材の表面積を最大にするために、好ましい方法は上記の布地/ポリマー構造体を0℃よりも低く、好ましくは−50℃に速やかに凍結すること、および高度な減圧下にその溶媒を除去することである。これにより製造される多孔質の基材はその止血用の傷用包帯に対して高度な流体の吸収能力を賦与する。この止血用の傷用包帯が体液に接触すると、そのポリマーの極めて大きな表面積がその体液に対して即時に曝される。さらに、この止血物質の水和力およびこれに続く粘着性でゼラチン質の層の形成がその止血物質と出血部位との間における粘着性の相互作用を生じることに役立つ。このような高分子基材の微孔質構造はさらに上記の水和が生じる前にその布地表面を血液が速やかに通過することを可能にするので、各種の体液に対して接触するポリマーの量が増大する。血液との接触時に酸化セルロース上に一定のゼラチン質のシートが形成されることにより、上記水溶性のゼラチン質の層の密封性が高まり、このことは中程度乃至重度の出血の範囲における速やかな止血に対して重要である。
【0049】
上記布地の支持体は、好ましくは深刻なまたは重度の出血の場合において、有効な止血を行ないこれを維持するために有効な一定の量で上記高分子基材を有している。この布地におけるポリマーの比率が低すぎると、このポリマーは出血を物理的に遮るための一定の有効なシール構造を形成しないので、その止血性が低下する。また、上記の比率が高すぎると、その複合的な止血用の傷用包帯は硬くなり過ぎるか、あるいは、脆くなり過ぎて種々の外科用途においてその傷組織に一致できなくなり、その包帯の配置および操作において一定の医者により取り扱われるために必要な種々の機械的特性に悪影響を及ぼす。また、このような過剰な比率は上記の密封性またはシール性を高めるために重要な酸化セルロースにおけるゼラチン質の層を形成するために血液がその布地の表面を速やかに通過することを妨げる。好ましいポリマーの布地に対する重量比率は約1:99乃至約15:85である。さらに好ましいポリマーの布地に対する重量比率は約3:97乃至約10:90である。
【0050】
本発明の傷用包帯は操作電子顕微鏡により作成されている各図面において最良に例示されている。これらのサンプルは一定の剃刀を用いることにより各種の包帯の1cm2 の断片を切断することにより調製されている。上記第1の表面およびその反対側の第2の表面およびそれぞれの断面の両方の顕微鏡写真が調製されていて、カーボン・ペイントによるカーボン・スタブに取り付けられている。さらに、各サンプルは金スパッター処理されていて、4KVにおいて高真空条件下に走査電子顕微鏡(SEM)により調査されている。
【0051】
図1は上述した繊維の束14として組織化されていて本発明の好ましい実施形態による布地10の中に編み込まれている無被覆状態のカルボキシル酸化した再生セルロース繊維12の断面図(75倍)である。このような布地の市販の一例はサージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と言う吸収性の止血用傷用包帯である。
【0052】
図2は図1の布地の第1の表面部分の図である。個々の繊維12が一定の束の中に示されている。
【0053】
図3は第1の表面部分22および反対側の表面部分24を有する布地20の断面図であり、この布地20はカルボキシメチル・セルロース・ナトリウム(Na−CMC)の溶液により塗布された後に実施例6におけるように空気乾燥処理されている。個々の繊維23も示されている。
【0054】
図4は布地20の表面22の図である。この図において観察されるように、空気乾燥処理の途中で、ポリマー26が凝集して各繊維23に接着し、多くの場合において、これらの繊維23を互いに接着してこの止血用の布地内に大きな気孔28を形成しており、これらの中を通して各種の体液が通過できる。このような布地20の上およびその内部に分散されているポリマー26は一定の多孔質基材の状態ではないので、深刻な出血の場合に止血を行ないこれを維持するために有効なポリマーと体液との間の相互作用を生じるための、例えば、表面積等のような、十分な多孔度において、少なくとも部分的に、欠けていることにより、上述したような深刻な出血の場合に止血を行なえない。
【0055】
図5は上記布地20の反対側の表面部分24の図である。図示のように、この反対側の表面部分24は図4において示されている表面部分22に対してさらに高い濃度のNa−CMCの被覆材料を含んでいて、各繊維23のほとんどが覆われているが、編み状のパタンは依然として識別できる。この被膜は各繊維の全体に広がる程度に十分に厚く、図3において示されているような、完全な状態の層27を形成している。この層は、その被膜に複数クラック29が観察されるように、脆いと思われる。この被膜の層の厚さは一部の部分における約3ミクロン程度の薄い状態から別の部分における約30乃至65ミクロンまで変化している。
【0056】
上記布地20における表面部分22および反対側の表面部分24の表面の形態を比較した場合に、表面部分22が有意差をもって少ないNa−CMCを含有していることが明らかである。また、上記の被膜は反対側の表面部分における被膜よりも各繊維上において有意差をもって薄くなっている。さらに、一部のNa−CMCが一部の繊維の上に広がっていることが観察されるが、この被膜は不完全であり、複数の孔が存在している。この被膜層の厚さは、存在している場合において、約2ミクロンを超えない。
【0057】
図3乃至図5から、空気乾燥処理により調製された布地はその表面部分およびその内部において均質に分散されている一定の多孔質の高分子基材を含まないことが明らかである。従って、これらの布地は深刻な出血の場合に止血を行ないこれを維持することができない。加えて、このような布地は脆く硬いために、各種の傷の部位に一致することができず、医者による取り扱いも不可能であり、一般に深刻な出血の場合に傷用包帯として使用することに適さない。
【0058】
次に、本発明による止血用の布地を図6乃至図9において説明する。図6および図7において示されているように、一定の多孔質のポリマー基材が布地30の表面部分32の上および当該布地の内部においてさらに実質的に均質に分布されている。ポリマー36は編み状の各繊維33に対して一体化している一定の多孔質基材を形成している。この多孔質のポリマー基材は一定のスポンジと同様の様式で毛細管作用による有意義な液体の吸収特性を示す。
【0059】
図8および図9において示されているように、それぞれの表面部分において配置されている基材は約2ミクロン乃至約35ミクロン程度またはそれ以上の大きさの直径の範囲の無数の気孔を含んでいる。図8は布地30表面部分32を示している。既に述べたように、ポリマー36は各繊維33の周りにおいて一定の多孔質基材の形態で存在しているので、十分なポリマーの表面積を形成しており、これにより各種の体液がその表面部分に接触した時に相互作用できる。さらに、図9において示されている反対側の表面部分34もまたポリマー36を各繊維33の周りにおける一定の多孔質基材の形態で含んでいる。
【0060】
上記の図6乃至図9により、本発明の布地および傷用包帯が布地の各表面部分の上およびその布地の内部に実質的に均質に分散されている一定の多孔質のポリマー基材を含んでいることが明らかである。このような基材の多孔質の性質により、各種の体液はこの基材の内部を通過することが可能になり、この場合に、そのポリマーの十分な表面積がこれらの体液に対して相互作用するために存在している。このことにより、特に、出血が多量に速い速度で生じている場合に、比較的に速い高度な止血を行なうことができる。
【0061】
また、上記の図3乃至図5により、比較例の各布地および傷用包帯は当該包帯の表面部分の上またはその布地の内部に分散した一定の多孔質のポリマー基材を含まないことも明らかである。この結果として、各種の体液に対して相互作用するポリマーの量は有意差をもって減少する。加えて、空気乾燥処理中における凝集したポリマー層の形成により、各種の体液はこれらが相互作用して結合することのできる傷用包帯の中に自由に移動することができない。これらの特徴の両方が止血性を低下させ、このような構成の傷用包帯は深刻な出血の場合に止血を行ないこれを維持しない。加えて、このような布地は脆く硬いことが分かっており、一定の医者による一定の傷の部位の中における配置および当該部位に対する一致性が許容できなくなる。
【0062】
図6および図7において示されているように、それぞれの表面部分において配置されているポリマー基材は約10ミクロン乃至約400ミクロン程度の大きさまたはそれ以上の直径の範囲の無数の気孔を含んでいる。図6は布地30の表面部分32を示している。上述したように、ポリマー36は各繊維33の周りにおいて一定の多孔質基材の形態で存在しているので、これにより十分なポリマーの表面積が形成され、体液がこの表面に対する接触時に当該表面に対して相互作用する。さらに、図7において示されている表面部分34もまた各繊維33の周りに分散している一定の多孔質基材の形態でポリマー36を含んでおり、これにより、各繊維と共に一定のスポンジ様のポリマー基材の構造を形成している。
【0063】
図6および図7により、本発明の布地および傷用包帯がその布地の表面部分の上および当該布地の内部において実質的に均質に分散している一定の多孔質の高分子基材を含んでいることが明らかである。このような基材の多孔質の性質により、各種の体液がこの基材の中に通過可能になり、この場合に、そのポリマーの十分な表面積がこれらの体液に対して相互作用するために存在している。これにより、比較的に速い高度な止血が行なえる。
【0064】
本発明によるアルデヒド酸化した再生セルロースにより作成した止血用の傷用包帯が図10乃至図12において示されている。
【0065】
図10において示されているように、ポリマー基材は布地40の表面部分42の上および当該布地の内部において実質的に均一に分布している。ポリマー46は編み状の各繊維43に対して一体化している一定の多孔質のポリマー基材を形成している。このような多孔質のポリマー基材は一定のスポンジと同様の毛細管作用による有意義な液体吸収特性を示す。
【0066】
図11および図12において示されているように、それぞれの表面部分におけるポリマー基材は約10ミクロン乃至約400ミクロン程度の大きさまたはそれ以上の直径の範囲の無数の気孔を含んでいる。図11は布地40の表面部分42を示している。上述したように、ポリマー46は各繊維43の周りに一定の多孔質基材の形態で存在しており、これにより、十分な表面積を形成しており、各種の体液はこの表面に対する接触時に当該表面に対して相互作用できる。さらに、図12において示されている反対側の表面部分44もまた各繊維43の周りに配置されている一定の多孔質基材の形態でポリマー46を含んでおり、これにより、各繊維と共に一定のスポンジ様のポリマー基材構造を形成している。
【0067】
図10乃至図12により、本発明の布地および傷用包帯がその布地の表面部分の上および当該布地の内部において実質的に均質に分散している一定の多孔質の高分子基材を含んでいることが明らかである。このような基材の多孔質の性質により、各種の体液がこの基材の中に通過可能になり、この場合に、そのポリマーの十分な表面積がこれらの体液に対して相互作用するために存在している。これにより、比較的に速い高度な止血が行なえる。
【0068】
上述したように、上記高分子基材の多孔質構造およびその均質性を維持するために、上記傷用包帯を作成する過程においてその布地に対するポリマーの好ましい重量比率および当該布地の表面部分の上およびその内部におけるポリマー溶液の均質な分布を維持してその傷用包帯の上および内部における欠陥部分を回避することが重要である。一定の実験室設備において、このことは、一定の布地の支持体を実験室用の再結晶皿の中のポリマー溶液に接触させて、そのポリマー溶液中においてその布地の支持体の材料を飽和し、さらに、その皿の中の布地および溶液を凍結乾燥して、これらを全てその凍結乾燥装置の中において行なうことにより、容易に達成することができ、この場合に、一定の正確な量の水溶性または水膨潤性のポリマーが上記溶液を調製するために使用可能である。これにより、上記の飽和した布地または皿を凍結乾燥装置の中に移すことが全く必要でなくなる。この結果として、布地上におけるポリマーの一定の均質な分布が達成される。しかしながら、一定の製造設備においては、その比較的に大きな規模により、上記の方法はもはや実行不可能である。その代わりに、上記の溶液による布地の接触および飽和においてこれらの布地およびポリマー溶液を保持するために、例えば、一定のトレイまたは鍋等のような、比較的に大形の容器を使用し、この処理は上記凍結乾燥装置の外部において行われる。その後、この飽和した布地をさらに処理するために凍結乾燥装置の中に移す必要がある。
【0069】
上述したような一定の比較的に大きな規模で本発明の傷用包帯を製造することにおいて特定の問題が付随し、この場合に、この傷用包帯は一定の止血用包帯としての使用に適している機械的特性および止血特性を有する。例えば、上記のポリマー溶液および飽和した布地を入れた容器を凍結乾燥装置の中に移す場合に、その容器を凍結乾燥装置の中に移している間に、例えば、布地に対する溶液の移動または「はね(sloshing)」等のような、動きによりそのトレイ内の布地の上方においてポリマー溶液の一定の高さを維持することが困難になる。また、上記容器の移動中における一部の場合において、上記布地の表面が露出してしまい、その容器内において移動しているポリマー溶液の乱流によりその布地の表面の上およびその内部におけるポリマーの分布状態、特にその表面上のポリマーの分布が不十分になる可能性がある。このことはさらにその傷用包帯の止血特性における作用効果に対して不利益になる。
【0070】
上記布地の上およびその内部における均質な分布を形成するためにその布地を上記ポリマー溶液中に浸漬した状態に維持することを確実にするために凍結乾燥処理の前に布地の表面部分の上方における溶液の高さを維持するためには、一定の過剰量のポリマー溶液を上記容器の中に入れる必要がある。しかしながら、このような方法はこのような過剰量のポリマー溶液が布地に対するポリマーの不所望な重量比率を生じる可能性があるために効果的ではなく、このような不所望な重量比率は結果としてその傷用包帯の柔軟性および当該止血用の傷用包帯の高分子基材における微孔質の構造の損失につながる。
【0071】
上記の問題を解消するために、本発明の方法は、上記布地をポリマー溶液により飽和するために使用する容器からその飽和した布地を凍結乾燥装置の中に移送するために、例えば、一定の移送用のシートまたはキャリヤー等のような、一定の移送支持手段を利用している。しかしながら、凍結乾燥処理後に上記布地の支持体の上およびその内部における多孔質のポリマー基材の均質な分布を維持するためには、その布地に対するポリマー溶液の均質な分布の乱れを最少にするため、および凍結乾燥装置内への移送中における布地の支持体伸びまたは引き裂け等のような変形を最少にするために注意を払う必要がある。加えて、布地を上記支持手段に移す間におけるその布地の支持体と移送支持手段との間における気泡または気孔の形成を実質的に回避してその傷用包帯における許容不可能な多数の欠陥部分を形成しないようにすることが必要である。
【0072】
本発明によれば、上記の方法は上記飽和した布地の支持体を上記移送支持手段に移送するための手段および当該飽和した布地の支持体および支持手段を一定の凍結乾燥装置に移送するための手段を提供する。図13乃至図15において示されているように、同一の参照番号または符号は同一の特徴部分を認識するために用いられており、ポリマー溶液62が容器60の中に入れられている。その後、布地64が容器60の中に入れられて、この布地64を溶液62により飽和するために十分な一定時間の期間にわたり布地64が溶液62の中に浸漬される。次に、飽和した布地の支持体64は当該布地の上およびその内部におけるポリマー溶液の均質な分布が実質的に維持されるように、および当該布地とその支持手段との間に捕捉された空気による欠陥部分の存在が最小になるような様式で容器60から支持手段66の上に移送される。
【0073】
上記飽和した布地64の支持手段66上への移送は気泡がその布地の支持体と支持手段との間から逃避することを可能にするために十分な液圧を形成する様式で達成される。布地64の先端部64bは支持手段66に結合していて、一定の調整された速度で、図示のような連続的な様式で移動するが、気泡の形成を阻止または少なくとも最少にするために、基端部64aが支持手段66により支持されるまで、布地64と支持手段66との間において一定の所望の取付角度68が維持される。これと同時に、このような移送の条件を維持することにより、伸びまたは引き裂け等のような、上記支持体の物理的な変形を阻止または少なくとも最少にすることができる。好ましくは、この布地と支持手段との間における取付角度は約20°乃至約90°の範囲である。さらに好ましくは、この取付角度は約30°乃至約60°の範囲である。さらに好ましくは、この取付角度は約45°である。また、上記布地の支持手段上への進行速度は好ましくは約8インチ(20.3センチメートル)/分乃至約2インチ(5.1センチメートル)/分の範囲である。好ましくは、この移送速度は約7インチ(17.8センチメートル)/分である。
【0074】
上記支持手段は一定の不活性な材料により作成する必要があり、この材料は毒性の化学的な物質または上記傷用包帯の特性を変える可能性のある物質を全く放出しない。さらに、この支持手段が上述した凍結乾燥処理に伴う凍結処理および乾燥処理の種々のパラメーターを変えないことが重要である。それゆえ、この支持手段に対応して使用する材料は冷凍融解の条件下に安定である必要があり、この材料は、好ましくは約−50℃まで、変形することなく極低温度に耐えることができる。この支持手段が低温度において安定でなければ、この手段の変形によりその傷用包帯において欠陥が生じることになる。
【0075】
上記の飽和した布地を移送するために使用する支持手段がその布地の十分な支持を行なうと共に、その飽和した布地の支持体の過剰な屈曲および機械的な変形を回避するための一定の密度、機械的強度、柔軟性および厚さを有していることが重要である。この支持手段が厚すぎて硬質であれば、上記の飽和した布地がその支持手段の上に摺動することが困難になる可能性がある。また、この支持手段が過度に軟質で柔軟である場合には、上記の飽和した布地は過度に屈曲して、伸びまたはその他の機械的な変形を生じる可能性があり、このことはその表面上におけるポリマー溶液の溜まりまたは流動を引き起こし、あるいは、凍結乾燥処理中に表面の欠陥部分を生じる可能性がある。
【0076】
また、上記の布地の支持体を移送するために使用する支持手段はその飽和した布地の支持体の下に気泡が捕捉されることを防止するために一定の滑らかで平坦な表面部分を備えていることも重要である。この移送手段はさらに、凍結乾燥処理後に上記布地の支持体の上およびその内部において上記多孔質のポリマー基材の均質な分布を維持するために、上記布地/ポリマーの構造体の速やかな凍結およびその凍結乾燥中の高真空条件下における溶媒の除去に適している熱伝達効率を有している必要がある。この熱伝達効率とは、速やかな凍結を容易にするために上記支持手段から上記飽和状態の布地に対して熱が速やかに伝達されることを意味する。好ましい支持手段は約50ミル乃至約200ミルの一定の好ましい厚さを有する高密度ポリエチレン・シートである。最も好ましい支持手段は約60ミル乃至約100ミルの一定の好ましい厚さを有する高密度ポリエチレンである。
【0077】
実施例27において説明されている本発明の方法により調製した傷用包帯が図16a乃至図16cにおいて示されている。これらの図において示されているように、傷用包帯50の両方の表面部分52および54において凍結乾燥したポリマーの分布は実質的に均質である。さらに、上記支持手段に接触する表面部分54は捕捉された気泡により生じた欠陥部分を全く含まない。
【0078】
さらに、実施例28および29による比較例の方法により調製した傷用包帯が図17a乃至図17cおよび図18a乃至図18cにおいてそれぞれ示されている。図17a乃至図17cにおいて示されているように、凍結乾燥したポリマーの分布は均質ではなく、その布地の支持手段に対する不適当な移送の結果として存在している、過剰のポリマー72が兵法の表面部分78および79の全体に存在している。また、布地76が過剰なポリマーの蓄積物72の間において見える。加えて、支持手段と表面部分79との間において捕捉された気泡により形成された、複数の欠陥部分74が存在している。
【0079】
同様の結果が図18a乃至18cにおいて示されており、この場合に、布地80はその両方の表面部分88および89において過剰なポリマーの蓄積物82を有している。上記支持手段に接触した表面部分89は欠陥部分84および85も有している。欠陥部分85は支持手段が過度に薄く凍結乾燥中に不安定であることによる。また、布地86が過剰なポリマーの蓄積物82の間に見える。
【0080】
さらに、同様の結果が図19a乃至19cにおいても示されており、この場合に、布地90はその両方の表面部分98および99において過剰なポリマーの蓄積物92を有している。上記支持手段に接触した表面部分99は欠陥部分94も有している。さらに、布地96が過剰なポリマーの蓄積物92の間に見える。
【0081】
上記ポリマー基材を含む布地の支持体が形成されると、その支持体により任意の所望の形状に個別の傷用包帯が形成可能になる。図20において示されているように、幾つかの個別のパッチ92を、例えば、上記布地の支持体により一定の八角形の形状に形成することができる。このような傷用包帯100が図21において示されている。当該技術分野における熟練者であれば本明細書により容易に確かめられるように、一定の傷用包帯としての使用に適している任意の形状が利用可能である。上記の個別の包帯は、例えば、ダイ切断、レーザー切断、またはその包帯の止血特性に悪影響を及ぼさない任意の方法により形成することができる。
【0082】
以下の各実施例は本発明の特定の実施形態をそれぞれ説明しているが、これらは本発明の範囲を限定しているものとして解釈すべきではなく、むしろ、本発明の完全な説明に貢献しているものとして解釈すべきである。
【0083】
実施例1:
カルボキシル酸化した再生セルロース(CORC)/HECの多孔質パッチの調製
1グラムのヒドロキシエチル・セルロース(HEC、アルドリッチ社(Ardrich)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このHEC溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、9.8cmの直径を有する(約1.3グラム)、CORCを基材とする、一片のサージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と言う吸収性の止血物質を上記再結晶皿の中におけるHEC溶液の上に配置した。この布地の溶液中における3分間にわたる浸漬の後に、その皿の中の湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0084】
実施例2:
CORC/CSの多孔質パッチの調製
1グラムの硫酸セルロース(CS、アクロス・オーガニクス社(ACROS Organics)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このCS溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、9.8cmの直径を有する(約1.3グラム)、一片のサージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と言う布地を上記再結晶皿の中におけるCS溶液の上に配置した。この布地の溶液中における3分間にわたる浸漬の後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0085】
実施例3:
CORC/MCの多孔質パッチの調製
1グラムのメチル・セルロース(MS、アルドリッチ社(Aldrich)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このMC溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、9.8cmの直径を有する(約1.3グラム)、一片のサージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と言う布地を上記再結晶皿の中におけるMS溶液の上に配置した。この布地の溶液中における3分間にわたる浸漬の後に、その皿の中の湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0086】
実施例4:
CORC/水溶性キトサン(WS−CH)の多孔質パッチの調製
1グラムのWS−CHを99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このWS−CH溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、9.8cmの直径を有する(約1.3グラム)、一片のサージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と言う布地を上記再結晶皿の中におけるWS−CH溶液の上に配置した。この布地の溶液中における3分間にわたる浸漬の後に、その皿の中の湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0087】
実施例5:
CORC/Na−CMCの多孔質パッチの調製
1グラムのCMCのナトリウム塩(Na−CMC、アクアロン社(Aqualon)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このNa−CMC溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、9.8cmの直径を有する(約1.3グラム)、一片のサージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と言う布地を上記再結晶皿の中におけるCMC溶液の上に配置した。この布地の溶液中における3分間にわたる浸漬の後に、その皿の中の湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0088】
比較例6:
CORC/Na−CMCのフィルムの調製
1グラムのCMCのナトリウム塩(Na−CMC、アクアロン社(Aqualon)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このNa−CMC溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、9.8cmの直径を有する(約1.3グラム)、一片のサージセルNu−ニット(Surgicel Nu-Knit)(登録商標)と言う布地を上記再結晶皿の中におけるNa−CMC溶液の上に配置した。その後、この皿の中の湿潤状態の布地を一晩にわたり空気乾燥した。硬質で脆いパッチが形成された。このCORC/Na−CMCのフィルムをさらに真空条件下において室温で乾燥した。このフィルムは過度に硬く出血部位に対して十分に一致できないために止血物質として有効ではなかった。
【0089】
実施例7:
Na−CMCの多孔質パッチの調製
1グラムのCMCのナトリウム塩(Na−CMC、シグマ社(Sigma)からの中程度粘度品)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このNa−CMC溶液の内の60グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。この皿の中の溶液を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、一定のスポンジ体が形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0090】
実施例8:
ブタ脾臓切開モデルにおける異なる材料の止血性能
ブタの脾臓の切開モデルを異なる材料の止血評価において用いた。各材料を2.5cm×1.5cmの長方形に切断した。0.3cmの深さの1.5cmの線形の切開部分をブタの脾臓に一定の外科用ブレードを用いて作成した。この試験品の供給後に、指によるタンポン挿入を2分間にわたり上記の切開部分に行なった。その後、止血について評価した。さらに、完全な止血が達成されるまで、それぞれ30秒間の指による付加的なタンポン挿入を行なった。この場合に、12分以内に止血を行なうことのできない布地を無効と見なした。表2はこの評価結果を示している。
【表2】
Figure 2004290649
【0091】
上記の各結果により示されているように、溶媒を除去するための手段として凍結乾燥処理を用いて調製した各種の傷用包帯はそれぞれの止血用の布地の止血特性を改善しているが、空気乾燥処理による方法はその止血用の布地の止血特性を改善していない。加えて、凍結乾燥処理したNa−CMCのスポンジ体のみもまた止血を達成することができない。
【0092】
実施例9:
ブタ脾臓動脈穿刺モデルにおける実施例5(CORC/Na−CMC)の止血特性
18ゲージの針により一定のブタ脾臓動脈に一定の孔あけ欠損部分を作成した。この針を除去した後に、重度の出血を観察した。一定の試験品(2.5cm×2.5cm)をこの穿刺部位の上に供給した。さらに、指による加圧を2分間にわたりその試験片に対して行なった。この止血特性を評価した。これらの観察結果が表3において示されている。
【表3】
Figure 2004290649
【0093】
実施例10:
30秒間のタンポン挿入を伴うブタ脾臓切開モデルにおける異なる材料の止血性能
ブタの脾臓の切開モデルを異なる材料の止血評価において用いた。各材料を2.5cm×1.5cmの長方形に切断した。0.3cmの深さの1.5cmの線形の切開部分をブタの脾臓に一定の外科用ブレードを用いて作成した。この試験品の供給後に、指によるタンポン挿入を30秒間にわたり上記の切開部分に行なった。その後、止血について評価した。さらに、完全な止血が達成されるまで、それぞれ30秒間の指による付加的なタンポン挿入を行なった。表4はこの評価結果を示している。
【表4】
Figure 2004290649
【0094】
実施例11:
ブタ脾臓クロス−ハッチ・モデルにおける異なる材料の止血性能
ブタの脾臓のクロス−ハッチ・モデルを異なる材料の止血評価において用いた。各材料を3cm×3cmの正方形に切断した。一定の外科的欠損部分(2cm×2cm、0.2cmの深さ)をブタの脾臓に一定の外科用ブレードを用いて作成した。さらに、3個の付加的な等間隔で横並びの水平方向の切開部分および3個の付加的な等間隔で横並びの垂直方向の切開部分を上記欠損部分の中に作成することにより付加的な出血を誘発した。この試験品の供給後に、指によるタンポン挿入を2分間にわたり上記の切開部分に行なった。その後、止血について評価した。さらに、完全な止血が達成されるまで、それぞれ30秒間の指による付加的なタンポン挿入を行なった。表5はこの評価結果を示している。
【表5】
Figure 2004290649
【0095】
実施例12:
編み状のアルデヒド酸化した再生セルロース(AORC)布地の調製
まだ酸化されていない本明細書において説明されているような一片の15.8gの編み状のレーヨン布地を1.5インチ(3.8センチメートル)幅の布片に切断した。この布片を一定のマンドレルに巻き付けて600mlの水性イソプロピル・アルコール(IPA)(200mlのIPA/400mlの脱イオン(DI)水)の中に吊り下げた。次に、20.8gの過ヨウ素酸ナトリウム(アルドリッチ社(Aldrich)、ミルウォーキー、53201)を上記の溶液中に溶かして(1:1のモル比率)、上記マンドレルを周囲温度で21時間にわたり上記溶液中において適度な回転速度で回転した。なお、この布地の酸化は暗所中において行なうことが不可欠である。この溶液のpH値は3.8であった。この溶液を上記の反応後に廃棄した。その後、上記マンドレルを酸化した布地と共に50mlのエチレン・グリコールを含む1リットルの冷温の脱イオン水中において30分間にわたり洗浄した。さらに、このマンドレルを15分間にわたり水性IPA(50/50)により洗浄した後に、15分間にわたり純粋なIPAにより洗浄した。この布地を数時間にわたり周囲空気中において乾燥した。
【0096】
その後、上記の酸化した布地を以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0097】
実施例13:
水溶性のアルデヒド酸化したメチル・セルロース(AOMC)の調製
100gの5%メチル・セルロース(MC、平均分子量:63kD、ロット番号:06827ES、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ社(Aldrich)から)の水溶液を3gの過ヨウ素酸(アルドリッチ社(Aldrich)、ミルウォーキー、53201)と混合した後に、暗所中において周囲温度で5時間にわたり攪拌した。その後、1.5mlのエチレン・グリコールをこの反応溶液に加えて30分間にわたり攪拌した。さらに、2000mlのアセトンをこの反応溶液中に徐々に加えてAOMCを沈殿させた。この反応混合物を20乃至30分間にわたり放置して、その液相を固相から分離した。この上澄み液を除去して、固相を遠心処理することにより固形物を沈殿させた。この固形の沈殿物を一晩にわたり100mlのDI水中に溶解して、さらに72時間にわたり透析を行なった。この最終的な湿潤状態の混合物を凍結乾燥して一定のスポンジ/発泡体を形成した。
【0098】
実施例14:
水溶性のアルデヒド酸化したヒドロキシエチル・セルロース(AOHC)の調製
100gの5%ヒドロキシエチル・セルロース(HEC、平均分子量:720kD、ロット番号:02808DU、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ社(Aldrich)から)の水溶液を3gの過ヨウ素酸(アルドリッチ社(Aldrich)、ミルウォーキー、53201)と混合した後に、暗所中において周囲温度で5時間にわたり攪拌した。その後、1.5mlのエチレン・グリコールをこの反応溶液に加えて30分間にわたり攪拌した。さらに、2000mlのアセトンをこの反応溶液中に徐々に加えてAOHCを沈殿させた。この反応混合物を20乃至30分間にわたり放置して、その液相を固相から分離した。この上澄み液を除去して、固相を遠心処理することにより固形物を沈殿させた。この固形の沈殿物を一晩にわたり100mlのDI水中に溶解して、さらに72時間にわたり透析を行なった。この最終的な湿潤状態の混合物を凍結乾燥して一定のスポンジ/発泡体を形成した。
【0099】
実施例15:
AORC/HECの多孔質パッチの調製
1グラムのヒドロキシエチル・セルロース(HEC、ロット番号:GI01、日本国、東京のTCI社(TCI)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このHEC溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、一片のAORC布地(約1.3グラム)を上記再結晶皿の中におけるHEC溶液の上に配置した。この布地の溶液中における3分間にわたる浸漬の後に、その皿の中の湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。その後、このAORC/HECのパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0100】
実施例16:
AORC/CSの多孔質パッチの調製
1グラムの硫酸セルロース(CS、ロット番号:A013801301、ニュージャージー州のアクロス・オーガニクス社(ACROS Organics)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このCS溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、一片のAORC布地(約1.3グラム)を上記再結晶皿の中におけるCS溶液の上に配置した。この布地の溶液中における3分間にわたる浸漬の後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0101】
その後、上記のAORC/CSのパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0102】
実施例17:
AORC/MCの多孔質パッチの調製
1グラムのメチル・セルロース(MC、平均分子量:63kD、ロット番号:06827ES、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ社(Aldrich)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このMC溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、一片のAORC布地(約1.3グラム)を上記再結晶皿の中におけるMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0103】
その後、上記のAORC/MSのパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0104】
実施例18:
AORC/CMC−Naの多孔質パッチの調製
1グラムのカルボキシメチル・セルロースのナトリウム塩(CMC−Na、品種番号:7M8SF、ロット番号:77521、デラウエア州、ウィルミントンのアクアロン社(Aqualon)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このNa−CMC溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、一片のAORC布地(約1.3グラム)を上記再結晶皿の中におけるCMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0105】
その後、上記のAORC/CMC−Naのパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0106】
実施例19:
AORC/CMC−Naの多孔質パッチの調製
1グラムのカルボキシメチル・セルロースのナトリウム塩(CMC−Na、品種番号:7H4F、ロット番号:79673、デラウエア州、ウィルミントンのアクアロン社(Aqualon)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このNa−CMC溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、一片のAORC布地(約1.3グラム)を上記再結晶皿の中におけるCMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0107】
その後、上記のAORC/CMC−Naのパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0108】
実施例20:
AORC/HECの多孔質パッチの調製
1グラムのヒドロキシエチル・セルロース(HEC、平均分子量:720kD、ロット番号:02808DU、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ社(Aldrich)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このHEC溶液の内の10グラムを10cmの直径を有する一定の再結晶皿の中に移した。次に、一片のAORC布地(約1.3グラム)を上記再結晶皿の中におけるCMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。この結果、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0109】
その後、上記のAORC/HECのパッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0110】
実施例21:
AORC/HEC/トロンビンの多孔質パッチの調製
1グラムのヒドロキシエチル・セルロース(HEC、平均分子量:720kD、ロット番号:02808DU、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ社(Aldrich)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このHEC溶液の内の20mlを用いて一定のビンの中においてトロンビンを再構成した(20,000単位)。この曇った溶液の2.5mlを一定の再結晶皿の中に移した。一
(約1グラム)を上記再結晶皿の中のMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり上記溶液中に浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。これにより、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0111】
その後、上記のAORC/MC/トロンビンの多孔質パッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0112】
実施例22:
AORC/MC/トロンビンの多孔質パッチの調製
1グラムのメチル・セルロース(MC、平均分子量:63kD、ロット番号:06827ES、ウィスコンシン州、ミルウォーキーのアルドリッチ社(Aldrich)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このMC溶液の内の20mlを用いて一定のビンの中においてトロンビンを再構成した(20,000単位)。この曇った溶液の2.5mlを一定の再結晶皿の中に移した。一片のAORC布地(約1グラム)を上記再結晶皿の中のMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり上記溶液中に浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。これにより、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0113】
その後、上記のAORC/MC/トロンビンの多孔質パッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0114】
実施例23:
AORC/AOMC/トロンビンの多孔質パッチの調製
1グラムの実施例13によるAOMCを99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このAOMC溶液の内の20mlを用いて一定のビンの中においてトロンビンを再構成した(20,000単位)。この曇った溶液の2.5mlを一定の再結晶皿の中に移した。一片のAORC布地(約1グラム)を上記再結晶皿の中のAOMC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり上記溶液中に浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。これにより、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0115】
実施例24:
AORC/AOHEC/トロンビンの多孔質パッチの調製
実施例3と同様に合成した1グラムのAOHEC(分子量=90kD、アルドリッチ社(Aldrich)から)を99グラムの脱イオン水中に溶解した。このポリマーを完全に溶解した後に、このAOHEC溶液の内の20mlを用いて一定のビンの中においてトロンビンを再構成した(20,000単位)。この曇った溶液の2.5mlを一定の再結晶皿の中に移した。一片のAORC布地(約1グラム)を上記再結晶皿の中のAOHEC溶液の上に配置した。この布地を3分間にわたり上記溶液中に浸漬した後に、その湿潤状態の布地を一晩にわたり凍結乾燥した。これにより、極めて柔軟なパッチが形成された。このパッチをさらに真空条件下において室温で乾燥した。
【0116】
その後、上記のAORC/AOHEC/トロンビンの多孔質パッチを以下において説明されているように止血について評価した。これらの結果が表6において示されている。
【0117】
実施例25:
ブタ脾臓切開モデルにおける異なる材料の止血性能
ブタの脾臓の切開モデルを異なる材料の止血評価において用いた。各材料を2.5cm×1.5cmの長方形に切断した。0.3cmの深さの1.5cmの線形の切開部分をブタの脾臓に一定の外科用ブレードを用いて作成した。この試験品の供給後に、指によるタンポン挿入を2分間にわたり上記の切開部分に行なった。その後、止血について評価した。さらに、完全な止血が達成されるまで、それぞれ30秒間の指による付加的なタンポン挿入を行なった。この場合に、12分以内に止血を行なうことのできない布地を無効と見なした。表6はこの評価結果を示している。
【0118】
実施例26:
30秒間のタンポン挿入を伴うブタ脾臓切開モデルにおける異なる材料の止血性能
ブタの脾臓の切開モデルを異なる材料の止血評価において用いた。各材料を2.5cm×1.5cmの長方形に切断した。0.3cmの深さの1.5cmの線形の切開部分をブタの脾臓に一定の外科用ブレードを用いて作成した。この試験品の供給後に、指によるタンポン挿入を30秒間にわたり上記の切開部分に行なった。その後、止血について評価した。さらに、完全な止血が達成されるまで、それぞれ30秒間の指による付加的なタンポン挿入を行なった。表6はこの評価結果を示している。
【表6】
Figure 2004290649
【0119】
上記の結果により示されているように、本発明の傷用包帯は有効な止血を達成している。特に、比較的に高い分子量の水溶性のポリマー(CMC−NaおよびHEC)を用いる場合に、対応するパッチは比較的に良好な止血に要する時間を達成している。さらに、上記の結果により示されているように、包帯に結合している、例えば、トロンビン等の止血物質を含む本発明の傷用包帯はさらに速い止血に要する時間を達成している。
【0120】
実施例27:
本発明によるCORC/Na−CMCの傷用包帯の調製
410グラムのCMCのナトリウム塩(Na−CMC、アクアロン社(Aqualon)から)を41リットルの無菌水中に溶解して一定の保持用のトレイに移した。本明細書において説明されているような編み状のCORC布地の一片を7インチ(17.8センチメートル)×7インチ(約6グラム)に切断して、注意してトレイ中のNa−CMC溶液の中に入れ、あらゆる気泡の捕捉を回避するように注意した(Na−CMC溶液:編み状のCORC布地は15:1である)。この布地を1乃至3分間にわたり上記ポリマー溶液中に浸漬した。その後、この飽和した布地の一端部を最少の伸びを伴うように注意して移動して、一定の柔軟な高密度ポリエチレン・シート(10インチ(25.4センチメートル)×14インチ(35.6センチメートル)×0.0133インチ(0.34ミリメートル))の上に配置してこの飽和した布地および支持シートの各エッジ部分を結合した。これらの結合したエッジ部分を一定に保持して、両方の支持シートおよび布地を一定の速度で連続的に一体に前方に移動すると共に、このシートと布地の間の取付角度を約45度またはそれ以下に維持して、この飽和した布地と支持シートとの間に捕捉される可能性のあるあらゆる気泡を排除するための十分な水圧をこの飽和した布地から支持シートに対して発生した。この飽和した布地が完全に支持シート上に移された後に、上部にその飽和した布地を配置した支持シートを約−50℃の温度でユシフロイド(Usifroid)(モデル番号:SMH1575、製造番号:16035)凍結乾燥装置の棚の上に配置した。その後、この支持シート上の凍結した飽和状態の布地を一定の完全な凍結乾燥処理工程にかけた。この結果、この布地の上およびその内部において実質的に均質なNa−CMCの分布を有する一定の柔軟なパッチが形成された。さらに、このパッチを包装する前に4時間にわたり50℃で乾燥した。
【0121】
実施例28:
ORC/Na−CMCの比較例の傷用包帯の調製
410グラムのCMCのナトリウム塩(Na−CMC、アクアロン社(Aqualon)から)を41リットルの無菌水中に溶解して一定のトレイに移した。本明細書において説明されているような編み状のCORC布地の一片を7インチ(17.8センチメートル)×7インチ(約6グラム)に切断して、あらゆる気泡を捕捉しないように注意してトレイ中のNa−CMC溶液の上に配置した(Na−CMC溶液:編み状のCORC布地は15:1である)。この布地を1乃至3分間にわたり浸漬して上記ポリマー溶液中によりこの布地を飽和した。この布地が飽和した直後に、この飽和した布地をその容器および溶液から引き上げて、上記実施例27において用いた同一の種類の柔軟な高密度ポリエチレン支持シートの上に手により置いた(10インチ(25.4センチメートル)×14インチ(35.6センチメートル)×0.0133インチ(0.34ミリメートル))。その後、上部に飽和した布地を置いたこの支持シートを約−50℃の温度でユシフロイド(Usifroid)(モデル番号:SMH1575、製造番号:16035)凍結乾燥装置の棚の上に配置した。その後、この支持シート上の凍結した飽和状態の布地を一定の完全な凍結乾燥処理工程にかけた。この結果、捕捉された気泡および布地におけるNa−CMCの不均一な分布により生じた欠陥部分を有する柔軟なパッチが形成された。
【0122】
実施例29:
CORC/Na−CMCの比較例の傷用包帯の調製
410グラムのCMCのナトリウム塩(Na−CMC、アクアロン社(Aqualon)から)を41リットルの無菌水中に溶解して一定のトレイに移した。本明細書において説明されているような編み状のCORC布地の一片を7インチ(17.8センチメートル)×7インチ(約6グラム)に切断して、あらゆる気泡を捕捉しないように注意してトレイ中のNa−CMC溶液の上に置いた(Na−CMC溶液:編み状のCORC布地は15:1である)。この布地を1乃至3分間にわたり浸漬して自然に上記ポリマー溶液により飽和した。この布地が飽和した直後に、この飽和した布地をその容器および溶液から引き上げて、一定の柔軟な高密度ポリエチレンの薄いフィルム上に手により移した。その後、このHDPEの薄いフィルム上の布地を約−50℃の温度でユシフロイド(Usifroid)(モデル番号:SMH1575、製造番号:16035)凍結乾燥装置の棚の上に配置した。この薄いフィルム(0.005インチ(0.13ミリメートルよりも薄い厚さ)の上の凍結した飽和状態の布地を一定の完全な凍結乾燥処理工程にかけた。この結果、捕捉された気泡および編み状のCORC布地におけるNa−CMCの不均一な分布を伴う極めて柔軟なパッチが形成された。加えて、凍結乾燥中の薄いフィルムの不安定性による「線(lines)」の形成において欠陥部分が存在していることに気づいた。
【0123】
実施例30:
ブタ脾臓切開モデルにおける異なる材料の止血性能
一定の標準物として標準的な止血用の傷用包帯を用いて、上記実施例27乃至29により調製した各傷用包帯の止血評価において一定のブタ脾臓の切開モデルを用いた。各材料を2.5cm×1.5cmの長方形に切断した。0.3cmの深さの1.5cmの線形の切開部分をブタの脾臓に一定の外科用ブレードを用いて作成した。この試験品の供給後に、指によるタンポン挿入を2分間にわたり上記の切開部分に行なった。その後、止血について評価した。さらに、完全な止血が達成されるまで、それぞれ30秒間の指による付加的なタンポン挿入を行なった。この場合に、約100%の試験品が3分以内に止血を達成することを良好な止血効力を示すことと見なした。表7はこの評価結果を示している。
【表7】
Figure 2004290649
【0124】
上記の表7により示されているように、本発明の方法により調製した止血用の傷用包帯は比較的に速やかに止血を行なうが、比較例の各方法により調整した包帯は(本発明の傷用包帯と)同様に速やかな止血を行なうことはできない。
【0125】
実施例31:
水溶性のオリゴ糖類についての分析方法
150.0mgの分析するための調整した布地の支持体を約0.5インチ(1.3センチメートル)×2インチ(5.1センチメートル)に切断して、一定の試験管の中に入れた。この試験管を約30mlの蒸留水または脱イオン水により充たして、一定のストッパーをこの試験管に備えた。その後、この試験管を約17乃至18時間にわたり70℃において保管した。この支持体のサンプルを粗いまたは中程度の多孔度のフリット状の円板を有する一定のガラス製のるつぼを通して濾過した。この水溶性のオリゴ糖を含有している濾液を予め秤量したアルミニウムの皿の上に移して、乾燥するまで蒸発させた。この残留物を五酸化リンを入れた一定のデシケーターの中において冷却して秤量した。この水溶性のオリゴ糖の含有量は以下の式により計算できる。
%水溶性オリゴ糖含有量=[(Bf)/Wt]×100
この場合に、Bfは水溶性のオリゴ糖(濾液)の重量であり、Wtは残留物および濾液の全体の重量である。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は一定の繊維の布地の支持体を備えている止血用の傷用包帯を作成する方法に適用可能であり、この方法は一定のポリマーに対応する溶媒中に溶解している一定の水溶性または水膨潤性で生体相容性のポリマーを含む一定のポリマー溶液を供給する工程、第1の表面部分および当該第1の表面部分と反対側の第2の表面部分を有する一定の布地の支持体を供給する工程を含み、この布地の支持体が一定の止血物質として使用するために有効な諸特性を有していて、一定の生体相容性のポリマーにより調製されている繊維により構成されており、さらに上記方法は、上記布地の支持体を上記ポリマー溶液に対して当該布地の第1および第2の各表面部分およびその内部において上記ポリマー溶液が実質的に均質に分布するために有効な諸条件下において接触させる工程、上記ポリマー溶液が内部において実質的に均質に分布している上記布地の支持体を当該布地の支持体の上およびその内部において均質に分布している状態を維持するために有効な諸条件下において一定の凍結乾燥装置に移す工程、上記ポリマー溶液が内部において分布している上記布地の支持体を凍結する工程、および上記布地の支持体から溶媒を除去することにより、当該布地の支持体の第1および第2の各表面部分およびその内部において実質的に均質に分布している一定の多孔質のポリマー基材を形成する工程を含み、この基材は上記水溶性または水膨潤性のポリマーを含んでいる。さらに、本発明は上記方法により調製される傷用包帯にも適用可能である。
【0127】
本発明の具体的な実施態様は以下のとおりである。
(1)前記水溶性または水膨潤性のポリマーが多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレン・オキシド)、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、脂質を含む各種ポリマーから成る群から選択される請求項1に記載の方法。
(2)前記水溶性または水膨潤性のポリマーが一定の多糖類である実施態様(1)に記載の方法。
(3)前記多糖類がセルロース、セルロース誘導体、キチン、カルボキシメチル・キチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、アルギネート、アルギン酸、プロピレン・グリコール・アルギネート、グリコーゲン、デキストラン、硫酸デキストラン、カルドラン(curdlan)、ペクチン、プルラン、キサンタン、コンドロイチン、硫酸コンドロイチン、カルボキシメチル・デキストラン、カルボキシメチル・キトサン、ヘパリン、硫酸ヘパリン、ヘパラン、硫酸ヘパラン、硫酸デルマタン、硫酸ケラタン、カラジーナン、キトサン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、ポリ−N−グルコサミン、ポリマンヌロン酸、ポリグルクロン酸、ポリグルロン酸(polyguluronic acid)、およびこれらの誘導体から成る群から選択される実施態様(2)に記載の方法。
(4)前記多糖類がカルボキシメチル・セルロース・ナトリウムを含む実施態様(3)に記載の方法。
(5)前記傷用包帯における前記布地に対する前記カルボキシメチル・セルロース・ナトリウムの比率が約1:99乃至約20:80である実施態様(4)に記載の方法。
【0128】
(6)前記生体相容性の繊維がコラーゲン、アルギン酸カルシウム、キチン、ポリエステル、ポリプロピレン、多糖類、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリヌクレオチド、ポリ核酸、ポリペプチド、タンパク質、ポリ(アルキレン・オキシド)、ポリアルキレン、ポリチオエステル、ポリチオエーテル、ポリビニル、脂質を含む各種ポリマーを含む請求項1に記載の方法。
(7)前記生体相容性のポリマーが一定の酸化した多糖類を含む実施態様(6)に記載の方法。
(8)前記生体相容性のポリマーが酸化した再生セルロースを含む実施態様(7)に記載の方法。
(9)前記酸化した再生セルロースがアルデヒド酸化した再生セルロースを含む実施態様(8)に記載の方法。
(10)前記酸化した再生セルロースがカルボキシル酸化した再生セルロースを含む実施態様(8)に記載の方法。
【0129】
(11)前記生体相容性のポリマーがカルボキシル酸化した再生セルロースを含む実施態様(5)に記載の方法。
(12)前記布地の支持体を前記ポリマー溶液に接触させる前に、当該布地の支持体を約1時間乃至約48ヶ月の一定時間にわたり、約10%乃至約90%の一定の相対湿度において、約4℃乃至約90℃の一定温度に曝す実施態様(11)に記載の方法。
(13)前記支持体の布地を約72時間乃至約366時間の一定時間にわたり、約60%乃至約80%の一定の相対湿度において、約18℃乃至約50℃の一定温度に曝す実施態様(12)に記載の方法。
(14)前記支持体の布地を約168時間の一定時間にわたり、約70%の一定の相対湿度において、約50℃の一定温度に曝す実施態様(13)に記載の方法。
(15)前記接触させる工程が前記ポリマー溶液および前記布地の支持体を内部に配置している一定の容器の中において行なわれる請求項1に記載の方法。
【0130】
(16)前記ポリマー溶液が内部において実質的に均質に分布している前記布地の支持体を移す工程が当該ポリマー溶液が内部において実質的に均質に分布している布地の支持体を一定の支持手段の上に移して当該布地を上部に置いている支持手段を前記凍結乾燥装置の中に配置することにより行われ、当該支持手段が前記の移送および凍結乾燥において前記布地の支持体の物理的な変形を実質的に阻止するために有効な諸特性を有している請求項1に記載の方法。
(17)前記支持手段が一定のポリマーを含む実施態様(16)に記載の方法。
(18)前記支持手段が約50ミル(1.27mm)乃至約200ミル(5.08mm)の一定の厚さを有する一定の高密度ポリエチレンのシートを含む実施態様(17)に記載の方法。
(19)前記支持手段が約60ミル(1.52mm)乃至約150ミル(3.81mm)の一定の厚さを有する一定の高密度ポリエチレンのシートを含む実施態様(18)に記載の方法。
(20)前記ポリマー溶液が内部において実質的に均質に分散している前記布地の支持体が約8インチ(20.3cm)/分乃至約2インチ(5.1cm)/分の一定速度で前記支持手段の上に移されて、これら布地の支持体と支持手段との間の取付角度が約20°乃至約90°の範囲になるように、当該支持手段に対して接触する実施態様(16)に記載の方法。
(21)前記移送速度が約7インチ(17.8cm)/分であり、前記取付角度が約45°である実施態様(20)に記載の方法。
(22)さらに、前記傷用包帯を、前記多孔質の高分子基材が前記支持体の第1および第2の各表面部分およびその内部に実質的に均質に分散している前記布地の支持体から、一定の所望の形状に形成する工程を含む請求項1に記載の方法。
(23)請求項1に記載の方法に従って調製した傷用包帯。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】一定の比較例の傷用包帯の断面の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図2】一定の比較例の傷用包帯における第1の表面部分の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図3】一定の比較例の傷用包帯の断面の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図4】一定の比較例の傷用包帯における第1の表面部分の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図5】一定の比較例の傷用包帯における第2の反対側の表面部分の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図6】本発明の一定の傷用包帯の断面の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図7】本発明の一定の傷用包帯の断面の走査電子顕微鏡画像(150倍)の写真図である。
【図8】本発明の一定の傷用包帯における第1の表面部分の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図9】本発明の一定の傷用包帯における第2の反対側の表面部分の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図10】本発明の一定の傷用包帯の断面の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図11】本発明の一定の傷用包帯における第1の表面部分の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図12】本発明の一定の傷用包帯における第2の反対側の表面部分の走査電子顕微鏡画像(75倍)の写真図である。
【図13】ポリマー溶液から一定の移送支持手段への飽和状態の布地の移送状態の上面図である。
【図14】ポリマー溶液から一定の移送支持手段への飽和状態の布地の移送状態の側面図である。
【図15】ポリマー溶液から一定の移送支持手段への飽和状態の布地の移送状態の側面図である。
【図16】(A)は、本発明の方法に従って調製した一定の傷用包帯における第1の表面部分の平面図であり、(B)は、本発明の方法に従って調製した一定の傷用包帯における第2の表面部分の平面図であり、(C)は、本発明の方法に従って調製した一定の傷用包帯における線16C−16Cに沿って見た場合の拡大した部分的な側面図である。
【図17】(A)は、一定の比較例の方法により調製した一定の傷用包帯における第1の表面部分の平面図であり、(B)は、一定の比較例の方法により調製した一定の傷用包帯における第2の表面部分の平面図であり、(C)は、一定の比較例の方法により調製した一定の傷用包帯における線17C−17Cに沿って見た場合の拡大した部分的な側面図である。
【図18】(A)は、一定の比較例の方法により調製した一定の傷用包帯における第1の表面部分の平面図であり、(B)は、一定の比較例の方法により調製した一定の傷用包帯における第2の表面部分の平面図であり、(C)は、一定の比較例の方法により調製した一定の傷用包帯における線18C−18Cに沿って見た場合の拡大した部分的な側面図である。
【図19】(A)は、一定の比較例の傷用包帯における第1の表面部分の平面図であり、(B)は、一定の比較例の傷用包帯における第1の表面部分の平面図である、(C)は、一定の比較例の傷用包帯における線19C−19Cに沿って見た場合の拡大した部分的な側面図である。
【図20】本発明における一定の布地を含む傷用包帯の表面の平面図である。
【図21】図20において示されている本発明の一定の傷用包帯における一定の分離している要素の斜視図である。
【符号の説明】
【0132】
10 布地
12 カルボキシル酸化した再生セルロース
14 繊維の束
30 布地
32 表面部分
33 編み状の繊維
34 反対側の表面部分
36 ポリマー

Claims (1)

  1. 一定の止血用の傷用包帯を製造するための方法において、
    一定のポリマーに対応する溶媒中に溶解している一定の水溶性または水膨潤性で生体相容性のポリマーを含む一定のポリマー溶液を供給する工程、
    第1の表面部分および当該第1の表面部分と反対側の第2の表面部分を有する一定の布地の支持体を供給する工程を含み、当該布地が一定の止血物質として使用するために有効な諸特性を有していて、一定の生体相容性のポリマーにより調製されている繊維により構成されており、さらに、前記方法が、
    前記布地の支持体を前記ポリマー溶液に対して当該布地の第1および第2の各表面部分およびその内部において前記ポリマー溶液が実質的に均質に分布するために有効な諸条件下において接触させる工程、
    前記ポリマー溶液が内部において実質的に均質に分布している前記布地の支持体を当該布地の支持体の上およびその内部において均質に分布している状態を維持するために有効な諸条件下において一定の凍結乾燥装置に移す工程、および
    前記ポリマー溶液が内部において分布している前記布地の支持体を凍結乾燥する工程を含み、
    これにより、前記布地の支持体の第1および第2の各表面部分およびその内部において実質的に均質に分布している一定の多孔質のポリマー基材が形成され、当該基材が前記水溶性または水膨潤性のポリマーを含む方法。
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