JP2004290092A - 焼菓子とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発芽穀物に対して稲若葉の粉末または/およびアブラナ科植物の葉の粉末をまぶした後に、粉末がまぶされた発芽穀物を焼成することにより、発芽穀物に存在しない、または含有量が極めて僅少な繊維、食物繊維などの栄養価を付加することができ、また発芽穀物と稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉との双方を粉末にしないので、管理および工程が簡単で、かつ食感を確保することができ、しかも、焼成時における粉末のミネラルやビタミン等の分解を可及的防止することができる焼菓子とその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】発芽穀物に対して稲若葉粉末とアブラナ科植物の葉の粉末との少なくとも何れか一方をまぶす粉末付着工程c2と、上記粉末がまぶされた発芽穀物を焼成して所定形状に成形する焼成工程c5とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】発芽穀物に対して稲若葉粉末とアブラナ科植物の葉の粉末との少なくとも何れか一方をまぶす粉末付着工程c2と、上記粉末がまぶされた発芽穀物を焼成して所定形状に成形する焼成工程c5とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発芽玄米やその他の発芽穀物を材料として用いて形成される焼菓子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発芽穀物はその発芽によって、リンが供給され、リン酸酵素が働いて、フィチン酸が、リン酸とイノシトールとに分解され、蛋白質はアミノ酸に、脂肪は必須脂肪酸に、澱粉は糖に、ミネラルはアミノ酸と結びついた形に変わり、身体に対して吸収されやすくなり、かつ、亜鉛などのミネラル類やビタミンが数倍に増え、特に澱粉が糖に変わることで、別途加糖処理を施す必要がなくなることが知られている。
【0003】
そこで、本願発明者等は発芽穀物を加熱、加圧して所定形状に成形することにより、焼菓子を製造する方法を既に発明した(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−41582号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の焼菓子の製造方法によれば、自然の甘味をもった焼菓子を製造することができると共に、穀物がもっている栄養分を身体に対して吸収されやすい状態と成すことができる利点がある。
しかし、発芽穀物は繊維や食物繊維が充分に含まれていない。
【0006】
そこで、発芽穀物を材料とする焼菓子に対して、該発芽穀物に含まれていない栄養価または含有量が極めて僅少な栄養価を補充するためには、ケールや稲若葉を混合することが考えられるが、この場合、発芽穀物とケールおよび稲若葉との双方を粉末に加工すると、加工に手間がかかるうえ、管理および工程が複雑化し、しかも、製造された焼菓子の食感が劣化する問題点があった。
【0007】
一方、発芽穀物に対して単にケールや稲若葉を混合すると、混合状態が不均一になるうえ、約200〜280℃で焼菓子に焼成する加熱、加圧時にケールや稲若葉に含まれているミネラルやビタミン等が分解されるおそれがあった。
【0008】
そこで、この発明は、発芽穀物に対して稲若葉の粉末または/およびアブラナ科植物の葉の粉末をまぶした後に、粉末がまぶされた発芽穀物を焼成することにより、発芽穀物に存在しない、または含有量が極めて僅少な繊維、食物繊維などの栄養価を付加することができ、また発芽穀物と稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉との双方を粉末にしないので、管理および工程が簡単で、かつ食感を確保することができ、しかも、焼成時における粉末のミネラルやビタミン等の分解を可及的防止することができる焼菓子とその製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明による焼菓子の製造方法は、発芽穀物に対して稲若葉粉末とアブラナ科植物の葉の粉末との少なくとも何れか一方をまぶす粉末付着工程と、上記粉末がまぶされた発芽穀物を焼成して所定形状に成形する焼成工程とを備えたものである。
【0010】
上記構成の発芽穀物は、発芽玄米、籾殻が除去された発芽小麦、籾殻が除去された発芽大麦、発芽大豆、発芽トウモロコシ種実の少なくとも何れか1つに設定することができる。なお、美味しさの面からは発芽玄米が望ましい。また、アブラナ科植物としてはカブ、カリフラワー、クレソン、白菜、キャベツ、大根、高菜、ワサビ、ブロッコリー、ケールがあるが、栄養価が最も高いケールが望ましい。さらに、粉末としては、粒径が100μm以下の微粉末が望ましい。
【0011】
上記構成によれば、粉末付着工程で、発芽穀物に対して稲若葉粉末とアブラナ科植物の葉の粉末との少なくとも何れか一方がまぶされ、次の焼成工程で、粉末がまぶされた発芽穀物は焼成されて所定形状の焼菓子に成形される。
【0012】
このように、発芽穀物に対して稲若葉粉末または/およびアブラナ科植物の葉の粉末をまぶした後に、焼成するので、発芽穀物に存在しない、または含有量が極めて僅少な繊維、食物繊維などの栄養価を付加することができる。
【0013】
また発芽穀物と稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉との双方を粉末にすることなく、稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉のみを粉末にするので、発芽穀物が有する含水量(発芽玄米の場合は約14.5〜17.5wt%の含水率)により、均一な混合状態を確保しつつ、管理および工程の簡略化を図ることができ、かつ焼菓子の食感を確保することができる。
さらに、粉末を発芽穀物にまぶすことで、粉末が中に入るので、焼成時における粉末のミネラルやビタミン等の分解を可及的防止することができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記粉末付着工程の前段階で発芽穀物に水分を付加する水分付加工程を備えたものである。
上記構成によれば、水分付加工程で、発芽穀物に水分を付加するので、粉末を極めて容易にまぶすことができる。なお、水分を付加しても焼成時に水分は蒸発除去されるので、食感に悪影響を及すことはない。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記水分付加工程では発芽穀物に対して水を噴霧するものである。
上記構成によれば、発芽穀物に対して水を噴霧いわゆるスプレーするので、水分を簡単かつ全体に均一に付加することができ、粉末の均等な付着状態を確保することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記稲若葉粉末またはアブラナ科植物の葉の粉末は、粉末に粉砕される前段階で遠赤外線が照射され、γ−アミノ酪酸または/および必須アミノ酸が富化されたものである。
【0017】
上記構成によれば、γ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)の富化により、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果が得られ、必須アミノ酸の富化により、体内で生合成することが不可能なアミノ酸の摂取が可能になると共に、必須アミノ酸(旨味成分)の富化により、焼菓子の味(おいしさ)が向上する。
【0018】
この発明による焼菓子は、上記構成の製造方法により製造されたものであるから、上述の効果をもった焼菓子を得ることができる。
【0019】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は焼菓子とその製造方法を示すが、まず図1を参照して微粉末(稲若葉の微粉末、ケール微粉末)を形成する工程について説明する。
【0020】
図1において、まず稲科植物の若葉としての稲若葉、またはアブラナ科植物の葉としてのケール葉を準備する。ここで稲若葉またはケール葉は農薬、化学肥料を一切用いないで栽培することが望ましい。
【0021】
稲若葉については草丈約20〜50cmの出穂前の若葉の段階で刈取ったものを用い、ケール葉についてはケール生葉の全葉を用いる。なお図1に示す工程図において、稲若葉を用いる場合と、ケール葉を用いる場合とで、その工程はほぼ同様である。
スライス工程s1で、採取した稲若葉またはケール葉を約0.5〜10cmの葉片にスライスする。
【0022】
次に一次遠赤外線処理による富化工程(詳しくはGABAおよび必須アミノ酸の富化工程)s2で、所定大に切断された葉片に対して遠赤外線を約30秒〜2.5分の所定短時間の範囲内で照射する。遠赤外線の照射時間が2.5分を超過すると、必須アミノ酸の合成量が減少する。
【0023】
上述の葉片に遠赤外線を可及的万遍なく照射すると、葉片に含まれているグルタミン酸がγ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)に変わるので、このγ−アミノ酪酸の富化、倍加、増大を図ることができると共に、遠赤外線照射により必須アミノ酸の合成が促進される。
【0024】
次に洗浄工程s3で、富化処理後の葉片を水または溶液(水に対して殺菌剤としてのクエン酸を加えた溶液)を用いて洗浄処理する。
【0025】
次に殺菌工程s4で、洗浄後の葉片を殺菌する。この殺菌処理は、次亜塩素酸ソーダを混入した適宜濃度の殺菌水に浸して行なう。薬剤としては蒸気の他にクエン酸や、高度サラシ粉等からなる適宜の弱酸性機能水生成用薬剤等を用い、殺菌水に所定時間浸した後に、水洗いを行なう。
【0026】
次に予備乾燥工程s5で、殺菌後の葉片を予備乾燥室に入れて、予備乾燥し、残りの水分が5〜8wt%になるように乾燥する。
次に二次遠赤外線処理工程s6で、予備乾燥後の葉片を遠赤外線乾燥室に入れて、遠赤外線を照射し、乾燥処理により水分を除去し、残りの水分が2〜3wt%になるように乾燥する。
【0027】
上述の富化工程s2による一次遠赤外線照射処理と、工程s6の二次遠赤外線照射処理との相乗効果により、緑色保持しているγ−アミノ酪酸の含有率がさらに高められる。
【0028】
次に粉砕工程s7で、稲若葉またはケール葉の葉片をその粒径が100μm以下、望ましくは0.5〜80μmになるように微粉砕して、微粉末Aを得る。
粉砕装置としてはミル等の粉砕手段を用いることができる。粒径を100μm以下にすると食する時に、のどに引っかかることがないので望ましい。
【0029】
図1に示す製造方法により製造された稲若葉の微粉末をアミノ酸自動分析器を用いて測定した結果(GABA含量)を、次の[表1]に示す。なお同表の時間は工程s2における遠赤外線の照射時間である。
【0030】
【表1】
この[表1]により遠赤外線処理で稲若葉中のGABA含量が増大していることが明白であり、照射時間30秒でGABA含量が最も増大した。
【0031】
同様に、図1に示す製造方法により製造されたケール葉の微粉末をアミノ酸自動分析器を用いて測定した結果(GABA含量)を、次の[表2]に示す。ここで、同表中の時間については[表1]と同様である。
【0032】
【表2】
この[表2]により遠赤外線処理でケール葉中のGABA含量が増大していることが明白であり、照射時間30秒でGABA含量が最も増大した。
【0033】
このように上記方法によりGABAの含量は稲若葉で46〜59mg/100g、ケール葉では530〜580mg/100gに増大し、何れも緑色が一段と濃くなり、しかも、タンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、カルシウム、リン、鉄、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、サイアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、総アスコルピン酸(ビタミンC)、総トコフェロール(ビタミンE)、メチルメチオニンスルホニウム塩(ビタミンU)、スーパーオキシド消去活性、総クロロフィル等の成分はほとんどそのまま維持されていることが判明した。
【0034】
一方、図1に示す製造方法により製造された稲若葉微粉末の必須アミノ酸量を生体液分析法により測定した結果を次の〔表3〕に示す。なお、実施例品1では工程s2の遠赤外線照射時間を30秒に設定し、実施例品2では40秒に設定し、実施例品3では2.5分に設定し、比較例品では遠赤外線を一切照射しないものである。
【0035】
【表3】
【0036】
ここに、Thrはスレオニン、Valはバリン、Metはメチオニン、Ileはイソロイシン、Leuはロイシン、Pheはフェニルアラニン、Hisはヒスチジン、Lysはリジン、Trpはトリプトファンの略であり、His以外の8種類は必須アミノ酸である。またHiSは体内で合成されるものの、急速な発育をする幼児期に欠かせないアミノ酸である。
【0037】
図2は上記〔表3〕の必須アミノ酸総量を図面で示すものであって、遠赤外線を一切照射しない比較例品に対して、実施例品1〜3は必須アミノ酸のそれぞれ及び総量が共に大幅に増加していることが判明した。なお、遠赤外線の照射時間が30秒の時、必須アミノ酸の増加量が最大となった。
【0038】
なお、稲若葉はタンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、灰分、ナトリウム、カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、ビタミンA、β−カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンU、スーパーオキシド消去活性、総クロロフィルなどの栄養価が高く、またケール葉はタンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、灰分、ナトリウム、カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、ビタミンA、β−カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、総ビタミンC、ビタミンE、葉酸、ビタミンU、スーパーオキシド消去活性などの栄養価が高いものである。
【0039】
図3は微粉末を形成する他の工程を示し、図3において、まず稲科植物の若葉としての稲若葉、またはアブラナ科植物の葉としてのケール葉を準備する。ここで稲若葉またはケール葉は農薬、化学肥料を一切用いないで栽培することが望ましい。
【0040】
稲若葉については草丈約20〜50cmの出穂前の若葉の段階で刈取ったものを用い、ケール葉についてはケール生葉の全葉を用いる。なお図3に示す工程図において、稲若葉を用いる場合と、ケール葉を用いる場合とで、その工程はほぼ同様である。
スライス工程n1で、採取した稲若葉またはケール葉を約0.5〜10cmの葉片にスライスする。
【0041】
次に洗浄工程n2で所定大に切断された後の葉片を水または溶液(水に対して殺菌剤としてのクエン酸を加えた溶液)を用いて洗浄処理する。
【0042】
次に殺菌工程n3で、洗浄後の葉片を殺菌する。この殺菌処理は、次亜塩素酸ソーダを混入した適宜濃度の殺菌水に浸して行なう。薬剤としては蒸気の他にクエン酸や、高度サラシ粉等からなる適宜の弱酸性機能水生成用薬剤等を用い、殺菌水に所定時間浸した後に、水洗いを行なう。
次に脱水工程n4で、殺菌後の葉片を脱水手段にて脱水処理する。
【0043】
次に一次遠赤外線処理による富化工程n5で、脱水処理後の葉片に対して遠赤外線を約30秒〜2.5分の所定短時間の範囲内で照射する。遠赤外線の照射時間が2.5分を超過すると、必須アミノ酸の合成量が減少する。
【0044】
上述の葉片に遠赤外線を可及的万遍なく照射すると、葉片に含まれているグルタミン酸がγ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)に変わるので、このγ−アミノ酪酸の富化、倍加、増大を図ることができると共に、遠赤外線照射により必須アミノ酸の合成が促進される。
次に保温工程n6で、一次遠赤外線処理後の葉片を約40℃前後の温風を用いて30分〜1.5時間程度保温処理する。
【0045】
次に予備乾燥工程n7で、保温後の葉片を予備乾燥室に入れて、予備乾燥し、残りの水分が5〜8wt%になるように乾燥する。
次に二次遠赤外線処理工程n8で、予備乾燥後の葉片を遠赤外線乾燥室に入れて、遠赤外線を照射し、乾燥処理により水分を除去し、残りの水分が2〜3wt%になるように乾燥する。
【0046】
上述の富化工程n5による一次遠赤外線照射処理と、工程n8の二次遠赤外線照射処理との相乗効果により、緑色保持しているγ−アミノ酪酸の含有率がさらに高められる。
【0047】
次に粉砕工程n9で、稲若葉またはケール葉の葉片をその粒径が100μm以下、望ましくは0.5〜80μmになるように微粉砕して、微粉末Bを得る。粉砕装置としてしはミル等の粉砕手段を用いることができる。
【0048】
図3に示す製造方法により製造された稲若葉の微粉末をアミノ酸自動分析器を用いて測定した結果(GABA含量)を、次の[表4]に示す。なお同表の時間は工程n5における遠赤外線の照射時間である。
【0049】
【表4】
この[表4]により遠赤外線処理で稲若葉中のGABA含量が増大していることが明白であり、照射時間30秒でGABA含量が最も増大した。
【0050】
同様に、図3に示す製造方法により製造されたケール葉の微粉末をアミノ酸自動分析器を用いて測定した結果(GABA含量)を、次の[表5]に示す。ここで、同表中の時間については[表4]と同様である。
【0051】
【表5】
この[表5]により遠赤外線処理でケール葉中のGABA含量が増大していることが明白であり、照射時間が30秒でGABA含量が最も増大した。
【0052】
このように上記方法によりGABAの含量は稲若葉で50〜62mg/100g、ケール葉では550〜600mg/100gに増大し、何れも緑色が一段と濃くなり、しかも、タンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、カルシウム、リン、鉄、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、サイアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、総アスコルピン酸(ビタミンC)、総トコフェロール(ビタミンE)、メチルメチオニンスルホニウム塩(ビタミンU)、スーパーオキシド消去活性、総クロロフィル等の成分はほとんどそのまま維持されていることが判明した。
【0053】
一方、必須アミノ酸量については微粉末Aと微粉末Bとで、ほぼ同様に増加するものと推考される。
図4は焼菓子の製造方法を示し、この実施例では発芽穀物の一例として発芽玄米を用いる。
【0054】
水分付加工程c1で、多数の発芽玄米に対してスプレーを用いて水を噴霧する。この場合、水分付加量は1.0wt%程度になるように噴霧する。上述のスプレー(噴霧器)を用いて水を噴霧すると、発芽玄米に対して水分を簡単かつ全体に均一に付加することができると共に、次工程の粉末付着工程c2での粉末のまぶし状態が良好となる。
【0055】
次に粉末付着工程c2で、水分付加後の発芽玄米に対して図1の製造方法により製造された微粉末Aまたは図3の製造方法により製造された微粉末Bつまり、稲若葉微粉末または/およびケール微粉末をまぶす。
【0056】
ここで、微粉末の量は稲若葉微粉末が0.5〜2.5wt%、ケール微粉末が0.2〜1.0wt%の範囲が望ましい。つまり、この所定範囲の下限値未満の場合には稲若葉およびケールのもつ栄養価の付加が困難となり、所定範囲の上限値を超える場合にはコスト高になるばかりでなく、焼菓子の美味しさが低下するので、上述の所定範囲が望ましい。
【0057】
また上述の稲若葉微粉末、ケール微粉末の付着工程c2は水分付加工程c1の後に実行されるので、微粉末AまたはBを発芽玄米に対して均等かつ確実に付着させることができる。
【0058】
次に低温乾燥工程c3で、微粉末AまたはBがまぶされた発芽玄米を30℃前後で低温乾燥させる。
次に遠赤外線照射工程c4で、低温乾燥後の発芽玄米に遠赤外線を均一に照射して、その内部まで確実に乾燥させると共に、遠赤活性により発芽玄米がもっている栄養分を最良の状態に引出して、身体に充分に吸収されやすいように加工する。
【0059】
次に焼成工程c5で、各工程c1〜c4終了後の発芽玄米を焼成型に入れて、温度約200〜280℃、望ましくは240℃、加熱時間2〜10秒間、加圧圧力6Kg/cm2前後で焼成すると、発芽玄米から水分が抜けて膨化し、厚さ約1〜2mm、直径約3〜4.5cmの焼菓子D(図5参照)となり、香ばしいパリッとした歯ごたえの食感をもった焼菓子Dに成型され、湯をかけると、粥になるので、粥としても食することができる。なお、上述の各数値は一例であって、これに限定されるものではない。
【0060】
なお、上述の発芽玄米に対して、この玄米の大きさと同等程度の大きさに粉砕された黒豆(発芽黒豆を含む)、黒ゴマ、ヒジキ、海苔(青のり等)、小魚等の付加食品や適量の塩、しょう油などの調味料または香辛料を添加してもよい。
【0061】
このように上記実施例の焼菓子の製造方法は、発芽穀物に対して稲若葉微粉末とアブラナ科植物の葉の微粉末(ケール微粉末参照)との少なくとも何れか一方をまぶす粉末付着工程c2と、上記微粉末AまたはBがまぶされた発芽穀物を焼成して所定形状に成形する焼成工程c5とを備えたものである。
【0062】
この構成によれば、粉末付着工程c2で、発芽穀物に対して稲若葉微粉末とアブラナ科植物の葉の微粉末(ケール微粉末参照)との少なくとも何れか一方がまぶされ、次の焼成工程c5で、微粉末がまぶされた発芽穀物は焼成されて所定形状の焼菓子Dに成形される。
【0063】
このように、発芽穀物に対して稲若葉微粉末または/およびアブラナ科植物の葉の微粉末(ケール微粉末参照)をまぶした後に、焼成するので、発芽穀物に存在しない、または含有量が極めて僅少な繊維、食物繊維などの栄養価を付加することができる。
【0064】
また発芽穀物と稲若葉または/およびアブラナ科植物(ケール参照)の葉との双方を微粉末にすることなく、稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉のみを微粉末にするので、発芽穀物が有する含水量(発芽玄米の場合は約14.5〜17.5wt%の含水率)により、均一な混合状態を確保しつつ、管理および工程の簡略化を図ることができ、かつ焼菓子Dの食感を確保することができる。
さらに、微粉末を発芽穀物にまぶすことで、微粉末が発芽穀物の内部に入るので、焼成時において粉末が焼成型で直接焼かれる可能性が小となり、この結果微粉末のミネラルやビタミン等の熱による分解を可及的防止することができる。
【0065】
しかも、上記粉末付着工程c2の前段階で発芽穀物に水分を付加する水分付加工程c1を備えたものである。
この構成によれば、水分付加工程c1で、発芽穀物に水分を付加するので、微粉末を極めて容易にまぶすことができる。なお、水分を付加しても焼成時に水分は蒸発除去されるので、食感に悪影響を及すことはない。
【0066】
また、上記水分付加工程c1では発芽穀物に対して水を噴霧するものである。
この構成によれば、発芽穀物に対して水を噴霧いわゆるスプレーするので、水分を簡単かつ全体に均一に付加することができ、微粉末の均等な付着状態を確保することができる。
【0067】
さらに、上記稲若葉微粉末またはアブラナ科植物の葉の微粉末(ケール微粉末参照)は、微粉末に粉砕される前段階で遠赤外線が照射され、γ−アミノ酪酸または/および必須アミノ酸が富化されたものである。
【0068】
この構成によれば、γ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)の富化により、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果が得られ、必須アミノ酸の富化により、体内で生合成することが不可能なアミノ酸の摂取が可能になると共に、必須アミノ酸(旨味成分)の富化により、焼菓子Dの味(おいしさ)が向上する。
【0069】
一方、上記実施例の焼菓子は、上記構成の製造方法により製造されたものであるから、上述の効果をもった焼菓子Dを得ることができる。また、焼菓子Dの主成分としての発芽玄米に含まれる機能成分オリザノールは脂質の酸化を抑制する作用があると共に、抗ストレス作用がある。
【0070】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の発芽穀物は、実施例の膨化可能な発芽穀物としての発芽玄米に対応し、
以下同様に、
アブラナ科の植物は、栄養価が最も高いケールに対応し、
粉末は、粒径が100μm以下の微粉末に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0071】
例えば、発芽穀物は、発芽した米、麦、あわ、きび、豆(いわゆる五穀)を単体または複数組合わせて用いてもよく、上述の微粉末がまぶされた発芽穀物に対して風味や他の栄養分を付加する目的で他の付加食品、調味料または香辛料を添加してもよい。
【0072】
【発明の効果】
この発明によれば、発芽穀物に対して稲若葉の粉末または/およびアブラナ科植物の葉の粉末をまぶした後に、粉末がまぶされた発芽穀物を焼成するので、発芽穀物に存在しない、または含有量が極めて僅少な繊維、食物繊維などの栄養価を付加することができ、また発芽穀物と稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉との双方を粉末にしないので、管理および工程が簡単で、かつ食感を確保することができ、しかも、焼成時における粉末のミネラルやビタミン等の分解を可及的防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発芽穀物にまぶす微粉末の製造工程を示す工程図。
【図2】必須アミノ酸総量の対比を示す特性図。
【図3】微粉末の製造工程の他の実施例を示す特性図。
【図4】焼菓子の製造方法を示す工程図。
【図5】焼成された焼菓子の説明図。
【符号の説明】
A…微粉末
B…微粉末
D…焼菓子
c1…水分加工工程
c2…粉末付着工程
c5…焼成工程
【発明の属する技術分野】
この発明は、発芽玄米やその他の発芽穀物を材料として用いて形成される焼菓子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発芽穀物はその発芽によって、リンが供給され、リン酸酵素が働いて、フィチン酸が、リン酸とイノシトールとに分解され、蛋白質はアミノ酸に、脂肪は必須脂肪酸に、澱粉は糖に、ミネラルはアミノ酸と結びついた形に変わり、身体に対して吸収されやすくなり、かつ、亜鉛などのミネラル類やビタミンが数倍に増え、特に澱粉が糖に変わることで、別途加糖処理を施す必要がなくなることが知られている。
【0003】
そこで、本願発明者等は発芽穀物を加熱、加圧して所定形状に成形することにより、焼菓子を製造する方法を既に発明した(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−41582号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の焼菓子の製造方法によれば、自然の甘味をもった焼菓子を製造することができると共に、穀物がもっている栄養分を身体に対して吸収されやすい状態と成すことができる利点がある。
しかし、発芽穀物は繊維や食物繊維が充分に含まれていない。
【0006】
そこで、発芽穀物を材料とする焼菓子に対して、該発芽穀物に含まれていない栄養価または含有量が極めて僅少な栄養価を補充するためには、ケールや稲若葉を混合することが考えられるが、この場合、発芽穀物とケールおよび稲若葉との双方を粉末に加工すると、加工に手間がかかるうえ、管理および工程が複雑化し、しかも、製造された焼菓子の食感が劣化する問題点があった。
【0007】
一方、発芽穀物に対して単にケールや稲若葉を混合すると、混合状態が不均一になるうえ、約200〜280℃で焼菓子に焼成する加熱、加圧時にケールや稲若葉に含まれているミネラルやビタミン等が分解されるおそれがあった。
【0008】
そこで、この発明は、発芽穀物に対して稲若葉の粉末または/およびアブラナ科植物の葉の粉末をまぶした後に、粉末がまぶされた発芽穀物を焼成することにより、発芽穀物に存在しない、または含有量が極めて僅少な繊維、食物繊維などの栄養価を付加することができ、また発芽穀物と稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉との双方を粉末にしないので、管理および工程が簡単で、かつ食感を確保することができ、しかも、焼成時における粉末のミネラルやビタミン等の分解を可及的防止することができる焼菓子とその製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明による焼菓子の製造方法は、発芽穀物に対して稲若葉粉末とアブラナ科植物の葉の粉末との少なくとも何れか一方をまぶす粉末付着工程と、上記粉末がまぶされた発芽穀物を焼成して所定形状に成形する焼成工程とを備えたものである。
【0010】
上記構成の発芽穀物は、発芽玄米、籾殻が除去された発芽小麦、籾殻が除去された発芽大麦、発芽大豆、発芽トウモロコシ種実の少なくとも何れか1つに設定することができる。なお、美味しさの面からは発芽玄米が望ましい。また、アブラナ科植物としてはカブ、カリフラワー、クレソン、白菜、キャベツ、大根、高菜、ワサビ、ブロッコリー、ケールがあるが、栄養価が最も高いケールが望ましい。さらに、粉末としては、粒径が100μm以下の微粉末が望ましい。
【0011】
上記構成によれば、粉末付着工程で、発芽穀物に対して稲若葉粉末とアブラナ科植物の葉の粉末との少なくとも何れか一方がまぶされ、次の焼成工程で、粉末がまぶされた発芽穀物は焼成されて所定形状の焼菓子に成形される。
【0012】
このように、発芽穀物に対して稲若葉粉末または/およびアブラナ科植物の葉の粉末をまぶした後に、焼成するので、発芽穀物に存在しない、または含有量が極めて僅少な繊維、食物繊維などの栄養価を付加することができる。
【0013】
また発芽穀物と稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉との双方を粉末にすることなく、稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉のみを粉末にするので、発芽穀物が有する含水量(発芽玄米の場合は約14.5〜17.5wt%の含水率)により、均一な混合状態を確保しつつ、管理および工程の簡略化を図ることができ、かつ焼菓子の食感を確保することができる。
さらに、粉末を発芽穀物にまぶすことで、粉末が中に入るので、焼成時における粉末のミネラルやビタミン等の分解を可及的防止することができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記粉末付着工程の前段階で発芽穀物に水分を付加する水分付加工程を備えたものである。
上記構成によれば、水分付加工程で、発芽穀物に水分を付加するので、粉末を極めて容易にまぶすことができる。なお、水分を付加しても焼成時に水分は蒸発除去されるので、食感に悪影響を及すことはない。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記水分付加工程では発芽穀物に対して水を噴霧するものである。
上記構成によれば、発芽穀物に対して水を噴霧いわゆるスプレーするので、水分を簡単かつ全体に均一に付加することができ、粉末の均等な付着状態を確保することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記稲若葉粉末またはアブラナ科植物の葉の粉末は、粉末に粉砕される前段階で遠赤外線が照射され、γ−アミノ酪酸または/および必須アミノ酸が富化されたものである。
【0017】
上記構成によれば、γ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)の富化により、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果が得られ、必須アミノ酸の富化により、体内で生合成することが不可能なアミノ酸の摂取が可能になると共に、必須アミノ酸(旨味成分)の富化により、焼菓子の味(おいしさ)が向上する。
【0018】
この発明による焼菓子は、上記構成の製造方法により製造されたものであるから、上述の効果をもった焼菓子を得ることができる。
【0019】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は焼菓子とその製造方法を示すが、まず図1を参照して微粉末(稲若葉の微粉末、ケール微粉末)を形成する工程について説明する。
【0020】
図1において、まず稲科植物の若葉としての稲若葉、またはアブラナ科植物の葉としてのケール葉を準備する。ここで稲若葉またはケール葉は農薬、化学肥料を一切用いないで栽培することが望ましい。
【0021】
稲若葉については草丈約20〜50cmの出穂前の若葉の段階で刈取ったものを用い、ケール葉についてはケール生葉の全葉を用いる。なお図1に示す工程図において、稲若葉を用いる場合と、ケール葉を用いる場合とで、その工程はほぼ同様である。
スライス工程s1で、採取した稲若葉またはケール葉を約0.5〜10cmの葉片にスライスする。
【0022】
次に一次遠赤外線処理による富化工程(詳しくはGABAおよび必須アミノ酸の富化工程)s2で、所定大に切断された葉片に対して遠赤外線を約30秒〜2.5分の所定短時間の範囲内で照射する。遠赤外線の照射時間が2.5分を超過すると、必須アミノ酸の合成量が減少する。
【0023】
上述の葉片に遠赤外線を可及的万遍なく照射すると、葉片に含まれているグルタミン酸がγ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)に変わるので、このγ−アミノ酪酸の富化、倍加、増大を図ることができると共に、遠赤外線照射により必須アミノ酸の合成が促進される。
【0024】
次に洗浄工程s3で、富化処理後の葉片を水または溶液(水に対して殺菌剤としてのクエン酸を加えた溶液)を用いて洗浄処理する。
【0025】
次に殺菌工程s4で、洗浄後の葉片を殺菌する。この殺菌処理は、次亜塩素酸ソーダを混入した適宜濃度の殺菌水に浸して行なう。薬剤としては蒸気の他にクエン酸や、高度サラシ粉等からなる適宜の弱酸性機能水生成用薬剤等を用い、殺菌水に所定時間浸した後に、水洗いを行なう。
【0026】
次に予備乾燥工程s5で、殺菌後の葉片を予備乾燥室に入れて、予備乾燥し、残りの水分が5〜8wt%になるように乾燥する。
次に二次遠赤外線処理工程s6で、予備乾燥後の葉片を遠赤外線乾燥室に入れて、遠赤外線を照射し、乾燥処理により水分を除去し、残りの水分が2〜3wt%になるように乾燥する。
【0027】
上述の富化工程s2による一次遠赤外線照射処理と、工程s6の二次遠赤外線照射処理との相乗効果により、緑色保持しているγ−アミノ酪酸の含有率がさらに高められる。
【0028】
次に粉砕工程s7で、稲若葉またはケール葉の葉片をその粒径が100μm以下、望ましくは0.5〜80μmになるように微粉砕して、微粉末Aを得る。
粉砕装置としてはミル等の粉砕手段を用いることができる。粒径を100μm以下にすると食する時に、のどに引っかかることがないので望ましい。
【0029】
図1に示す製造方法により製造された稲若葉の微粉末をアミノ酸自動分析器を用いて測定した結果(GABA含量)を、次の[表1]に示す。なお同表の時間は工程s2における遠赤外線の照射時間である。
【0030】
【表1】
この[表1]により遠赤外線処理で稲若葉中のGABA含量が増大していることが明白であり、照射時間30秒でGABA含量が最も増大した。
【0031】
同様に、図1に示す製造方法により製造されたケール葉の微粉末をアミノ酸自動分析器を用いて測定した結果(GABA含量)を、次の[表2]に示す。ここで、同表中の時間については[表1]と同様である。
【0032】
【表2】
この[表2]により遠赤外線処理でケール葉中のGABA含量が増大していることが明白であり、照射時間30秒でGABA含量が最も増大した。
【0033】
このように上記方法によりGABAの含量は稲若葉で46〜59mg/100g、ケール葉では530〜580mg/100gに増大し、何れも緑色が一段と濃くなり、しかも、タンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、カルシウム、リン、鉄、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、サイアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、総アスコルピン酸(ビタミンC)、総トコフェロール(ビタミンE)、メチルメチオニンスルホニウム塩(ビタミンU)、スーパーオキシド消去活性、総クロロフィル等の成分はほとんどそのまま維持されていることが判明した。
【0034】
一方、図1に示す製造方法により製造された稲若葉微粉末の必須アミノ酸量を生体液分析法により測定した結果を次の〔表3〕に示す。なお、実施例品1では工程s2の遠赤外線照射時間を30秒に設定し、実施例品2では40秒に設定し、実施例品3では2.5分に設定し、比較例品では遠赤外線を一切照射しないものである。
【0035】
【表3】
【0036】
ここに、Thrはスレオニン、Valはバリン、Metはメチオニン、Ileはイソロイシン、Leuはロイシン、Pheはフェニルアラニン、Hisはヒスチジン、Lysはリジン、Trpはトリプトファンの略であり、His以外の8種類は必須アミノ酸である。またHiSは体内で合成されるものの、急速な発育をする幼児期に欠かせないアミノ酸である。
【0037】
図2は上記〔表3〕の必須アミノ酸総量を図面で示すものであって、遠赤外線を一切照射しない比較例品に対して、実施例品1〜3は必須アミノ酸のそれぞれ及び総量が共に大幅に増加していることが判明した。なお、遠赤外線の照射時間が30秒の時、必須アミノ酸の増加量が最大となった。
【0038】
なお、稲若葉はタンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、灰分、ナトリウム、カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、ビタミンA、β−カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンU、スーパーオキシド消去活性、総クロロフィルなどの栄養価が高く、またケール葉はタンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、灰分、ナトリウム、カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、ビタミンA、β−カロチン、ビタミンB1、ビタミンB2、総ビタミンC、ビタミンE、葉酸、ビタミンU、スーパーオキシド消去活性などの栄養価が高いものである。
【0039】
図3は微粉末を形成する他の工程を示し、図3において、まず稲科植物の若葉としての稲若葉、またはアブラナ科植物の葉としてのケール葉を準備する。ここで稲若葉またはケール葉は農薬、化学肥料を一切用いないで栽培することが望ましい。
【0040】
稲若葉については草丈約20〜50cmの出穂前の若葉の段階で刈取ったものを用い、ケール葉についてはケール生葉の全葉を用いる。なお図3に示す工程図において、稲若葉を用いる場合と、ケール葉を用いる場合とで、その工程はほぼ同様である。
スライス工程n1で、採取した稲若葉またはケール葉を約0.5〜10cmの葉片にスライスする。
【0041】
次に洗浄工程n2で所定大に切断された後の葉片を水または溶液(水に対して殺菌剤としてのクエン酸を加えた溶液)を用いて洗浄処理する。
【0042】
次に殺菌工程n3で、洗浄後の葉片を殺菌する。この殺菌処理は、次亜塩素酸ソーダを混入した適宜濃度の殺菌水に浸して行なう。薬剤としては蒸気の他にクエン酸や、高度サラシ粉等からなる適宜の弱酸性機能水生成用薬剤等を用い、殺菌水に所定時間浸した後に、水洗いを行なう。
次に脱水工程n4で、殺菌後の葉片を脱水手段にて脱水処理する。
【0043】
次に一次遠赤外線処理による富化工程n5で、脱水処理後の葉片に対して遠赤外線を約30秒〜2.5分の所定短時間の範囲内で照射する。遠赤外線の照射時間が2.5分を超過すると、必須アミノ酸の合成量が減少する。
【0044】
上述の葉片に遠赤外線を可及的万遍なく照射すると、葉片に含まれているグルタミン酸がγ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)に変わるので、このγ−アミノ酪酸の富化、倍加、増大を図ることができると共に、遠赤外線照射により必須アミノ酸の合成が促進される。
次に保温工程n6で、一次遠赤外線処理後の葉片を約40℃前後の温風を用いて30分〜1.5時間程度保温処理する。
【0045】
次に予備乾燥工程n7で、保温後の葉片を予備乾燥室に入れて、予備乾燥し、残りの水分が5〜8wt%になるように乾燥する。
次に二次遠赤外線処理工程n8で、予備乾燥後の葉片を遠赤外線乾燥室に入れて、遠赤外線を照射し、乾燥処理により水分を除去し、残りの水分が2〜3wt%になるように乾燥する。
【0046】
上述の富化工程n5による一次遠赤外線照射処理と、工程n8の二次遠赤外線照射処理との相乗効果により、緑色保持しているγ−アミノ酪酸の含有率がさらに高められる。
【0047】
次に粉砕工程n9で、稲若葉またはケール葉の葉片をその粒径が100μm以下、望ましくは0.5〜80μmになるように微粉砕して、微粉末Bを得る。粉砕装置としてしはミル等の粉砕手段を用いることができる。
【0048】
図3に示す製造方法により製造された稲若葉の微粉末をアミノ酸自動分析器を用いて測定した結果(GABA含量)を、次の[表4]に示す。なお同表の時間は工程n5における遠赤外線の照射時間である。
【0049】
【表4】
この[表4]により遠赤外線処理で稲若葉中のGABA含量が増大していることが明白であり、照射時間30秒でGABA含量が最も増大した。
【0050】
同様に、図3に示す製造方法により製造されたケール葉の微粉末をアミノ酸自動分析器を用いて測定した結果(GABA含量)を、次の[表5]に示す。ここで、同表中の時間については[表4]と同様である。
【0051】
【表5】
この[表5]により遠赤外線処理でケール葉中のGABA含量が増大していることが明白であり、照射時間が30秒でGABA含量が最も増大した。
【0052】
このように上記方法によりGABAの含量は稲若葉で50〜62mg/100g、ケール葉では550〜600mg/100gに増大し、何れも緑色が一段と濃くなり、しかも、タンパク質、脂質、糖質、繊維、食物繊維、カルシウム、リン、鉄、マグネシウム、亜鉛、総カロチン、サイアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、総アスコルピン酸(ビタミンC)、総トコフェロール(ビタミンE)、メチルメチオニンスルホニウム塩(ビタミンU)、スーパーオキシド消去活性、総クロロフィル等の成分はほとんどそのまま維持されていることが判明した。
【0053】
一方、必須アミノ酸量については微粉末Aと微粉末Bとで、ほぼ同様に増加するものと推考される。
図4は焼菓子の製造方法を示し、この実施例では発芽穀物の一例として発芽玄米を用いる。
【0054】
水分付加工程c1で、多数の発芽玄米に対してスプレーを用いて水を噴霧する。この場合、水分付加量は1.0wt%程度になるように噴霧する。上述のスプレー(噴霧器)を用いて水を噴霧すると、発芽玄米に対して水分を簡単かつ全体に均一に付加することができると共に、次工程の粉末付着工程c2での粉末のまぶし状態が良好となる。
【0055】
次に粉末付着工程c2で、水分付加後の発芽玄米に対して図1の製造方法により製造された微粉末Aまたは図3の製造方法により製造された微粉末Bつまり、稲若葉微粉末または/およびケール微粉末をまぶす。
【0056】
ここで、微粉末の量は稲若葉微粉末が0.5〜2.5wt%、ケール微粉末が0.2〜1.0wt%の範囲が望ましい。つまり、この所定範囲の下限値未満の場合には稲若葉およびケールのもつ栄養価の付加が困難となり、所定範囲の上限値を超える場合にはコスト高になるばかりでなく、焼菓子の美味しさが低下するので、上述の所定範囲が望ましい。
【0057】
また上述の稲若葉微粉末、ケール微粉末の付着工程c2は水分付加工程c1の後に実行されるので、微粉末AまたはBを発芽玄米に対して均等かつ確実に付着させることができる。
【0058】
次に低温乾燥工程c3で、微粉末AまたはBがまぶされた発芽玄米を30℃前後で低温乾燥させる。
次に遠赤外線照射工程c4で、低温乾燥後の発芽玄米に遠赤外線を均一に照射して、その内部まで確実に乾燥させると共に、遠赤活性により発芽玄米がもっている栄養分を最良の状態に引出して、身体に充分に吸収されやすいように加工する。
【0059】
次に焼成工程c5で、各工程c1〜c4終了後の発芽玄米を焼成型に入れて、温度約200〜280℃、望ましくは240℃、加熱時間2〜10秒間、加圧圧力6Kg/cm2前後で焼成すると、発芽玄米から水分が抜けて膨化し、厚さ約1〜2mm、直径約3〜4.5cmの焼菓子D(図5参照)となり、香ばしいパリッとした歯ごたえの食感をもった焼菓子Dに成型され、湯をかけると、粥になるので、粥としても食することができる。なお、上述の各数値は一例であって、これに限定されるものではない。
【0060】
なお、上述の発芽玄米に対して、この玄米の大きさと同等程度の大きさに粉砕された黒豆(発芽黒豆を含む)、黒ゴマ、ヒジキ、海苔(青のり等)、小魚等の付加食品や適量の塩、しょう油などの調味料または香辛料を添加してもよい。
【0061】
このように上記実施例の焼菓子の製造方法は、発芽穀物に対して稲若葉微粉末とアブラナ科植物の葉の微粉末(ケール微粉末参照)との少なくとも何れか一方をまぶす粉末付着工程c2と、上記微粉末AまたはBがまぶされた発芽穀物を焼成して所定形状に成形する焼成工程c5とを備えたものである。
【0062】
この構成によれば、粉末付着工程c2で、発芽穀物に対して稲若葉微粉末とアブラナ科植物の葉の微粉末(ケール微粉末参照)との少なくとも何れか一方がまぶされ、次の焼成工程c5で、微粉末がまぶされた発芽穀物は焼成されて所定形状の焼菓子Dに成形される。
【0063】
このように、発芽穀物に対して稲若葉微粉末または/およびアブラナ科植物の葉の微粉末(ケール微粉末参照)をまぶした後に、焼成するので、発芽穀物に存在しない、または含有量が極めて僅少な繊維、食物繊維などの栄養価を付加することができる。
【0064】
また発芽穀物と稲若葉または/およびアブラナ科植物(ケール参照)の葉との双方を微粉末にすることなく、稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉のみを微粉末にするので、発芽穀物が有する含水量(発芽玄米の場合は約14.5〜17.5wt%の含水率)により、均一な混合状態を確保しつつ、管理および工程の簡略化を図ることができ、かつ焼菓子Dの食感を確保することができる。
さらに、微粉末を発芽穀物にまぶすことで、微粉末が発芽穀物の内部に入るので、焼成時において粉末が焼成型で直接焼かれる可能性が小となり、この結果微粉末のミネラルやビタミン等の熱による分解を可及的防止することができる。
【0065】
しかも、上記粉末付着工程c2の前段階で発芽穀物に水分を付加する水分付加工程c1を備えたものである。
この構成によれば、水分付加工程c1で、発芽穀物に水分を付加するので、微粉末を極めて容易にまぶすことができる。なお、水分を付加しても焼成時に水分は蒸発除去されるので、食感に悪影響を及すことはない。
【0066】
また、上記水分付加工程c1では発芽穀物に対して水を噴霧するものである。
この構成によれば、発芽穀物に対して水を噴霧いわゆるスプレーするので、水分を簡単かつ全体に均一に付加することができ、微粉末の均等な付着状態を確保することができる。
【0067】
さらに、上記稲若葉微粉末またはアブラナ科植物の葉の微粉末(ケール微粉末参照)は、微粉末に粉砕される前段階で遠赤外線が照射され、γ−アミノ酪酸または/および必須アミノ酸が富化されたものである。
【0068】
この構成によれば、γ−アミノ酪酸(いわゆるGABA)の富化により、血圧上昇抑制作用、精神安定作用、腎機能改善作用、肝機能改善作用、肥満防止作用、口臭や体臭などの消臭効果が得られ、必須アミノ酸の富化により、体内で生合成することが不可能なアミノ酸の摂取が可能になると共に、必須アミノ酸(旨味成分)の富化により、焼菓子Dの味(おいしさ)が向上する。
【0069】
一方、上記実施例の焼菓子は、上記構成の製造方法により製造されたものであるから、上述の効果をもった焼菓子Dを得ることができる。また、焼菓子Dの主成分としての発芽玄米に含まれる機能成分オリザノールは脂質の酸化を抑制する作用があると共に、抗ストレス作用がある。
【0070】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の発芽穀物は、実施例の膨化可能な発芽穀物としての発芽玄米に対応し、
以下同様に、
アブラナ科の植物は、栄養価が最も高いケールに対応し、
粉末は、粒径が100μm以下の微粉末に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0071】
例えば、発芽穀物は、発芽した米、麦、あわ、きび、豆(いわゆる五穀)を単体または複数組合わせて用いてもよく、上述の微粉末がまぶされた発芽穀物に対して風味や他の栄養分を付加する目的で他の付加食品、調味料または香辛料を添加してもよい。
【0072】
【発明の効果】
この発明によれば、発芽穀物に対して稲若葉の粉末または/およびアブラナ科植物の葉の粉末をまぶした後に、粉末がまぶされた発芽穀物を焼成するので、発芽穀物に存在しない、または含有量が極めて僅少な繊維、食物繊維などの栄養価を付加することができ、また発芽穀物と稲若葉または/およびアブラナ科植物の葉との双方を粉末にしないので、管理および工程が簡単で、かつ食感を確保することができ、しかも、焼成時における粉末のミネラルやビタミン等の分解を可及的防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発芽穀物にまぶす微粉末の製造工程を示す工程図。
【図2】必須アミノ酸総量の対比を示す特性図。
【図3】微粉末の製造工程の他の実施例を示す特性図。
【図4】焼菓子の製造方法を示す工程図。
【図5】焼成された焼菓子の説明図。
【符号の説明】
A…微粉末
B…微粉末
D…焼菓子
c1…水分加工工程
c2…粉末付着工程
c5…焼成工程
Claims (5)
- 発芽穀物に対して稲若葉粉末とアブラナ科植物の葉の粉末との少なくとも何れか一方をまぶす粉末付着工程と、
上記粉末がまぶされた発芽穀物を焼成して所定形状に成形する焼成工程とを備えた
焼菓子とその製造方法。 - 上記粉末付着工程の前段階で発芽穀物に水分を付加する水分付加工程を備えた請求項1記載の焼菓子の製造方法。
- 上記水分付加工程では発芽穀物に対して水を噴霧する
請求項2記載の焼菓子の製造方法。 - 上記稲若葉粉末またはアブラナ科植物の葉の粉末は、粉末に粉砕される前段階で遠赤外線が照射され、γ−アミノ酪酸または/および必須アミノ酸が富化された
請求項1〜3の何れか1に記載の焼菓子の製造方法。 - 上記請求項1〜4の何れか1に記載の製造方法により製造された焼菓子。
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